JPH0857364A - 静電粉体塗装装置 - Google Patents

静電粉体塗装装置

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JPH0857364A
JPH0857364A JP19327594A JP19327594A JPH0857364A JP H0857364 A JPH0857364 A JP H0857364A JP 19327594 A JP19327594 A JP 19327594A JP 19327594 A JP19327594 A JP 19327594A JP H0857364 A JPH0857364 A JP H0857364A
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JP
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powder coating
electrode
electric field
gun
electrostatic
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JP19327594A
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Inventor
Kenzo Yanagida
建三 柳田
Masahiro Yamamoto
雅洋 山本
Mitsuyoshi Kumada
光芳 熊田
Atsushi Kondo
篤 近藤
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Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、粉体塗料の塗着効率を向上させ
つつ、良質の塗膜面を形成することができる静電粉体塗
装装置を提供することを目的とする。 【構成】 直流電源24により電界形成用電極21と被
塗装物13との間に電界が形成され、コロナガン11か
ら噴出された荷電粉体塗料がこの電界によって被塗装物
13の表面上に導かれる。コロナ放電により発生したフ
リーイオンは、コロナ電極12の後方に配置されたフリ
ーイオントラップ装置16によりトラップされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉体塗料を被塗装物
に向けて静電ガンから吹き付け、静電気を用いて塗装す
る静電粉体塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】環境保全の見地から、溶剤塗装に換わる
無公害塗装法として静電粉体塗装が注目されている。静
電粉体塗装は、空気により搬送された粉体塗料を、接地
された被塗装物に向けて静電ガンから吹き付け、静電気
を利用して被塗装物上に塗装する方法である。粉体塗料
は荷電された状態で被塗装物の表面に塗着されるが、静
電ガンから噴射された後に静電ガンの外部で粉体に電荷
を与える外部荷電方式と、静電ガンから噴射される前に
静電ガンの内部で粉体に電荷を与える内部荷電方式とに
大別される。
【0003】前者の外部荷電方式を利用する静電ガンと
して、図10に示されるコロナガン1が知られている。
コロナガン1の先端部にピン型のコロナ電極2が設けら
れており、このコロナ電極2に高電圧が印加される。被
塗装物3は接地されているので、ガン1の先端部から被
塗装物3に向けてコロナ放電が発生し、粉体塗料が空気
により搬送されてガン1から噴射されると、コロナ放電
により生ずるイオンが粉体粒子に付着して粉体粒子が荷
電される。その後、荷電された粉体粒子は、ガン1から
の空気流と電気力線4に沿った電気力との影響を受けて
被塗装物3の表面に塗着する。
【0004】ただし、図10に示されるように、電気力
線4は被塗装物3の凹部にほとんど入り込まずに凸部に
集中する、いわゆるファラデーケージ効果のために、粉
体粒子は主に凸部に集中して塗着する。すなわち、粉体
粒子層5が凸部にのみ形成され、凹部にはほとんど形成
されない。また、コロナ放電により生ずるイオンのう
ち、粉体粒子に付着するイオンは半数にも満たず、多く
のイオンはフリーイオンとしてそのまま電気力線4に沿
って移動し、被塗装物3の表面上に付着する。被塗装物
3上の粉体粒子層5が形成されるにつれて、フリーイオ
ンも被塗装物3の表面上に蓄積される。このため、被塗
装物3の表面電位は次第に上昇し、この表面電位の影響
で徐々に粉体粒子の塗着効率は低下する。さらに、この
ようにして粉体粒子層5内の電界強度が増加し、空気の
