JPH09316985A - コンクリート製品の可撓継手構造及びその可撓継手構造を有するコンクリート製品 - Google Patents

コンクリート製品の可撓継手構造及びその可撓継手構造を有するコンクリート製品

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JPH09316985A
JPH09316985A JP13452796A JP13452796A JPH09316985A JP H09316985 A JPH09316985 A JP H09316985A JP 13452796 A JP13452796 A JP 13452796A JP 13452796 A JP13452796 A JP 13452796A JP H09316985 A JPH09316985 A JP H09316985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可撓性ジョイント材の可撓部がコンクリート製
品の内側に突出していると、外部の水圧により変形しや
すく、その変形のために止水性が低下する。 【解決手段】略同一直線上に配置される2つのコンクリ
ート製品の対向する端面9a,9b間を、一方のコンク
リート製品が他方のコンクリート製品の変位に独立して
変位し得るように可撓性を有して連結するコンクリート
製品の可撓継手構造であって、それぞれのコンクリート
製品の対向する端面9a,9bに切欠部10を設け、そ
れぞれのコンクリート製品の切欠部10を変位に応じて
変形する可撓部4aを有する可撓性ジョイント材4で橋
絡し、該可撓性ジョイント材4の可撓部4aを対向する
端面9a,9b間に挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗渠を構築するた
めのボックスカルバートやパイプカルバートを始めとし
て、下水道、用水路、通路、開渠、地下道、共同溝等を
構築するための各種コンクリートブロックを可撓性を有
して連結するためのコンクリート製品の可撓継手構造及
びその可撓継手構造を有するコンクリート製品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プレキャストコンクリート製品を連結し
て構築した暗渠、地下道、共同溝等は、地震や不同沈下
により、製品本体や、製品間の継手部が破損したり、時
には破壊されることすらある。このため、従来は、製品
間の継手部に可撓継手構造を設けることにより対応して
いる。この可撓継手構造は、一般に、コンクリート製品
の端部の内周側にその端面より一段低くなった切欠部を
全周にわたって形成しておき、その切欠部に予めインサ
ートナット等を埋め込んでおき、施工現場において、相
隣接するコンクリート製品の端面間に例えばゴム材から
なる可撓性ジョイント材を介在させて構成される。具体
的には、可撓性ジョイント材の取付部分を切欠部に密着
させ、この可撓性ジョイント材に押さえ鋼板を添接した
後、これら鋼板及び可撓性ジョイント材に挿通したボル
ト等の止着具を前記インサートナットに締着することに
よって可撓性ジョイント材でコンクリート製品間を連結
し、可撓性ジョイントを形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
可撓継手構造における可撓性ジョイント材は、馬蹄形も
しくは略U字形をした可撓部と、その端部を外側に向け
て折曲して形成した取付部とを有するもので、製品本体
の内側に可撓部が突出するようにしてコンクリート製品
の切欠部に取り付けられるものである。切欠部は、一般
的には端面と平行な平面すなわち端面から一段内側に入
った平面からなっており、可撓性ジョイント材の取付部
が固定される。
【0004】このような可撓性ジョイント材は、施工現
場において、その可撓部を製品本体の内側に露出させた
状態で取り付けられる。このため、可撓部は製品本体の
内側に凸状に湾曲したものとなる。施工が完了した後、
この可撓部には土中の水による水圧がかかる。この水圧
が高くなった場合、可撓部が内側に凸状に湾曲している
ために、可撓部は変形しやすく、止水性が低下すること
がある。
【0005】また、上記したような切欠部の構造にあっ
ては、コンクリート製品を製造する際に、例えばコンク
