JPH07111794A - ブラシレス直流モータ - Google Patents

ブラシレス直流モータ

Info

Publication number
JPH07111794A
JPH07111794A JP5254182A JP25418293A JPH07111794A JP H07111794 A JPH07111794 A JP H07111794A JP 5254182 A JP5254182 A JP 5254182A JP 25418293 A JP25418293 A JP 25418293A JP H07111794 A JPH07111794 A JP H07111794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
phase
permanent magnet
magnet rotor
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5254182A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Ueda
英司 上田
Toshio Inaji
稲治  利夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP5254182A priority Critical patent/JPH07111794A/ja
Publication of JPH07111794A publication Critical patent/JPH07111794A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置検出素子が不要で、位相合わせ動作時の
固定子巻線の電流の大きさを最適にできるブラシレス直
流モータを提供する。 【構成】 永久磁石回転子101の回転を周波数発電機
102で検出し、方向検出器105ではその回転方向を
検出する。演算処理器106では、永久磁石回転子10
1の回転位置に対応した位置信号p1,p2,p3を出
力する。電力供給器110では位置信号に応じた電力を
固定子巻線111に供給し、永久磁石回転子101が回
転駆動されるブラシレス直流モータであって、位相合わ
せ時の電流ベクトルの大きさをあらかじめ決定する事に
より、電源投入時に必要な永久磁石回転子101の位相
合わせ動作を、小さい回転角と振動で実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石回転子の回転
位置を検出するための位置検出素子を不要としたブラシ
レス直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータは、ブラシ付の直
流モータに比べ機械的接点を持たないため長寿命である
と同時に電気的雑音も少なく、近年、高信頼性が要求さ
れる産業用機器や映像・音響機器に広く応用されてい
る。
【0003】従来、この種のブラシレス直流モータは、
固定子巻線の通電相の切換えのためにブラシに相当する
位置検出素子(例えばホール素子)を使用している。し
かしながら、位置検出素子自体決して安価なものではな
く、さらに素子の取付け位置調整の煩雑さや配線数の増
加により、ブラシレス直流モータはブラシ付直流モータ
に比べて大幅にコストが上昇する欠点がある。また、モ
ータ内部に位置検出素子を取り付けなければならないた
め、モータの構造上の制約が起こることがしばしばあ
る。近年、機器の小型化に伴い使用されるモータも小型
かつ薄型化され、ホール素子等の位置検出素子を取り付
ける場所的な余裕がなくなってきている。そこで、ホー
ル素子の如き位置検出素子の全くないブラシレス直流モ
ータが、従来よりいくつか提案されている。
【0004】この種の位置検出素子の全くないブラシレ
ス直流モータとしては、モータに取り付けられた周波数
発電機の出力パルスを利用するものがある。これは、永
久磁石回転子の回転に応じたパルスを発生する周波数発
電機の出力パルスをカウンタでカウントし、そのカウン
ト値に対応して予め設定された電流パターンの駆動電流
を3相の固定子巻線に順次通電させ、永久磁石回転子を
回転させるものである。しかしながら、このようなモー
タにおいては、電源投入時には固定子巻線と永久磁石回
転子との初期位置が不定のため、初期位置を確定する必
要がある。
【0005】このような要求に対して、本出願人は特願
平4−23491号において、『複数の磁極を有する永
久磁石回転子と、前記永久磁石回転子に所定の間隔を有
して配置された複数相の固定子巻線と、前記永久磁石回
転子の回転数に比例した複数相の周波数信号を発生する
周波数発電機と、前記複数相の周波数信号により前記永
久磁石回転子の回転方向を検出し、方向検出信号を出力
する方向検出手段と、前記周波数発電機の少なくとも1
つの周波数信号のパルス数を前記方向検出信号に応じて
アップカウントもしくはダウンカウントするカウンタ手
段と、前記カウンタ手段の計数値に応じた複数相の波形
信号を発生する波形発生手段と、前記複数相の波形信号
に応じて前記固定子巻線に電力を供給し回転磁界を発生
する電力供給手段と、電源投入時に前記永久磁石回転子
の磁極と前記複数相の固定子巻線の励磁磁極とが所定の
関係になるように位相合わせを行う位相合わせ手段より
構成されたことを特徴とするブラシレス直流モータ。』
を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、位相合わせ手段による位相合わせ時、固
定子巻線の電流の大きさによっては、永久磁石回転子が
大きく回転振動する。このため磁気テープを直接的にま
たは間接的に駆動するVTRのキャプスタンモータ等で
は、磁気テープにテープダメージ等が発生し、致命的欠
陥となる。
【0007】本発明は上記問題点に鑑み、位相合わせ時
に永久磁石回転子の回転振動が小さくなるように構成し
たブラシレス直流モータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のブラシレスモータは、複数個の磁極を有す
る永久磁石回転子と、永久磁石回転子に所定の空隙を有
して配設された複数相の固定子巻線と、永久磁石回転子
の回転に応じて複数相のセンサ信号を発生するセンサ手
段と、複数相のセンサ信号より永久磁石回転子の回転方
向を検出し方向信号を出力する方向検出手段と、センサ
信号と方向信号に応じて第1の複数相の位置信号の振幅
値と位相値を変化させて永久磁石回転子の初期位置を検
出する初期位置検出手段と、初期位置と少なくとも1つ
のセンサ信号と方向信号とに応じて第2の複数相の位置
信号を生成する位置検出手段と、第1の複数相の位置信
