JPH09322588A - ブラシレス直流モータ - Google Patents

ブラシレス直流モータ

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Publication number
JPH09322588A
JPH09322588A JP8139311A JP13931196A JPH09322588A JP H09322588 A JPH09322588 A JP H09322588A JP 8139311 A JP8139311 A JP 8139311A JP 13931196 A JP13931196 A JP 13931196A JP H09322588 A JPH09322588 A JP H09322588A
Authority
JP
Japan
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permanent magnet
magnet rotor
value
abnormal operation
brushless
Prior art date
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Application number
JP8139311A
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English (en)
Inventor
Eiji Ueda
英司 上田
Toshio Inaji
稲治  利夫
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH09322588A publication Critical patent/JPH09322588A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石回転子と位置信号の位相関係がくず
れた場合に、駆動効率が低下し、モータが停止する。 【解決手段】 速度検出器104で永久磁石回転子101の回
転速度を検出し、その回転速度等に基づき、演算装置10
6は永久磁石回転子101の回転位置に対応した位置信号p
1,p2,p3 を出力する。電力供給器110は位置信号に応じ
た電力を固定子巻線111に供給し、永久磁石回転子101を
回転駆動制御するブラシレス直流モータであって、演算
装置106は、永久磁石回転子101の位置と位置信号の位相
関係を監視し、異常状態時には、位相関係を正常化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石回転子の
回転位置を検出するための位置検出素子を不要としたブ
ラシレス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータは、ブラシ付の直
流モータに比べ機械的接点を持たないため長寿命である
と同時に電気的雑音も少なく、近年、高信頼性が要求さ
れる産業用機器や映像・音響機器に広く応用されてい
る。
【0003】従来、この種のブラシレス直流モータは、
固定子巻線の通電相の切換えのためにブラシに相当する
位置検出素子(例えばホール素子)を使用している。し
かしながら、位置検出素子自体決して安価なものではな
く、さらに素子の取付け位置の調整の煩雑さや配線数の
増加により、ブラシレス直流モータはブラシ付直流モー
タに比べて大幅にコストが上昇する欠点がある。また、
モータ内部に位置検出素子を取り付けなければならない
ため、モータの構造上の制約が起こることがしばしばあ
る。近年、機器の小型化に伴い使用されるモータも小型
かつ薄型化され、ホール素子等の位置検出素子を取り付
ける場所的な余裕がなくなってきている。そこで、ホー
ル素子の如き位置検出素子の全くないブラシレス直流モ
ータが、従来よりいくつか提案されている。
【0004】この種の位置検出素子の全くないブラシレ
ス直流モータとしては、モータに取り付けられた周波数
発電機の出力パルスを利用するものがある。これは、永
久磁石回転子の回転に応じたパルスを発生する周波数発
電機の出力パルスをカウンタでカウントし、そのカウン
ト値に対応して予め設定された電流パターンの駆動電流
を三相の固定子巻線に順次通電させ、回転子を回転させ
るものである。すなわち、特開平5−227781号で
は、『複数の磁極を有する永久磁石回転子と、前記永久
磁石回転子に所定の間隔を有して配置された複数相の固
定子巻線と、前記永久磁石回転子の回転数に比例した複
数相の周波数信号を発生する周波数発電機と、前記複数
相の周波数信号により前記永久磁石回転子の回転方向を
検出し、方向検出信号を出力する方向検出手段と、前記
周波数発電機の少なくとも1つの周波数信号のパルス数
を前記方向検出信号に応じてアップカウントもしくはダ
ウンカウントするカウンタ手段と、前記カウンタ手段の
計数値に応じた複数相の波形信号を発生する波形発生手
段と、前記複数相の波形信号に応じて前記固定子巻線に
電力を供給し回転磁界を発生する電力供給手段と、電源
投入時に前記永久磁石回転子の磁極と前記複数相の固定
子巻線の励磁磁極とが所定の関係になるように位相合わ
せを行う位相合わせ手段より構成されたことを特徴とす
るブラシレス直流モータ。』によって実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、永久磁石回転子と位置信号との位相関係
を永久磁石回転子の回転により得られるセンサ信号から
検出し保持している。このため、センサ信号にノイズ等
が混入した場合、上記位相関係が崩れ、永久磁石回転子
に回転トルクが生じなくなる。これにより、永久磁石回
転子が停止し、復帰しないという課題を有していた。
【0006】このため、例えば、VTRのキャプスタン
モータ等に使用した場合、これら課題は致命的な欠陥と
なり、ブラシレス直流モータの応用に関してかなりの制
約があった。
【0007】本発明は従来のこのような課題を考慮し、
永久磁石回転子の位置と位置信号の位相関係がずれた場
合に、速やかに位相関係を回復できるブラシレス直流モ
ータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、複
数個の磁極を有する永久磁石回転子と、その永久磁石回
転子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻
線と、永久磁石回転子の回転速度を検出する速度検出手
段と、その検出された回転速度と予め設定された基準速
度との差を検出する誤差検出手段と、その誤差検出手段
により検出された回転速度誤差に基づいて、永久磁石回
転子の異常動作を検出する異常動作検出手段と、異常動
作が検出された場合に、永久磁石回転子の位置と位置信
