JPH09324281A - 溶接性、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents
溶接性、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板Info
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- JPH09324281A JPH09324281A JP14450696A JP14450696A JPH09324281A JP H09324281 A JPH09324281 A JP H09324281A JP 14450696 A JP14450696 A JP 14450696A JP 14450696 A JP14450696 A JP 14450696A JP H09324281 A JPH09324281 A JP H09324281A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルコール含有燃料に対する加工後の耐燃料
腐食性を、溶接性を損なわずに増大できる材料を開発す
る。 【解決手段】 Zn −X合金 (X=Ni、Co、Mn、Crの1種
又は2種以上)のめっき皮膜上に、クロメート皮膜を形
成した表面処理鋼板からなり、めっき皮膜のクラックの
密度が1000個/mm2未満である。
腐食性を、溶接性を損なわずに増大できる材料を開発す
る。 【解決手段】 Zn −X合金 (X=Ni、Co、Mn、Crの1種
又は2種以上)のめっき皮膜上に、クロメート皮膜を形
成した表面処理鋼板からなり、めっき皮膜のクラックの
密度が1000個/mm2未満である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接性および加工
後の耐食性に優れた表面処理鋼板、特にガソリン、ガソ
ホールなどの燃料に対して高い耐食性を示す、自動車や
二輪車の燃料タンク、さらにはストーブ、ボイラー等の
灯油タンク、非常に厳しい加工で高耐食性の必要なオイ
ルフィルター等の用途に適した表面処理鋼板に関する。
後の耐食性に優れた表面処理鋼板、特にガソリン、ガソ
ホールなどの燃料に対して高い耐食性を示す、自動車や
二輪車の燃料タンク、さらにはストーブ、ボイラー等の
灯油タンク、非常に厳しい加工で高耐食性の必要なオイ
ルフィルター等の用途に適した表面処理鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や二輪車などの燃料タンク用材料
には、溶接性ばかりでなく、外面側は一般の耐食性( 以
下、外面耐食性という) が、内面側はガソリンなどの燃
料に対する耐燃料腐食性が要求される。これらを総称し
て耐食性、または加工後耐食性という。燃料タンク用材
料として、従来はターンシート(10〜25%Sn−Pb合金め
っき鋼板)が広く使用されてきた。しかし、めっき皮
膜中のPbが人体に有害である、アルコール含有燃料を
使用した場合にアルコール酸化物にめっき皮膜が溶解さ
れ易い、めっき皮膜のピンホールが不可避であって、
めっき皮膜より電気的に卑なFeがこのピンホールから優
先的に腐食される結果、耐孔あき腐食性が不十分にな
る、といった問題点があり、代替材料が求められてき
た。
には、溶接性ばかりでなく、外面側は一般の耐食性( 以
下、外面耐食性という) が、内面側はガソリンなどの燃
料に対する耐燃料腐食性が要求される。これらを総称し
て耐食性、または加工後耐食性という。燃料タンク用材
料として、従来はターンシート(10〜25%Sn−Pb合金め
っき鋼板)が広く使用されてきた。しかし、めっき皮
膜中のPbが人体に有害である、アルコール含有燃料を
使用した場合にアルコール酸化物にめっき皮膜が溶解さ
れ易い、めっき皮膜のピンホールが不可避であって、
めっき皮膜より電気的に卑なFeがこのピンホールから優
先的に腐食される結果、耐孔あき腐食性が不十分にな
る、といった問題点があり、代替材料が求められてき
た。
【0003】特に、近年は環境問題を配慮した排ガス規
制により、ガソホールと呼ばれるガソリン/アルコール
混合燃料(約15%のメタノールを含有するM15 、約85重
量%のメタノールを含有するM85 などがある) を代表例
とするアルコール含有燃料の使用が一部の国々で推進さ
れている。しかし、従来のターンシートは上述のような
アルコール含有燃料により腐食され易いため、アルコー
ル含有燃料に対する耐燃料腐食性に優れた燃料タンク用
材料の開発が急務となっている。
制により、ガソホールと呼ばれるガソリン/アルコール
混合燃料(約15%のメタノールを含有するM15 、約85重
量%のメタノールを含有するM85 などがある) を代表例
とするアルコール含有燃料の使用が一部の国々で推進さ
れている。しかし、従来のターンシートは上述のような
アルコール含有燃料により腐食され易いため、アルコー
ル含有燃料に対する耐燃料腐食性に優れた燃料タンク用
材料の開発が急務となっている。
【0004】この観点から、加工後の耐食性とコストを