号と第2の複数相の位置信号とに応じて固定子巻線に電
力を供給する電力供給手段とを有して構成され、初期位
置検出手段は、センサ信号に応じて第1の複数相の位置
信号の振幅値を決定する初期値決定手段と、センサ信号
と方向信号とに応じて第1の複数相の位置信号の位相値
を変化させ、永久磁石回転子の初期位置を検出する位相
合わせ手段とから構成したものである。
【0009】
【作用】本発明は上記した構成によって、初期値決定手
段により位相合わせ手段の第1の複数相の位置信号の振
幅値をあらかじめ決定できる。このため、永久磁石回転
子の状態に合った位置信号の出力が可能となり、位相合
わせ時の永久磁石回転子の回転振動を小さくできる。
【0010】このブラシレス直流モータを用いれば、従
来のブラシレス直流モータのような位置検出素子が不要
のため、素子の取付け位置調整の煩雑さや配線数が削減
され、大幅にコストが低減される。さらに、モータ内部
に位置検出素子を取り付ける必要がないため、モータは
構造上の制約を受けず超小型化、超薄型化が可能とな
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明のブラシレス直流モータの実施
例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】図1は本発明の一実施例におけるブラシレ
ス直流モータの構成を示すブロック図である。図1の永
久磁石回転子101と3相の固定子巻線111a,11
1b,111cは図14に示すように配置されている。
【0013】図14(a)において、回転軸1502と
共に回転する永久磁石回転子101は、固定子1501
と対向配置されている。永久磁石回転子101は図14
(b)に示すようにp極(pは極数を表し、ここでは、
8とする。)が等間隔に円周方向にそって円盤状に配置
されている。また固定子1501には図14(c)に示
すように平面上に回転軸1502を中心として円盤状に
等間隔に複数個の偏平巻線(ここでは、6個とする。)
が配置されている。そして、互いに180度隔てた偏平
巻線は互いに接続され、3相の固定子巻線111a,1
1b,111cを構成している。
【0014】図1の周波数発電機(センサ手段)102
は、永久磁石回転子101の1回転当たりZ回(ここ
で、Zは360とする。)の検出を行い、永久磁石回転
子101の回転数に比例した互いに位相の異なる2相の
周波数信号m1,m2を発生する。この2相の周波数信
号m1,m2は波形整形器103に入力されて、それぞ
れ矩形波信号s1,s2に変換された後、方向検出器
(方向検出手段)105に入力される。方向検出器10
5は永久磁石回転子101の正逆の回転方向に応じた方
向信号dを出力する。方向検出器105の具体的な構成
を図2に示す。
【0015】図2において、データ入力型のフリップフ
ロップ回路21のデータ入力端子Dに矩形波信号s1が
入力され、クロック入力端子CKに矩形波信号s2が入
力されている。そして方向信号dはフリップフロップ回
路21の出力端子Qから出力される。
【0016】図3(a)に永久磁石回転子101が正方
向に回転している時の矩形波信号s1,s2の波形を示
し、図3(b)に永久磁石回転子101が逆方向に回転
している時の矩形波信号s1,s2の波形を示す。デー
タ入力型のフリップフロップ回路21は、クロック入力
端子CKに入力された信号の立上がりエッジ毎に、デー
タ入力端子Dの状態を保持し、その状態を出力端子Qよ
り出力する。したがって図3(a)のように永久磁石回
転子101が正方向に回転している時は、データ入力型
のフリップフロップ回路21の出力端子Qは、常に高電
位状態(以下、”H”状態と呼ぶ)となる。一方、永久
磁石回転子101が逆方向に回転している時は、図3
(b)の如く矩形波信号s1が矩形波信号s2より位相
が90度遅れるため、出力Qは常に低電位状態(以
下、”L”状態と呼ぶ)となる。
【0017】図2に示すように方向検出器105を構成
することにより、永久磁石回転子101の回転方向を検
出することができる。すなわち、方向検出器105の方
向信号dは、永久磁石回転子101が正方向に回転して
いる時は、”H”状態となり、逆方向に回転している時
は、”L”状態となる。
【0018】さらに図1において、演算処理器106は
演算器107とメモリ109と3個のD/A変換器10
8a,108b,108cによって構成され、波形整形
器103の矩形波信号s1と方向検出器105の方向信
号dを入力し、メモリ109に内蔵された後述するプロ
グラムによって計算処理することにより、3個の位置信
号p1,p2,p3を出力する。演算処理器106の3
個の位置信号p1,p2,p3は電力供給器110に入
力され、電力供給器110は固定子巻線111に電力を
供給する。また、位相合わせ指令入力端子112の位相
合わせ指令信号stと回転方向指令入力端子113の回
転方向指令mdによって、演算処理器106の内部動作
が変更される(後述)。従って、永久磁石回転子101
と周波数発電機102(センサ手段)と方向検出器10
5(方向検出手段)と演算処理器106と電力供給器1
10(電力供給手段)によってセンサレス直流モータが
構成されている。
【0019】図4は本発明のブラシレス直流モータの定
常回転時の各部信号波形図である。図4において、e
1,e2,e3はそれぞれ固定子巻線111a,111
b,111cに誘起される発電電圧波形である。p1,
p2,p3は演算処理器106から出力される3相の位
置信号で、永久磁石回転子101の回転位置に応じてそ
れぞれ発電電圧波形e1,e2,e3とほぼ同位相の関
係となるように出力する。位置信号p1,p2,p3は
正弦波状の信号波形であり、電力供給部110は3相の
位置信号p1,p2,p3をそれぞれ電力増幅して、正
弦波状の3相駆動電流i1,i2,i3を固定子巻線1
11a,111b,111cの各相に供給する。その結
果、3相駆動電流i1,i2,i3により固定子巻線1
11a,111b,111cには回転磁界が発生し、回
転磁界と永久磁石回転子101の磁極との相互作用によ
り、永久磁石回転子101は回転力を受けて回転する。
【0020】図5は永久磁石回転子101の磁極ベクト
ルと固定子巻線111の電流ベクトルの位相関係を示し
たベクトル図である。図5において、Φは永久磁石回転
子101の磁極を示す磁極ベクトルで、Iは固定子巻線
111a,111b,111cの電流ベクトルである。
【0021】図5(a)は永久磁石回転子101が正方
向に回転している時で、図5(b)は永久磁石回転子1
01が逆方向に回転している時の磁極ベクトルΦと電流
ベクトルIの位相関係を表したベクトル図である。
【0022】磁極ベクトルΦは電流ベクトルIにより発
