JPH09323421A - 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出装置及びヘッドキット - Google Patents

液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出装置及びヘッドキット

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JPH09323421A
JPH09323421A JP8145685A JP14568596A JPH09323421A JP H09323421 A JPH09323421 A JP H09323421A JP 8145685 A JP8145685 A JP 8145685A JP 14568596 A JP14568596 A JP 14568596A JP H09323421 A JPH09323421 A JP H09323421A
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清光 工藤
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俊雄 樫野
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Fumi Yoshihira
文 吉平
Yoshie Nakada
佳恵 中田
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に無い新規な構造で、より簡易にかつ安
価に製造できる液体吐出ヘッドを提供する。 【解決手段】 液流路10の素子基板上には、前述の発
熱体2に対向するように面して、金属等の弾性を有する
材料で構成され、自由端側が開放され支点側が一体にさ
れた櫛歯状の可動部材31が片持梁状に設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーを液体に
作用させることで起こる気泡の発生によって、所望の液
体を吐出する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いた
ヘッドカートリッジ、液体吐出装置に関する。さらにこ
れらの液体吐出ヘッドを有するインクジェットキットに
関する。
【0002】特に本発明は、気泡の発生を利用して変位
する可動部材を有する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッド
を用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置に関する。
【0003】また本発明は紙、糸、繊維、布帛、皮革、
金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の
被記録媒体に対し記録を行うプリンター、複写機、通信
システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワ
ードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合
的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明であ
る。
【0004】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0005】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、USP
4,723,129等の公報に開示されているように、
インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通す
るインク流路と、インク流路内に配されたインクを吐出
するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が
一般的に配されている。
【0006】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0007】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらに高まっている。
【0008】例えば、エネルギー効率の向上の要求に対
する検討としては、保護膜の厚さを調整するといった発
熱体の最適化が挙げられている。この手法は、発生した
熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果がある。
【0009】また、高画質な画像を得るために、インク
の吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好
なインク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆
動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐
出された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速
い液体吐出ヘッドを得るために流路形状を改良したもの
も提案されている。
【0010】この流路形状の内、流路構造として図21
(a),(b)に示すものが、特開昭63−19997
2号公報等に記載されている。この公報に記載されてい
る流路構造やヘッド製造方法は、気泡の発生に伴って発
生するバック波(吐出口へ向かう方向とは逆の方向へ向
かう圧力、即ち、液室112へ向かう圧力)に着目した
発明である。このバック波は、吐出方向へ向かうエネル
ギーでないため損失エネルギーとして知られている。
【0011】図21(a),(b)に示す発明は、発熱
素子102が形成する気泡の発生領域よりも離れ且つ、
発熱素子102に関して吐出口111とは反対側に位置
する弁110を開示する。
【0012】図21(b)においては、この弁110
は、板材等を利用する製造方法によって、流路103の
天井に貼り付いたような初期位置を持ち、気泡の発生に
伴って流路103内へ垂れ下がるものとして開示されて
いる。この発明は、上述したバック波の一部を弁110
によって制御することでエネルギー損失を抑制するもの
として開示されている。
【0013】しかしながら、この構成において、吐出す
べき液体を保持する流路103内部に、気泡が発生した
際を検討するとわかるように、弁110によるバック波
の一部を抑制することは、液体吐出にとっては実用的な
ものでないことがわかる。
【0014】もともとバック波自体は、前述したように
吐出に直接関係しないものである。このバック波が流路
103内に発生した時点では、図21(a)に示すよう
に、気泡のうち吐出に直接関係する圧力はすでに流路1
03から液体を吐出可能状態にしている。従って、バッ
ク波のうち、しかもその一部を抑制したからといって
も、吐出に大きな影響を与えないことは明らかである。
【0015】他方、バブルジェット記録方法において
は、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返すた
め、発熱体の表面にインクの焦げによる堆積物が発生す
るが、インクの種類によってはこの堆積物が多く発生す
ることで、気泡の発生を不安定にしてしまい、良好なイ
ンクの吐出を行うことが困難な場合があった。また、吐
出すべき液体が熱によって劣化しやすい液体の場合や十
分に発泡が得られにくい液体の場合においても、吐出す
べき液体を変質させず、良好に吐出するための方法が望
まれていた。
【0016】このような観点から、熱により気泡を発生
させる液体(発泡液)と吐出する液体(吐出液)とを別
液体とし、発泡による圧力を吐出液に伝達することで吐
出液を吐出する方法が、特開昭61−69467号公
報、特開昭55−81172号公報、USP4,48
0,259号等の公報に開示されている。これらの公報
では、吐出液であるインクと発泡液とをシリコンゴムな
どの可撓性膜で完全分離し、発熱体に吐出液が直接接し
ないようにすると共に、発泡液の発泡による圧力を可撓
性膜の変形によって吐出液に伝える構成をとっている。
このような構成によって、発熱体表面の堆積物の防止
や、吐出液体の選択自由度の向上等を達成している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように、気泡形成時のバック波を防止する弁機構
を有するヘッドは、上流側に伝達されるバック波を防止
する分、液体の吐出効率を向上できるものの、このよう
な構成は、発泡時に発生する吐出力の内、あくまでも上
流側に逃げようとする分だけの逃げを防止するものであ
り、さらに大きな吐出効率の向上、吐出力の向上を達成
するためには、必ずしも充分な構成ではない。
【0018】また、上述のように吐出液と発泡液とを完
全分離する構成のヘッドにおいては、発泡時の圧力を可
撓性膜の伸縮変形によって吐出液に伝える構成であるた
め、発泡による圧力を可撓性膜がかなり吸収してしま
う。また、可撓性膜の変形量もあまり大きくないため、
吐出液と発泡液とを分離することによる効果を得ること
はできるものの、エネルギー効率や吐出力が低下してし
まう虞れがあった。
【0019】上述のように、近年、バブルジェット技術
を用いた多方面への展開が成されつつあるが、これに対
して、ノズル設計の自由度を縮小させず、粘度や熱的性
質を含む吐出液体の特性の選択の自由度を広げ、良好な
吐出を行なうことができる液体吐出ヘッド等が望まれて
いる。
【0020】そこで発明者達のうちの一部は、液滴吐出
の原理に立ち返り、従来では得られなかった気泡を利用
した新規な液滴吐出方法及びそれに用いられるヘッド等
を提供すべく鋭意研究を行った。
【0021】その結果、液路中の可動部材の支点と自由
端の配置関係を吐出口側つまり下流側に自由端が位置す
る関係にすること、また可動部材を発熱体もしくは、気
泡発生領域に面して配することで積極的に気泡を制御す
る全く新規な技術を確立するに至った。
【0022】つぎに、気泡自体が吐出量に与えるエネル
ギーを考慮すると気泡の下流側の成長成分を考慮するこ
とが吐出特性を格段に向上できる要因として最大である
との知見に至った。つまり、気泡の下流側の成長成分を
吐出方向へ効率よく変換させることこそ吐出効率、吐出
速度の向上をもたらすことも判明した。このことから、
発明者らは気泡の下流側の成長成分を積極的に可動部材
の自由端側に移動させるという従来の技術水準に比べ極
めて高い技術水準に至った。
【0023】さらに、気泡を形成するための発熱領域、
例えば電気熱変換体の液体の流れ方向の面積中心を通る
中心線から下流側、あるいは、発泡を司る面における面
積中心等の気泡下流側の成長にかかわる可動部材や液流
路等の構造的要素を勘案することも好ましいということ
が判った。
【0024】また、一方、可動部材の配置と液供給路の
構造を考慮することで、リフィル速度を大幅に向上する
ことができることが判った。
【0025】このように、出願人及び発明者達のうちの
一部は、前述した画期的な発明を出願しているが、本発
明者達は、この発明によってより好ましい着想を想起す
るに至った。
【0026】即ち、本発明者達が認識した点は、上述の
如き、可動部材を用いるにあたって、可動部材の構成に
よっては、僅かではあるがヘッドの大型化、或は吐出効
率の減少を招く場合が見られたことである。このような
場合を検討したところ、可動部材の自由端近傍の構造が
影響していることが判った。
【0027】本発明の主たる目的は以下の通りである。
【0028】可動部材を、支点側が一体で自由端側が開
放されてなる櫛歯状とする事により、天板のみで第1の
液流路と第2の液流路とを設けることができ、2液路の
複雑な構造をなくすことができる液体吐出ヘッドを提供
する。
【0029】また、例えば、板にスリットをレーザ又は
カッティング等で形成することで板中に可動部材を形成
した場合は位置決め精度が悪いと可動部材の自由端の前
方(吐出口側)の余分な板材が気泡発生領域に対向して
吐出効率を低下させる虞れがあるが、可動部材を、前方
に余分な板材がなく自由端側が開放されている櫛歯形状
にすることにより、液流路方向における位置決め精度が
多少劣っていても吐出効率は良好になる。さらに、自由
端の前方(吐出口側)の余分な板材を必要としないこと
で、自由端の先端を吐出口側に近付けることも容易であ
り、ノズル長さに対する設計の自由度を拡大できる。こ
のように、液流路方向における位置決め精度の許容度を
大きく取ることができる液体吐出ヘッドも本発明は提供
