JPH09324670A - ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ - Google Patents

ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ

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JPH09324670A
JPH09324670A JP14055696A JP14055696A JPH09324670A JP H09324670 A JPH09324670 A JP H09324670A JP 14055696 A JP14055696 A JP 14055696A JP 14055696 A JP14055696 A JP 14055696A JP H09324670 A JPH09324670 A JP H09324670A
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JP
Japan
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governor
lever
torque
spring
pin
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Pending
Application number
JP14055696A
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English (en)
Inventor
Satoshi Fujii
聡 藤井
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガバナ差とハンチングとをバランスさせなが
らも、ガバナ差を一層小さくできる技術を提供する。 【解決手段】 第1レバー1Aと第2レバー1Bとの間
にトルクアップ装置10を介装する。エンジンの過負荷
運転状態では、燃料制限具7で第2レバー1Bを全負荷
相当位置4/4に受け止めるとともに、トルクアップ装
置10により、第1レバー1Aを介してラックピン6を
トルクアップ調量域Lb内で調量移動させるように構成
する。上記ラックピン6が第1レバー1Aと第2レバー
1Bとを介して無負荷相当位置0/4と全負荷相当位置
4/4との間を調量移動するガバナ調量域La内では、
ガバナスプリング4の張力とトルクスプリング13の弾
発力とをガバナ力Fに対抗させ、トルクスプリング13
の弾発力がガバナ力Fに屈してトルクピン12を後退さ
せるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクアップ装置
を備えるディーゼルエンジンの遠心式ガバナに関し、特
にカバナ差を小さくする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の遠心式ガバナの従来技術として
は、例えば図6に示すものがある。この遠心式ガバナ
は、第1レバー1Aと第2レバー1Bとを連動可能に設
け、第1レバー1Aと第2レバー1Bとの間にトルクア
ップ装置20を介装して成り、ラックピン6は、第1レ
バー1Aとトルクアップ装置20と第2レバー1Bとを
順に介してガバナスプリング4で燃料増量側Rへ弾圧す
るのに対して、ガバナウエイトのガバナ力Fで第1レバ
ー1Aを介して燃料減量側Lへ押圧するように構成す
る。
【0003】上記トルクアップ装置20は、筒状ケース
21と、この筒状ケース21の先端部より出退自在に突
出するトルクピン22と、この筒状ケース21内に収容
されて上記トルクピン22を第1レバー1Aへ向けて弾
発するトルクスプリング23と、このトルクスプリング
23の弾発力を設定するために筒状ケース21内の後部
に螺着されたバネ受け具24とを具備して成る。
【0004】この遠心式ガバナは、以下のように作用す
る。エンジンの始動操作時には、ラックピン6は第1レ
バー1Aを介してスタートスプリング3の張力で最大燃
料増量位置である始動増量位置Stに弾圧されて始動を
容易にする。このとき第2レバー1Bは燃料制限具7に
受け止められて全負荷相当4/4に置き残される。
【0005】エンジン始動後の無負荷最高回転数N0
全負荷最高回転N2 との間では、ガバナスプリング4と