絶縁破壊電界強度を越えると、粉体粒子層5内で微小な
放電が発生する、いわゆる逆電離現象を生じて塗膜の肌
荒れを来してしまう。
【0005】このような従来のコロナガンの問題点を解
決するために、図11に示されるように、コロナ電極2
の後方にフリーイオントラップ装置6を設けたコロナガ
ンが提案されている。フリーイオントラップ装置6に
は、それぞれ接地された4〜8本程度の複数のピン型ト
ラップ電極7が同一円周上に配置されている。コロナ電
極2から見て被塗装物3より近い位置にトラップ電極7
が配置されているので、電気力線8はトラップ電極7に
集中し、コロナ電極2の付近で発生したフリーイオンの
多くは電気力線8に沿って移動してトラップ電極7に捕
らえられる。このため、被塗装物3に向かうフリーイオ
ンが著しく減じられ、被塗装物3の表面電位上昇に起因
する塗着効率の低下及び逆電離現象による塗膜の肌荒れ
を防止することができる。
【0006】このように、フリーイオントラップ装置6
を設けることによりフリーイオンを減じることができる
が、その反面、被塗装物3とコロナ荷電ガンとの間の電
界Eは弱くなるため、F=qE(q:粉体粒子の帯電電
荷量)で示される粉体粒子の付着力Fが小さくなり、被
塗装物3の表面への塗着効率が低下するという問題を生
じてしまう。
【0007】一方、内部荷電方式を利用する静電ガンと
して、図12に示されるトリボガン9が知られている。
空気によって粉体塗料がガン内を搬送されるときに樹脂
等からなる荷電材との摩擦により荷電され、ガン9から
噴射されると、空気流10に乗って移動して被塗装物3
の表面に塗着する。このトリボガン9においては、ガン
9と被塗装物3との間に電界が形成されないので、荷電
された粉体粒子は電界の影響を受けることなく空気流1
0によって被塗装物3へと運ばれる。従って、被塗装物
3の凹部にも塗膜5が形成される。また、トリボガン9
と被塗装物3との間に電界が形成されないので、コロナ
ガンのようなフリーイオンの問題は生じない。
【0008】しかしながら、トリボガン9と被塗装物3
との間に電界を形成しないため、コロナガンに比べて被
塗装物3の表面への塗着効率が低いという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
静電粉体塗装装置では、逆電離現象による塗膜の肌荒れ
を生じる、あるいは粉体塗料の塗着効率が低いという問
題点があった。この発明はこのような問題点を解消する
ためになされたもので、粉体塗料の塗着効率を向上させ
つつ、良質の塗膜面を形成することができる静電粉体塗
装装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る静電粉体
塗装装置は、粉体塗料を静電気的に荷電させて被塗装物
の表面に吹き付ける静電ガンと、静電ガンと被塗装物と
の間に配置された電界形成用電極と、電界形成用電極に
所定の電位を与えて電界形成用電極と被塗装物との間に
荷電粉体塗料を被塗装物の表面上へと導くための電界を
形成する直流電源とを備えたものである。
【0011】電界形成用電極として、中央に粉体塗料を
貫通させるための開口部を有する絶縁板の表面上に同心
円状に複数のリング状電極部材を形成したものを用いる
ことができる。さらに、絶縁板を多孔材から形成し、エ
ア供給手段により絶縁板の裏面から表面に向けて多孔材
を通してエアを噴出させるようにすることができる。ま
た、交流電源を用いて互いに隣接するリング状電極部材
の間に交流電圧を印加し、無声放電を生起させてもよ
い。
【0012】静電ガンとしては、コロナ放電を発生させ
るためのコロナ電極とコロナ電極の後方に配置されると
共にコロナ放電により発生したフリーイオンをトラップ
するために電気的に接地された複数のトラップ電極とを
有するコロナガンを用いることができる。また、摩擦帯
電を利用するトリボガンを用いてもよい。
【0013】
【作用】この発明においては、直流電源により電界形成
用電極と被塗装物との間に電界が形成され、静電ガンか
ら噴出された荷電粉体塗料がこの電界によって被塗装物
の表面上に導かれる。
【0014】電界形成用電極として同心円状の複数のリ
ング状電極部材を利用すれば、面状の電極となり、平等
に近い電界の形成が可能となるため、容易に被塗装物の
表面付近の電界強度を増すことができる。電界形成用電
極の電極部材を保持する絶縁板として多孔材を用い、エ
ア供給手段によって絶縁板の裏面から電極部材が形成さ
れている表面に向けてエアを噴出させれば、電極部材へ
の荷電粉体塗料の付着が防止される。また、交流電源に
より互いに隣接するリング状電極部材間に交流電圧を印
