JPH0857361A - 静電粉体塗装方法及びその装置 - Google Patents

静電粉体塗装方法及びその装置

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JPH0857361A
JPH0857361A JP19443094A JP19443094A JPH0857361A JP H0857361 A JPH0857361 A JP H0857361A JP 19443094 A JP19443094 A JP 19443094A JP 19443094 A JP19443094 A JP 19443094A JP H0857361 A JPH0857361 A JP H0857361A
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coating
powder
powder coating
electrostatic
gun
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JP19443094A
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English (en)
Inventor
Kenzo Yanagida
建三 柳田
Masahiro Yamamoto
雅洋 山本
Mitsuyoshi Kumada
光芳 熊田
Koichi Tsutsui
晃一 筒井
Ribuki Shiyanon
シャノン・リブキ
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Taiheiyo Cement Corp
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微粒子粉体塗料を凝集することなく均一に被塗
物表面上に塗装するとともに、予め下塗り層の形成され
ている被塗物表面に対しても高塗着効率で塗装できるよ
うにする。 【構成】粉体塗料供給装置100から供給される粉体塗
料Gを塗装ガン101のノス゛ル先端部GNから接地さ
れている被塗物に向って噴出せしめる静電粉体塗装方法
であって;下塗りされている被塗物を予めコロナ放電装
置130により静電反発防止処理を行った後、該塗装ガ
ンのノズル先端部の粉体流路FR内に旋回流Sを形成し
ながら塗装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の上塗り塗装
や鋼製家具等の美装塗装に用いられる静電粉体塗装方法
及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電粉体塗装において、粉体塗料は塗料
容器の流動槽よりインジェクタを介して塗装ガンへ搬送
され、ガン先端のノズル開口から搬送エア流とともに、
被塗物に向けてスプレイされる。スプレイ過程におい
て、ガン先端に備えられたピン型放電電極には直流の高
電圧が印加されており、電極近傍にはコロナ放電による
単極性イオンが発生する。粉体塗料が電極付近を通過す
る際、イオンとの衝突により粉体粒子には電荷が付与さ
れる。帯電した粉体粒子は、接地電位の被塗物に静電気
力によって付着する。
【0003】次に、被塗物上に付着した粉体層は、15
0〜250℃程度の高温雰囲気中において、溶融、硬化
の過程を経て成膜する。なお、静電粉体塗装において用
いられる粉体塗料は、取扱いの安易さから平均粒径30
〜40μmのものが一般的に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来例
では、次のような問題点がある。前述のように、静電粉
体塗装において一般には平均粒径30〜40μmの粉体
塗料が使用されるが、該塗料で形成された塗膜の平滑性
は、溶剤塗装に比較してかなり劣る。このため、自動車
ボディの上塗り塗装や鋼製家具等の平滑性の優れた美装
塗膜を要求される塗装では粉体塗装は広く採用されるに
至っていない。
【0005】静電粉体塗装方法において、塗膜平滑性を
向上させるには、塗膜の厚膜化、塗料フロー性の改善、