する。
【0030】上記の主目的に加えて、本発明の第2の目
的は、発生した気泡を根本的に制御することで極めて新
規な液体吐出ヘッドを提供することにある。
【0031】本発明の第3の目的は、吐出効率、吐出力
の向上を図りつつ、発熱体上の液体への蓄熱を大幅に軽
減できると共に、発熱体上の残留気泡の低減を図ること
で、良好な液体の吐出を行いうる液体吐出ヘッドを提供
することにある。
【0032】本発明の第4の目的は、バック波による液
体供給方向とは逆方向への慣性力が働くのを抑えると同
時に、可動部材の弁機能によって、メニスカス後退量を
低減させることで、リフィル周波数を高め、印字スピー
ド等を向上させた液体吐出ヘッドを提供することにあ
る。
【0033】本発明の第5の目的は、発熱体上への堆積
物を低減すると共に、吐出用液の用途範囲を広げること
ができ、しかも吐出効率や吐出力が十分に高い液体吐出
方法、液体吐出ヘッドを提供することにある。
【0034】本発明の第6の目的は、吐出する液体の選
択自由度を高くできる液体吐出方法、液体吐出ヘッド等
を提供することにある。
【0035】本発明の第7の目的は複数の液体を供給す
るための液体導入路を少ない部品点数で構成することで
製造が容易で安価なヘッドおよび装置を提供すること、
また小型化が図れた液体吐出ヘッド、装置等を提供する
ことである。
【0036】また本発明の第8の目的は、本発明の吐出
方法を用いて良好な画像の記録物を得ることにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の代表的な特徴は、次のようなものである。
【0038】液体を吐出する吐出口と、液体に気泡を発
生させる気泡発生領域と、前記気泡発生領域に面して配
され、第1の位置と該第1の位置よりも前記気泡発生領
域から遠い第2の位置との間を変位可能な櫛歯状の可動
部材とを有し、該可動部材は、支点と、該支点より下流
側に位置する自由端とを有し、前記気泡発生部での気泡
の発生に基づく圧力によって、前記第1の位置から前記
第2の位置へ変位すると共に、前記可動部材の変位によ
って前記気泡を吐出口に向かう方向の上流よりも下流に
大きく膨張させることで液体を吐出する液体吐出ヘッ
ド。
【0039】もしくは、液体を吐出する吐出口と、液体
に熱を加えることで該液体に気泡を発生させる発熱体と
該発熱体に沿った該発熱体より上流側から前記発熱体上
に液体を供給するための供給路とを有する液流路と、前
記発熱体に面して設けられ吐出口側に自由端を有し前記
気泡の発生による圧力に基づいて前記自由端を変位させ
て前記圧力を吐出口側に導く櫛歯状の可動部材と、を有
する液体吐出ヘッド。
【0040】もしくは、液体を吐出する吐出口と、液体
に熱を加えることで該液体に気泡を発生させる発熱体
と、前記発熱体に面して設けられ吐出口側に自由端を有
し前記気泡の発生による圧力に基づいて前記自由端を変
位させて前記圧力を吐出口側に導く櫛歯状の可動部材
と、前記可動部材の前記発熱体に近い面に沿った上流側
から前記発熱体上に液体を供給する供給路と、を有する
液体吐出ヘッド。
【0041】もしくは、吐出口に連通した第1の液流路
と、液体に熱を加えることで該液体に気泡を発生させる
気泡発生領域を有する第2の液流路と、前記第1の液流
路と前記気泡発生領域との間に配され、吐出口側に自由
端を有し、前記気泡発生領域内での気泡の発生による圧
力に基づいて該自由端を前記第1の液流路側に変位させ
て前記圧力を前記第1の液流路の吐出口側に導く櫛歯状
の可動部材とを有する液体吐出ヘッド。
【0042】もしくは、液体を吐出するための複数の吐
出口と、それぞれの吐出口に対応して直接連通する複数
の第1の液流路を構成するための複数の溝と、前記複数
の第1の液流路に液体を供給するための第1の共通液室
を構成する凹部とを一体的に有する溝付き部材と、液体
に熱を与えることで液体に気泡を発生させるための複数
の発熱体が配された素子基板と、前記溝付き部材と該素
子基板との間に配され、前記発熱体に対応した第2の液
流路の壁の一部を構成すると共に、前記発熱体に面した
位置に前記気泡の発生に基づく圧力によって前記第1の
液流路側に変位する櫛歯状の可動部材を具備した分離壁
と、を有する液体吐出ヘッド。
【0043】もしくは、上述の液体吐出ヘッドと、該液
体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを
有するヘッドカートリッジ。
【0044】もしくは、上述の液体吐出ヘッドと、該液
体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供
給する駆動信号供給手段と、を有する液体吐出装置。
【0045】もしくは、上述の液体吐出ヘッドと、該液
体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒体を
搬送する被記録媒体搬送手段と、を有する液体吐出装
置。
【0046】もしくは、上述の液体吐出ヘッドと、該液
体吐出ヘッドに供給される液体を保持した液体容器と、
を内包したヘッドキット。
【0047】(作用)上述したような、極めて新規な吐
出原理に基づく本発明の液体吐出ヘッド等によると、発
生する気泡とこれによって変位する可動部材との相乗効
果を得ることができ、吐出口近傍の液体を効率よく吐出
できるため、従来のバブルジェット方式の吐出方法、ヘ
ッド等に比べて、吐出効率を向上できる。例えば本発明
の最も好ましい形態においては2倍以上という飛躍的な
吐出効率の向上を達成できた。
【0048】この発明の特徴的な構成によれば、低温や
低湿で長期放置を行った場合であっても不吐出になるこ
とを防止でき、仮に不吐出になっても、予備吐出や吸引
回復といった回復処理をわずかに行うだけで正常状態に
即座に復帰できる利点もある。
【0049】具体的には64個の吐出口を持つ従来のバ
ブルジェット方式のヘッドの大半が不吐出になるような
長期放置条件においても、本発明のヘッドでは約半分以
下の吐出口が吐出不良になるだけである。また、これら
のヘッドを予備吐出で回復した場合、各吐出口に対して
従来ヘッドで数千発の予備吐出を行う必要があったが、
本発明では100発程度の予備吐出で回復を行うだけで
十分であった。これは、回復時間の短縮や回復による液
体の損失を低減でき、ランニングコストも大幅に下げる
ことが可能であることを意味する。
【0050】また、特に本発明のリフィル特性を向上し
た構成によれば、連続吐出時の応答性、気泡の安定成
長、液滴の安定化を達成して、高速液体吐出による高速
記録また高画質記録を可能にすることができた。
【0051】また、本発明は可動部材を、支点側が一体
で自由端側が開放されてなる櫛歯状とした事により、天
板のみで第1の液流路と第2の液流路とを設けることが
でき、2液路の複雑な構造をなくすことができる。
【0052】また、可動部材を櫛歯形状にした事によ
り、液流路方向における位置決め精度の許容度を大きく
取ることができる。つまり、板にスリットをレーザ又は
カッティング等で形成することで板中に可動部材を形成
した場合は位置決め精度が悪いと可動部材の自由端の前
方(吐出口側)の余分な板材が気泡発生領域に対向して
吐出効率を低下させる虞れがあるが、本発明の可動部材
は前方に余分な板材がなく自由端側が開放されている為
に、液流路方向における位置決め精度が多少劣っていて
も吐出効率は良好である。さらに、自由端の前方(吐出
口側)の余分な板材を必要としないため、自由端の先端
を吐出口側に近付けることも容易であり、ノズル長さに
対する設計の自由度を拡大できる。
【0053】本発明のその他の効果については、各実施
例の記載から理解される。
【0054】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
【0055】気泡自体に関する「下流側」とは、主とし
て液滴の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出口側部
分を代表する。より具体的には気泡の中心に対して、上
記流れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、又は、
発熱体の面積中心より下流側の領域で発生する気泡を意
味する。
【0056】本発明でいう「分離壁」とは、広義では気
泡発生領域と吐出口に直接連通する領域とを区分するよ
うに介在する壁(可動部材を含んでもよい)を意味し、
狭義では気泡発生領域を含む流路を吐出口に直接連通す
る液流路とを区分し、それぞれの領域にある液体の混合
を防止するものを意味する。
【0057】さらに、本発明でいう「櫛歯」とは、可動
部材の支点部が共通部材になっており、自由端の前方が
開放されている形状を意味する。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0059】(第1の実施形態)まず本形態では、液体
を吐出するための、気泡に基づく圧力の伝搬方向や気泡
の成長方向を制御することで吐出力や吐出効率の向上を
図る場合の例を説明する。
【0060】図1は本発明の液体吐出ヘッドの第1の実
施形態を液流路方向で切断すると共に、吐出動作を段階
的に表した断面模式図であり、図2はこのような液体吐
出ヘッドの部分破断斜視図を示している。
【0061】本形態の液体吐出ヘッドは、液体を吐出す
るための吐出エネルギー発生素子として、液体に熱エネ
ルギーを作用させる発熱体2(本形態においては40μ
m×105μmの形状の発熱抵抗体)が素子基板1に設
けられており、この素子基板上に発熱体2に対応して液
流路10が配されている。液流路10は吐出口18に連
通していると共に、複数の液流路10に液体を供給する
ための共通液室13に連通しており、吐出口から吐出さ
れた液体に見合う量の液体をこの共通液室13から受け
取る。
【0062】この液流路10の素子基板上には、前述の
発熱体2に対向するように面して、金属等の弾性を有す
る材料で構成され、自由端側が開放され支点側が一体に
された櫛歯状の可動部材31が片持梁状に設けられてい
る。この可動部材の一端は液流路10の壁や素子基板上
に感光性樹脂などをパターニングして形成した土台(支
持部材)34等に固定されている。これによって、可動
部材は保持されると共に支点(支点部分)33を構成し
ている。
【0063】また、可動部材31を櫛歯状にすることに
より、簡易にかつ安価に作製することができ、土台34
に対してアライメントも容易にできる。
【0064】この可動部材31は、液体の吐出動作によ
って共通液室13から可動部材31を経て吐出口18側
へ流れる大きな流れの上流側に支点(支点部分;固定
端)33を持ち、この支点33に対して下流側に自由端
(自由端部分)32を持つように、発熱体2に面した位
置に発熱体2を覆うような状態で発熱体から15μm程
度の距離を隔てて配されている。この発熱体と可動部材
との間が気泡発生領域となる。なお発熱体、可動部材の
種類や形状および配置はこれに限られることなく、後述
するように気泡の成長や圧力の伝搬を制御しうる形状お
よび配置であればよい。本発明では自由端32の先端部
が幅を持っているため、気泡の発泡パワーを吐出口18
側へ導きやすい。なお、上述した液流路10は、後に取
り上げる液体の流れの説明のため、可動部材31を境に
して直接吐出口18に連通している部分である第1の液
流路14と、気泡発生領域11や液体供給路12を有す
る第2の液流路16との2つの領域に分けて説明する。
【0065】発熱体2を発熱させることで可動部材31
と発熱体2との間の気泡発生領域11の液体に熱を付与
し、液体にUSP4,723,129に記載されているような膜沸騰
現象に基づく気泡を発生させる。気泡の発生に基づく圧
力と気泡は可動部材に優先的に作用し、可動部材31は
図1(b)、(c)もしくは図2で示されるように支点
33を中心に吐出口側に大きく開くように変位する。可
動部材31の変位若しくは変位した状態によって気泡の
発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口側に
導かれる。またこのとき、自由端32の先端部が幅を持
っているため、気泡の発泡パワーを吐出口18側へ導き
やすい。
【0066】ここで、本発明の基本的な吐出原理の一つ
を説明する。本発明において最も重要な原理の1つは、
気泡に対面するように配された可動部材が気泡の圧力あ
るいは気泡自体に基づいて、定常状態の第1の位置から
変位後の位置である第2の位置へ変位し、この変位する
可動部材31によって気泡の発生に伴う圧力や気泡自身
を吐出口18が配された下流側へ導くことである。
