JPH09324116A - 2成分系ポリウレタン発泡シーリング材組成物および灯具 - Google Patents

2成分系ポリウレタン発泡シーリング材組成物および灯具

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JPH09324116A
JPH09324116A JP14151696A JP14151696A JPH09324116A JP H09324116 A JPH09324116 A JP H09324116A JP 14151696 A JP14151696 A JP 14151696A JP 14151696 A JP14151696 A JP 14151696A JP H09324116 A JPH09324116 A JP H09324116A
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JP
Japan
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thixotropic agent
liquid
polyurethane foam
thixotropic
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JP14151696A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Igawa
川 勝 弘 井
Takashi Hisanaga
永 孝 久
Kiminori Araki
木 公 範 荒
Akihito Kanemasa
政 昭 仁 兼
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応硬化までに液垂れを生じず、硬化中および
硬化後のポリカーボネイト、メタクリル樹脂等の透明樹
脂に対する汚染性がなく、硬化後、発泡性等の外観や硬
度等についての不良がなく、組成物自体の安定性も高い
2成分系ポリウレタン発泡シーリング材組成物を提供す
る。 【解決手段】下記式(1)で表されるテトラオキサスピ
ロ〔5・5〕ウンデカン誘導体を主成分とする化合物を
揺変性付与剤として添加することを特徴とするポリウレ
タン樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 およびR4 は、水素基、C2またはC3の
ヒドロキシアルキル基のいずれか。R2 およびR3 は、
C1〜C4のアルキレンのいずれか。R1 〜R4は、各
々独立に別の基であっても、同一の基であってもよ
い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、添加による、主剤
液の粘度上昇が無く、主剤液硬化後の歪み・外観等の悪
化が少ない揺変性付与剤と、該揺変性付与剤を添加し
た、液垂れ防止性、貯蔵安定性に優れ、透明性樹脂に対
する汚染性が無い2成分系ポリウレタン発泡シーリング
材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオール・触媒・発泡剤等からなる主
剤液と、ポリイソシアネート等からなる硬化剤液との混
合によって発泡されて形成される2成分系ポリウレタン
発泡体は、弾性、耐久性、耐磨耗性等に優れるため、シ
ーリング剤として有用であることは広く知られている。
シーリング材は、シーリング面の形状によっては予め成
形したものでは適さないため、直接シーリング面に吐出
・発泡させて形成する場合が多く、2成分系ポリウレタ
ン発泡シーリング材を吐出機により混合しながら、直接
シーリング面に吐出・注型・発泡させて硬化および成形
させる方法が特開平7−70550号公報等により開示
されている。
【0003】しかし、傾斜面や凹凸の激しい面に吐出し
た場合、シーリング材が発泡硬化するまでに液垂れを生
じ、所定の量や厚みを確保できないという問題があっ
た。そこで、液垂れを改善するために、コロイド状シリ
カ、ベントナイト、炭酸カルシウム等を揺変性付与剤と
して添加する方法が知られている。しかし、これらの揺
変性付与剤は粉体であり、また、その効果を十分に発揮
させるためには多量に添加しなければならないため、主
剤液に添加した場合、主剤液の粘度が高くなりすぎて混
合不良を起こし、発泡・硬化不良や、注入機のノズルの
詰まり、貯蔵時の安定性不良といった欠陥を持ってい
た。
【0004】そこで、これらの問題を解決するために、
揺変性付与剤として、イソシアネートとの反応性が高い
アミン化合物やメルカプト化合物を添加し、硬化剤によ
る硬化が始まる前にこれら反応性の高い化合物による弱
い架橋構造を形成することにより、液垂れ等の問題を解
決しようとする試みがなされている。例えば、揺変性付