塗料の微粒子化等が考えられる。しかし、塗膜の厚膜化
は使用塗料量の増加による塗装コストの上昇と静電反発
発生による塗膜外観の低下という問題が生じる。
【0006】厚膜塗装すること無しに、平均粒径30〜
40μmの粉体塗料で溶剤系塗装並の平滑性を得るため
には、粉体塗料のフロー性改善が考えられるが、焼き付
け時にタレが発生しやすくなり、結果として塗膜外観の
低下を招く。
【0007】一方、平均粒径25μm以下、好適には平
均粒径5〜20μmの微粒子塗料を使用した場合は、平
滑性の向上に加え、塗膜の薄膜化が可能となり、塗装コ
スト低減も期待できる。
【0008】しかし、塗料の微粒子化により、その取扱
い性は下記に示すように著しく低下し、現在市販されて
いる静電粉体塗装装置では使用困難である。仮に塗装で
きても、塗料安定供給の困難性や凝集塗料の発生によ
り、塗膜の均一性や塗膜外観の点で十分な塗膜性能は得
られない。
【0009】(1)粉体塗料は粒径が小さくなると静電
気力の影響を強く受け付着力が増大し、その結果粉体塗
料同士で凝集したり、塗料供給チューブや粉体塗装ガン
等に付着しやすくなる。このため、粒径の小さい塗料を
安定に塗装ガンへ供給するのは困難であり、均一な塗膜
厚を得ることはできない。
【0010】(2)凝集した塗料及び粉体供給チューブ
や塗装ガンより剥離した塗料が固まりとなって被塗物面
に付着し、塗装外観を著しく損なう現象が生ずる。
【0011】(3)粉体塗料の粒径が小さくなると、被
塗物への塗着効率は塗装ガンより吐出されるエア量に大
きな影響を受ける。このため、粉体塗料は被塗物まで到
達しても搬送エア流によりかなりの量が吹き飛ばされ、
結果的に塗着効率は低下する。
【0012】上記のように、微粒子塗料は、一般的な粒
径の塗料に比べると、流体の物理的な力と静電気力に強
く影響を受けるようになる。そこで、現行の塗装装置で
塗着効率を上げる簡単な方法として、1ガン当たりの塗
料吐出量を減らすことが挙げられる。
【0013】即ち、吐出量の減少により搬送エア量が減
少し、かつ単位荷重量の増加も見込まれるため、塗着効
率は向上する。しかし、被塗物に必要な塗料の塗着量は
変わらないから、1塗装ガン当たりの吐出量を減ら場合
には、当然ガンの個数を増やさなくてはならず、設備コ
スト的には好ましくない。
【0014】次に、多層塗装の場合には、別の問題が生
じる。即ち、塗着効率の低下、及び塗膜の静電反発等で
ある。以下、多層塗装の代表的な例として、自動車の車
体塗装の場合について説明する。自動車の塗膜は最下層
が電着層で順に、中塗り層、上塗り層(ベースコート、
クリヤトップコート)の3ないし4層の多層塗膜により
形成される。
【0015】電着とメタリック系ベースコート以外は、
粉体塗装が可能であるが、このような塗膜の重ね塗り
は、金属製被塗物上に塗装する場合と比較すると、静電
気的に大きな制限を受けるため、塗着効率の低下、静電
反発による塗膜の肌荒れ等の問題が生じる。
【0016】例えば、下塗り層の形成された被塗物に対
して、−80kV程度の高電圧を塗装ガンに印加して塗
装すると、被塗物の下塗り層表面は塗装ガンより飛来す
るイオンの電荷をトラップするため、被塗物の表面電荷
密度が上昇する。
【0017】このため、被塗物の表面電位はマイナス数
kVの高電位となり、塗装ガンより被塗物に向けてスプ
レイされる帯電粉体粒子と被塗物間には、互いに静電気
的な反発力が生じ、塗着効率が低下する。又、被塗物に
堆積した粉体塗料間でも静電反発が生じ、その結果塗膜
の肌荒れという外観上の不具合も生じやすくなる。
【0018】本発明は、上記事情に鑑み、微粒子粉体塗
料を凝集することなく均一に被塗物表面上に塗装し、平
滑性に優れた塗膜を形成することを目的とする。他の目
的は、予め下塗り層の形成されている被塗物表面に対し
て、高塗着効率で塗装し、肌荒れがなく、かつ、平滑性
に優れた塗膜を形成することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、被塗物上に塗
膜を形成する静電粉対塗装において、使用する粉体塗料
