JPH09326657A

JPH09326657A - 圧電振動子の製造方法

Info

Publication number: JPH09326657A
Application number: JP16854496A
Authority: JP
Inventors: Kozo Ono; 公三小野; Masaki Okazaki; 正喜岡崎
Original assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date: 1996-06-06
Filing date: 1996-06-06
Publication date: 1997-12-16

Abstract

(57)【要約】【目的】水晶片を収容するシート状基板の破損を防止し
て、量産に適した圧電振動子の製造方法を提供する。【構成】シート状基板に複数の圧電片を縦横に保持して
シート状蓋体を被せ、複数の圧電振動子を一体的に形成
した後、個々の圧電振動子に分割して形成する圧電振動
子の製造方法において、前記シート状基板とシート状蓋
体のいずれをも樹脂基板とした構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は量産に適した圧電振動子
の製造方法を利用分野とし、特に安価な水晶振動子を提
供する製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】

（発明の背景）圧電振動子特に水晶振動子は、共振特性
に優れることから、周波数及び時間の基準源として通信
機器を含む種々の電子機器に使用される。その中でも、
ＡＴカットとした水晶振動子は周囲温度に対する周波数
変化特性に優れるため、多く用いられる。近年では、用
途範囲もコンピュータ制御機器を含めて拡大し、さらに
安価なものが望まれている。このような要求を達成する
ため、例えば特開昭５２−９８４９５号公報や同５４−
１１２１９２号公報等による製造方法の採用が考えられ
た。

【０００３】（従来技術の一例）第２図は、従来におけ
る水晶振動子の製造方法を説明する図である。水晶振動
子は、縦横に穴部１を有するシート状基板２と、穴部１
に保持される水晶片３と、各穴部１を密閉するシート状
蓋体４とから、一体的に形成される。シート状基板２は
セラミックの積層体からなり、シート状蓋体４はガラス
板からなる。そして、分割線５に沿って、個々の水晶振
動子に分割される。なお、水晶片３は、両主面に励振電
極６を有し、引出電極７の延出した一端外周部を穴部１
の段部８に保持される。

【０００４】

【発明が解決しようとする解決課題】

（従来技術の問題点）しかしながら、上記の製造方法で
は、シート状基板２がセラミックの積層体からなり、焼
成により形成される。したがって、シート状基板２が大
きくなるほど、第３図に示したように焼成後のたわみ
（そり）が大きくなる。このため、シート状蓋体４を溶
融ガラス等により接合する際、両者間に間隙を生じて充
分な密閉ができない問題があった。また、密閉度を高め
るため、両者を押圧して接合しようとすると、シート状
基板２が破損する問題があった。

【０００５】（発明の目的）本発明は、上記に鑑み、シ
ート状基板の破損を防止して量産に適した圧電振動子の
製造方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【問題を解決するための手段】（着目点）本発明は、シート状基板２が脆性体である
故、押圧時のたわみによる破損を防止できない点に着目
した。（解決手段）この点から、本発明では、シート状
基板２及びシート状蓋体４のいずれをも樹脂基板とす
る。

【０００７】

【作用】このような解決手段により、シート状基板２あ
るいはシート状蓋体４のいずれかにたわみがあったとし
ても、両者を押圧して接合する際、樹脂基板による弾力
性によりたわみを吸収する作用がある。以下、本発明の
一実施例を説明する。

【０００８】

【実施例】第１図は本発明の一実施例である水晶振動子
の製造方法を示す図である。なお、前従来例図と同一部
分には同番号を付与してその説明は省略する。水晶振動
子は、前述のように、シート状基板２と、水晶片３と、
シート状蓋体４からなる。この実施例では、シート状基
板２及びシート状蓋体４はいずれも樹脂基板からなる。

【０００９】シート状基板２は、平板状のガラスエポキ
シ基板（通称ガラエポ基板）からなる。そして、縦横に
断続した列状スリット９が形成される。列状スリット９
に囲まれた領域を個々の水晶振動子の基板１０とする。
各基板１０の表面には一対の電極１１が形成される。各
電極１１は側面のスルーホール（電極孔）１２により外
表面に延出して実装用端子（未図示）に接続する。な
お、ガラエポ基板は、通常、網目状としたガラス繊維を
エポキシ樹脂中に含浸させて形成される。