与剤として、脂肪族モノアミン、脂肪族ジアミン、モノ
アルカノールアミンから選ばれたアミンを添加するとい
う方法が、特開平5−1273号公報に開示されてい
る。しかし、開示されたアミン化合物では、傾斜面への
液垂れはある程度解決されるが、添加による反応速度の
バランスの崩れにより低比重の発泡体では外観が不良で
あったり硬度が上昇するといった問題や、高温環境下で
の圧縮永久歪率が圧縮率に対し大きいといった問題があ
った。また、開示されたアミン化合物は、一般に室温で
比較的高い蒸気圧を示すため、硬化までの間や硬化後
に、前記アミン化合物が周囲に気散して素材、例えば透
明樹脂等の表面に付着・含浸して、曇り・ひび割れ・変
形等の素材への汚染が起こるという問題があった。さら
に、アミン化合物が人体にかぶれを引き起こすという問
題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける問題点を解決し、硬化中および硬化後に含有成分
が気散しにくい複素環状ジアミン化合物を揺変性付与剤
として用いることにより、周囲の樹脂への汚染がなく、
かぶれ等の人体への影響もなく、均一混合性、液垂れ防
止性、貯蔵安定性に優れたポリウレタン樹脂組成物を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリオール・触媒
・発泡剤・特定の複素環状ジアミン化合物を主成分とす
る揺変性付与剤・ポリイソシアネート硬化剤およびその
他の添加剤からなるポリウレタン樹脂組成物が、周囲の
樹脂への汚染、かぶれ等の人体への影響もなく、均一混
合性、液垂れ防止性、貯蔵安定性に優れた組成物である
ことを知見し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記式(1)で表さ
れるテトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン誘導体を
主成分とするポリウレタン樹脂組成物の揺変性付与剤を
提供する。
【化2】 (式中、R1 およびR4 は、水素基、C2またはC3の
ヒドロキシアルキル基のいずれか、R2 およびR3 は、
C1〜C4のアルキレン基のいずれかを表し、R 1 〜R
4 は、各々独立に別の基であっても、同一の基であって
もよい。)
【0008】前記揺変性付与剤を添加してなることを特
徴とするポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【0009】ポリオール、触媒、および発泡剤を含有す
る主剤液とポリイソシアネート硬化剤液とを用いる2成
分系ポリウレタン発泡シーリング材において、前記主剤
液にアミン価50〜500mg/KOHの前記揺変性付
与剤を、主剤液のポリオールに対して0.001〜0.
05グラム当量配合することを特徴とする2成分系ポリ
ウレタン発泡シーリング材組成物を提供する。
【0010】前記の主剤液と硬化剤液とを混合吐出機で
混合し車両用灯具のハウジングに設けられたシール部上
に吐出し、発泡硬化させた後に、樹脂製レンズのシール
部と接合して得られる灯具を提供する。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
のポリウレタン樹脂組成物用の揺変性付与剤とは、下記
式(1)で表されるテトラオキサスピロ〔5・5〕ウン
デカン誘導体を主成分とする化合物からなるものであ
る。
【化3】 式中、R1 およびR4 は、水素基、C2またはC3のヒ
ドロキシアルキル基のいずれかを表す。また、R1 およ
びR4 内の炭素はチオウレア結合を有していてもよい。
1 およびR4 は、水素基が特に好ましい。R2 および
3 は、C1〜C4のアルキレン基のいずれかを表す
が、プロピレン基が特に好ましい。R1 〜R4 は、各々
独立に別の基であっても、同一の基であってもよい。具
体的には、下記式(2)〜(9)で表される例が挙げら
れる。
【0012】
【化4】
【化5】
【0013】上記式(1)で表されるテトラオキサスピ
ロ〔5・5〕ウンデカン誘導体を主成分とする揺変性付
与剤のアミン価は50〜500mg KOH/g、さら
に80〜450mg KOH/gであるのが好ましい。
50mg KOH/g未満であると、反応性が高く、揺
変性付与までの時間が早すぎる。500mg KOH/
g超であると反応性が乏しく、揺変性発現に時間がかか
るからである。
【0014】また、本発明の揺変性付与剤には上記のテ
トラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン誘導体に加え、
その他に揺変性付与剤の特性を変えること無く混合して
もよい揺変性付与剤として、コロイド状シリカ、炭酸カ
