JPH09247981A - ブラシレス直流モータ - Google Patents

ブラシレス直流モータ

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JPH09247981A
JPH09247981A JP8054597A JP5459796A JPH09247981A JP H09247981 A JPH09247981 A JP H09247981A JP 8054597 A JP8054597 A JP 8054597A JP 5459796 A JP5459796 A JP 5459796A JP H09247981 A JPH09247981 A JP H09247981A
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JP
Japan
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phase
signal
waveform
motor
brushless
Prior art date
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Application number
JP8054597A
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English (en)
Inventor
Toshio Inaji
稲治  利夫
Eiji Ueda
英司 上田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホール素子などの位置検出素子を必要としな
いブラシレス直流モータで、回転時の振動や騒音の発生
やトルクリップルの発生を小さくすることを目的とす
る。 【解決手段】 永久磁石回転子20の回転に応じて出力
する周波数発電機1の2相周波数信号より回転方向と回
転移動量をそれぞれ方向検出手段3とカウント手段4で
検出する。位相調整手段5は回転方向指令14に応じて
カウント手段4の計数値よりアドレス信号を形成し、波
形発生手段6はそのアドレス信号をもとに関数テーブル
より3相の波形信号を形成し所定の時間だけ遅延した時
差出力信号を形成する。電力供給手段7は時差出力の3
相の波形信号をそれぞれ合成し、得られた合成信号に応
じた正弦波状の駆動電流を固定子巻線に供給することに
より回転子を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石回転子の
回転位置を検出するための位置検出素子を不要としたブ
ラシレス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブラシレス直流モータは、固定子
巻線の通電相の切換えのためにブラシに相当する位置検
出素子(例えばホール素子)を使用している。しかしな
がら、位置検出素子自体決して安価なものではなく、素
子の取付け位置調整の煩雑さや配線数の増加などにより
ブラシレス直流モータはブラシ付直流モータに比べて大
幅にコストが上昇する欠点がある。またモータ内部に位
置検出素子を取り付けなければならないため、モータの
構造上の制約が起こることがしばしばある。近年、機器
の小型化に伴い、使用されるモータも小型かつ薄型化さ
れ、ホール素子等の位置検出素子を取り付ける場所的な
余裕がなくなってきているのが実状である。そこで、ホ
ール素子の如き位置検出素子の全くないブラシレス直流
モータが、従来よりいくつか提案されている。
【0003】この種の位置検出素子の全くないブラシレ
ス直流モータとしては、モータに取り付けられた周波数
発電機の出力パルスを利用するものがある。例えば特開
昭63−262088号公報には、あらかじめディジタ
ルメモリに正弦波情報を格納しておき、回転子の回転に
応じたパルスを発生する周波数発電機の出力パルスをカ
ウンタで計数し、その計数値に対応してディジタルメモ
リのディジタル情報を順次読み出し、ディジタル−アナ
ログ変換器でアナログ電圧に変換して正弦波状の電流パ
ターンの駆動電流を3相の固定子巻線に順次通電させ、
永久磁石回転子を回転させるようにしたブラシレス直流
モータが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなブラシレス
直流モータにおいては、回転時の振動・騒音や発生トル
クのリップルの小さいことが要求されている。しかしな
がら上記のような構成では、固定子巻線に供給される電
流は概略正弦波状ではあるが、微視的には階段状に変化
する電流のため、モータの回転時に振動・騒音やトルク
リップルを発生しやすい。ブラシレス直流モータで振動
・騒音やトルクリップルを極力小さく抑えるためには固
定子巻線に供給する電流波形を極めて滑らかな正弦波状
にするのが好ましく、従来技術では滑らかに変化する駆
動電流を作り出すためにディジタル回路の分解能を相当
高くする必要があるという課題を有していた。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、分解能の低いディジタル処理で
正弦波に近い駆動電流波形を形成することが可能で、回
転時の振動・騒音やトルクリップルの小さいブラシレス
直流モータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のブラシレス直流モータは、複数個の磁極を有
する回転子と、前記回転子に所定の空隙を有して配設さ
れた複数相の固定子巻線と、前記回転子の回転数に比例
した複数相の周波数信号を発生する周波数発電機と、前
記複数相の周波数信号より前記回転子の回転方向を検出
し方向信号を出力する方向検出手段と、前記方向信号に