号との位相関係を所定の位相関係にするための位置信号
を決定する位置信号決定手段とを備えたブラシレス直流
モータである。
【0009】請求項5の本発明は、複数個の磁極を有す
る永久磁石回転子と、その永久磁石回転子に所定の空隙
を有して配設された複数相の固定子巻線と、永久磁石回
転子の回転速度を検出する速度検出手段と、その検出さ
れた回転速度と予め設定された基準速度との差を検出す
る誤差検出手段と、その誤差検出手段により検出された
回転速度誤差を積分加算した積分値を生成する低域増強
手段と、その生成された積分値に基づいて、永久磁石回
転子の異常動作を検出する異常動作検出手段と、異常動
作が検出された場合に、永久磁石回転子の位置と位置信
号との位相関係を所定の位相関係にするための位置信号
を決定する位置信号決定手段とを備えたブラシレス直流
モータである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1のブラ
シレス直流モータの構成を示すブロック図である。図1
の永久磁石回転子101と3相の固定子巻線111a,
111b,111cは図14に示すように配置されてい
る。
【0011】図14(a)において、回転軸1202と
共に回転する永久磁石回転子101は、固定子1201
と対向配置されている。永久磁石回転子101は図14
(b)に示すように、p極(pは極数を表し、ここで
は、8とする)が等間隔に円周方向にそって円盤状に配
置されている。また固定子1201には図14(c)に
示すように、平面上に回転軸1202を中心として円盤
状に等間隔に複数個の偏平巻線(ここでは、6個とす
る)が配置されている。そして、互いに180度隔てた
偏平巻線は互いに接続され、3相の固定子巻線111
a,11b,111cを構成している。
【0012】図1において、周波数発電機102(セン
サ手段)は、永久磁石回転子101の1回転当たりZ回
(Zは歯数を表し、ここでは360とする)の検出を行
い、永久磁石回転子101の回転数に比例した互いに位
相の異なる2相の周波数信号m1,m2(センサ信号)
を発生する。この2相の周波数信号m1,m2は波形整
形器103に入力されて、それぞれ矩形波信号s1,s
2に変換された後、方向検出器105(方向検出手段)
に入力される。方向検出器105は永久磁石回転子10
1の正逆の回転方向に応じた方向信号dを出力する。
【0013】さらに、矩形波信号s1は速度検出器10
4(速度検出手段)に入力される。速度検出器104で
は、矩形波信号s1の周期に応じたデジタル信号bが得
られる。
【0014】方向検出器105の具体的な構成例を図2
に示す。図2において、データ入力型のフリップフロッ
プ回路21のデータ入力端子Dに矩形波信号s1が入力
され、クロック入力端子CKに矩形波信号s2が入力さ
れる。そして方向信号dはフリップフロップ回路21の
出力端子Qから出力される。
【0015】図3(a)に永久磁石回転子101が正方
向に回転している時の矩形波信号s1,s2の波形を示
し、図3(b)に永久磁石回転子101が逆方向に回転
している時の矩形波信号s1,s2の波形を示す。デー
タ入力型のフリップフロップ回路21は、クロック入力
端子CKに入力された信号の立上がりエッジ毎に、デー
タ入力端子Dの状態を保持し、その状態を出力端子Qよ
り出力する。
【0016】したがって、図3(a)のように永久磁石
回転子101が正方向に回転している時は、データ入力
型のフリップフロップ回路21の出力端子Qは、常に高
電位状態(以下、”H”状態と呼ぶ)となる。一方、永
久磁石回転子101が逆方向に回転している時は、図3
(b)のように矩形波信号s1が矩形波信号s2より位
相が90度遅れるため、出力Qは常に低電位状態(以
下、”L”状態と呼ぶ)となる。
【0017】図2に示すように、方向検出器105を構
成することにより、永久磁石回転子101の回転方向を
検出することができる。すなわち、方向検出器105の
方向信号dは、永久磁石回転子101が正方向に回転し
ている時は、”H”状態となり、逆方向に回転している
時は、”L”状態となる。
【0018】次に、速度検出器104の具体的な構成例
を図4に示す。矩形波信号s1はアンド回路43とフリ
ップフロップ回路45に入力される。アンド回路43の
入力側には、さらに、発振回路42のクロックパルスp
とカウンタ回路44のオ―バフロ―出力信号wも入力さ
れている。発振回路42は水晶発振器と分周器等によっ
て構成され、矩形波信号s1の周波数よりもかなり高周
波のクロックパルスp(3MHz程度)を発生してい
る。カウンタ回路44は、アンド回路43の出力パルス
hの到来毎にその内容をカウントアップする16ビット
のアップカウンタになっている。また、オ―バフロ―出
力信号wは、カウンタ回路44のカウント内容が所定値
以下の時には”H”であり、カウンタ回路44のカウン
ト内容が所定値以上になるとwは”L”に変化する。デ
―タ入力型のフリップフロップ回路45は、矩形波信号
s1の立ち下がりエッジをトリガ信号として、デ―タ入
力端子Dに入力された”H”を取り込み、その出力信号
qを”H”にする(q=”H”)。
【0019】また、演算装置106の演算器107から
のリセット信号rは、カウンタ回路44のCL入力及び
フリップフロップ回路45のR入力に入力され、リセッ
ト信号rが”H”になると、カウンタ回路44及びフリ
ップフロップ回路45の内部状態がリセットされる(b
=”LLLLLLLLLLLLLLLL”、w=”
H”、q=”L”)。
【0020】次に、図4の速度検出器104の動作につ
いて説明する。いま、カウンタ回路44とフリップフロ
ップ回路45がリセット信号rによってリセットされて
いるものとする。矩形波信号s1が”L”から”H”に
変わると、アンド回路43の出力信号hとして発振回路
42のクロックパルスpが出力される。カウンタ回路4
4は出力信号hをカウントし、その内部状態を変化させ
ていく。矩形波信号s1が”H”から”L”に変わる
と、アンド回路43の出力信号hは”L”になり、カウ
ンタ回路44はその内部状態を保持する。また、フリッ
プフロップ回路45は矩形波信号s1の立ち下がりエッ
ジによってデ―タ”H”を取り込み、その出力信号q
を”L”から”H”に変化させる。
【0021】カウンタ回路44のデジタル信号bは、矩
形波信号s1の(半)周期長に比例した値であり、永久
磁石回転子101の回転速度に反比例している。後述の
演算装置106は、フリップフロップ回路45の出力信
号qを見て、qが”H”になるとカウンタ回路44のデ
ジタル信号bを入力し、その後にリセット信号rを所定
の短時間の間”H”にして、カウンタ回路44とフリッ
プフロップ回路45を初期状態にリセットし、次の速度
検出動作に備えている。なお、永久磁石回転子101の
回転速度が遅過ぎるときには、矩形波信号s1の周期が
