JPH05292783A - ブラシレス直流モータ - Google Patents

ブラシレス直流モータ

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JPH05292783A
JPH05292783A JP4090549A JP9054992A JPH05292783A JP H05292783 A JPH05292783 A JP H05292783A JP 4090549 A JP4090549 A JP 4090549A JP 9054992 A JP9054992 A JP 9054992A JP H05292783 A JPH05292783 A JP H05292783A
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JP
Japan
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signal
phase
rotor
stator winding
brushless
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JP4090549A
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English (en)
Inventor
Eiji Ueda
英司 上田
Toshio Inaji
稲治  利夫
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to KR1019930006003A priority patent/KR960004262B1/ko
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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常回転中に、回転子と固定子巻線の回転磁
界の位相関係を最適に補正するセンサのないブラシレス
直流モータを提供する。 【構成】 回転子116の回転を周波数発電機101で
検出し、方向検出手段103は周波数信号から回転方向
を検出する。カウンタ手段106は、方向検出信号と周
波数信号に応じたカウント動作を行う。カウント値は波
形発生手段109により波形信号に変換され、固定子巻
線703に波形信号に対応した回転磁界を生じ、回転子
116が回転駆動される。固定子巻線703の電流と端
子電圧の位相差に応じてカウンタ手段106の内容を補
正する事により、高効率でトルクリップルの小さいセン
サのないブラシレス直流モータが実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転子の回転位置を検
出するための位置検出素子を不要としたブラシレス直流
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータは、ブラシ付の直
流モータに比べ機械的接点を持たないため長寿命である
と同時に電気的雑音も少なく、近年、高信頼性が要求さ
れる産業用機器や映像・音響機器に広く応用されてい
る。
【0003】従来、この種のブラシレス直流モータは、
固定子巻線の通電相の切換えのためにブラシに相当する
位置検出素子(例えばホール素子)を使用している。し
かしながら、位置検出素子自体決して安価なものではな
く、さらに素子の取付け位置調整の煩雑さや配線数の増
加により、ブラシレス直流モータはブラシ付直流モータ
に比べて大幅にコストが上昇する欠点がある。また、モ
ータ内部に位置検出素子を取り付けなければならないた
め、モータの構造上の制約が起こることがしばしばあ
る。近年、機器の小型化に伴い使用されるモータも小型
かつ薄型化され、ホール素子等の位置検出素子を取り付
ける場所的な余裕がなくなってきている。そこで、ホー
ル素子の如き位置検出素子の全くないブラシレス直流モ
ータが、従来よりいくつか提案されている。
【0004】この種の位置検出素子の全くないブラシレ
ス直流モータとしては、モータに取り付けられた周波数
発電機の出力パルスを利用するものがある。これは、回
転子の回転に応じたパルスを発生する周波数発電機の出
力パルスをカウンタでカウントし、そのカウント値に対
応して予め設定された電流パターンの駆動電流を3相の
固定子巻線に順次通電させ、回転子を回転させるもので
ある。しかし、電源投入時には固定子巻線と回転子との
初期位置が不定のため、初期位置を確定する必要があ
る。
【0005】このような要求に対して、特開昭63ー2
62088号公報が提案されている。また特願平4−2
3491号において、『複数の磁極を有する永久磁石回
転子と、前記永久磁石回転子に所定の間隔を有して配置
された複数相の固定子巻線と、前記永久磁石回転子の回
転数に比例した複数相の周波数信号を発生する周波数発
電機と、前記複数相の周波数信号により前記永久磁石回
転子の回転方向を検出し、方向検出信号を出力する方向
検出手段と、前記周波数発電機の少なくとも1つの周波
数信号のパルス数を前記方向検出信号に応じてアップカ
ウントもしくはダウンカウントするカウンタ手段と、前
記カウンタ手段の計数値に応じた複数相の波形信号を発
生する波形発生手段と、前記複数相の波形信号に応じて
前記固定子巻線に電力を供給し回転磁界を発生する電力
供給手段と、電源投入時に前記永久磁石回転子の磁極と
前記複数相の固定子巻線の励磁磁極とが所定の関係にな
るように位相合わせを行う位相合わせ手段より構成され
たことを特徴とするブラシレス直流モータ。』が提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、軸ロスまたは周波数発電機の出力信号に
入るノイズ等によりカウンタ手段の計数値に誤差が生じ
る。このカウント誤差により、モータの効率が低下し、
またトルクリップルも増加する。このため高精度回転が
要求されるVTRのキャプスタンモータ等には応用でき
なくなる等、ブラシレス直流モータの応用に大きな制約
があった。特に、小型モータでは効率低下は大きな問題
となる。
【0007】特開昭63ー262088号公報において
は、固定子巻線に流れる電流のゼロクロス点を検出し
て、カウンタ回路をリセットするようにして、カウンタ
手段の計数値を補正するように構成している。しかし、
カウンタ手段の計数値を固定巻線の電流のゼロクロス点
でリセットするだけでは、計数値の補正が困難であるこ