応じて前記周波数発電機の少なくとも1つの周波数信号
のパルスをアップカウントもしくはダウンカウントを行
うカウント手段と、前記複数相の固定子巻線の少なくと
も1相の電圧もしくは電流の位相に応じた位相信号を出
力する位相検出手段と、前記カウント手段の計数値を回
転方向指令に応じて所定の値だけ加減算し、さらに前記
位相信号に応じて調整して得られた指令値を出力する位
相調整手段と、前記指令値に応じて複数相の波形信号を
それぞれ所定時間ずつ遅延させて発生する波形発生手段
と、前記複数相の波形信号をそれぞれ合成し、得られた
合成信号に応じた駆動電流もしくは駆動電圧を固定子巻
線に供給する電力供給手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0008】図1は本発明の一実施例におけるブラシレ
ス直流モータの構成を示すブロック図である。図1にお
いて、20は永久磁石回転子、11,12,13は3相
の固定子巻線である。1は周波数発電機で、永久磁石回
転子20の回転に比例した互いに位相の異なる2相の周
波数信号m1,m2を発生する。この2相の周波数信号
m1,m2は、波形整形回路2に入力されて矩形波信号
s1,s2に変換された後、方向検出回路3に入力され
る。方向検出回路3は、永久磁石回転子20の正逆の回
転方向に応じた方向信号dを出力する。4はカウント回
路で、波形整形回路2の出力する矩形波信号s1と方向
検出回路3の出力する方向信号dが入力され、永久磁石
回転子20の回転に応じて発生する矩形波信号s1のパ
ルス数をその回転方向に応じてアップカウントあるいは
ダウンカウントを行う。8は位相検出回路で、固定子巻
線11,12,13に印加される電圧の位相を検出して
位相信号gを出力する。5は位相調整回路で、入力端子
14に入力される方向指令rに応じてカウント回路4の
計数値cに所定値の加算もしくは減算処理を行い、また
位相検出回路8の出力する位相信号gに応じて位相補正
を行った後、アドレス信号fを波形発生回路6に出力す
る。波形発生回路6は、位相調整回路5の出力するアド
レス信号fに応じて3相の波形信号p1,p2,p3を
出力する。7は電力供給回路で、入力された3相の波形
信号p1,p2,p3をそれぞれ増幅して、波形信号p
1,p2,p3の大きさに比例した電流i1,i2,i
3をそれぞれ固定子巻線11,12,13に供給する。
【0009】以上のように構成されたブラシレス直流モ
ータについて、以下、その動作を述べる。
【0010】永久磁石回転子20が定常状態で回転して
いるときについて説明する。図2は方向検出回路3の一
実施例の回路構成図で、その各部信号波形図を図3に示
す。
【0011】図2において、21はデータ入力型のフリ
ップフロップ回路で、波形整形回路2の出力する2相の
矩形波信号s1,s2が入力される。フリップフロップ
回路21のデータ入力端子Dには矩形波信号s1が入力
され、クロック入力端子CKには矩形波信号s2が入力
される。図3aに、永久磁石回転子20が正方向に回転
しているときの矩形波信号s1,s2の波形を示し、図
3bには永久磁石回転子20が逆方向に回転していると
きの矩形波信号s1,s2の波形を示す。データ入力型
のフリップフロップ回路21は、クロック入力端子CK
に入力された信号の立上がりエッジ毎に、データ入力端
子Dの状態を保持し、その状態を出力端子Qより出力す
るので、図3aのように永久磁石回転子20が正方向に
回転しているときは、データ入力型のフリップフロップ
回路21の出力Qは、常に高電位状態(以下、”H”状
態と呼ぶ)となる。一方、永久磁石回転子20が逆方向
に回転しているときは、図3bの如く矩形波信号s1が
矩形波信号s2より位相が90度だけ遅れるので、出力
Qは常に低電位状態(以下、”L”状態と呼ぶ)とな
る。以上より明らかなように、図1の方向検出回路3に
より永久磁石回転子20の回転方向を検出することがで
きる。すなわち、方向検出回路3の出力する方向信号d
は、永久磁石回転子20が正方向に回転しているとき
は、”H”状態となり、逆方向に回転しているとき
は、”L”状態となる。カウント回路4には、波形整形
回路2の出力する矩形波信号s1と方向検出回路3の方
向信号dとが入力され、カウント回路4は方向信号dに
応じて矩形波信号s1をアップカウントもしくはダウン
カウントを行う。すなわち、永久磁石回転子20の回転
に応じて発生する矩形波信号s1のパルス数を回転方向
に応じてアップカウントあるいはダウンカウカウントを
行うので、カウント回路4の計数値より永久磁石回転子
20の回転移動量を得ることができる。
【0012】図4は位相検出回路8の一実施例の回路構
成図で、その各部信号波形図を図5に示す。
【0013】図4において、31は比較器で、比較器3
1の2つの入力端子は1相の固定子巻線11の両端に接
続される。比較器31の非反転入力(+)には固定子巻
線11の端子電圧v1が接続され、比較器31の反転入
力(−)には3相の固定子巻線11、12、13の中性
点Oが接続される。比較器31は固定子巻線11の相電
圧に応じた位相信号gを位相調整回路5に出力する。
【0014】図5において、aは永久磁石回転子20が
回転しているときの3相の端子電圧v1,v2,v3の
各電圧波形を示す。端子電圧v1は比較器31の非反転
入力(+)に接続され、3相の固定子巻線11,12,
13の中性点Oが比較器31の反転入力(−)に接続さ
れているので、比較器31は固定子巻線1に発生する相
電圧の符号を検出したことになる。波形bより明らかな
ように位相信号gの立ち上がりエッジは端子電圧v1と
中性点電位Oとのゼロクロス点と一致する。すなわち、
位相検出回路8の出力する位相信号gは、固定子巻線1
