JPH09316796A - 偽造防止用紙の製造方法 - Google Patents

偽造防止用紙の製造方法

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JPH09316796A
JPH09316796A JP8135244A JP13524496A JPH09316796A JP H09316796 A JPH09316796 A JP H09316796A JP 8135244 A JP8135244 A JP 8135244A JP 13524496 A JP13524496 A JP 13524496A JP H09316796 A JPH09316796 A JP H09316796A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スレッドが用紙の表面に設けられた窓開き部に
露出するとともに、窓開き部内に文字または画像のすき
入れを施した抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を製造す
る方法を提供する。 【解決手段】最外層の紙層とそれ以外の紙層との少なく
とも2層からなる抄合わせ紙を多槽式円網抄紙機を用い
て製造するに際して、第1の槽11で最外層以外の紙層を
形成し、第2の槽12で紙層の流れ方向に間欠的に窓開き
部を有しかつ該窓開き部の中に文字または画像からなる
すき入れを施した最外層の紙層を形成し、第1の槽で形
成した紙層に第2の槽で形成した最外層の紙層を重ね合
わせる直前Vで、最外層の紙層の窓開き部に位置するよ
うにスレッドを紙層間に挿入する。得られた用紙を連続
的に巻取っても皺の発生がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止用紙の製
造方法に関するものである。さらに詳しくは、複数の紙
層を抄合わせた用紙の紙層間に抄き込んだスレッドが最
外層の紙層に設けられた窓開き部分で露出している「窓
開きスレッド入り紙」と呼ばれる偽造防止用紙の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙層内に糸状物を挿入した「糸入り紙」
と呼ばれる偽造防止用紙はよく知られている。この糸状
物の代表的な例としては後に詳しく述べるようにスレッ
ドがある。これらを抄き込んだ用紙は製造に極めて高度
な技術を必要とするので偽造防止に大きな効果があり、
各国の紙幣等に多く使用されている。
【0003】糸入り紙には大きく分けて2種類ある。一
つは糸状物が用紙内部に挿入され、用紙表面に露出しな
い種類のものであり、もう一つは糸状物の一部が用紙表
面に露出した「窓開き糸入り紙」と呼ばれるものであ
る。
【0004】前者の用紙を製造する方法としては、長網
抄紙機のスライス部分の紙料の流れの中にノズルを入
れ、ノズルに水を流しながら糸状物を繰り出し抄紙網に
形成される紙匹中に糸状物を抄き込む方法(特開昭51
−130309号)や、長網抄紙機のフローボックスか
ら流出する紙料へ糸状物の挿入装置を設置し、空気流で
糸状物と紙料を非接触状態としながら糸状物を抄き込む
方法(特開平2−169790号)、2槽以上を有した
円網抄紙機を使用し、2層以上の抄き合わせで、内壁に
凹凸を設けた送管を使用して糸状物を紙層間に送り出
し、紙層間に糸状物を抄き込む方法(特公平5−400
80号)等が提案されている。
【0005】後者の「窓開き糸入り紙」を製造する方法
としては、ワイヤ上の紙料懸濁液に、凹凸部を有するガ
イドの凸部先端に糸状物を通した溝を有するベルト機構
を埋没して製造する方法(特公平5−85680号)
や、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網に使用し、
糸状物を網表面の凹凸部に接触させながら挿入して窓開
き部分に糸状物を抄き込む方法(米国特許第44628
66号)や、長網抄紙機のワイヤ上の回転ドラム内に圧
縮空気ノズルを内蔵させ、予め紙匹に挿入した糸状物上
のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き飛ばして糸状物を
露出させる方法(特開平6−272200号)等が提案
されている。
【0006】一方、用紙に文字や画像の「すき入れ」を
施した「すき入れ紙」もその製造に高度の技術を必要と
することから、偽造防止の目的で古くから使用されてき
た。偽造防止用紙には複数の偽造防止手段を採用したほ
うがそれだけ偽造防止能に優れるので、イギリスのポン
ド紙幣のように、スレッド入りの窓開き部を所定位置に
設け、それとは異なった位置にさらに人物像のすき入れ
を施した例のように、上記した「窓開きスレッド入り」
の技術と「すき入れ」の技術とを併用した偽造防止用紙