が平均粒径25μm以下の微粒子、好適には平均粒径5
〜20μmの微粒子であり、塗装ガンが該塗料の凝集解
砕手段と付着防止手段とを備えていることを特徴とする
静電粉体塗装装置により、前記目的を達成しようとする
ものである。
【0020】特に下塗り層の形成されている被塗物の場
合には、上記塗装装置を用いるとともに、該下塗り層表
面の電位上昇を抑制し、静電反発を防止する手段を合せ
て実施することにより前記目的を達成しようとするもの
である。
【0021】なお、本願における静電反発防止手段は、
本願の出願人である小野田セメント株式会社の「特願平
4−270494」(特開平6−114297号)記載
の静電反発防止手段を本願に応用したものである。
【0022】
【作用】微粒子粉体塗料の凝集解砕手段と付着防止手段
とを備えた塗装ガンにより、予め静電反発防止手段によ
り塗装ガンと逆極性に帯電されている下塗り済みの被塗
物に、該荷電粉体塗料を吹き付け高効率で塗着せしめ、
かつ、肌荒れのない均一な塗膜を形成させる。
【0023】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図4により説明
する。図1に示すように、静電粉体塗装装置は粉体塗料
供給装置100と塗装ガン101とを備えている。
【0024】先ず、粉体塗料供給装置100について説
明する。図1に示すように、粉体塗料供給装置100
は、平均粒径25μm以下、好適には平均粒径5〜20
μmの微粒子粉体塗料2を入れる塗料容器1と、下記に
詳しく説明する流動化手段により流動化した粉体塗料2
を塗料容器1より吸引し塗料供給チューブ10を介して
塗装ガン101へ圧送するインジェクタ9と、インジェ
クタ9へ供給するエア量を調整することにより塗料吸引
量を制御する塗装機制御盤12と、塗装機制御盤12や
流動化手段に使用される加圧エアの温度湿度制御装置1
3と、塗料容器1の排気口18より余剰エアの排気を行
う排気ファン19と、該排気を瀘過するフイルタ20
と、により主として構成されている。
【0025】上記粉体塗料供給装置100において、塗
料供給に必要な加圧エア源Aoは、温度湿度制御装置1
3により温度25℃以下、湿度50%以下の比較的低
温、低湿度に制御された加圧エアAとして、塗装機制御
盤12や流動エア、エアバイブレータ駆動エアとして各
機器へ供給されている。
【0026】塗料容器1は、多孔質樹脂板又はキャンバ
スシート1cにより流動槽1aとエア室1bに区分され
ており、エア室1b側面に設けられた流動エア供給口3
には流動エア供給管4が接続されている。温度湿度制御
装置13により比較的低温、低湿度に制御された流動エ
アの流量は、減圧弁14により調整出来るようになって
いる。
【0027】塗料容器1の流動槽1a内には攪拌羽支持
棒6に取り付けられた攪拌羽5が設けられており、攪拌
羽5と攪拌羽支持棒6は攪拌機駆動モータ7により低速
で矢印A7方向に回転し、塗料容器1内の粉体塗料2を
攪拌する機能を有している。
【0028】キャンバスシート1cの下側には、加震手
段、例えば、エアバイブレータ8が取り付けられていて
る。このバイブレータ8は、減圧弁15によりエア流量
を調節され、振動力が制御される。加震手段はエアバイ
ブレータに限定されるものでなく、例えば、電気式バイ
ブレータを用いても良い。
【0029】塗料容器1の内面1i、攪拌羽5、攪拌羽
保持棒6、インジェクタ9内面、継ぎ手16、17内
面、塗料供給チューブ10内面等の各機器の粉体が接触
する部分、即ち、粉接面に粉体塗料付着防止手段、例え
ば、フッ素樹脂層が形成されている。
【0030】塗料付着防止手段は、フッ素樹脂による表
面加工に限らず、フッ素樹脂の微粒子を均一に分散共析
させた複合メッキ被膜、或いは、1010Ωcm以下の導
電性樹脂であってもよい。
【0031】塗料容器1、攪拌羽5、インジェクタ9、
継ぎ手16、17における粉体塗料付着防止手段とし
て、フッ素樹脂による表面加工、又は、フッ素樹脂の微
粒子を均一に分散共析させた複合メッキ被膜を用い、
又、粉体塗料供給チューブ10の粉体塗料付着防止手段
として導電性樹脂を用いてもよい。