ルシウム、熱可塑性樹脂パウダー、脂肪族アミン、脂肪
族ジアミン等が挙げられる。
【0015】本発明の揺変性付与剤は、ポリウレタン樹
脂組成物に用いられるが、ポリウレタン樹脂組成物は、
1成分系のポリウレタン樹脂組成物であっても、ポリオ
ール・触媒・発泡剤・揺変性付与剤を含有する主剤液と
ポリイソシアネート硬化剤からなる硬化剤液とを用いる
2成分系のポリウレタン樹脂組成物であってもかまわな
い。本発明に利用されるポリオールとは、通常のウレタ
ンプレポリマーの調製と同様、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、お
よびこれらの混合ポリオールが挙げられる。具体的に
は、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェ
ニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン
などの2価アルコール;グリセリン、1,1,1−トリ
メチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオー
ル、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;エチレ
ンジアミン、芳香族ジアミンなどのジアミン類;ソルビ
トール等の糖類の1種または2種以上に、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種ま
たは2種以上を付加して得られるポリオール;ポリオキ
シテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。
【0016】また、ポリエステルポリオールは、縮合系
ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリ
カーボネートジオールに大別され、具体的には、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン、あるいはその他の低分子ポリオールの
1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子カルボ
ン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合
体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合
体等が挙げられる。
【0017】さらに、その他のポリオールとしては、主
鎖が炭素−炭素結合よりなるポリオール、例えば、アク
リルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加
されたポリブタジエンポリオール等や、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールも好適
に例示される。本発明に用いられるポリオールは、上記
の化合物に限定されるものではないが、好ましくはグリ
セリン、1,1,1−トリメチロールプロパンを出発物
質とし、プロピレンオキサイドやエチレンオキサイドを
付加した所謂PPG系のポリオール、もしくは、それら
に、アクリロニトリルやスチレン等の物質を付加し、耐
熱性を向上させたポリマーポリオール等が挙げられる。
これらのポリオールは、単独でも2種以上併用してもよ
い。
【0018】本発明のポリイソシアネート硬化剤に用い
られるイソシアネート化合物としては、分子末端にイソ
シアネート基を含有していれば、特に限定されず、通常
のポリウレタン樹脂組成物に使用されるイソシアネート
化合物でもよいし、ポリオール化合物に過剰のポリイソ
シアネート化合物を反応させて得られる反応生成物であ
って、分子末端にイソシアネート基を含有するウレタン
プレポリマーであってもよい。
【0019】本発明に用いられるイソシアネート化合物
としては、通常のポリウレタン樹脂組成物に使用される
イソシアネート化合物が各種例示されるが、具体的に
は、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TD
I)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−T
DI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(2,4’−MDI)、p−フェニレン
ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XD
I),1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)