1,12,13のうち1相の相電圧のゼロクロス点のタ
イミングを出力することになり、位相検出回路8により
固定子巻線11の相電圧の位相を検出することができ
る。なお、位相信号gをもとに行う操作については、図
13および図14にて説明する位相補正の動作のところ
で詳細に説明する。
【0015】図6は本発明のブラシレス直流モータの定
常回転時の各部信号波形図である。図6aは、固定子巻
線11,12,13のそれぞれに誘起される誘起電圧e
1,e2,e3の波形である。図6bは、波形発生回路6
で発生される3相の波形信号p1,p2,p3で、永久
磁石回転子20の回転位置に応じて出力され、誘起電圧
e1,e2,e3と同位相の関係となる。図6cは、固
定子巻線11,12,13の各相に供給される3相駆動
電流i1,i2,i3で、正弦波状の波形信号p1,p
2,p3を電力供給回路7によりそれぞれ増幅されたも
のである。図6dは、固定子巻線11,12,13の各
相の端子電圧v1,v2,v3で、固定子巻線11,1
2,13のそれぞれに誘起される誘起電圧e1,e2,
e3と各相に駆動電流i1,i2,i3が流れることに
より発生した巻線抵抗による電圧降下分(電圧波形v1
のみ斜線で示した部分)を合成した波形である。図6よ
り明らかなように誘起電圧e1,e2,e3、波形信号
p1,p2,p3、駆動電流i1,i2,i3および端
子電圧v1,v2,v3はすべて同位相にあり、誘起電
圧e1,e2,e3と駆動電流i1,i2,i3とがそ
れぞれ同位相のときモータは最大効率で駆動される。3
相駆動電流i1,i2,i3により固定子巻線11,1
2,13には回転磁界が発生し、永久磁石回転子20の
磁極と固定子巻線11,12,13により発生した回転
磁界との相互作用により永久磁石回転子20は回転力を
受けて回転を始める。
【0016】図7は永久磁石回転子20の磁極と固定子
巻線11,12,13により発生した回転磁界の位相関
係を示したベクトル図である。図7において、Φは永久
磁石回転子20の磁極を示す磁極ベクトル、Iは固定子
巻線11,12,13により発生した回転磁界を示す起
磁力ベクトル、Eは固定子巻線11,12,13に誘起
される誘起電圧を示す誘起電圧ベクトルである。図7a
はモータが正方向(時計方向)に回転している様子を、
図7bはモータが逆方向(反時計方向)に回転している
様子をそれぞれベクトル図で表現したもので、起磁力ベ
クトルIと磁極ベクトルΦはそれぞれ図示した方向に回
転する。図より明らかなように、永久磁石回転子20を
連続して回転させるためには、固定子巻線11,12,
13で発生される起磁力ベクトルIの位相を永久磁石回
転子20の磁極ベクトルΦの位相より常に90度だけ回
転方向に進めてやればよい。すなわち、正方向に回転さ
せるには起磁力ベクトルIを時計方向に90度だけ進
め、逆方向に回転させるには起磁力ベクトルIを反時計
方向に90度だけ進めればよい。また図7より明らかな
ように、モータの回転方向とは無関係に起磁力ベクトル
Iと誘起電圧ベクトルEとは位相が一致している。この
状態のときモータは最大効率で駆動されることになる。
【0017】このような信号処理を行う本発明の一実施
例の各部の動作について、詳しく説明する。図8は、本
発明のブラシレス直流モータを構成する位相調整回路
5、波形発生回路6の一実施例を示す構成図である。本
実施例では、位相調整回路5、波形発生回路6は、演算
器61とメモリ62とディジタル−アナログ変換器6
3,64,65とで構成される。演算器61は、メモリ
62のROM(リードオンリメモリ)領域に格納されて
いる後述の所定の内臓プログラムに従って動作し、端子
14に入力される方向指令rと位相検出回路8の出力す
る位相信号gおよびカウント回路4の計数値cをRAM
(ランダムアクセスメモリ)領域に取り込み、所定の演
算を施してアドレス信号fを求める。つぎに演算器61
はアドレス信号fに応じて、メモリ62のROM領域に
予め格納されている1周期分の正弦波の関数テーブルを
参照することによりアドレス信号fに応じた3相のディ
ジタル位置信号dp1,dp2,dp3を求め、それぞ
れディジタル−アナログ変換器63,64,65に出力
する。ディジタル−アナログ変換器63,64,65
は、3相のディジタル位置信号dp1,dp2,dp3
をそれぞれアナログ値に変換して3相の波形信号p1,
p2,p3を出力する。
【0018】つぎに、メモリ62のROM領域に格納さ
れている内臓プログラムについて説明する。通常回転時
に処理の行われる通常モードについて、図9に示した基
本フローチャートに沿って説明する。処理71では、カ
ウント回路4の計数値cの変化したときの割り込みを待
っている。割り込みが入ると処理72に移行する。処理
72では、カウント回路4の計数値cと端子14に入力
される方向指令rを取り込みメモリ62のRAM領域に
格納する。処理73では、方向指令rが正方向指令であ
るか逆方向指令であるかを判定する。方向指令rが正方
向指令であるときには処理74でカウント回路4の計数
値cに所定の値(位相に換算して90度相当)を加算し
てアドレス信号fを演算する。方向指令rが逆方向指令
であるときにはカウント回路4の計数値cに所定の値
(位相に換算して90度相当)を減算してアドレス信号
fを演算する。処理71,72,73,74,75が位
相調整回路5の行う演算処理である。
【0019】処理76は、処理74または処理75で得
られたアドレス信号fをもとに、つぎの処理77で必要
な3相のアドレス信号f1,f2,f3を求める。すな
わち、波形信号p1,p2,p3の位相はそれぞれ12
0度ずつずれているので(図6)、以下に示す(数
1),(数2),(数3)より、f1,f2,f3の3
相の各アドレス値を計算する。
【0020】
【数1】