【0032】次に、塗装ガン101を従来例と比較して
説明する。一般的なディフューザ型ガンノズルは、従来
例として図9に示すような円錐形状をしている。円錐形
ディフューザ111は、粉体塗料の流路中に軸方向に配
置されており、塗料粒子Gは塗装ガン101のノズル先
端部GNより吐出される際、ディフューサ゛111に衝
突し、粉体流路FRの半径方向外側に向きを変えて、円
筒形の吐出パターンとなる。尚、112は内筒、113
は外筒、114はコロナ放電電極、115はノズル開
口、116は塗料導入管、117は電極カバー、118
はカバー本体、を夫々示す。
【0033】以上記述のディフューザ111の役割は、
吐出パターンのソフト化による塗着効率の向上にある。
従って、本発明で使用する微粒子粉体塗料においても、
図9のディフューザ型ガンノズルを使用し、適性塗装条
件で塗装すれば高塗着効率を得ることは可能である。し
かし、凝集した微粒子の解砕は困難であり、優れた塗膜
外観は得られない。
【0034】そこで、図1〜4に示される塗装ガン10
1を適用すれば、流動過程及び搬送過程で凝集した微粒
子塗料が吐出の最終過程であるノズル先端部GNで解砕
されるため、分散状態のまま被塗物に吹き付けることが
できる。
【0035】図1〜図4に示す塗装ガン本体110に接
続されたノズルの先端部は、安全のため内部に保護抵抗
の入った電極カバー101a、101b、101cと、
電極カバー101bが電極支持材103により固定され
ている内筒102と、電極の先端カバー兼ディフューザ
104と、電極先端カバー104より1〜2mm露出し
ている放電電極105と、外筒106と、から構成され
ている。
【0036】該ノズル先端部GNの粉体流路FR中に前
記電極カバー101a、101b、ディフューザ104
が挿入されており、該ディフューザ104の先端はノズ
ル開口107の内側に位置している。これらの部材10
1a、101b、104が挿入されている区間Lの粉体
流路は狭くなっている。
【0037】この区間Lにおいて、塗料搬送の垂直方向
の断面積は、塗料導入管109の半径方向の断面積より
10〜50%小さくなっており、該区間Lで塗料の搬送
速度が速くなるように設計されている。又、内筒102
の側面に、図3、図4に示すように、粉体流路FRと接
線方向に形成された旋回エア導入口108a、108b
が設けられいる。この導入口108a、108bの延長
交差角θは、必要に応じて適宜選択されるが、例えば、
該交差角θは60度に形成される。
【0038】粉体導入管109に連通する旋回エア導入
口108a、108bには塗装中加圧エアAが供給さ
れ、それぞれ電極カバー101cと電極支持材103を
クリーニングしている。又、旋回エアAの導入により塗
料の搬送エア流は、塗料の搬送方向を軸とした旋回流S
となり、かつ、該区間Lでの開口断面積の減少により加
速されて、円錐形に広がったディフューザ104に衝突
し、凝集した微粒子粉体塗料は解砕分散される。
【0039】解砕された微粒子塗料Gは、均一に分散し
たままノズル開口107より電気的に接地された被塗物
に向ってスプレイされ、均一な塗膜が得られる。
【0040】なお、ノズル先端の開口107の断面積
は、従来型ノズルの開口117に比べて、10〜50%
小さいため、従来型ノズルと同じエア流量で塗料を搬送
すれば、吐出される塗料の初速度は1.1〜2倍程度速
くなるが、搬送エア流量は同じであるので、ガンと被塗
物間の距離を適当にあけて十分に減速してやれば、搬送
エアの吹き飛ばしによる塗着効率の低下は防ぐことがで
きる。
【0041】図5は本発明の第2実施例を示すが、この
実施例と第1実施例との相違点は、ノズル先端部GNの
ディフューザ外面部104aへの塗料付着防止機能を備
えていることである。具体的には、図5の側面図である
図8に示すように、ディフューザ外面部104a全面を
旋回エアSによりリンスすることで、ディフューザ外面
部104aは塗装中常時クリーニングされ、清浄に保た
れる。なお、ディフューザ外面部104a全面をクリー
ニングするリンスエアは、旋回エアに限らずディフュー
ザ外面部104a全面をクリーニングする方向に流れて
