JPH09317084A - 繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体 - Google Patents

繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体

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JPH09317084A
JPH09317084A JP13555396A JP13555396A JPH09317084A JP H09317084 A JPH09317084 A JP H09317084A JP 13555396 A JP13555396 A JP 13555396A JP 13555396 A JP13555396 A JP 13555396A JP H09317084 A JPH09317084 A JP H09317084A
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Kenzo Sekijima
謙蔵 関島
Yasushi Otsuka
靖 大塚
Koshiro Hayashi
耕四郎 林
Tomohiro Konno
智広 金野
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 更なる軽量化、高耐力化を図ることができる
上、その合成製造作業を容易且つ迅速にすることができ
る繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体を提
供する。 【解決手段】 繊維強化プラスチック部材50と、その
繊維強化プラスチック部材50に設けられるコンクリー
ト部材20とを備え、コンクリート部材20が、繊維強
化プラスチック部材50の上面51bに、その延在方向
に沿って付設されており、繊維強化プラスチック部材5
0に固設されると共にコンクリート部材20中に埋設さ
れて、それらを接合する繊維強化プラスチック接合部4
1、41を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック部材と、その繊維強化プラスチック部材に設けられ
るコンクリート部材とを備える繊維強化プラスチック・
コンクリート合成構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮強度が高いコンクリート部材を用い
たコンクリート構造物が登場して久しいが、近年では、
更に軽量、高耐力な構造物を提供するために、構造物の
一部、又は全部を合成構造体で構築するものが提案され
ている。
【0003】その合成構造体の一つとしては、例えば、
鋼材とコンクリート部材とからなる鋼・コンクリート合
成桁がある。この合成構造体は、曲げモーメントに対し
て、主に鋼材で引張り力を受け、コンクリート部材で圧
縮力を受けることにより、軽量化、高耐力化を実現した
ものである。
【0004】ところが、例えば、建物において、耐震性
の向上や更なる高層化を図る上では、更に軽量、高耐力
な合成構造体が望まれており、このため、最近では、コ
ンクリート部材の内部に、鉄筋同様に繊維強化プラスチ
ック部材を配置した繊維強化プラスチック・コンクリー
ト合成構造体が提案されている。繊維強化プラスチック
部材は、鋼材に比して単位重量に対する引張り強度が高
いので、更に軽量化を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような従
来の繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体で
は、梁などの通常、定方向の曲げモーメントが生じる部
材として用いると、そのコンクリート部材において曲げ
モーメントにより生じる引張り力側の部分が、ほとんど
引張り力を受けず無駄となるか、或いは、コンクリート
部材で引張り力を受け持ち、繊維強化プラスチック部材
が十分な効力を発揮できなくなるため、無駄の多い設計
を強いられることとなる。このため、十分な軽量化を果
たせないという問題がある。
【0006】また、繊維強化プラスチック部材は、高い
引張り強度を有しているが、圧縮力に対しては、鋼材よ
りも遥かに弱く、座屈し易いという不都合を有してい
る。
【0007】そこで、図3、図4、図5に示すような新