考慮して、Zn−Ni合金電気めっき鋼板を燃料タンクに適
用することが従来より検討されてきた。従来技術として
は次の公報を挙げることができる。
考慮して、Zn−Ni合金電気めっき鋼板を燃料タンクに適
用することが従来より検討されてきた。従来技術として
は次の公報を挙げることができる。
【0005】特開昭58−45396 号公報には、Ni含有量5
〜50wt%、厚さ0.5 〜20μmのZn−Ni合金電気めっきの
上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処理鋼
板が示されている。
〜50wt%、厚さ0.5 〜20μmのZn−Ni合金電気めっきの
上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処理鋼
板が示されている。
【0006】特開平5−106058号公報には、Ni含有量8
〜20wt%のZn−Ni合金めっきを10〜60g/m2の付着量で設
けた上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処
理鋼板が示されている。
〜20wt%のZn−Ni合金めっきを10〜60g/m2の付着量で設
けた上にクロメート処理を施した燃料タンク用の表面処
理鋼板が示されている。
【0007】これらの表面処理鋼板は、外面耐食性は非
常に良好であるが、耐燃料腐食性、特に加工後の耐燃料
腐食性はまだ十分とは言えず、例えばアルコール含有燃
料に塩水が混入した場合などの非常に厳しい環境下では
腐食が起こり易かった。また、これを改善するため、ク
ロメート皮膜またはめっき皮膜を厚くすると、燃料タン
ク用材料として重要な性能である溶接性が劣化するとい
う問題があった。
常に良好であるが、耐燃料腐食性、特に加工後の耐燃料
腐食性はまだ十分とは言えず、例えばアルコール含有燃
料に塩水が混入した場合などの非常に厳しい環境下では
腐食が起こり易かった。また、これを改善するため、ク
ロメート皮膜またはめっき皮膜を厚くすると、燃料タン
ク用材料として重要な性能である溶接性が劣化するとい
う問題があった。
【0008】この他、特開昭62−27587 号公報に開示さ
れているように、Zn−Ni合金めっきの上にNiめっきを重
ねた二層めっき鋼板などの検討も行われてきたが、製造
工程が増え、コスト高になるという問題があった。
れているように、Zn−Ni合金めっきの上にNiめっきを重
ねた二層めっき鋼板などの検討も行われてきたが、製造
工程が増え、コスト高になるという問題があった。
【0009】序いでながら、めっき層にクラックを設け
る技術としては特開平5−25679 号公報、および特開平
4−337099号公報に開示されているが、これらはクラッ
クを設けた下地めっき層のうえにさらにめっき層を設け
そのアンカー効果により上層めっき層の密着性を改善し
ようとするものである。これは自動車の外板に用いたと
きの耐衝撃密着性を改善しようとするものである。
る技術としては特開平5−25679 号公報、および特開平
4−337099号公報に開示されているが、これらはクラッ
クを設けた下地めっき層のうえにさらにめっき層を設け
そのアンカー効果により上層めっき層の密着性を改善し
ようとするものである。これは自動車の外板に用いたと
きの耐衝撃密着性を改善しようとするものである。
【0010】さらに特開昭62−297490号公報にはNi合金
めっき層にクラックを設けることが開示されているが、
これにより表面に微細凹凸模様を形成し黒色化を実現す
るためのものである。
めっき層にクラックを設けることが開示されているが、
これにより表面に微細凹凸模様を形成し黒色化を実現す
るためのものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明の目的
は、このようなZn−Ni合金めっき+クロメートの表面処
理鋼板の従来技術の問題点を解消すべく、アルコール含
有燃料を含む燃料に対する加工後の耐燃料腐食性を、溶
接性を損なわず、かつコストを実質的に増大させずに改
善できる技術を開発することである。
は、このようなZn−Ni合金めっき+クロメートの表面処
理鋼板の従来技術の問題点を解消すべく、アルコール含
有燃料を含む燃料に対する加工後の耐燃料腐食性を、溶
接性を損なわず、かつコストを実質的に増大させずに改
善できる技術を開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸性浴を用いた
連続Zn−X(X=Ni、Co、Mn、Crのうち1種又は2種以
上。以下Xという)合金電気めっき工程の最終段階で通
電を停止し、めっき液中に短時間の浸漬を行い、その上
にクロメート皮膜を設けると、溶接性を全く損なわずに
加工後の耐食性、特に、耐燃料腐食性が改善されること
に気付いた。その原因を究明した結果、この酸性めっき
液中での浸漬により、Zn−X合金めっき層にクラックが
発生し、加工後の耐燃料腐食性が向上することを見出
し、本発明を完成した。
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、酸性浴を用いた