これに対抗するガバナ力Fとの釣り合い力により、負荷
に対応して第1レバー1Aと第2レバー1Bとが一体と
なって揺動し、ラックピン6は無負荷相当位置0/4と
全負荷相当位置4/4との間のガバナ調量域La内で調
量移動する。このときトルクアップ装置20のトルクス
プリング23の弾発力はガバナスプリング4の張力より
弱いため、トルクピン22は第2レバー1Bに押されて
筒状ケース21内に退入し、その突出量がゼロの状態に
なっており、トルクスプリング23はそれ以上収縮しな
い。
【0006】エンジンが過負荷運転に移行するとエンジ
ンの回転数が低下し、ガバナ力Fが低下してガバナスプ
リング4の張力で第1レバー1Aと第2レバー1Bとを
燃料増量側Rに引く。このとき第2レバー1Bは燃料制
限具7に受け止められて全負荷相当4/4に置き残され
る。つまり、ガバナスプリング4は機能しない。一方、
トルクアップ装置20のトルクスプリング23の弾発力
がガバナ力Fに打ち勝ってトルクピン22を押し出す。
これにより過負荷運転状態ではラックピン6は全負荷相
当位置4/4とトルクアップ位置Tuとの間のトルクア
ップ調量域Lb内で調量移動する。これによりエンジン
はトルクを上げて粘り強さを発揮する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジン発
電機には限らないが、この種のエンジンでは負荷変動に
対する速度変動率〔(無負荷最高回転数−全負荷最高回
転数)÷全負荷最高回転数〕が小さいこと、つまり、ガ
バナ差(無負荷最高回転数−全負荷最高回転数)を小さ
くすることが求められる。
【0008】しかしながら、従来のトルクアップ装置2
0においては、エンジンの無負荷最高回転数N0 と全負
荷最高回転N2 との間では、トルクスプリング23は機
能しない構成であるから、ガバナ差はガバナスプリング
4のバネ定数により規定される。そしてバネ定数を弱く
するとガバナ差を小さくすることができるが、逆にハン
チングが生じ易くなる。従って、ガバナ差とハンチング
とをバランスさせる必要があるため、ガバナ差を小さく
するには限度がある。本発明は、このような事情に鑑み
てなされたもので、ガバナ差とハンチングとをバランス
させながらも、ガバナ差を一層小さくできる技術を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を達成
するために、以下のように構成される。即ち、第1レバ
ー1Aと第2レバー1Bとを連動可能に設け、第1レバ
ー1Aと第2レバー1Bとの間にトルクアップ装置10
を介装して成り、エンジンの過負荷運転状態では、燃料
制限具7で第2レバー1Bを全負荷相当位置4/4に受
け止めるとともに、上記トルクアップ装置10のトルク
スプリング13の弾発力によりトルクピン12をガバナ
力Fに抗して突出させることにより、第1レバー1Aを
介してラックピン6をトルクアップ調量域Lb内で調量
移動させるように構成したディーゼルエンジンの遠心式
ガバナにおいて、上記ラックピン6が第1レバー1Aと
第2レバー1Bとを介して無負荷相当位置0/4と全負
荷相当位置4/4との間を調量移動するガバナ調量域L
a内では、ガバナスプリング4の張力とトルクスプリン
グ13の弾発力とをガバナ力Fに対抗させ、トルクスプ
リング13の弾発力がガバナ力Fに屈してトルクピン1
2を後退させるように構成した、ことを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の作用】本発明では、ガバナスプリング4の張力
とトルクスプリング13の弾発力とをガバナ力Fに対抗
させ、トルクスプリング13の弾発力がガバナ力Fに屈
してトルクピン12を後退させるように構成したことか
ら、ラックピン6が調量移動するガバナ調量域La内で
は、エンジンは無負荷最高回転数と全負荷最高回転との
間にあり、ガバナ力が強力になる。この強力なガバナ力
Fに対してガバナスプリング4の張力とトルクスプリン
グ13の弾発力とが対抗するが、トルクスプリング13
は強力なガバナ力に屈して収縮し、トルクピン12が後
退する。
【0011】
【発明の効果】本発明では、ラックピン6のガバナ調量
域La内でトルクピン12が後退することから、ガバナ
スプリング4及びトルクスプリング13のバネ定数が同
じであっても、従来例(トルクピン12の突出量がゼロ
の状態でトルクスプリング13がそれ以上収縮しないも