も各種製造されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
用紙に共通していることであるが、抄造した用紙を長い
長さにロール状に巻きとれないという問題があった。ス
レッドは通常数十μmの厚みがあり、これが用紙の特定
の位置に連続的に抄き込まれるため、ロール状に巻き取
った場合に、スレッドを抄き込んだ箇所の紙の厚みが部
分的に徐々に厚くなり、やがてその箇所に皺が生じてく
るからである。本発明者らが検討したところでは、厚み
約15μmのスレッドを100g/m2 の用紙に連続的
に抄き込んだ場合、約1000mロール状に巻き取ると
スレッド挿入箇所に皺が発生することを確かめた。皺が
発生するとそれ以上用紙を巻き取っても皺が発生した以
後の用紙はすべて不良品となってしまう。用紙をロール
状に巻き取れるかどうかは後に用紙に印刷を施す場合に
生産性に大きな影響を与える。用紙をロール仕上げ出来
ない場合は平判仕上げとせざるを得ないからである。
【0008】また前記した、「窓開きスレッド入り」の
技術と「すき入れ」の技術とを用紙の別の箇所に併用し
た偽造防止用紙においては、「窓開きスレッド入り」部
分や「すき入れ」部分には印刷がしにくく、印刷する場
合でも極く薄い色の印刷しかできないため、装飾的な印
刷を施すことができる用紙面が少なくなる等の印刷デザ
イン上の制約を受けるという問題点があった。本発明は
これらの問題点を解消できる新規かつ改良された偽造防
止用紙を製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】スレッド入り紙の製造時
に用紙をロール状に巻き取る際の皺の発生は、前に述べ
たようにスレッドを挿入することで用紙の厚みが局所的
に増大して行くことが原因である。本発明者等はこの問
題を解決するには局所的な用紙の厚みの増大を相殺する
ように用紙の厚みを部分的に減少させれば皺が無くなる
との発想のもとで種々の検討を行った。その結果、紙厚
を減少させた特定の大きさの窓開き部を用紙の表面に設
け、スレッドがこの窓開き部で露出するようにスレッド
を抄き込むことで前記問題点を解決できることを見い出
した。しかしこの方法では用紙を光にかざして見ると窓
開き部全体が白く透かされて見えるためいかにも不自然
な感じがする。本発明者らはなおも検討を進め、この窓
開き部の内部に文字や画像からなるすき入れを施すとこ
の欠点が解消できること、「窓開きスレッド入り」部分
と「すき入れ」部分とを用紙の同じ箇所に施すことによ
り、用紙に印刷を施す際のデザイン上の制約が解消がで
きることを見いだした。
【0010】本発明は上述したごとき新規かつ改良され
た偽造防止用紙を製造する方法を提供するものであっ
て、その特徴とするところは、最外層の紙層とそれ以外
の紙層との少なくとも2層からなる抄合わせ紙を多槽式
円網抄紙機を用いて製造するに際して、(a) 最終槽より
前の槽で最外層以外の紙層を形成し、最終槽で紙層の流
れ方向に間欠的に窓開き部を有しかつ該窓開き部の中に
文字または画像からなるすき入れを施した最外層の紙層
を形成するか、あるいは(b) 1槽目で紙層の流れ方向に
間欠的に窓開き部を有しかつ該窓開き部の中に文字また
は画像からなるすき入れを施した最外層の紙層を形成
し、2槽目以降の槽で最外層以外の紙層を形成し、最外
層の紙層とそれ以外の紙層とを重ね合わせる直前で、最
外層の紙層の窓開き部に位置するようにスレッドを紙層
間に挿入し、これによって最外層の紙層の窓開き部内に
すき入れを有しかつ窓開き部でスレッドが露出している
抄合わせ紙を得ることからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の偽造防止用紙の製造方法
を理解しやすくするために、本発明の方法で抄造した2
層抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を用いた商品券の例
を示す図1、その部分拡大図である図2および部分断面
図である図3を参照して、本発明の方法で得られる偽造
防止用紙の構成を説明しておく。すなわち図示した偽造
防止用紙は、最外層の紙層3と最外層以外の紙層4の2
層から構成されており、最外層の紙層3には用紙の縦方
向(抄紙時の紙層の流れ方向)に間欠的に窓開き部1が
設けられ、この窓開き部1の中に文字または画像からな
るすき入れ2が施されている。また、最外層の紙層3と
これに接する紙層4との間にスレッド5が挿入されてい
て、このスレッド5が窓開き部1の部分で露出してい
る。本発明は、かような構成の偽造防止用紙を確実にし
かも効率良く製造するための方法である。
【0012】本発明の偽造防止用紙の製造方法を実施す
るに際しては、先ず紙料を調製する。紙料の調製は、針
葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフト
パルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(N
BSP)等の木材パルプや麻、綿、藁を原料とした非木
材パルプ等を適宜混合して叩解し、これに填料、乾燥紙
力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留り
向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光
剤などを適宜添加し、通常フリーネス400〜250m
lC.S.F.に調整する。
【0013】2層以上の抄合わせ紙の製造には一般に多
槽式の円網抄紙機が使用されているが、本発明において
も同様に多槽式円網抄紙機が使用できる。図4は2層の
紙層3、4(図3)からなる抄合わせ紙を製造するため
の2槽式円網抄紙機の例を示しており、窓開き部1もす
き入れ2もない最外層以外の紙層4を形成するための第
1の槽(最終槽より前の槽)11と、窓開き部1とすき
入れ2を有する最外層の紙層3を形成するための第2の
槽(最終槽)12とを備えている。
【0014】槽12の円網シリンダー12aの上網12
bには、図5に示したように、金属、樹脂、紙等で作っ
た窓開き部1に相当する型13を、金属細線で取り付け
たり、ハンダ付けしたり、接着剤で貼り付ける。窓開き
部に相当する型13の形状は図示の例では長方形である
が、それ以外にも例えば正方形、円、楕円、等の任意の
形状とすることができる。この際、型13の一部には文
字、若しくは画像のすき入れ2を形成するための透孔か
らなる欠損部分13aを設けておく。
【0015】最外層の紙層3を形成する槽12の円網シ
リンダーの上網12bに図5に示したような型13を取
り付けるに際しては、矢印Wで示した紙層の流れ方向
(用紙の縦方向)における窓開き部1に相当する長さX
と、窓開き部と窓開き部の間に位置する非窓開き部6に
相当する長さYとの比率を3:1〜1:2となるような
間隔で型13を間欠的に取り付けることが望ましい。窓
開き部1の比率をこの範囲とすることにより、用紙を連
続的にロール状に巻き取る際の皺発生防止効果が確実に
なされるだけでなく、用紙表面のデザイン上も好ましい
ものとなる。
【0016】図4の円網抄紙機の槽11の円網シリンダ
ー11aには何等細工を施さない上網を装着する。何等
細工を施さない上網を装着した円網シリンダー11aで
抄紙した紙層4は毛布14に転移され、槽12の型13
を取り付けた円網シリンダー12aの上に運ばれ、この
円網シリンダー12aで抄紙された最外層の紙層3がそ
の上に重ねられ、2つの紙層が抄合わされた用紙が抄造
される。スレッド5の挿入は、紙層4と紙層3とが重ね
られる直前の矢印Vの箇所で行なわれる。スレッド5の
抄き込み方法としては、前述の特公平5−40080号
で本願と同じ出願人が提案しているような、内壁に凹凸
を設けた送管を使用してスレッドを送り込む方法、ある
いは前述の米国特許第4462866号で提案されてい
る方法等が採用できる。
【0017】なお、円網シリンダー12aに取り付けた
型13は図4では所々に図示して簡略化してあるが、実
際には円網シリンダー12aの全周に間欠的に取り付け
られている。
【0018】上述した本発明の方法により図1〜図3に
示した構成の偽造防止用紙が製造できる。すなわち、型
13を取り付けた円網シリンダー12aで抄紙された最
外層の紙層3には型13に相当する部分に紙料の乗らな
い窓開き部1が形成され、窓開き部1の中に紙料が乗っ
た文字若しくは画像のすき入れ2が形成される。スレッ
ド5を窓開き部1の中に入るように紙層3と4の間に挿
入することにより、窓開き部1ではスレッド5が露出
し、非窓開き部6では紙層3と4の間にスレッドが埋没
した状態となる。
【0019】本発明の偽造防止用紙の製造方法において
は、抄紙途上で紙面に澱粉、ポリビニルアルコール、各
種表面サイズ等をサイズプレス装置等で塗工することも
可能である。さらに必要に応じ、マシンカレンダー処理
やスーパーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上さ
せることも適宜行われる。
【0020】本発明で使用するスレッド5は、金銀糸用
スレッド、ホログラムスレッド、磁気スレッド、蛍光発
色スレッド等の従来から偽造防止用に提案されているあ
らゆる種類のスレッドを使用できる。例えば金銀糸用の
スレッドは、ポリエステルフィルムに金属アルミニウム
を真空蒸着し、蒸着面に保護を目的とした樹脂を塗工し
てマイクロスリッターでスリットすることで製造する。
塗工する樹脂を黄色に着色することで金色のスレッドを
製造できる。スレッドには感熱接着剤を塗工しておくこ
とが好ましい。これによって、抄紙機の乾燥ゾーンの熱