しい繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体1
00を考案した。以下、この新しい繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体100について説明する。
図3に示すように、繊維強化プラスチック・コンクリー
ト合成構造体100は、梁等に用いて好適な合成桁であ
る。
【0008】繊維強化プラスチック・コンクリート合成
構造体100の構成は、繊維強化プラスチック部材10
と、その繊維強化プラスチック部材10に設けられるコ
ンクリート部材20と、繊維強化プラスチック部材10
に固設されると共に、コンクリート部材20中に設けら
れて、それらを接合する接合部としての多数のボルト3
0、30、…である。
【0009】繊維強化プラスチック部材10は、繊維強
化プラスチックを成形して、略水平方向にまっすぐに延
在され、その延在方向に直交する鉛直断面を図4に示す
ようにH形としている。即ち、繊維強化プラスチック部
材10は、上下に間隔をもって平行に対向配置される上
フランジ部11及び下フランジ部12と、上フランジ部
11と下フランジ部12との間に設けられる剪断板部1
3とからなっている。また、上フランジ部11には、剪
断板部13の両側方に一対のボルト穴11a、11a
が、予め成形されており、一対のボルト穴11a、11
aは、図5に示すように繊維強化プラスチック部材10
の延在方向に定間隔で多数対配置されている。
【0010】コンクリート部材20は、図3の繊維強化
プラスチック部材10の上フランジ部11の上面11b
に、その延在方向に沿って付設される板状をなしてい
る。
【0011】各ボルト30、30、…は、図を簡略化し
ているが、ねじ棒部の端部に拡径された頭部を有するボ
ルト本体と、ナット等からなる周知のものであり、各ボ
ルト30、30、…は、繊維強化プラスチック部材10
の上フランジ部11の各ボルト穴11a、11a、…に
コンクリート部材20に向けて貫通配置され、そのコン
クリート部材20中に埋設され固定されている。
【0012】繊維強化プラスチック・コンクリート合成
構造体100は以上のような構成を有するので、この繊
維強化プラスチック・コンクリート合成構造体100
を、例えば、鉛直下方に荷重が作用する建物の梁として
架設する際には、コンクリート部材20を上、繊維強化
プラスチック部材10を下にする。すると、通常時、繊
維強化プラスチック・コンクリート合成構造体100に
は、下に凸となるような曲げモーメントが生じ、その曲
げモーメントにより、コンクリート部材20側に圧縮力
が作用すると共に繊維強化プラスチック部材10の下フ
ランジ部12側に引張り力が作用する。
【0013】従って、この繊維強化プラスチック・コン
クリート合成構造体100の設計を行なう際には、曲げ
モーメントに対して、主に繊維強化プラスチック部材1
0で引張り力を受け、コンクリート部材20で圧縮力を
受ける効率的な設計が可能である。
【0014】また、繊維強化プラスチック部材10の上
フランジ部11には、その延在方向に沿ってコンクリー
ト部材20が付設されているので、地震時など、通常加
わらない大きな圧縮力が作用する際にも、繊維強化プラ
スチック部材10の、特に上フランジ部11の座屈が防
止される。
【0015】更に、繊維強化プラスチック部材10とコ
ンクリート部材20とは、繊維強化プラスチック部材1
0の上フランジ部11の各ボルト穴11a、11a、…
に設けられ、コンクリート部材20中に埋設され固定さ
れているボルト30、30、…により、接合されてい
る。その上、上フランジ部11のボルト穴11a、11
a、…は、剪断板部13の両側方に一対設けられ、繊維
強化プラスチック部材10の延在方向に定間隔で多数対
配置されている。
【0016】よって、ボルト30、30、…により、コ
ンクリート部材20を、繊維強化プラスチック部材10
の上フランジ部11の上面11bの各部で均質な接合力
で強く接合することができる。これによって、繊維強化
プラスチック部材10の、特に上フランジ部11の座屈
防止効果が一層向上されている。
【0017】以上のことから、繊維強化プラスチック・
コンクリート合成構造体100では、軽量で高強度な繊
維強化プラスチック部材を主なる材料として用いて、効
率的な設計を行なうことができるので、更なる軽量化、
高耐力化を図ることができる。
【0018】また、この繊維強化プラスチック・コンク
リート合成構造体100の合成製造に際しては、繊維強