の)に比べて、同じガバナ力Fに対してトルクピン12
が後退する分だけ、ラックピン6が第2レバー1Bを介
して燃料減量側へ大きく調量移動し、図2中の実線L1
で示すように、無負荷最高回転数を従来例のN0からN1
に下げることができる。これにより、ガバナ差とハン
チングとをバランスさせながらも、ガバナ差を小さくす
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1及
び図3〜図5に基づいて説明する。ここで、図5は本発
明の実施形態に係る遠心式ガバナの斜視図、図4はその
遠心式ガバナの縦断面図、図3(A)はその遠心式ガバ
ナの正面図、図3(B)はその平面図であり、図1は上
記遠心式ガバナの模式図である。
【0013】この遠心式ガバナGは、図1及び図3〜図
5に示すように、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ
Pのラックピン6をレバー連結具1aを介して第1レバ
ー1Aに連動連結し、上記レバー連結具1aにスタート
スプリング3を連結し、上記第1レバー1Aにカム軸2
0に外嵌するガバナスリーブ21を介してガバナ力Fを
作用させるように構成する。また、第2レバー1Bのバ
ネ係止部1eと調速レバー5とにわたりガバナスプリン
グ4を架着し、ガバナスプリング4の張力は調速レバー
5で調節操作可能に構成する。上記第1レバー1Aと第
2レバー1Bとを支軸2で揺動可能に支持するととも
に、両者1A・1Bの間にトルクアップ装置10を介装
して相互に連動するように構成する。なお、上記支軸2
は軸支具16で枢支する。
【0014】上記構成において、ラックピン6は、スタ
ートスプリング3とガバナスプリング4とにより燃料増
量側Rへ弾圧し、図示しないガバナウエイトのガバナ力
Fによりガバナスリーブ21と第1レバー1Aとを介し
て燃料減量側Lへ押圧する。また、第2レバー1Bは、
接当片1dを介して燃料制限具7で全負荷相当位置4/
4に受け止め可能に構成し、上記燃料制限具7は、ガバ
ナ室の機壁に進退調節可能に設ける。
【0015】前記レバー連結具1aは、これにあけた長
孔17に第1レバー1Aの上端部に固定したピン18を
挿通して当該第1レバー1Aと連結され、停止レバー8
で停止操作可能に構成される。つまり、ガバナスプリン
グ4の張力に妨げられることなく、レバー連結具1aを
介してラックピン6を燃料カット位置に操作できるよう
に構成されている。なお、前記調速レバー5と上記停止
レバー8とは、図5に示すように同心軸上に個別操作可
能に設けられており、調速レバー5は調速操作レバー5
aにより、停止レバー8は停止操作レバー8aにより、
それぞれ操作される。
【0016】以下、本発明の特徴構造について説明す
る。上記トルクアップ装置10は、図1及び図3(A)
(B)に示すように、第2レバー1Bに一体に形成された
ピン支持具11と、このピン支持具11に進退自在に設
けられたトルクピン12と、このトルクピン12の先端
を第1レバー1Aの接当片1cに向けて弾発付勢するト
ルクスプリング13と、上記トルクピン12の後端部に
カラー14を介してネジ止めされたピン調節具15とを
備えて成り、従来例と同様のトルクアップ機能のほか
に、ラックピン6が第1レバー1Aと第2レバー1Bと
を介して無負荷相当位置0/4と全負荷相当位置4/4
との間を調量移動するガバナ調量域La内では、ガバナ
スプリング4の張力とトルクスプリング13の弾発力と
をガバナ力Fに対抗させ、トルクスプリング13の弾発
力がガバナ力Fに屈してトルクピン12を後退させるよ
うに構成されている。
【0017】以下、エンジンの最終調節段階におけるト
ルクアップ装置10の調節について説明する。なお、遠
心式ガバナをエンジンに組み付けるに先立って、ピン調
節具14を進退調節してトルクスプリング13の弾発力
を所定の値に設定しておく。これにより、最大トルク回
転数(図2中のN3 )が決まることになる。先ず、エン
ジンを運転し、調速レバー5の最高速位置をエンジンが
無負荷最高回転数(図2中のN1 )になるように図示し
ない牽制ボルトで牽制する。次いで負荷をかけて定格回
転数(図2中のN2 )にしてから所定のトルクとなるよ
うに燃料制限具7を第2レバー1Bの接当片1dに対し
て進退調節し、機壁に固定する。さらに負荷をかけてい
きピークトルク値を確認する。なお、図1中の符号dは
