JP2006314904A

JP2006314904A - 塗装装置用塗装ガンと、静電塗装方法ならびに静電塗装用塗装ガン

Info

Publication number: JP2006314904A
Application number: JP2005139204A
Authority: JP
Inventors: Hidemoto Fukuoka; 秀元福岡; Shigeyoshi Fukuoka; 成佳福岡
Original assignee: TOMEN SYSTEM KK
Current assignee: TOMEN SYSTEM KK
Priority date: 2005-05-12
Filing date: 2005-05-12
Publication date: 2006-11-24

Abstract

【課題】塗液圧送路２を通過する塗液Ｐを超微細化処理して、塗装品質・塗装生産性の特段の向上と、排気排出塗液を減量化して一段の公害防止を図る塗装装置用塗装ガンを提供する。
【解決手段】塗液圧送路２の中間部分に、管体状の圧電素子６を同芯状に外装着し、かつ、バー状の塗液ミキサー７を内設した超音波処理ゾーン５を設け、この超音波処理ゾーン５によって塗液Ｐを超音波振動処理して概ね３ミクロン〜９ミクロンの超微細粒子に成し、噴射ノズル３から煙状に噴出させる。
【選択図】図１

Description

本発明は、塗装装置の前端に装着して塗料をスプレー噴射する塗装装置用塗装ガンと、静電塗装方法ならびに、それに用いる静電塗装用塗装ガンに関するものである。

工業量産品等の塗装手段は、圧送された塗料を塗装ガンの塗料ノズルから噴射させる通常形態のものと、塗料に静電電荷して被塗物に塗着させる静電塗装方法・静電塗装用塗装ガンが広く普及しており、その代表例として特許文献１に示す背景技術がある。

即ち、この背景技術のものは、塗装ガンの噴射ノズルに超音波振動ホーンを装着してノズル噴出する塗液に超音波振動を付与し、その超音波振動によって微粒化した塗液を、エアー噴射させて塗装したり静電負荷して静電塗装する構造を特徴としている。

特開平９−００１００４号公報

以上の背景技術の塗装ガン・塗装方法は、噴射ノズルに超音波振動ホーンを単に装着して、噴射ノズルを高速通過する塗液に超音波振動を付与するに過ぎないので、噴射ノズルから噴出する塗液粒子の超音波振動による微細化が充分ではなく、さらなる微細化による塗装品質・塗装性能の向上と塗装コストの低減、廃却排出塗液による公害防止等を図る技術課題が存在する。

以上の技術課題を解決する本発明は「塗液圧送路の先端の噴射ノズルから圧送塗液を噴射させる塗装装置用塗装ガンにおいて、前記塗液圧送路の中間部分に、管体状の圧電素子を同芯状に外装着し、かつ、バー状の塗液ミキサーを内設した超音波処理ゾーンを設けた構造を特徴とする塗装装置用塗装ガン」の第１発明と、

前記第１発明の塗装ガンを用いる塗装方法において、「噴射ノズルの外周から静電圧負荷されてテーパー拡径状に噴出して塗液噴射ゾーンを形成するパターンエアーを送出し、該パターンエアーによって噴射ノズルからの噴射塗液を静電印加して静電塗装することを特徴とする静電塗装方法」の第２発明と、

前記第１発明の塗装ガンに「静電負荷用電極を有するエアーポートと、該エアーポートに続くスパイラル状エアー流路と、該スパイラルエアー流路終端のスパイラルエアー噴出孔を塗装ガン前方に開口した構造から成る前記第２発明の静電塗装方法に用いる静電塗装用塗装ガン」の第３発明から成っている。