長いためにカウンタ回路44の内部状態が所定値以上に
なり、オ―バフロ―出力信号wが”H”から”L”に変
わり、アンド回路43の出力信号hが”L”になり、カ
ウンタ回路44が所定の大きな値を保持することもあ
る。
【0022】さらに図1において、演算装置106は、
演算器107とメモリ109と3個のD/A変換器10
8a,108b,108cによって構成され、速度検出
器104の出力信号と方向検出器105の方向信号dを
入力し、メモリ109に内蔵された後述するプログラム
によって計算処理することにより、3相の位置信号p
1,p2,p3を出力する。演算装置106の3相の位
置信号p1,p2,p3は電力供給器110に入力さ
れ、電力供給器110は固定子巻線111に電力を供給
する。
【0023】また、回転方向指令入力端子112の回転
方向指令mdによって、演算装置106の内部動作が変
更される(後述)。
【0024】従って、永久磁石回転子101と固定子巻
線111と周波数発電機102(センサ手段)と速度検
出器104(速度検出手段)と方向検出器105(方向
検出手段)と演算装置106(演算処理手段)と電力供
給器110(電力供給手段)によって本実施の形態のブ
ラシレス直流モータが構成されている。
【0025】図5は、本実施の形態のブラシレス直流モ
ータの定常回転時の各部信号波形図である。図5におい
て、波形e1,e2,e3はそれぞれ固定子巻線111
a,111b,111cに誘起される発電電圧波形であ
る。波形p1,p2,p3は演算装置106から出力さ
れる3相の位置信号で、永久磁石回転子101の回転位
置に応じてそれぞれ発電電圧波形e1,e2,e3とほ
ぼ同位相の関係となるように出力される。
【0026】位置信号p1,p2,p3は正弦波状の信
号波形であり、電力供給部110では3相の位置信号p
1,p2,p3をそれぞれ電力増幅して、正弦波状の3
相駆動電流i1,i2,i3を固定子巻線111a,1
11b,111cの各相に供給する。その結果、3相駆
動電流i1,i2,i3により固定子巻線111a,1
11b,111cには回転磁界が発生し、回転磁界と永
久磁石回転子101の磁極との相互作用により、永久磁
石回転子101は回転力を受けて回転する。
【0027】図6は、永久磁石回転子101の磁極ベク
トルと固定子巻線111の電流ベクトルの位相関係を示
したベクトル図である。図6において、ベクトルΦは永
久磁石回転子101の磁極を示す磁極ベクトルで、ベク
トルIは固定子巻線111a,111b,111cの電
流ベクトルである。図6(a)は、永久磁石回転子10
1が正方向に回転している時で、図6(b)は、永久磁
石回転子101が逆方向に回転している時の磁極ベクト
ルΦと電流ベクトルIの位相関係を表したベクトル図で
ある。
【0028】磁極ベクトルΦは電流ベクトルIにより発
生した起磁力ベクトルとの相互作用により回転力を得、
図6に示す方向に回転する。ここで永久磁石回転子10
1が連続回転するためには、磁極ベクトルΦの回転量に
応じて電流ベクトルIを図示した方向に回転させる必要
がある。すなわち電流ベクトルIの位相を磁極ベクトル
Φの位相より常に所定の角度(好ましくは、90度)だ
け回転方向に進め、磁極ベクトルΦの回転量を検出し、
その回転量に応じて電流ベクトルIを回転させる必要が
ある。
【0029】図1の演算装置106のメモリ109は、
所定のプログラムと定数が格納されたロム領域(RO
M:リ―ドオンリ―メモリ)と随時必要な値を格納する
ラム領域(RAM:ランダムアクセスメモリ)に別れて
いる。演算器107はロム領域内のプログラムに従って
所定の動作や演算を行っている。図7及び図8にそのプ
ログラムの具体的な一例を示し、その動作について詳細
に説明する。
【0030】ステップS701では、後述の異常動作検
出部で使用する周期カウンタPRIと異常カウンタNG
_Cの値を零にする(PRI←0,NG_C←0)。
【0031】ステップS702では、永久磁石回転子1
01と位置信号p1,p2,p3の位相関係を所定の関
係にするカウンタ値C(後述)の初期値を決定する。例
えば特開平5−227781の位相合わせ手段によりカ
ウンタ値Cの初期値を検出する。ここで、ステップS7
02は、位置信号決定手段としての初期位相検出部70
2(初期位相検出手段)を構成している。
【0032】ステップS703aでは、速度検出器10
4のフリップフロップ回路45の出力信号qを入力す
る。出力信号qが”H”の時、ステップS703bの動
作を行う。出力信号qが”H”ではない時(出力信号q
が”L”の時)、ステップS708aの動作を行う。す
なわち、速度検出器104が矩形波信号s1の(半)周
期を検出し、新しいデジタル信号bを出力するのをモニ
タしている。出力信号qが”H”になると、ステップS
703bの動作を行う。
【0033】ステップS703bでは、速度検出器10
4のデジタル信号bを読み込んで、デジタル信号bに対
応する速度検出値S(デジタル値)に直すと共に、リセ
ット信号rを所定時間”H”にして速度検出器104の
カウンタ回路44とフリップフロップ回路45をリセッ
トする。所定の基準値Sref から速度検出値Sを減算し
て、その値をR倍(ここに、Rは所定の正の定数)し、
永久磁石回転子101の現時点での回転速度誤差TRを
計算する[TR ← R・(Sref −S)]。ここで、処
理703は誤差検出部703(誤差検出手段)を構成し
ている。
【0034】ステップS704aでは、演算装置106
の回転方向指令入力端子112の回転方向指令mdを入
力する。回転方向指令mdが正回転指令(正転指令)の
時、ステップS704bの動作を行う。また回転方向指
令mdが反回転指令(反転指令)の時、ステップS70
4cの動作を行う。すなわち、回転方向指令mdの内容
により、処理を選択している。
【0035】ステップS704bでは、Qz(Qzは2
・Z/pで与えられ、ここでは90とする。Zは歯数、
qは極数を表す)を法として、計数値cの値に(90)
を加算した値を位相信号fとする。なお、(90)は電
流ベクトルIの回転角に換算して、90度相当に対応す
る値である。すなわち、f←c+(90)にした後に、
f≧Qzならばfをf−Qzにする。このような演算を
するならば、fは0からQz−1の間の整数になる。そ
の後、ステップS705aの動作を行う。
【0036】また、ステップS704cでは、Qzを法
として、計数値cの値から(90)を減算した値を位相
信号fとする。なお、(90)は電流ベクトルIの回転
角に換算して、90度相当に対応する値である。すなわ
ち、f←c−(90)にした後に、f<0ならばfをf
+Qzにする。このような演算をするならば、fは0か
らQz−1の間の整数になる。その後、ステップS70
5aの動作を行う。ここで、ステップS704aとステ