生した起磁力ベクトルとの相互作用により回転力を得、
図5に示す方向に回転する。ここで永久磁石回転子10
1が連続回転するためには、磁極ベクトルΦの回転量に
応じて電流ベクトルIを図示した方向に回転させる必要
がある。すなわち電流ベクトルIの位相を磁極ベクトル
Φの位相より常に所定の角度(好ましくは、90度)だ
け回転方向に進め、磁極ベクトルΦの回転量を検出し、
その回転量に応じて電流ベクトルIを回転させる必要が
ある。(磁極ベクトルΦと電流ベクトルIとを表示した
ベクトル図上の角度を電気角で表した角度と呼ぶ。) 図1の演算処理器106のメモリ109は、所定のプロ
グラムと定数が格納されたロム領域(ROM:リ―ドオ
ンリ―メモリ)と随時必要な値を格納するラム領域(R
AM:ランダムアクセスメモリ)に別れている。演算器
107はロム領域内のプログラムに従って所定の動作や
演算を行っている。
【0023】まず、位相合わせ指令入力端子112に入
力される位相合わせ指令stに従って、動作を切り換え
ている。図6に、この動作を実現するプログラムの具体
的な一例を示し、以下その動作について詳細に説明す
る。
【0024】処理61では、位相合わせ指令入力端子1
12の位相合わせ指令stの入力動作を行う。
【0025】処理62では、処理61で入力した位相合
わせ指令stに従って、以後の動作を選択する。すなわ
ち、位相合わせ指令stが位相合わせ動作を示す時は、
初期値決定部の動作(処理63)と位相合わせ部の動作
(処理64)を行い、位相合わせ指令が位置検出動作を
示す時は、位置検出部の動作(処理65)を行う。
【0026】処理63では、初期値決定部(初期値決定
手段)の動作を行う。すなわち、位相合わせ部(処理6
4)の動作時に必要は位置信号の初期振幅に対応した値
を決定する。その後、処理64の処理を行う。
【0027】処理64では、位相合わせ部(位相合わせ
手段)の動作を行う。すなわち、永久磁石回転子101
の初期位置を検出する。その後、処理61の処理に復帰
する。ここで、初期値決定部(初期値決定手段)と位相
合わせ部(位相合わせ手段)で初期位置検出部(初期位
置検出手段)が構成されている。
【0028】処理65では、位置検出部(位置検出手
段)の動作を行う。すなわち、定常回転時の処理を行
う。その後、処理61の処理に復帰する。ここで、永久
磁石回転子101と周波数発電機102(センサ手段)
と方向検出器105(方向検出手段)と初期位置検出部
(初期位置検出手段)と位置検出部(位置検出手段)と
電力供給器110(電力供給手段)によってセンサレス
直流モータが構成されている。
【0029】以上の動作を行うことにより、位相合わせ
指令入力端子112に入力された位相合わせ指令stに
応じて、初期位置検出部の動作と位相検出部の動作のい
ずれかが選択される。
【0030】次に、永久磁石回転子101が定常回転し
ている時の動作を実現する位置検出部について説明す
る。図7に、この位置検出部の動作を実現するプログラ
ムの具体的な一例を示し、以下その動作について詳細に
説明する。
【0031】処理711では、後述の位相合わせ部で検
出された初期位置に対応する初期カウント値coをカウ
ント変数cの初期値とする(c←co)。ここで、処理
711は初期カウント値設定部(初期カウント値設定手
段)711の動作を行う。
【0032】処理712aでは、波形整形回路103の
矩形波信号s1を入力し、矩形波信号s1のパルスが到
来するのを待っている。矩形波信号s1のパルスが到来
すると処理712bの動作を行う。
【0033】処理712bでは、方向検出器105のフ
リップフロップ回路42の方向信号dを入力する。その
後、処理712cの動作を行う。
【0034】処理712cでは、方向信号dの内容に従
って次の処理を選択する。すなわち、方向信号dが”
H”の時(永久磁石回転子101が正方向に回転してい
る時)は、処理712dの動作を行う。一方、方向信号
dが”L”の時(永久磁石回転子101が逆方向に回転
している時)は、処理712eの動作を行う。
【0035】処理712dでは、カウント変数cの値に
1を加算する。すなわち、カウント変数cの値に1を加
算した値を新しいカウント変数cの値とする(c←c+
1)。その後、処理713aの動作を行う。
【0036】処理712eでは、カウント変数cの値か
ら1を減算する。すなわち、カウント変数cの値から1
を減算した値を新しいカウント変数cの値とする(c←
c−1)。その後、処理713aの動作を行う。
【0037】ここで、処理712aと処理712bと処
理712cと処理712dと処理712eとでカウント
値増減部(カウント値増減手段)712が構成されてい
る。カウント値増減部では、方向信号dに従って、カウ
ント変数cの値を増減させている。
【0038】処理713aでは、まず演算器107の回
転方向指令入力端子113の回転方向指令mdを入力す
る。次に、回転方向指令mdの内容が正転指令の時、処
理713bの動作を行う。一方、回転方向指令mdの内
容が逆回転指令の時、処理713cの動作を行う。
【0039】処理713bでは、カウント変数cに所定
値(90)を加算した値を位相値fとする。その後、処
理721の処理を行う。ここで、(90)は固定子巻線
111に発生する電流ベクトルIの回転角に換算して、
90度相当の値であり、好ましくは次式で与えられる最
も近い整数である。
【0040】
【数1】
【0041】処理713cでは、カウント変数cから所
定値(90)を減算した値を位相値fとする。その後、
処理721の処理を行う。
【0042】ここで、処理713aと処理713bと処
理713cとで位相調整部(位相調整手段)713が構
成されている。さらに位相調整部713とカウント値増
減部(カウント値増減手段)712と初期カウント値設
定部(初期カウント値設定手段)711とでカウンタ部
(カウンタ手段)71が構成されている。
【0043】処理721では、位置信号p1,p2,p
3を得るため、位相値fをもとにメモリ109内のRO
M領域に設けられた1周期分の正弦波の関数テーブルを
参照するための3つのアドレス値a1,a2,a3を計
算する。すなわち、位置信号p1,p2,p3の位相は
それぞれ120度ずつずれているため、
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】より、a1,a2,a3の3つのアドレス
値を計算する。なお、(120)は電流ベクトルIの回
転角に換算して、120度相当に対応する所定のアドレ
ス値である。その後、処理722の処理を行う。
【0048】処理722では、処理721で得られた3
つのアドレス値a1,a2,a3をもとにメモリ109