とが分かった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑み、モータ回転時
に、計数誤差を補正できるように構成したブラシレス直
流モータを提供することを目的とする。
【0009】さらに本発明は、モータの効率を高効率に
保ち、またトルクリップルを小さくすることによって、
広い用途に応用可能なブラシレス直流モータを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のブラシレスモータは、複数の磁極を有する
回転子と、回転子に所定の間隔を有して配置された複数
相の固定子巻線と、回転子の回転数に比例した複数相の
周波数信号を発生する周波数発電機と、複数相の周波数
信号により回転子の回転方向を検出し、方向検出信号を
出力する方向検出手段と、方向検出信号と少なくとも1
つの周波数信号とに応じて第1の加算信号と第1の減算
信号を出力する加減算信号発生手段と、少なくとも1つ
の固定子巻線の電流位相と固定子巻線の端子電圧位相と
の位相差に対応した値に応じて第2の加算信号と第2の
減算信号を出力する位相検出手段と、第1の加算信号と
第2の加算信号とに応じて第3の加算信号を出力し、第
1の減算信号と前記第2の減算信号とに応じて第3の減
算信号を出力する加減算信号合成手段と、第3の加算信
号のパルス数に応じてアップカウントし、第3の減算信
号のパルス数に応じてダウンカウントするカウンタ手段
と、回転方向指令に応じてカウンタ手段の計数値に対応
した値から所定の値を加減算し波形デジタル値を出力す
る位相調整手段と、波形デジタル値に応じた複数相の波
形信号を発生する波形発生手段と、複数相の波形信号に
応じて固定子巻線に電力を供給し回転磁界を発生する電
力供給手段という構成を備えて構成したものである。
【0011】位相検出手段は、固定子巻線の端子電圧位
相が固定子巻線の電流位相より進んでいる時は、固定子
巻線の端子電圧位相が進むように、第2の加算信号と第
2の減算信号を出力し、固定子巻線の端子電圧位相が固
定子巻線の電流位相より遅れている時は、固定子巻線の
端子電圧位相が遅れるように、第2の加算信号と第2の
減算信号を出力するように構成している。
【0012】
【作用】本発明は上記した構成によって、位相検出手段
により前記固定子巻線の電流位相と前記固定子巻線の端
子電圧位相との位相差を検出することによって、カウン
タ手段のカウント値の誤差に対応した量を検出し、検出
した位相差に応じて第2の加算信号と第2の減算信号を
出力することにより、カウンタ手段のカウンタ値を補正
する。
【0013】このブラシレス直流モータを用いれば、従
来のブラシレス直流モータのような位置検出素子が不要
のため、素子の取付け位置調整の煩雑さや配線数が削減
され、大幅にコストが低減される。さらに、モータ内部
に位置検出素子を取り付ける必要がないため、モータは
構造上の制約を受けず超小型化、超薄型化が可能とな
る。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例のブラシレス直流モー
タについて、図面を参照しながら説明する。
【0015】図7(a)に偏平型のブラシレス直流モー
タの回転子と固定子巻線の構成図を示す。図7(a)に
おいて、回転軸701とともに回転する回転子116
は、固定子702と対向配置されている。回転子116
は図7(b)に示すように複数極(ここでは、8極とす
る)を等間隔に円周方向にそって円盤状に配置されてい
る。また固定子702は図7(c)に示すように平面上
に回転軸701を中心として円盤状に等間隔に配置され
た複数個の偏平巻線(ここでは、6個とする)から構成
され、互いに180度隔てた偏平巻線は互いに接続さ
れ、3相の固定子巻線703a,703b,703cを
構成している。
【0016】次に、図7のブラシレスモータの回転トル
ク発生原理について説明する。図8に固定子巻線703
a,703b,703cに流れる電流波形の一例を示
す。図8の電流波形Ia,Ib,Icはそれぞれ固定子
巻線703a,703b,703cに流れる電流の波形
である。図9に回転子116の磁極と固定子巻線703
a,703b,703cの相対位置関係を示す。
【0017】まず、初期状態において、回転子116と
固定子巻線703a,703b,703cが図9(a)
の状態にあるとする。この時、図8のθ=0の時の電流
信号(θ=0の時の電流Ia,Ib,Ic)を固定子巻
線703a,703b,703cに供給した時の電流の
流れる方向と回転トルクの発生する方向を図9(a)に
示す。この場合、回転子116は図9(a)に示すよう
に逆回転方向(図中では右方向)に回転トルクをうけ、
逆方向に回転する。
【0018】次に、初期状態において、回転子116と
固定子巻線703a,703b,703cが図9(b)
の状態にあるとする。この時、図8のθ=0の電流信号
を固定子巻線703a,703b,703cに供給した
ときの電流の流れる方向と回転トルクの発生する方向を
図9(b)に示す。この場合、回転子116は図9
(b)に示すように正回転方向(図中では左方向)に回
転トルクをうけ、正方向に回転する。
【0019】さらに、初期状態において、回転子116
と固定子巻線703a,703b,703cが図9
(c)の状態にあるとする。この時、図8のθ=0の電
流信号を固定子巻線703a,703b,703cに供
給した時、回転トルクは零となる。すなわち、図8のθ
=0の電流信号を固定子巻線703a,703b,70
3cに供給した時、回転子116と固定子巻線703
a,703b,703cは最終的に図9(c)の状態と
なる。図9(c)の状態において、回転子116の位置
が左右に移動しても、図9(c)の状態に復帰する様に
回転トルクが発生する。
【0020】以下、回転子116の磁極方向と固定子巻
線703の回転磁界の磁極方向が図9(c)の状態にあ
る時、回転子116の磁極方向と固定子巻線703の回
転磁界の磁極方向が一致している状態と呼ぶ。
【0021】次に、回転子116の磁極方向と固定子巻
線703の回転磁界の磁極方向が一致している状態で、
固定子巻線703の電流信号を変化させた時の回転トル
クの発生動作について説明する。
【0022】図10(a)は回転子116の磁極方向と
固定子巻線703の回転磁界の磁極方向が一致した状態
である。図10(b)に、固定子巻線703に図8のθ
=90度の電流信号を供給した時の、回転子116の回
転トルクの方向を示す。図10(b)に示すように、θ