加して無声放電を生起させても、電極部材への粉体塗料
の付着を防止することができる。
【0015】静電ガンとしてコロナガンを用いる場合に
は、コロナ電極の後方に電気的に接地された複数のトラ
ップ電極を配置すれば、コロナ放電により発生するフリ
ーイオンがトラップ電極にトラップされるので、フリー
イオンに起因する問題が回避される。また、電界形成用
電極と被塗装物との間に荷電粉体塗料を誘導するための
電界を形成するので、静電ガンとしてトリボガンを用い
ても塗着効率の優れた塗装が行われる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。 実施例1.図1にこの発明の実施例1に係る静電粉体塗
装装置の構成を示す。コロナガン11の前方に電界形成
用電極21が配置され、さらに電界形成用電極21の前
方に電気的に接地された被塗装物13が配置されてい
る。コロナガン11の先端部には、コロナ放電を発生す
るためのピン型のコロナ電極12が設けられており、こ
のコロナ電極12に高電圧を印加するための直流電源1
5が接続されている。コロナ電極12の後方にはフリー
イオントラップ装置16が設けられている。図2に示さ
れるように、フリーイオントラップ装置16には、それ
ぞれ接地された複数のピン型トラップ電極17が同一円
周上に配置されている。
【0017】図3に示されるように、コロナガン11と
被塗装物13との間に配置された電界形成用電極21
は、中央に開口部22aが形成された絶縁板22の表面
上に複数のリング状電極部材23が同心円状に形成され
たものである。これら複数のリング状電極部材23は、
図1に示されるように、互いに電気的に接続されると共
に直流電源24に接続されている。直流電源24は、コ
ロナガン11により荷電された粉体粒子が被塗装物13
に誘導される向きの電界が電極21と被塗装物13との
間に形成されるような極性、すなわちコロナガン11の
コロナ電極12に接続された直流電源15と同極性でリ
ング状電極部材23に接続される。
【0018】次に、この実施例1の動作について説明す
る。まず、直流電源15からコロナガン11のコロナ電
極12に例えば−80kV程度の高電圧が印加され、コ
ロナ電極12から被塗装物13に向けてコロナ放電が発
生する。このとき、コロナ電極12から見て被塗装物1
3より近い位置にフリーイオントラップ装置16のトラ
ップ電極17が配置されているので、電気力線18はト
ラップ電極17に集中し、コロナ電極12の付近で発生
したフリーイオンの多くは電気力線18に沿って移動し
てトラップ電極17にトラップされる。
【0019】また、直流電源24から電界形成用電極2
1の複数のリング状電極部材23に−20〜40kV程
度の電位が与えられ、これにより電界形成用電極21と
被塗装物13との間に平等に近い電界が形成される。
【0020】この状態で、粉体塗料が空気により搬送さ
れてコロナガン11から噴射されると、コロナ放電によ
り生ずるイオンが粉体粒子に付着して粉体粒子が荷電さ
れ、主に空気流に乗って電界形成用電極21に向けて移
動する。このようにして電界形成用電極21の絶縁板2
2の開口部22a内を通った荷電粉体粒子は、電界形成
用電極21と被塗装物13との間に形成された電界の影
響を受けて被塗装物13へと誘導され、被塗装物13の
表面に塗着する。
【0021】この実施例1においては、フリーイオント
ラップ装置16により多くのフリーイオンがトラップさ
れるので、被塗装物13に向かうフリーイオンが著しく
減じられ、フリーイオンに起因する悪影響、すなわち被
塗装物13の表面電位の上昇に伴う塗着効率の低下及び
逆電離現象による塗膜の肌荒れを防止することができ
る。さらに、電界形成用電極21と被塗装物13との間
に荷電粉体粒子を誘導する電界を形成したので、フリー
イオンを減じても被塗装物13の表面への塗着効率を向
上させることができる。
【0022】なお、電界形成用電極21の複数のリング
状電極部材23の代わりに一つの幅広の面状電極部材を
用いることもできる。
【0023】ここで、実施例1の塗装装置及び従来の塗
装装置を用いて塗着効率の測定を行った。被塗装物13
として、図4に示されるように、鉄板13aの上に電着
層13bを介してポリエステル系粉体塗料からなる中塗
り層13cが形成されたものを用い、中塗り層13cの
上に平均粒径10μmのアクリル樹脂系粉体塗料により
上塗り層13dを形成した。上塗り層13dの形成は、
コロナガンを用いてケース1からケース5までの5段階
の条件でそれぞれ行われたが、各ケースにおいてコロナ
電極への印加電圧−80kVと粉体塗料の吐出量75.
