JP2020076226A - 形鋼、床構造及び床構造の施工方法 - Google Patents

形鋼、床構造及び床構造の施工方法 Download PDF

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Nobutaka Shimizu
信孝 清水
佐藤 圭一
Keiichi Sato
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涼平 桑田
Ryohei Kuwata
涼平 桑田
聡 北岡
Satoshi Kitaoka
聡 北岡
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Abstract

【課題】ウェブ部と一対のフランジ部とを備え、床材接続用の接続部材と上フランジ部との接合性を確保しつつ、上フランジ部に対して下フランジ部が先行して降伏するのを抑制する形鋼を提供する。【解決手段】形鋼20は、直線状のウェブ部22と、ウェブ部22の短手方向の一端部22Aからウェブ部22の長手方向及び短手方向に対して直交する方向の一方及び他方にそれぞれ延出し、床スラブ28に接続される第1フランジ部24と、前記ウェブ部22の短手方向の他端部22Bから前記直交する方向の一方及び他方にそれぞれ延出し、ウェブ部22を挟んで第1フランジ部24に対向配置され、厚みが第1フランジ部24以上で且つ第1フランジ部24よりも降伏点が大きい第2フランジ部26と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、形鋼、床構造及び床構造の施工方法に関する。
特許文献1には、ウェブ部と一対のフランジ部で構成されるH形鋼が開示されている。このH型鋼では、曲げ内側に位置するフランジ部の強度を曲げ外側に位置するフランジ部の強度よりも高くしている。
特開2018−071172号公報
ところで、建物の床を支持する梁に用いられるH形鋼では、上フランジ部に床材(スラブ等)が接続されるため、上フランジ部側の圧縮に対する負担抵抗が増し、曲げの中立軸が上フランジ部側へ移動する傾向がある。曲げの中立軸が上フランジ部側へ移動すると、下フランジ部に作用する引張応力が大きくなるため、H形鋼の下フランジ部側には高い強度の鋼材が望まれる。一方で、上フランジ部には、床材を接続するためのファスニング(接続部材)等が設けられるため、接合性に優れた低い強度の鋼材が望まれる。
本発明は上記事実を考慮し、ウェブ部と一対のフランジ部とを備え、床材接続用の接続部材と上フランジ部との接合性を確保しつつ、上フランジ部に対して下フランジ部が先行して降伏するのを抑制する形鋼、この形鋼を用いた床構造及びこの床構造の施工方法を提供することを課題とする。
本発明の第1態様の形鋼は、直線状のウェブ部と、前記ウェブ部の短手方向の一端部から前記ウェブ部の長手方向及び短手方向に対して直交する方向の一方及び他方にそれぞれ延出し、床材に接続される第1フランジ部と、前記ウェブ部の短手方向の他端部から前記直交する方向の一方及び他方にそれぞれ延出し、前記ウェブ部を挟んで前記第1フランジ部に対向配置され、厚みが前記第1フランジ部以上で且つ前記第1フランジ部よりも降伏点が大きい第2フランジ部と、を備える。
第1態様の形鋼では、第1フランジ部に床材が接続されることで曲げの中立軸が第1フランジ側へ移動する。この状態で、床材側から荷重が作用した場合、曲げの内側となる第1フランジ部に生じる圧縮応力に対して曲げの外側となる第2フランジ部に生じる引張応力が大きくなる。ここで、上記形鋼では、床材が接続される第1フランジ部の降伏点よりも第2フランジ部の降伏点を大きくしているため、例えば、第2フランジ部の降伏点を第1フランジ部の降伏点以下とする構成と比べて、第1フランジ部に対して第2フランジ部が先行して降伏するのを抑制することができる。
一方、上記形鋼では、第1フランジ部の降伏点を第2フランジ部の降伏点よりも小さくしているため、床材接続用の接続部材と第1フランジ部との接合性を確保することができる。
本発明の第2態様の形鋼は、第1態様の形鋼において、前記ウェブ部の前記第2フランジ部に近接する部分の降伏点は、前記第1フランジ部の降伏点よりも大きい。
第2態様の形鋼では、ウェブ部の第2フランジ部に近接する部分の降伏点を第1フランジ部の降伏点よりも大きくしていることから、例えば、ウェブ部の上記近接する部分の降伏点を第1フランジ部の降伏点以下とする構成と比べて、第1フランジ部に対してウェブ部の第2フランジ部に近接する部分が先行して降伏するのを抑制することができる。