等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、H6 XDI(水添XD
I)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式ポリイソシ
アネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド
変性ポリイソシアネート、またはこれらのイソシアヌレ
ート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。本発明に
用いられるイソシアネート化合物は、上記の化合物に限
定されるものではないが、好ましくは4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート誘導体、もしくは、ポリメリ
ックMDI(別名クルードMDI)等が挙げられる。ま
た、これらは、1種あるいは2種以上の組み合わせとし
て使用される。
【0020】ポリイソシアネート及び又はウレタンプレ
ポリマーと前記ポリオールとの混合割合は、ポリオール
1当量(OH当量)当たり、ポリイソシアネート及び又
はウレタンプレポリマー1.0〜3当量(NCO当
量)、好ましくは1.1〜2当量である。1.0当量未
満であるとポリウレタン発泡シーリング材の硬化が十分
でない。また、3当量超であると、ポリイソシアネート
の副反応が起こり、正常な発砲体が得られない。
【0021】本発明の揺変性付与剤の添加量は、ポリオ
ールに対して0.001〜0.05グラム当量である
が、より好ましくは、0.01〜0.03グラム当量で
ある。0.001グラム当量未満では、揺変性付与の効
果が無い。0.05グラム当量以上では、該揺変性付与
剤が添加されるポリウレタン発泡シーリング材が縮んだ
り(シュリンクが起こったり)、硬度が上昇する等のシ
ール材として不都合な現象が発現する。本発明の揺変性
付与剤に、式(1)のテトラオキサスピロ〔5・5〕ウ
ンデカン誘導体に加え、揺変性付与剤の特性を変えるこ
となく混合してもよい他の揺変性付与剤として挙げられ
るコロイド状シリカ、脂肪族アミン、脂肪族ジアミン等
の混合量は、ポリオールに対して、コロイド状シリカで
あれば0.1〜10重量部、アミン類であれば0.01
〜0.2グラム当量であるのが好ましい。
【0022】本発明の組成物に用いる触媒としては、ポ
リウレタンの発泡体触媒として、例えば、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジオクチル錫ジマレート、オクチル酸第一
錫、ジブチル錫オキシド等の有機錫化合物や、テトラブ
チルチタネート等の有機チタネート化合物、ナフテン酸
鉛、オクチル酸鉛等の有機金属系硬化触媒、トリエチレ
ンジアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の第3級アミ
ンを単独または組み合わせて使用することが出来る。第
3級アミンを用いる場合は、好ましくはトリエチレジア
ミン、テトラメチレンジアミン等が挙げられる。第3級
アミンを用いる場合は、ポリオール100重量部に対
し、0.1〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.0
重量部使用するのが好ましい。
【0023】本発明の組成物に用いる発泡剤は、フロ
ン、代替フロン、メチルクロライド、水等を挙げること
ができるが、環境保全の点で蒸留水を用いるのが好まし
い。発泡剤としての蒸留水の添加量は、ポリオール10
0重量部に対し、0.1〜2.0重量部、好ましくは
0.3〜0.8重量部の割合で添加される。0.1重量
部未満では、低発泡体しか得られず、シーリング材とし
てのフォーム機能が発揮されない。2.0重量部超であ
ると、得られる発泡体のシーリング材としての防水効果
が十分でない。
【0024】本発明の組成物は、必要に応じてさらに、
シリコン系界面活性化合物等の整泡剤や、可塑剤、老化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料や染料などの着
色剤、軟化剤、ひまし油やアマイドワックス、各種の添
加剤等を配合してもよい。
【0025】本発明の揺変性付与剤の効果について、説
明する。ポリウレタン樹脂組成物には揺変性付与剤とし
て従来、コロイド状シリカ、ベントナイト、炭酸カルシ
ウム等の粉体状のフィラーや、脂肪族アミン・脂肪族ジ
アミン・モノアルカノールアミン等のアミン類が利用さ
れてきた。コロイド状シリカ、ベントナイト、炭酸カル
シウム等の粉体状のフィラーは、添加による主剤液の増
粘により液垂れを防止するが粘度が高くなりすぎ撹拌性
が低下していたのは前述のとおりである。此れに対し、
