JPH09323919A - 化粧用粉体処理剤、化粧用粉体、および化粧料 - Google Patents

化粧用粉体処理剤、化粧用粉体、および化粧料

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JPH09323919A
JPH09323919A JP14317996A JP14317996A JPH09323919A JP H09323919 A JPH09323919 A JP H09323919A JP 14317996 A JP14317996 A JP 14317996A JP 14317996 A JP14317996 A JP 14317996A JP H09323919 A JPH09323919 A JP H09323919A
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JP
Japan
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powder
group
formula
cosmetic
compound
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Application number
JP14317996A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuji Ito
勝治 伊藤
Takashige Yoneda
貴重 米田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧用粉体の表面に高密度かつ高強度に化学結
合して撥水撥油性を付与し、かつ、他の化粧性能を両立
できる化粧用粉体処理剤を提供する。 【解決手段】ポリフルオロアルキル基とイソシアネート
基がSi原子に結合した化合物、および/または、イソ
シアネート基が結合した2個のSi原子がポリフルオロ
アルキレン基を介して結合した化合物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧用粉体処理
剤、化粧用粉体、および化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧用粉体を含有する化粧料としては、
ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、アイブ
ロウ等のメイクアップ化粧品、ボディーパウダー、ベビ
ーパウダー等のボディ化粧品などが市販されている。そ
して、これらの化粧品においては、肌上での伸び、平滑
性、付着性および化粧崩れ防止性などの化粧品としての
性能が要求される。従来より、化粧品としての性能を向
上させるために、化粧用粉体の表面をコーティング処理
する提案がなされている。たとえば、汗や皮脂等による
化粧崩れを防止するために、粉体表面を撥水撥油性を有
する処理剤で処理する以下の提案がなされている。
【0003】(1)含フッ素リン酸エステルまたは含フ
ッ素リン酸エステルのジエタノールアミン塩)で粉体表
面を処理する方法(米国特許第3632744号)。 (2)フロオロアルキル基を含有する重合体で粉体表面
を処理する方法(特開昭61−55481号)。 (3)フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールア
ミン塩のモノエステル体およびジエステル体で粉体表面
を処理する方法(特開昭62−250074号)。 (4)フロオルアルキルアルコールで粉体表面を処理す
る方法(特開昭63−2251号、同63−2252
号)。
【0004】(5)フルオロアルキル基含有多価アルコ
ール、フルオロアルキル基含有ポリオキシエチレン化合
物で粉体表面を処理する方法(特開平1−180810
号、同1−180811号)。 (6)パーフルオロアルキルアルコキシシラン化合物を
使用する方法(特開平6−136002号、特開平7−
179323号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法に
は以下の問題点があった。(1)の方法では、処理され
た化粧用粉体は、撥水撥油性および使用触感の点で不充
分であった。(2)の方法では、粉体と重合体間との化
学結合が乏しく触感に劣る欠点があった。(3)の方法