2g/分は共通の条件として設定されている。塗着効率
の測定結果を以下の表に示す。ただし、Eは電界形成用
電極に与えられた電位を表している。
【0024】 ケース E(kV) フリーイオントラップ 塗着効率(%) 1 0 無 68.2 2 0 有 75.2 3 −20 有 78.7 4 −30 有 72.7 5 −40 有 72.2
【0025】ケース1は、図10に示したように、フリ
ーイオントラップ装置も電界形成用電極も用いない従来
のコロナガンによる塗装であり、ケース2は、図11に
示したように、フリーイオントラップ装置は用いたが電
界形成用電極は用いない従来のコロナガンによる塗装に
相当している。これに対して、ケース3〜5は、実施例
1の装置によりフリーイオントラップ装置及び電界形成
用電極の双方を用いて行った塗装である。この測定結果
では、電界形成用電極に−20kVの電位を与えたケー
ス3の場合が最も優れた塗着効率を示している。なお、
電界形成用電極に−30kV、−40kVの電位を与え
たケース4及び5においては、静電反発の現象が見られ
た。
【0026】実施例2.図5にこの発明の実施例2に係
る静電粉体塗装装置の構成を示す。この実施例2は、実
施例1において、コロナガン11の代わりに摩擦帯電を
利用するトリボガン19を用いたものである。トリボガ
ン19の内部には樹脂等からなる荷電材が設けられてお
り、粉体塗料がガン内を搬送されるときに荷電材との摩
擦により帯電される。帯電極性は、一般に、荷電材とし
て使用される樹脂等の材質により決定されるが、例えば
テフロンからなる荷電材を用いた場合には、粉体粒子は
正極性に荷電される。図5に示されるトリボガン19は
粉体粒子を正極性に荷電して噴出するもので、この粉体
粒子を被塗装物13へ誘導するために、電界形成用電極
21には実施例1の場合とは逆極性になるように直流電
源24が接続されている。
【0027】正極性に帯電された粉体塗料がトリボガン
19から噴射されると、空気流に乗って電界形成用電極
21に向けて移動し、絶縁板22の開口部22a内を通
って電界形成用電極21と被塗装物13との間に形成さ
れた電界中に至る。ここで、粉体粒子は電界からの力を
受けて被塗装物13へと誘導され、被塗装物13の表面
に塗着する。
【0028】この実施例2においては、電界形成用電極
21と被塗装物13との間に荷電粉体粒子を誘導する電
界を形成したので、静電ガンとしてトリボガン19を用
いても効率良く被塗装物13の表面に塗着させることが
できる。
【0029】実施例3.図6に実施例3に係る静電粉体
塗装装置の電界形成用電極31を示す。この電界形成用
電極31においては、多孔材からなる絶縁板32の表面
32a上にリング状電極部材23が形成されている。ま
た、絶縁板32の裏面32b側にはエアチャンバ33が
形成され、エアチャンバ33にエア供給装置34が接続
されている。
【0030】この実施例3では、塗装作業中にエア供給
装置34から加圧エアがエアチャンバ33へ供給され
る。エアチャンバ33に供給されたエアは、絶縁板32
を形成する多孔材の微細な孔を通り、絶縁板32の裏面
32bから表面32aへと抜け出て、被塗装物13に向
かって噴出される。このエアの噴出により、リング状電
極部材23は常時清浄に保たれ、リング状電極部材23
の表面に荷電粉体粒子が付着することが防止される。
【0031】なお、絶縁板32を形成する多孔材として
は、セラミック材、ポリエチレンの半焼結体等を用いる
ことができる。また、絶縁板32から被塗装物13に向
かって噴出されるエアによりエアカーテンを形成すれ
ば、搬送エア流により吹き飛ばされようとする粉体塗料
をエアカーテン内に押さえ込むことができるので、さら
に塗着効率が向上する。
【0032】実施例4.図7に実施例4に係る静電粉体
塗装装置の電界形成用電極41を示す。この電界形成用
電極41においては、絶縁板42の表面上に形成された
複数のリング状電極部材43に直流電源44により所定