リート製品の連結方向の端面を上下方向にして型枠内に
コンクリートを打設すると、コンクリート内の気泡が切
欠部を形成するための型枠の内面部分に集まることがあ
る。このように気泡が集まった状態でコンクリートが硬
化すると、切欠部と可撓性ジョイント材との接触面に凹
凸が生じ、その部分の水密性が低下することになる。こ
のため、可撓継手構造における部分の水密性能が他の連
結部分に比べて低下するという不具合が生じることにな
った。また、切欠部は、端面部分と比べて厚みが薄くな
っており、端面部分に対する厚みの違いからその境界部
分においてひび割れを生じることがあった。
【0006】本願発明はこのような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、コンクリート製品の対向する端面の
切欠部を、コンクリート製品の変位に応じて変形する可
撓部を有する可撓性ジョイント材で橋絡し、コンクリー
ト製品外部からの水圧に対して変形抵抗性が向上するよ
うに可撓部を端面間に挿入するものである。したがっ
て、止水性を向上させることができるとともに、可撓部
の摩擦によりコンクリート製品の端面が擦れ合わないた
めに、コンクリート製品の損傷を抑制することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のコンクリート製品の可撓
継手構造は、略同一直線上に配置される2つのコンクリ
ート製品の対向する端面間を、一方のコンクリート製品
が他方のコンクリート製品の変位に独立して変位し得る
ように可撓性を有して連結するものであって、それぞれ
のコンクリート製品の対向する端面に切欠部を設け、そ
れぞれのコンクリート製品の切欠部を変位に応じて変形
する可撓部を有する可撓性ジョイント材で橋絡し、該可
撓性ジョイント材の可撓部を対向する端面間に挿入する
ことを特徴とする。
【0009】連結するコンクリート製品自体の製造時
に、切欠部に気泡が集中するのを回避するためには、切
欠部を、端面の後方に向かって傾斜する傾斜面にするの
がよい。上記の可撓継手構造を有したコンクリート製品
としては、連結方向の一方の端面に切欠部を有する同一
形状の2つの製品本体と、製品本体の変位に応じて変形
する可撓部を有し切欠部を対向させて配置したそれぞれ
の製品本体の両切欠部を可撓部を両端面間に挿入して橋
絡する可撓性ジョイント材と、可撓性ジョイント材で橋
絡されたそれぞれの製品本体を一時的に剛結する仮止め
部材とを備えてなるものが好適である。このコンクリー
ト製品にあっても、製品本体製造時に切欠部に気泡が集
中するのを回避するためには、切欠部を、端面の後方に
向かって傾斜する傾斜面にするのがよい。
【0010】本発明の可撓継手構造を利用して暗渠等を
構築すると、その構築現場に不同沈下や地震が発生し、
連結しているそれぞれのコンクリート製品の載置されて
いるそれぞれの地盤が、離間したりあるいは上下方向に
ずれが生じた場合には、その地盤の動きに応じてコンク
リート製品が相対移動し、可撓性ジョイント材の可撓部
が変形する。したがって、それぞれのコンクリート製品
は、地盤の変化に無理なく従動して、その連結部におけ
る連続性を有効に確保するものとなる。
【0011】そして、このように可撓性ジョイント材の
可撓部を端面間に挿入していることにより、コンクリー
ト製品の外側からの水圧に対する変形抵抗性を向上させ
ることができ、よって止水性を向上させることができ
る。また、不同沈下等に起因するコンクリート製品の軸
方向、剪断方向及び曲げ方向の連結状態の変形時に、可
撓部が端面間で接触するために、コンクリート製品の端
面同士が擦れ合う場合に比べて摩擦係数が小さくなり、
変形時のそれぞれの方向への移動を容易にする。これに
より、コンクリート製品の突き合わせ摩擦抵抗が緩和さ
れ、また圧力が分散されるので、コンクリート製品の損
傷を少なくすることができる。
【0012】また、コンクリート製品の製品本体を製造
する場合に、切欠部が傾斜面であれば、コンクリート打
設時に発生した気泡は傾斜面を形成するための型枠に沿
って上方へと移動するために、傾斜面部位に止まること
がない。このため、コンクリートが硬化した後、切欠部
に気泡が残留することがなく、よって切欠部表面が平滑
化され水密性を向上させることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図5を参