即ち、前記構成の第１〜第３発明の「塗装装置用塗装ガン」と「それを用いる静電塗装方法」は、塗装ガンのパイプ状の塗液圧送路の若干長を「外周に同心状に設けた長尺管形態の圧電素子によって通過塗液を超音波振動処理する超音波処理ゾーン」に設定すると共に、その超音波処理ゾーンのパイプ内に長尺バー状の塗液ミキサーを設けて、通過塗液を混流・乱流させると同時に該超音波処理ゾーンの通過時間の長大化を図ることによって、通過塗液の超音波振動受振による特段の微細化を図る思想から成るものである。

そして、前記第１・第３発明の塗装ガンは、前記超音波処理ゾーンを通過した塗液の塗装作用のさらなる向上を図る技術意図から「先端ノズルの出口中心に近接位置して噴射塗液を渦流拡散させる渦流発生体と、圧電素子による超音波振動を受振可能に支承されて前記渦流発生体による渦流・拡散塗液の前方反射用の噴射調流板」を設ける態様を採択する。

前記第１発明の塗装ガンは、管状圧電素子を外装着して塗液ミキサーを内設した超音波処理ゾーンを備えて成るので、その超音波処理ゾーンを通過する塗液は該ミキサーによって乱流して超音波振動を受振するので、超微細粒子（概ね３ミクロン〜９ミクロン）に一様均一に超微細化されると共に、超音波振動による粒子間摩擦によって若干の加熱をもたらす。かくして、噴射ノズルから噴出する塗液は煙状を呈し、その超微細化塗液粒子による被塗物の塗装面は、自然光による乱反射等が極めて少く視認外観が特段に美麗な塗装品質になり、さらに、その加温状態の超微細化粒子によって被塗物への塗着性・塗装効率が特段に向上し、静電印加を停止しても塗装仕上りは劣らず使い分けをすることで塗装後の補正塗装が実質的にゼロになる。

そして、前記第２発明の静電塗装方法と、それに用いる第３発明の静電塗装装置は、超音波処理ゾーンによる前記の特有の作用効果を享受すると共に、前記構成要件のパターンエアーによって、静電気無負荷の噴出塗液を噴射ノズルから被塗物間の噴出路中において静電帯電化する間接電荷作用を生じ、それによる静電負荷超微細化塗液の静電塗装をすることができる。そして、その静電負荷すべき噴出塗液が前記超微細粒子であることから静電圧は低電圧（従来の約９万ボルトから約４万ボルト）で可能になり、電気的安全性が向上すると共に、静電塗装コストが低減する。そして、塗液に直接電荷しないので過電流を防止して、電気抵抗値が低い水溶性塗料を含む総ての各種塗料の静電塗装が可能になり、有機溶材を用いた塗液の廃却・排出による従来の塗装公害が防止できる。

さらに、塗液が前記超微細粒子に成ることから「通常のスプレー塗装・静電塗装」のいずれも霧化エアーのエアー圧を従来技術より低圧にすることが可能にして、被塗物への一様付着性が向上すると共に、被塗物表面からの「跳ね反り損失」を低減して、塗液の有効付着効率が向上する。そして静電塗装においては、塗液への静電電荷量は塗液表面積に比例するので、前記の超微細粒子塗液は「単位量における塗液粒子数が従来技術のものより特段に多くして総表面積も大になる」ので帯電性が良く、静電塗着性能が向上すると共に、従来の静電塗装におけるドーナツパターン塗着現象（塗装パターンの中心部分が周辺ゾーンより薄く塗装されたドーナツ状態となって修正塗装を必要とする不良塗着現象）と同時に静電気によるエッヂ部への集中付着も解消・緩和して塗装品質・塗装生産性が向上する。以上の主たる作用効果がある。

以下、好ましい実施例を説明する。

まず図１を参照して、工業量産品の塗装ラインに応用した第１発明１実施例の塗装ガン１を説明する。即ち、塗液圧送路２を前後方向に有して、前端を「塗液Ｐを噴射する噴射ノズル３」に成すと共に、後端部位にエアーポート１１と塗料ポート１０を有する中空管状の塗液圧送路２を備え、エアーポート１１から圧入したエアーと塗装ポート１０から圧送入した塗料から成る塗液Ｐを塗液圧送路２を通して噴射ノズル３から噴射させる塗装装置用の塗装ガン１において、この実施例のものは塗液圧送路２に下記詳述の超音波処理ゾーン５が設けてある。