連続Zn−X(X=Ni、Co、Mn、Crのうち1種又は2種以
上。以下Xという)合金電気めっき工程の最終段階で通
電を停止し、めっき液中に短時間の浸漬を行い、その上
にクロメート皮膜を設けると、溶接性を全く損なわずに
加工後の耐食性、特に、耐燃料腐食性が改善されること
に気付いた。その原因を究明した結果、この酸性めっき
液中での浸漬により、Zn−X合金めっき層にクラックが
発生し、加工後の耐燃料腐食性が向上することを見出
し、本発明を完成した。
【0013】ここに、本発明は、鋼板上に、片面付着量
が5〜50g/m2のZn−X合金電気めっき皮膜を設け、その
合金組成はXが、Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、
Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt%から成る群から選んだ
少なくとも1種を含み、このZn−X合金めっき皮膜の上
に、金属Cr換算付着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮
膜を形成した表面処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき
皮膜がクラックを有し、このクラックの密度がめっき表
面の1mm×1mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表して1000個未満の範囲であることを特徴とす
る、溶接性および加工後耐食性に優れた表面処理鋼板で
ある。
が5〜50g/m2のZn−X合金電気めっき皮膜を設け、その
合金組成はXが、Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、
Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt%から成る群から選んだ
少なくとも1種を含み、このZn−X合金めっき皮膜の上
に、金属Cr換算付着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮
膜を形成した表面処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき
皮膜がクラックを有し、このクラックの密度がめっき表
面の1mm×1mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表して1000個未満の範囲であることを特徴とす
る、溶接性および加工後耐食性に優れた表面処理鋼板で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】添付図面の図1は、本発明にかか
る表面処理鋼板のめっき皮膜の断面構成を示す模式的説
明図であり、図中、鋼板1の上にはZn−X合金めっき皮
膜2が、そしてその上にはクロメート皮膜3が設けられ
ており、めっき皮膜2にはクラック4が設けられてい
る。
る表面処理鋼板のめっき皮膜の断面構成を示す模式的説
明図であり、図中、鋼板1の上にはZn−X合金めっき皮
膜2が、そしてその上にはクロメート皮膜3が設けられ
ており、めっき皮膜2にはクラック4が設けられてい
る。
【0015】本発明において使用するめっき鋼板のZn−
X合金めっき皮膜の合金組成は、Xは、Ni:3〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt
%から成る群から選んだ少なくとも1種を含む。ただ
し、Xが2種以上の合金元素を包含する場合、好ましく
は、2番目以降の元素は、1番目の元素と同様に、Ni:
3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:
8〜20wt%から成る群から選んでもよく、あるいは2番
目以降の元素をNi、Co、Mn、Crの中から選んでその合計
量を5%以下に制限してもよい。
X合金めっき皮膜の合金組成は、Xは、Ni:3〜18wt
%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:8〜20wt
%から成る群から選んだ少なくとも1種を含む。ただ
し、Xが2種以上の合金元素を包含する場合、好ましく
は、2番目以降の元素は、1番目の元素と同様に、Ni:
3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、Cr:
8〜20wt%から成る群から選んでもよく、あるいは2番
目以降の元素をNi、Co、Mn、Crの中から選んでその合計
量を5%以下に制限してもよい。
【0016】このめっき皮膜のX含有量とは、Zn−X合
金電気めっき直後のX含有量ではなく、めっき表面のク
ラック発生後のX含有量の平均値を意味する。本明細書
ではこれを単にX含有量という。
金電気めっき直後のX含有量ではなく、めっき表面のク
ラック発生後のX含有量の平均値を意味する。本明細書
ではこれを単にX含有量という。