で感熱接着剤が機能しスレッドと用紙との接着がより一
層確実になる。
【0021】本発明において円網シリンダー12aに取
り付けて使用する型13の寸法は、図5に示す紙層の流
れ方向Wの長さXを5〜30mm、紙層の流れ方向に直
行する横方向長さZを10〜50mmとすることが好ま
しい。型13の大きさは図1に示した用紙の窓開き部1
の大きさに相当する。窓開き部1がこの範囲より小さい
と、窓開き部1の中にすき入れる文字若しくは画像が小
さくなりすぎ、またこの範囲より大きいと、スレッド5
の露出長さが長すぎてデザイン的に見てバランスが悪く
なる。
【0022】本発明で得られる偽造防止用紙は通常坪量
70〜150g/m2 で製造される。また、最外層の紙
層とそれ以外の紙層のつけ比率は、20:80〜80:
20とすることが好ましい。つけ比率とは、例えば坪量
100g/m2 の2層抄合わせの用紙を製造する場合、
つけ比率20:80は最外層の紙層が20g/m2 、そ
れ以外の紙層が80g/m2 で構成されることを意味す
る。最外層の紙層のつけ比率が20未満では、すき入れ
する文字若しくは画像の鮮明さが失われやすくなり、ま
た80を越えるとすき入れした文字若しくは画像が崩れ
やすくなるからである。
【0023】なお、上記した実施の形態は、図4に示し
たように、1槽目11で窓開き部もすき入れも施さない
プレーンな紙層を形成し、2槽目(最終槽)12で窓開
き部とすき入れを有する最外層の紙層を形成している。
しかしながら本発明においては、図6に示したように、
1槽目21で窓開き部とすき入れを有する最外層の紙層
を形成し、2槽目(最終槽)22でプレーンな紙層を形
成するような実施の形態とすることもできる。この場
合、窓開き部とすき入れを施すための型23は、1槽目
21の円網シリンダー21aの上網の全周にわたって上
述したと同様な手段で取り付けるが、文字若しくは画像
のすき入れを形成するための型23の欠損部分23a
は、図7に示したように、図5の形態とは逆にして設け
ることになる。
【0024】
【実施例】実施例1 紙料の調製 NBKP20重量部,LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。
【0025】抄紙網の製造 短辺10mm、長辺25mm、厚み0.3mmの樹脂板
を多数用意し、これらに「A」および「B」の文字から
なる幅1.2mmの欠損部分13aを等間隔に設けて型
13を作成した(図5)。次いで、円網抄紙機の円網シ
リンダー上網12b(幅1300mm)に、樹脂板から
作成した型13を接着剤を使用して紙層の流れ方向Wに
対して5mm間隔(Y)で連続的に貼りつけた。この列
を上網12bの幅方向に等間隔に6列取り付けた。
【0026】用紙の抄造 図4に示したような2槽式円網抄紙機の1槽目の丸網シ
リンダー11aには何等細工を施さない上網を装着し、
2槽目の円網シリンダー12aには上記型13を取り付
けた上網12bを装着した。1槽目で形成した第1層目
の紙層4の上に2槽目で形成した第2層目(最外層)の
紙層3が重なるようにして、前記紙料を用い抄紙速度5
0m/分で2層抄合わせ紙を製造した。この際、第1層
目(乾燥重量に換算して50g/m2 )と第2層目(同
50g/m2 )の間に厚み15μm、幅1.0mmの金
銀糸用のスレッドを特公平5−40080号で提案した
方法を用いて型13の中央に相当する位置に挿入した。
次いで常法に従い湿紙を脱水後、シリンダードライヤー
で乾燥し、2層抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を製造
した。得られた用紙は、用紙の縦方向における窓開き部
1の長さXが10mm、非窓開き部6の長さYが5mm
であり、窓開き部1の中に幅1.2mmの「A」および
「B」の文字のすき入れ2がなされ、窓開き部1内部で
はスレッド5が露出し、非窓開き部6ではスレッド5が
紙層の間に埋設された状態となっていた。なお抄紙機の
ワインダーでこの用紙をロール状に巻き取ったところ、
6000m巻き取っても皺の発生はみられなかった。
【0027】
【発明の効果】上述したような本発明の方法、およびこ
の方法により得られた偽造防止用紙によれば、下記に述
べるような顕著な効果が得られる。 1)文字や画像のすき入れ2とスレッド5の露出部と
が、いずれも窓開き部1の中に形成されるため、デザイ
ン的に違和感のない偽造防止用紙が得られる。この用紙
に印刷を施すに際しても、すき入れ2とスレッド5露出
部とを用紙の異なる箇所に形成した場合に受ける印刷デ
ザイン上の制約、例えば装飾的な印刷を施したい場合に
印刷面積が少なくなるといった問題が解消できる。
【0028】2)抄紙機のワインダーで連続的にロール
状に用紙を巻取っても、スレッド挿入による用紙の厚み
の部分的な増加に起因する皺の発生を皆無にすることが