【0021】
【数2】
【0022】
【数3】
【0023】なお、(120)は位相に換算して120
度相当のアドレス計数値である。処理77では、処理7
6で得られた3相のアドレス信号f1,f2,f3をも
とにメモリ62のROM領域に格納されている正弦波の
関数テーブルを参照し、3相のディジタル位置信号dp
1,dp2,dp3を求める。処理77のあとは処理8
0に移行する。処理80では、変数mを0に設定し、処
理81に移行する。処理81では、タイマーからの割り
込みを待っている。タイマーは、周波数発電機1の周波
数信号の周期を略均等配分するように所定の時間△T毎
に割り込み信号を発生し、割り込みが入ると処理82に
移行する。処理82では、変数mに1を加算し、処理8
3に移行する。処理83では、処理77で得られた3相
のディジタル位置信号dp1,dp2,dp3のうち、
m番(m=1,2,3)目のディジタル位置信号を図8
のディジタル−アナログ変換器63,64,65にそれ
ぞれ出力する。処理84では、変数mが3であるかどう
かを判定し、m≠3のときは処理81に移行し処理8
1,82,83,84を繰り返し、m=3のときは処理
71に移行する。処理76,77,80,81,82,
83,84が波形発生回路6の行う演算処理である。本
処理のあとは処理71に移行し、以上の処理を繰り返
す。すなわち、波形発生回路6は周波数発電機の周波数
信号のパルス毎に複数相の波形信号をそれぞれ周波数信
号のパルス周期を略均等配分するように遅延させて発生
する。位相調整回路5、波形発生回路6で以上の処理を
行うことにより、永久磁石回転子20の回転に応じて波
形信号p1,p2,p3を電力供給回路7に出力する。
【0024】図10は、電力供給回路7の一実施例の回
路構成図である。図10において、p1,p2,p3は
波形発生回路6により形成された3相の波形信号が入力
される入力端子、51,52,53は入力された波形信
号p1,p2,p3の大きさを1/2倍にする減衰器で
ある。54,55,56は3入力の減算器で、減算器5
4では減衰器51の出力p1/2より波形信号p2,p
3を減算する。同様に減算器55は減衰器52の出力p
2/2より波形信号p3,p1を減算し、減算器56は
減衰器53の出力p3/2より波形信号p1,p2を減
算する。減算器54,55,56で得られた結果はそれ
ぞれ増幅回路57,58,59に入力され、増幅回路5
7,58,59により入力信号はそれぞれ増幅され、入
力信号に応じた電流i1,i2,i3が固定子巻線1
1,12,13に供給される。
【0025】すなわち、図10の電力供給回路は以下に
示す(数4),(数5),(数6)で示される駆動電流
i1,i2,i3を固定子巻線11,12,13に供給
する。
【0026】
【数4】
【0027】
【数5】
【0028】
【数6】
【0029】なお、kは、増幅回路57,58,59の
増幅係数である。このような信号処理を行う本発明を構
成する電力供給回路の一実施例の動作について、詳しく
説明する。図11は、波形発生回路6で形成された波形
信号p1,p2,p3を図10の電力供給回路7で増幅
したときの固定子巻線11,12,13に供給される駆
動電流の電流波形図である。なお、図11では簡単のた
め1相の駆動電流波形のみ示してある。図11aは、本
発明の駆動電流の電流波形図で、波形発生回路6で図9
の基本フローチャートの処理に従い周波数発電機の発生
する周波数信号のパルス毎に3相の波形信号を周波数信
号のパルス周期を略均等配分するようにそれぞれ遅延さ
せて発生させ、図10の電力供給回路により波形信号を
それぞれ合成し増幅したときの駆動電流波形を示す。図
11bは、本発明のような処理を行わない場合、すなわ
ち3相の波形信号を周波数発電機の発生する周波数信号
のパルス毎に集中して発生させ、各相の波形信号を合成
することなく個別に増幅したときの駆動電流波形を比較
のために示した駆動電流波形図である。なお、図11に
おいて波形信号の出力タイミングを各図に併記してあ
る。
【0030】図11aでは3相の波形信号の出力タイミ
ングは、全期間平均化されているのに対して、図11b
では出力タイミングは周波数発電機の発生する周波数信
号の出力タイミングの時点に集中している。図11より
明らかなように、本発明のブラシレス直流モータの駆動
電流波形(図11a)は、本発明のような処理を行わな
い場合の駆動電流波形(図11b)に比べて、固定子巻
線に供給する電流波形を滑らかな正弦波状にすることが
できる。一般にブラシレス直流モータでは、駆動電流の
通電方向の変化するゼロクロス点近傍の波形がモータ回
転時の振動・騒音に大きく影響を与えることが知られて
おり、図11aに示す本発明の駆動電流波形でブラシレ
ス直流モータを駆動した場合、本発明のような処理を行
わずに駆動電流波形が階段状に大きく変化する図11b
に示す駆動電流波形で駆動した場合よりモータの回転時
の振動・騒音を大幅に低減することができる。また本発
明により固定子巻線に供給する電流波形を滑らかな正弦
波状にすることができるので、モータ回転時のトルクリ
ップルを極力小さく抑えることができる。
【0031】図12は、電力供給回路7の他の一実施例
の回路構成図である。なお、図10と同様の機能を有す
るものについては同一の番号を付して重複した説明は省
略する。図12において、91は波形発生回路6により
形成された3相の波形信号p1,p2,p3を加算し加
算信号p0を形成する加算器、92は加算器91の加算
信号の大きさを2/3倍にする減衰器である。93,9
4,95は減算器で、減算器93では波形信号p1より
加算信号p0を減算する。同様に減算器94は波形信号
p2より加算信号p0を減算し、減算器95は波形信号
p3より加算信号p0を減算する。減算器93,94,