の電位を与えると共に、互いに隣接する電極部材43の
間に交流電源45から交流電圧を印加する。このような
構成とすれば、直流電源44により電界形成用電極41
と被塗装物13との間に荷電粉体粒子を誘導するための
電界が形成されると共に、互いに隣接するリング状電極
部材43間に交流電圧を印加することにより電界形成用
電極41の表面に無声放電が生起される。この無声放電
によって、リング状電極部材43の表面に荷電粉体粒子
が付着することが防止される。
【0033】実施例5.静電ガンとして、図8に示され
るように、直線状に粉体塗料を噴出するガン52を用い
る場合がある。この場合には、電界形成用電極としてリ
ング状の電極ではなく、図9に示されるような平行な直
線状の電極部材53を用いればよい。
【0034】上記の各実施例において、電界形成用電極
21、31、41に用いられる電極部材23、43、5
3を、抵抗値が100〜1000Mオーム程度の導線、
例えばカーボン含有の樹脂線から形成することにより、
安全性を向上させることができる。
【0035】なお、下塗り絶縁層の上に上塗り層として
静電塗着を行う場合には、静電塗着の前にコロナ放電装
置等を用いて下塗り絶縁層の表面をプリチャージするこ
とが好ましい。例えば、コロナガンを用いて負極性に荷
電された粉体粒子を下塗り絶縁層の上に塗着する場合に
は、荷電粉体粒子と逆極性、すなわち正極性の電位に下
塗り絶縁層をプリチャージする。このときのコロナ放電
装置としては、コロナ電極と、コロナ電極に正極性の高
電圧を印加する高電圧発生装置とから形成することがで
きる。プリチャージされた下塗り絶縁層の表面電位は、
印加電圧、放電距離及び放電時間等を変化させることに
より適宜選択されるが、例えば200V〜3kV程度に
設定すればよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る静
電粉体塗装装置は、粉体塗料を静電気的に荷電させて被
塗装物の表面に吹き付ける静電ガンと、静電ガンと被塗
装物との間に配置された電界形成用電極と、電界形成用
電極に所定の電位を与えて電界形成用電極と被塗装物と
の間に荷電粉体塗料を被塗装物の表面上へと導くための
電界を形成する直流電源とを備えているので、粉体塗料
の塗着効率を向上させることができる。
【0037】電界形成用電極として、中央に粉体塗料を
貫通させるための開口部を有する絶縁板の表面上に同心
円状に複数のリング状電極部材を形成したものを用いれ
ば、ほぼ面状の電極が形成され、平等に近い電界の形成
が可能となるため、被塗装物の表面付近の電界強度を容
易に増加することができる。さらに、絶縁板を多孔材か
ら形成し、エア供給手段により絶縁板の裏面から表面に
向けて多孔材を通してエアを噴出させれば、電極部材に
粉体塗料が付着することを防止できる。互いに隣接する
リング状電極部材間に交流電圧を印加して無声放電を生
起させても、同様に、電極部材への粉体塗料の付着を防
止することができる。
【0038】静電ガンとして、コロナ放電を発生させる
ためのコロナ電極とコロナ電極の後方に配置されると共
にコロナ放電により発生したフリーイオンをトラップす
るために電気的に接地された複数のトラップ電極とを有
するコロナガンを用いれば、コロナ放電により発生する
フリーイオンがトラップ電極にトラップされるので、フ
リーイオンに起因する逆電離現象の発生を防止すること
ができる。また、摩擦帯電を利用するトリボガンを用い
ても、電界形成用電極と被塗装物との間に形成される電
界により塗着効率の優れた粉体塗装が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に係る静電粉体塗装装置
の構成を示す図である。
【図2】 実施例1で用いられたコロナガンのフリーイ
オントラップ装置を示す図である。
【図3】 実施例1で用いられた電界形成用電極を示す
正面図である。
【図4】 塗着効率の測定を行った際の被塗装物を示す