ップS704bとステップS704cとで位相調整部7
04が構成されている。
【0037】ステップS705aでは、方向検出器10
5の方向信号dの内容により次の動作を選択している。
すなわち、方向信号dが”H”の時(永久磁石回転子1
01が正方向に回転している時)、ステップS705b
の動作を行う。一方、方向信号dが”L”の時(永久磁
石回転子101が反方向に回転している時)、ステップ
S705cの動作を行う。
【0038】ステップS705bでは、Qzを法とし
て、計数値cの値に1を加算した値を新しい計数値cと
する。すなわち、c←c+1にした後に、c≧Qzなら
ば新しい計数値cをc−Qzにする。このような演算を
するならば、cは0からQz−1の間の整数になる。そ
の後、ステップS706aの動作を行う。
【0039】また、ステップS705cでは、Qzを法
として、計数値cの値から1を減算した値を新しい計数
値cとする。すなわち、c←c−1にした後に、c<0
ならば新しい計数値cをc+Qzにする。このような演
算をするならば、cは0からQz−1の間の整数にな
る。その後、ステップS706aの動作を行う。ここ
で、ステップS705aとステップS705bとステッ
プS705cとでカウンタ部705(カウンタ手段)が
構成されている。カウンタ部705では、方向検出器1
05の方向信号dに従って、計数値cの値を増減してい
る。
【0040】ステップS706aでは、位置信号p1,
p2,p3を得るため、位相信号fをもとにメモリ10
9内のROM領域に設けられた1周期分の正弦波の関数
テーブルを参照するための3つのアドレス値a1,a
2,a3を計算する。この計算は、Qz(Qzは2・Z
/pで与えられ、ここでは90とする)を法とした計算
を行う(mod Qz)。すなわち、位置信号p1,p
2,p3の位相はそれぞれ120度ずつずれているた
め、
【0041】
【数1】
【0042】
【数2】
【0043】
【数3】
【0044】より、a1,a2,a3の3つのアドレス
値を計算する。なお、(120)は電流ベクトルIの回
転角に換算して、120度相当に対応する所定のアドレ
ス値である。その後、ステップS706bの処理を行
う。
【0045】ステップS706bでは、ステップS70
6aで得られた3つのアドレス値a1,a2,a3と処
理703で得た回転速度誤差TRをもとにメモリ109
のROM領域に格納されている正弦波の関数テーブルを
参照し、3相の第1のデジタル位置信号dp1,dp2,
dp3を得る。すなわち、(数4),(数5),(数
6)を用いて計算する。
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】
【数6】
【0049】ここで、ROM(addr)はアドレス値addr
の正弦波関数テーブル値を表す(ここで、正弦波関数テ
ーブルの関数値の振幅を1とする)。その後、ステップ
S706cの処理を行う。
【0050】ステップS706cでは、ステップS70
6bで得られた3相のデジタル位置信号dp1,dp
2,dp3を図1のD/A変換器108a,108b,
108cに出力する。D/A変換器108a,108
b,108cでは、デジタル位置信号dp1,dp2,
dp3をそれぞれアナログ値に変換し、三相の位置信号
p1,p2,p3を出力する。その後、ステップS70
7aの動作を行う。ここで、ステップS706aとステ
ップS706bとステップS706cとで位置信号作成
部706(位置信号作成手段)が構成されている。
【0051】ステップS707aでは、後述の異常検出
処理を行う。異常検出処理では、永久磁石回転子101
と位置信号p1,p2,p3の位相関係が崩れた異常状
態時に異常検出フラッグFLGが1に設定される(FL
G←1)。また、異常状態が検出されない通常状態で
は、異常検出フラッグFLGが零に設定される(FLG
←0)。その後、ステップS707bの動作を行う。
【0052】ステップS707bでは、異常検出フラッ
グFLGの内容に応じて、次に行う処理を選択してい
る。すなわち、異常検出フラッグFLGが1の場合、ス
テップS702の動作を行う。また異常検出フラッグF
LGが零の場合、ステップS703aの動作を行う。こ
のような動作を行うことにより、異常検出フラッグFL
Gが1の場合にのみ、ステップS702の初期位相検出
部702の動作が実行される。ここで、ステップS70
7aとステップS707bで異常動作検出部707(異
常動作検出手段)が構成されている。
【0053】一方、ステップS708aでは、矩形波信
号s1の入力間隔をモニタしている。所定時間以上、速
度検出器104のフリップフロップ回路45の出力信号
qが”L”の時、すなわち、所定時間以上矩形波信号s
1が入力されない場合、ステップS708bの動作を行
う。それ以外の場合は、ステップS703aの動作に復
帰する。
【0054】ステップS708bでは、回転速度誤差T
Rを所定の値TR_max(固定子巻線111に許容最
大電流以下の電流が流れるように設定された値)にする
(TR ← TR_max)。その後、ステップS70
6aの動作を行う。ここで、ステップS708aとステ
ップS708bの動作を行うことにより、永久磁石回転
子101の回転起動時の加速処理を行っている。すなわ
ち、回転起動開始時では固定子巻線111に駆動電流が
流れないため、回転しない。その結果、所定時間以上矩
形波信号s1が入力されないため、ステップS708b
の動作へ移行する。これにより、固定子巻線111に駆
動電流が流れ、回転力が発生し、回転する。
【0055】永久磁石回転子101の回転が開始する
と、矩形波信号s1は連続して生じる為に、ステップS
708bの動作へ移行しなくなる。このようにして、ス
テップS708aとステップS708bで起動処理を実
現してる。
【0056】図9に、図8のステップS707aで処理
される異常検出処理の処理フローの一例を示す。以下、
図9を参照しながら異常検出処理について詳しく説明す
る。
【0057】ステップS801では、回転速度誤差TR
と所定値αを比較し、次に行う処理を選択している。す
なわち、回転速度誤差TRが所定値αより大きい時、ス
テップS802の動作行う。また、回転速度誤差TRが
所定値αより大きくない時、ステップS803の動作を
行う。
【0058】ステップS802では、異常カウンタNG
_Cの値に1を加算した値を新しい異常カウンタNG_
Cの値とする(NG_C←NG_C+1)。この処理を
行うことにより、回転速度誤差TRが所定値αより大き
くなった異常状態のタイミング回数が計数できる。すな
わち、図7のステップS703aで速度検出器104の
フリップフロップ回路45の出力信号qが”H”にな
り、ステップS703b以下の処理で動作するタイミン