=90度の電流信号を供給すると回転子116は正方向
に回転トルクを受け、正方向に回転する。また、図10
(c)に、固定子巻線703に図8のθ=180度の電
流信号を供給した時の、固定子巻線703の電流方向を
示す。この状態では、回転子116の回転トルクは零で
ある。しかし、回転子116に外部より正方向あるいは
逆方向に外乱トルクが加わると、回転子116は図10
(c)の状態から遠ざかる方向に回転トルクを受ける。
すなわち、逆方向回転の外乱トルク受けると、逆方向の
回転トルクを受け逆方向回転し、正方向回転の外乱トル
ク受けると、正方向の回転トルクを受け正方向回転す
る。従って、この状態は不安定であり、回転子116の
回転方向も不確定になる。図10(d)に、固定子巻線
703に図8のθ=−90度(270度)の電流信号を
供給した時の、回転子116の回転トルクの方向を示
す。図10(d)に示すように、θ=−90度(270
度)の電流信号を供給すると回転子116は逆方向に回
転トルクを受け、逆方向回転する。
【0023】したがって、回転子116の磁極方向と固
定子巻線703の回転磁界の磁極方向が一致した状態
で、固定子巻線703に供給する電流信号を操作するこ
とにより、回転子116を正方向または逆方向に自由に
回転させることが可能である。
【0024】また、図8のθ=90度またはθ=−90
度の電流信号を供給した時、効率は最大となり、またト
ルクリップルは最小となるため、高精度の回転が得られ
る。
【0025】図1に本発明のブラシレス直流モータの構
成図を示す。図1において、周波数発電機101は回転
子116の1回転当たりZ回(Zは歯数と呼び、ここで
は、Z=360×4とする)の周波数信号m1,m2を
発生する。周波数信号m1,m2は回転子116が正方
向に回転している時は、周波数信号m1が周波数信号m
2より90度進んだ位相をもち、逆方向に回転している
時は周波数信号m1が周波数信号m2より90度遅れた
位相をもつ。波形整形回路102は、周波数信号m1,
m2を波形整形し、それぞれに対応した矩形波信号a
1,a2を出力する。方向検出回路103は2相の矩形
波信号a1,a2から回転子116の回転方向を検出す
る。
【0026】方向検出回路103の具体的な構成を図2
に示す。図2において、データ入力型のフリップフロッ
プ回路21のデータ入力端子Dに矩形波信号a1が入力
され、クロック入力端子CKに矩形波信号a1が入力さ
れている。図3(a)に回転子116が正方向に回転し
ているときの矩形波信号a1,a2の波形を示す。デー
タ入力型のフリップフロップ回路21はクロック入力端
子CKに入力された信号の立上がりエッジ毎に、データ
入力端子Dの状態を保持し、その状態をデータ入力型の
フリップフロップ回路21の出力として出力端子Qより
出力する。このような動作を行うと、図3(a)の様に
回転子116が正方向回転している時は、データ入力型
のフリップフロップ回路21の出力は常に高電位状態
(以下、この状態を”H”と呼ぶ)となる。また、回転
子116が逆方向回転しているときの矩形波信号a1,
a2を図3(b)に示す。回転子116が逆方向回転し
ているときは図3(b)のように矩形波信号a1が矩形
波信号a2より位相が90度遅れる。この場合、データ
入力型のフリップフロップ回路21の出力は常に低高電
位状態(以下、この状態を”L”と呼ぶ)となる。した
がて、図2の様に方向検出回路103を構成することに
より、回転子116の回転方向が検出できる。そして、
方向検出回路103の出力信号である方向検出信号rd
は、回転子116が正方向に回転している時、rd=”
H”となり、回転子116が逆方向に回転している時、
rd=”L”となる。方向検出信号rdは後述の初期位
置検出器107と加減算信号発生器104に入力されて
いる。さらに、加減算信号発生器104には矩形波信号
a1が入力されている。
【0027】加減算信号発生器104では、回転子11
6が正方向に回転している時(方向検出信号rdが”
H”の時)第1の加算信号u1として、矩形波信号a1
を出力し、第1の減算信号d1として”H”を出力す
る。また、回転子116が逆方向に回転している時(方
向検出信号rdが”L”の時)第1の減算信号d1とし
て、矩形波信号a1を出力し、第1の加算信号u1とし
て”H”を出力する。加減算信号合成器105では後述
の第2の加算信号u2のパルスと第1の加算信号u1の
パルスを合成して、第3の加算信号u3として出力し、
また後述の第2の減算信号d2のパルスと第1の減算信
号d1のパルスを合成して、第3の減算信号d3として
出力する。カウンタ回路106は、N進(Nは、歯数Z
と回転子の磁極数により決まり、ここでは、N=360
とする)のアップダウンカウンタであり、第3の加算信
号u3のパルスの到来毎に内容を1カウント増加し、ま
た第3の減算信号d3のパルスの到来毎に内容を1カウ
ント減少する。そして、カウンタ値を計数値cdとして
出力する。計数値cdは初期位置検出器107に入力さ
れる。
【0028】初期位置検出器107では、電源投入時に
方向検出回路103の方向検出信号rdの論理に応じて
第1のデジタル信号cd1を出力し、通常回転時(回転
子116が連続して回転している時)には、計数値cd
を第1のデジタル信号cd1として出力する。具体的に
は、電源投入時に、まず図8のθ=0度の時の電流信号
が得られるように第1のデジタル信号cd1を出力す
る。これにより、回転子116はトルクを受け回転す
る。次に、方向検出信号rdにより回転子116の回転
方向を判断し、回転子116の回転方向と逆向きの回転
磁界が得られるように第1のデジタル信号cd1を出力
する。そしてこの動作を、方向検出信号rdの論理が反
転するまで(回転子116の回転方向が変化するまで)
行う。その後、第1のデジタル信号cd1を初期カウン
ト値sdとして出力する。初期カウント値sd出力後、
通常回転動作の処理に移行し、計数値cdを第1のデジ
タル値として出力する。
【0029】位相調節器108では、電源投入時は、初
期位置検出器107が初期位置検出操作のため、第2の
デジタル信号(波形デジタル信号)pdとして第1のデ
ジタル信号cd1を出力する。そして、方向指令入力端
子112に入力された方向指令rmが”L”の時(方向
指令が逆回転指令の時)、第1のデジタル信号cdから
360を法として90を減算したデジタル値を第2のデ
ジタル信号pdとして出力する。すなわち、第1のデジ
タル信号cdから90を減算した後、デジタル値が負値
になると、その負値に360を加算する(減算の結果、