本発明の第3態様の形鋼は、第1態様又は第2態様の形鋼において、前記ウェブ部の前記第2フランジ部に近接する部分の降伏点は、前記第2フランジ部の降伏点以上である。
第3態様の形鋼では、ウェブ部の第2フランジ部に近接する部分の降伏点を第2フランジ部の降伏点以上にしていることから、例えば、ウェブ部の上記近接する部分の降伏点を第2フランジ部の降伏点未満とする構成と比べて、第2フランジ部に対してウェブ部の第2フランジ部に近接する部分が先行して降伏するのを抑制することができる。
本発明の第4態様の形鋼は、第1態様〜第3態様のいずれか一態様の形鋼において、前記第1フランジ部の降伏点に対する前記第2フランジ部の降伏点の比率が1.3倍より大きい。
第4態様の形鋼では、第1フランジ部の降伏点に対する第2フランジ部の降伏点の比率を1.3倍より大きくしていることから、例えば、上記比率が1.3倍以下の構成と比べて、床材接続用の接続部材と第1フランジ部との接合性を確保しつつ、第1フランジ部に対して第2フランジ部が先行して降伏するのを効果的に抑制することができる。
本発明の第5態様の形鋼は、第1態様〜第4態様のいずれか一態様の形鋼において、前記ウェブ部と前記第1フランジ部が溶接され、前記ウェブ部と前記第2フランジ部が溶接されている。
第5態様の形鋼では、ウェブ部と第1フランジ部が溶接され、ウェブ部と第2フランジ部が溶接されて形鋼の断面を形成することから、例えば、ロール成形により形鋼を成形するものと比べて、製造設備にかかるコストを抑えながら、形鋼の断面寸法(ウェブの板厚や高さ、フランジの板厚や幅)の設定における自由度を向上させることができる。
本発明の第6態様の床構造は、床材と、前記床材の下方であって前記第1フランジ部が前記第2フランジ部に対して上方に位置するように配置され、前記第1フランジ部が前記床材に接続されて床材を支持する第1態様〜第5態様のいずれか一態様の形鋼と、を備える。
第6態様の床構造では、床材の下方に第1態様〜第5態様のいずれか一態様の形鋼が配置され、この形鋼の第1フランジ部が第2フランジ部に対して上方に位置するように配置されて第1フランジ部が床材に接続されている。このため、上記形鋼の曲げの中立軸が第1フランジ側へ移動している。この状態で、床材側から荷重が作用した場合、曲げの内側となる第1フランジ部に生じる圧縮応力に対して曲げの外側となる第2フランジ部に生じる引張応力が大きくなる。ここで、上記形鋼では、第1フランジ部の降伏点よりも第2フランジ部の降伏点を大きくしているため、例えば、第2フランジ部の降伏点を第1フランジ部の降伏点以下とする構成と比べて、第1フランジ部に対して第2フランジ部が先行して降伏するのを抑制することができる。このため、上記床構造では、上記形鋼によって床材側からの荷重に対する耐荷性能を向上することができる。
一方、上記形鋼では、第1フランジ部の降伏点を第2フランジ部の降伏点よりも小さくしているため、床材接続用の接続部材と第1フランジ部との接合性を確保することができる。このため、上記床構造では、床材と形鋼を接合する際の施工の効率化を図ることができる。
本発明の第7態様の床構造の施工方法は、第1態様〜第5態様のいずれか一態様の形鋼を第1フランジ部が第2フランジ部に対して上方に位置するように配置し、前記第1フランジ部上に床材を配置するとともに前記床材と前記第1フランジ部を接続する。
第7態様の床構造の施工方法では、第1態様〜第5態様のいずれか一態様の形鋼を第1フランジ部が第2フランジ部に対して上方に位置するように配置し、その後、第1フランジ部上に床材を配置するとともに床材と前記第1フランジ部を接続することで床構造が完成する。
