JP2006144535A - 柱と梁の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 梁1は、中間部がH形鋼からなる鉄骨梁4、両端部が当該鉄骨梁4をハーフプレキャストコンクリート5で被覆した鉄骨鉄筋コンクリート造であり、柱2は、場所打ちコンクリート柱あるいはプレキャストコンクリート柱である。そして、鉄骨梁4の材軸方向の端面に取り付けられたエンドプレート7上に、端部に定着板6aを有するアンカー筋6が溶接され、柱2と梁1の仕口部3に充填されるコンクリート内に当該アンカー筋6が埋設されている。
【選択図】 図1
Description
他方、特許文献2には、従来の鉄筋コンクリート梁の自重を軽減して、小さな梁成で長スパンの梁を構成するために、中央鉄骨部と端部鉄筋コンクリート部よりなり、中央鉄骨部の鉄骨を端部鉄筋コンクリート部の一部に埋設して両者を一体化してなる梁の構造に関する発明が開示されている。
本発明では、拡径部を有するアンカー筋を、鉄骨梁の端面に取り付けたエンドプレートに植設し、柱と梁の仕口部に充填されるコンクリート内に当該アンカー筋を埋設させることにより、梁端部の曲げモーメントを柱に伝達させる。
これにより、従来の複合化構法で行われている、柱主筋を挿通させるための孔を鉄骨梁のフランジに穿設する作業が不要となるため、鉄骨梁の加工作業が極めて容易となり、製造コストおよび工期の縮減を図ることができる。
本発明では、梁端部において、鉄骨梁の抵抗モーメントの一部を鉄筋コンクリート梁に振り替えて柱に伝達するものである。梁の端部がプレキャストコンクリート内に鉄骨梁が埋設された鉄骨鉄筋コンクリート造とされているため、梁の剛性が高く、長期の撓みや地震時の層間変形を小さくすることができる。しかも、仕口部に当接するプレキャストコンクリートの端面に凹凸部を形成しているので、その部分がシアコッターとして機能し、柱・梁接合部のせん断耐力を増大させることができる。
曲げ変形に対するT形梁の有効幅は、梁の両側または片側に一体的に形成されたスラブの一部を協力幅として加えたものとされている。本発明では、曲げモーメントが大きくなる梁端上端部について、T形梁の協力幅内にも梁主筋を配することにより、梁端上端部の配筋を合理化して施工性の向上を図るものである。
本発明では、プレキャストコンクリート柱を採用することにより、システマチックな構法となり、高品質な構造物を短工期で実現することができる。
図1は、本発明の第一の実施形態を示す柱・梁接合部の立断面図であり、図2は、図1におけるA−A矢視断面図である。また、図3は梁端部の斜視図である。なお、図1では、図が煩雑になるため、柱の帯筋は省略している。
本発明に係る柱と梁の接合構造では、鉄筋コンクリート造の柱2と鉄骨造の梁1とからなる構造物を対象としている。
鉄骨梁4の材軸方向の端面には鋼製のエンドプレート7が溶接されており、エンドプレート7上には、端部に定着板6aを有し、柱2断面のほぼ中心部まで達するアンカー筋6が複数溶接されている。
鉄骨梁4の端部を覆っている鉄筋コンクリートは、矩形断面を有するハーフプレキャストコンクリート5であり、その上端部分に打設される現場打ちコンクリートと一体化されて梁1端部を形成する。
ハーフプレキャストコンクリート5の下端部には、梁主筋8が梁1の材軸方向に沿って配設されており、当該梁主筋8および鉄骨梁4を取り囲むように、あばら筋9が配設されている。ハーフプレキャストコンクリート5の上面からは、あばら筋9の上部および鉄骨梁4の上フランジ上面が露出しており、柱2と梁1の仕口部3に当接するハーフプレキャストコンクリート5の端面からは梁主筋8が延出している。
また、仕口部3に当接するハーフプレキャストコンクリート5の端面には、凹凸部5aが複数形成されている。凹凸部5aはシアコッターとして機能し、柱2・梁1接合部のせん断耐力の向上に寄与する。
柱2断面の周縁部には、柱2の材軸方向に沿って柱主筋10が配設されており、当該柱主筋10には帯筋(図示省略)が巻かれている。
また、柱2から延出する仕口部3内の柱主筋10には帯筋11が巻かれ、左右の梁1、1から突出する梁主筋8、8は、仕口部3内で機械式継手8aによって接合されている。
一方、当該階の柱主筋10と上階の柱主筋10とは、仕口部3の上方で機械式継手10aによって接合される。
アンカー筋6は、拡径部としての定着板6aを、棒状の異形鉄筋6bの一端に摩擦圧接したものであり、定着板6aの支圧作用と異形鉄筋6bの付着作用により、異形鉄筋6bをコンクリートに定着させることができる。