正値の時は加算を行わない)。また、方向指定入力端子
112に入力された方向指令rmが”H”の時(方向指
令が正回転指令の時)、第1のデジタル信号cd1に3
60を法として90を加算したデジタル値を第2のデジ
タル信号pdとして出力する。すなわち、第1のデジタ
ル信号cd1に90を加算した後、デジタル値が360
以上の値になった時は、その360以上の値から360
を減算する(加算の結果、360未満の値の時は減算を
行わない)。このような演算を行うと、第2のデジタル
信号pdのデジタル値は0から359までの整数値とな
る。第2のデジタル信号pdは波形発生器109に入力
される。波形発生器109では、第2のデジタル信号p
dに応じて波形信号p1,p2,p3を出力する。図6
に波形発生器109の構成図を示す。
【0030】以下、波形発生器109での波形信号p
1,p2,p3の作成法について説明する。波形発生器
109は、予め正弦波状の信号を記憶させた3個のRO
M(リード・オンリー・メモリ)601a,601b,
601cと3個のROM601のデジタル値をそれぞれ
アナログ信号に変換する3個のD/A変換器(デジタル
/アナログ変換器)602a,602b,602cによ
り構成されている。なお、ROM601a内の正弦波状
の信号のデータはROM601b内のデータより位相が
120度遅れており、ROM601b内の正弦波状の信
号のデータはROM601c内のデータより位相が12
0度遅れている。すなわち、3個のROM601内の正
弦波状のデータは互いに位相が120度異なるように設
定されている。また、第2のデジタル信号pdのデジタ
ル値が0から359まで変化すると、ROM601の出
力値の位相は0度から359度まで変化するように設定
されている。第2のデジタル信号pdは3個のROM6
01a,601b,601cに入力され、第2のデジタ
ル信号pdに対応するデータがROM601からD/A
変換器602に出力される。そして、D/A変換器60
2からROM601a,601b,601c内の正弦波
状のデータと第2のデジタル信号pdに対応した波形信
号p1,p2,p3が出力される。波形信号p1,p
2,p3は電力供給器110に入力され、電力増幅され
た駆動電流Ia,Ib,Icを固定子巻線703a,7
03b,703cに供給する。固定子巻線703a,7
03b,703cに駆動電流Ia,Ib,Icが供給さ
れることにより、回転磁界が生じ回転子116が回転す
る。
【0031】位相検出器111は、固定子巻線703a
に流れる電流の位相と固定子巻線703aの端子電圧の
位相を比較し、その位相差に対応して、第2の加算信号
u2または第2の減算信号d2を出力する。位相検出器
111の具体的な構成例を図4に示す。抵抗器401
は、電力供給器110と固定子巻線703aの間に、固
定子巻線703aと直列に接続されている。抵抗器40
1の電力供給器110側の端子は第1の比較器402の
+端子に接続され、抵抗器401の固定子巻線703a
側の端子は第1の比較器402の−端子と第2の比較器
403の+端子に接続されている。第2の比較器403
の−端子には、所定の基準電圧が印加されている。位相
比較器404には、比較器403の出力信号Vcと第1
の比較器402の出力信号Icがそれぞれ第1の入力信
号Vcと第2の入力信号Icとして入力されている。位
相比較器404では、第1の入力信号Vcと第2の入力
信号Icとの位相比較を行う。第1の入力信号Vcの位
相が第2の入力信号Icの位相より進んでいる時は、第
1の出力信号u20として位相差量に応じたパルス信号
が出力され、第2の出力信号d20として”L”が出力
される。また第1の入力信号Vcの位相が第2の入力信
号Icの位相より遅れている時は、第2の出力信号d2
0として位相差量に応じたパルス信号が出力され、第1
の出力信号u20として”L”が出力される。第1の出
力信号u20は第1のナンド回路406の一方の入力端
子に入力され、第2の出力信号d20は第2のナンド回
路407の一方の入力端子に入力されている。発信回路
405は、矩形波信号a1の周波数の比較して、低い周
波数のクロック信号clkを出力する。クロック信号c
lkは第1のナンド回路406の他方の入力端子と第2
のナンド回路407の他方の入力端子に入力されてい
る。第1のナンド回路406の出力信号は第2の加算信
号u2として出力され、第2のナンド回路407の出力
信号は第2の減算信号d2として出力される。
【0032】なお、位相比較器404は第1の入力信号
Vcと第2の入力信号Icの位相差が所定の値より小さ
い時は、第1の出力信号u20と第2の出力信号d20
の両信号とも“L”を出力するように構成されている。
【0033】図5に各部の信号波形を示す。図5の
(a)は固定子巻線703aの端子電圧Vaの位相が電
流Iaの位相より進んでいる時の各部の波形図である。
まず、端子電圧Vaは第2の比較器403により基準電
圧と比較され、出力信号Vcとなる。電流Iaは抵抗器
401を流れるため、抵抗器401の両端の電圧によっ
て電流Iaが検出できる。電流Iaは第1の比較器402
によって検出され、出力信号Icとなる。位相比較器4
04では第1の入力信号Vcと第2の入力信号Icの位
相が比較され、第1の入力信号Vcの位相が第2の入力
信号Icの位相より遅れているため、第1の出力信号u
20としてパルス信号が出力され、第2の出力信号d2
0として”L”が出力される。第1の出力信号u20と
クロック信号clkは第1のナンド回路406に入力さ
れ、図5の(a)に示す第2の加算信号u2が出力され
る。第2の減算信号d2は第2の出力信号d20が”
L”のため、”H”となる。
【0034】一方、図5の(b)は固定子巻線703a
の端子電圧の位相が電流位相より遅れている時の各部の
波形図である。まず、端子電圧Vaは第2の比較器40
3により基準電圧と比較され、出力信号Vcとなる。電
流Iaは第1の比較器402によって検出され、出力信
号Icとなる。位相比較器404では第1の入力信号V
cと第2の入力信号Icの位相が比較され、第1の入力
信号Vcの位相が第2の入力信号Icの位相より遅れて
いるため、第2の出力信号d20としてパルス信号が出
力され、第1の出力信号u20として“L”が出力され
る。第2の出力信号d20とクロック信号clkは第2
のナンド回路407に入力され、図5の(a)に示す第
2の減算信号d2が出力される。第2の加算信号u2は
第1の出力信号u20が“L”のため、“H”となる。