本発明は、ウェブ部と一対のフランジ部とを備え、床材接続用の接続部材と上フランジ部との接合性を確保しつつ、上フランジ部に対して下フランジ部が先行して降伏するのを抑制する形鋼、この形鋼を用いた床構造及びこの床構造の施工方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る形鋼を斜め上方から見た斜視図である。 図1の形鋼の長手方向と直交する断面図である。 本発明の一実施形態に係る床構造を側方から見た側面図である。 図3の矢印4X−4X線断面図である。 図4に示す形鋼に作用する圧縮応力と引張応力の関係を示す断面図(図4の断面図に対応)である。 本発明のその他の実施形態に係る形鋼を示す断面図(図4の断面図に対応)である。 本発明のその他の実施形態に係る床構造を示す側面図である。 図7の矢印8X−8X線断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る床構造を示す側面図である。 図9の矢印10X−10X線断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る形鋼を斜め上方から見た斜視図である。 図11の形鋼の長手方向と直交する断面図である。
図面を用いて本発明の一実施形態に係る形鋼、床構造及び床構造の施工方法について説明する。
図1及び図2には、本実施形態の形鋼20が開示されている。この形鋼20は、建物の床を支持する梁等に用いられる形鋼である。また、図3及び図4には、形鋼20を用いた本実施形態の床構造S1が開示されている。この床構造S1は、建物の床等に用いられる床構造である。
まず、形鋼20について説明し、次に、床構造S1について説明する。その後、床構造S1の施工方法について説明する。
<形鋼20>
図1及び図2に示されるように、本実施形態の形鋼20は、長手方向(図1で矢印Lで示す方向)と直交する断面の形状が略H形の形鋼、所謂H形鋼である。また、形鋼20は、一直線状に延びている。この形鋼20は、ウェブ部22と、第1フランジ部24と、第2フランジ部26とを備えている。
(ウェブ部22)
図1に示されるように、ウェブ部22は、一直線状に延びる板状部である。ウェブ部22の短手方向(図1及び図2では矢印Hの方向)の一端部(図1及び図2では上端部)22Aには第1フランジ部24が溶接され、他端部(図1及び図2では下端部)22Bには第2フランジ部26が溶接されている。
(第1フランジ部24)
図1及び図2に示されるように、第1フランジ部24は、ウェブ部22の短手方向の一端部22Aからウェブ部22の長手方向L及び短手方向に対して直交する方向(図1及び図2では矢印Wの方向)の一方及び他方にそれぞれ延出する板状部である。この第1フランジ部24には、本発明における床材の一例として床スラブ28が接続されるようになっている。具体的には、第1フランジ部24のウェブ部22と反対側の面24Aには、床スラブ28と形鋼20を接続するためのスタッド29が長手方向Lに間隔をあけて設けられており、このスタッド29によって床スラブ28が形鋼20に接続されるようになっている(図3参照)。
(第2フランジ部26)
図1及び図2に示されるように、第2フランジ部26は、ウェブ部22の短手方向の他端部から直交する方向(図1及び図2では矢印Wの方向)の一方及び他方にそれぞれ延出する板状部である。この第2フランジ部26は、ウェブ部22を挟んで第1フランジ部24に対向配置されている。また、第2フランジ部26の厚みt2は、第1フランジ部24の厚みt1以上である。第2フランジ部26の厚みt2を、第1フランジ部24の厚みt1以上とすることで、形鋼20単体として中立軸が床スラブ28側に移動するのを抑制することができる。
第2フランジ部26の降伏点は、第1フランジ部24の降伏点よも大きい。具体的には、第2フランジ部26は、第1フランジ部24よりも降伏点が大きい材料で形成されている。また、第1フランジ部24の降伏点に対する第2フランジ部26の降伏点の比率は、1.3倍より大きい。なお、本実施形態のウェブ部22は、第2フランジ部26と同じ材料で形成され、降伏点も同じ値である。
また、形鋼20の各部位を形成する鋼材としては、SN材(建築構造用圧延鋼板(JIS G 3136))、SM材(溶接構造用圧延鋼板(JIS G 3106))、SS材(一般構造用圧延鋼板(JIS G 3101))に加え、その他の構造用鋼板等を用いることができる。本実施形態においては、第1フランジ部24にSN400(降伏点235Mpa)を使用し、第2フランジ部26にSN490(降伏点325Mpa)を使用している。なお、SN400(降伏点235Mpa)に対するSN490(降伏点325Mpa)の降伏点の比率は1.3以上となっている。
また、形鋼20の各部位における降伏点は、「JIS規格によるZ2241:2011による材料引張試験等により定められた降伏点」又は「材料規格として定められた降伏点」である。
次に、床構造S1について説明する。
<床構造S1>