グ毎に、回転速度誤差TRが所定値αと比較され、回転
速度誤差TRが所定値αより大きくなった異常状態のタ
イミング回数が計数される。その後、ステップS803
の動作を行う。
【0059】ステップS803では、周期カウンタPR
Iの値に1を加算した値を新しい周期カウンタPRIの
値とする(PRI←PRI+1)。この処理を行うこと
により、異常検出処理の動作回数が計数できる。すなわ
ち、図7のステップS703aで速度検出器104のフ
リップフロップ回路45の出力信号qが”H”になり、
ステップS703b以下の処理で動作するタイミング回
数が計数できる。その後、ステップS804の動作を行
う。
【0060】ステップS804では、周期カウンタPR
Iと周期カウンタの基準値PRI_REF(正の整数
で、好ましくは、10以上)とを比較し、一致していれ
ば、ステップS805aの動作を行う。一致していなけ
れば、ステップS806の動作を行う。ここで、周期カ
ウンタの基準値PRI_REFは、第1の所定のタイミ
ング回数に対応している。この処理を行うことにより、
ステップS805aが動作するタイミングである異常検
出処理の検査タイミングを作り出している。
【0061】ステップS805aでは、異常カウンタN
G_Cと異常カウンタの基準値NGCREF(周期カウ
ンタの基準値PRI_REF以下の正の整数)とを比較
し、次の処理を選択している。すなわち、異常カウンタ
NG_Cが異常カウンタの基準値NGCREFより大き
い時、ステップS805cの動作を行う。また、大きく
ない時、ステップS805bの動作を行う。ここで、異
常カウンタの基準値NGCREFは、第2の所定のタイ
ミング回数に対応している。すなわち、検査タイミング
において、回転速度誤差TRが所定値αより大きくなっ
た異常状態のタイミング回数(異常カウンタNG_Cの
値)に応じて処理を選択し、異常状態のタイミングが基
準値NGCREFより多い場合、ステップS805cの
動作を行うようにしている。
【0062】ステップS805bでは、異常検出フラッ
グFLGの値を零に設定している。すなわち、検査タイ
ミングにおいて、異常状態のタイミング回数が少ない場
合、異常検出フラッグFLGの値を零にする。その後、
ステップS805dの動作を行う。
【0063】ステップS805cでは、異常検出フラッ
グFLGの値を1にする。すなわち、検査タイミングに
おいて、異常状態のタイミング回数が多い場合、異常検
出フラッグFLGの値を1にする。その後、ステップS
805dの動作を行う。
【0064】ステップS805dでは、異常カウンタN
G_Cと周期カウンタPRIの値を零に設定する。すな
わち、異常カウンタNG_Cと周期カウンタPRIの内
容をクリアすることにより、次の検査タイミングの準備
をしている。その後、異常検出処理を終了する。
【0065】一方、ステップS806では、異常検出フ
ラッグFLGの値を零に設定する。その後、異常検出処
理を終了する。
【0066】以上の処理を行うことにより、永久磁石回
転子101の回転に対応して位置信号p1,p2,p3
が電力供給部110に出力される。そして、電力供給部
110により、固定子巻線111a,111b,111
cに正弦波状の駆動電流i1,i2,i3が供給され
る。これにより図5の位相関係が保持され、永久磁石回
転子101が回転制御を持続することは、従来例と同様
である。
【0067】上述したように、本実施の形態1では、異
常動作検出部707を設けている。これにより、常に永
久磁石回転子101と位置信号p1,p2,p3の位相
関係の異常状態を監視でき、異常状態時は、初期位相検
出部702の動作を行い、最適な位相関係を常に保持で
きるようになる。これにより、常に最適な駆動効率が実
現可能となる。以下、これについて詳しく説明する。
【0068】いま、永久磁石回転子101と位置信号p
1,p2,p3の位相関係が所望の関係にある場合を考
える。この時、駆動効率は最適な状態にあるため、永久
磁石回転子101は所望の回転速度で制御される。その
結果、回転速度誤差TRは所定値αより小さくなり、異
常カウンタNG_Cは常に零(あるいは比較的小さな
値)となる。この時、周期カウンタPRIが周期カウン
タの基準値PRI_REFになった検査タイミングで
も、異常カウンタNG_Cは異常カウンタNGCREF
より小さい値であるため、異常検出フラッグFLGは常
に零となる。
【0069】したがって、永久磁石回転子101と位置
信号p1,p2,p3の位相関係が所望の関係にある場
は、ステップS707bによる処理選択は、常にステッ
プS703aになり、初期位相検出部702の処理は行
われない。
【0070】次に、永久磁石回転子101と位置信号p
1,p2,p3の位相関係が所望の関係から大きくずれ
た場合を考える。この時、駆動効率は非常に悪化してい
るため、永久磁石回転子101は所望の回転速度で制御
されず、所望の回転速度より低い回転速度で制御され
る。その結果、回転速度誤差TRは、所定値αより大き
くなり、異常カウンタNG_Cは、ステップS801と
ステップS802の動作により常にカウントアップされ
る。この時、周期カウンタPRIが周期カウンタの基準
値PRI_REFになった検査タイミングでは、異常カ
ウンタNG_Cは異常カウンタNGCREFより大きな
値となるため、異常検出フラッグFLGは1となる。
【0071】したがって、永久磁石回転子101と位置
信号p1,p2,p3の位相関係が所望の関係から大き
くずれた場合は、ステップS707bによる処理選択
は、初期位相検出部702になり、初期位相検出部70
2の動作が行われる。
【0072】このように、永久磁石回転子101と位置
信号p1,p2,p3の位相関係が所望の関係から大き
くずれた場合、異常動作検出部707の動作により初期
位相検出部702が実行され、位相関係が所望の位相関
係になる。これにより、最適な駆動効率で駆動される。
【0073】さらに、異常動作検出部707は、永久磁
石回転子101と位置信号p1,p2,p3の位相関係
が所望の関係から大きくずれた場合の永久磁石回転子1
01の回転異常のみを検出するようにしている。すなわ
ち、永久磁石回転子101と位置信号p1,p2,p3
の位相関係が所望の関係から大きくずれた場合では、異
常状態(回転速度が所望の回転速度に達しない状態)
が、断続的に続く場合が多いため、周期カウンタPRI
により検査タイミングを生成し、その検査タイミングの
内で所定タイミング回数以上異常状態を検出した場合に
異常検出フラッグFLGを1に設定するようにしてい
る。
【0074】このようにすることにより、異常動作検出
部707は、瞬時的な外乱による回転速度の異常には異
常検出フラッグFLGを1に設定せず、永久磁石回転子
101と位置信号p1,p2,p3の位相関係が所望の
関係から大きくずれた場合にのみ異常検出フラッグFL