化プラスチック部材10の上フランジ部11の各ボルト
穴11a、11a、…に、多数のボルト30、30、…
を、その端部を上フランジ部11の上面11bに突出さ
せて取り付け、この上フランジ部11の上面11bに、
コンクリート部材20を、各ボルト30、30、…が埋
設されるように打設形成することでコンクリート部材2
0と繊維強化プラスチック部材10との接合ができる。
これにより、合成製造作業がなされる。
【0019】しかし、そのような繊維強化プラスチック
・コンクリート合成構造体100では、その合成製造作
業において、多数のボルト30、30、…を、繊維強化
プラスチック部材10の上フランジ部11の各ボルト穴
11a、11a、…に、そのボルト本体を上フランジ部
11の上面11bに突出させて設け、そのナットで固定
して取り付けるという煩雑な作業を要するという問題が
ある。
【0020】本発明は、上記事情に鑑み、更なる軽量
化、高耐力化を図ることができる上、合成製造作業の容
易化、迅速化を図ることができる繊維強化プラスチック
・コンクリート合成構造体を提供することを目的として
いる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明の繊
維強化プラスチック・コンクリート合成構造体は、繊維
強化プラスチックを成形した繊維強化プラスチック部材
と、その繊維強化プラスチック部材に設けられるコンク
リート部材とを備える繊維強化プラスチック・コンクリ
ート合成構造体であって、コンクリート部材が、繊維強
化プラスチック部材の一方の面に、その延在方向に沿っ
て付設され、繊維強化プラスチック部材に固設されると
共に、コンクリート部材中に設けられて、それらを接合
する接合部を有し、接合部は、繊維強化プラスチックに
より成り、繊維強化プラスチック部材と一体に成形さ
れ、コンクリート部材に埋設される繊維強化プラスチッ
ク接合部を有することを特徴とする。
【0022】即ち、繊維強化プラスチック・コンクリー
ト合成構造体を用いた構造物の設計を行なう際に、曲げ
モーメントに対して、主に繊維強化プラスチック部材で
引張り力を受け、コンクリート部材で圧縮力を受ける効
率的な設計が可能である。また、繊維強化プラスチック
部材には、その延在方向に沿ってコンクリート部材が付
設されているので、地震時など、通常加わらない大きな
圧縮力が作用する際にも、繊維強化プラスチック部材の
座屈が防止される。
【0023】また、繊維強化プラスチック部材に固設さ
れると共に、コンクリート部材中に設けられて、それら
を接合する接合部を有しているので、コンクリート部材
と繊維強化プラスチック部材との接合が強力であり、そ
の上、コンクリート部材を、繊維強化プラスチック部材
に取り付けられた接合部が埋設されるように打設形成す
ることで容易且つ迅速にコンクリート部材と繊維強化プ
ラスチック部材との接合が可能である。
【0024】更に、その接合作業においては、例えば接
合部が、多数のボルトである場合に比べると、繊維強化
プラスチック部材への接合部の形成作業を容易且つ迅速
に行なうことができる。
【0025】本発明の第二の発明の繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体は、第一の発明において、
繊維強化プラスチック接合部が、繊維強化プラスチック
部材の延在方向に延在形成され、繊維強化プラスチック
接合部は、繊維強化プラスチック部材に接合される基部
と、繊維強化プラスチック部材の一方の面に平行な方向
の幅寸法が基部より大きな張出し部とを備えてなること
を特徴とする。即ち、繊維強化プラスチック接合部が、
繊維強化プラスチック部材の延在方向に延在形成され
て、接触面積が効果的に増大され、その上、その張出し
部により保持力が向上される。
【0026】本発明の第三の発明の繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体は、第二の発明において、
繊維強化プラスチック接合部が複数並設されており、複
数の繊維強化プラスチック接合部に架設され、繊維強化
プラスチック部材の延在方向に多数並べて配置された棒
状部材を有することを特徴とする。即ち、繊維強化プラ
スチック接合部が複数並設されている上、その複数の繊
維強化プラスチック接合部に架設され、繊維強化プラス
チック部材の延在方向に多数並べて配置された棒状部材
を有することにより、接触面積が更に効果的に増大され