図3及び図4に示されるように、床構造S1は、建物の床スラブ28と、建物の床梁を構成する複数の形鋼20とを備えている。この床構造S1では、形鋼20が床スラブ28を支持する床梁として用いられるため、形鋼20が床スラブ28の下方であって第1フランジ部24が第2フランジ部26に対して上方に位置するように配置され、第1フランジ部24が床スラブ28に接続されて床材を支持している。
(床スラブ28)
図3及び図4に示されるように、床スラブ28は、第1フランジ部24の面24Aによって支持されている。また、床スラブ28の下部には、形鋼20の第1フランジ部24に設けられた複数のスタッド29が埋め込まれている。この床スラブ28としては、例えば、RCスラブ(鉄筋コンクリートスラブ)、合成スラブ(デッキプレートとコンクリートの合成スラブ等)が挙げられる。
また、本実施形態で用いるスタッド29は、頭付きスタッドであり、先端部29Aが形鋼20の第1フランジ部24に溶接接合され、頭部29Bが床スラブ28の下部に埋め込まれる。このスタッド29は、第1フランジ部24の中央、すなわち、ウェブ部22の短手方向の延長線上に配置されている。なお、本実施形態のスタッド29は、床材を形鋼に接続するための接続部材の一例である。
次に、床構造S1の施工方法について説明する
まず、スタッド29が溶接された形鋼20を準備する。次に、この形鋼20をスタッド29が溶接された第1フランジ部24が第2フランジ部26に対して上方に位置するように配置する。なお、スタッド29は、形鋼20を配置した後から、第1フランジ部24に溶接してもよい。
次に、形鋼20の第1フランジ部24上に配筋及びコンクリート打設を行って床スラブ28を形成する。これにより、第1フランジ部24と床スラブ28が接続され、床構造S1が完成する。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図3及び図4に示されるように、床構造S1では、床スラブ28の下方に形鋼20が配置され、この形鋼20の第1フランジ部24が第2フランジ部26に対して上方に位置するように配置されて第1フランジ部24が床スラブ28に接続されている。このため、図5に示されるように、形鋼20の高さ方向(矢印Hの方向)の中心(NA0)に対して、曲げの中立軸NAが第1フランジ部26側へ移動している。この状態で、床スラブ28側から荷重が作用した場合、曲げの内側となる第1フランジ部24に生じる圧縮応力(発生応力)σ1に対して曲げの外側となる第2フランジ部26に生じる引張応力(発生応力)σ2が大きくなる。ここで、形鋼20では、床スラブ28が接続される第1フランジ部24の降伏点よりも第2フランジ部26の降伏点を大きくしているため、例えば、第2フランジ部26の降伏点を第1フランジ部24の降伏点以下とする構成と比べて、第1フランジ部24に対して第2フランジ部26が先行して降伏するのを抑制することができる。このため、床構造S1では、形鋼20によって床スラブ28側からの荷重に対する耐荷性能を向上することができる。また、床スラブ28が取りついた形鋼20を用いた建物が地震や風による水平力を受けた際に、形鋼20に逆対称の曲げが加わり、第2フランジ部26に引張応力が生じるに場合においても、同様に、第1フランジ部24に対して第2フランジ部26が先行して降伏するのを抑制することができる。
一方、形鋼20では、第1フランジ部24の降伏点を第2フランジ部26の降伏点よりも小さくしているため、スタッド29と第1フランジ部24との溶接による接合性を確保することができる。このため、床構造S1では、床スラブ28と形鋼20を接合する際の施工の効率化を図ることができる。
また、形鋼20では、ウェブ部22の降伏点を第1フランジ部24の降伏点よりも大きくしていることから、例えば、ウェブ部の降伏点を第1フランジ部24の降伏点以下とする構成と比べて、第1フランジ部24に対してウェブ部22及び第2フランジ部26が先行して降伏するのを抑制することができる。なお、本実施形態では、ウェブ部22と第2フランジ部26を同じ材料で形成している。
さらに、形鋼20では、第1フランジ部24の降伏点に対する第2フランジ部26の降伏点の比率を1.3倍より大きくしていることから、例えば、上記比率が1.3倍以下の構成と比べて、スタッド29と第1フランジ部24との接合性を確保しつつ、第1フランジ部24に対して第2フランジ部26が先行して降伏するのを効果的に抑制することができる。