でも、粉体との化学結合が乏しく触感に劣るという欠点
があった。(4)および(5)の方法では、撥水性が不
充分であった。(6)の方法では、粉体と処理剤との反
応性が低いために化学結合の密度が充分でなく、触感に
劣る問題点があった。
【0006】このように、粉体表面を撥水撥油処理した
場合には、粉体と処理剤間の結合が充分でなく、化粧料
とした場合には、化粧の持ちや、肌上の伸びや、触感等
の他の化粧性能との両立が難しい問題があり、化粧性能
が総合的に優れた化粧料は得られていなかった。本発明
の目的は、粉体の表面に高密度かつ高強度に化学結合し
て撥水撥油性を付与し、かつ、他の化粧性能を両立でき
る化粧用粉体処理剤の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イソシア
ネート基を有する下記の特定の化合物で化粧用の粉体を
処理した場合には、従来の化粧用粉体処理剤に比べ高い
反応性を有し、粉体に対して高密度かつ高強度に結合で
きることを見い出した。さらに、得られた粉体は、水分
吸収性、撥水撥油性、化粧崩れ防止性、肌上での伸び、
使用感などの化粧性能が総合的に優れた化粧用粉体であ
ることを見い出した。
【0008】すなわち、本発明は、下式Aおよび/また
は下式Bで表される化合物からなる化粧用粉体処理剤を
提供する。ただし、式AにおけるAf1は、2以上のフッ
素原子を含む1価有機基、R1 は水素原子または炭素数
1〜16のフッ素原子を含まない1価有機基、B1 は2
価連結基、aは1または2、bは0または1であり、か
つ、1≦a+b≦3を満たす整数を示す。
【0009】式BにおけるAf2およびAf3は、それぞれ
2以上のフッ素原子を含む1価有機基、R2 およびR3
は、それぞれ水素原子または炭素数1〜16のフッ素原
子を含まない1価有機基、B2 およびB3 は、それぞれ
2価連結基、cおよびdは、それぞれ0、1または2で
あり、かつ、0≦c+d≦2を満たす整数、eおよびg
は、それぞれ0、1または2であり、かつ、0≦e+g
≦2を満たす整数、Yは2価の有機基を表し、Af2およ
びAf3のいずれもが存在しない場合のYは、2以上のフ
ッ素原子を含む2価の有機基を示す。
【0010】
【化4】
【0011】また、本発明は、上記化粧用粉体処理剤に
より処理された粉体よりなる化粧用粉体、および該化粧
用粉体を含有する化粧料を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、式Aで表される化
合物を「化合物A」、式Bで表される化合物を「化合物
B」と記載することがある。
【0013】式Aおよび式BにおけるAf1、Af2および
f3は、それぞれ2以上のフッ素原子を含む1価有機基
である。本明細書における「有機基」は、炭素原子を含
む基であり、特に明記しない限り、フッ素原子を含んで
も含まなくてもよい。Af1〜Af3は、それぞれ2以上の
フッ素原子を含む1価有機基であり、それぞれ2以上の
フッ素原子を含む1価炭化水素基が好ましい。2以上の
フッ素原子を含む1価炭化水素基としては、アルキル基
の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフ
ルオロアルキル基が好ましい。なお、以下において、ポ
リフルオロアルキル基を「Rf 基」と記す。
【0014】Af1〜Af3の炭素数は2〜23が好まし
く、特に2〜16が好ましく、とりわけ6〜12が好ま
しい。Rf 基は、直鎖構造、または、分岐構造が好まし
く、特に直鎖構造が好ましい。また、分岐構造である場
合には、分岐部分がRf 基の末端部分に存在し、かつ、
炭素数1〜3程度の短鎖である場合が好ましい。Rf
中のフッ素原子の割合は、[(Rf 基中のフッ素原子
数)/(Rf 基に対応する同一炭素数のアルキル基中の
水素原子数)]×100%で表現した場合に60%以上
が好ましく、特に80%以上が好ましい。また、本発明
におけるRf 基は、Rf 基中の炭素−炭素結合間にエー
テル性の酸素原子が挿入されているポリフルオロアルキ
ルオキシ部分を有する基、および、Rf 基中の炭素−炭
素結合間にチオエーテル性のイオウ原子が挿入されてい
るポリフルオロアルキルチオ部分を有する基であっても
よい。
【0015】さらに、Rf 基はアルキル基の水素原子の
実質的に全てがフッ素原子に置換された基であるパーフ
ルオロアルキル基が好ましい。ここで、実質的に全てが