95で得られた結果はそれぞれ増幅回路57,58,5
9に入力され、増幅回路57,58,59はそれぞれ入
力信号を増幅し入力信号に応じた電流i1,i2,i3
を固定子巻線11,12,13に供給する。すなわち、
図12の電力供給回路は以下に示す(数7),(数
8),(数9)で示される駆動電流i1,i2,i3を
固定子巻線11,12,13に供給する。
【0032】
【数7】
【0033】
【数8】
【0034】
【数9】
【0035】なお、k'は、図12の増幅回路57,5
8,59の増幅係数で、
【0036】
【数10】
【0037】とおけば、(数7),(数8),(数9)
は、(数4),(数5),(数6)と全く同じになるの
で、図14に示す電力供給回路は図9に示すフローチャ
ートに従って処理の行われる波形発生回路6の形成する
波形信号p1,p2,p3によって、図10の電力供給
回路と同様の効果が得られる。すなわち、図14の電力
供給回路により、図10の電力供給回路と同様に分解能
の低いディジタル処理で固定子巻線に供給する電流波形
を滑らかな正弦波状にすることができ、モータの回転時
の振動・騒音を大幅に低減することができ、モータの発
生トルクのトルクリップルを極力小さく抑えることがで
きる。
【0038】以上より明らかなように、電力供給回路7
は固定子巻線1,12,13に正弦波状の駆動電流i
1,i2,i3を供給する。すなわち、永久磁石回転子
20の回転量を検出し、その回転量だけ固定子巻線1
1,12,13により発生する磁界を回転させる。その
結果、固定子巻線は回転磁界を発生し、回転磁界の起磁
力ベクトルIは、永久磁石回転子20の磁極ベクトルΦ
とは図7に示すように常に90度だけ位相が異なるよう
に形成される。そして磁極ベクトルIと磁極ベクトルΦ
との相互作用により、永久磁石回転子20は回転力を受
けて回転を持続する。
【0039】つぎに、本発明のブラシレス直流モータで
通常回転時に行われる位相補正の動作について詳しく説
明する。
【0040】図13は固定子巻線11,12,13に誘
起される誘起電圧e1,e2,e3と各相に通電される
駆動電流i1,i2,i3の位相がずれた場合の各部電
圧・電流波形と位相検出回路8の出力する位相信号gを
示した波形図である。
【0041】図13aは固定子巻線11,12,13に
誘起された誘起電圧e1,e2,e3、図13bは波形
発生回路6の出力する正弦波状の波形信号p1,p2,
p3、図13cは固定子巻線11,12,13に通電さ
れる駆動電流i1,i2,i3である。波形信号p1,
p2,p3は正弦波状の信号波形であり、電力供給回路
7はこれらをそれぞれ増幅して正弦波状の3相駆動電流
i1,i2,i3に変換し固定子巻線11,12,13
の各相に供給するので、波形信号p1,p2,p3と駆
動電流i1,i2,i3とは同位相の関係となる。
【0042】図13dのv1,v2,v3は固定子巻線
11,12,13の各相の端子電圧で、各相に誘起され
る誘起電圧e1,e2,e3と各相に駆動電流i1,i
2,i3が流れることにより発生する巻線抵抗の電圧降
下分(電圧波形v1のみ斜線で示した部分)を合成した
波形である。図13より明らかなように、誘起電圧e
1,e2,e3と駆動電流i1,i2,i3および端子
電圧v1,v2,v3はすべて位相が異なる。特に誘起
電圧e1,e2,e3と駆動電流i1,i2,i3との
位相がずれているので、モータは最大効率では駆動され
ない。
【0043】図13eは図4に示す位相検出回路8の出
力する位相信号gを示し、図5と同様に位相信号gの立
ち上がりエッジが端子電圧v1の中性点電位Oを下から
上へクロスするゼロクロス点と一致し、位相信号gの立
ち下がりエッジが端子電圧v1の中性点電位Oを上から
下へクロスするゼロクロス点と一致する。図13より明
らかなように、位相信号gの立ち上がりエッジは波形信
号p1(または駆動電流i1)のゼロクロス点とΔgだ
け位相がずれている。
【0044】つぎに、位相検出回路8の出力する位相信
号gをもとに誘起電圧e1,e2,e3と駆動電流i
1,i2,i3との位相を図6に示すように一致させる
位相補正の処理を行う本発明の一実施例の動作につい
て、詳しく説明する。
【0045】図14は位相補正の処理を行う位相補正モ
ードの一実施例のフローチャートである。以下、図14
に示したフローチャートに沿って説明する。
【0046】図14において、処理131では、位相検
出回路8の出力する位相信号gの立ち上がりエッジの発
生による割り込みを待っている。位相信号gの立ち上が
りエッジの発生がない場合は、処理は通常モードに移行
し位相信号gの立ち上がりの発生がある場合は処理13
2に移行する。処理132では、位相信号gの立ち上が
りエッジの発生する時点におけるアドレス値f(波形発
生回路6に入力される)と波形発生回路6の出力する波
形信号p1のゼロクロス点に相当するアドレス値fpと
の差(Δg=f−fp)を演算して位相差Δgを求め、
メモリ62のRAM領域に格納し、処理133に移行す
る。
【0047】処理133では、処理132で求めた位相
差Δgの大きさが所定値Gの範囲内にあるかどうかを判
定する。位相差Δgの大きさが所定値Gより小さいとき
は、処理は通常モードに移行し、位相差Δgの大きさが
所定値Gより大きいときは処理134に移行する。処理
134では、処理132で得られた位相差Δgの符号を
判定する。位相差Δgの符号が正のときは処理135に
移行し、アドレス値fを1だけ加算させた後、通常モー
ドに移行する。処理134で位相差Δgの符号が正でな
いときは処理136に移行し、アドレス値fを1だけ減
算させた後、通常モードに移行する。
【0048】以上の処理131から処理136までが、