照して説明する。図1は、コンクリート製品の一種であ
る暗渠構築用のプレキャストボックスカルバートAを示
している。このボックスカルバートAは、製品本体たる
カルバート構成部a1,a2の連結部分に本発明に係る
可撓継手構造Kを採用したもので、頂版1と底版2の間
を左右の側壁3によって連結した構造のカルバート構成
部a1,a2と、カルバート構成部a1,a2を可撓性
を有して連結する可撓性ジョイント材4と、現場にて施
工が完了するまでカルバート構成部a1,a2を剛結し
ておく仮止め部材たる外連結金具5からなる。ボックス
カルバートAは、工場で製作された後、図5に示すよう
に、現場施工にて他のボックスカルバートB、C等と端
面同士を相互に突き合わせて連結されるものである。こ
のために、このボックスカルバートAは、工場段階でそ
の横断面における四隅に沿って連結方向すなわち一端面
6と他端面7の間を貫通する方向にシース孔8を形成さ
れており、現場にて、隣接されるボックスカルバートB
もしくはCとの間に跨がってそれらのシース孔8に図示
しないPC鋼棒を挿通し、そのPC鋼棒の一端部を、ボ
ックスカルバートAを構成するカルバート構成部a1、
a2の各々の中央に内側に開口させて設けた連結ボック
ス8a内に導き、この位置でPC鋼棒にナットを螺装し
て連結ボックス8aの内方端面に締着させるとともに、
ボックスカルバートB、Cにおいても同様のナット締着
作業を行うことにより、カルバート構成部a1とボック
スカルバートBの間、あるいはカルバート構成部a2と
ボックスカルバートCの間の端面同士を突き合わせて相
互に密接に連結するようにしている。
【0014】この実施例の可撓継手構造Kは、図2〜図
4に示すように、略同一直線上に配置される2つのカル
バート構成部a1,a2の対向する端面9a,9b間
を、一方のカルバート構成部a1が他方のカルバート構
成部a2の変位に独立して変位し得るように連結するも
のであって、それぞれのカルバート構成部a1,a2の
対向する端面9a,9bに切欠部10を設け、それぞれ
のカルバート構成部a1,a2の切欠部10を変位に応
じて変形する可撓部4aを有する可撓性ジョイント材4
で橋絡し、該可撓性ジョイント材4の可撓部4aを対向
する端面間に挿入する構成である。
【0015】カルバート構成部a1,a2は、可撓性ジ
ョイント材4で連結される側の端面9a,9bの内側の
縁部全周に、端面9a,9bの後方、言い換えればカル
バート構成部a1,a2の奥行き方向に向かって傾斜す
る傾斜面からなる切欠部10を有している。この切欠部
10は、端面から例えば45°の角度で傾斜するもの
で、その幅方向の中央より奥行き方向側に偏位した位置
に所定ピッチで可撓性ジョイント材4の取付け用のイン
サートナット11が埋設してある。このインサートナッ
ト11には、止着具としての寸切ボルト12が螺着され
る。この切欠部10の幅寸法は、図4にしめすように、
可撓性ジョイント材4で対向する端面9a,9b間を橋
絡した際に、可撓性ジョイント材4の取付部4b及び寸
切ボルト12の頭部がカルバート構成部a1,a2の内
表面から突出しない寸法に形成してある。また、カルバ
ート構成部a1,a2の可撓性ジョイント材4で連結さ
れた可撓継手構造Kの外側面には、外連結金具5を固定
するためのボルト5aが上下の4か所に螺着してある。
【0016】これに対し、可撓性ジョイント材4は、弾
性変形可能に例えばブチルゴムから形成されるもので、
実質的に2つのカルバート構成部a1,a2を可撓性を
有して連結する可撓部4aと、その可撓部4aの両端に
形成されて切欠部10に定着される取付部4bとからな
る。可撓部4aは、その断面形状を略U字形としてあ
り、端面9a,9b間の間隙に挿入し得る厚みとなって
いる。一方、取付部4bは、切欠部10の幅寸法より小
さくしてあり、その幅方向の中央部には、所定ピッチで
寸切ボルト12が貫通する取付孔4cが設けてある。
【0017】この可撓性ジョイント材4が、所定の間隔
をあけて配置された2つのカルバート構成部a1,a2
のそれぞれの切欠部10に、取付部4bを固定して取り
付けられることにより、カルバート構成部a1とカルバ
ート構成部a2との間に可撓継手構造Kが形成され、ボ
ックスカルバートAが製作される。すなわち、可撓性ジ