フッ素原子に置換された基としては、該基中に若干の水
素原子が含まれている基であって、アルキル基の水素原
子の全てがフッ素原子に置換された基と性質が同等であ
る基をいい、フッ素原子の割合は95%以上である場合
が好ましい。
【0016】パーフルオロアルキル基の炭素数は、2〜
23が好ましく、特に2〜16が好ましく、とりわけ6
〜12が好ましい。また、パーフルオロアルキル基は、
パーフルオロアルキルオキシ部分を有する基、または、
パーフルオロアルキルチオ部分を有する基であってもよ
い。
【0017】Af1〜Af3は、それぞれ炭素数2以上のパ
ーフルオロアルキル基、パーフルオロオキサアルキル
基、またはパーフルオロチオアルキル基が好ましく、特
に炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基が好まし
い。また、a、cおよびeがそれぞれ2である場合に
は、複数のAf1、Af2およびAf3は、それぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。
【0018】また、化合物Bにおいては、後述するYが
2以上のフッ素原子を含む2価有機基ではない場合に
は、Af2およびAf3の少なくとも一つは存在する必要が
ある。すなわち、この場合には、cおよびdの少なくと
も1つは0以外の数を示す。また、化合物BにおけるA
f2およびAf3は、同一であっても、異なっていてもよ
い。Af1、Af2およびAf3は、アルキル基の水素原子の
全てがフッ素原子に置換された基が好ましく、Ci
2i+1−(式中、iは2〜23の整数を示し、6〜12が
好ましい。)で表される有機基が特に好ましい。さらに
i2i+1−部分は直鎖構造が好ましい。
【0019】Rf 基としては、以下の具体例が挙げられ
る。C49 −[CF3 (CF23 −、(CF32
CFCF2 −、(CF33 C−、およびCF3 CF2
CF(CF3 )−等の構造異性の基を含む]、C511
−[たとえば、CF3 (CF24 −等]、C613
[たとえば、CF3(CF25 −等]、C715
[たとえば、CF3 (CF26 −等]、C817
[たとえば、CF3 (CF27 −等]、C919
[たとえば、CF3(CF28 −等]、C1021
[たとえば、CF3 (CF29 −等]、CHF2 (C
2k −(ここで、kは1〜15の整数)等。
【0020】また、B1 〜B3 は、それぞれ2価連結基
であり、種々の公知または周知の2価連結基が挙げられ
特に限定されない。たとえば、アルキレン基、エステル
連結基(−COO−)、エーテル連結基(−O−)、チ
オエーテル連結基(−S−)、イミノ連結基(−NH
−)、およびアミド連結基(−NHCO−)等が好まし
く、特に炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。炭素
数1〜6のアルキレン基としては、−(CH2j
(jは1〜6の整数を示し、2〜4が好ましい。)で表
される直鎖のアルキレン基が好ましく、特にエチレン基
が好ましい。
【0021】R1 、R2 およびR3 は、それぞれ水素原
子または炭素数1〜16のフッ素原子を含まない1価有
機基であり、炭素数1〜16のフッ素原子を含まない1
価有機基が好ましい。該1価有機基としては、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基等の
炭化水素基、クロロアルキル基、およびRf 基以外のハ
ロゲン化炭化水素基が挙げられる。また、炭化水素基お
よびRf 基以外のハロゲン化炭化水素基は、水酸基、エ
ポキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、
その他の官能基を含んでいてもよく、また、炭素鎖の中
間にエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、
イミノ結合、アミド結合、その他の連結結合を含んでい
てもよい。
【0022】R1 、R2 およびR3 は、特に炭化水素基
または前記の官能基を含む炭化水素基が好ましい。さら
に、炭化水素基としては、炭素数1〜16のアルキル
基、およびアリール基が好ましく、炭素数4以下のアル
キル基(以下、低級アルキル基という)が特に好まし
く、とりわけメチル基が好ましい。
【0023】また、化合物BにおけるYは、フッ素を含