位相補正モードの動作である。図14のフローチャート
に示す処理を行うことにより、端子電圧v1,v2,v
3の中性点電位Oとのゼロクロス点が波形発生回路6の
出力する波形信号p1,p2,p3のゼロクロス点と一
致するするように処理が行われる。すなわち、図13e
に示すように端子電圧v1のゼロクロス点が波形信号p
1のゼロクロス点に相当するアドレス値fpより進んだ
位置にあるときは波形発生回路6の出力する波形信号の
アドレス値fを小さくすることにより波形信号p1,p
2,p3の位相を進める。逆に、端子電圧v1のゼロク
ロス点が波形信号p1のゼロクロス点に相当するアドレ
ス値fpより遅延した位置にあるときは波形発生回路6
の出力する波形信号のアドレス値fを大きくすることに
より波形信号p1,p2,p3の位相を遅延させる。そ
の結果、波形発生回路6の出力する波形信号p1,p
2,p3の位相(駆動電流i1,i2,i3と同位相)
と端子電圧v1,v2,v3との位相が一致し、誘起電
圧e1,e2,e3の位相と駆動電流i1,i2,i3
の位相が図6に示すごとく一致するので、モータは最大
効率で駆動される。
【0049】したがって、仮にモータの駆動中に何らか
の原因で周波数発電機1にノイズが重畳しカウント回路
4の計数値に誤差を発生しても図14の位相補正モード
によりモータの通常回転時に自動的に誘起電圧e1,e
2,e3の位相と駆動電流i1,i2,i3の位相を一
致させることができる。したがって、周波数発電機1に
重畳したノイズによりカウント回路4の計数値の誤差が
累積してモータが停止してしまうという最悪状態を未然
に防止することができる。
【0050】図15は、本発明のブラシレス直流モータ
を構成する位相調整回路5、波形発生回路6で、通常回
転時に処理の行われる通常モードの他の実施例の基本フ
ローチャートである。なお、図9と同様の処理を有する
ものについては同一の番号を付して重複した説明は省略
する。
【0051】通常回転時に処理の行われる通常モードの
他の実施例について、図15に示した基本フローチャー
トに沿って説明する。処理101では、変数mを0にリ
セットし処理71に移行する。処理71,72,73,
74,75の位相調整回路5の行う演算処理(図9のフ
ローチャートと同じ)のあと、処理102に移行する。
処理102では、変数mに1を加算し処理103に移行
する。処理103では、処理74または処理75で得ら
れたアドレス信号fをもとに、つぎの処理104で必要
なm番(m=1,2,3)目の相のアドレス信号f(m)
を(数1),(数2),(数3)より、m番目の相のア
ドレス値を計算する。
【0052】処理104では、処理103で得られたm
番目の相のアドレス値f(m)をもとに図8のメモリ62
のROM領域に格納されている正弦波の関数テーブルを
参照し、m番目の相のディジタル位置信号dp(m)を求
める。処理104のあとは処理105に移行する。処理
105では、処理104で得られたm番目の相のディジ
タル位置信号dp(m)を、図8のディジタル−アナログ
変換器63,64,65のうち、変数mに対応した1つ
のディジタル−アナログ変換器に出力する。
【0053】処理106では、変数mが3であるかどう
かを判定し、m≠3のときは処理71に移行し、処理7
1,72,73,74,75,102,103,10
4,105、106を繰り返し、m=3のときは処理1
01にてm=0に設定した後、処理71,72,73,
74,75,102,103,104,105、106
を繰り返す。処理101,102,103,104,1
05,106が波形発生回路6の行う演算処理である。
すなわち、波形発生回路6は図15に示すフローチャー
トの処理に従い、周波数発電機1の周波数信号のパルス
毎に順次1相のみの波形信号を繰り返し発生保持するの
で、3相の波形信号p1,p2,p3を周波数信号のパ
ルス周期ずつ遅延させて発生する。
【0054】したがって、永久磁石回転子20の回転に
応じて得られた3相の時差出力の波形信号p1,p2,
p3を電力供給回路7に出力することにより、図11a
に示すような滑らかな正弦波状の駆動電流を固定子巻線
11,12,13に供給することができる。すなわち、
図15のフローチャートに従って処理の行われる波形発
生回路6は、図9のフローチャートに従って処理の行わ
れる場合と同様、分解能の低いディジタル処理で固定子
巻線に供給する電流波形を滑らかな正弦波状にすること
ができ、モータの回転時の振動・騒音を大幅に低減する
ことができ、モータの発生トルクのトルクリップルを極
力小さく抑えることができる。
【0055】以上の説明では、電力供給回路7は、波形
発生回路6の出力する波形信号p1,p2,p3に比例
した3相駆動電流を発生させる、いわゆる電流制御型の
電力供給回路である。しかしながら、入力された波形信
号p1,p2,p3にそれぞれ比例した大きさの電流を
発生させる電流増幅回路は、一般に相間ばらつきを発生
しやすく単なる電圧増幅回路に比べれば回路構成が複雑
になるという欠点を有する。入力された波形信号p1,
p2,p3にそれぞれ比例した3相駆動電圧を発生させ
る、いわゆる電圧制御型の電力供給回路を用いる場合に
は、図4に示した位相検出回路8の代わりに図16に示
すような位相検出回路を使用すればよい。
【0056】図16は位相検出回路8の他の実施例の回
路構成図で、その各部信号波形図を図17に示す。図1
6において、41は1相の固定子巻線11に直列接続さ
れた電流検出用の抵抗で、固定子巻線11に通電される
相電流i1を電圧に変換する。42は比較器で、比較器
42の2つの入力端子は抵抗41の両端に接続される。
比較器42は抵抗41に流れる電流の方向に応じて位相
信号gを位相調整回路5に出力する。
【0057】図17において、aは永久磁石回転子20