【0067】この原理を、可動部材を用いない従来の液
流路構造を模式的に示した図3と本発明の図4とを比較
してさらに詳しく説明する。なおここでは吐出口方向へ
の圧力の伝搬方向をVA、上流側への圧力の伝搬方向を
Bとして示した。
【0068】図3で示されるような従来のヘッドにおい
ては、発生した気泡40による圧力の伝搬方向を規制す
る構成はない。このため気泡40の圧力伝搬方向はV1〜
V8のように気泡表面の垂線方向となり様々な方向を向い
ていた。このうち、特に液吐出に最も影響を及ぼすVA
方向に圧力伝搬方向の成分を持つものは、V1〜V4即ち気
泡のほぼ半分の位置より吐出口に近い部分の圧力伝搬の
方向成分であり、液吐出効率、液吐出力、吐出速度等に
直接寄与する重要な部分である。さらにV1は吐出方向V
Aの方向に最も近いため効率よく働き、逆にV4はVAに向
かう方向成分が比較的少ない。
【0069】これに対して、図4で示される本発明の場
合には、可動部材31が図3の場合のように様々な方向
を向いていた気泡の圧力伝搬方向V1〜V4を下流側(吐出
口側)へ導き、VAの圧力伝搬方向に変換するものであ
り、これにより気泡40の圧力が直接的に効率よく吐出
に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も
圧力伝搬方向V1〜V4と同様に下流方向に導かれ、上流よ
り下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向
自体を可動部材によって制御し、かつ気泡の圧力伝搬方
向を制御することで、吐出効率や吐出力また吐出速度等
の根本的な向上を達成することができる。
【0070】次に図1に戻って、本形態の液体吐出ヘッ
ドの吐出動作について詳しく説明する。
【0071】図1(a)は、発熱体2に電気エネルギー
等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体が
熱を発生する前の状態である。ここで重要なことは、可
動部材31が、発熱体の発熱によって発生した気泡に対
し、この気泡の少なくとも下流側部分に対面する位置に
設けられていることである。つまり、気泡の下流側が可
動部材に作用するように、液流路構造上では少なくとも
発熱体の面積中心3より下流(発熱体の面積中心3を通
って流路の長さ方向に直交する線より下流)の位置まで
可動部材31が配されている。
【0072】図1(b)は、発熱体2に電気エネルギー
等が印加されて発熱体2が発熱し、発生した熱によって
気泡発生領域11内を満たす液体の一部を加熱し、膜沸
騰に伴う気泡を発生させた状態である。
【0073】このとき可動部材31は気泡40の発生に
基づく圧力により、気泡40の圧力の伝搬方向を吐出口
方向に導くように第1位置から第2位置へ変位する。こ
こで重要なことは前述したように、可動部材31の自由
端32を下流側(吐出口側)に配置し、支点33を上流
側(共通液室側)に位置するように配置して、可動部材
の少なくとも一部を発熱体の下流部分すなわち気泡の下
流部分に対面させることである。
【0074】図1(c)は気泡40がさらに成長した状
態であるが、気泡40の発生に伴う圧力に応じて可動部
材31はさらに変位している。発生した気泡は上流より
下流に大きく成長すると共に可動部材の第1の位置(点
線位置)を越えて大きく成長している。このように気泡
40の成長に応じて可動部材31が徐々に変位して行く
ことで気泡40の圧力伝搬方向や堆積移動のしやすい方
向、すなわち自由端側への気泡の成長方向を吐出口に均
一的に向かわせることができることも吐出効率を高める
と考えられる。可動部材は気泡や発泡圧を吐出口方向へ
導く際もこの伝達の妨げになることはほとんどなく、伝
搬する圧力の大きさに応じて効率よく圧力の伝搬方向や
気泡の成長方向を制御することができる。また、自由端
32の先端部が幅を持っているため、気泡の発泡パワー
を吐出口18側へ導きやすい。
【0075】図1(d)は気泡40が、前述した膜沸騰
の後、気泡内部圧力の減少によって収縮し、消滅する状
態を示している。
【0076】第2の位置まで変位していた可動部材31
は、気泡の収縮による負圧と可動部材自身のばね性によ
る復元力によって図1(a)の初期位置(第1の位置)
に復帰する。また、消泡時には、気泡発生領域11での
気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体
積分を補うために上流側(B)、すなわち共通液室側か
らの流れVD1、VD2のように、また、吐出口側からの流
れVcのように液体が流れ込んでくる。
【0077】以上、気泡の発生に伴う可動部材の動作と
液体の吐出動作について説明したが、さらに本発明の液
体吐出ヘッドにおける液体のリフィルについて詳しく説
明する。
【0078】図1を用いて本発明における液供給メカニ
ズムをさらに詳しく説明する。
【0079】図1(c)の後、気泡40が最大体積の状
態を経て消泡過程に入ったときには、消泡した体積を補
う体積の液体が気泡発生領域に、第1液流路14の吐出
口18側と第2液流路16の共通液室側13から流れ込
む。可動部材31を持たない従来の液流路構造において
は、消泡位置に吐出口側から流れ込む液体の量と共通液
室から流れ込む液体の量は、気泡発生領域より吐出口に
近い部分と共通液室に近い部分との流抵抗の大きさに起
因する(流路抵抗と液体の慣性に基づくものであ
る。)。
【0080】このため、吐出口に近い側の流抵抗が小さ
い場合には、多くの液体が吐出口側から消泡位置に流れ
込みメニスカスの後退量が大きくなることになる。特
に、吐出効率を高めるために吐出口に近い側の流抵抗を
小さくして吐出効率を高めようとするほど、消泡時のメ
ニスカスMの後退が大きくなり、リフィル時間が長くな
って高速印字を妨げることとなっていた。
【0081】これに対して本形態は可動部材31を設け
たため、気泡の体積Wを可動部材31の第1位置を境に
上側をW1、気泡発生領域11側をW2とした場合、消
泡時に可動部材が元の位置に戻った時点でメニスカスの
後退は止まり、その後残ったW2の体積分の液体供給は
主に第2の液流路16の流れVD2からの液供給によって
成される。これにより、従来、気泡Wの体積の半分程度
に対応した量がメニスカスの後退量になっていたのに対
して、それより少ないW1の半分程度のメニスカス後退
量に抑えることが可能になった。
【0082】さらに、W2の体積分の液体供給は消泡時
の圧力を利用して可動部材31の発熱体側の面に沿っ
て、主に第2液流路の上流側(VD2)から強制的に行う
ことができるためより速いリフィルを実現できた。
【0083】ここで特徴的なことは、従来のヘッドで消
泡時の圧力を用いたリフィルを行った場合、メニスカス
の振動が大きくなってしまい画像品位の劣化につながっ
ていたが、本形態の高速リフィルにおいては可動部材に
よって吐出口側の第1液流路14の領域と、気泡発生領
域11との吐出口側での液体の流通が抑制されるためメ
ニスカスの振動を極めて少なくすることができることで
ある。
【0084】このように本発明は、第2の液流路16の
液供給路12を介しての発泡領域への強制リフィルと、
上述したメニスカス後退や振動の抑制によって高速リフ
ィルを達成することで、吐出の安定や高速繰り返し吐
出、また記録の分野に用いた場合、画質の向上や高速記
録を実現することができる。
【0085】本発明の構成においてはさらに次のような
有効な機能を兼ね備えている。それは、気泡の発生によ
る圧力の上流側への伝搬(バック波)を抑制することで
ある。発熱体2上で発生した気泡の内、共通液室13側
(上流側)の気泡による圧力は、その多くが、上流側に
向かって液体を押し戻す力(バック波)になっていた。
このバック波は、上流側の圧力と、それによる液移動
量、そして液移動に伴う慣性力を引き起こし、これらは
液体の液流路内へのリフィルを低下させ高速駆動の妨げ
にもなっていた。本発明においては、まず可動部材31
によって上流側へのこれらの作用を抑えることでもリフ
ィル供給性の向上をさらに図っている。
【0086】次に、本形態の更なる特徴的な構造と効果
について、以下に説明する。
【0087】本形態の第2の液流路16は、発熱体2の
上流に発熱体2と実質的に平坦につながる(発熱体表面
が大きく落ち込んでいない)内壁を持つ液体供給路12
を有している。このような場合、気泡発生領域11およ
び発熱体2の表面への液体の供給は、可動部材31の気
泡発生領域11に近い側の面に沿って、VD2のように行
われる。このため、発熱体2の表面上に液体が淀むこと
が抑制され、液体中に溶存していた気体の析出や、消泡
できずに残ったいわゆる残留気泡が除去され易く、ま
た、液体への蓄熱が高くなりすぎることもない。従っ
て、より安定した気泡の発生を高速に繰り返し行うこと
ができる。なお、本形態では実質的に平坦な内壁を持つ
液体供給路12を持つもので説明したが、これに限ら
ず、発熱体表面となだらかに繋がり、なだらかな内壁を
有する液供給路であればよく、発熱体上に液体の淀み
や、液体の供給に大きな乱流を生じない形状であればよ
い。
【0088】また、気泡発生領域への液体の供給は、可
動部材の側部を介してVD1から行われるものもある。し
かし、気泡発生時の圧力をさらに有効に吐出口に導くた
めに図1で示すように気泡発生領域の全体を覆う(発熱
体面を覆う)ように大きな可動部材を用い、可動部材3
1が第1の位置へ復帰することで、気泡発生領域11と
第1液流路14の吐出口に近い領域との液体の流抵抗が
大きくなるような形態の場合、前述のVD1から気泡発生
領域11に向かっての液体の流れが妨げられる。しか
し、本発明のヘッド構造においては、気泡発生領域に液
体を供給するための流れVD1があるため、液体の供給性
能が非常に高くなり、可動部材31で気泡発生領域11
を覆うような吐出効率向上を求めた構造を採っても、液
体の供給性能を落とすことがない。
【0089】ところで、可動部材31の自由端32と支
点33の位置は、例えば図5で示されるように、自由端
が相対的に支点より下流側にある。このような構成のた
め、前述した発泡の際に気泡の圧力伝搬方向や成長方向
を吐出口側に導く等の機能や効果を効率よく実現できる
のである。さらに、この位置関係は吐出に対する機能や
効果のみならず、液体の供給の際にも液流路10を流れ
る液体に対する流抵抗を小さくしでき高速にリフィルで
きるという効果を達成している。これは図5に示すよう
に、吐出によって後退したメニスカスMが毛管力により
吐出口18へ復帰する際や、消泡に対しての液供給が行
われる場合に、液流路10(第1液流路14、第2液流
路16を含む)内を流れる流れS1、S2、S3に対し、
逆らわないように自由端と支点33とを配置しているた
めである。
【0090】補足すれば、本形態の図1においては、前
述のように可動部材31の自由端32が、発熱体2を上
流側領域と下流側領域とに2分する面積中心3(発熱体
の面積中心(中央)を通り液流路の長さ方向に直交する
線)より下流側の位置に対向するように発熱体2に対し
て延在している。これによって発熱体の面積中心位置3
より下流側で発生する液体の吐出に大きく寄与する圧
力、又は気泡を可動部材31が受け、この圧力及び気泡
を吐出口側に導くことができ、吐出効率や吐出力を根本
的に向上させることができる。
【0091】さらに、加えて上記気泡の上流側をも利用
して多くの効果を得ている。
【0092】また、本形態の構成においては可動部材3
1の自由端が瞬間的な機械的変位を行っていることも、
液体の吐出に対して有効に寄与していると考えられる。
【0093】また、自由端32の先端部が幅を持ってい
るため、気泡の発泡パワーを吐出口18側へ導きやすい
効果がある。
【0094】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。
【0095】本形態においても主たる液体の吐出原理に
ついては先の実施形態と同じであるが、本形態において
は液流路を複流路構成にすることで、さらに熱を加える
ことで発泡させる液体(発泡液)と、主として吐出され
る液体(吐出液)とを分けることができるものである。
【0096】図6は、本発明の液体吐出ヘッドの第2の
実施形態の流路方向の断面模式図を示している。同図
(b)は図(a)のA−A線断面図、図(d)は図
(c)のB−B線断面図である。
【0097】本形態の液体吐出ヘッドは、液体に気泡を
発生させるための熱エネルギーを与える発熱体2が設け
られた素子基板1上に、発泡用の第2液流路16があ
り、その上に吐出口18に直接連通した吐出液用の第1
液流路14が配されている。第1液流路の上流側は、複
数の第1液流路に吐出液を供給するための第1共通液室