んでいても含まなくてもよい2価有機基であり、Af2
よびAf3のいずれもが存在しない場合のYは、2以上の
フッ素原子を含む2価の有機基である。2以上のフッ素
原子を含む2価の有機基である場合、ポリフルオロアル
キレン基、ポリフルオロアルキレンオキシ部分を有する
基(アルキレン基の炭素−炭素結合間に少なくとも1つ
のエーテル性の酸素原子が挿入された基)、およびポリ
フルオロアルキレンチオ部分を有する基(アルキレン基
の炭素−炭素結合間に少なくとも1つのチオエーテル性
のイオウ原子が挿入された基)が好ましく、特に、ポリ
フルオロアルキレン基が好ましい。
【0024】ポリフルオロアルキレン基である場合のY
は、両末端のケイ素原子に結合する部分がポリメチレン
基、好ましくはエチレン基であり、中間部分がパーフル
オロアルキレン基、パーフルオロアルキレンオキシ部分
を有する基、またはパーフルオロアルキレンチオ部分を
有する基である場合が好ましく、パーフルオロアルキレ
ン基が好ましい。ポリフルオロアルキレン基である場合
のYの総炭素数は6〜30、特に6〜16が好ましい。
【0025】また、Yが2以上のフッ素を含まない2価
有機基である場合には、アルキレン基、アルキレンオキ
シ部分を有する基、およびアルキレンチオ部分を有する
基が好ましい。Yの総炭素数は2〜30が好ましく、特
に2〜16が好ましい。これらAf1、Af2およびAf3
1 、R2 およびR3 、Yの具体例については、前記の
具体例、および、下記の化合物Aおよび化合物Bの具体
例中に記載される。
【0026】化合物Aは、下式A−1で表される化合物
が好ましい。ただし、式A−1におけるkは3〜11の
整数、mは2〜4の整数、bは0または1を示す。bが
0が好ましい。
【0027】
【化5】 [CF3(CF2)k(CH2)m](CH3)bSi(NCO)3-b ・・・式A−1
【0028】化合物Bとしては、下式B−1で表される
化合物が好ましい。ただし、式B−1におけるYf はポ
リフルオロアルキレン基、kは3〜11の整数、mは2
〜4の整数、qは1〜6の整数、cおよびdは、それぞ
れ0、1または2であり、かつ、0≦c+d≦3を満た
す整数、eおよびgは、それぞれ0、1または2であ
り、かつ、0≦e+g≦2を満たす整数を示す。
【0029】
【化6】 (OCN)3-c-d[CF3(CF2)k(CH2)m]c(CH3)dSi-(CH2)q- -Yf-(CH2)q-Si(CH3)g[(CH2)m(CF2)kCF3]e(NCO)3-e-g ・・・式B−1
【0030】式B−1で表される化合物においては、N
CO数が多い場合が好ましく、c、d、eおよびgが0
である場合が好ましい。また、qは1〜4が好ましく、
fは直鎖構造または分岐構造のパーフルオロアルキレ
ン基が好ましく、直鎖のパーフルオロアルキレン基が好
ましい。さらにYf は炭素数6〜30のパーフルオロア
ルキレン基が好ましく、特に6〜12のパーフルオロア
ルキレン基が好ましい。
【0031】化合物Aおよび化合物Bの具体例を下記に
示す。しかし、化合物Aおよび化合物Bはこれら具体例
に限定されない。なお、下記化学式においてx、n、m
はそれぞれ1以上の整数、Xはイソシアネート基、Rは
アルキル基を、Rf はポリフルオロアルキル基、RF
パーフルオロアルキル基を示す。また、具体例中の化合
物において、xは2〜8が好ましく、Rは低級アルキル
基が好ましく、特にメチル基が好ましく、Rf はCi
2i+1−(CH2j −(iおよびjは、前記と同じ意味
を示す。)が好ましい。
【0032】化合物Aの具体例としては下記化合物が挙
げられる。
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】化合物Bの具体例としては下記化合物が挙
げられる。
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】化合物Aとしては、特に下記化合物が好ま
しい。
【0046】
【化18】 CF3 (CF25 (CH22 Si(NCO)3 CF3 (CF27 (CH22 Si(NCO)3 CF3 (CF29 (CH22 Si(NCO)3 CF3 (CF27 (CH22 Si(CH3 )(NC
O)2 [CF3 (CF27 (CH222 Si(NCO)
2 CF3 (CF29 CONH(CH23 Si(NC
O)
【0047】また、化合物Bとしては、特に下記化合物