本発明の上記式(1)で表されるテトラオキサスピロ
〔5・5〕ウンデカン誘導体を主成分とする揺変性付与
剤は、イソシアネート硬化剤との反応性が高いアミノ基
を含有しているため、揺変性発現が敏速で、少量添加す
るだけでも、硬化剤による硬化が開始される前にアミノ
基とイソシアネート基が反応し弱い架橋構造をとり、こ
の半硬化状態によって硬化剤による硬化が始まる前の液
垂れを防止できる。例えば、45°の傾斜面において
も、主剤、硬化剤と混合吐出されたのち液垂れが生じな
い。添加量が少量でも揺変性が付与されるため、シール
材本来の硬度、圧縮歪、外観等の基本的に要求される物
性の悪化が少ない。また、コロイド状シリカ、ベントナ
イト、炭酸カルシウム等の粉体状のフィラーにくらべ、
ポリウレタン樹脂組成物を生成する主剤液との粘度比が
小さいため、主剤液の粘度上昇が無く、2液混合時の混
合性がよい。また、ウレタン発泡剤として水がポリウレ
タン樹脂組成物に添加されることは前述したとおりであ
るが、本発明の揺変性付与剤は水との相溶性がよく安定
で、水を含む主剤液中での安定性が高い。従来の2成分
系ポリウレタン発泡シーリング材組成物ではその硬化中
もしくは硬化後にシーリング材から成分が揮散しこれが
周辺の樹脂、特にポリカーボネートやアクリル樹脂など
の透明樹脂を汚染し、曇り等の原因となっていた。しか
し、本発明の揺変性付与剤は、揺変性付与剤として従来
添加される脂肪族アミン、脂肪族ジアミン、モノアルカ
ノールアミン等の一般のアミンより、本発明の室温での
蒸気圧が遙かに低いため、周辺の樹脂を汚染することが
ない。このため、灯具等の透明性樹脂使用物のシーリン
グ材として好適に利用できる。また、従来揺変性付与剤
として利用されているメルカプト化合物のごとき悪臭も
なく、脂肪族モノアミン、脂肪族ジアミン、アルカノー
ルアミン等を使用したときに起こりうる“かぶれ”の問
題も回避でき作業性に優れている。
【0026】本発明の2成分系ポリウレタン発泡シーリ
ング材組成物の製造方法としては、ポリオール、触媒、
発泡剤、揺変性付与剤およびその他の添加剤からなる主
剤液と、ポリイソシアネート硬化剤からなる硬化剤液と
を、各々、ポリウレタン成形用注入機(低圧もしくは高
圧注入機)の樹脂槽に入れ、そののち両樹脂を混合す
る。混合と同時に、該組成物を注入機の吐出ノズルから
物体のシール面へ吐出する。該組成物は、混合されると
同時に、揺変性付与剤のアミノ基とポリイソシアネート
のイソシアネート基が反応し、弱い架橋構造を形成す
る。この結果、該組成物は、吐出されると同時に揺変性
を発現している。
【0027】次に、本発明の2成分系ポリウレタン発泡
シーリング材組成物を使用した灯具について説明する。
本発明は車両用のシール部の製造方法に係り、車両用の
シールであれば施工箇所は限定されないが、特に車両用
灯具のハウジングとレンズのシールに好適である。以下
の説明は添付の図面を参照して説明するが、本発明の灯
具は以下の例に限定されない。
【0028】図1に示されるように、車両用灯具10
は、基本的に、光源12と、光源12を所定位置に保持
すると共に、内面が反射鏡となっており光を前方に反射
するリフレクタ15を内包するハウジング14と、ハウ
ジング14の開放面を閉塞すると共に、調光を行うレン
ズ16とが一体的に構成されてなるものである。なお、
図示例の車両用灯具10は、リフレクタ15がハウジン
グ14に内包される構成となっている例であるが、本発
明が対応する車両用灯具はこの構成に限定されず、リフ
レクタとハウジングとが別体になっている構成等、公知
のヘッドランプ、フォグランプ、リアコンビネーション
ランプ等の車両用灯具のレンズのシール部全てに対応可
能である。
【0029】ハウジング14の開放面側の上端には、全
周に渡って外方に突出するフランジ18が形成される。
このフランジ18にはシール部20等が形成される。本
発明を構成する2成分系ポリウレタン発泡シーリング材
の主剤液と硬化剤液とを、一定比率にてダイマミックミ
キサー内に供給して混合する。主剤液中には、本発明の
揺変性付与剤が用いられているので、この発泡シーリン
グ材をフランジ18上に吐出すると、未硬化中でも液垂
れがない。次に加熱またはそのまま発泡硬化し樹脂製の
レンズ16を接合する。このようにして弾性を有するシ
ーリング材22が充填されたシール部が形成される。
【0030】レンズ16は、その接合部をシール部20
に接合され、バネ弾性を有するクランプ24等によって
レンズ16とハウジング14とが互いに押圧されて固定
されることにより、レンズ16がハウジング14の開放
面を閉塞し、シーリング材22によって液(気)密に接
合されて、車両用灯具10が得られる。
【0031】レンズ16の材料は、ポリカーボネイト、
メタクリル樹脂(PMMA)等の透明な樹脂が好適に用
