JPH09323924A

JPH09323924A - 洗浄剤

Info

Publication number: JPH09323924A
Application number: JP8276308A
Authority: JP
Inventors: Rieko Tsujino; 利永子辻野
Original assignee: Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Current assignee: Pentax Corp
Priority date: 1996-04-01
Filing date: 1996-10-18
Publication date: 1997-12-16
Anticipated expiration: 2016-10-18
Also published as: JP3655709B2; US5914133A

Abstract

(57)【要約】【課題】足部や肘部の古くなった角質を除去するとと
もに、各種雑菌を除去し、清浄にしうる洗浄剤を提供す
ること。【解決手段】少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比が１．
０〜２．０のリン酸カルシウム系化合物から成る平均粒
径２〜４０μｍの球状粒子と少なくとも表面部分がＣａ
／Ｐ比が１．０〜２．０のリン酸カルシウム系化合物か
ら成る平均粒径８０〜２００μｍの球状粒子を含むこと
を特徴とする洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、角質除去効果と除
菌効果に優れた液体、クリーム状、ゲル状あるいは固形
の洗浄剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】足部は、通常の生活環境の中では靴など
の閉鎖空間内にあることが多く、汗や分泌物がこもった
り、それらをもとに雑菌類が繁殖し、臭気をもったり、
不潔になったりしやすい部位である。それに対して、従
来、足部専用の洗浄剤という概念は希薄であり、ボディ
ーシャンプーや各種石けん類のような全身洗浄剤で足部
の洗浄も兼ねていた。しかし、足部、特に、足底部では
角質層が他の部位よりも肥厚しており、従来の洗浄剤で
は最表面の洗浄しか行なえないため、除菌・殺菌効果も
最表面にとどまり不充分であった。また、同じ理由で防
臭効果も不充分であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、足部や肘部
の古くなった角質を除去するとともに、各種雑菌を除去
し、清浄にしうる洗浄剤を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、粒径の異なる
２種の球状ハイドロキシアパタイト粒子を用い、粒径の
大きな粒子に角質を除去する効果を主として発揮させ、
粒径の小さい粒子に菌や汚垢の吸着除去を主として行な
わせることによって上記目的を達成したものである。

【０００５】すなわち、本発明の洗浄剤は、少なくとも
表面部分がＣａ／Ｐ比１．０〜２．０のリン酸カルシウ
ム系化合物から成る平均粒径２〜４０μｍの球状粒子と
少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比１．０〜２．０のリン
酸カルシウム系化合物から成る平均粒径８０〜２００μ
ｍの球状粒子を含むことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤は、上記のように
少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比１．０〜２．０のリン
酸カルシウム系化合物から成る粒径の異なる２種の球状
粒子を含有する。その一方は、平均粒径２〜４０μｍの
球状粒子（以下、小粒径の球状粒子と記載することがあ
る）であり、他方は、平均粒径８０〜２００μｍの球状
粒子（以下、大粒径の球状粒子と記載することがある）
である。大粒径の球状粒子は、研磨作用を有し、古い角
質を除去する作用を有する。研磨作用の観点から平均粒
径は８０〜２００μｍの範囲にあることが好ましく、８
５〜１３０μｍの範囲にあることがより好ましい。大粒
径の球状粒子だけでは、菌や汚垢の吸着にムラが生じや
すい。そのため本発明においては、小粒径の球状粒子を
配合して高い吸着能を達成する。小粒径の球状粒子の平
均粒径が２μｍ未満であると、粒子が毛穴中へ浸入し、
毛穴を閉塞するおそれがあり、４０μｍを超えると、菌
や汚垢への接触にムラが起こるおそれがある。小粒径の
球状粒子は、１０〜３５μｍの平均粒径範囲にあるのが
より好ましい。

【０００７】本発明の洗浄剤においては、洗浄剤の形態
（液体、乳化クリーム状、ゲル状あるいは固形）によっ
ても異なるが、小粒径の球状粒子と大粒径の球状粒子と
を、前者：後者の重量比で５０：５０〜９９．９：０．
１の割合で含むのが好ましい。小粒径の球状粒子の割合
が、上記範囲より少なくなると、菌や汚垢の吸着作用が
不足し、上記範囲より多くなると、角質除去作用が不足
する。より好ましい範囲は５０：５０〜９０：１０であ
る。