が好ましい。ただし、nは1〜22を示す。
【0048】
【化19】 (OCN)SiCHCHCF(CF)(C
CF(CF)CHCHSi(NCO)
【0049】本発明における化合物Aおよび化合物Bは
公知の化合物であり、既知の方法により合成できる。た
とえば化合物Aは、Rf SiCl3 とNaNCOとを反
応させる方法により合成できる。
【0050】本発明の化粧用粉体処理剤は、化合物Aお
よび/または化合物Bからなる。また、化合物Aおよび
/または化合物Bとともに他の成分を用いて処理しても
よい。他の成分としては、R4 Si(NCO)3 (R4
は炭素原子数1〜16のアルキル基を示す。)、(OC
N)3 Si(CH2r Si(NCO)3 (rは1〜1
6の整数を示す。)等が挙げられる。
【0051】化粧用粉体処理剤は、そのまま化粧用粉体
に処理してもよく、溶剤に溶解させて処理してもよく、
通常は、化粧用粉体処理剤を0.2〜5重量%含む有機
溶剤溶液の形で処理するのが好ましい。有機溶剤として
は、化粧用粉体処理剤を溶解し、かつ活性水素を有しな
い溶媒であれば自由に採用できる。たとえば、トリクロ
ロトリフルオロエタン(R−113等)、ジクロロペン
タフルオロプロパン(R−225等)、パーフルオロト
リブチルアミン、トリクロロトリフルオロエタンなどの
パーフルオロアルカン類などのフッ素系溶剤、酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどの酢酸エステル類、ヘキサン、トル
エンなどの炭化水素類が好ましい。
【0052】化粧用粉体に処理する方法としては、化粧
用粉体と化合物Aおよび/または化合物Bの有機溶剤溶
液、および必要に応じて他の成分を混合し、濾過し、つ
ぎに溶剤を除去する方法が好ましい。有機溶剤を用いる
場合には、低沸点で揮発性の高い溶剤が適する。混合時
間は化粧用粉体の分散性にもよるが、通常は1時間以内
で充分である。乾燥は自然乾燥すればよく、必要に応じ
て加熱してもよい。
【0053】上記の方法により化粧用粉体処理剤を処理
することにより、化粧用粉体の表面に化粧用粉体処理剤
が乾燥した被膜が形成される。また、該被膜の形成にお
いては、イソシアネート基と粉体表面に存在するイソシ
アネート基と反応性の基が反応して化学的な結合を形成
しているものと考えられる。また、本発明における化粧
用粉体処理剤は、常温で反応性のイソシアネート基を有
するため、化粧用粉体の処理は常温で行うことができる
利点があるが、必要に応じて加熱してもよい。
【0054】本発明の化粧用粉体処理剤により処理され
る化粧用粉体は、有機粉体、無機粉体の種々の粉体が挙
げられ、顔料粉体が好ましい。化粧用粉体の具体例とし
ては、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線吸収顔料、ベン
ガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、亜鉛華、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、シリカ、セリサイト、カオ
リン、水酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、
ナイロン、ポリエチレン、シルクパウダー、デンプン等
の有機顔料が挙げられる。粉体の大きさは特に制限され
ず、直径0.01〜80μmのものが好ましい。粉体の
形状は特に制限されず、平板状または球状のものが好ま
しい。また、粉体が多孔性のものであっても支障ない。
【0055】本発明の化粧用粉体処理剤の化粧用粉体に
対する処理量は、化合物の種類によっても異なるが、通
常の場合、化粧用粉体の0.2〜50重量%、特に1〜
20重量%が好ましい。処理量が少なすぎると撥水撥油
性能が充分でなく、また多すぎると不経済である。
【0056】化合物Aおよび/または化合物Bを処理し
た化粧用粉体は、そのまま、または、常法にしたがって
他の化粧料に配合して用いられる。他の化粧料への本発
明の化粧用粉体の配合量は、20〜70重量%、特に3
0〜60重量%が好ましい。他の化粧料としては、たと
えば、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、
アイブロウ等のメイクアップ化粧品、ボディパウダー、
ベビーパウダー等のボディ化粧品等が挙げられる。さら