【0035】このようにして、位相検出器111は固定
子巻線703aの端子電圧Vaの位相が電流Iaの位相
より進んでいる時は、第2の加算信号としてパルス信号
を出力し、第2の減算信号として“H”を出力する。ま
た位相検出器111は固定子巻線703aの端子電圧V
aの位相が電流Iaの位相より遅れている時は、第2の
加算信号として“H”を出力し、第2の減算信号として
パルス信号を出力する。
【0036】以上、回転子116と固定子巻線703と
周波数発電機101と方向検出回路(方向検出手段)1
03と加減信号発生器(加減信号発生手段)104と加
減算信号合成器(加減算信号合成手段)105とカウン
タ回路(カウンタ手段)106と初期位置検出器(初期
位置検出手段)107と位相調節器(位相調節手段)1
08と波形発生器(波形発生手段)109と電力供給器
(電力供給手段)110と位相検出器(位相検出手段)
111とでブラシレス直流モータが構成されている。
【0037】次に、電源投入による初期位置検出動作が
終了した後の通常回転時の動作について説明する。ここ
で、初期位置として、固定子巻線503の回転磁界の磁
極方向は回転子116の磁極方向より予め電気角で90
度進んでいるものとする。この時、回転子116は回転
磁界とで正方向の回転トルクを受け、正方向に回転す
る。回転子116の回転に応じて、周波数発電機101
より周波数信号が生じ、波形整形回路102は周波数信
号を波形整形し、矩形波信号a1,a2を出力する。矩
形波信号a1,a2は回転子116が正方向に回転して
いるため矩形波信号a1は矩形波信号a2より位相が9
0度進んでいる。このため方向検出回路103の方向検
出信号rdは”H”となる。
【0038】加減算信号発生器104は方向検出信号r
dが“H”のため、第1の加算信号u1として、矩形波
信号a1を出力する。第1の加算信号u1は加減算信号
合成器105に入力され、第2の加算信号u2と合成さ
れて、第3の加算信号u3として出力される。カウンタ
回路106では、第3の加算信号u3のパルス数をアッ
プカウントする。カウンタ回路106の計数値は、初期
位置検出器107に入力されて、第1のデジタル値cd
1として出力される。第1のデジタル値cd1は位相調
節器108で補正され、第2のデジタル値rdとして出
力され、回転子116の回転角度に対応した量だけ位相
が進んだ波形信号p1,p2,p3として波形発生器1
09から出力される。その結果、回転子116が正方向
に回転した量だけ固定子巻線703による回転磁界が回
転し、再び回転子116に回転トルクを生じる。このよ
うにして、回転子116の回転量を検出し、その量だけ
回転磁界が回転することにより、回転子116が連続的
に正方向に回転する。
【0039】次に、初期位置として、固定子巻線503
の回転磁界の磁極方向は回転子116の磁極方向より予
め電気角で90度遅れているものとする。この時、回転
子116は回転磁界とで逆方向の回転トルクを受け、逆
方向に回転する。回転子116の回転に応じて、周波数
発電機101より周波数信号が生じ、波形整形回路10
2は周波数信号を波形整形し、矩形波信号a1,a2を
出力する。矩形波信号a1,a2は回転子116が逆方
向に回転しているため矩形波信号a1は矩形波信号a2
より位相が90度遅れている。このため方向検出回路1
03の方向検出信号rdは“L”となる。
【0040】加減算信号発生器104は方向検出信号r
dが“L”のため、第1の減算信号d1として、矩形波
信号a1を出力する。第1の減算信号d1は加減算信号
合成器105に入力され、第2の減算信号d2と合成さ
れて、第3の減算信号d3として出力される。カウンタ
回路106では、第3の減算信号d3のパルス数をダウ
ンカウントする。カウンタ回路106の計数値は、初期
位置検出器107に入力されて、第1のデジタル値cd
1として出力される。第1のデジタル値cd1は位相調
節器108で補正され、第2のデジタル値rdとして出
力され、回転子116の回転角度に対応した量だけ位相
が進んだ波形信号p1,p2,p3として波形発生器1
09から出力される。その結果、回転子116が逆方向
に回転した量だけ固定子巻線703による回転磁界が回
転し、再び回転子116に回転トルクを生じる。このよ
うにして、回転子116の回転量を検出し、その量だけ
回転磁界が回転することにより、回転子116が連続的
に逆方向に回転する。
【0041】以上より、初期位置として、固定子巻線7
03の回転磁界の磁極方向と回転子116の磁極方向と
の初期位置関係を上述の様に定めることにより回転子1
16を正方向または逆方向に回転させることができる。
【0042】次に、初期位置の検出動作について説明す
る。電源投入時などは回転子116と固定子巻線503
の位置またはカウンタ回路106の計数値が不確定のた
め初期位置検出の動作が必要となる。初期位置検出時
は、まず電源投入により初期位置検出器107の第1の
デジタル値cd1に対応した波形信号p1,p2,p3
が作成される。そして、固定子巻線703により回転磁
界を生じ、これにより、回転子116は回転する。回転
方向は、磁界の磁極方向と回転子116の磁極方向との
角度によって異なる。磁界の磁極方向が回転子116の
磁極方向に対して電気角で0〜180度にある時は、回
転子116は正方向に回転し、磁界の磁極方向が回転子
116の磁極方向に対して電気角で0〜−180度にあ
る時は、回転子116は逆方向に回転し、磁界の磁極方
向が回転子116の磁極方向に対して電気角で0度にあ
る時、回転子116は回転トルクを受けず停止し、磁界
の磁極方向が回転子116の磁極方向に対して電気角で
180度にある時は、回転方向は不定(回転方向を特定
できない。)となる。
【0043】いま、回転子116が正方向の回転トルク
を受けて正方向に回転する場合を考える。この時、回転
子116の回転に応じて、周波数発電機101から周波
数信号が生じ、波形整形回路102により波形整形さ
れ、矩形波信号a1,a2となる。矩形波信号a1,a
2は回転子116が正方向に回転しているため矩形波信
号a1は矩形波信号a2より位相が90度進み、方向検
出回路103の方向検出信号rdは“L”となる。初期
位置検出器107では、方向検出信号rdが“H”のた
め、波形信号p1,p2,p3による回転磁界の回転方
向が回転子116の回転方向と逆方向となるように第1
のデジタル信号pdを出力する。そして、初期位置検出
器107は方向検出信号rdが“L”になるまでこの動
作を行う。方向検出信号rdが“L”となると、その時