いれば良い。
【0042】図6は本発明の第3実施例を示すが、この
実施例と第1実施例との相違点は、塗装ガン101のノ
ズル先端部が分岐していることである。即ち、塗装ガン
のノズル先端を複数に分岐させれば、ノズル1つ当たり
の吐出量を減らしても、1ガン当たりの総吐出量は確保
できるので、塗料供給系の装置を増設する必要がなく、
設備のコストアップを防ぐことができる。
【0043】なお、図6ではノズル先端が二つに分岐し
た実施例を表わしているが、ノズルの分岐数はもっと増
やしてもよい。また、複数のノズルを前記第2実施例の
ように構成しても良い。
【0044】この発明の第4実施例を図7により説明す
るが、この実施例と第1実施例との相違点は塗装ガンの
上流側に静電反発防止手段が設けられていることであ
る。
【0045】静電反発防止手段としてコロナ放電装置1
30が用いられる。この装置130は塗装ガン101の
上流に設けられ、高電圧発生装置140とコロナピン
(コロナ放電電極)141とを備えている。塗装ガン1
01とコロナピン141とはレシプロケータ147によ
り上下のレシプロ運動を行なうことが出来る。オーバヘ
ッドコンベヤ148は被塗物160を矢印A160方向
に搬送するもので、接地されている。
【0046】塗装ガン101に所定電圧、例えば、負極
性の80kVの電圧を印加すると共に、コロナ放電装置
130のコロナピン141に塗装ガン101と逆極性の
電圧、即ち、正極性の電圧を印加する。
【0047】そして、オーバヘッドコンベヤ148を駆
動し、間隔をおいてハンガに吊された被塗物160を矢
印A160方向に搬送する。この被塗物160の表面に
は下塗り装が形成されている。
【0048】被塗物160がコロナピン141の前方に
運ばれると、コロナ放電により被塗物の表面は、正極性
の電位となり、その表面電位が上昇する。この時の表面
電位は適宜選択されるが、200V〜3kVの範囲内が
好適である。この表面電位は、印加電圧、放電距離、放
電時間を変化させることによりコントロールすることで
きる。
【0049】この被塗物160は塗装ガン101の前方
に運ばれ、負極に帯電した粉体塗料164が静電塗着し
滑らかな塗膜165が形成される。この時、正極性の表
面電位、即ち、+イオンと塗装ガン101の印加電圧、
即ち、−イオン、とは相殺され中和されるので、該塗装
表面は逆電離が発生する程の高電位となる事はない。な
お、前記下塗り層は1層でも多層でも良いことは勿論で
ある。
【0050】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成したので
次の如き顕著な効果を奏する。 (1)塗装ガンのノズル先端部に凝集した粉体塗料の解
砕分散手段を設けたので、粉体塗料は、微粒子粉体塗料
であっても解砕分散された状態でノズル先端部から噴出
される。そのため、被塗物表面を均一、かつ、平滑性に
優れた塗膜を形成することが出来る。
【0051】(2)粉体塗料付着防止手段を設けたの
で、粉体塗料は、微粒子粉体塗料であっても塗装ガンな
どに付着しない。そのため、安定して粉体塗料を供給す
ることができる。
【0052】(3)静電反発防止手段を設けたので、塗
装ガンにより被塗物を塗装する際荷電粉体塗料は被塗物
表面に引き付けられるようにしながら効率良く塗装され
る。
【0053】(4)粉体塗料供給装置が、エア室に供給
される加圧エアの温度湿度を調節する手段と、流動槽内
の粉体塗料を攪拌する手段とを備えているので、流動槽
内の粉体塗料は流動化されるとともに、凝集が防止され
る。そのため、エアと粉体塗料が均一に混合された状態
で該粉体塗料を塗装ガンに供給することが出来る。
【0054】因に、本発明と従来例とを比較するため次
の実験を行ったところ、表1の結果を得た。
【0055】
【表1】
【0056】この表において、Aは第1実施例の塗装ガ
ン(図2参照)、Bは第2実施例の塗装ガン(図5参
照)、Cは従来例の塗装ガン(図8参照)を示す。鉄板
の大きさは300×450mmであり、塗装板の大きさ
は300×450mmでその表面にはカオチン電着塗装
膜とポリエステル中塗装膜とが層状に形成されている。