に他の化粧料中には、防腐剤、殺菌剤、香料、紫外線吸
収剤等の各種添加剤を配合してもよい。
【0057】
【実施例】
[例1]丸底フラスコにCF3 (CF27 (CH2
2 Si(NCO)3 6gを入れ、トリクロロトリフルオ
ロエタン600gと、球状で平均粒径7μmのセリサイ
ト[堀江化工社製 商品名:セリサイトA]150gを
加え、室温で10分間撹拌した。その後、セリサイトA
を濾過し、常温で乾燥した。得られた粉体は、CF3
(CF27 (CH22 Si(NCO)3 を4重量%
含有する粉体1を得た。粉体1について各種の評価を行
った結果を表1に示す。
【0058】[例2]例1のCF3 (CF27 (CH
22 Si(NCO)3 の代わりにCF3 (CF27
CONH(CH23 Si(NCO)3 6gを用いて同
様に粉体2を得た。得られた粉体2は、CF3 (CF
27 CONH(CH23 Si(NCO)3 を4重量
%含有していた。粉体2について各種の評価を行った結
果を表1に示す。
【0059】[例3]例1のCF3 (CF27 (CH
22 Si(NCO)3 の代わりに下式B−2で表され
る化合物6gを用いて同様に粉体3を得た。得られた粉
体3は、式B−2で表される化合物を4重量%含有して
いた。粉体3について各種の評価を行った結果を表1に
示す。
【0060】
【化20】 (OCN)3Si(CH2)2CF(CF3)(CF2)2CF(CF3)(CH2)Si(NCO)3 ・・・式B−2
【0061】[例4]下記(1)および(2)を混合
し、粉砕機で粉砕した。一方、(3)〜(7)を加熱し
て、溶解した。ヘンシェルミキサーに粉砕した(1)お
よび(2)を移し、溶解した(3)〜(7)を徐々に添
加し、つぎに(8)を添加して充分に撹拌混合した。混
合においてはヘンシェルミキサーの回転速度を徐々に増
加させていった。得られた粉体混合物4をふるいにかけ
て粒度をそろえたものを金皿にとって圧縮成型した。
【0062】 (1)例1で得た粉体1 75.5重量%、 (2)ナイロンパウダー 10 重量%、 (3)流動パラフィン 5 重量%、 (4)ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン社製
商品名:KF−96 5000CS)
2.5重量%、 (5)ワックス(クローダジャパン社製 商品名:シン
クロワックスHRC)3 重量%、 (6)ワセリン 2 重量%、 (7)防腐剤 1 重量%、 (8)香料 1 重量%。
【0063】[例5]下記(1)および(2)を混合
し、粉砕機で粉砕した。一方、(3)〜(8)を加熱し
て、溶解した。ヘンシェルミキサーに粉砕した(1)お
よび(2)を移し、溶解した(3)〜(8)を徐々に添
加し、つぎに(9)を添加して充分に撹拌混合した。混
合においてはヘンシェルミキサーの回転速度を徐々に増
加させていった。得られた粉体混合物5をふるいにかけ
て粒度をそろえたものを金皿にとって圧縮成型した。
【0064】 (1)例1で得た粉体1 55 重量%、 (2)例1のセリサイトAの代わりに酸化チタンを用い
て同様に処理した粉体15 重量%、 (3)カーボンブラック 6 重量%、 (4)ナイロンパウダー 8 重量%、 (5)流動パラフィン 9 重量%、 (6)ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン社製
商品名:KF−96 6CS) 5
重量%、 (7)ワックス(クローダジャパン社製 商品名:シン
クロワックスHRC)1.8重量%、 (8)防腐剤 0.1重量%、 (9)香料 0.1重量%。
【0065】[例6(比較例)]丸底フラスコに、下式
で表されるパーフルオロアルキルリン酸エステル・ジエ
タノールアミン塩10g、および、トリクロロトリフル
オロエタン600gを入れて40℃に加熱混合した。平
均粒径7μmのセリサイトA150gを加え、さらに2
時間撹拌し、セリサイトAを濾過し、常温で乾燥して、
粉体5を得た。得られた粉体5について各種の評価を行
った結果を表1に示す。
【0066】
【化21】 CF3(CF2)7(CH2)2OP(=O)(OH)2・[HN(CH2CH2OH)2]
【0067】[例7(比較例)]丸底フラスコに、CF
3 CF2 (CH22 Si(OCH33 6gを入れ、
トリクロロトリフルオロエタン600gを加え40℃に
加熱混合し、平均粒径7μmのセリサイトA150gを
加えた。さらに2時間撹拌した後、セリサイトAを濾過