【０００８】少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比１．０〜
２．０のリン酸カルシウム系化合物から成る球状粒子
は、洗浄剤中に合計で０．０１〜１０重量％含まれるの
が好ましい。０．０１重量％未満では、球状粒子が皮膚
に接触する確率が低く効果が期待できず、１０重量％を
超えても効果の向上が望めず、また、肌触りも悪くな
る。より好ましい範囲は０．１〜５重量％である。

【０００９】少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比１．０〜
２．０のリン酸カルシウム系化合物から成る球状粒子
は、全体がＣａ／Ｐ比１．０〜２．０のリン酸カルシウ
ム系化合物から成る球状粒子あるいは無機又は有機の球
状粒子の表面がＣａ／Ｐ比１．０〜２．０のリン酸カル
シウム系化合物で被覆された球状粒子であってよく、任
意の公知方法で製造することができる。本発明におい
て、Ｃａ／Ｐ比１．０〜２．０のリン酸カルシウム系化
合物としては、特に制限はなく、ハイドロキシアパタイ
ト、フッ素アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四
カルシウムなどから選ばれた１種又は２種以上を使用す
ることができる。これらのうちハイドロキシアパタイト
を主成分とするものが最も好ましい。例えば、全体がリ
ン酸カルシウム系化合物から成る球状粒子は、リン酸カ
ルシウム系化合物スラリーを噴霧乾燥することによって
造粒し、これを焼成することによって調製することがで
きるが、この方法に限らず他の造粒法によって調製する
ことも可能である。なお、ふるい分けなどの手段によ
り、粒子の粒度を目的に応じて所定の範囲に選定して用
いることがより好ましい。

【００１０】また、使用するリン酸カルシウム系化合物
粒子は緻密質又は多孔質であってよいが、比表面積１０
ｍ²／ｇ以上で、細孔径５００〜１０００Åの、一次粒
子が凝集結合した多孔質粒子であるのが好ましい。比表
面積が１０ｍ²／ｇ未満では充分な吸着能が望めない。
また、菌や汚垢が吸着されて気孔内へ入り込むために
は、細孔径５００〜１０００Å程度の気孔を有するのが
好ましい。気孔率が１０〜７５％のものが好ましい。気
孔率が１０％未満であると、吸着に必要な比表面積を満
足することが難しく、７５％を超えると、強度的に弱く
なり、また効果の点でも７５％を超える必要はない。

【００１１】多孔質粒子は、公知方法で製造することが
できる。例えば、公知の方法で湿式合成したリン酸カル
シウム系化合物の結晶粒子を原料粒子とし、この原料粒
子を懸濁したスラリーを直接噴霧乾燥などにより二次粒
子に造粒するかあるいはこのスラリーに粘度調整剤、加
熱により消失する有機化合物粒子又は繊維等の添加物を
加えて噴霧乾燥などにより二次粒子に造粒する。この二
次粒子自体、多孔質粒子となっており、この二次粒子を
そのまま原料として用いることもでき、さらに高気孔率
のものが好ましい場合には、次の方法で多孔質顆粒を作
製する。この二次粒子を再びスラリー状に懸濁して湿式
成形するか又は加圧による乾式成形等によりブロック体
に成形する。その際、焼成の過程で消散して気孔を形成
するための有機化合物を添加してもよい。無添加でも、
焼成温度など、他の条件を調節することにより気孔径を
制御することもできる。得られたブロック体を５００℃
〜１３００℃の温度範囲で焼成する。焼成温度が５００
℃未満では、有機化合物の熱消失やブロック体の焼結が
充分に行われない。また、焼成を１３００℃を超える高
温で行うと、焼結体が緻密化しすぎたり、リン酸カルシ
ウムが分解を起こすおそれがある。このように焼成した
ブロック体を粉砕後、分級して必要な粒径の顆粒を得る
ことができる。この顆粒の気孔径は、二次粒子造粒用の
原料スラリー中の結晶粒子の大きさ、スラリーの粘度、
添加物などを適切に調節することによって調整すること
ができる。