Gを1に設定するようになる。
【0075】以上の理由により、本実施の形態1では、
異常動作検出部707を設けることにより、常に永久磁
石回転子101と位置信号p1,p2,p3の位相関係
の異常状態を監視し、異常状態時には、初期位相検出部
702の動作を行い、最適な位相関係を保持できる。こ
れにより永久磁石回転子101の効率のよい駆動が可能
となる。 (実施の形態2)本実施の形態2のブラシレス直流モー
タの全体構成は図1の実施の形態1と同じであり、説明
を省略する。
【0076】図10及び図11に演算装置106のメモ
リ109に内蔵されているプログラムの具体的な一例を
示し、以下その動作について詳細に説明する。なお、図
7及び図8と同じ記号を付した処理については動作が同
じであるため、説明を省略する。
【0077】図10及び図11では、ステップS705
bとステップS705cの動作の後、ステップS901
aの処理を行う。
【0078】ステップS901aでは、まず、回転速度
誤差TRと後述のフィルタ積分値FOとを加算合成し、
フィルタ出力値TRSとする(TRS←TR+FO)。
次に、回転速度誤差TRに所定の係数Kを乗算した値と
フィルタ積分値FOとを加算合成し、新しいフィルタ積
分値FOとする(FO←FO+TR×K)。この演算を
行うことにより、回転速度誤差TRの低周波成分が増強
された信号がフィルタ出力値TRSとして出力される。
その後、ステップS706aの動作を行う。ここで、ス
テップS901aにより低域増強フィルタ部901(低
域増強手段)が構成されている。
【0079】ステップS706aの後、ステップS70
6dを行う。
【0080】ステップS706dでは、ステップS70
6aで得られた3つのアドレス値a1,a2,a3とス
テップS901aで得たフィルタ出力値TRSをもと
に、メモリ109のROM領域に格納されている正弦波
の関数テーブルを参照し、3相の第1のデジタル位置信
号dp1,dp2,dp3を得る。すなわち、(数
7)、(数8)、(数9)を用いて計算する。
【0081】
【数7】
【0082】
【数8】
【0083】
【数9】
【0084】ここで、ROM(addr)はアドレス値addr
の正弦波関数テーブル値を表す(ここで、正弦波関数テ
ーブルの関数値の振幅を1とする)。その後、ステップ
S706cの処理を行う。
【0085】ステップS706cの後、ステップS70
7cを行う。ここで、ステップS707cとステップS
707bで異常動作検出部902(異常動作検出手段)
が構成されている。
【0086】また、誤差検出部703のステップS70
3aで、出力信号qが”H”でない時、ステップS70
8aの後、ステップS708cを行う。
【0087】ステップS708cでは、フィルタ出力値
TRSを所定の値TRS_max(固定子巻線111に
許容最大電流以下の電流が流れるように設定された値)
にする(TRS←TRS_max)。その後、ステップ
S901aの動作を行う。
【0088】図12に図11のステップS707cの異
常検出処理の処理フローの一例を示す。以下、図12を
参照しながら異常検出処理について詳しく説明する。
【0089】ステップS1001では、回転速度誤差T
Rと所定値αとの比較結果と、フィルタ出力値TRSと
所定値βとの比較結果により、次に行う処理を選択して
いる。すなわち、回転速度誤差TRが所定値αより大き
い、または、フィルタ出力値TRSが所定値βより大き
い時、ステップS1002の動作を行う。それ以外の
時、ステップS1003の動作を行う。
【0090】ステップS1002では、ステップS80
2と同様の処理を行う。すなわち、異常カウンタNG_
Cの値に1を加算した値を新しい異常カウンタNG_C
の値とする(NG_C←NG_C+1)。この処理を行
うことにより、回転速度誤差TRが所定値αより大き
い、または、フィルタ出力値TRSが所定値βより大き
い時のタイミングの回数が計数できる。その後、ステッ
プS1003の動作を行う。
【0091】ステップS1003では、ステップS80
3と同様の処理を行う。すなわち、周期カウンタPRI
の値に1を加算した値を新しい周期カウンタPRIの値
とする(PRI←PRI+1)。この処理を行うことに
より、異常検出処理の動作回数が計数できる。その後、
ステップS1004の動作を行う。
【0092】ステップS1004では、周期カウンタP
RIと周期カウンタの基準値PRI_REF(正の整数
で、好ましくは、10以上)とを比較し、一致していれ
ば、ステップS1005aの動作を行う。また、一致し
ていなければ、ステップS1006の動作を行う。この
処理を行うことにより、異常検出処理の検査タイミング
を作り出している。
【0093】ステップS1005aでは、異常カウンタ
NG_Cと異常カウンタの基準値NGCREF(周期カ
ウンタの基準値PRI_REF以下の正の正数)とを比
較し、次の処理を選択している。すなわち、異常カウン
タNG_Cが異常カウンタの基準値NGCREFより大
きい時、ステップS1005cの動作を行う。また、大
きくない時、ステップS1005bの動作を行う。すな
わち、検査タイミングにおいて、永久磁石回転子101
の回転速度が所定の回転速度でない異常の場合、また
は、フィルタ出力値TRSの値が大きい場合のタイミン
グ回数に応じて処理を選択し、異常のタイミングが多く
存在した場合、ステップS1005cの動作を行うよう
にしている。
【0094】ステップS1005bでは、異常検出フラ
ッグFLGの値を零に設定している。すなわち、検査タ
イミングにおいて、異常状態のタイミング回数が少ない
場合の異常検出フラッグFLGの値を零にする。その
後、ステップS1005dの動作を行う。
【0095】ステップS1005cでは、異常検出フラ
ッグFLGの値を1にする。すなわち、所定の検査タイ
ミングにおいて、異常状態のタイミング回数が多い場合
の異常検出フラッグFLGの値を1にする。その後、ス
テップS1005dの動作を行う。
【0096】ステップS1005dでは、異常カウンタ
NG_Cと周期カウンタPRIの値を零に設定する。す
なわち、異常カウンタNG_Cと周期カウンタPRIの
内容をクリアすることにより、次の検査タイミングの準
備をしている。その後、異常検出処理を終了する。
【0097】ステップS1006では、異常検出フラッ
グFLGの値を零に設定する。その後、異常検出処理を
終了する。
【0098】以上の処理を行うことにより、永久磁石回
転子101の回転に対応して位置信号p1,p2,p3
が電力供給部110に出力される。そして、電力供給部
110により、固定子巻線111a,111b,111
cに正弦波状の駆動電流i1,i2,i3が供給され
る。これにより図5の位相関係が保持され、永久磁石回
転子101が回転制御を持続することは、従来例と同様