【0017】このめっき皮膜のX含有量は、Xが単独添
加される場合、それぞれについて上述の範囲より低すぎ
ると、加工後の外面耐食性および耐燃料腐食性ともに十
分でなく、一方X含有量はXが2種以上添加される場合
も含めて、それぞれ上述の範囲より高すぎると加工性ま
たは外面耐食性が不十分となる。
加される場合、それぞれについて上述の範囲より低すぎ
ると、加工後の外面耐食性および耐燃料腐食性ともに十
分でなく、一方X含有量はXが2種以上添加される場合
も含めて、それぞれ上述の範囲より高すぎると加工性ま
たは外面耐食性が不十分となる。
【0018】特に合計5%以下加えられる2番目以降の
元素は外面耐食性のさらなる改良のために添加され、そ
の合計量が5%を越えると加工性の劣化がわずかにみら
れる。Ni単独の場合、その含有量は、好ましくは3〜14
%または9〜18%、より好ましくは10〜14%、さらに好
ましくは11〜13%である。
元素は外面耐食性のさらなる改良のために添加され、そ
の合計量が5%を越えると加工性の劣化がわずかにみら
れる。Ni単独の場合、その含有量は、好ましくは3〜14
%または9〜18%、より好ましくは10〜14%、さらに好
ましくは11〜13%である。
【0019】また、めっき付着量 (片面当たりの量、以
下同じ) が5g/m2より少ないと、加工後の耐食性が不十
分であり、一方50g/m2より多いと、実現される性能が飽
和して不経済である上、溶接性が劣化する。めっき付着
量は好ましくは7〜30g/m2、より好ましくは10〜25g/m2
である。
下同じ) が5g/m2より少ないと、加工後の耐食性が不十
分であり、一方50g/m2より多いと、実現される性能が飽
和して不経済である上、溶接性が劣化する。めっき付着
量は好ましくは7〜30g/m2、より好ましくは10〜25g/m2
である。
【0020】本発明によれば、Zn−X合金めっき皮膜に
前述のようにクラックを発生させ、その上にクロメート
処理を施すと、加工後の耐燃料腐食性が飛躍的に向上す
る。その理由は必ずしも明らかではないが、このような
クラック中にクロメートが入り込むことにより、クロメ
ート皮膜が強固に固定されるアンカー効果と、また非ク
ラック型のZn−X合金めっき鋼板ではプレス加工時にめ
っき皮膜にクラックが発生し、下地の鋼板が露出するこ
とにより耐食性が劣化するのに対し、めっき皮膜に予め
クラックを発生させ、そのクラックをクロメート皮膜で
覆うことにより、プレス加工時に新たに発生するクラッ
クが少なく、全体として耐食性が向上すること、などが
考えられる。
前述のようにクラックを発生させ、その上にクロメート
処理を施すと、加工後の耐燃料腐食性が飛躍的に向上す
る。その理由は必ずしも明らかではないが、このような
クラック中にクロメートが入り込むことにより、クロメ
ート皮膜が強固に固定されるアンカー効果と、また非ク
ラック型のZn−X合金めっき鋼板ではプレス加工時にめ
っき皮膜にクラックが発生し、下地の鋼板が露出するこ
とにより耐食性が劣化するのに対し、めっき皮膜に予め
クラックを発生させ、そのクラックをクロメート皮膜で
覆うことにより、プレス加工時に新たに発生するクラッ
クが少なく、全体として耐食性が向上すること、などが
考えられる。
【0021】本発明では、クラックの密度は、めっき表
面の1mm×1mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表す。このクラック密度の測定は、サンプルのめ
っき表面の倍率1000倍のSEM(走査式電子顕微鏡) 写真を
ランダムに30枚撮影し、各写真についてランダムに設定
した0.1 mm×0.1 mmの視野中にあるクラックに囲まれた
領域の個数 (クラック個数) を画像解析により計数する
ことにより行う。30枚の写真で求めたこのクラック個数
の平均値を算出し、100 倍した値をクラック密度とす
る。「クラックに囲まれた領域」とは、図2に模式的に
示すように、SEM写真において見られる、クラック4
により島状に区画された領域のことである。
面の1mm×1mmの視野中でのクラックに囲まれた領域の
個数で表す。このクラック密度の測定は、サンプルのめ
っき表面の倍率1000倍のSEM(走査式電子顕微鏡) 写真を
ランダムに30枚撮影し、各写真についてランダムに設定
した0.1 mm×0.1 mmの視野中にあるクラックに囲まれた
領域の個数 (クラック個数) を画像解析により計数する
ことにより行う。30枚の写真で求めたこのクラック個数
の平均値を算出し、100 倍した値をクラック密度とす
る。「クラックに囲まれた領域」とは、図2に模式的に
示すように、SEM写真において見られる、クラック4
により島状に区画された領域のことである。
【0022】本発明によれば、このようにして求めたク
ラック密度が1000個未満のクラックを発生させることに
より、溶接性の改善が図られるとともに、例えば、ガソ
リンやガソホールによる腐食に対する耐食性、つまり加
工後の耐燃料耐食性が飛躍的に改善される。このクラッ
ク密度が大きくなると、クラックが多すぎ、めっきの被