のROM領域に格納されている正弦波の関数テーブルを
参照し、3相のデジタル位置信号dp1,dp2,dp
3を得る。この時、デジタル位置信号dp1,dp2,
dp3の振幅値として振幅値ampを用いる。すなわ
ち、
【0049】
【数5】
【0050】
【数6】
【0051】
【数7】
【0052】より計算数する。ここで、振幅値amp
は、所定値または回転速度検出器等(図示していない)
の出力である。また、ROM(a)はアドレス値aの正
弦波関数テーブル値を表す。その後、処理723の処理
を行う。
【0053】処理723では、処理722で得られた3
相のデジタル位置信号dp1,dp2,dp3を図1の
D/A変換器108a,108b,108cに出力す
る。D/A変換器108a,108b,108cでは、
デジタル位置信号dp1,dp2,dp3をそれぞれア
ナログ値に変換し、三相の位置信号p1,p2,p3を
出力する。その後、処理712aの動作に復帰する。
【0054】ここで、処理721と処理722と処理7
23とで第2の位置信号作成部(第2の位置信号作成手
段)72が構成されている。
【0055】以上の処理を行うことにより、永久磁石回
転子101の回転に対応して位置信号p1,p2,p3
が電力供給部110に出力される。そして、電力供給部
110では、固定子巻線111a,111b,111c
に正弦波状の駆動電流i1,i2,i3が供給される。
【0056】すなわち、永久磁石回転子101の回転に
応じて矩形波信号s1,s2が生じる。方向検出器10
4では、この矩形波信号s1,s2より永久磁石回転子
101の回転に対応した方向信号dを出力する。カウン
ト値増減部712では、矩形波信号s1と方向信号dに
応じてカウント変数cを増減させる。永久磁石回転子1
01が正回転している時はカウント変数cは増加し、永
久磁石回転子101が逆回転している時はカウント変数
cは減少する。すなわち、カウント変数cは永久磁石回
転子101の回転量に対応した値となる。第2の位置信
号作成部72では、位置信号p1,p2,p3として、
カウント変数cに対応した位置信号が出力される。この
ため、位置信号は永久磁石回転子101の回転量に対応
した量だけ位相が回転する。
【0057】このようにして、固定子巻線111に発生
する回転磁界の起磁力ベクトルIと永久磁石回転子10
1の磁極ベクトルΦは図5に示すように常に所定の位相
差を保つことができる。そして電流ベクトルIに対応し
た起磁力ベクトルと磁極ベクトルΦとの相互作用によ
り、永久磁石回転子101は回転力を受けて回転を持続
する。
【0058】ここで、図5の位相調整部で所定のアドレ
ス値(90)の値を零とした時に、電流ベクトルΦと起
磁力ベクトルIが一致したと仮定する。このような状態
の時、カウンタ変数cの値が初期カウント値設定部71
1の初期カウント値coと同じになる。この初期カウン
ト値coは後述の位相合わせ部で生成される。
【0059】一方、図7の位相調整部713では、回転
方向指令mdに応じてカウント変数cから所定の値(9
0)を加減算して位相値fを算出している。このような
演算を行うことにより、固定子巻線111の電流ベクト
ルIと永久磁石回転子101の磁極ベクトルΦとの電気
角位相差を、回転方向指令mdに応じて+90度または
−90度の電気角位相差にすることができる。したがっ
て、回転方向指令mdに応じて永久磁石回転子101を
正回転または逆回転させることができる。すなわち、方
向指令mdを変化させることにより簡単に永久磁石回転
子101の回転方向を変化させることができる。
【0060】以上のようにして、固定子巻線111の起
磁力ベクトルIと永久磁石回転子101の磁極ベクトル
Φは図5に示すように常に90度の位相差を保つ。そし
て電流ベクトルIに対応した起磁力ベクトルと磁極ベク
トルΦとの相互作用により、永久磁石回転子101は回
転力を受けて回転を持続する。
【0061】しかしながら、電源投入時などの初期状態
ではカウンタ部のカウント変数cの値は不定であるた
め、カウント変数cの初期カウント値coを生成する必
要がある。
【0062】以下、本発明のブラシレス直流モータでカ
ウンタ部71の初期カウント値coを生成するための位
相合わせ部の動作について詳しく説明する。
【0063】図8の位相合わせ部では、電源投入時等の
カウント変数cの値が不適切な時に、方向検出器105
の方向信号dと速度検出器104の検出速度信号bに応
じて固定子巻線111a,111b,111cに発生さ
れる回転磁界を強制的に正逆方向に回転させ、その時の
永久磁石回転子101の回転挙動により永久磁石回転子
101の磁極の位置を検出する。
【0064】電源投入時やカウンタ部内のカウント値c
が不適切な時に行われる位相合わせ部の動作について、
図8に示した基本フローチャートに沿って説明する。
【0065】処理81では、永久磁石回転子101の回
転方向変化回数をカウントする変数kの初期値として零
を設定する。すなわち変数kの値をクリアする。その
後、処理821の処理を行う。
【0066】処理821では、方向検出器105のフリ
ップフロップ回路42の方向信号dを入力する。その
後、処理822の動作を行う。
【0067】処理822では、方向信号dの内容に従っ
て次の処理を選択する。すなわち、方向信号dが”H”
の時(永久磁石回転子101が正方向に回転している
時)は、処理823の動作を行う。一方、方向信号d
が”L”の時(永久磁石回転子101が逆方向に回転し
ている時)は、処理824の動作を行う。
【0068】処理823では、位相値fの値から1を減
算する。すなわち、位相値fの値から1を減算した値を
新しい位相値fの値とする(f←f−1)。なお、位相
値fの初期値は後述の初期値決定部で決定される。その
後、処理831の動作を行う。
【0069】処理824では、位相値fの値に1を加算
する。すなわち、位相値fの値に1を加算した値を新し
い位相値fの値とする(f←f+1)。なお、位相値f
の初期値は後述の初期値決定部で決定される。その後、
処理831の動作を行う。
【0070】ここで、処理821と処理822と処理8
23と処理824とで位相値増減部(位相値増減手段)
82が構成されている。位相値増減部82では、方向信
号dに応じて位相値fの増減を行う。
【0071】処理831では、位置信号p1,p2,p
3を得るため、位相値fをもとに図1のメモリ109内
のROM領域に設けられた1周期分の正弦波の関数テー
ブルを参照するための3つのアドレス値a1,a2,a
3を計算する。すなわち、位置信号p1,p2,p3の
位相はそれぞれ120度ずつずれているため、
【0072】
【数8】
【0073】
【数9】
【0074】
【数10】
【0075】より、3つのアドレス値a1,a2,a3