【００１２】また、表面部分がリン酸カルシウム系化合
物から成る球状粒子は、同様に公知の様々な方法で製造
することができ、例えば、無機又は有機の球状粒子とリ
ン酸カルシウム系化合物粉末とを混合圧縮することによ
って無機又は有機の球状粒子の表面をハイドロキシアパ
タイト粉末で被覆する方法、ポリマー粒子にリン酸カル
シウム系化合物粒子を物理的に衝突させ、そのリン酸カ
ルシウム系化合物粒子が部分的にポリマー粒子中に貫入
することによりポリマー粒子の表面をリン酸カルシウム
系化合物で被覆する方法などで製造することができる。
核となる無機物質としては、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、炭酸マグネシウム等の無機球状粒子が用いられ、有
機物質としては、様々な熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂
を使用することができ、熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ナイロン、ポリエチレン，ポリプロピレン、ポリス
チレン、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタンなどが挙
げられ、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポ
リエステル、アルキド樹脂、熱硬化性ポリウレタン、エ
ボナイトなどが挙げられる。

【００１３】本発明に使用する表面部分がリン酸カルシ
ウム系化合物から成る球状粒子は、表面にリン酸カルシ
ウム系化合物層を０．１〜５．０μｍの厚さで有するの
が好ましい。この厚さが０．１μｍ未満では、吸着能が
充分でなく、５．０μｍを超えて厚くしても、それに見
合った吸着能の増加は得られない。

【００１４】本発明の洗浄剤の形態には、特に制限はな
く、液体、乳化クリーム状、ゲル状あるいは固形であっ
てよいが、安定した分散状態を維持するためには、液状
よりクリーム状、ゲル状あるいは固形石けん状の方が好
ましい。洗浄剤は、一般に、アルカリ石けん及び／又は
各種の界面活性剤を主成分として含み、さらに保湿剤、
増泡剤、殺菌剤、防腐剤、着色料、香料、パール剤、乳
濁剤、コンディショニング剤、増粘剤などが添加されて
いる。本発明においても、これらの常用の成分を配合す
ることができる。

【００１５】アルカリ石けんとしては、ナトリウム石け
ん及びカリウム石けんがあり、例えば、ステアリン酸、
パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などの脂肪酸
のナトリウム塩あるいはカリウム塩が挙げられる。これ
らは、単独で又は２種以上を組み合わせて使用される。
本発明の洗浄剤においては、洗浄成分としてアルカリ石
けんの代わりにあるいはアルカリ石けんと共に界面活性
剤を使用することもできる。界面活性剤としては、特に
制限はなく、各種のものを使用しうるが、具体的には例
えば、２−アルキル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジエ
チレントリアミノ酢酸等の両性界面活性剤、ヤシ油脂肪
酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシラノリンエーテル、ポリオキシエチレ
ンコレステロール等の非イオン界面活性剤、α−オレフ
ィンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、アルキルトリメ
チルアンモニウムハライド等の陽イオン界面活性剤が挙
げられ、これらを単独で又は２種以上を組み合わせて使
用することができる。

【００１６】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、セチルアルコール等の高級アルコールなど
が挙げられ、これらを単独で又は２種以上の混合物とし
て使用することができる。増泡剤としては、硫酸アルキ
ル塩、アミンオキシドなどが挙げられる。さらに、除菌
性能を強化するため、殺菌剤を添加することができ、例
えば、イルガサン、塩化ベンジルセチルジメチルアンモ
ニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等
の第４級アンモニウム塩などを添加することができる。

【００１７】防腐剤としては、アルキルピリジニウム
塩、安息香酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステルな
どが挙げられる。パール剤としては、通常、ジステアリ
ン酸エチレングリコールなどが使用される。また、乳濁
剤としては、脂肪酸グリコールエステルなど、コンディ
ショニング剤としては、グリセリドなど、増粘剤として
は、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。その他、
油性原料としてスクワランなど、また、消炎剤としてカ
ミツレ油、グリチルリチン酸塩などを配合することがで
きる。