断面図である。
【図5】 実施例2に係る静電粉体塗装装置の構成を示
す図である。
【図6】 実施例3で用いられた電界形成用電極を示す
図である。
【図7】 実施例4で用いられた電界形成用電極を示す
図である。
【図8】 実施例5で用いられた静電ガンの噴出部を示
す斜視図である。
【図9】 実施例5で用いられた電極形成用電極を示す
図である。
【図10】 従来のコロナガンによる塗装の様子を示す
概略図である。
【図11】 従来の他のコロナガンを用いた静電粉体塗
装装置を示す図である。
【図12】 従来のトリボガンによる塗装の様子を示す
概略図である。
【符号の説明】
11 コロナガン、12 コロナ電極、13 被塗装
物、15,24,44 直流電源、16 フリーイオン
トラップ装置、17 トラップ電極、19 トリボガ
ン、21,31,41 電界形成用電極、22,32,
42 絶縁板、22a 開口部、23,43 リング状
電極部材、34 エア供給装置、45 交流電源、53
直線状電極部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 篤 東京都江東区東雲2−13−27 小野田セメ ント株式会社アイオニクス技術センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に接地された被塗装物の表面上に
    荷電粉体塗料を静電塗着する静電粉体塗装装置であっ
    て、 粉体塗料を静電気的に荷電させて被塗装物の表面に吹き
    付ける静電ガンと、 前記静電ガンと被塗装物との間に配置された電界形成用
    電極と、 前記電界形成用電極に所定の電位を与えて前記電界形成
    用電極と被塗装物との間に荷電粉体塗料を被塗装物の表
    面上へと導くための電界を形成する直流電源とを備えた
    ことを特徴とする静電粉体塗装装置。
  2. 【請求項2】 前記電界形成用電極は、中央に前記静電
    ガンから吹き付けられた粉体塗料を貫通させるための開
    口部を有する絶縁板と、この絶縁板の表面上に同心円状
    に形成された複数のリング状電極部材とを有することを
    特徴とする請求項1に記載の静電粉体塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁板が多孔材からなると共に、前
    記絶縁板の裏面から表面に向けて多孔材を通してエアを
    噴出させるエア供給手段を備えたことを特徴とする請求
    項2に記載の静電粉体塗装装置。
  4. 【請求項4】 互いに隣接するリング状電極部材の間に
    交流電圧を印加して無声放電を生起させるための交流電
    源を備えたことを特徴とする請求項2に記載の静電粉体
    塗装装置。
  5. 【請求項5】 前記静電ガンは、コロナ放電を発生させ
    るためのコロナ電極と、コロナ電極の後方に配置される
    と共にコロナ放電により発生したフリーイオンをトラッ
    プするために電気的に接地された複数のトラップ電極と
    を有するコロナガンである請求項1ないし4のいずれか
    一項に記載の静電粉体塗装装置。
  6. 【請求項6】 前記静電ガンは、摩擦帯電を利用するト
    リボガンである請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の静電粉体塗装装置。
JP19327594A 1994-08-17 1994-08-17 静電粉体塗装装置 Pending JPH0857364A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015166073A (ja) * 2014-03-04 2015-09-24 旭サナック株式会社 静電塗装装置

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