即ち、超音波処理ゾーン５は塗液圧送路２を通過する塗液Ｐを超音波振動させて微細化処理するゾーンにして、公知の管形態の圧電素子６が塗液圧送路２の外周に同芯状に組合せセットされて外嵌配設されている。

そして、その超音波処理ゾーン５の塗液圧送路２内には、球状粒子・半球状粒子等の異形粒子体８を連珠状一体にしたバー形態にして管内通過の液状物を乱流混流させる「公知のスタティックミキサーの塗液ミキサー７」が、塗液圧送路２と同芯状にして、かつ、塗液圧送路２の内周とクリアランスを有して固定セットされている。

なお、以上の実施例の塗装ガン１は「塗液Ｐの圧送量＝４００cc／min、塗液ミキサー７不存在部位の塗液圧送路２内の塗液流速＝１０００ｍ／秒、圧電素子６は「（株）富士セラミックス製にして、内直径＝３．０mm、外直径＝１０．８mm、長さ＝４０mm粍、電気キャパシティ＝４２KHZ」の諸元にして、その圧電素子６は後方に引き出した圧電素子ケーブル１２によって通電されて超音波振動機能する。

以上の塗装ガン１は前記の主たる作用を奏し、先端ノズル３から噴出する塗液Ｐは極めて微細にして煙状を呈し被塗物に塗装される。

即ち、長尺形態の超音波処理ゾーン５を通過する塗液Ｐは、スタティックミキサー７の長さ方向に連続する異形粒子体８群に接触して激しい乱混流を生じながら、圧電素子６による超音波振動を長時間受振作用する。かくして、その超音波処理ゾーン５を通過する塗液Ｐは、その超音波受振によって的確かつ充分に超微細化されて噴射ノズル３から煙状噴射形態と成って噴射される。

続いて図２を参照して、前記第１発明の他の実施形態を説明する。即ち、超音波処理ゾーン５を備えた図１実施例の塗装ガン１において、この図２実施例のものはガン本体１Ａの噴射ノズル３の前方近傍にして噴射ノズル３の中心線３Ａ上に頂点を存在させる立方体形状の渦流発生体１５が中心線３Ａを中心として対称形状に設けられ、さらに、この渦流発生体１５を中心に存在させ、かつ、概ね噴射ノズル３と渦流発生体１５の間に位置セットした「先方径大の截頭円錐管形状」の噴射調整板１６が設けられ、この渦流発生体１５・噴射調整板１６のいずれも「ばね線１７等」によってガン本体１Ａの先端に弾支承されており、圧電素子６によるガン本体１Ａの超音波振動を受振して振動可能に取着セットされている。

即ち、渦流発生体１５は噴射ノズル３からの噴射塗液Ｐを衝接させて、カルマン渦流等の渦流を発生させると共に、その塗液Ｐの１部を外方全方位に拡散させて噴射調整板１６に衝接させて前方再反射させて、噴射ノズル３から所要の噴射距離ＳＬにおける必要サイズ必要形状の「塗液Ｐの噴射ゾーンＺ」を形成する構造に設定されている。

以上の図２実施例の塗装ガン１は渦流発生体１５・噴射調整板１６の存在構成による下記の特有作用がある。即ち、渦流発生体１５に高速で衝接した塗液Ｐは図示のようにカルマン渦流等を生じて渦流発生体１５の後方へ通過したり噴射調整板１６へ衝接して反射流する。かくして、その渦流や衝接反射による塗液Ｐのさらなる微細化作用と、超音波振動する渦流発生体１５・噴射調整板１６との接触による超音波振動受振による塗液Ｐのさらなる微細化作用が重合する。以上の噴射メカニズムから被塗物方向へ噴射する塗液Ｐは特段の超微細化形態となり、前記の主たる作用効果が特段に良好にして安定する。