そして、形鋼20では、ウェブ部22と第1フランジ部24が溶接され、ウェブ部22と第2フランジ部26が溶接されていることから、例えば、ロール成形により形鋼を成形するものと比べて、製造設備にかかるコストを抑えながら、形鋼の断面寸法(ウェブの板厚と高さ、フランジの板厚と幅)の設定における自由度を向上させることができる。
前述の実施形態の形鋼20では、ウェブ部22の降伏点と第2フランジ部26の降伏点を同じ値にしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図6に示されるように形鋼30のように、ウェブ部32の降伏点を第2フランジ部26の降伏点より大きくしてもよい。このような形鋼30では、ウェブ部32の降伏点が第2フランジ部26の降伏点より大きいため、例えば、ウェブ部の降伏点を第2フランジ部26の降伏点未満とする構成と比べて、第1フランジ部24及び第2フランジ部26に対してウェブ部32が先行して降伏するのを抑制することができる。これにより、曲げによる引張応力に対して第2フランジ部26が降伏するのを抑制するとともに、曲げに伴うせん断応力に対してウェブ部32が降伏するのを抑制することができる。
前述の実施形態の床構造S1では、形鋼20の第1フランジ部24に床スラブ28を接続する構造としているが、本発明はこの構造に限定されない。例えば、図7及び図8に示される床構造S2のように、形鋼20の第1フランジ部24に床板34を接続する構造としてもよい。この床構造S2では、床板34を形鋼20の第1フランジ部24に接続部材の他の例としての釘35を用いて固定している。具体的には、形鋼20を第1フランジ部24が上方となるように配置した後で、床板34を第1フランジ部24上に配置し、釘35を第1フランジ部24に打ち込んで床板34を第1フランジ部24に接続(固定)している。ここで、形鋼20は、第1フランジ部24の降伏点を第2フランジ部26の降伏点よりも小さくしているため、第1フランジ部24への釘35の打ち込みに必要な力を低減することができる。なお、床板34としては、例えば、直交集成板(CLT)、短板積層材(LVL)、構造用合板、木片セメント板、石膏ボード等が挙げられる。また、釘35の代わりに、ドリルねじ(ビス)を用いてもよい。さらに、形鋼20の代わりに形鋼30を用いてもよい。
前述の床構造S2では、形鋼20の第1フランジ部24に床板34を接続する構造としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図9及び図10に示される床構造S3のように、形鋼20の第1フランジ部24に接合材36を介して床板34を接続する構造としてもよい。この床構造S3では、第1フランジ部24の面24A上に接合材36を配置して、釘35を用いて第1フランジ部24と接合材36を接続している。そして、接合材36上に床板34を配置して、釘35を用いて接合材36と床板34を接続している。これらの接続により、床板34と形鋼20が接続(固定)されている。また、接合材36としては、例えば、集成材やLVL等が挙げられる。なお、床構造S3は、床構造S2と同様に、釘35の代わりに、ドリルねじ(ビス)を用いてもよいし、形鋼20の代わりに形鋼30を用いてもよい。
前述の実施形態の形鋼20では、ウェブ部22と第1フランジ部24を溶接し、ウェブ部22と第2フランジ部26を溶接しているが本発明はこの構成に限定されない。例えば、図11及び図12に示される形鋼40のように、鋼材をロール成形して形成してもよい。形鋼40は、形鋼20のウェブ部22、第1フランジ部24、第2フランジ部26にそれぞれ対応するウェブ部42、第1フランジ部44、第2フランジ部46を備えている。この形鋼40は、ロール成形で形成されるため、ウェブ部42、第1フランジ部44及び第2フランジ部46が同じ材料で形成されている。また、第2フランジ部46の厚みt2は、第1フランジ部44の厚みt1以上である。さらに、第2フランジ部46の降伏点は、第1フランジ部44の降伏点よりも大きい。ここで、例えば、ロール成形中に第1フランジ部24と第2フランジ部26の冷却速度を変えることで、第2フランジ部46の降伏点と第1フランジ部24の降伏点を異ならせることができる。具体的には、ロール成形中に、第1フランジ部24を徐冷し、第2フランジ部46を急冷することで、第2フランジ部46の降伏点を第1フランジ部44の降伏点よりも大きくすることができる。