できる。このことは、用紙に印刷を施す場合にロール仕
上げした用紙を輪転印刷機で使用することが可能とな
り、平判仕上げの用紙を印刷する場合と比較して効率が
著しく向上する。
【0029】3)得られた用紙を使用して有価証券等を
製造し多数枚積み重ねた場合でも、スレッド挿入箇所の
部分的な盛り上がりが無いので取扱いが容易であり、ま
た積み重ねた山が崩れることも無い。同様に、多数枚を
重ねてOCR自動読み取り装置等で読み取る際にも、ス
レッド挿入箇所の部分的な盛り上がりが無いので取扱い
が容易となる。
【0030】以上のような特性を生かして本発明で得ら
れた偽造防止用紙は、紙幣、小切手、株券、債券、商品
券、カード、機密文書、パスポート、身分証明書等に好
適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られた偽造防止用紙を用
いた商品券の一例を上面から見た図である。
【図2】図1の窓開き部分を上面から見た拡大図であ
る。
【図3】図2のA−A’線に沿って切断した端面図であ
る。
【図4】本発明の方法に好ましく使用できる多槽式円網
抄紙機の例を示す説明図である。
【図5】図4の円網抄紙機で使用する円網シリンダーの
上網に、窓開き部およびすき入れ部を形成するための型
を取り付けた状態を示す部分説明図である。
【図6】本発明の方法に好ましく使用できる多槽式円網
抄紙機の他の例を示す説明図である。
【図7】図6の円網抄紙機で使用する円網シリンダーの
上網に、窓開き部およびすき入れ部を形成するための型
を取り付けた状態を示す部分説明図である。
【符号の説明】
1 窓開き部 2 すき入れ 3 最外層の紙層 4 最外層に接する紙層 5 スレッド 6 非窓開き部 11,21 最終槽より前の槽 11a,21a 最終槽より前の槽の円網シリンダー 12,22 最終槽 12a 最終槽の円網シリンダー 13,23 型 13a,23a 欠損部分 V スレッド挿入箇所

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層の紙層とそれ以外の紙層との少な
    くとも2層からなる抄合わせ紙を多槽式円網抄紙機を用
    いて製造するに際して、(a) 最終槽より前の槽で最外層
    以外の紙層を形成し、最終槽で紙層の流れ方向に間欠的
    に窓開き部を有しかつ該窓開き部の中に文字または画像
    からなるすき入れを施した最外層の紙層を形成するか、
    あるいは(b) 1槽目で紙層の流れ方向に間欠的に窓開き
    部を有しかつ該窓開き部の中に文字または画像からなる
    すき入れを施した最外層の紙層を形成し、2槽目以降の
    槽で最外層以外の紙層を形成し、最外層の紙層とそれ以
    外の紙層とを重ね合わせる直前で、最外層の紙層の窓開
    き部に位置するようにスレッドを紙層間に挿入し、これ
    によって最外層の紙層の窓開き部内にすき入れを有しか
    つ窓開き部でスレッドが露出している抄合わせ紙を得る
    ことを特徴とする偽造防止用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記最外層の紙層を形成する円網シリン
    ダーの上網の円周方向に、前記窓開き部に相当する寸法
    を有しかつ前記文字または画像のすき入れを形成するた
    めの欠損部分を形成した型を複数個間欠的に取り付け、
    この円網シリンダーを用いて前記最外層の紙層を形成す
    ることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記複数個の型を円網シリンダーの上網
    に円周方向に取り付けるに際して、用紙の窓開き部に相
    当する長さ(X)と、窓開き部と窓開き部の間に位置す
    る非窓開き部の長さ(Y)との比率が3:1〜1:2と
    なるような間隔で間欠的に型を取り付けることを特徴と
    する請求項2に記載の偽造防止用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記型の寸法を、紙層の流れ方向の長さ
    (X)5〜30mm、紙層の流れ方向に直行する横方向
    長さ(Z)10〜50mmとしたことを特徴とする請求
    項2または3に記載の偽造防止用紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記最外層の紙層とそれ以外の紙層との
    つけ比率が20:80〜80:20となるように抄合わ
    せることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙の製
    造方法。
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