し、常温で乾燥して粉体6を得た。得られた粉体6につ
いて各種の評価を行った結果を表1に示す。
【0068】得られた粉体の評価方法はつぎのとおりで
ある。 [撥水性の評価方法]粉体0.2gを計量し、IR用打
錠器で100kg/cm2 の力を5分間加えて直径1c
mのペレットにした。このペレットの表面にマイクロシ
リンジを用いてイオン交換水を1滴分滴下して、滴下後
30秒後に接触角を3回測定した。 [撥油性の評価方法]撥水性の評価方法における水の代
わりにスクワレンを一滴滴下後、接触角を3回測定し
た。
【0069】[触感の評価方法]粉体の伸び感、きしみ
感、ざらつき感から粉体の触感について、1〜5の段階
で評価した。評価は専門パネラー5名により行い、その
平均値で示した。なお、平均粒径7μmのセリサイトA
の粉体単独の触感を標準値3.0とした。 1.伸び感などの触感が悪い、 2.伸び感などの触感がやや悪い、 3.ふつう(平均粒径7μmのセリサイトAの粉体単独
の触感)、 4.伸び感などの触感がやや良い、 5.伸び感などの触感が良い。
【0070】[粉体に対する結合の評価方法]粉体をX
線光電子分光法(以下XPSと記す)により元素分析を
行い、粉体中のFの量を測定した。また、粉体を沸騰水
中に30分浸漬後、XPSにより元素分析を行い、粉体
中のFの量を測定した。なお、XPSの元素分析結果は
Si元素で規格化した値として示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】本発明の化粧用粉体処理剤は、常温で粉
体に処理して、優れた撥水撥油性を粉体に付与できる。
また、化粧用粉体処理剤の粉体への結合は、高密度であ
り、かつ、高強度であることから、該性能の耐久性にも
優れる。また得られた粉体は、実際の触感にも優れてお
り、実用性に優れた粉体である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式Aおよび/または下式Bで表される化
    合物からなる化粧用粉体処理剤。ただし、式Aにおける
    f1は、2以上のフッ素原子を含む1価有機基、R1
    水素原子または炭素数1〜16のフッ素原子を含まない
    1価有機基、B1 は2価連結基、aは1または2、bは
    0または1であり、かつ、1≦a+b≦3を満たす整数
    を示す。式BにおけるAf2およびAf3は、それぞれ2以
    上のフッ素原子を含む1価有機基、R2 およびR3 は、
    それぞれ水素原子または炭素数1〜16のフッ素原子を
    含まない1価有機基、B2 およびB3 は、それぞれ2価
    連結基、cおよびdは、それぞれ0、1または2であ
    り、かつ、0≦c+d≦3を満たす整数、eおよびg
    は、それぞれ0、1または2であり、かつ、0≦e+g
    ≦2を満たす整数、Yは2価の有機基を表し、Af2およ
    びAf3のいずれもが存在しない場合のYは、2以上のフ
    ッ素原子を含む2価の有機基を示す。 【化1】
  2. 【請求項2】式Aが、下式A−1で表される請求項1の
    化粧用粉体処理剤。ただし、式A−1におけるkは3〜
    11の整数、mは2〜4の整数、bは0または1を示
    す。 【化2】 [CF3(CF2)k(CH2)m](CH3)bSi(NCO)3-b ・・・式A−1
  3. 【請求項3】式Bが、下式B−1で表される請求項1の
    化粧用粉体処理剤。ただし、式B−1におけるYf はポ
    リフルオロアルキレン基、kは3〜11の整数、mは2
    〜4の整数、qは1〜6の整数、cおよびdは、それぞ
    れ0、1または2であり、かつ、0≦c+d≦3を満た
    す整数、eおよびgは、それぞれ0、1または2であ
    り、かつ、0≦e+g≦2を満たす整数を示す。 【化3】 (OCN)3-c-d[CF3(CF2)k(CH2)m]c(CH3)dSi-(CH2)q- -Yf-(CH2)q-Si(CH3)g[(CH2)m(CF2)kCF3]e(NCO)3-e-g ・・・式B−1
  4. 【請求項4】請求項1、2または3の化粧用粉体処理剤
    により処理された粉体からなる化粧用粉体。
  5. 【請求項5】請求項4の化粧用粉体を含有する化粧料。
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