トルクアップ時のトルクピン12の突出量を示してい
る。
【0018】本発明では、ラックピン6が調量移動する
ガバナ調量域La内においても、トルクスプリング13
の弾発力を殺さないで、ガバナスプリング4とともにガ
バナ力Fに対抗させるように構成したことから、このガ
バナ調量域La内では、エンジンはガバナ力が強力な無
負荷最高回転数N1 と全負荷最高回転数N2 との間にあ
り、ガバナスプリング4の張力とトルクスプリング13
の弾発力とが強力なガバナ力Fに対抗する。このときト
ルクスプリング13が強力なガバナ力に屈して収縮し、
トルクピン12が後退する。
【0019】つまり、ラックピン6のガバナ調量域La
内ではトルクピン12が後退することから、ガバナスプ
リング4及びトルクスプリング13のバネ定数が従来例
と同じであっても、同じガバナ力Fに対してトルクピン
12が後退する分だけ、ラックピン6が第2レバー1B
を介して燃料減量側へ大きく調量移動し、図2中の実線
1 で示すように、無負荷最高回転数を従来例のN0
らN1 に下げることができる。これにより、ガバナ差と
ハンチングとをバランスさせながらも、ガバナ差を小さ
くすることができる。
【0020】なお、上記実施形態では、ピン支持具11
を第2レバー1Bと一体に形成し、トルクピン12の先
端を第1レバー1Aの接当片1cに当接させるものにつ
いて説明したが、これとは逆に、ピン支持具11を第1
レバー1Aに設け、トルクピン12の先端を第2レバー
1Bに当接させるものについても同様に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディーゼルエンジンの遠心式ガバ
ナを示す模式図である。
【図2】エンジンの回転数Nに対する燃料噴射ポンプの
ラックピンの位置を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態に係る遠心式ガバナを示し、
図3(A)はその正面図、図3(B)はその平面図であ
る。
【図4】本発明の実施形態に係る遠心式ガバナの縦断面
図である。
【図5】本発明の実施形態に係る遠心式ガバナの斜視図
である。
【図6】従来例に係る図1相当図である。
【符号の説明】
1A…第1レバー、1B…第2レバー、3…スタートス
プリング、4…ガバナスプリング、6…ラックピン、7
…燃料制限具、10…トルクアップ装置、12…トルク
ピン、13…トルクスプリング、15…ピン調節具、0
/4…無負荷相当位置、4/4…全負荷相当位置、F…
ガバナ力、G…遠心式ガバナ、La…トルク調量域、L
b…トルクアップ調量域。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1レバー(1A)と第2レバー(1
    B)とを連動可能に設け、第1レバー(1A)と第2レ
    バー(1B)との間にトルクアップ装置(10)を介装
    して成り、 エンジンの過負荷運転状態では、燃料制限具(7)で第
    2レバー(1B)を全負荷相当位置(4/4)に受け止
    めるとともに、上記トルクアップ装置(10)のトルク
    スプリング(13)の弾発力によりトルクピン(12)
    をガバナ力(F)に抗して突出させることにより、第1
    レバー(1A)を介してラックピン(6)をトルクアッ
    プ調量域(Lb)内で調量移動させるように構成したデ
    ィーゼルエンジンの遠心式ガバナにおいて、 上記ラックピン(6)が第1レバー(1A)と第2レバ
    ー(1B)とを介して無負荷相当位置(0/4)と全負
    荷相当位置(4/4)との間を調量移動するガバナ調量
    域(La)内では、ガバナスプリング(4)の張力とト
    ルクスプリング(13)の弾発力とをガバナ力(F)に
    対抗させ、トルクスプリング(13)の弾発力がガバナ
    力(F)に屈してトルクピン(12)を後退させるよう
    に構成した、ことを特徴とするディーゼルエンジンの遠
    心式ガバナ。
JP14055696A 1996-06-04 1996-06-04 ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ Pending JPH09324670A (ja)

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