【００１８】本発明の洗浄剤を製造するには、液状、ク
リーム状やゲル状のものを製造する場合、水溶性成分を
精製水中に溶解させ、他の成分を必要に応じて加熱しな
がら充分に攪拌混合し、攪拌しながら冷却し、香料を加
えてさらに攪拌すればよい。また、固形石けんを製造す
る場合には、公知方法で製造した石けん素地に粒径の異
なる２種のハイドロキシアパタイト、香料など各成分を
加え、公知の枠練り法あるいは機械練り法により製造す
ることができる。

【００１９】

【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。

【００２０】実施例１（クリーム状洗浄剤の製造）組成平均粒径３１μｍの球状ハイドロキシアパタイト１．８重量％平均粒径１０５μｍの球状ハイドロキシアパタイト０．２重量％イルガサン２．０重量％ステアリン酸１０．０重量％パルミチン酸８．０重量％ミリスチン酸１２．０重量％ラウリン酸５．０重量％スクワラン１．０重量％セチルアルコール２．０重量％グリセリン１８．５重量％プロピレングリコール３．０重量％水酸化カリウム５．０重量％色素、香料、防腐剤微量精製水残量

【００２１】水溶性成分であるグリセリン、プロピレン
グリコール及び水酸化カリウムを精製水中に溶解させ
る。別に、香料を除く他の成分を混合し、６０〜７０℃
に保温したものを攪拌しながら上記水溶性成分の水溶液
に徐々に加え、添加終了後もしばらく同温度に保温した
まま攪拌する。これを攪拌しながら冷却し、香料を加
え、そのまま攪拌を続けながら冷却し、洗浄剤製品を得
る。

【００２２】実施例２（固形石けんの製造）組成平均粒径１６μｍの球状ハイドロキシアパタイト０．７重量％平均粒径８８μｍの球状ハイドロキシアパタイト０．３重量％牛脂・ヤシ油脂肪酸石けん素地９０．０重量％色素、香料、防腐剤微量精製水残量牛脂・ヤシ油脂肪酸石けん素地に上記他の成分を加え、
充分に練り込み、固形石けんを得た。

【００２３】実施例３（クリーム状洗浄剤の製造）組成平均粒径３０μｍの球状ハイドロキシアパタイト１．０重量％平均粒径１２１μｍの球状ハイドロキシアパタイト０．８重量％イルガサン１．０重量％ステアリン酸１１．０重量％パルミチン酸８．０重量％ミリスチン酸１２．０重量％ラウリン酸５．０重量％スクワラン１．０重量％セチルアルコール２．０重量％グリセリン１８．５重量％プロピレングリコール３．０重量％水酸化ナトリウム６．２重量％色素、香料、防腐剤微量精製水残量上記成分を用いた以外は、実施例１と同様にして、クリ
ーム状洗浄剤を製造した。

【００２４】

【発明の効果】本発明の洗浄剤は、汚垢や菌に対する高
い洗浄効果とともに、角質層を除去しうる高い研磨効果
を有するため、肘や足底部の清浄化と角質の除去に有用
である。また、本発明の洗浄剤の必須成分である少なく
とも表面部分がリン酸カルシウム系化合物からなる粒子
が球状であるため、研磨作用が過度になることはない。
さらに、本発明の洗浄剤は、各種雑菌に対して高い吸着
除去作用も有するため、足底部に適用すれば、肥厚した
角質を除去するとともに、足底部を全体に除菌でき、特
に白癬菌を吸着除去することができ、足部を清浄にし、
さらに防臭効果をもたらすこともできる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比１．０
〜２．０のリン酸カルシウム系化合物から成る平均粒径
２〜４０μｍの球状粒子と少なくとも表面部分がＣａ／
Ｐ比１．０〜２．０のリン酸カルシウム系化合物から成
る平均粒径８０〜２００μｍの球状粒子を含むことを特
徴とする洗浄剤。
【請求項２】平均粒径２〜４０μｍの球状粒子と平均
粒径８０〜２００μｍの球状粒子を、前者：後者の重量
比で５０：５０〜９９．９：０．１の割合で含む請求項
１記載の洗浄剤。
【請求項３】少なくとも表面部分がＣａ／Ｐ比１．０
〜２．０のリン酸カルシウム系化合物から成る球状粒子
を合計で０．０１〜１０重量％含む請求項１記載の洗浄
剤。