いられる。従来の一般的な脂肪族アミン、脂肪族ジアミ
ン、アルカノールアミン等のアミン類を含有する揺変性
付与剤では、室温での蒸気圧が高いため、PC、PMM
Aといった透明樹脂に含浸して曇り等の不都合な現象を
起こしていたことは既に述べたとおりであるが、本発明
の式(1)で表されるテトラオキサスピロ〔5・5〕ウ
ンデカン誘導体を主成分とする化合物を揺変性付与剤を
用いると、一般のアミン類に比べて室温での蒸気圧が遙
かに低いので、PC、PMMAといった透明樹脂に曇り
を生じさせることがなく、従って、本発明の揺変性付与
剤を含む2成分系ポリウレタン発泡シーリング材は、灯
具用シーリング材として好適である。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではない。実施例1〜3、および比較例1〜6におい
て、ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、揺変性付与剤
からなる主剤液と、ポリイソシアネートからなる硬化剤
液とを混合し、室温にて発泡、硬化させた。ポリオール
として、ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオール
(EP−240、三井東圧化学社製)とポリマーポリオ
ール(POP36/20、三井東圧化学社製)とを、8
0:20の割合で配合したものを使用した。触媒とし
て、トリエチレンジアミン33%溶液(L−33、武田
薬品社製)と、テトラメチルエチレンジアミン(MR、
武田薬品社製)を50:50の割合で配合したものを使
用した。発泡剤として蒸留水を使用した。揺変性付与剤
を下記の3種A〜Cを用意し各々用いた。 A:コロイド状シリカ(A−200、日本アエロジル社
製) B:モノアミノブタン C:複素環状アミン(エポメートQX−2、油化シェル
社製) この他の添加剤として整泡剤を用いた。整泡剤としてポ
リオキシアルキレンシリコンポリマー(SZ−162
7、日本ユニカー社製)を使用した。硬化剤として、ポ
リイソシアネート(M−50、NCO%は約32%、三
井東圧化学社製)を使用した。
【0033】(実施例1)ポリオール100重量部に対
し、蒸留水を0.5重量部、触媒を1.2重量部、整泡
剤を0.1重量部、揺変性付与剤として本発明の揺変性
付与剤(エポメートQX−2)0.3重量部(アミン当
量数0.002)を配合し、硬化剤液15.2重量部と
混合してポリウレタン発泡シールング材組成物を製造し
た。 (実施例2)揺変性付与剤として本発明の揺変性付与剤
(エポメートQX−2)1.0重量部(アミン当量数
0.005)を用い、硬化剤液15.3重量部を用いた
以外は、実施例1と同様に行った。 (実施例3)揺変性付与剤として本発明の揺変性付与剤
(エポメートQX−2)3.0重量部(アミン当量数
0.016)を用い、硬化剤液を15.4重量部用いた
以外は、実施例1と同様に行った。
【0034】(比較例1)揺変性付与剤としてコロイド
状シリカ2.0重量部を用い、硬化剤液を14.7重量
部用いた以外は、実施例1と同様に行った。 (比較例2)揺変性付与剤としてモノアミノブタンを
2.0重量部(アミン当量数0.08)用い、硬化剤液
を16.0重量部用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。 (比較例3)揺変性付与剤として本発明の揺変性付与剤
(エポメートQX−2)を0.1重量部(アミン当量数
0.0005)用い、硬化剤液を14.7重量部用いた
以外は、実施例1と同様に行った。 (比較例4)揺変性付与剤としてコロイド状シリカを
5.0重量部用い、硬化剤液を13.8重量部用いた以
外は、実施例1と同様に行った。 (比較例5)揺変性付与剤としてモノアミノブタンを
4.0重量部(アミン当量数0.16)用い、硬化剤液
を17.0重量部用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。 (比較例6)揺変性付与剤として本発明の揺変性付与剤
(エポメートQX−2)を13.0重量部(アミン当量
数0.07)用い、硬化剤液を16.1重量部用いた以
外は、実施例1と同様に行った。
【0035】上述の配合で得られたポリウレタン発泡シ
ーリング材組成物について、以下の物性を調べた。 (1)2液混合性 ポリオール等からなる主剤液と、硬化剤からなる硬化剤
液との粘度を比較し評価した。表中の記号は主剤液と硬
化液の粘度比が、◎は10〜50倍、○は50〜100
倍、×は100〜200倍を表す。 (2)揺変性発現時間 主剤液と硬化剤液とを混合し始めてから、混合物が揺変
化し、以下の液垂れ防止性評価試験にて液垂れの長さが