る。また、その多数の棒状部材により保持力が向上され
る。
【0027】本発明の第四の発明の繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体は、第三の発明において、
棒状部材は、繊維強化プラスチックより成ることを特徴
とする。即ち、金属材料が更に低減され、場合によって
は無くなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づき説明する。図1、図2は、本発明の一実施形態
の繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体20
0を示す図であり、繊維強化プラスチック・コンクリー
ト合成構造体200は、図3の前述した繊維強化プラス
チック・コンクリート合成構造体100において、繊維
強化プラスチック部材10に代えて、繊維強化プラスチ
ック部材10においてボルト穴11a、11a、…を除
いた図1の繊維強化プラスチック部材50とし、図3の
ボルト30、30、…に代えて、図2に示す接合部40
を設けたものである。接合部40は、繊維強化プラスチ
ックにより成り、繊維強化プラスチック部材50と一体
に成形され、コンクリート部材20に埋設される繊維強
化プラスチック接合部41、41と、繊維強化プラスチ
ック接合部41、41に支持され、繊維強化プラスチッ
ク部材50の延在方向に多数並べて配置された棒状部材
45、45、…とからなる構成としたものである。
【0029】繊維強化プラスチック接合部41、41
は、二本、並設され、それぞれ、繊維強化プラスチック
部材50の延在方向に延在形成されており、各繊維強化
プラスチック接合部41、41は、繊維強化プラスチッ
ク部材50の延在方向に直交する鉛直断面形状を概略T
字形としている。即ち、各繊維強化プラスチック接合部
41、41は、繊維強化プラスチック部材50の延在方
向に延在される板状を成し、繊維強化プラスチック部材
50の上フランジ部51の上面51bに起立状態に設け
られる基部42、42と、繊維強化プラスチック部材5
0の延在方向に延在される板状を成し、基部42、42
の上端部に水平に設けられ、基部42、42の両側方に
水平に張り出されていることで、その水平方向即ち上フ
ランジ部51の上面51bに平行な方向の幅寸法が基部
42、42より大きな張出し部43、43とを備えてな
っている。二本の繊維強化プラスチック部材50、50
の基部42、42は、基部42、42の両側方である幅
方向に貫通形成された一対の孔42a、42aを有して
おり、一対の孔42a、42aは、繊維強化プラスチッ
ク部材50の延在方向に間隔をもって多数対配置されて
いる。
【0030】各棒状部材45、45、…は、幅方向に延
在されてそれぞれ平行に設けられ、基部42、42に架
設されており、各棒状部材45、45、…の両端部は、
双方の繊維強化プラスチック接合部41、41の基部4
2、42の対の孔42a、42a、…を貫通して配置さ
れ支持されている。
【0031】従って、図1の繊維強化プラスチック・コ
ンクリート合成構造体200では、図3の繊維強化プラ
スチック・コンクリート合成構造体100において示し
た作用効果と同様の作用効果を奏する上に、以下の作用
効果を有する。
【0032】即ち、図1の繊維強化プラスチック接合部
41、41が、その基部42、42の上端部に水平に設
けられ、基部42、42の両側方に水平に張り出されて
いる張出し部43、43を有しているので、コンクリー
ト部材20に埋設された状態では、曲げモーメント等に
起因し、コンクリート部材20と繊維強化プラスチック
部材50の上フランジ部51とを剥離させようとする外
力に対して、高い保持力を発揮することができる。
【0033】加えて、二本の繊維強化プラスチック接合
部41、41の基部42、42に架設され、繊維強化プ
ラスチック部材50の延在方向に多数並べて配置された
棒状部材45、45、…により、その保持力が向上され
ている。
【0034】また、繊維強化プラスチック接合部41、
41が、二本、繊維強化プラスチック部材50の延在方
向に延在形成されていることと、張出し部43、43及
び棒状部材45、45、…を有することにより、コンク
リート部材20に対する接触面積が効果的に増大されて
いる。
【0035】よって、コンクリート部材20と繊維強化
プラスチック部材50との接合を、従来に増して強力に