覆率が小さくなりすぎて溶接性が劣化する。
ラック密度が1000個未満のクラックを発生させることに
より、溶接性の改善が図られるとともに、例えば、ガソ
リンやガソホールによる腐食に対する耐食性、つまり加
工後の耐燃料耐食性が飛躍的に改善される。このクラッ
ク密度が大きくなると、クラックが多すぎ、めっきの被
覆率が小さくなりすぎて溶接性が劣化する。
【0023】このようにクラック密度が高すぎると、溶
接性は劣ってくる。特に、ガソリンタンクのようなシー
ム溶接性が重視される用途にはクラック密度が1000個未
満が望ましい。このクラック密度の好ましい範囲は300
個以上1000個未満である。
接性は劣ってくる。特に、ガソリンタンクのようなシー
ム溶接性が重視される用途にはクラック密度が1000個未
満が望ましい。このクラック密度の好ましい範囲は300
個以上1000個未満である。
【0024】Zn−X合金めっき皮膜に上記のクラックを
発生させる方法は特に制限されず、めっき処理後に曲げ
戻しや引張などの塑性加工を行うことによる機械的な方
法も可能であるが、酸またはアルカリ水溶液によりエッ
チングすることによる化学的処理の方がクラック密度の
制御やクラックの均一性の面で優れているので好まし
い。クラック密度等を上述のような範囲に制御するには
例えば、浸漬条件、特に時間を調整すればよい。
発生させる方法は特に制限されず、めっき処理後に曲げ
戻しや引張などの塑性加工を行うことによる機械的な方
法も可能であるが、酸またはアルカリ水溶液によりエッ
チングすることによる化学的処理の方がクラック密度の
制御やクラックの均一性の面で優れているので好まし
い。クラック密度等を上述のような範囲に制御するには
例えば、浸漬条件、特に時間を調整すればよい。
【0025】Zn−X合金電気めっきを酸性浴 (例、硫酸
塩浴) で行う場合には、この酸性のめっき液をエッチン
グにも使用することができる。すなわち、酸性浴中で鋼
板に通電してZn−X合金めっきを施す電気めっき処理に
おいて、先に説明したように、めっきの最終段階で通電
を停止し、鋼板を無通電状態でめっき液に浸漬すること
によりめっき表面をエッチングし、クラックを発生させ
ることができる。これにより、エッチング用に用意した
別の処理槽や酸またはアルカリ水溶液を使用せず、従来
のめっき装置とめっき液をそのまま使用して、めっき後
のエッチングを行い、必要なクラックをめっき表面に発
生させることができ、コストを抑え、工程数を増大させ
ずに効率よく、本発明の表面処理鋼板が製造される。も
ちろん、めっき液の浸漬処理は、めっき浴に別に付設し
た浸漬槽で実施することもできる。
塩浴) で行う場合には、この酸性のめっき液をエッチン
グにも使用することができる。すなわち、酸性浴中で鋼
板に通電してZn−X合金めっきを施す電気めっき処理に
おいて、先に説明したように、めっきの最終段階で通電
を停止し、鋼板を無通電状態でめっき液に浸漬すること
によりめっき表面をエッチングし、クラックを発生させ
ることができる。これにより、エッチング用に用意した
別の処理槽や酸またはアルカリ水溶液を使用せず、従来
のめっき装置とめっき液をそのまま使用して、めっき後
のエッチングを行い、必要なクラックをめっき表面に発
生させることができ、コストを抑え、工程数を増大させ
ずに効率よく、本発明の表面処理鋼板が製造される。も
ちろん、めっき液の浸漬処理は、めっき浴に別に付設し
た浸漬槽で実施することもできる。
【0026】本発明に規定する上記Zn−X合金めっき皮
膜を形成した後、少なくとも未塗装で使用される加工後
の耐食性が必要な面にはクロメート処理を施して、めっ
き皮膜の上にクロメート皮膜を形成し、めっき皮膜のク
ラックをクロメート皮膜で被覆する。塗装して用いる場
合でもめっき皮膜のクラックをクロメート皮膜で被覆
し、その上を塗装皮膜で被覆すれば、外面耐食性も飛躍
的に向上するので、外面側にもクロメート処理を施して
もよい。
膜を形成した後、少なくとも未塗装で使用される加工後
の耐食性が必要な面にはクロメート処理を施して、めっ
き皮膜の上にクロメート皮膜を形成し、めっき皮膜のク
ラックをクロメート皮膜で被覆する。塗装して用いる場
合でもめっき皮膜のクラックをクロメート皮膜で被覆
し、その上を塗装皮膜で被覆すれば、外面耐食性も飛躍
的に向上するので、外面側にもクロメート処理を施して
もよい。
【0027】本発明におけるクロメート皮膜は、金属Cr
換算の付着量が10〜200mg/m2となるように形成する。こ
の付着量が10mg/m2 未満では、加工後の耐食性が十分に
発揮されず、一方200mg/m2を越えるとシーム溶接性など
の溶接性が劣化する。クロメート皮膜の好ましい付着量
は金属Cr換算で50〜180mg/m2である。
換算の付着量が10〜200mg/m2となるように形成する。こ
の付着量が10mg/m2 未満では、加工後の耐食性が十分に
発揮されず、一方200mg/m2を越えるとシーム溶接性など
の溶接性が劣化する。クロメート皮膜の好ましい付着量
は金属Cr換算で50〜180mg/m2である。
【0028】このクロメート皮膜は塗布型、電解型、反