ョイント材4は、その取付けに際して、可撓部4aが端
面9a,9b間に形成された間隙に挿入され、取付部4
bがその取付孔4cにそれぞれの寸切ボルト12を貫通
されて切欠部10に密着される。取付部4bは、水膨張
性ゴム又はブチルゴムからなるシート材を介して切欠部
10に密着され、定着版13とワッシャ14とを介して
ナット15により締め付けて固定される。
【0018】そして、間隙に挿入された可撓部4aの内
側に異物が侵入しないように、可撓部4aの内側の間隙
には、例えばEPDMスポンジゴム16が充填され、ま
た、可撓部4aと端面9a,9bとの間の間隙には、外
側から例えばEPDMスポンジゴム17が充填され、そ
のEPDMゴム17の外側はシーリング材18により密
封される。可撓部4aへの異物の侵入を防止しておくこ
とにより、可撓部4aの変形が異物により妨げられるこ
とをなくすことができる。このようにして、カルバート
構成部a1,a2間の可撓継手構造Kは、カルバート構
成部a1,a2の内側と外側との両方から異物が侵入す
るのを確実に防止する構造になっている。このように可
撓継手構造Kにより連結された2つのカルバート構成部
a1,a2は、このままの状態では可撓性があるために
カルバート構成部a1を持ち上げるとカルバート構成部
a2は同時に持ち上がらないといった状況になるので、
その外側において外連結金具5により剛結されて、外連
結金具5が取り外されるまで一時的に連結部分の可撓性
が禁止してあり、1個のボックスカルバートとして取り
扱えるようになっている。
【0019】このボックスカルバートAでは、カルバー
ト構成部a1,a2の切欠部10が傾斜面に形成してあ
るので、切欠部10の表面は凹凸の極めて少ないものに
なっている。すなわち、カルバート構成部a1,a2を
製造するにあたって、型枠内にコンクリートを打設する
と、コンクリート内にある気泡は、この切欠部10にお
いては傾斜に沿って上方向に移動し、硬化後切欠部10
表面となる部分に停滞することがない。このため、硬化
後では切欠部10に凹凸がほとんど生じず、可撓性ジョ
イント材10との密着性が非常に良くなる。したがっ
て、可撓性ジョイント材10の取付部4bとの間の止水
性を向上させることができる。また、可撓性ジョイント
材4の可撓部4aは、外側に向かって凸状に湾曲してい
るので、外部からの水圧に対する変形抵抗性が向上す
る。すなわち、外部からの水圧が可撓部4aに加わった
場合、凸状の湾曲面でその水圧に抗するために、凹状の
湾曲面の場合に比べて高い水圧になるまで変形すること
がない。したがって、土中の水圧が高くなっても、容易
にこの可撓継手構造K部分から水が侵入することがな
く、この部分についても止水性を向上させることができ
る。この結果、可撓継手構造Kにおける止水性が顕著に
向上するものである。
【0020】そしてこのようにして、工場内で可撓継手
構造Kを含んで製造されたボックスカルバートAは、可
撓継手構造K部分の現場での作業を不要にできるため、
現場での施工作業の迅速、簡略化に大きく貢献し得るも
のとなる。また、前述したように、ボックスカルバート
Aは、施工現場においてボックスカルバートB,Cと連
結された後、外連結金具5を取り外されて、カルバート
構成部a1とカルバート構成部a2との連結部分におい
て本来の可撓性を発揮するものとなる。すなわち、図5
において、不同沈下あるいは地震等によりボックスカル
バートBを載置している地盤とボックスカルバートCを
載置している地盤とが異なる変位となった場合、同図に
矢印α、β及びγで示される軸方向、剪断方向及び曲げ
方向にボックスカルバートB,Cが移動する。すなわ
ち、矢印α方向にボックスカルバートB,Cが変位した
場合、ボックスカルバートAの可撓性ジョイント材4の
可撓部4aが圧縮されてカルバート構成部a1とカルバ
ート構成部a2との衝突を吸収し、ボックスカルバート
A,B,Cの損傷を防止するものである。同様にして、
矢印β方向の変位が生じた場合には、可撓性ジョイント
材4が変位に応じてそれまでの状態から伸長するように
変形し、さらに矢印γ方向の変位では、可撓性ジョイン
ト材4が一方の辺で圧縮され他方で伸長して変形し、そ
れぞれの変位方向にボックスカルバートB,Cを移動さ
せて変位によるボックスカルバートA,B,Cの損傷を
防止するものである。