することができるので、更なる軽量化、高耐力化を図る
ことができる。
【0036】尚、棒状部材45、45、…の長さを、上
フランジ51の幅寸法よりも長くして、棒状部材45、
45、…の両端部でコンクリート部材20を補強する構
成としてもよい。また、棒状部材45、45、…の断面
形状は、特定の形状に限らないが、円形が好ましい。
【0037】更に、特に棒状部材45、45、…を繊維
強化プラスチックにより成形すれば、繊維強化プラスチ
ック・コンクリート合成構造体200から、金属材料を
無くすことができるので、耐食性を著しく向上させるこ
とができる。
【0038】また、二本の繊維強化プラスチック接合部
41、41は、繊維強化プラスチック部材50を成形す
る際に一体成形し、この二本の繊維強化プラスチック接
合部41、41の基部42、42に孔42a、42a、
…を空けておき、棒状部材45、45、…を貫通配置さ
せることで、接合部40を形成できる。よって、図3の
繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体100
のように多数のボルト30、30、…を、繊維強化プラ
スチック部材10の上フランジ部11の各ボルト穴11
a、11a、…に、そのボルト本体を上フランジ部11
の上面11bに突出させて設け、ナットで固定して取り
付ける場合に比して、図1の繊維強化プラスチック部材
50への接合部40の形成作業を容易且つ迅速に行なう
ことができる。
【0039】また、二本の繊維強化プラスチック接合部
41、41と繊維強化プラスチック部材50との一体成
形は、その鉛直断面形状が、繊維強化プラスチック部材
50の延在方向に一様なので、連続成形が可能である。
よって、連続成形により、形成作業を更に容易且つ迅速
に行なうことができ、生産性の向上を図ることができ
る。
【0040】尚、繊維強化プラスチック・コンクリート
合成構造体200の合成製造を更に簡略にするために、
棒状部材45、45、…を省略する構成としてもよい。
【0041】また、上記実施形態では、梁等に用いられ
る合成桁としたが、本発明は、上記実施形態において、
コンクリート部材20を現場打設のコンクリート床スラ
ブに代え、繊維強化プラスチック部材50を梁とした繊
維強化プラスチック・コンクリート合成構造体を含むこ
とは勿論である。
【0042】上記繊維強化プラスチックとしては、ガラ
ス繊維強化プラスチックであってもよいが、更に軽量、
高強度な炭素繊維強化プラスチックであってもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明の第一の発明の繊維強化プラスチ
ック・コンクリート合成構造体によれば、通常時の定方
向の曲げモーメントに対して、繊維強化プラスチック部
材で引張り力を受け、コンクリート部材で圧縮力を受け
る効率的な設計ができる。
【0044】また、地震時など大きな圧縮力が加わる場
合においては、コンクリート部材により繊維強化プラス
チック部材の座屈が防止されるので、座屈防止のための
繊維強化プラスチック部材の断面積の増大を低減あるい
は無くす設計とすることができる。
【0045】更に、接合部により、コンクリート部材と
繊維強化プラスチック部材との接合が強力になされる。
以上のことから、更なる軽量化、高耐力化を図ることが
できる。
【0046】その上、繊維強化プラスチック部材への接
合部の形成作業を容易且つ迅速に行なうことができるの
で、その後、コンクリート部材を、繊維強化プラスチッ
ク部材に打設形成して、その接合部を埋設することで、
容易且つ迅速にコンクリート部材と繊維強化プラスチッ
ク部材との接合ができる。よって、合成製造作業を容易
且つ迅速にすることができる。
【0047】本発明の第二の発明の繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体によれば、上記効果に加え
て、繊維強化プラスチック接合部が、繊維強化プラスチ
ック部材の延在方向に延在形成されているので、接触面
積が効果的に増大されており、その上、その張出し部に
より保持力が向上されている。よって、コンクリート部
材と繊維強化プラスチック部材との接合を更に強力にす
ることができる。
【0048】本発明の第三の発明の繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体によれば、上記効果に加え
て、繊維強化プラスチック接合部が複数並設される上、