15に連通しており、第2液流路の上流側は、複数の第
2液流路に発泡液を供給するための第2共通液室に連通
している。
【0098】但し、発泡液と吐出液を同じ液体とする場
合には、共通液室を一つにして共通化させてもよい。
【0099】第1と第2の液流路の間には、金属等の弾
性を有する材料で構成された分離壁30が配されてお
り、第1液流路の共通液室15と第2の液流路の共通液
室17とを区分している。なお、発泡液と吐出液とがで
きる限り混ざり合わない方がよい液体の場合には、この
分離壁によってできる限り完全に第1液流路14と第2
液流路16の液体の流通を分離した方がよいが、発泡液
と吐出液とがある程度混ざり合っても、問題がない場合
には、分離壁に完全分離の機能を持たせなくてもよい。
【0100】発熱体の面上方への投影空間(以下、吐出
圧発生領域という。;図6中のAの領域とBの気泡発生
領域11)に位置する部分の分離壁は櫛歯形状になって
おり、吐出口側(液体の流れの下流側)が自由端で、共
通液室(15、17)側に支点33が位置する片持梁形
状の可動部材31となっている。この可動部材31は、
気泡発生領域11(B)に面して配されているため、発
泡液の発泡によって第1液流路側の吐出口側に向けて開
口するように動作する。また、前記自由端の先端部が幅
を持っているため、気泡の発泡パワーを吐出口側へ導き
やすい。可動部材31は図6(a)の状態では第1液流
路と第2液流路の流通をできる限り完全に分離してい
る。
【0101】可動部材31の支点33、自由端32の配
置と、発熱体との配置の関係については、先の実施形態
と同様にしている。
【0102】また、先の実施形態で液供給路12と発熱
体2との構造の関係について説明したが、本形態におい
ても第2液流路16と発熱体2との構造の関係を同じく
している。
【0103】次に、図6を用いて本形態の液体吐出ヘッ
ドの動作を説明する。
【0104】ヘッドを駆動させるにあたっては、第1液
流路14に供給される吐出液と第2の液流路16に供給
される発泡液として同じ水系のインクを用いて動作させ
た。発熱体2が駆動されて発生した熱が、第2液流路の
気泡発生領域内の発泡液に作用することで、先の実施形
態で説明したのと同様に発泡液にUSP4,723,129に記載さ
れているような膜沸騰現象に基づく気泡40を発生させ
る。
【0105】本形態においては、気泡発生領域の上流側
を除く、3方からの発泡圧の逃げがないため、この気泡
発生にともなう圧力が吐出圧発生部に配された可動部材
31側に集中して伝搬し、気泡の成長をともなって可動
部材31が図6(a)の状態から図6(b)のように第
1液流路側に変位する。この可動部材の動作によって第
1液流路14と第2液流路16とが大きく連通し、気泡
の発生に基づく圧力が第1液流路の吐出口側の方向(A
方向)に主に伝わる。このとき、自由端の先端部が幅を
持っているため、気泡の発泡パワーを吐出口18側へ導
きやすい。この圧力の伝搬と、前述のような可動部材の
機械的変位によって液体が吐出口から吐出される。
【0106】次に、気泡が収縮するに伴って可動部材3
1が図6(a)の位置まで戻ると共に、第1液流路14
では、吐出された吐出液体の量に見合う量の吐出液体が
上流側から供給される。本形態においても、この吐出液
体の供給は前述の実施例と同様に可動部材が閉じる方向
であるため、吐出液体のリフィルを可動部材で妨げるこ
とがない。
【0107】本形態は、可動部材の変位に伴う発泡圧力
の伝搬、気泡の成長方向、バック波の防止等に関する主
要部分の作用や効果については先の第1実施形態等と同
じであるが、本形態のような2流路構成をとることによ
って、さらに次のような長所がある。
【0108】すなわち、上述の実施形態の構成による
と、吐出液と発泡液とを別液体とし、発泡液の発泡で生
じた圧力によって吐出液を吐出することができる。この
ため従来、熱を加えても発泡が十分に行われにくく吐出
力が不十分であったポリエチレングリコール等の高粘度
の液体であっても、この液体を第1の液流路に供給し、
発泡液に発泡が良好に行われる液体(エタノール:水=
4:6の混合液1〜2cP程度等)や低沸点の液体を第
2の液流路に供給することで良好に吐出させることがで
きる。
【0109】また、発泡液として、熱を受けても発熱体
の表面にコゲ等の堆積物を生じない液体を選択すること
で、発泡を安定化し、良好な吐出を行うことができる。
【0110】さらに、本発明のヘッドの構造においては
先の実施形態で説明したような効果をも生じるため、さ
らに高吐出効率、高吐出力で高粘性液体等の液体を吐出
することができる。
【0111】また、加熱に弱い液体の場合においてもこ
の液体を第1の液流路に吐出液として供給し、第2の液
流路で熱的に変質しにくく良好に発泡を生じる液体を供
給すれば、加熱に弱い液体に熱的な害を与えることな
く、しかも上述のように高吐出効率、高吐出力で吐出す
ることができる。
【0112】(その他の実施形態)以上、本発明の液体
吐出ヘッドや液体吐出方法の要部の実施形態について説
明を行ったが、以下にこれらの実施例に好ましく適用で
きる実施態様例について図面を用いて説明する。但し、
以下の説明においては前述の1流路形態の実施形態と2
流路形態の実施形態のいずれかを取り上げて説明する場
合があるが特に記載しない限り、両形態に適用しうるも
のである。
【0113】<液流路の天井形状>図7は本発明の液体
吐出ヘッドの他の実施形態の流路方向断面図であるが、
第1の液流路14(若しくは図1における液流路10)
を構成するための溝が設けられた溝付き部材50が分離
壁30上に設けられている。本形態においては可動部材
31の自由端32位置近傍の流路天井の高さが高くなっ
ており、可動部材31の動作角度θをより大きく取れる
ようにしている。この可動部材31の動作範囲は、液流
路の構造、可動部材の耐久性や発泡力等を考慮して決定
すればよいが、吐出口の軸方向の角度を含む角度まで動
作することが望ましいと考えられる。
【0114】また、この図で示されるように吐出口の直
径より可動部材の自由端の変位高さを高くすることで、
より十分な吐出力の伝達が成される。また、この図で示
されるように、可動部材31の自由端32位置の液流路
天井の高さより可動部材31の支点33位置の液流路天
井の高さの方が低くなっているため、可動部材の変位よ
る上流側への圧力波の逃げがさらに有効に防止できる。
【0115】<第2液流路と可動部材との配置関係>図
8は、上述の可動部材31と第2の液流路16との配置
関係を説明するための図であり、同図(a)は分離壁3
0、可動部材31近傍を上方から見た図であり、同図
(b)は、分離壁30を外した第2液流路16を上方か
ら見た図である。そして、同図(c)は、可動部材31
と第2液流路16との配置関係を、これらの各要素を重
ねることで模式的に示した図である。なお、いずれの図
も図面下方が吐出口が配されている前面側である。
【0116】本形態の第2の液流路16は発熱体2の上
流側(ここでの上流側とは第2共通液室側から発熱体位
置、可動部材、第1流路を経て吐出口に向う大きな流れ
の中の上流側のことである。)に狭窄部19を持ってお
り、発泡時の圧力が第2液流路16の上流側に容易に逃
げることを抑制するような室(発泡室)構造となってい
る。
【0117】従来のヘッドのように、発泡する流路と液
体を吐出するための流路とが同じで、発熱体より液室側
に発生した圧力が共通液室側に逃げないように狭窄部を
設けるヘッドの場合には、液体のリフィルを充分考慮し
て、狭窄部における流路断面積があまり小さくならない
構成を採る必要があった。
【0118】しかし、本形態の場合、吐出される液体の
多くを第1液流路内の吐出液とすることができ、発熱体
が設けられた第2液流路内の発泡液はあまり消費されな
いようにできるため、第2液流路の気泡発生領域11へ
の発泡液の充填量は少なくて良い。従って、上述の狭窄
部19における間隔を数μm〜十数μmと非常に狭くで
きるため、第2の液流路で発生した発泡時の圧力をあま
り周囲に逃がすことをさらに抑制でき、集中して可動部
材側に向けることができる。そしてこの圧力を可動部材
31を介して吐出力として利用することができるため、
より高い吐出効率、吐出力を達成することができる。た
だ、第2の液流路16の形状は上述の構造に限られるも
のではなく、気泡発生に伴う圧力が効果的に可動部材側
に伝えられる形状であれば良い。
【0119】なお、図8(C)で示されるように可動部
材31の側方は、第2液流路を構成する壁の一部を覆っ
ており、このことで、可動部材31の第2液流路への落
ち込みが防止できる。これによって、前述した吐出液と
発泡液との分離性をさらに高めることができる。また、
気泡のスリットからの逃げの抑制ができるため、さらに
吐出圧や吐出効率を高めることができる。さらに、前述
の消泡時の圧力による上流側からのリフィルの効果を高
めることができる。
【0120】なお、図6(b)や図7においては、可動
部材31の第1の液流路14側への変位に伴って第2の
液流路4の気泡発生領域で発生した気泡の一部が第1の
液流路14側に延在しているが、この様に気泡が延在す
るような第2の液流路の高さにすることで、気泡が延在
しない場合に比べ更に吐出力を向上させることができ
る。この様に気泡が第1の液流路14に延在するように
するためには、第2の液流路16の高さを最大気泡の高
さより低くすることが望ましく、この高さを数μm〜3
0μmとすることが望ましい。なお、本形態においては
この高さを15μmとした。
【0121】<可動部材および分離壁>図9は可動部材
31の他の形状を示すもので、同図(a)は長方形の形
状であり、(b)は支点側が細くなっている形状で可動
部材の動作が容易な形状であり、同図(c)は支点側が
広くなっており、可動部材の耐久性が向上する形状であ
る。これらは可動部材の支点33側がいずれも共通部材
にされ、かつ自由端32の前方が開放されている櫛歯状
のものであるため、天板のみで第1の液流路と第2の液
流路とを設けることができ、また、液流路方向における
位置決め精度の許容度を大きく取ることができ、その結
果、簡易にかつ安価に作製することができる。
【0122】先の実施形態においては、櫛歯状の可動部
材31およびこの可動部材を有する分離壁30は厚さ5
μmのニッケルで構成したが、これに限られることなく
可動部材、分離壁を構成する材質としては発泡液と吐出
液に対して耐溶剤性があり、可動部材として良好に動作
するための弾性を有する。
【0123】可動部材の材料としては、耐久性の高い、
銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニュウム、白
金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、および
その合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等のア
ミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキシ
ル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を
持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹脂、
そのほか液晶ポリマー等の樹脂およびその化合物、耐イ
ンク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッケ
ル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金および
耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングした
もの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹脂、
ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン等のケトン基を有する樹脂、ポリイ
ミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール樹脂等の水
酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル基を有する
樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ樹脂、エポ
キシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂等の
アミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチロール基を
持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化珪素等のセラ
ミックおよびその化合物が望ましい。
【0124】分離壁の材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リブタジエン、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリ
イミド、ポリサルフォン、液晶ポリマー(LCP)等の
近年のエンジニアリングプラスチックに代表される耐熱
性、耐溶剤性、成型性の良好な樹脂、およびその化合
物、もしくは、二酸化珪素、チッ化珪素、ニッケル、
金、ステンレス等の金属、合金およびその化合物、もし
くは表面にチタンや金をコーティングしたものが望まし
い。
【0125】また、分離壁の厚さは、分離壁としての強
度を達成でき、可動部材として良好に動作するという観
点からその材質と形状等を考慮して決定すればよいが、
0.5μm〜10μm程度が望ましい。
【0126】上述のように、発泡液と吐出液とに機能分
離させた場合、可動部材がこれらの実質的な仕切部材と
なる。この可動部材が気泡の生成に伴って移動する際に
吐出液に対して発泡液がわずかに混入することが見られ
る。画像を形成する吐出液は、インクジェット記録の場
合、色材濃度を3%乃至5%程度有するものが一般的で
あることを考慮すると、この発泡液が吐出液滴に対して
20%以下の範囲で含まれても大きな濃度変化をもたら
さない。従って、このような混液としては、吐出液滴に
対して20%以下となるような発泡液と吐出液との混合
を本発明に含むものとする。
【0127】尚、上記構成例の実施では、粘性を変化さ
せても上限で15%の発泡液の混合であり、5cps以
下の発泡液では、この混合比率は、駆動周波数にもよる
が、10%程度を上限とするものであった。
【0128】特に、吐出液の粘度を20cps以下にす
ればする程、この混液は低減(例えば5%以下)でき
る。
【0129】次に、このヘッドにおける発熱体と可動部
材の配置関係について、図を用いて説明する。ただし、
可動部材と発熱体の形状および寸法,数は、以下に限定
されるものではない。発熱体と可動部材の最適な配置に
よって、発熱体による発泡時の圧力を吐出圧として有効
に利用することが可能となる。
【0130】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆ
るバブルジェット記録方法の従来技術においては、図1
0に示すように、発熱体面積とインク吐出量は比例関係
にあるが、インク吐出に寄与しない非発泡有効領域Sが
存在していることがわかる。また、発熱体上のコゲの様
子から、この非発泡有効領域Sが発熱体の周囲に存在し
ていることがわかる。これらの結果から、発熱体周囲の
約4μm幅は、発泡に関与されていないとされている。
【0131】<素子基板>以下に液体に熱を与えるため
の発熱体が設けられた素子基板の構成について説明す
る。
【0132】図11は本発明の液体吐出ヘッドの他の実
施形態の縦断面図を示したもので、同図(a)は後述す
る保護膜があるヘッド、同図(b)は保護膜がないもの
である。
【0133】素子基板1上に第2液流路16、分離壁3
0、第1液流路14、第1液流路を構成する溝を設けた
溝付き部材50が配されている。
【0134】素子基板1には、シリコン等の基体107
に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜またはチ
ッ化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体を構成
するハフニュウムボライド(HfB2)、チッ化タンタ
ル(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気抵
抗層105(0.01〜0.2μm厚)とアルミニュウ
ム等の配線電極(0.2〜1.0μm厚)をパターニン
グして成る。この2つの配線電極104から抵抗層10
5に電圧を印加し、抵抗層に電流を流し発熱させる。配
線電極間の抵抗層上には、酸化シリコンやチッ化シリコ
ン等の保護層103が0.1〜2.0μm厚で形成さ
れ、さらにその上にタンタル等の耐キャビテーション層
(0.1〜0.6μm厚)102が成膜され、これによ
り、インク等の各種の液体から抵抗層105が保護され
ている。
【0135】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層として用いられる。
【0136】また、液体、液流路構成、抵抗材料の組み
合わせにより、発熱体上に上述の保護層を必要としない
構成でもよくその例を図11(b)に示す。このような
保護層を必要としない抵抗層の材料としてはイリジュウ
ム−タンタル−アルミ合金等が挙げられる。
【0137】このように、前述の各実施形態における発
熱体の構成としては、前述の電極間の抵抗層(発熱部)
だけででもよく、また抵抗層を保護する保護層を含むも
のでもよい。
【0138】本形態においては、発熱体として電気信号
に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有するも
のを用いたが、これに限られることなく、吐出液を吐出
させるのに十分な気泡を発泡液に生じさせるものであれ
ばよい。例えば、発熱部としてレーザ等の光を受けるこ
とで発熱するような光熱変換体や高周波を受けることで
発熱するような発熱部を有する発熱体でもよい。
【0139】なお、前述の素子基板1には、前述の発熱
部を構成する抵抗層105とこの抵抗層に電気信号を供
給するための配線電極104で構成される電気熱変換体
の他に、この電気熱変換素子を選択的に駆動するための
トランジスタ、ダイオード、ラッチ、シフトレジスタ等
の機能素子が一体的に半導体製造工程によって作り込ま
れていてもよい。
【0140】また、前述のような素子基板1に設けられ
ている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出する
ためには、前述の抵抗層105に配線電極104を介し
て図12で示されるような矩形パルスを印加し、配線電
極間の抵抗層105を急峻に発熱させる。前述の各実施
例のヘッドにおいては、それぞれ電圧24V、パルス幅
7μsec、電流150mA、電気信号を6kHzで加
えることで発熱体を駆動させ、前述のような動作によっ
て、吐出口から液体であるインクを吐出させた。しかし
ながら、駆動信号の条件はこれに限られることなく、発
泡液を適正に発泡させることができる駆動信号であれば
よい。
【0141】<2流路構成のヘッド構造>以下に、第
1、第2の共通液室に異なる液体を良好に分離して導入
でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能とする
液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
【0142】図13は、このような液体吐出ヘッドの構
造を示す模式図であり、先の実施例と同じ構成要素につ
いては同じ符号を用いており、詳しい説明はここでは省
略する。
【0143】本形態においては、溝付き部材50は、吐
出口18を有するオリフィスプレート51と、複数の第
1液流路14を構成する複数の溝と、複数の液流路14
に共通して連通し、各第1の液流路14に液体(吐出
液)を供給するための第1の共通液室15を構成する凹
部とから概略構成されている。
【0144】この溝付部材50の下側部分に分離壁30
を接合することにより複数の第1液流路14を形成する
ことができる。このような溝付部材50は、その上部か
ら第1共通液室15内に到達する第1液体供給路20を
有している。また、溝付部材50は、その上部から分離
壁30を突き抜けて第2共通液室17内に到達する第2
の液体供給路21を有している。
【0145】第1の液体(吐出液)は、図13の矢印C
で示すように、第1液体供給路20を経て、第1の共通
液室15、次いで第1の液流路14に供給され、第2の
液体(発泡液)は、図13の矢印Dで示すように、第2
液体供給路21を経て、第2共通液室17、次いで第2
液流路16に供給されるようになっている。
【0146】本形態例では、第2液体供給路21は、第
1液体供給路20と平行して配されているが、これに限
ることはなく、第1共通液室15の外側に配された分離
壁30を貫通して、第2共通液室17に連通するように
形成されればどのように配されてもよい。
【0147】また、第2液体供給路21の太さ(直径)
に関しては、第2液体の供給量を考慮して決められる。
第2液体供給路21の形状は丸形状である必要はなく、
矩形状等でもよい。
【0148】また、第2共通液室17は、溝付部材50
を分離壁30で仕切ることによって形成することができ
る。形成の方法としては、図14で示す本形態の分解斜
視図のように、素子基板上にドライフィルムで共通液室
枠と第2液路壁を形成し、分離壁を固定した溝付部材5
0と分離壁30との結合体と素子基板1とを貼り合わせ
ることにより第2共通液室17や第2液流路16を形成
してもよい。
【0149】本形態例では、アルミニュウム等の金属で
形成された支持体上に、前述のように、発泡液に対して
膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発生する発熱
体としての電気熱変換素子が複数設けられた素子基板1
が配されている。
【0150】この素子基板1上には、液路壁により形成
された第2の液流路16を構成する複数の溝と、複数の
発泡液流路に連通し、それぞれの発泡液路に発泡液を供
給するための第2共通液室(共通発泡液室)17を構成
する凹部と、前述した可動部材31が設けられた分離壁
30とが配されている。
【0151】符号50は、溝付部材である。この溝付部
材は、分離壁30と接合されることで吐出液流路(第1
液流路)14を構成する溝と、吐出液流路に連通し、そ
れぞれの吐出液流路に吐出液を供給するための第1の共
通液室(共通吐出液室)15を構成するための凹部と、
第1共通液室に吐出液を供給するための第1供給路(吐
出液供給路)20と、第2の共通液室17に発泡液を供
給するための第2の供給路(発泡液供給路)21とを有
している。第2の供給路21は、第1の共通液室15の
外側に配された分離壁30を貫通して第2の共通液室1
7に連通する連通路に繋がっており、この連通路によっ
て吐出液と混合することなく発泡液を第2の共通液室1
5に供給することができる。
【0152】なお、素子基板1、分離壁30、溝付天板
50の配置関係は、素子基板1の発熱体に対応して可動
部材31が配置されており、この可動部材31に対応し
て吐出液流路14が配されている。また、本形態例で
は、第2の供給路を1つ溝付部材に配した例を示した
が、供給量に応じて複数設けてもよい。さらに吐出液供
給路20と発泡液供給路21の流路断面積は供給量に比
例して決めればよい。このような流路断面積の最適化に
より溝付部材50等を構成する部品をより小型化するこ
とも可能である。
【0153】以上説明したように本形態によれば、第2
液流路に第2液体を供給する第2の供給路と、第1液流
路に第1液体を供給する第1の供給路とが同一の溝付部
材としての溝付天板からなることにより部品点数が削減
でき、工程の短縮化とコストダウンが可能となる。
【0154】また第2液流路に連通した第2の共通液室
への、第2液体の供給は、第1液体と第2液体を分離す
る分離壁を突き抜ける方向で第2液流路によって行なわ
れる構造であるため、前記分離壁と溝付部材と発熱体形
成基板との貼り合わせ工程が1度で済み、作りやすさが
向上すると共に、貼り合わせ精度が向上し、良好に吐出
することができる。
【0155】また、第2液体は、分離壁を突き抜けて第
2液体共通液室へ供給されるため、第2液流路に第2液
体の供給が確実となり、供給量が十分確保できるため、
安定した吐出が可能となる。
【0156】<吐出液体、発泡液体>先の実施形態で説
明したように本発明においては、前述のような可動部材
を有する構成によって、従来の液体吐出ヘッドよりも高
い吐出力や吐出効率でしかも高速に液体を吐出すること
ができる。本形態の内、発泡液と吐出液とに同じ液体を
用いる場合には、発熱体から加えられる熱によって劣化
せずに、また加熱によって発熱体上に堆積物を生じにく
く、熱によって気化、凝縮の可逆的状態変化を行うこと
が可能であり、さらに液流路や可動部材や分離壁等を劣