さらに、噴射調整板１６の開き角θを「必要な噴射ゾーンＺを生ずる放散角」に設定することによって、塗装ポイントにおける噴射ゾーンＺの過大化を防止して塗液Ｐの無駄消費と無駄放出による公害発生を防止することができる。以上の特有の作用効果がある。

なお、噴射調整板１６は、塗装ガン１によって形成すべき噴射ゾーンＺの形状・サイズに整合させて前記の作用を奏するものであれば良く、例えば「先拡がり縦長楕円管形状・先拡がり横長楕円管形状・先拡がり多角管形状」等の任意形状を、塗装ラインの固有事情に整合させて任意に採択する。

続いて、前記第２発明の静電塗装方法と前記第３発明の静電塗装装置用塗装ガンの実施例を説明する。

まず図３を参照して、工業量産品の塗装ラインに適用する静電塗装装置用塗装ガン１の実施例を説明する。即ち、図１実施例と同一の圧電素子６・塗液ミキサー７から成る「超音波処理ゾーン５」を備えたものにおいて、この塗装ガン１は超音波処理ゾーン５の終端近傍のガン本体１Ａの長さ方向の中間外周に「静電気負荷用電極２０を突き出すエアーポート２１」と、このエアーポート２１に連続して「塗液圧送路２を中心にして数条のスパイラルを成すスパイラルエアー流路２２」が設けてあり、このスパイラルエアー流路２２の端末は、塗装ガン１の前端の「塗液Ｐの噴射ノズル３を中心にして開口する円環状のエアーノズル２３」に形成されている。

そして、このエアーポート２１に接続したエアーホース２４から送入されたエアーは静電圧負荷用電極２０によって所要電圧の静電圧が電荷されてスパイラルエアー流路２２を通過してエアーノズル２３から、スパイラル状のパターンエアーＳＡを連続放出する構造に設定されている。

なお、この実施例のものは、塗液Ｐは「噴出量＝４０cc／分〜４００cc／分、噴出圧＝０．３PAS〜０．１PAS」、スパイラルエアーＳＡは「噴出量＝０．２Ｎｍ^３〜０．３Ｎｍ^３、噴出圧＝０．１PAS〜０．３PAS」「負荷用静電圧＝約４万ボルト」の諸元であり、図中の２５は電極２０の高圧ケーブルである。

以上の実施例の静電塗装用塗装ガン１は、塗液Ｐが超音波処理ゾーン５によって超微細粒子化され、その超微細粒子化の塗液Ｐが噴射ノズル３から噴射進行中に静電気負荷のスパイラルエアーＳＡと乱混流して静電気が転位して静電負荷され、さらに、そのスパイラルエアーＳＡは先方拡大パターンの噴出ゾーンを形成するパターンエアーとして機能し、被塗物存在の噴射距離ＳＬにおいて超微細粒子の塗液Ｐを概ね均一に存在させて噴射ゾーンＺを形成する静電塗装用噴射流体を形成する。

かくして、その噴射ゾーンＺにおいて超微細粒子の塗液Ｐによる被塗物の静電塗装が的確にできる。そして、この塗装ガン１によって前記第２発明のプロセスによる本発明の静電塗装方法が円滑に実施できる。

さらに、この実施例の塗装ガン１は前記の主たる作用効果を奏すると共に、下記の特有作用がある。即ち、塗液Ｐに静電負荷すべき静電圧は、塗液Ｐが極微細粒子であることから背景技術のものを含む従来技術が約９万ボルトであるのに対して約４万ボルトで良く、電気的安全性を向上すると共に、静電コストを低減する。

そして、塗装ガン１内での塗液Ｐの静電負荷が無用になるので水溶性塗料を含む多様塗料の静電塗装が可能にして、その水溶性塗料の採用によって静電塗装によって生ずる従来の有機溶剤公害等を防止することができる。