を計算する。なお、(120)は電流ベクトルIの回転
角に換算して、120度相当に対応する所定のアドレス
値である。その後、処理832の処理を行う。
【0076】処理832では、処理831で得られた3
つのアドレス値a1,a2,a3をもとにメモリ109
のROM領域に格納されている正弦波の関数テーブルを
参照し、3相のデジタル位置信号dp1,dp2,dp
3を得る。この時、デジタル位置信号dp1,dp2,
dp3の振幅値として振幅値ampを用いる。すなわ
ち、
【0077】
【数11】
【0078】
【数12】
【0079】
【数13】
【0080】より計算数する。ここで、振幅値amp
は、後述の初期値決定部で決定される。その後、処理8
33の処理を行う。
【0081】処理833では、処理832で得られた3
相のデジタル位置信号dp1,dp2,dp3を図1に
示したD/A変換器108a,108b,108cに出
力する。D/A変換器108a,108b,108cで
は、デジタル位置信号dp1,dp2,dp3をそれぞ
れアナログ値に変換し、図5に示すような位置信号p
1,p2,p3を出力する。その後、処理841の処理
を行う。
【0082】ここで、処理831と処理832と処理8
33で第1の位置信号作成部(第1の位置信号作成手
段)83を構成している。
【0083】処理841では、方向検出器104の方向
信号dの入力を行う。その後、処理842の処理を行
う。
【0084】処理842では、処理841で入力した方
向信号dが1タイミング前と変化している時、処理84
3の処理を行う。また、方向信号dが1タイミング前と
変化していない時、処理821の処理に復帰する。
【0085】処理843では、まず変数kに1を加算す
る。すなわち、変数kの値に1を加算した値を新しい変
数kの値とする。次に、位相値fの値を変数kの値に対
応した保存領域M[k]に順次格納する。すなわち、保
存領域M[k]の値を位相値fの値にする。その後、処
理851の処理を行う。
【0086】ここで、処理841と処理842と処理8
43とで位相値保存部(位相値保存手段)85を構成し
ている。
【0087】処理851では、変数kの値の大きさと所
定の値kmax(ここで、kmaxは2以上の整数で、好まし
くは2)とを比較し、変数kの値の大きさが大きい時、
処理852の処理を行う。また、変数kの値の大きさが
大きくない時、処理821の処理に復帰する。
【0088】処理852では、保存領域M[n](n=
1,2,・・・,kmax)に保存された値をもとに初期
カウント値coを算出する。すなわち保存領域M[n]
に保存された値の算術平均を計算することにより初期カ
ウント値coを求める。好ましくは、初期の保存値M
[1]を除く偶数個の保存値より算術平均を計算するこ
とにより初期カウント値coを求める。特に好ましく
は、保存値M[2]とM[3]を用いて、算術平均を計
算することにより初期カウント値coを求める。すなわ
ち、初期カウント値coは、
【0089】
【数14】
【0090】より求める。その後、図6の処理61の処
理に復帰する。ここで、処理851と処理852で初期
位置算出部(初期位置算出手段)85を構成している。
【0091】以上の処理を行うことにより、永久磁石回
転子101の位置を検出することができる。以下、これ
について説明する。
【0092】上記構成により、位相値増減部82では、
永久磁石回転子101の回転方向が正方向の時に位相値
fを減少させ、逆回転の時に位相値fを増減させる。そ
して、第1の位置信号作成部83では、位相値fに応じ
て位置信号を出力するため、電流ベクトルIは磁極ベク
トルΦが正回転している時は逆回転し、磁極ベクトルΦ
が逆回転している時は正回転する。すなわち、電流ベク
トルIは、永久磁石回転子101の回転方向に対して逆
向きに回転する。
【0093】ここで仮に電流ベクトルIを永久磁石回転
子101の回転方向に対して逆向きに回転させずに、一
定位相で出力したとすると、図9(a)に示すように、
磁極ベクトルΦは電流ベクトルIに対応した起磁力ベク
トルとの相互作用により回転し、最終的に両ベクトルは
一致する。これにより、磁極ベクトルΦの位置が検出で
きる。しかし、永久磁石回転子101は、その初期位置
によっては、最大で180度大きく回転する(図9
(a))。本発明の実施例では、永久磁石回転子101
の回転方向と逆向きに電流ベクトルIを回転させてい
る。このため電流ベクトルIと磁極ベクトルΦは、磁極
ベクトルΦの少ない回転で位相が一致する。この様子を
図9(b)に示す。すなわち、磁極ベクトルΦの回転方
向と逆方向に電流ベクトルIを回転させることにより、
磁極ベクトルΦと電流ベクトルIは磁極ベクトルΦの回
転量が小さい時に一致するため、磁極ベクトルΦの回転
量は極めて少ない状態で磁極ベクトルΦの位置を検出す
ることができる。
【0094】さらに、以上の処理を行うことにより、永
久磁石回転子101に負荷トルクが存在する場合でも高
精度に永久磁石回転子101の位置が検出できる。以
下、これについて説明する。
【0095】いま、永久磁石回転子101の負荷トルク
が零でない時は電流ベクトルIと磁極ベクトルΦとは一
致せず、負荷トルクの大きさに応じた位相角θを保つ。
しかもその位相ずれの方向は、永久磁石回転子101が
正方向に回転した時には、図10(a)に示すように磁
極ベクトルΦは電流ベクトルIから逆方向に角度θだけ
ずれ、永久磁石回転子101が逆方向に回転した時に
は、図10(b)に示すように磁極ベクトルΦは電流ベ
クトルIから正方向に角度θだけずれる。
【0096】したがって、永久磁石回転子101が負荷
を負った場合、所定の位相の電流を固定子巻線111に
流すだけでは永久磁石回転子101の位置を正確に検出
することができない。
【0097】本発明の実施例では、起磁力ベクトルIを
永久磁石回転子101の回転方向に応じて正逆方向に回
転振動させることにより永久磁石回転子101の位置に
対応した初期カウント値coを算出している。このた
め、高精度に永久磁石回転子101の位置を検出するこ
とができる。以下、さらに詳しく説明する。
【0098】上記構成により、永久磁石回転子101の
回転方向に対して電流ベクトルIの回転方向が逆向きに
なるように回転する。また、位相値保存部85により永
久磁石回転子101の回転方向が変化する毎に位相値f
を保存している。j回目の回転方向反転時の電流ベクト
ルIと磁極ベクトルΦの様子を図11(a)に示す。図
11(a)において、磁極ベクトルΦは左回転していた
が、電流ベクトルIとの相互作用により右回転の回転力
を受け、回転方向を右回転に変更した瞬間である。さら
に、j+1回目(j回目の次)の回転方向反転時の電流