応型の何れでもよい。吸湿性のあるCr6+がクロメート皮
膜中に多く含まれると、燃料中の水分がクロメート皮膜
の表面に吸着して固定されるため、その箇所が部分的に
腐食されることがある。従って、クロメート皮膜中にCr
6+の割合はできるだけ少ない方が好ましく、その意味で
はCr6+量を全Cr量の5%以下とすることが望ましい。
応型の何れでもよい。吸湿性のあるCr6+がクロメート皮
膜中に多く含まれると、燃料中の水分がクロメート皮膜
の表面に吸着して固定されるため、その箇所が部分的に
腐食されることがある。従って、クロメート皮膜中にCr
6+の割合はできるだけ少ない方が好ましく、その意味で
はCr6+量を全Cr量の5%以下とすることが望ましい。
【0029】本発明の別の好適態様にあっては、クロメ
ート皮膜の耐食性をさらに高めるため、皮膜中にシリカ
をSiO2/Cr 重量比で1.0 〜10.0となるように含有させ
る。この重量比が1.0 より小さいと、クロメート皮膜の
耐食性の向上効果が不十分であり、10.0を越えると、ク
ロメート液の安定性が劣化して操業に悪影響を及ぼすこ
とがあり、皮膜の加工性も劣化することがある。好まし
くは、このSiO2/Cr 重量比は1.5 〜9.5 である。
ート皮膜の耐食性をさらに高めるため、皮膜中にシリカ
をSiO2/Cr 重量比で1.0 〜10.0となるように含有させ
る。この重量比が1.0 より小さいと、クロメート皮膜の
耐食性の向上効果が不十分であり、10.0を越えると、ク
ロメート液の安定性が劣化して操業に悪影響を及ぼすこ
とがあり、皮膜の加工性も劣化することがある。好まし
くは、このSiO2/Cr 重量比は1.5 〜9.5 である。
【0030】本発明において使用するシリカ種に関して
は、吸水性の少ない乾式法シリカ (気相シリカまたはヒ
ュームドシリカ) の方が、湿式法シリカ (コロイダルシ
リカまたはシリカゾル) よりも良好である。クロメート
皮膜がシリカを含有する場合も、その金属Cr換算の付着
量は上記と同様でよい。
は、吸水性の少ない乾式法シリカ (気相シリカまたはヒ
ュームドシリカ) の方が、湿式法シリカ (コロイダルシ
リカまたはシリカゾル) よりも良好である。クロメート
皮膜がシリカを含有する場合も、その金属Cr換算の付着
量は上記と同様でよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。表面処理鋼板サンプルの作成 板厚0.8 mmのJIS SPCE相当の冷延鋼板に、下記条件にて
硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面に施し、こ
のめっき浴をそのまま利用して、生成しためっき鋼板を
無通電で酸性のめっき液中に浸漬することにより両面の
めっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金めっき皮膜
にクラックを導入した。クラック密度は、めっき液への
浸漬時間を変化させることにより調整した。エッチング
処理しためっき表面のクラック密度は、前述したように
SEM 写真から求めた。
る。表面処理鋼板サンプルの作成 板厚0.8 mmのJIS SPCE相当の冷延鋼板に、下記条件にて
硫酸塩浴によるZn−X合金電気めっきを両面に施し、こ
のめっき浴をそのまま利用して、生成しためっき鋼板を
無通電で酸性のめっき液中に浸漬することにより両面の
めっき皮膜のエッチングを行い、Zn−X合金めっき皮膜
にクラックを導入した。クラック密度は、めっき液への
浸漬時間を変化させることにより調整した。エッチング
処理しためっき表面のクラック密度は、前述したように
SEM 写真から求めた。
【0032】 [Zn−X合金電気めっき条件] めっき浴組成:X( 硫酸塩)0.02 〜1.1 mol/L Zn(ZnSO4) 0.4 〜0.8 mol/L Na(Na2SO4) 1 mol/L pH 1.5〜2.0(硫酸にて調整) めっき条件 :浴温 45 〜50℃ 電流密度 50 〜100 A/dm2 液流速 0.06 〜1.40 m/s 両面ともエッチング処理してめっき皮膜にクラックを発
生させたZn−X合金めっき鋼板の両面に、下記組成の塗
布型クロメート液をロールコーターで塗布し、150 〜30
0 ℃で焼付けてクロメート皮膜を形成し、本発明の表面
処理鋼板のサンプルを作製した。
生させたZn−X合金めっき鋼板の両面に、下記組成の塗
布型クロメート液をロールコーターで塗布し、150 〜30
0 ℃で焼付けてクロメート皮膜を形成し、本発明の表面
処理鋼板のサンプルを作製した。
【0033】シリカとしては、平均一次粒子径が7nmの
乾式法シリカ (商品名アエロジル200)を用いた。一部の
試験では平均一次粒子径が10nmの湿式法シリカ (商品名
スノーテックスO) も使用した。
乾式法シリカ (商品名アエロジル200)を用いた。一部の
試験では平均一次粒子径が10nmの湿式法シリカ (商品名
スノーテックスO) も使用した。