【００１０】水晶片３は、両主面に励振電極６を有し、
両端外周部に引出電極７を延出する。そして、両端外周
部は導電性接着剤（未図示）により、基板１０の一対の
電極１１に接合して保持される。なお、電極１１と導電
性接着剤の厚みにより、水晶片３の振動を阻害しない程
度に基板に対して間隙を設ける。

【００１１】シート状蓋体４はエポキシ樹脂からなり、
各基板１０に対応した蓋体となる凹部を縦横に有する。
例えばプレス加工により形成される。そして、シート状
基板２に押圧して一体的に接合し、各基板１０に保持さ
れた水晶片３を密閉する。これにより、複数の水晶振動
子が一体的に形成される。そして、シート状基板２の列
状スリットに沿って切断し、個々の水晶振動子を得る。
なお、シート状基板２とシート状蓋体４とは、樹脂接着
剤により接合される。

【００１２】このような製造方法であれば、シート状基
板２にたわみがあったとしても、シート状蓋体４のいず
れもが弾性体であるため、押圧してもたわみを吸収して
破損することがない。このようなことから、従来提案さ
れた製造方法のメリットを充分に生かして、水晶振動子
の量産を可能にする。したがって、安価に供給できる。

【００１３】また、この実施例では、列状スリット９に
より個々の基板１０が機械的に独立分離する。したがっ
て、シート状基板２とシート状蓋体４とを押圧して接合
する際、全体的な変形はあっても、その歪みは列状スリ
ット９により吸収される。このことから、各基板１０は
独立的な接合となり、個々の基板１０の変形を防止す
る。したがって、各基板１０上に保持された水晶片３の
破損を防止する。なお、前述した特開昭５４−１１２１
９２号公報でも、本実施例と同様に列状スリットを設け
ているが、脆性体であるセラミックであるために破壊が
先で、このような効果は期待できない。

【００１４】

【他の事項】上記実施例では、シート状基板２はガラス
繊維の含浸した樹脂基板、シート状蓋体４は単なる樹脂
としたが、上述した趣旨から明らかなとおり、両者とも
に弾性作用もっておればよい。例えばシート状基板２を
単なる樹脂とし、シート状蓋体４を異物を含浸させた樹
脂としてもよい。

【００１５】また、シート状基板２は平板として水晶片
３を保持したが、穴部を設けて水晶片３を保持してもよ
い。この場合、シート状蓋体４は平板としてもよい。

【００１６】また、水晶片３は基板上に両端外周部の２
カ所を接合したが、一端側のみを接合してもよい。この
場合、シート状基板２とシート状蓋体４との接合時によ
る歪みの影響をさらに軽減して、水晶片３の破損を防止
する。

【００１７】また、シート状基板２にのみ列状スリット
を設けたが、シート状蓋体４にも同様に設けても良い。
そして、列状スリットに拘わらず、ミシン目状の連続し
た貫通孔であってもよい。但し、基本的には、本発明の
要件ではなく、これらは樹脂基板の材質に応じてなかっ
たとしてもよい。

【００１８】要するに、本発明では、セラミックから弾
性作用のある樹脂基板に変更することで、従来提案され
た製造方法を現実化したもので、この趣旨を逸脱しない
範囲内で適宜変更可能であり、そのような趣旨に基づく
ものは、本発明の技術的範囲に属する。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、シート状基板及びシート状蓋
体のいずれをも樹脂基板としたので、シート状基板の破
損を防止して量産に適した圧電振動子の製造方法を提供
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を説明するシート状とした水
晶振動子の分解組立分解図である。

【図２】従来の製造方法を説明するシート状とした水晶
振動子の分解組立図である。

【図３】従来例の問題点を説明する模式的なシート状水
晶振動子の正面図である。

【符号の説明】

１穴部、２シート状基板、３水晶片、４シート
状蓋体、５分割線、６励振電極、７引出電極、８
段部、９列状スリット、１０基板、１１電極、１２
スルーホール．

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シート状基板に複数の圧電片を縦横に保持
してシート状蓋体を被せ、複数の圧電振動子を一体的に
形成した後、個々の圧電振動子に分割して形成する圧電
振動子の製造方法において、前記シート状基板とシート
状蓋体のいずれをも樹脂基板としたことを特徴とする圧
電振動子の製造方法。