の第1のデジタル信号cd1を初期カウント値sdとし
て出力し、カウンタ回路106の内容を変更する。位相
調節器108では、初期カウント値出力まで、第1のデ
ジタル値cd1を補正せず、第2のデジタル値pdとし
て出力する。以後、回転子116の磁極方向と固定子巻
線703の回転磁界の磁極方向は一致し、回転子116
は回転を停止する。
【0044】次に、回転子116が逆方向の回転トルク
を受けて逆方向に回転する場合を考える。この時、回転
子116の回転に応じて、周波数発電機101から周波
数信号が生じ、波形整形回路102により波形整形さ
れ、矩形波信号a1,a2となる。矩形波信号a1,a
2は回転子116が逆方向に回転しているため矩形波信
号a1は矩形波信号a2より位相が90度遅れ、方向検
出回路103の方向検出信号rdは“L”となる。初期
位置検出器107では、方向検出信号rdが“L”のた
め、波形信号p1,p2,p3による回転磁界の回転方
向が回転子116の回転方向と逆方向となるように第1
のデジタル信号pdを出力する。そして、初期位置検出
器107は方向検出信号rdが“H”になるまでこの動
作を行う。方向検出信号rdが“H”となると、その時
の第1のデジタル信号cd1を初期カウント値sdとし
て出力し、カウンタ回路106の内容を変更する。位相
調節器108では、初期カウント値出力まで、第1のデ
ジタル値cd1を補正せず、第2のデジタル値pdとし
て出力する。以後、回転子116の磁極方向と固定子巻
線703の回転磁界の磁極方向は一致し、回転子116
は回転を停止する。
【0045】次に、回転磁界の磁極方向と回転子116
の磁極方向とは一致した状態から、初期位相関係の設定
の動作について説明する。回転子116を正方向に回転
する時は、位相調整器108により、第1のデジタル値
cd1に所定のデジタル値(ここでは、90とする)を
360を法として加算し、第2のデジタル信号pdを出
力する。これにより波形信号p1,p2,p3の位相が
電気角で90度進むため、初期位相位置は、前述の正方
向の回転時の位相位置と同じとなり、回転子116は正
方向に回転する。また、回転子116を逆方向に回転す
るときは、位相調整器108により、第1のデジタル値
cd1に所定のデジタル値(ここでは、90とする)を
360を法として減算する。これにより波形信号p1,
p2,p3の位相が電気角で90度遅れるため、初期位
相位置は、前述の逆方向回転時の位相位置と同じとな
り、回転子116は逆方に向回転する。
【0046】以上の様にして、ブラシレス直流モータの
初期位相の検出と通常回転動作が行われる。
【0047】次に、通常回転時の位相補正動作について
説明する。まずカウンタ回路106の計数値に誤差がな
い場合について説明する。カウンタ回路106の計数値
に誤差がない場合、波形発生器109の波形信号p1,
p2,p3により発生する回転磁界の磁極方向が回転子
116の磁極方向に対して電気角で90度の位相差を有
する。図11に計数値に誤差がない時の固定子巻線70
3aの端子電圧波形Vaと電流波形Iaを示す。図11
に示すように計数値に誤差がない場合、固定子巻線70
3aの端子電圧波形Vaと電流波形Iaの位相差はほと
んど零となる。
【0048】次にカウンタ回路106の計数値に誤差が
ある場合について説明する。最初に、カウンタ回路10
6の計数値に負の誤差がある場合を説明する。カウンタ
回路106の計数値に負の誤差がある場合、波形発生器
109の波形信号p1,p2,p3は、カウンタ回路1
06の計数値に誤差がない時に比べ位相が遅れた波形と
なる。すなわち、所望の位相より遅れた波形信号となっ
ている。この場合、波形信号p1,p2,p3により発
生する回転磁界の磁極方向は回転子116の磁極方向に
対して電気角で90度より少ない位相差となる。この時
の固定子巻線703aの端子電圧波形Vaと電流波形I
aを図12に示す。図12に示すように、カウンタ回路
106の計数値に負の誤差がある場合は、端子電圧波形
Vaは電流波形Iaより位相が進んだ波形となる。ま
た、波形信号p1,p2,p3の所望の波形に対する位
相遅れ量は、端子電圧波形Vaと電流波形Iaの位相差
に対応した量となる。位相検出器111では、端子電圧
波形Vaと電流波形Iaの位相を比較し、位相差量に対
応して、第2の加算信号u2もしくは第2の減算信号d
2を出力する。この場合、端子電圧波形Vaは電流波形
Iaより位相が進んでいるため、第2の加算信号u2と
してパルス信号を出力する。第2の加算信号u2は加減
算信号合成器105で第1の加算信号u1と合成され、
第3の加算信号u3となる。第3の加算信号u3はカウ
ンタ回路106に入力され、内容がアップカウントされ
る。これにより、カウンタ回路106の負の計数誤差が
補正される。このようにして、カウンタ回路106の計
数値に負の誤差が生じた場合、補正される。
【0049】次に、カウンタ回路106の計数値に正の
誤差がある場合を説明する。カウンタ回路106の計数
値に正の誤差がある場合、波形発生器109の波形信号
p1,p2,p3は、カウンタ回路106の計数値に誤
差がない時に比べ位相が進んだ波形となる。すなわち、
所望の位相より進んだ波形信号となっている。この場
合、波形信号p1,p2,p3により発生する回転磁界
の磁極方向は回転子116の磁極方向に対して電気角で
90度より大きい位相差となる。カウンタ回路106の
計数値に負の計数誤差がある場合は、端子電圧波形Va
は電流波形Iaより位相が遅れた波形となる。また、波
形信号p1,p2,p3の所望の波形に対する位相遅れ
量は、端子電圧波形Vaと電流波形Iaの位相差に対応
した量となる。位相検出器111では、端子電圧波形V
aと電流波形Iaの位相を比較し、位相差量に対応し
て、第2の加算信号u2もしくは第2の減算信号d2を
出力する。この場合、端子電圧波形Vaは電流波形Ia
より位相が遅れているため、第2の減算信号d2として
パルス信号を出力する。第2の減算信号d2は加減算信
号合成器105で第1の減算信号d1と合成され、第3
の減算信号d3となる。第3の減算信号d3はカウンタ
回路106に入力され、内容がダウンカウントされる。
これにより、カウンタ回路106の正の計数誤差が補正
される。このようにして、カウンタ回路106の計数値
に正の誤差が生じた場合、補正される。
【0050】本実施例のように構成すれば、通常回転時
にカウンタ回路106に計数誤差が生じても、位相検出
手段、加減算信号合成手段によって補正され、常に高効