化させない液体であれば種々の液体を用いることができ
る。
【0157】このような液体の内、記録を行う上で用い
る液体(記録液体)としては従来のバブルジェット装置
で用いられていた組成のインクを用いることができる。
【0158】一方、本発明の2流路構成のヘッドを用
い、吐出液と発泡液を別液体とした場合には、発泡液と
して前述のような性質の液体を用いればよく、具体的に
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、トリクレ
ン、フレオンTF、フレオンBF、エチルエーテル、ジ
オキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、
アセトン、メチルエチルケトン、水等およびこれらの混
合物が挙げられる。
【0159】吐出液としては、発泡性の有無、熱的性質
に関係なく様々な液体を用いることができる。また、従
来吐出が困難であった発泡性が低い液体、熱によって変
質、劣化しやすい液体や高粘度液体等であっても利用で
きる。
【0160】ただし、吐出液の性質として吐出液自身、
又は発泡液との反応によって、吐出や発泡また可動部材
の動作等を妨げるような液体でないことが望まれる。
【0161】記録用の吐出液体としては、高粘度インク
等をも利用することができる。その他の吐出液体として
は、熱に弱い医薬品や香水等の液体を利用することもで
きる。
【0162】本発明においては、吐出液と発泡液の両方
に用いることができる記録液体として以下のような組成
のインクを用いて記録を行ったが、吐出力の向上によっ
てインクの吐出速度が高くなったため、液滴の着弾精度
が向上し非常に良好な記録画像を得ることができた。
【0163】
【外1】 また、発泡液と吐出液に以下で示すような組成の液体を
組み合わせて吐出させて記録を行った。その結果、従来
のヘッドでは吐出が困難であった十数cps粘度の液体
はもちろん150cPという非常に高い粘度の液体でさ
えも良好に吐出でき、高画質な記録物を得ることができ
た。
【0164】
【外2】 ところで、前述したような従来吐出されにくいとされて
いた液体の場合には、吐出速度が低いために、吐出方向
性のバラツキが助長され記録紙上のドットの着弾精度が
悪く、また吐出不安定による吐出量のバラツキが生じこ
れらのことで、高品位画像が得にくかった。しかし、上
述の実施例の構成においては、気泡の発生を発泡液を用
いることで充分に、しかも安定して行うことができる。
このことで、液滴の着弾精度向上とインク吐出量の安定
化を図ることができ記録画像品位を著しく向上すること
ができた。
【0165】<液体吐出ヘッドの製造>次に、本発明の
液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
【0166】図2で示したような液体吐出ヘッドの場合
には、素子基板1上に可動部材31を設けるための土台
34をドライフィルム等をパターニングすることで形成
し、この土台34に可動部材31を接着、もしくは溶着
固定した。その後、各液流路10を構成する複数の溝と
吐出口18と共通液室13を構成する凹部を有する溝付
部材を、溝と可動部材が対応するような状態で素子基板
1に接合することで形成した。
【0167】このようなヘッドの製造において、本発明
は可動部材を、支点側が一体で自由端側が開放されてな
る櫛歯状とした事により、天板のみで第1の液流路と第
2の液流路とを設けることができ、2液路の複雑な構造
をなくすことができる。
【0168】また、可動部材を櫛歯形状にした事によ
り、液流路方向における位置決め精度の許容度を大きく
取ることができる。つまり、板にスリットをレーザ又は
カッティング等で形成することで板中に櫛歯状の可動部
材を形成した場合は図15(a)に示すように位置決め
精度が悪いと可動部材の自由端の前方(吐出口側)の余
分な板材が気泡発生領域に対向して吐出効率を低下させ
る虞れがあるが、本発明の可動部材は自由端側が開放さ
れている為に、図15(b)に示すように液流路方向に
おける位置決め精度が多少劣っていても吐出効率は良好
である。さらに、自由端の前方(吐出口側)の余分な板
材を必要としないため、図15(c)に示すように自由
端の先端を吐出口側に近付けることも容易であり、ノズ
ル長さに対する設計の自由度を拡大できる。
【0169】<液体吐出ヘッドカートリッジ>次に、上
記の形態例に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出ヘ
ッドカートリッジを概略説明する。
【0170】図16は、前述した液体吐出ヘッドを含む
液体吐出ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であ
り、液体吐出ヘッドカートリッジは、主に液体吐出ヘッ
ド部200と液体容器80とから概略構成されている。
【0171】液体吐出ヘッド部200は、素子基板1、
分離壁30、溝付部材50、押さえバネ78、液体供給
部材90、支持体70等から成っている。素子基板1に
は、前述のように発泡液に熱を与えるための発熱抵抗体
が、複数個、列状に設けられており、また、この発熱抵
抗体を選択的に駆動するための機能素子が複数設けられ
ている。この素子基板1と可動壁を持つ前述の分離壁3
0との間に発泡液路が形成され発泡液が流通する。この
分離壁30と溝付天板50との接合によって、吐出され
る吐出液体が流通する吐出流路(不図示)が形成され
る。
【0172】押さえバネ78は、溝付部材50に素子基
板1方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢
力により素子基板1、分離壁30、溝付部材50と、後
述する支持体70とを良好に一体化させている。
【0173】支持体70は、素子基板1等を支持するた
めのものであり、この支持体70上にはさらに素子基板
1に接続し電気信号を供給するための回路基板71や、
装置側と接続することで装置側と電気信号のやりとりを
行うためのコンタクトパッド72が配置されている。
【0174】液体容器90は、液体吐出ヘッドに供給さ
れる、インク等の吐出液体と気泡を発生させるための発
泡液とを内部に区分収容している。液体容器90の外側
には、液体吐出ヘッドと液体容器との接続を行う接続部
材を配置するための位置決め部94と接続部を固定する
ための固定軸95が設けられている。吐出液体の供給
は、液体容器の吐出液体供給路92から接続部材の供給
路84を介して液体供給部材80の吐出液体供給路81
に供給され、各部材の吐出液体供給路83,71,21
を介して第1の共通液室に供給される。発泡液も同様
に、液体容器の供給路93から接続部材の供給路を介し
て液体供給部材80の発泡液供給路82に供給され、各
部材の発泡液体供給路84,71,22を介して第2液
室に供給される。
【0175】以上の液体吐出ヘッドカートリッジにおい
ては、発泡液と吐出液が異なる液体である場合も、供給
を行いうる供給形態および液体容器で説明したが、吐出
液体と発泡液体とが同じである場合には、発泡液と吐出
液の供給経路および容器を分けなくてもよい。
【0176】なお、この液体容器には、各液体の消費後
に液体を再充填して使用してもよい。このためには液体
容器に液体注入口を設けておくことが望ましい。又、液
体吐出ヘッドと液体容器とは一体であってもよく、分離
可能としてもよい。
【0177】<液体吐出装置>図17は、前述の液体噴
射ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示してい
る。本形態では特に吐出液体としてインクを用いたイン
ク吐出記録装置を用いて説明する液体吐出装置のキャリ
ッジHCは、インクを収容する液体タンク部90と液体
吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッジ
を搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記録
紙等の被記録媒体150の幅方向に往復移動する。
【0178】不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ
上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号
に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒体に対して記録液
体が吐出される。
【0179】また、本形態の液体吐出装置においては、
被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動
源としてのモータ111、駆動源からの動力をキャリッ
ジに伝えるためのギア112,113、キャリッジ軸8
5等を有している。この記録装置及びこの記録装置で行
う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体に対して液
体を吐出することで良好な画像の記録物を得ることがで
きた。
【0180】図18は、本発明の液体吐出方法および液
体吐出ヘッドを適用したインク吐出記録を動作させるた
めの装置全体のブロック図である。
【0181】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インタフェイス301に一時保存されると
同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘ
ッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力され
る。CPU302はROM303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、
印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0182】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モー
タを駆動するための駆動データを作る。画像データおよ
びモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、
モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動
モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミン
グで駆動され画像を形成する。
【0183】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0184】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0185】またこれらの液体吐出装置に用いる吐出液
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
【0186】<記録システム>次に、本発明の液体吐出
ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に対して記録
を行う、インクジェット記録システムの一例を説明す
る。
【0187】図19は、前述した本発明の液体吐出ヘッ
ド201を用いたインクジェット記録システムの構成を
説明するための模式図である。本形態における液体吐出
ヘッドは、被記録媒体150の記録可能幅に対応した長
さに360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルライ
ン型のヘッドであり、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4色に対応
した4つのヘッドをホルダ202によりX方向に所定の
間隔を持って互いに平行に固定支持されている。
【0188】これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号
供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供
給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動が成され
る。
【0189】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,
Bkの4色のインクがそれぞれ204a〜204dのイ
ンク容器から供給されている。なお、符号204eは発
泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘ
ッドに発泡液が供給される構成になっている。
【0190】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0191】符号206は、先の各実施形態で説明した
ような各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構
成する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロ
ーラにより所定の経路に引き回されており、モータドラ
イバ305に接続された駆動用ローラにより駆動され
る。
【0192】本形態のインクジェット記録システムにお
いては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の処
理を行う前処理装置251および後処理装置252をそ
れぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けている。
【0193】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、先着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
【0194】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0195】なお、本形態では、ヘッドとしてフルライ
ンヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述した
ような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して記
録を行う形態のものであってもよい。
【0196】<ヘッドキット>以下に、本発明の液体吐
出ヘッドを有するヘッドキットを説明する。図20は、
このようなヘッドキットを示した模式図であり、このヘ
ッドキットは、インクを吐出するインク吐出部511を
有する本発明のヘッド510と、このヘッドと不可分も
しくは分離可能な液体容器であるインク容器520と、
このインク容器にインクを充填するためのインクを保持
したインク充填手段とを、キット容器501内に納めた
ものである。
【0197】インクを消費し終わった場合には、インク
容器の大気連通口521やヘッドとの接続部や、もしく
はインク容器の壁に開けた穴などに、インク充填手段の
挿入部(注射針等)531の一部を挿入し、この挿入部
を介してインク充填手段内のインクをインク容器内に充
填すればよい。
【0198】このように、本発明の液体吐出ヘッドと、
インク容器やインク充填手段等を一つのキット容器内に
納めてキットにすることで、インクが消費されてしまっ
ても前述のようにすぐに、また容易にインクをインク容
器内に充填することができ、記録の開始を迅速に行うこ
とができる。
【0199】なお、本形態のヘッドキットでは、インク
充填手段が含まれるもので説明を行ったが、ヘッドキッ
トとしては、インク充填手段を持たず、インクが充填さ
れた分離可能タイプのインク容器とヘッドとがキット容
器510内に納められている形態のものであってもよ
い。
【0200】また、この図20では、インク容器に対し
てインクを充填するインク充填手段のみを示している
が、インク容器の他に発泡液を発泡液容器に充填するた
めの発泡液充填手段をキット容器内に納めた形態のもの
であってもよい。
【0201】尚、本発明はヒータ面に対向する位置に吐
出口を有するサイドシュータータイプにも適用可能な発
明であることは言うまでもない。
【0202】
【発明の効果】本発明は、上述したような、可動部材を
用いる新規な吐出原理に基づく液体吐出ヘッドであるの
で、発生する気泡とこれによって変位する可動部材との
相乗効果を得ることができ、吐出口近傍の液体を効率よ
く吐出できるため、従来のバブルジェット方式の吐出方
法、ヘッド等に比べて吐出効率を向上できる。
【0203】また、本発明の特徴的な構成によれば、低
温や低湿で長期放置を行った場合であっても不吐出にな
ることを防止でき、仮に不吐出になっても予備吐出や吸
引回復といった回復処理をわずかに行うだけで正常状態
に即座に復帰できる利点もある。これに伴い、回復時間
の短縮や回復による液体の損失を低減でき、ランニング
コストも大幅に下げることが可能である。
【0204】また、特に本発明のリフィル特性を向上し
た構成によれば、連続吐出時の応答性、気泡の安定成
長、液滴の安定化を達成して、高速液体吐出による高速
記録また高画質記録を可能にすることができた。
【0205】また、2流路構成のヘッドにおいて発泡液
として、発泡しやすい液体や、発熱体上への堆積物(こ
げ等)が生じにくい液体を用いることで、吐出液の選択
の自由度が高くなり、発泡が生じにくい高粘性液体、発
熱体上に体積物を生じやすい液体等、従来のバブルジェ
ット吐出方法で吐出することが困難であった液体につい
ても良好に吐出することができた。
【0206】さらに熱に弱い液体等も、この液体に熱に
よる悪影響を与えず吐出することができた。
【0207】また、液体吐出ヘッドの可動部材を櫛歯状
にすることにより、可動部材の液流路方向における接合
精度を緩く許容でき、簡易にかつ安価に製造することが
できる。
【0208】また、本発明の液体吐出ヘッドを記録用の
液体吐出記録ヘッドとして用いることで、さらに高画質
な記録を達成することができた。
【0209】また、本発明の液体吐出ヘッドを用い、液
体の吐出効率等がさらに向上した液体吐出装置を提供す
ることができた。
【0210】また、本発明のヘッドカートリッジやヘッ
ドキットを用いることで、ヘッドの利用、再利用を容易
に成すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドの第1の実施形態を液
流路方向で切断すると共に、吐出動作を段階的に表した
断面模式図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの部分破断斜視図
を示している。
【図3】可動部材を用いない従来の液流路構造における
気泡からの圧力伝搬を示す模式図である。
【図4】本発明の液流路構造における気泡からの圧力伝
搬を示す模式図である。
【図5】本発明の液体の流れを説明するための模式図で
ある。
【図6】本発明の液体吐出ヘッドの第2の実施形態を液
流路方向で切断すると共に、吐出動作を表した断面模式
図である。
【図7】本発明の液体吐出ヘッドの他の実施形態の流路
方向断面図である。
【図8】本発明の液体吐出ヘッドの可動部材と第2の液
流路との配置関係を説明するための図である。
【図9】本発明の液体吐出ヘッドにおける可動部材の他
の形状を示す図である。
【図10】発熱体面積とインク吐出量の関係を示す図で
ある。
【図11】本発明の液体吐出ヘッドの他の実施形態を示
す縦断面図である。
【図12】駆動パルスの形状を示す模式図である。
【図13】本発明の液体吐出ヘッドの供給路を説明する
ための断面図である。
【図14】本発明の液体吐出ヘッドの他の実施形態の分
解斜視図である。
【図15】本発明の液体吐出ヘッドの可動部材の構成に
よる製造時の特徴を説明するための図である。
【図16】本発明の液体吐出ヘッドカートリッジの分解
斜視図である。
【図17】本発明の液体吐出装置の概略構成図である。
【図18】本発明の装置ブロック図である。
【図19】本発明の液体吐出記録システムを示す図であ
る。
【図20】本発明のヘッドキットの模式図である。
【図21】従来の液体吐出ヘッドの液流路構造を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 面積中心 10 液流路 11 気泡発生領域 12 液体供給路 13 共通液室 14 第1液流路 15 第1共通液室 16 第2液流路 17 第2共通液室 18 吐出口 19 狭窄部 20 第1供給路 21 第2供給路 22 第1液流路壁 23 第2液流路壁 30 分離壁 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 支持部材 35 スリット 40 気泡 45 液滴 50 溝付き部材 51 オリフィスプレート 70 支持体 71 回路基板 72 コンタクトパッド 78 押えばね 80 液体供給部材 85 キャリッジ軸 90 液体容器 92 吐出液供給路 93 発泡液供給路 94 位置決め部 95 固定軸 111 モータ 112、113 ギア 150 被記録媒体 200 ヘッド 201a〜201d 液体吐出ヘッド 203a〜203d ヘッドキャップ 204a〜204d インク容器 206 搬送ベルト 224 ヘッド移動手段 225 キャップ移動手段 300 ホストコンピュータ 301 入出力インターフェイス 302 CPU 303 ROM 304 RAM 305 モータドライバ 306 駆動用モータ 307 ヘッドドライバ 500 ヘッドキット 501 キット容器 510 ヘッド 511 インク吐出部 520 インク容器 521 大気連通口 530 インク充填手段 531 挿入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉平 文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中田 佳恵 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口と、液体に気泡を
    発生させる気泡発生領域と、前記気泡発生領域に面して
    配され、第1の位置と該第1の位置よりも前記気泡発生
    領域から遠い第2の位置との間を変位可能な櫛歯状の可
    動部材とを有し、該可動部材は、支点と、該支点より下
    流側に位置する自由端とを有し、前記気泡発生部での気
    泡の発生に基づく圧力によって、前記第1の位置から前
    記第2の位置へ変位すると共に、前記可動部材の変位に
    よって前記気泡を吐出口に向かう方向の上流よりも下流
    に大きく膨張させることで液体を吐出する液体吐出ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記可動部材の変位によって、前記気泡
    の下流部分が前記可動部材より下流に成長する請求項1
    に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 液体を吐出する吐出口と、液体に熱を加
    えることで該液体に気泡を発生させる発熱体と該発熱体
    に沿った該発熱体より上流側から前記発熱体上に液体を
    供給するための供給路とを有する液流路と、前記発熱体
    に面して設けられ吐出口側に自由端を有し前記気泡の発
    生による圧力に基づいて前記自由端を変位させて前記圧
    力を吐出口側に導く櫛歯状の可動部材と、を有する液体
    吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 液体を吐出する吐出口と、液体に熱を加
    えることで該液体に気泡を発生させる発熱体と、前記発
    熱体に面して設けられ吐出口側に自由端を有し前記気泡
    の発生による圧力に基づいて前記自由端を変位させて前
    記圧力を吐出口側に導く櫛歯状の可動部材と、前記可動
    部材の前記発熱体に近い面に沿った上流側から前記発熱
    体上に液体を供給する供給路と、を有する液体吐出ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 吐出口に連通した第1の液流路と、 液体に熱を加えることで該液体に気泡を発生させる気泡
    発生領域を有する第2の液流路と、 前記第1の液流路と前記気泡発生領域との間に配され、
    吐出口側に自由端を有し、前記気泡発生領域内での気泡
    の発生による圧力に基づいて該自由端を前記第1の液流
    路側に変位させて前記圧力を前記第1の液流路の吐出口
    側に導く櫛歯状の可動部材とを有する液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記可動部材に面した位置に発熱体が設
    けられており、該可動部材と該発熱体との間が前記気泡
    発生領域である請求項1又は請求項5に記載の液体吐出
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記可動部材の自由端は、前記発熱体の
    面積中心より下流に位置する請求項3、4又は6のいず
    れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記発熱体に沿った該発熱体より上流か
    ら前記発熱体上に液体を供給するための供給路を有する
    請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記供給路は、前記発熱体より上流側に
    実質的に平坦、もしくはなだらかな内壁を有し、該内壁
    に沿って液体を前記発熱体上に供給する供給路である請
    求項3、4又は8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記気泡は前記発熱体が発生する熱に
    よって液体に膜沸騰を生じることで発生する気泡である
    請求項3、4又は6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘ
    ッド。
  11. 【請求項11】 前記可動部材は板状である請求項3、
    4又は6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記発熱体の有効発泡領域の総てが前
    記可動部材に面している請求項11に記載の液体吐出ヘ
    ッド。
  13. 【請求項13】 前記発熱体の全面が前記可動部材に面
    している請求項11に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記可動部材の総面積が前記発熱体の
    総面積より大である請求項11に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  15. 【請求項15】 前記可動部材の支点が前記発熱体の直
    上から外れた位置に配されている請求項11に記載の液
    体吐出ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記可動部材の自由端は前記発熱体が
    配された液流路を実質的に直交する形状を有する請求項
    11に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記可動部材の前記自由端は前記発熱
    体より吐出口側に配されている請求項11に記載の液体
    吐出ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記可動部材は前記第1流路と第2流
    路との間に配された分離壁の一部として構成されている
    請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記分離壁は、金属材料で構成されて
    いる請求項18に記載の液体吐出ヘッド。
  20. 【請求項20】 前記金属材料は、ニッケル若しくは金
    である請求項19に記載の液体吐出ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記分離壁は、樹脂で構成されている
    請求項18に記載の液体吐出ヘッド。
  22. 【請求項22】 前記分離壁は、セラミックスで構成さ
    れている請求項18に記載の液体吐出ヘッド。
  23. 【請求項23】 前記第1の液流路の複数に第1の液体
    を供給するための第1の共通液室と、前記第2の液流路
    の複数に第2の液体を供給するための第2の共通液室と
    が配されている請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  24. 【請求項24】 液体を吐出するための複数の吐出口
    と、それぞれの吐出口に対応して直接連通する複数の第
    1の液流路を構成するための複数の溝と、前記複数の第
    1の液流路に液体を供給するための第1の共通液室を構
    成する凹部とを一体的に有する溝付き部材と、 液体に熱を与えることで液体に気泡を発生させるための
    複数の発熱体が配された素子基板と、 前記溝付き部材と該素子基板との間に配され、前記発熱
    体に対応した第2の液流路の壁の一部を構成すると共
    に、前記発熱体に面した位置に前記気泡の発生に基づく
    圧力によって前記第1の液流路側に変位する櫛歯状の可
    動部材を具備した分離壁と、を有する液体吐出ヘッド。
  25. 【請求項25】 前記可動部材の自由端は前記発熱体の
    面積中心より下流側に位置する請求項24に記載の液体
    吐出ヘッド。
  26. 【請求項26】 前記溝付き部材には、前記第1の共通
    液室に液体を導入するための第1導入路と、前記第2の
    共通液室に液体を導入するための第2導入路とを有する
    請求項24に記載の液体吐出ヘッド。
  27. 【請求項27】 前記溝付き部材には、前記第2導入路
    が複数設けられている請求項26に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  28. 【請求項28】 前記第1導入路の断面積と前記第2導
    入路の断面積の比は、各液体の供給量に比例している請
    求項26に記載の液体吐出ヘッド。
  29. 【請求項29】 前記第2導入路は、前記分離壁を貫通
    して前記第2の共通液室に液体を供給する導入路である
    請求項26に記載の液体吐出ヘッド。
  30. 【請求項30】 前記第1の液流路に供給される液体と
    前記第2の液流路に供給される液体とが同じ液体である
    請求項5又は請求項24に記載の液体吐出ヘッド。
  31. 【請求項31】 前記第1の液流路に供給される液体と
    前記第2の液流路に供給される液体とが異なる液体であ
    る請求項5又は請求項24に記載の液体吐出ヘッド。
  32. 【請求項32】 前記第2の液流路に供給される液体
    は、前記第1の液流路に供給される液体に比べ、低粘度
    性、発泡性、熱安定性の少なくとも1つの性質で優れて
    いる液体である請求項31に記載の液体吐出ヘッド。
  33. 【請求項33】 前記発熱体は電気信号を受けることで
    熱を発生する発熱抵抗体を有する電気熱変換体である請
    求項3、4、6又は24のいずれか1項に記載の液体吐
    出ヘッド。
  34. 【請求項34】 前記電気熱変換体は前記発熱抵抗体上
    に、保護膜を配したものである請求項33に記載の液体
    吐出ヘッド。
  35. 【請求項35】 前記素子基板上には前記電気熱変換体
    に電気信号を伝えるための配線と、前記電気熱変換体に
    選択的に電気信号を与えるための機能素子が配されてい
    る請求項33に記載の液体吐出ヘッド。
  36. 【請求項36】 前記気泡発生領域もしくは発熱体が配
    された部分の前記第2液流路の形状は室形状である請求
    項5又は24に記載の液体吐出ヘッド。
  37. 【請求項37】 前記第2流路の形状は、気泡発生領域
    もしくは発熱体の上流で狭窄部を有する形状である請求
    項5又は24に記載の液体吐出ヘッド。
  38. 【請求項38】 前記発熱体の表面から前記可動部材ま
    での距離が30μm以下である請求項3、4、6又は2
    4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  39. 【請求項39】 前記吐出口から吐出される液体はイン
    クである請求項3、4、6又は24のいずれか1項に記
    載の液体吐出ヘッド。
  40. 【請求項40】 前記自由端の先端部は幅を持っている
    請求項1、3、4、6又は24のいずれか1項に記載の
    液体吐出ヘッド。
  41. 【請求項41】 請求項1、3、4、5又は24のいず
    れかに記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに供
    給される液体を保持する液体容器とを有するヘッドカー
    トリッジ。
  42. 【請求項42】 前記液体吐出ヘッドと、前記液体容器
    とは分離可能である請求項41に記載のヘッドカートリ
    ッジ。
  43. 【請求項43】 前記液体容器には、液体が再充填され
    ている請求項40に記載のヘッドカートリッジ。
  44. 【請求項44】 前記液体容器には、液体を再充填する
    ための液体注入口が設けられている請求項41に記載の
    ヘッドカートリッジ。
  45. 【請求項45】 請求項5又は請求項24に記載の液体
    吐出ヘッドと、第1の液流路に供給される第1の液体
    と、第2の液流路に供給される第2の液体とを保持する
    液体容器とを有するヘッドカートリッジ。
  46. 【請求項46】 請求項1、3、4、5又は24のいず
    れか1項に記載の液体吐出ヘッドと、 該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号
    を供給する駆動信号供給手段と、を有する液体吐出装
    置。
  47. 【請求項47】 請求項1、3、4、5又は24のいず
    れか1項に記載の液体吐出ヘッドと、 該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒
    体を搬送する被記録媒体搬送手段と、を有する液体吐出
    装置。
  48. 【請求項48】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
    し、記録紙にインクを付着させることで記録を行う請求
    項46又は請求項47に記載の液体吐出装置。
  49. 【請求項49】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、布帛に記録液体を付着させることで記録を行う請
    求項46又は請求項47に記載の液体吐出装置。
  50. 【請求項50】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、プラスチックに記録液体を付着させることで記録
    を行う請求項46又は請求項47に記載の液体吐出装
    置。
  51. 【請求項51】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、金属に記録液体を付着させることで記録を行う請
    求項46又は請求項47に記載の液体吐出装置。
  52. 【請求項52】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、木材に記録液体を付着させることで記録を行う請
    求項46又は請求項47に記載の液体吐出装置。
  53. 【請求項53】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、皮革に記録液体を付着させることで記録を行う請
    求項46又は請求項47に記載の液体吐出装置。
  54. 【請求項54】 前記液体吐出ヘッドから複数色の記録
    液体を吐出し、被記録媒体に前記複数色の記録液体を付
    着させることでカラー記録を行う請求項46又は請求項
    47に記載の液体吐出装置。
  55. 【請求項55】 前記吐出口が被記録媒体の記録可能領
    域の全幅に渡って、複数配されている請求項46又は請
    求項47に記載の液体吐出装置。
  56. 【請求項56】 請求項1、3、4、5又は24のいず
    れか1項に記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッド
    に供給される液体を保持した液体容器と、を内包したヘ
    ッドキット。
  57. 【請求項57】 前記液体は、記録を行うためのインク
    である請求項56に記載のヘッドキット。
  58. 【請求項58】 請求項1、3、4、5又24のいずれ
    か1項に記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに
    供給される液体を保持した液体容器と、該液体容器に対
    して液体を充填するための液体充填手段と、を有するヘ
    ッドキット。
  59. 【請求項59】 前記液体は、記録を行うためのインク
    である請求項58に記載のヘッドキット。
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