【0057】逆極性荷電の印加電圧は+20kV、塗装
ガン電圧は−80kV、塗装ガンと被塗物との距離は2
00mm、粉体塗料噴出量は100g/mim.、粉体
塗料は日本ペイント株式会社製造のA−50クリヤー粉
体塗料で平均粒径D=50%=10μmである。
【0058】スピットと静電反発の観察は目視評価によ
る。塗着効率η(%)は下記式から求めた。この式は塗
料噴出量P1と被塗物の塗料付着量Paの比より塗着効
率を算出するものである。但し、式中のTは被塗物の塗
装時間を示す。
【0059】η=(Pa/P1)/100T
【0060】本発明の塗装ガンのノズル(A、B)を使
用した測定(No.1〜4)では、スピットは全く発生し
ていない。しかし、測定No.3(下塗り層が形成されて
いる被塗物の場合)では、塗着効率は低下し、膜厚が1
00μmに達すると、静電反発が生じている。
【0061】測定No.4では、塗装直前に、静電反発防
止手段として、被塗物表面に予めガンと逆極性の荷電
(印加電圧:+20kV)をおこない被塗物の表面電位
が+100〜3kVの範囲内となるようにして塗装を行
った。その結果、塗着効率は約5ポイント上昇し、かつ
塗膜厚100μmでの静電反発も生じていない。
【0062】以上より、下塗り層の形成されている被塗
物の場合でも、本発明の塗装ガンのノズルB(第2実施
例)を使用し、第4実施例の静電反発防止手段を合わせ
て実施すれば、高塗着効率で、かつ、スピットや静電反
発の無い外観に優れた塗膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図である。
【図2】本発明の塗装ガンのノズル端部の拡大断面図で
ある。
【図3】図2のIII-III線断面図である。
【図4】図2のIV-IV線断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す断面図で、図2に相
当する図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す断面図で、図2に相
当する図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す断面図で、図2に相
当する図である。
【図8】図5の側面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 塗料容器 2 流動槽 5 攪拌羽 13 加圧エアの温度湿度制御装置 100 静電粉体塗装装置 101 塗装ガン 104 ディフューザ 104a ディフューザ外面部 107 ノズル開口 108a 旋回エア導入口 108b 旋回エア導入口 130 コロナ放電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 3/00 B 7415−4F (72)発明者 熊田 光芳 東京都江東区東雲2ー13ー27 小野田セメ ント株式会社アイオニクス技術センター内 (72)発明者 筒井 晃一 大阪府寝屋川市池田中町19−17 日本ペイ ント株式会社寝屋川事業所内 (72)発明者 シャノン・リブキ 大阪府寝屋川市池田中町19−17 日本ペイ ント株式会社寝屋川事業所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装ガンと粉体塗料供給装置とで構成さ
    れ、静電気的に帯電した粉体塗料を電気的に接地された
    被塗物表面上に吹き付けて塗膜を形成させる静電粉体塗
    装装置において;該塗装ガンのノズル先端部が、凝集し
    た粉体塗料の解砕分散機能を有することを特徴とする静
    電粉体塗装装置。
  2. 【請求項2】塗装ガンと粉体塗料供給装置とで構成さ
    れ、静電気的に帯電した粉体塗料を電気的に接地された
    被塗物表面上に吹き付けて塗膜を形成させる静電粉体塗
    装装置において;該塗装ガンのノズル先端部が、粉体塗
    料付着防止手段を備えていることを特徴とする静電粉体
    塗装装置。
  3. 【請求項3】粉体塗料付着防止手段が、該ノズル先端部