続いて、図４を参照して前記第２・第３発明の他の実施例を説明する。即ち、図３と同一構造の塗装ガン１において、この図４実施例のものは塗装ガン１の先端に図２実施例と同一の「渦流発生体１５と、スパイラルエアーＳＡの噴出口を内在して開き角θで開口する先径大の截頭円錐形管体の噴射調流板１６」が付設されている。

この図４実施例のものは、渦流発生体１５による噴出塗液の渦流発生作用・分散作用によって噴射塗液ＰとスパイラルエアーＳＡの乱混流が一段と顕著になり、スパイラルエアーＳＡによる塗液Ｐの静電負荷作用が一段と安定し向上する。

なお、この実施例の噴射調流板１６はガン本体１Ａに着脱自在にして、開き角θと形状が所要のもに交換セット可能に設定されており、被塗物の固有形状に整合させた噴射ゾーンＺのサイズを満足する開き角θ・形状・サイズのものを任意選択的にセットできるので、噴射ゾーンＺの過大化・異形化を防止して被塗物に塗着されない無駄塗料の排出を一段と低減して塗料の有効塗着率を向上し、静電コスト・公害防止を一段と促進する。以上の特有の作用効果がある。

なお、本発明の前記実施例に限定されず、塗液ミキサー７を「他のバー形状の非回転構造」のもの、または、ガン本体１Ａの後方に設けた作動部によって回転作動する動的ミキサーにすることがある。

第１発明１実施例の塗料ガンの構造説明の正面図断面図第１発明の他の実施例の塗装ガンを示し、（Ａ）は構造説明の要部正面断面図、（Ｂ）は（Ａ）の部分拡大図第２発明・第３発明の静電塗装方法と静電塗装装置の塗装ガンの１実施例の構造と作用説明の正面断面図第２発明・第３発明の静電塗装方法と静電塗装装置の塗装ガンの他の実施例を示し、（Ａ）（Ｂ）ともその構造と作用説明の要部正面断面図

符号の説明

１塗装ガン
１Ａ塗装ガン本体
２塗液圧送路
３噴射ノズル
５超音波処理ゾーン
６圧電素子
７塗液ミキサー
１５渦流発生体
１６噴射調整板
２０静電圧負荷用電極
２１エアーポート
２２スパイラルエアー流路
２３エアーノズル
Ｐ塗液
ＳＡスパイラルエアー
ＳＬ噴射距離
Ｚ噴射ゾーン
θ 開き角

Claims

塗液圧送路の先端の噴射ノズルから圧送塗液を噴射させる塗装装置用塗装ガンにおいて、前記塗液圧送路の中間部分に、管体状の圧電素子を同芯状に外装着し、かつ、バー状の塗液ミキサーを内設した超音波処理ゾーンを設けた構造を特徴とする塗装装置用塗装ガン。
噴射ノズルの出口に近接配設されて噴射塗液を渦流拡散させる渦流発生体と、圧電素子による超音波振動を受振可能に支承して前記渦流発生体による拡散塗液の前方反射用の噴射調流板を設けた請求項１に記載の塗装装置用塗装ガン。
請求項１または請求項２に記載の塗装装置用塗装ガンを用いる塗装方法において、噴射ノズルの外周から静電圧負荷されてテーパー拡径状に噴出して塗液噴射ゾーンを形成するパターンエアーを送出し、該パターンエアーによって噴射ノズルからの噴射塗液を静電印加して静電塗装することを特徴とする静電塗装方法。
請求項１または請求項２の塗装ガンの外周に、静電負荷用電極を有するエアーポートと、該エアーポートに続くスパイラル状エアー流路と、該スパイラル状エアー流路終端のスパイラルエアー噴出孔を塗装ガン前方に開口した構造を特徴とする請求項３に記載の静電塗装方法に用いる静電塗装用塗装ガン。