20mm以下となるまでの時間〔秒〕を測定した。 (3)クリームタイム ポリウレタンの発泡時に、混合物の発泡ガスが発生し、
クリーム化するのに要する時間〔秒〕を測定した。 (4)液垂れ防止性 主剤液と硬化剤液を均一に混合し45°傾斜をつけた
幅、高さ約5mmのレールに10mm塗布した。液垂れ
の長さが、◎は6mm未満、○は7〜10mm、×は1
0mm(塗布長さに相当)以上を表す。 (5)フォーム硬度 アスカーC硬度計にて泡の硬度を測定し、JIS−Aに
従って数値評価した。 (6)フォーム外観 ポリウレタンの発泡の均一性を走査型電子顕微鏡を用い
て観察し評価した。◎は直径200μm未満、均一な泡
形状を、○は直径200μm以上の泡が多数見られる泡
形状を、×は直径200μm以上の泡形状で且つスキン
層にクラックの入っている状態を表す。 (7)周辺への汚染性 発泡時にアクリル板を上部に置き、透明性の変化を見
た。◎は全く変化しなかったことを、○は部分的に透明
性が変化したことを、×は全体の透明性が変化したこと
を表す。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(8)蒸気圧とSPI分類における比較 本発明の揺変性付与剤と従来の揺変性付与剤の、蒸気圧
とSPI分類における比較を表2に示す。
【0038】 *)a:エポメート B−001、三菱油化 b:エポメート B−002、三菱油化
【0039】
【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂組成物に揺変
性付与剤として含有されるテトラオキサスピロ〔5・
5〕ウンデカン誘導体を主成分とする化合物は、蒸気圧
が、揺変性付与剤として一般に使用されているアミン類
にくらべ遙かに低く、水との相溶性がよく、少量添加し
ても揺変性の発現が敏速であるので、揺変性付与剤とし
て優れている。従って、本発明の揺変性付与剤を用いた
ポリウレタン樹脂組成物は、混合注入機による作業性に
優れ、傾斜面においても吐出後の液垂れが生じなく、ポ
リ炭酸エステル、メタクリル樹脂等の透明樹脂に曇りを
生じさせるような不都合な現象を起こすことなく使用す
ることができ、また、かぶれや悪臭といった作業時の問
題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)はそれぞれ、本発明の車
両用のシール工法を利用して車両用灯具のハウジング
間、および車両用灯具と車体とを密着させた一例を表す
概略断面図である。
【符号の説明】
10 車両用灯具 12 光源 14 ハウジング(兼リフレクタ) 15 リフレクタ 16 レンズ 18 フランジ 20 シール部 22 シーリング材 24 クランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼 政 昭 仁 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表されるテトラオキサスピ
    ロ〔5・5〕ウンデカン誘導体を主成分とするポリウレ
    タン樹脂組成物の揺変性付与剤。 【化1】 (式中、R1 およびR4 は、水素基、C2またはC3の
    ヒドロキシアルキル基のいずれか、R2 およびR3 は、
    C1〜C4のアルキレン基のいずれかを表し、R 1 〜R
    4 は、各々独立に別の基であっても、同一の基であって
    もよい。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の揺変性付与剤を添加してな
    ることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリオール、触媒、および発泡剤を含有す
    る主剤液とポリイソシアネート硬化剤液とを用いる2成
    分系ポリウレタン発泡シーリング材において、前記主剤
    液にアミン価50〜500mg/KOHの請求項1記載
    の揺変性付与剤を、主剤液のポリオールに対して0.0
    01〜0.05グラム当量配合することを特徴とする2
    成分系ポリウレタン発泡シーリング材組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の主剤液と硬化剤液とを混合
    吐出機で混合し車両用灯具のハウジングに設けられたシ
    ール部上に吐出し、発泡硬化させた後に、樹脂製レンズ
    のシール部と接合して得られる灯具。
JP14151696A 1996-06-04 1996-06-04 2成分系ポリウレタン発泡シーリング材組成物および灯具 Withdrawn JPH09324116A (ja)

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