ここで、摩擦圧接は、異形鉄筋6bの端部に定着板6aを所定の圧力で押し付けて高速回転させ、その摩擦熱により加熱した後、定着板6aの回転を急停止させ、アプセット圧力を付与して接合する方法であり、継手の機械的強度が非常に高いうえ、圧接時間も短く作業能率が高いという特長を有している。
定着板6aには、SD490と同等以上の引張強度を有する非調質高強度鋼を使用し、所定厚さに加工した円形板としている。
なお、定着板6aの中心部には連通孔6cが設けられており、この連通孔6cから摩擦圧接時のバリが出てくるので、摩擦圧接が確実に行われているか確認することができる。
なお、上記アンカー筋6に代えて、 鉄筋端部を高周波誘導加熱して 鉄筋端部に拡径部を形成した鉄筋を使用してもよい。
トラス筋付きデッキプレート15は、デッキプレート15a上に、鉄筋をトラス状に組んだトラス筋15bを配設して一体化したものである。
現場では、トラス筋15bの上にスラブ筋16を配筋すればよいので、サポートが原則不要となり、工期が大幅に短縮されるうえ、配筋精度が極めて高いという特長を有している。
プレキャストコンクリート柱と併せてトラス筋付きデッキプレート15を用いれば、極めてシステマチックな構法となり、より高品質な構造物を短工期で実現することができる。
また、本実施形態による柱と梁の接合構造では、梁1の端部がハーフプレキャストコンクリート5によって鉄骨梁4が覆われた鉄骨鉄筋コンクリート造なので、梁1の剛性が高くなり、長期の撓みや地震時の層間変形を小さくすることができる。
さらに、本実施形態による柱と梁の接合構造では、鉄骨梁4とハーフプレキャストコンクリート5の降伏順序をコントロールすることにより、鉄骨造の構造特性係数Ds値を用いて必要保有水平耐力を小さくすることができる。
図6は、本発明の第二の実施形態を示す柱・梁接合部の立断面図であり、図7は、梁端部の詳細を示した詳細断面図である。なお、図6および図7では、柱主筋や梁主筋等、第一の実施形態と同じ部分については記載を省略している。
なお、本例では、袋ナット17を各フランジ4fに2列溶接しているが、フランジ4fの幅に応じて4列以上とすることもできる。また、鉄骨梁4のウェブ4wの側面にも袋ナット17を溶接してアンカー筋18を螺合し、接合部の強度を確保してもよい。
本実施形態では、梁端部がT形梁とされ、梁1と一体化されたスラブ20の協力幅ba、ba内にも梁主筋8を配し、梁主筋8…同士を直交するタイバー19によって緊結するものである。これにより、曲げモーメントが大きくなる梁端上端部について、梁端上端部の配筋を合理化して施工性の向上を図ることができる。
s/l<0.5の場合、ba=(0.5−0.6s/l)s
s/l≧0.5の場合、ba=0.1l
ここに、s:並設する梁の側面間の距離、l:スパン長
2 柱
3 仕口部
4 鉄骨梁
5 ハーフプレキャストコンクリート(プレキャストコンクリート)
5a 凹凸部
6、18 アンカー筋
6a、18a 定着板(拡径部)
6b 異形鉄筋
6c 連通孔
7 エンドプレート
8 梁主筋
9 あばら筋
10 柱主筋
11 帯筋
12 受け材
13、17 袋ナット
14 ボルト
15 トラス筋付きデッキプレート
15a デッキプレート
15b トラス筋
16 スラブ筋
19 タイバー
20 スラブ
B 有効幅
b 梁幅
ba 協力幅
Claims (4)
- 鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨造の梁との接合構造であって、
拡径部を有するアンカー筋が前記梁の材軸方向の端面から突出し、前記柱と前記梁の仕口部に充填されるコンクリート内に埋設されてなることを特徴とする柱と梁の接合構造。 - 前記梁の端部は、プレキャストコンクリート内に鉄骨梁が埋設されてなる鉄骨鉄筋コンクリート造であって、
前記仕口部に当接する前記プレキャストコンクリートの端面には凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の柱と梁の接合構造。 - 前記梁の端部は、スラブと一体化されたT形梁であって、
前記T形梁の協力幅内に梁主筋が配され、前記仕口部に定着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の柱と梁の接合構造。 - 前記柱がプレキャストコンクリート柱であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の柱と梁の接合構造。
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