ベクトルIと磁極ベクトルΦの様子を図11(b)に示
す。図11(b)において、磁極ベクトルΦは右回転し
ていたが、電流ベクトルIとの相互作用により左回転の
回転力を受け、回転方向を左回転に変更した瞬間であ
る。ここで、磁極ベクトルΦの位置に対応した位相値f
の値をθo、図11(a)の時の電流ベクトルIと磁極
ベクトルΦとの位相角に対応した位相値fの値をθj
図11(b)の時の電流ベクトルIと磁極ベクトルΦと
の位相角に対応した位相値fの値をθj+1とすると、保
存値M[j]は、
【0099】
【数15】
【0100】だたし、jは正の奇数。となる。そして、
初期位置算出部96の計算を行うと、
【0101】
【数16】
【0102】となる。また、永久磁石回転子101の反
転動作を繰り返すことにより、位相角θjの大きさと位
相角θj+1は大きさはほぼ等しくなる。したがって、
【0103】
【数17】
【0104】となり、
【0105】
【数18】
【0106】となる。以上により、カウンタ部71の初
期カウント値coが永久磁石回転子101の初期位置に
対応した値として求まる。
【0107】また、永久磁石回転子101を正逆方向に
回転した時の位相値fの保存値M[k](k=1,2,
・・・,kmax)より初期カウント値coを計算している
ため、負荷トルクが大きくなっても、(数1),(数
2)内のθjまたはθj+1の大きさが大きくなるだけであ
り、負荷トルクの影響は(数10)の計算で除去でき
る。
【0108】さらに、本実施例では、特に位相値保存部
95の保存値M[2]とM[3]を用いて初期カウント
値coを計算している。保存値M[1]の値は、磁極ベ
クトルΦと電流ベクトルIの初期位相差に大きく依存す
るため、保存値M[1]を初期カウント値coの計算に
含めると初期位相差が大きい時には磁極ベクトルΦの位
置検出に大きな誤差が生じる。また、保存値M[4]以
降の値を使用する場合、所定値kmaxを大きな値にする
必要がある。この場合、永久磁石回転子101の反転動
作を多く行わなければならず、位相合わせ時間が大幅に
長くなる。本実施例では、保存値M[2]とM[3]を
用いることにより、位置検出精度と位相合わせ時間の短
縮の両方を実現している。
【0109】なお、多数の保存値を用いて、位置検出精
度をより向上させることも可能である。
【0110】しかし、第1の位置信号作成部83の振幅
値ampの大きさによっては、位相合わせ時の永久磁石
回転子101の回転振動が多くなる。図12に様子を示
す。図12(a)は、振幅値ampを大きな値とした時
の位相合わせの様子である。電流ベクトルIの大きさが
大きくしている。このように、電流ベクトルIの大きさ
が大きくなると、電流ベクトルIに対応した起磁力ベク
トルと磁極ベクトルΦとの相互作用も大きくなり、永久
磁石回転子101の回転トルクが大きくなる。電流ベク
トルIの回転速度はほぼ一定であるため、両者が一致す
るまでに磁極ベクトルΦの回転量は非常に多くなる。そ
の結果、永久磁石回転子101の回転振動が多くなる。
図12(b)は、振幅値ampが比較的小さい時の位相
合わせの様子である。図12(a)と比較して、磁極ベ
クトルΦの回転量が少なくなることが分かる。
【0111】ここで、振幅値ampを非常に小さな値に
設定すると、永久磁石回転子101の回転トルクが非常
に小さくなり、電流ベクトルIによって永久磁石回転子
101が回転しなくなる。この場合、位相合わせ動作は
不可能となる。したがって、位相合わせ時の電流ベクト
ルIの大きさは、永久磁石回転子101の回転が可能
で、しかも最小の大きさが最良の大きさとなる。
【0112】図13に電流ベクトルIの大きさが最良と
なるような振幅値ampを決定する動作の基本フローチ
ャートの一例を示す。以下、図13の基本フローチャー
トに沿って説明する。
【0113】処理1311では、変数の初期設定を行
う。すなわち、位相値fと振幅値ampと矩形波信号s
1のパルス数をカウントする変数kkの値を零にする。
【0114】処理1321では、位置信号p1,p2,
p3を得るため、位相値fをもとに図1のメモリ109
内のROM領域に設けられた1周期分の正弦波の関数テ
ーブルを参照するための3つのアドレス値a1,a2,
a3を計算する。すなわち、位置信号p1,p2,p3
の位相はそれぞれ120度ずつずれているため、
【0115】
【数19】
【0116】
【数20】
【0117】
【数21】
【0118】より、3つのアドレス値a1,a2,a3
を計算する。なお、(120)は電流ベクトルIの回転
角に換算して、120度相当に対応する所定のアドレス
値である。その後、処理1322の処理を行う。
【0119】処理1322では、処理1321で得られ
た3つのアドレス値a1,a2,a3をもとにメモリ1
09のROM領域に格納されている正弦波の関数テーブ
ルを参照し、3相のデジタル位置信号dp1,dp2,
dp3を得る。この時、デジタル位置信号dp1,dp
2,dp3の振幅値として振幅値ampを用いる。すな
わち、
【0120】
【数22】
【0121】
【数23】
【0122】
【数24】
【0123】より計算数する。その後、処理1323の
処理を行う。処理1323では、処理1322で得られ
た3相のデジタル位置信号dp1,dp2,dp3を図
1に示したD/A変換器108a,108b,108c
に出力する。D/A変換器108a,108b,108
cでは、デジタル位置信号dp1,dp2,dp3をそ
れぞれアナログ値に変換し、図4に示すような位置信号
p1,p2,p3を出力する。その後、処理1331の
処理を行う。
【0124】処理1331では、位相値fに所定の位相
値増分△f(ここで、位相値増分△fは正の整数値であ
り、ここでは1とする)を加算する。すなわち、位相値
fに所定の増分△fを加算した値を新しい位相値fとす
る。また、振幅値ampに所定の振幅値増分△amp
(ここで、振幅値増分△ampは正の実数値である)を
加算する。すなわち、振幅値ampに所定の振幅値増分
△ampを加算した値を新しい振幅値ampとする。そ
の後、処理1341の動作を行う。
【0125】処理1341では、まず、波形整形器10
3の矩形波信号s1のパルスの到来を検出する。そし
て、パルスが到来していれば、処理1342の動作を行
う。また、パルスが到来していなければ、処理1321
の動作に復帰する。
【0126】処理1342では、変数kkに1を加算す
る。すなわち、変数kkに1を加算した値を新しい変数
kkとする。すなわち、処理1341の動作と共に、矩
形波信号s1のパルス数を変数kkにより計数してい
る。その後、処理1343の動作を行う。
【0127】処理1343では、変数kkと所定の値k
max(所定の値kmaxは、整数値であり、ここでは2とす