【0034】[クロメート処理液の組成] Cr3+ : 5 g/L Cr6+ : 0.2 g/L SiO2 : 70 g/L こうして作製した表面処理鋼板のガソリンおよびアルコ
ール含有燃料に対する耐燃料腐食性、外面耐食性、およ
び溶接性を下記の方法で試験した。試験結果は表1にま
とめて示す。
ール含有燃料に対する耐燃料腐食性、外面耐食性、およ
び溶接性を下記の方法で試験した。試験結果は表1にま
とめて示す。
【0035】試験法 [耐燃料腐食性]表面処理鋼板のブランクを下記条件で円
筒絞り成形してカップを作製し、このカップの中に下記
組成のガソリン (ガソホール) 30mlを封入し、容器を密
閉して180 日目の内面の最大侵食深さ(Pm)により耐燃料
腐食性を次の基準にて評価した(n=2) 。
筒絞り成形してカップを作製し、このカップの中に下記
組成のガソリン (ガソホール) 30mlを封入し、容器を密
閉して180 日目の内面の最大侵食深さ(Pm)により耐燃料
腐食性を次の基準にて評価した(n=2) 。
【0036】 ◎:Pm <0.1 mm ○:0.1 mm≦Pm <0.2 mm △:0.2 mm≦Pm <0.5 mm ×:0.5 mm≦Pm 円筒絞り成形条件 ブランク径 : 100mm ボンチ径 : 50mm (直径、肩r=5mm) ダイス径 : 51mm( 直径、肩r=5mm) ブランクホルダー圧 : 10KN 絞り高さ : 30mm 面粗さ : #1200 毎回研磨 潤滑剤なしで成形( 成形前に脱脂) 脱脂条件 2%リドソール浸漬 (液温度53℃) 3分間→純水浸漬
(常温)1.5分間→乾燥(165℃) 8分間→常温放置20分間
→乾燥(165℃) 15分間 燃料試験液の組成 ガソリン :レギュラーガソリン 95%、Ni%NaCl水溶液5% ガソホールM15 :レギュラーガソリン 84% アグレッシブメタノール 15% 蒸留水 1% (注) アグレッシブメタノール (aggressive methanol)
は、無水メタノール95%と、0.1 %NaCl+0.08%Na2SO4
+3%蟻酸を含む水溶液5%との混合液。
(常温)1.5分間→乾燥(165℃) 8分間→常温放置20分間
→乾燥(165℃) 15分間 燃料試験液の組成 ガソリン :レギュラーガソリン 95%、Ni%NaCl水溶液5% ガソホールM15 :レギュラーガソリン 84% アグレッシブメタノール 15% 蒸留水 1% (注) アグレッシブメタノール (aggressive methanol)
は、無水メタノール95%と、0.1 %NaCl+0.08%Na2SO4
+3%蟻酸を含む水溶液5%との混合液。
【0037】[外面耐食性]表面処理鋼板のブランクを、
絞り高さを25mmに変更した以外は上記の耐燃料腐食性試
験と同じ条件下で円筒絞り成形した後、エッジ部をシー
ルして、外面に対してJIS Z2371 に従ったSST(塩水噴霧
試験) を2000時間行った。加工後の耐食性はSST 2000時
間後の最大侵食深さ(Pm)により評価した。
絞り高さを25mmに変更した以外は上記の耐燃料腐食性試
験と同じ条件下で円筒絞り成形した後、エッジ部をシー
ルして、外面に対してJIS Z2371 に従ったSST(塩水噴霧
試験) を2000時間行った。加工後の耐食性はSST 2000時
間後の最大侵食深さ(Pm)により評価した。
【0038】 ◎:Pm < 0.1 mm ○:0.1 mm≦Pm < 0.4 mm △:0.4 mm≦Pm <0.8 mm ×:0.8 mm≦Pm [溶接性]下記条件で連続シーム溶接試験を100 m行った
後、溶接部の断面ミクロ観察を行い、下記基準で評価し
た。
後、溶接部の断面ミクロ観察を行い、下記基準で評価し
た。
【0039】シーム溶接条件 加圧力 : 200 kgf 通電時間: 3 cycles 休止時間: 2 cycles 電流 : 13,000A 速度 : 2.5 m/min 溶接性評価基準 ◎:溶着良好 (連続シーム溶接50m部分でのナゲット径
≧3mm) ○:溶着良好 (連続シーム溶接50m部分でのナゲット径
<3mm) △:ブローホール存在 ×:未溶着部あり
≧3mm) ○:溶着良好 (連続シーム溶接50m部分でのナゲット径
<3mm) △:ブローホール存在 ×:未溶着部あり
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明にかかる表面処理鋼板は、燃料タ
ンクの製造に用いた場合には、溶接性にすぐれているば
かりでなく、ガソリンのみならず、ガソホールなどのア
ルコール含有燃料にたいしても高い耐燃料腐食性を示
し、従来のZn−X合金電気めっき装置をそのまま使用し
て効率よく安価に製造でき、かつ人体に有害なPbを含有
しないため安全性にも優れている。
ンクの製造に用いた場合には、溶接性にすぐれているば
かりでなく、ガソリンのみならず、ガソホールなどのア
ルコール含有燃料にたいしても高い耐燃料腐食性を示
し、従来のZn−X合金電気めっき装置をそのまま使用し
て効率よく安価に製造でき、かつ人体に有害なPbを含有
しないため安全性にも優れている。
【図1】本発明にかかる表面処理鋼板のめっき皮膜の断