である。
【0099】上述したように、本実施の形態2では、異
常動作検出部902を設けている。これにより、常に永
久磁石回転子101と位置信号p1,p2,p3の位相
関係の異常状態を監視でき、異常状態時は、初期位相検
出部702の動作を行い、最適な位相関係を常に保持で
きるようになる。これにより、常に最適な駆動効率が実
現可能となる。以下、これについて詳しく説明する。
【0100】ここで、永久磁石回転子101と位置信号
p1,p2,p3の位相関係が所望の関係から少しずれ
た場合を考える。この時、駆動効率は少し悪化している
ため、所望の回転速度で制御はされるが、駆動効率低下
を補うため、駆動電流を多く流す必要がある。このた
め、フィルタ出力値TRSは大きな値となる。この結
果、回転速度誤差TRは小さい値となる。すなわち、駆
動効率の低下は低域増強フィルタ部901の働きにより
補われるため、回転速度誤差TRに影響しないことにな
る。
【0101】従って、上述した実施の形態1のブラシレ
ス直流モータにおける異常検出ステップS707a(図
8参照)では、異常状態の検出は不可能となる。
【0102】そこで、本実施の形態2のブラシレス直流
モータにおける異常検出ステップS707cでは、異常
状態の検出に、フィルタ出力値TRSを利用している
(ステップS1001においてフィルタ出力値TRSを
利用している)。すなわち、永久磁石回転子101と位
置信号p1,p2,p3の位相関係が所望の関係から少
しずれた場合、駆動効率は悪化する。これを補うため、
駆動電流を多く流す必要がある。この時、フィルタ出力
値TRSは大きな値となる。
【0103】フィルタ出力値TRSが所定値βより大き
くなると、異常カウンタNG_CはステップS1001
とステップS1002の動作により常にカウントアップ
される。従って、周期カウンタPRIが周期カウンタの
基準値PRI_REFになった検査タイミングでは、異
常カウンタNG_Cは異常カウンタNGCREFより大
きな値となるため、異常検出フラッグFLGは1とな
る。したがって、ステップS707bによる処理選択
は、初期位相検出部702になり、初期位相検出の動作
が行われる。
【0104】以上の理由により、異常動作検出部902
を設けることにより、常に永久磁石回転子101と位置
信号p1,p2,p3の位相関係の異常を監視し、異常
状態時には、初期位相検出部702の動作を行い、最適
な位相関係を保持できる。これにより永久磁石回転子1
01の効率のよい駆動が可能となることは、実施の形態
1と同様である。 (実施の形態3)本実施の形態3では、異常検出処理7
07c以外の構成は、上記実施の形態2と同じであり、
説明を省略する。
【0105】図13に図11のステップS707cの異
常検出処理の処理フローの一例を示す。以下、図13を
参照しながら異常検出処理について詳しく説明する。な
お、図13と同じ記号を付した処理については動作が同
じであるため、説明を省略する。
【0106】ステップS1101では、回転速度誤差T
Rと所定値αとの比較結果と、フィルタ積分値FOと所
定値γとの比較結果により、次に行う処理を選択してい
る。すなわち、回転速度誤差TRが所定値αより大き
い、または、フィルタ積分値FOが所定値γより大きい
時は、ステップS1002の動作を行う。それ以外の時
は、ステップS1003の動作を行う。
【0107】以上の処理を行うことにより、永久磁石回
転子101と位置信号p1,p2,p3の位相関係がく
ずれた場合に、初期位相検出部702が動作し、位相関
係が所望の関係になることは前述の実施の形態2のブラ
シレス直流モータと同様である。
【0108】さらに、実施の形態3では、異常検出ステ
ップS707cにおいて、ステップS1101で異常状
態の検出にフィルタ積分値FOを利用している。これ
は、実施の形態2の異常検出処理のフィルタ出力値TR
Sを利用することに対して、精度が向上している。以
下、これについて詳しく説明する。
【0109】フィルタ積分値FOは、図11のステップ
S901で、フィルタ積分値FOに回転速度誤差TRに
所定の係数Kを乗じた値を加算した値をフィルタ積分値
FOとすることにより、フィルタ積分値FOを更新保存
している。この動作を、回転速度誤差TRを入力としフ
ィルタ積分値FOを出力とした場合、完全な高周波数成
分除去フィルタを形成していることが分かる。このた
め、フィルタ積分値FOを異常状態の判定に用いると、
高周波数成分除去フィルタの働きにより、非常に安定し
た判定結果が得られる。
【0110】以上より、本実施の形態3の異常検出処理
は、ステップS1101で異常状態の検出にフィルタ積
分値FOを利用しているため、フィルタ出力値TRSを
利用することに対して、検出精度が向上する。
【0111】以上の理由により、異常動作検出部902
を設けることにより、常に永久磁石回転子101と位置
信号p1,p2,p3の位相関係の異常を監視し、異常
状態時には、初期位相検出部702の動作を行い、最適
な位相関係を保持できる。これにより永久磁石回転子1
01の効率のよい駆動が可能となることは、実施の形態
2と同様である。
【0112】以上のように本発明は、異常動作検出部を
設けることにより、永久磁石回転子と位置信号の位相関
係がくずれた場合に、初期位相検出部を動作させるの
で、位相関係は所望の関係になる。これにより、モータ
は最大効率で回転する。
【0113】従って、従来のブラシレス直流モータのよ
うな位置検出素子が不要のため、素子の取付け位置調整
の煩雑さや配線数が削減され、大幅にコストが低減され
る。
【0114】また、モータ内部に位置検出素子を取り付
ける必要がないため、モータは構造上の制約を受けず超
小型化、超薄型化が可能となる。
【0115】これにより、広い用途に応用可能なブラシ
レス直流モータを構成できる。
【0116】なお、異常動作検出部902において、異
常状態を検出する信号は、回転速度誤差TRや低域増強
フィルタ部901のフィルタ出力値TRSや低域増強フ
ィルタ部901のフィルタ積分値FOに限らず、これら
信号に低域通過フィルタ演算を行い、高周波雑音を除去
した信号を用いてもよい。さらに、これらの信号に所定
の信号処理を施した信号を使用することも可能である。
【0117】また、3相の位置信号を図1に示すような
3個のD/A変換器108a,108b,108cに出
力している。しかし1個のD/A変換器を使用して逐次
アナログ値に変換した後、得られたアナログ値を3個の
サンプルホールド回路で保持して3相の位置信号として
出力しても適用可能である。
【0118】また、演算器を完全なハ―ドウェアによっ
て構成し、前述のプログラムによる動作と同じ動作をお
こなわせるようにしてもよい。
【0119】また、例えば速度検出器あるいは方向検出
器等その他についても、各々の実施の形態で説明したも