る)とを比較し、変数kkの値が所定値kmaxと異なる
時、処理1321の動作に復帰する。また、変数kkの
値が所定値kmaxと同じ時、次の処理(図6の処理6
4)を行う。
【0128】ここで、処理1311と処理1321と処
理1322と処理1323と処理1331と処理134
1と処理1342と処理1343とで初期値決定部13
を構成している。
【0129】以上の処理を行うことにより、位相合わせ
動作に適した振幅値ampが求まる。以下、これについ
て詳しく説明する。
【0130】処理1331の動作により、振幅値amp
の値を徐々に大きくしている。これにより、位置信号p
1,p2,p3の値も徐々大きくなり、電流ベクトルI
の大きさも徐々に大きくなる。処理1341では、永久
磁石回転子101の回転により矩形波信号s1のパルス
を検出している。そして、処理1343により、所定の
個数の矩形波信号s1のパルスが入力されると、そのと
きの振幅値ampを保持したまま次の位相合わせ動作の
処理へ移行する。
【0131】すなわち、電流ベクトルIの大きさを徐々
に大きくし永久磁石回転子101が回転を始めた時の振
幅値ampを位相合わせ時の振幅値ampとして利用す
る。このようにすることにより、永久磁石回転子101
の回転が可能で、しかも最小の振幅値ampが求まる。
【0132】また、本実施例では、処理1331では位
相値fを変化させている。永久磁石回転子101の初期
状態において、磁極ベクトルΦと電流ベクトルIの位相
が一致していた時、振幅値ampを大きくするだけで
は、永久磁石回転子101が回転しないため、最適な振
幅値ampが検出できない。本実施例のように、処理1
331で位相値fを変化させると、永久磁石回転子10
1が初期状態において、磁極ベクトルΦと電流ベクトル
Iが一致した状態でも、永久磁石回転子101を回転さ
せることがでる。これにより最適な振幅値ampを検出
することができる。
【0133】したがって、この振幅値ampを位相合わ
せ動作に利用することにより、少ない回転量で永久磁石
回転子101の位置を検出することができる。
【0134】さらに、本実施例では、初期値決定部13
の位相値fを位相合わせ部の動作で利用している。これ
により、初期値決定部13の動作から位相合わせ部の動
作へ移行時、位置信号が滑らかに変化する。この結果、
永久磁石回転子101の不要な回転振動がなくなる。
【0135】以上のように、初期値決定部63を設ける
ことにより最適な振幅値ampを検出できるため、位相
合わせ時の振れ幅を小さくできる。
【0136】なお、本実施例の初期値決定部では、矩形
波信号をもとに位置信号を変化させることにより振幅値
ampを決定したが、永久磁石回転子の慣性モーメント
の大きさや負荷トルクの大きさに応じて振幅値ampを
作成するようにしてもよい。
【0137】また、本実施例では、3相の位置信号を図
1に示すような3個のD/A変換器108a,108
b,108cに出力している。しかし、1個のD/A変
換器を使用して逐次アナログ値に変換した後、得られた
アナログ値を3個のサンプルホールド回路で保持して3
相の位置信号として出力しても可能であることはいうま
でもない。
【0138】さらに、1周期のみの正弦波の関数テーブ
ルだけをメモリに記憶させておくだけでなく、3相分の
正弦波をそれぞれ関数テーブルに記憶させておいて、直
接3相の位置信号に相当するディジタル値を3個のD/
A変換器108a,108b,108cに出力しても可
能であることはいうまでもない。
【0139】さらに、演算処理器を完全なハ―ドウェア
によって構成し、前述のプログラムによる動作と同じ動
作をおこなわせるようにしてもよい。その他、本発明の
主旨を変えず種々の変更が可能である。
【0140】
【発明の効果】以上のように本発明のブラシレス直流モ
ータは、従来のブラシレス直流モータが必要としていた
位置検出素子が不要のため、素子の取付け位置調整の煩
雑さや配線数が削減され、大幅にコストが低減される。
【0141】さらに、モータ内部に位置検出素子を取り
付ける必要がないため、モータは構造上の制約を受けず
超小型化、超薄型化が可能となる。
【0142】さらに本発明のブラシレス直流モータは、
上記構成により位相合わせ動作時の固定巻線の電流の大
きさを、回転振動が小さくなるように最適にできる。こ
れにより、広い用途に応用可能なブラシレス直流モータ
を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるブラシレス直流モ―
タの構成図
【図2】図1に示した方向検出器の具体的な構成例を表
す構成図
【図3】図1に示した方向検出器の動作を説明する説明
【図4】本発明のブラシレス直流モータの定常回転時の
各部信号波形図
【図5】本発明のブラシレス直流モータの定常回転時に
おける、永久磁石回転子の磁極ベクトルΦと固定子巻線
の発生する起磁力ベクトルIとの関係を示すベクトル図
【図6】動作選択の処理を行う一実施例のフローチャー
【図7】位置検出部の処理を行う一実施例のフローチャ
ート
【図8】位相合わせ動作の処理を行う一実施例のフロー
チャート
【図9】位相合わせ動作時の回転量を説明するための磁
極ベクトルΦと電流ベクトルIのベクトル図
【図10】位相合わせ動作を説明するための磁極ベクト
ルΦと電流ベクトルIのベクトル図
【図11】位相合わせ動作を説明するための磁極ベクト
ルΦと電流ベクトルIのベクトル図
【図12】位相合わせ動作を説明するための磁極ベクト
ルΦと電流ベクトルIのベクトル図
【図13】電流ベクトルIの大きさが最良となるような
振幅値を決定する動作の一実施例による基本フローチャ
ート
【図14】永久磁石回転子と固定子巻線の配置を示す図
【符号の説明】
101 永久磁石回転子 102 周波数発電機 105 方向検出器 106 演算処理器 110 電力供給器 111 固定子巻線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の磁極を有する永久磁石回転子と、
    前記永久磁石回転子に所定の空隙を有して配設された複
    数相の固定子巻線と、前記永久磁石回転子の回転に応じ
    て複数相のセンサ信号を発生するセンサ手段と、前記複
    数相のセンサ信号より前記永久磁石回転子の回転方向を
    検出し方向信号を出力する方向検出手段と、前記センサ
    信号と前記方向信号に応じて第1の複数相の位置信号の
    振幅値と位相値を変化させて前記永久磁石回転子の初期
    位置を検出する初期位置検出手段と、前記初期位置と少
    なくとも1つの前記センサ信号と前記方向信号とに応じ
    て第2の複数相の位置信号を生成する位置検出手段と、