が回転しているときの3相の固定子巻線11,12,1
3に流れる電流i1,i2,i3の各電流波形を示して
いる。固定子巻線11に流れる電流i1は抵抗41によ
り電流に応じた電圧に変換され、抵抗41の両端の電圧
は比較器42の非反転入力(+)と反転入力に接続され
ているので、比較器42は固定子巻線1に通電される相
電流の符号を検出したことになる。波形bより明らかな
ように、波形信号gの立ち上がりエッジは電流i1のゼ
ロクロス点と一致する。すなわち、位相検出回路8の出
力する位相信号gは、固定子巻線11,12,13のう
ち1相の電流のゼロクロス点のタイミングを出力するこ
とになり、位相検出回路8により固定子巻線11の電流
の位相を検出することができる。位相検出回路8の出力
する位相信号gをもとに誘起電圧e1,e2,e3と駆
動電流i1,i2,i3との位相を一致させる位相補正
の処理は、図14に示した電流制御型の電力供給回路の
場合とほぼ同じ操作であるので重複した説明は省略す
る。
【0058】以上より、本発明のブラシレス直流モータ
は、周波数発電機の出力する互いに位相の異なる2相の
周波数信号をもとに3相の波形信号を作成するので、ホ
ール素子の如き位置検出素子を設けなくてもよい。
【0059】なお、本発明に係わる波形発生回路6で
は、1周期のみの正弦波の関数テーブルをメモリに記憶
させておき、位相の異なる分だけアドレス値を変えて関
数テーブルを参照することにより3相の波形信号を図8
に示すような3個のディジタル−アナログ変換器63,
64,65に出力しているが、1個のディジタル−アナ
ログ変換器を使用して逐次アナログ値に変換した後、得
られたアナログ値を3個のサンプルホールド回路(図示
しない)で保持して3相の波形信号として出力しても可
能であることは言うまでもない。また、正弦波関数は対
称周期関数であるので、1周期分すべてを関数テーブル
に記憶させておく必要はなく、1/2周期分もしくは1
/4周期分のみを記憶させておき、後はアドレス値に応
じて適当な処理を行い3相の波形信号に相当するディジ
タル値を求めるように構成してもよい。この場合は、関
数テーブル用に必要なメモリを少なく構成することがで
きるという利点がある。また、逆に1周期のみの正弦波
の関数テーブルだけをメモリに記憶させておくのでな
く、3相分の正弦波をそれぞれ関数テーブルに記憶させ
ておき、直接3相の波形信号に相当するディジタル値を
3個のディジタル−アナログ変換器63,64,65に
出力しても可能であることは言うまでもない。
【0060】また、本発明の実施例では、3相のモータ
に限ったが、相数は3相に限らず何相であってもよいこ
とは言うまでもない。その他、本発明の主旨を変えず種
々の変更が可能である。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来のブ
ラシレス直流モータのような位置検出素子が不要のた
め、素子の取付け位置調整の煩雑さや配線数が削減さ
れ、大幅にコストが低減される。またモータ内部に位置
検出素子を取付ける必要がないため、モータは構造上の
制約を受けず小型化、薄型化が可能となる。
【0062】また、波形発生回路で3相の波形信号をそ
れぞれ所定時間ずつ遅延させて発生し、時差出力された
3相の波形信号を電力供給回路によりそれぞれ合成し、
得られた合成信号に応じた駆動電流もしくは駆動電圧を
固定子巻線に供給することにより駆動電流波形を滑らか
な正弦波状にすることができるので、分解能の低いディ
ジタル処理で正弦波に近い駆動電流波形を形成すること
が可能となり回転時の振動・騒音やトルクリップルの小
さいブラシレス直流モータを提供することができるとい
う顕著な効果が得られる。
【0063】また、モータが回転しているときに固定子
巻線に誘起される誘起電圧の位相と各相の固定子巻線に
通電される電流位相とがそれぞれ一致するように位相補
正操作を行うことにより、モータの駆動中に何らかの原
因で周波数発電機の出力にノイズが重畳しても自動的に
誘起電圧の位相と駆動電流の位相を一致させることがで
きるので、モータが停止してしまうという最悪状態を未
然に防止することができ、モータを常に高効率で駆動す
ることができる。
【0064】したがって、位置検出素子が不要でありな
がら効率の高い駆動が可能で、しかも広い用途に応用可
能なブラシレス直流モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレス直流モータの一実施例の構
成を示すブロック図
【図2】本発明に係わる方向検出回路の一実施例を示す
回路構成図
【図3】図2に示す方向検出回路の各部信号波形図
【図4】本発明に係わる位相検出回路の一実施例を示す
回路構成図
【図5】図4に示す位相検出回路の各部信号波形図
【図6】本発明のブラシレス直流モータの定常回転時の
各部信号波形図
【図7】本発明のブラシレス直流モータの定常回転時に
おける永久磁石回転子の磁極ベクトルΦと固定子巻線の
発生する起磁力ベクトルIと固定子巻線に誘起される誘
起電圧Eの関係を示すベクトル図
【図8】本発明のブラシレス直流モータを構成する位相
調整回路、波形発生回路の構成を示すブロック図
【図9】本発明のブラシレス直流モータの通常モードの
操作を行う一実施例を説明するためのフローチャート図
【図10】本発明に係わる電力供給回路の一実施例を示
す回路構成図
【図11】図10に示す電力供給回路の1相の駆動電流
波形図
【図12】本発明に係わる電力供給回路の他の実施例を
示す回路構成図
【図13】図4に示す位相検出回路を使用し、固定子巻
線に誘起される誘起電圧と各相に通電される駆動電流の
位相がずれた場合の各部信号波形図
【図14】本発明のブラシレス直流モータの位相補正の