    内面の粉体流路に供給され、該ノズル先端部内面をクリ
    ーニングする加圧エアであることを特徴とする請求項2
    記載の静電粉体塗装装置。
  4. 【請求項4】粉体塗料付着防止手段が、該ノズル先端部
    内面の粉体流路へ供給され、該ノズル内面の付着粉体の
    クリーニング機能と凝集粉体の解砕分散機能とを合せ持
    つ旋回流であることを特徴とする請求項2記載の静電粉
    体塗装装置。
  5. 【請求項5】塗料付着防止手段が、該ノズル先端部外面
    をリンスする加圧エアであることを特徴とする請求項2
    記載の静電粉体塗装装置。
  6. 【請求項6】塗装ガンのノズル先端部が、複数に分岐し
    ていることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は、
    5記載の静電粉体塗装装置。
  7. 【請求項7】塗装ガンと粉体塗料供給装置とで構成さ
    れ、静電気的に帯電した粉体塗料を電気的に接地された
    被塗物表面上に吹き付けて塗膜を形成させる静電粉体塗
    装装置において;該塗装ガンのノズル先端部の粉体流路
    に旋回流を形成する手段と;該塗装ガンと逆極性の電圧
    が印加されるコロナ放電手段と;を備えていることを特
    徴とする静電粉体塗装装置。
  8. 【請求項8】ノズル先端部の粉体流路に電極カバーとデ
    ィフューザとが挿着されていることを特徴とする請求項
    7記載の静電粉体塗装装置。
  9. 【請求項9】ディフューザの先端がノズル開口の内側に
    位置していることを特徴とする請求項8記載の静電粉体
    塗装装置。
  10. 【請求項10】塗装ガンと粉体塗料供給装置とで構成さ
    れ、静電気的に帯電した粉体塗料を電気的に接地された
    被塗物表面上に吹き付けて塗膜を形成させる静電粉体塗
    装装置において;該塗装ガンのノズル先端部の粉体流路
    に旋回流を形成する手段と;該塗装ガンと逆極性の電圧
    が印加されるコロナ放電手段と;前記粉体塗料供給装置
    が、塗料容器内を多孔材により上下に仕切って形成した
    上側の流動槽と下側のエア室とを有し、 該エア室に供給される加圧エアの温度及び湿度を調整す
    る制御手段と、 該流動槽内の粉体塗料を攪拌する手段と、 を備えていることを特徴とする静電粉体塗装装置。
  11. 【請求項11】粉体塗料供給装置から供給される粉体塗
    料を塗装ガンのノス゛ル先端部から接地されている被塗
    物に向って噴出せしめる静電粉体塗装方法であって;前
    記ノズル先端部の粉体流路に旋回流を形成して粉接面を
    クリーニングすることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  12. 【請求項12】粉体塗料供給装置から供給される粉体塗
    料を塗装ガンのノス゛ル先端部から接地されている被塗
    物に向って噴出せしめる静電粉体塗装方法であって;下
    塗りされている被塗物を予め静電反発防止処理を行った
    後、該塗装ガンのノズル先端部の粉体流路内に旋回流を
    形成しながら塗装することを特徴とする静電粉体塗装方
    法。
  13. 【請求項13】下塗りされた被塗物の被膜が、複数の層
    からなることを特徴とする請求項12記載の静電粉体塗
    装方法。
  14. 【請求項14】静電反発防止処理が、被塗物を該塗層ガ
    ンと逆極性の電場にさらし予め下塗り層表面を帯電させ
    ることを特徴とする請求項12記載の静電粉体塗装方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006314904A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Tomen System Kk 塗装装置用塗装ガンと、静電塗装方法ならびに静電塗装用塗装ガン
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