のは一例であって、本発明の主旨を変えず種々の変更が
可能である。
【0120】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、回転速度誤差に基づいて、永久磁石回転子の異
常動作を検出する異常動作検出手段と、異常動作が検出
された場合に、永久磁石回転子の位置と位置信号との位
相関係を所定の位相関係にするための位置信号を決定す
る位置信号決定手段とを備えているので、永久磁石回転
子の位置と位置信号の位相関係がずれた場合に、速やか
に位相関係を回復して永久磁石回転子の停止を防止でき
るという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のブラシレス直流モ―タ
の構成図である。
【図2】図1における方向検出器の具体的な構成例を表
す構成図である。
【図3】図1における方向検出器の動作を説明する説明
図である。
【図4】図1における速度検出器の具体的な構成例を表
す構成図である。
【図5】上記実施の形態1のブラシレス直流モータの定
常回転時の各部信号波形図である。
【図6】上記実施の形態1のブラシレス直流モータの定
常回転時における永久磁石回転子の磁極ベクトルΦと固
定子巻線の発生する電流ベクトルIの関係を示すベクト
ル図である。
【図7】上記実施の形態1のブラシレス直流モータにお
ける演算処理部の内蔵プログラムの一例の一部を表すフ
ローチャートである。
【図8】上記図7に続くプログラムの残りの一部を表す
フローチャートである。
【図9】上記実施の形態1のブラシレス直流モータの異
常検出処理の一例を表すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2のブラシレス直流モー
タの演算処理部の内蔵プログラムの一例の一部を表すフ
ローチャートである。
【図11】上記図10に続くプログラムの残りの一部を
表すフローチャートである。
【図12】上記実施の形態2のブラシレス直流モータの
異常検出処理の一例を表すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態3のブラシレス直流モー
タの異常検出処理の一例を表すフローチャートである。
【図14】上記図1における永久磁石回転子と固定子巻
線の配置を示す図である。
【符号の説明】
101 永久磁石回転子 102 周波数発電機 104 速度検出器 105 方向検出器 106 演算装置 110 電力供給器 111 固定子巻線 702 初期位相検出部 703 誤差検出部 705 カウンタ部 706 位置信号作成部 707、902 異常動作検出部 901 低域増強フィルタ部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の磁極を有する永久磁石回転子
    と、その永久磁石回転子に所定の空隙を有して配設され
    た複数相の固定子巻線と、前記永久磁石回転子の回転速
    度を検出する速度検出手段と、その検出された回転速度
    と予め設定された基準速度との差を検出する誤差検出手
    段と、その誤差検出手段により検出された回転速度誤差
    に基づいて、前記永久磁石回転子の異常動作を検出する
    異常動作検出手段と、前記異常動作が検出された場合
    に、前記永久磁石回転子の位置と位置信号との位相関係
    を所定の位相関係にするための位置信号を決定する位置
    信号決定手段とを備えたことを特徴とするブラシレス直
    流モータ。
  2. 【請求項2】 異常動作検出手段は、前記誤差検出手段
    の回転速度誤差が所定の値より大きい時、前記異常動作
    を検出することを特徴とする請求項1記載のブラシレス
    直流モータ。
  3. 【請求項3】 異常動作検出手段は、前記誤差検出手段
    の回転速度誤差が一定時間以上継続して所定の値を超え
    た時、前記異常動作を検出することを特徴とする請求項
    1記載のブラシレス直流モータ。
  4. 【請求項4】 異常動作検出手段は、前記誤差検出手段
    の回転速度誤差が、第1の所定タイミング回数の内、第
    2の所定タイミング回数以上、所定値より大きい場合
    に、前記異常動作を検出することを特徴とする請求項1
    記載のブラシレス直流モータ。
  5. 【請求項5】 複数個の磁極を有する永久磁石回転子
    と、その永久磁石回転子に所定の空隙を有して配設され
    た複数相の固定子巻線と、前記永久磁石回転子の回転速
    度を検出する速度検出手段と、その検出された回転速度
    と予め設定された基準速度との差を検出する誤差検出手
    段と、その誤差検出手段により検出された回転速度誤差
    を積分加算した積分値を生成する低域増強手段と、その
    生成された積分値に基づいて、前記永久磁石回転子の異
    常動作を検出する異常動作検出手段と、前記異常動作が
    検出された場合に、前記永久磁石回転子の位置と位置信
    号との位相関係を所定の位相関係にするための位置信号
    を決定する位置信号決定手段とを備えたことを特徴とす
    るブラシレス直流モータ。
  6. 【請求項6】 異常動作検出手段は、前記低域増強手段
    の積分値が一定時間以上継続して越えた時、前記異常動
    作を検出することを特徴とする請求項5記載のブラシレ
    ス直流モータ。
  7. 【請求項7】 異常動作検出手段は、前記低域増強手段
    の積分値が、第1の所定タイミング回数の内、第2の所
    定タイミング回数以上、所定値より大きい場合に、前記
    異常動作を検出することを特徴とする請求項5記載のブ
    ラシレス直流モータ。
JP8139311A 1996-05-31 1996-05-31 ブラシレス直流モータ Pending JPH09322588A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004080690A1 (ja) * 2003-03-13 2004-09-23 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. 成形機及びその制御方法
JP2010252608A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Sanyo Electric Co Ltd モータ駆動回路
JP2021044938A (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 キヤノン株式会社 モータ制御装置およびその制御方法

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