【0021】このような可撓性ジョイント材4の変形に
おいて、充填してあるEPDMスポンジゴム16,17
等は可撓性ジョイント材4以上に変形しやすいので可撓
性継手構造Kの機能を妨害するものではない。しかも、
可撓性ジョイント材4を含むこれらの素材の摩擦抵抗
は、ボックスカルバートAのカルバート構造部a1,a
2の端面9a,9bの摩擦係数に比較して小さいので、
また可撓性ジョイント材4がその端面9a,9b間に挟
まれることなるので、ボックスカルバートA自体が損傷
する可能性を低くすることができる。
【0022】なお、各部の具体的な構成は、図示した実
施例のものに限定されるものではない。上記実施例で
は、工場においてカルバート構成部a1とカルバート構
成部a2とを可撓性ジョイント材4により連結したもの
を説明したが、可撓性ジョイント材4による2つのボッ
クスカルバートの連結を施工現場で行うものであっても
よい。すなわち、大型のボックスカルバートについて
は、可撓継手構造Kにより連結するのに先立ってボック
スカルバートを現場に配設し、目的の部位に可撓性ジョ
イント材4を取り付けて可撓継手構造Kを形成するもの
であってもよい。この場合、可撓性ジョイント材4で連
結するそれぞれのボックスカルバートは、上記した実施
例におけるカルバート構成部a1,a2と同様に、傾斜
面からなり、インサートナット11が埋設された切欠部
10を有するものが好ましい。切欠部10は、例えばボ
ックスカルバートの連結される端面と平行な段部からな
るものであってもよい。
【0023】また、ボックスカルバート内での作業が可
能な大きさのものでは、上記実施例で説明した外連結金
具5を用いるかわりに、シース孔8にPC綱棒を通して
現場で行う縦締工法をあらかじめ工場内で実施してお
き、カルバート構成部a1とカルバート構成部a2とを
施工現場にて施工するまでの間一時的に剛結しておくも
のであってもよい。このように、PC綱棒を用いて剛結
しておけば、本来必要でない部品をなくすことができる
ので、製造コストを低下させることができる。この場
合、可撓性ジョイント材4の可撓部4aがボックスカル
バートA内側に突出していないので、カルバート構成部
a1とカルバート構成部a2との間でシース孔8を横断
する障害物がなく、PC綱棒は例えばカルバート構成部
a1の端面6側から一気にカルバート構成部a2の端面
7まで通すことができる。
【0024】さらに、上記実施例ではコンクリート製品
としてボックスカルバートを説明したが、例えば筒状の
パイプカルバートや溝構築用のコンクリートブロック等
であってもよい。また、その他の構成についても、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】本願のそれぞれの請求項に係る発明は、
以上に説明したように、可撓性ジョイント材がコンクリ
ート製品の端面間に挿入してあるので、コンクリート製
品が不同沈下等によりそれぞれ異なる方向に動いても、
その動きに対する緩衝材として機能し、コンクリート製
品の突き合わせ摩擦抵抗を緩和することができ、かつコ
ンクリート製品自体が損傷することを確実に防止するこ
とができる。
【0026】また、切欠部を傾斜面により構成すれば、
製造時にコンクリート内の気泡が切欠部に集中すること
を防止することができる。この結果、切欠部の表面の凹
凸を最小限に抑えることができ、切欠部と可撓性ジョイ
ント材との密着性が向上し、止水性が一段と向上する。
さらに、可撓性ジョイント材の可撓部がコンクリート製
品の端面間に挿入されていることから、外部の水圧に対
する変形抵抗性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願に係る発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】同実施例のカルバート構成部と可撓性ジョイン
ト材とを示す分解斜視図。
【図3】同実施例のカルバート構成部の正面図。
【図4】図1におけるI−I線断面図。
【図5】同実施例の一使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