操作を行う一実施例のフローチャート図
【図15】本発明のブラシレス直流モータの通常モード
の操作を行う他の実施例を説明するためのフローチャー
ト図
【図16】本発明に係わる位相検出回路の他の一実施例
を示す回路構成図
【図17】図16に示す位相検出回路の各部信号波形図
【符号の説明】
1 周波数発電機 2 波形整形回路 3 方向検出回路 4 カウント回路 5 位相調整回路 6 波形発生回路 7 電力供給回路 8 位相検出回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の磁極を有する回転子と、前記回転
    子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻線
    と、前記回転子の回転数に比例した複数相の周波数信号
    を発生する周波数発電機と、前記複数相の周波数信号よ
    り前記回転子の回転方向を検出し方向信号を出力する方
    向検出手段と、前記方向信号に応じて前記周波数発電機
    の少なくとも1つの周波数信号のパルスをアップカウン
    トもしくはダウンカウントを行うカウント手段と、前記
    複数相の固定子巻線の少なくとも1相の電圧もしくは電
    流の位相に応じた位相信号を出力する位相検出手段と、
    前記カウント手段の計数値を回転方向指令に応じて所定
    の値だけ加減算し、さらに前記位相信号に応じて調整し
    て得られた指令値を出力する位相調整手段と、前記指令
    値に応じて前記周波数発電機の周波数信号のパルス毎に
    複数相の波形信号を前記周波数信号のパルス周期を略均
    等配分するようにそれぞれ遅延させて発生する波形発生
    手段と、前記複数相の波形信号をそれぞれ合成し、得ら
    れた合成信号に応じた駆動電流もしくは駆動電圧を固定
    子巻線に供給する電力供給手段より構成されたことを特
    徴とするブラシレス直流モータ。
  2. 【請求項2】複数個の磁極を有する回転子と、前記回転
    子に所定の空隙を有して配設された複数相の固定子巻線
    と、前記回転子の回転数に比例した複数相の周波数信号
    を発生する周波数発電機と、前記複数相の周波数信号よ
    り前記回転子の回転方向を検出し方向信号を出力する方
    向検出手段と、前記方向信号に応じて前記周波数発電機
    の少なくとも1つの周波数信号のパルスをアップカウン
    トもしくはダウンカウントを行うカウント手段と、前記
    複数相の固定子巻線の少なくとも1相の電圧もしくは電
    流の位相に応じた位相信号を出力する位相検出手段と、
    前記カウント手段の計数値を回転方向指令に応じて所定
    の値だけ加減算し、さらに前記位相信号に応じて調整し
    て得られた指令値を出力する位相調整手段と、前記指令
    値に応じて前記周波数発電機の周波数信号のパルス毎に
    順次1相のみの波形信号を繰り返し発生保持する波形発
    生手段と、前記複数相の波形信号をそれぞれ合成し、得
    られた合成信号に応じた駆動電流もしくは駆動電圧を固
    定子巻線に供給する電力供給手段より構成されたことを
    特徴とするブラシレス直流モータ。
  3. 【請求項3】電力供給手段は、入力された1相の波形信
    号を2分の1倍したものから他相の波形信号をそれぞれ
    減算することにより得られた合成信号に応じた駆動電流
    もしくは駆動電圧を固定子巻線に供給するようにした請
    求項1または2記載のブラシレス直流モータ。
  4. 【請求項4】電力供給手段は、それぞれ入力された1相
    の波形信号から複数相のすべての波形信号を加算した加
    算信号の3分の2倍したものを減算することにより得ら
    れた合成信号に応じた駆動電流もしくは駆動電圧を固定
    子巻線に供給するようにした請求項1または2記載のブ
    ラシレス直流モータ。
  5. 【請求項5】位相調整手段は、回転方向指令に応じてカ
    ウント手段の計数値より所定値を加減算することによ
    り、固定子巻線の発生する回転磁界の位相を回転子の磁
    極の位相から電気角で90度だけ回転させるようにした
    請求項1または2記載のブラシレス直流モータ。
  6. 【請求項6】波形発生手段は、正弦波状の信号を予め記
    憶させたメモリ手段と、前記メモリ手段から読み出され
    るディジタル値をアナログ値に変換するディジタル−ア
    ナログ変換器を含む請求項1または2記載のブラシレス
    直流モータ。
  7. 【請求項7】波形発生手段は、1周期のみの正弦波状の
    信号を予め記憶させた請求項1または2記載のブラシレ
    ス直流モータ。
  8. 【請求項8】波形発生手段は、1/2周期もしくは1/
    4周期のみの正弦波状の信号を予め記憶させた請求項1
    または2記載のブラシレス直流モータ。
  9. 【請求項9】カウント手段、位相調整手段、波形発生手
    段は、処理内容に従ったプログラム・データを保存する
    メモリ手段と、前記プログラム・データに従って処理を
    実行する演算処理ユニットを含む請求項1または2記載
    のブラシレス直流モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009033919A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Nec Electronics Corp 誘導モータの制御装置及び誘導モータの制御方法
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