なお、ロール成形後に、第2フランジ部26を再加熱し、急冷することでも、第2フランジ部46の降伏点を第1フランジ部44の降伏点よりも大きくすることができる。また、形鋼40では、ウェブ部42の第2フランジ部46に近接する部分の降伏点が、第1フランジ部44の降伏点よりも大きい。なお、ここでいう「近接する部分」とは、形鋼の長手方向と直交する方向の断面(図12で示す断面)において、ウェブ部42の延在方向(図12では矢印Hに沿った方向)の長さをWHとしたとき、第2フランジ部46からウェブ部42の延在方向で1/10WH以下の範囲の部位を指す。この場合には、ウェブ部42の上記近接する部分の降伏点を第1フランジ部44の降伏点よりも大きくしていることから、例えば、ウェブ部42の上記近接する部分の降伏点を第1フランジ部44の降伏点以下とする構成と比べて、第1フランジ部44に対してウェブ部42の第2フランジ部46に近接する部分が先行して降伏するのを抑制することができる。なお、上記形鋼40を形鋼20の代わりに、前述の床構造S1、S2、S3に用いてもよい。
また、前述の形鋼40において、ウェブ部42の第2フランジ部46に近接する部分の降伏点を第2フランジ部46の降伏点以上にしてもよい。この場合には、ウェブ部42の上記近接する部分の降伏点を第2フランジ部46の降伏点以上にしていることから、例えば、ウェブ部42の上記近接する部分の降伏点を第2フランジ部46の降伏点未満とする構成と比べて、第2フランジ部46に対してウェブ部42の第2フランジ部46に近接する部分が先行して降伏するのを抑制することができる。なお、上記構成を適用した形鋼40を形鋼20の代わりに、前述の床構造S1、S2、S3に用いてもよい。
前述の実施形態では、形鋼20を建物の床梁として用いているが本発明はこの構成に限定されない。例えば、形鋼20を建物の天井梁として用いてもよい。なお、形鋼30及び形鋼40についても同様である。この場合の床材は、屋上の床を構成する部材である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
20 形鋼
22 ウェブ部
22A 一端部
24 第1フランジ部
26 第2フランジ部
28 床スラブ(床材)
30 形鋼
32 ウェブ部
34 床板(床材)
40 形鋼
42 ウェブ部
44 第1フランジ部
46 第2フランジ部
L 長手方向
S1 床構造
S2 床構造
S3 床構造

Claims (7)

  1. 直線状のウェブ部と、
    前記ウェブ部の短手方向の一端部から前記ウェブ部の長手方向及び短手方向に対して直交する方向の一方及び他方にそれぞれ延出し、床材に接続される第1フランジ部と、
    前記ウェブ部の短手方向の他端部から前記直交する方向の一方及び他方にそれぞれ延出し、前記ウェブ部を挟んで前記第1フランジ部に対向配置され、厚みが前記第1フランジ部以上で且つ前記第1フランジ部よりも降伏点が大きい第2フランジ部と、
    を備える形鋼。
  2. 前記ウェブ部の前記第2フランジ部に近接する部分の降伏点は、前記第1フランジ部の降伏点よりも大きい、請求項1に記載の形鋼。
  3. 前記ウェブ部の前記第2フランジ部に近接する部分の降伏点は、前記第2フランジ部の降伏点以上である、請求項1又は請求項2に記載の形鋼。
  4. 前記第1フランジ部の降伏点に対する前記第2フランジ部の降伏点の比率が1.3倍より大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の形鋼。
  5. 前記ウェブ部と前記第1フランジ部が溶接され、
    前記ウェブ部と前記第2フランジ部が溶接されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の形鋼。
  6. 床材と、
    前記床材の下方であって前記第1フランジ部が前記第2フランジ部に対して上方に位置するように配置され、前記第1フランジ部が前記床材に接続されて床材を支持する請求項1〜5のいずれか1項に記載の形鋼と、
    を備える床構造。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の形鋼を第1フランジ部が第2フランジ部に対して上方に位置するように配置し、
    前記第1フランジ部上に床材を配置するとともに前記床材と前記第1フランジ部を接続する、床構造の施工方法。
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