面構成の模式的説明図である。
面構成の模式的説明図である。
【図2】めっき皮膜の表面クラックの模式図である。
フロントページの続き (72)発明者 梶山 栄二 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 川西 義博 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼板上に、片面付着量が5〜50g/m2のZn
−X合金電気めっき皮膜を設け、その合金組成はXが、
Ni:3〜18wt%、Co:0.02〜3wt%、Mn:25〜45wt%、
Cr:8〜20wt%から成る群から選んだ少なくとも1種を
含み、このZn−X合金めっき皮膜の上に、金属Cr換算付
着量で10〜200 mg/m2 のクロメート皮膜を形成した表面
処理鋼板からなり、Zn−X合金めっき皮膜がクラックを
有し、このクラックの密度がめっき表面の1mm×1mmの
視野中でのクラックに囲まれた領域の個数で表して1000
個未満の範囲であることを特徴とする、溶接性および加
工後耐食性に優れた表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8144506A JP2985769B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 溶接性、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8144506A JP2985769B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 溶接性、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324281A true JPH09324281A (ja) | 1997-12-16 |
JP2985769B2 JP2985769B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=15363953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8144506A Expired - Fee Related JP2985769B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 溶接性、加工後耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2985769B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170098308A (ko) | 2015-02-03 | 2017-08-29 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 연료 탱크용 강판 |
KR20170099998A (ko) | 2015-02-03 | 2017-09-01 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 연료 탱크용 강판 |
JP2023106154A (ja) * | 2022-01-20 | 2023-08-01 | 株式会社鈴木商店 | 皮膜形成方法 |
-
1996
- 1996-06-06 JP JP8144506A patent/JP2985769B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170098308A (ko) | 2015-02-03 | 2017-08-29 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 연료 탱크용 강판 |
KR20170099998A (ko) | 2015-02-03 | 2017-09-01 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 연료 탱크용 강판 |
US10688755B2 (en) | 2015-02-03 | 2020-06-23 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet for a fuel tank |
US10697067B2 (en) | 2015-02-03 | 2020-06-30 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet for a fuel tank |
JP2023106154A (ja) * | 2022-01-20 | 2023-08-01 | 株式会社鈴木商店 | 皮膜形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2985769B2 (ja) | 1999-12-06 |
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