A…コンクリート製品(ボックスカルバート) K…可撓継手構造 a1、a2…製品本体(カルバート構成部) 4…可撓性ジョイント材 4a…可撓部 4b…取付部 5…外連結金具 9a、9b…端面 10…切欠部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】そしてこのようにして、工場内で可撓継手
構造Kを含んで製造されたボックスカルバートAは、可
撓継手構造K部分の現場での作業を不要にできるため、
現場での施工作業の迅速、簡略化に大きく貢献し得るも
のとなる。また、前述したように、ボックスカルバート
Aは、施工現場においてそのカルバート構成部a1が
ックスカルバートBと、またカルバート構成部a2がボ
ックスカルバートCとそれぞれ連結された後、外連結金
具5を取り外されて、カルバート構成部a1とカルバー
ト構成部a2との連結部分において本来の可撓性を発揮
するものとなる。すなわち、図5において、不同沈下あ
るいは地震等によりボックスカルバートB及びカルバー
ト構成部a1を載置している地盤とボックスカルバート
及びカルバート構成部a2を載置している地盤とが異
なる変位となった場合、同図に矢印α、β及びγで示さ
れる軸方向、剪断方向及び曲げ方向にボックスカルバー
トB及びカルバート構成部a1、ボックスカルバート
及びカルバート構成部a2が移動する。すなわち、矢印
α方向にボックスカルバートB及びカルバート構成部a
1と、ボックスカルバート及びカルバート構成部a2
が変位した場合、ボックスカルバートAの可撓性ジョ
イント材4の可撓部4aが圧縮されてカルバート構成部
a1とカルバート構成部a2との衝突を吸収し、ボック
スカルバートA,B,Cの損傷を防止するものである。
同様にして、矢印β方向の変位が生じた場合には、可撓
性ジョイント材4が変位に応じてそれまでの状態から伸
長するように変形し、さらに矢印γ方向の変位では、可
撓性ジョイント材4が一方の辺で圧縮され他方で伸長し
て変形し、それぞれの変位方向にボックスカルバート
B,Cを移動させて変位によるボックスカルバートA,
B,Cの損傷を防止するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略同一直線上に配置される2つのコンクリ
    ート製品の対向する端面間を、一方のコンクリート製品
    が他方のコンクリート製品の変位に独立して変位し得る
    ように可撓性を有して連結するコンクリート製品の可撓
    継手構造であって、それぞれのコンクリート製品の対向
    する端面に切欠部を設け、それぞれのコンクリート製品
    の切欠部を変位に応じて変形する可撓部を有する可撓性
    ジョイント材で橋絡し、該可撓性ジョイント材の可撓部
    を対向する端面間に挿入することを特徴とするコンクリ
    ート製品の可撓継手構造。
  2. 【請求項2】切欠部が、端面の後方に向かって傾斜する
    傾斜面からなることを特徴とする請求項1記載のコンク
    リート製品の可撓継手構造。
  3. 【請求項3】連結方向の一方の端面に切欠部を有する同
    一形状の2つの製品本体と、製品本体の変位に応じて変
    形する可撓部を有し切欠部を対向させて配置したそれぞ
    れの製品本体の両切欠部を可撓部を両端面間に挿入して
    橋絡する可撓性ジョイント材と、可撓性ジョイント材で
    橋絡されたそれぞれの製品本体を一時的に剛結する仮止
    め部材とを備えてなることを特徴とする可撓継手構造を
    有するコンクリート製品。
  4. 【請求項4】切欠部が、端面の後方に向かって傾斜する
    傾斜面からなることを特徴とする請求項3記載の可撓継
    手構造を有するコンクリート製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009114642A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Makoto Uemura コンクリート函体の接続方法
JP2020180677A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社ホクコン 管路構造
JP2022172586A (ja) * 2021-05-06 2022-11-17 ベルテクス株式会社 ボックスカルバート

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