    前記第1の複数相の位置信号と前記第2の複数相の位置
    信号とに応じて前記固定子巻線に電力を供給する電力供
    給手段とを有することを特徴とするブラシレス直流モー
    タ。
  2. 【請求項2】初期位置検出手段は、センサ信号に応じて
    第1の複数相の位置信号の振幅値を決定する初期値決定
    手段と、前記センサ信号と方向信号とに応じて前記第1
    の複数相の位置信号の位相値を変化させ、永久磁石回転
    子の初期位置を検出する位相合わせ手段とにより構成さ
    れたことを特徴とする請求項1記載のブラシレス直流モ
    ータ。
  3. 【請求項3】位相合わせ手段は、少なくとも1つのセン
    サ信号と方向検出手段が出力する方向信号とに応じて位
    相値を増減する位相値増減手段と、前記方向信号の変化
    に応じて複数個の前記位相値を保存する位相値保存手段
    と、前記位相値保存手段に保存された少なくとも2個の
    前記位相値より永久磁石回転子の初期位置を算出する初
    期位置算出手段と、前記位相値に応じて第1の複数相の
    位置信号を作成する第1の位置信号作成手段とにより構
    成されたことを特徴とする請求項2記載のブラシレス直
    流モータ。
  4. 【請求項4】位置検出手段は、初期位置検出手段の検出
    初期位置に応じて初期値が設定され、少なくとも1つの
    センサ信号と方向検出手段が出力する方向信号とに応じ
    てカウント値が増加または減少され、前記カウント値に
    応じて位相値を出力するカウンタ手段と、前記カウンタ
    手段の位相値に応じて第2の複数相の位置信号を出力す
    る第2の位置信号作成手段とにより構成されたことを特
    徴とする請求項1記載のブラシレス直流モータ。
  5. 【請求項5】カウンタ手段は、初期位置検出手段の検出
    初期位置に応じて初期値を設定する初期カウント値設定
    手段と、少なくとも1つのセンサ信号と方向信号とに応
    じてカウント値を増加または減少するカウント値増減手
    段と、回転方向指令に応じて前記カウント値増減手段の
    カウント値から所定の値を加算または減算して位相値を
    出力する位相調整手段とにより構成されたことを特徴と
    する請求項4記載のブラシレス直流モータ。
JP5254182A 1993-10-12 1993-10-12 ブラシレス直流モータ Pending JPH07111794A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5254182A JPH07111794A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 ブラシレス直流モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5254182A JPH07111794A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 ブラシレス直流モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07111794A true JPH07111794A (ja) 1995-04-25

Family

ID=17261376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5254182A Pending JPH07111794A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 ブラシレス直流モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07111794A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940009208B1 (ko) 무정류자 직류전동기
EP0571076B1 (en) Brushless DC motor
JP2547061B2 (ja) 直流ブラシレスモータの起動回転制御方法
JP4959460B2 (ja) モータ起動装置及びモータ起動方法
US5376870A (en) Apparatus for driving a brushless DC motor
US6798156B2 (en) Method for minimising the phase errors during the driving of an electric motor, and a circuit using the method thereof
JPH08116651A (ja) 可変リラクタンス形モータ及びその制御方法
JPH07111794A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH06276780A (ja) ブラシレス直流モータ
JP3578698B2 (ja) ブラシレス直流モータ駆動装置
JP2005328644A (ja) モータ駆動装置、モータ制御装置及びモータ駆動方法
JPH07111793A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH09322588A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH05292782A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH09247981A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH06269192A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH09154293A (ja) ブラシレス直流モータ
JPH05292783A (ja) ブラシレス直流モータ
JP2502781B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751608B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2751607B2 (ja) 無整流子直流電動機
JPH05227781A (ja) ブラシレス直流モータ
JP2910229B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP2770559B2 (ja) 無整流子直流電動機
JP3240789B2 (ja) ブラシレスモータ