率でトルクリップルの少ないブラシレス直流モータが実
現できる。このように、高効率で、トルクリップルが小
さいことは、ブラシレス直流モータの応用範囲を極めて
大きくする。例えば、VTR(ビデオテープレコーダ)
のキャプスタンモータに使用できる。
【0051】また、本実施例では、位相検出器111の
発信器405のクロック信号clkの周波数を矩形波信
号a1の周波数より低くくしている。これは、位相検出
器111の第2の加算信号u2と第2の減算信号d2に
より補正される位相量を、検出した固定子巻線703a
の端子電圧波形Vaと電流波形Iaとの位相差より小さ
くするためである。このようにすることによって、補正
動作が安定に行われることを確認した。また本実施例で
は、位相検出器111の位相比較器404の出力を固定
子巻線703aの端子電圧波形Vaと電流波形Iaの位
相差が所定量より小さいときは、第1の出力信号u20
と第2の出力信号d20の出力を停止するように構成し
ている。これは、カウンタ回路106の計数値の誤差が
所定の値以下の時は補正動作を行わせないためである。
これにより、カウンタ回路106の計数値の誤差が小さ
いときは、補正により回転トルク変動がなくなり、モー
タの回転精度が向上する。
【0052】なお、本実施例では、位相検出器111の
位相比較を固定子巻線703aの端子電圧波形Vaと電
流波形Iaの位相差を検出するように構成したが、端子
電圧波形Vaの変わりにカウンタ回路106の計数値と
比較するように構成しても良い。また、位相差検出の
際、固定巻線703aの端子電圧波形Vaと電流波形I
aのみを用いたが、複数相の端子電圧波形と電流波形を
用いても良い。
【0053】また、本実施例では、位相検出器111の
位相比較器404の出力を固定子巻線703aの端子電
圧波形Vaと電流波形Iaの位相差が所定量より小さい
ときは、第1の出力信号u20と第2の出力信号d20
の出力を停止するように構成したが、端子電圧波形Va
と電流波形Iaの位相差と所定量と比較する時、ヒステ
リシスを持たせても良い。さらに、本実施例では、全て
ハードウエアで構成したが、前述の動作と同様な動作を
マイクロプロセッサを用いてソフトウエアで実現しても
良い。また、波形発生手段において3つのD/A変換器
を用いたが、これを1つのD/A変換器と3つのサンプ
ル−ホールド回路で構成しても良い。さらに、波形信号
p1,p2,p3の内1つを他の2つより合成して作り
出してもよい。そして、これら全ての改良は、本発明に
含まれることは言うまでもない。その他、本発明の主旨
を変えずして種々の変更が可能である。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明は、従来のブラシレ
ス直流モータのような位置検出素子が不要のため、素子
の取付け位置調整の煩雑さや配線数が削減され、大幅に
コストが低減される。
【0055】さらに、モータ内部に位置検出素子を取り
付ける必要がないため、モータは構造上の制約を受けず
超小型化、超薄型化が可能となる。
【0056】また上記構成により、本発明のブラシレス
直流モータは通常回転時に回転子と固定子巻線の位相関
係が最適になるように補正されるため、常に高効率でト
ルクリップルを少なくできる。このため、広い用途に応
用可能なブラシレス直流モータが容易に構成できる。し
かも容易に位置信号の相順を切換えることができるの
で、ホール素子の如き位置検出素子が不要でありなが
ら、回転方向切換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るブラシレス直流モ―タ
の構成図
【図2】図1に示した方向検出器の具体的な構成例を表
す構成図
【図3】図1に示した方向検出器の動作を説明する説明
【図4】図1に示した位相検出器の具体的な構成例を表
す構成図
【図5】図4に示した位相検出器の動作を説明する説明
【図6】図1に示した波形発生器の構成例を表す構成図
【図7】本発明の一実施例に係るブラシレス直流モータ
の回転子と固定子巻線の構成を表す構成図
【図8】本発明の固定子巻線に流れる電流波形の一例を
表す波形図
【図9】本発明の一実施例に係るブラシレス直流モータ
の回転子と固定子巻線の相対位置関係を説明する説明図
【図10】本発明の一実施例に係るブラシレス直流モー
タの回転子と固定子巻線の相対位置関係を説明する説明
【図11】固定子巻線の端子電圧波形と電流波形の一例
を表す図
【図12】固定子巻線の端子電圧波形と電流波形の一例
を表す図
【符号の説明】
101 周波数発電機 103 方向検出手段 104 加減算信号発生手段 105 加減算信号合成手段 106 カウンタ手段 107 初期位置検出手段 108 位相調整手段 109 波形発生手段 110 電力供給手段 111 位相検出手段 116 回転子 601 メモリ手段 602 デジタル−アナログ変換器 703 固定子巻線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の磁極を有する回転子と、前記回転子
    に所定の間隔を有して配置された複数相の固定子巻線
    と、前記回転子の回転数に比例した複数相の周波数信号
    を発生する周波数発電機と、前記複数相の周波数信号に
    より前記回転子の回転方向を検出し、方向検出信号を出
    力する方向検出手段と、前記方向検出信号と少なくとも
    1つの前記周波数信号とに応じて第1の加算信号と第1
    の減算信号を出力する加減算信号発生手段と、少なくと
    も1つの前記固定子巻線の電流位相と前記固定子巻線の
    端子電圧位相との位相差に対応した値に応じて第2の加
    算信号と第2の減算信号を出力する位相検出手段と、前
    記第1の加算信号と前記第2の加算信号とに応じて第3
    の加算信号を出力し、前記第1の減算信号と前記第2の
    減算信号とに応じて第3の減算信号を出力する加減算信
    号合成手段と、前記第3の加算信号のパルス数に応じて
    アップカウントし、前記第3の減算信号のパルス数に応
    じてダウンカウントするカウンタ手段と、回転方向指令
    に応じて前記カウンタ手段の計数値に対応した値から所
    定の値を加減算し波形デジタル値を出力する位相調整手
    段と、前記波形デジタル値に応じた複数相の波形信号を
    発生する波形発生手段と、前記複数相の波形信号に応じ
    て前記固定子巻線に電力を供給し回転磁界を発生する電
    力供給手段より構成されたことを特徴とするブラシレス