その複数の繊維強化プラスチック接合部に架設され、繊
維強化プラスチック部材の延在方向に多数並べて配置さ
れた棒状部材を有することにより、接触面積が更に効果
的に増大される。また、その多数の棒状部材により保持
力が向上される。よって、コンクリート部材と繊維強化
プラスチック部材との接合を更に強力にすることができ
る。
【0049】また、この棒状部材は、複数の繊維強化プ
ラスチック接合部に架設され配置されるので、繊維強化
プラスチック部材への接合部の形成作業を容易且つ迅速
に行なうことができる。
【0050】本発明の第四の発明の繊維強化プラスチッ
ク・コンクリート合成構造体によれば、上記効果に加え
て、棒状部材を繊維強化プラスチックで形成すること
で、金属材料が更に低減され、場合によっては無くなる
ので、耐食性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維強化プラスチック・コンクリー
ト合成構造体の一実施形態を示す正面断面図である。
【図2】 図1の繊維強化プラスチック・コンクリート
合成構造体の繊維強化プラスチック部材及び接合部の斜
視図である。
【図3】 繊維強化プラスチック・コンクリート合成構
造体の一例を示す側面図である。
【図4】 図3の繊維強化プラスチック・コンクリート
合成構造体の正面断面図である。
【図5】 図3の繊維強化プラスチック・コンクリート
合成構造体の平面図である。
【符号の説明】
20 コンクリート部材 40 接合部 41 繊維強化プラスチック接合部 42 基部 43 張出し部 45 棒状部材 50 繊維強化プラスチック部材 51b 上面(繊維強化プラスチック部材の一方の面) 200 繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造
フロントページの続き (72)発明者 林 耕四郎 神奈川県相模原市宮下一丁目2番27号 旭 硝子マテックス株式会社内 (72)発明者 金野 智広 神奈川県相模原市宮下一丁目2番27号 旭 硝子マテックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチックを成形した繊維強
    化プラスチック部材と、その繊維強化プラスチック部材
    に設けられるコンクリート部材とを備える繊維強化プラ
    スチック・コンクリート合成構造体であって、 前記コンクリート部材が、前記繊維強化プラスチック部
    材の一方の面に、その延在方向に沿って付設され、 前記繊維強化プラスチック部材に固設されると共に、前
    記コンクリート部材中に設けられて、それらを接合する
    接合部を有し、 該接合部は、繊維強化プラスチックにより成り、前記繊
    維強化プラスチック部材と一体に成形され、前記コンク
    リート部材に埋設される繊維強化プラスチック接合部を
    有することを特徴とする繊維強化プラスチック・コンク
    リート合成構造体。
  2. 【請求項2】 前記繊維強化プラスチック接合部が、前
    記繊維強化プラスチック部材の延在方向に延在形成さ
    れ、 前記繊維強化プラスチック接合部は、前記繊維強化プラ
    スチック部材に接合される基部と、前記繊維強化プラス
    チック部材の一方の面に平行な方向の幅寸法が前記基部
    より大きな張出し部とを備えてなることを特徴とする請
    求項1記載の繊維強化プラスチック・コンクリート合成
    構造体。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化プラスチック接合部は、複
    数並設され、 前記複数の繊維強化プラスチック接合部に架設され、前
    記繊維強化プラスチック部材の延在方向に多数並べて配
    置された棒状部材を有することを特徴とする請求項1又
    は2記載の繊維強化プラスチック・コンクリート合成構
    造体。
  4. 【請求項4】 前記棒状部材は、繊維強化プラスチック
    より成ることを特徴とする請求項3記載の繊維強化プラ
    スチック・コンクリート合成構造体。
JP13555396A 1996-05-29 1996-05-29 繊維強化プラスチック・コンクリート合成構造体 Expired - Fee Related JP3769071B2 (ja)

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