    直流モータ。
  2. 【請求項2】複数の磁極を有する回転子と、前記回転子
    に所定の間隔を有して配置された複数相の固定子巻線
    と、前記回転子の回転数に比例した複数相の周波数信号
    を発生する周波数発電機と、前記複数相の周波数信号に
    より前記回転子の回転方向を検出し、方向検出信号を出
    力する方向検出手段と、前記方向検出信号と少なくとも
    1つの前記周波数信号とに応じて第1の加算信号と第1
    の減算信号を出力する加減算信号発生手段と、少なくと
    も1つの前記固定子巻線の電流位相と前記固定子巻線の
    端子電圧位相との位相差に対応した値に応じて第2の加
    算信号と第2の減算信号を出力する位相検出手段と、前
    記第1の加算信号と前記第2の加算信号とに応じて第3
    の加算信号を出力し、前記第1の減算信号と前記第2の
    減算信号とに応じて第3の減算信号を出力する加減算信
    号合成手段と、前記第3の加算信号のパルス数に応じて
    アップカウントし、前記第3の減算信号のパルス数に応
    じてダウンカウントし、初期カウント値によりカウンタ
    の初期値が設定されるカウンタ手段と、前記カウンタ手
    段の計数値と前記回転方向検出信号に応じて、第1のデ
    ジタル値と初期カウント値を出力する初期位置検出手段
    と、回転方向指令に応じて前記第1のデジタル値に対応
    した値から所定の値を加減算し第2のデジタル値を出力
    する位相調整手段と、前記第2のデジタル値に応じた複
    数相の波形信号を発生する波形発生手段と、前記複数相
    の波形信号に応じて前記固定子巻線に電力を供給し回転
    磁界を発生する電力供給手段より構成されたことを特徴
    とするブラシレス直流モータ。
  3. 【請求項3】位相検出手段は、固定子巻線の端子電圧位
    相が固定子巻線の電流位相より進んでいる時は、固定子
    巻線の端子電圧位相が進むように第2の加算信号と第2
    の減算信号を出力し、固定子巻線の端子電圧位相が固定
    子巻線の電流位相より遅れている時は、固定子巻線の端
    子電圧位相が遅れるように第2の加算信号と第2の減算
    信号を出力するように構成されたことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のブラシレス直流モータ。
  4. 【請求項4】位相検出手段は、第2の加算信号と第2の
    減算信号のパルス数に対応した値に応答して補正される
    固定子巻線の端子電圧位相の量が、固定子巻線の端子電
    圧位相と固定子巻線の電流位相との位相差量より小さく
    なるように構成されたことを特徴とする請求項3記載の
    ブラシレス直流モータ。
  5. 【請求項5】位相検出手段は、固定子巻線の端子電圧位
    相と固定子巻線の電流位相の位相差が所定値より小さい
    時は、第2の加算信号及び第2の減算信号のパルスを出
    力しないように構成されたことを特徴とする請求項1か
    ら請求項4のいずれかに記載のブラシレス直流モータ。
  6. 【請求項6】位相調整手段は、回転方向指令に応じて第
    2のデジタル値より所定の値を加減算することにより固
    定子巻線の発生する回転磁界の位相を回転子の磁極の位
    相から電気角で90度だけ回転させるように構成された
    ことを特徴とする請求項2記載のブラシレス直流モー
    タ。
  7. 【請求項7】波形発生手段は、正弦波状の信号を予め記
    憶させたメモリ手段と、前記メモリ手段から読み出され
    るデジタル値をアナログ値に変換するデジタル−アナロ
    グ変換器より構成されたことを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載のブラシレス直流モータ。
  8. 【請求項8】初期位置検出手段は、電源投入時に初期カ
    ウント値を出力する動作を行い、その他の時は、カウン
    タ手段の計数値を第1のデジタル値として出力すること
    を特徴とする請求項2記載のブラシレス直流モータ。
  9. 【請求項9】初期位置検出手段、加減算信号発生手段、
    加減信号合成手段、カウンタ手段、位相検出手段、位相
    調整手段および波形発生手段は、処理内容に従ったプロ
    グラム・データを保存するメモリ手段と、前記プログラ
    ム・データに従って処理を実行する演算処理ユニットよ
    り構成されたことを特徴とする請求項2記載のブラシレ
    ス直流モータ。
  10. 【請求項10】加減算信号発生手段、加減信号合成手
    段、カウンタ手段、位相検出手段、位相調整手段および
    波形発生手段は、処理内容に従ったプログラム・データ
    を保存するメモリ手段と、前記プログラム・データに従
    って処理を実行する演算処理ユニットより構成されたこ
    とを特徴とする請求項1記載のブラシレス直流モータ。
  11. 【請求項11】位相調整手段は、回転方向指令に応じて
    カウンタ手段の計数値より所定の値を加減算することに
    より固定子巻線の発生する回転磁界の位相を回転子の磁
    極の位相から電気角で90度だけ回転させるように構成
    されたことを特徴とする請求項1記載のブラシレス直流
    モータ。
JP4090549A 1992-04-10 1992-04-10 ブラシレス直流モータ Pending JPH05292783A (ja)

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EP93302686A EP0571076B1 (en) 1992-04-10 1993-04-06 Brushless DC motor
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108322104A (zh) * 2017-01-16 2018-07-24 富士施乐株式会社 控制装置和无刷电机

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CN108322104B (zh) * 2017-01-16 2023-07-07 富士胶片商业创新有限公司 控制装置和无刷电机

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