JPH09316579A - アルミニウム合金製ブレージングシート - Google Patents

アルミニウム合金製ブレージングシート

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JPH09316579A
JPH09316579A JP15156796A JP15156796A JPH09316579A JP H09316579 A JPH09316579 A JP H09316579A JP 15156796 A JP15156796 A JP 15156796A JP 15156796 A JP15156796 A JP 15156796A JP H09316579 A JPH09316579 A JP H09316579A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう材による犠牲陽極効果を発揮させるため
に、Znを添加したAl−Si系のろう材を用いたアル
ミニウム合金製ブレージングシートにおいて、ろう付け
加熱時におけるろう材中のZnの減少を抑制し、犠牲陽
極効果による優れた耐食性を確保する。 【解決手段】 Al−Mn系を基本とする芯材の少なく
とも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含有する犠牲
層をクラッドし、かつその犠牲層の上に、Si6.0〜
13.0wt%、Zn1.5〜4.0wt%を含有する
Al合金ろう材をクラッドし、しかもろう材のZn量
(AZn)と犠牲層のZn量(BZn)との差[(AZ
n)−(BZn)]を0〜+1.0wt%の範囲内とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は各種熱交換器等の
ろう付け構造体に使用されるアルミニウム合金製ブレー
ジングシートに関し、特に不活性ガスろう付け、例えば
ノコロックろう付けを適用して熱交換器等のろう付け構
造体を組立てた場合に優れた耐食性を発揮することがで
きるアルミニウム合金製ブレージングシートに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の熱交換器、例えばラジェータ
やオイルクーラなどとしては、従来は鋼製のものやステ
ンレス−鋼製のものが一般的であったが、最近では環境
問題の点から鉛を含むろう材の使用を回避するため、A
l−Si系合金からなるアルミニウム合金ろう材をクラ
ッドしたアルミニウム合金製ブレージングシートが多用
されるようになり、また熱交換器等のろう付け構造体の
軽量化等の点からもアルミニウム合金製ブレージングシ
ートが好まれるようになっている。
【0003】ところでアルミニウム合金製ブレージング
シートを用いてラジェータやオイルクーラを組立ててる
場合、水が接触する側からの腐食に対する耐食性(一般
に内部腐食性と称される)が重要となる。そこで内部耐
食性を向上させるため、水に接触する側の面に犠牲腐食
層を設けることが従来から行なわれている。この犠牲腐
食層は、芯材の電位よりも卑な電位となるように合金の
成分組成を調整して、芯材のアルミニウム合金に対する
犠牲陽極効果を付与したものであり、アルミニウム合金
の場合、Znの添加が電位を卑とするために有効であっ
てかつZnの添加は他の特性を悪化させることも少ない
ため、一般にはZnを添加することによって電位を卑に
したアルミニウム合金を犠牲腐食層として用いることが
多い。
【0004】ここで、水に接触する側においてろう付け
を行なう必要のない場合、例えばチューブ材の内面側で
は、水接触側にAl−Zn系合金あるいはAl−Mg−
Zn系合金などのZnを含有する犠牲腐食層を設けたブ
レージングシートが用いられている。一方オイルクーラ
の如く、水に接触する側においてろう付けを行なう必要
がある場合は、水接触側のろう材として、通常のアルミ
ニウム合金ろう材(Al−Si系合金やAl−Si−B
i系合金等)にZnを添加した合金を用い、ろう材に犠
牲陽極効果を持たせること、すなわちろう材層を犠牲腐
食層と兼ねさせることが行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにろう材に
Znを添加してそのろう材層自体に犠牲陽極効果を持た
せた場合、ろう付け条件によっては、期待した犠牲陽極
効果による耐食性が得られないことがある。
【0006】すなわちろう付け加熱時にはZnを含有す
るろう材が溶融することになるが、Znは高温での飽和
蒸気圧が高いため、溶融したろう材表面からのZnの蒸
発が生じやすい。また溶融したろう材は液相であるた
め、ろう材内部でのZnの拡散速度も高く、そのため溶
融ろう材表面からZnが蒸発してろう材表面層のZn量
が減少すれば、溶融ろう材内部から表面層のZnが拡散
移動して表面から蒸発し、その結果ろう材全体のZn量
が減少して行く。そしてまた、ろう材の下側の芯材がZ
nを含有しない通常の芯材の場合には、溶融ろう材中で
芯材方向へのZnの拡散も生じ、このこともろう材中の
Zn量の減少を加速させる結果となる。特にアルミニウ
ム合金のろう付けに広く用いられている真空ろう付け法
の場合は、ろう付け加熱時に溶融ろう材表面が常に減圧
されるため、溶融ろう材表面からのZnの蒸発が急速に
進行して、ろう材中のZn量が急速に減少し、そのため
ろう付け加熱後の状態のろう材中のZn量が少なくなっ
てしまって、Znによりろう材の電位を卑にする効果が
充分に得られず、その結果ろう材層が犠牲陽極効果を充
分に発揮できず、期待した耐食性を得ることが困難とな
ってしまう。そこで犠牲陽極効果を期待したZn添加ろ
う材を用いた場合には、真空ろう付け法を適用せず、不
活性ガス雰囲気でのろう付けを適用するのが通常であ
る。すなわち、不活性ガスろう付けは、一般に1気圧程
度の不活性ガス雰囲気でろう付けされるため、真空ろう
付けの場合と比較してろう付け加熱時のZnの蒸発が少
ないと考えられるからである。
【0007】しかしながら不活性ガス雰囲気でろう付け
を行なう場合でも、最近の操業条件下では、実際にはか
なりの量のZnの蒸発が生じてしまい、そのため必ずし
も充分な耐食性が得られるとは限らないのが実情であっ
た。
【0008】すなわち最近では、不活性ガス雰囲気での
ろう付け加熱時に、材料の昇温速度を高めて生産性を向
上させるためにろう付け炉中でファンを回転させて高温
の雰囲気ガスに対流を生ぜしめ、雰囲気から材料に対し
て急速に熱を伝えるようにしたろう付け操業を行なうこ
とが多くなっているが、このような操業法の場合、ろう
付け加熱時において溶融ろう材表面に雰囲気ガスが絶え
ず衝接して流れることから、溶融ろう材表面の界面での
Znの平衡分圧を維持するため、溶融ろう材表面から常
にZnが蒸発し続け、同時に溶融ろう材中から芯材側へ
のZnの拡散が生じ、その結果、真空ろう付け法の場合
ほどではないにしても、ろう材中のZn量の減少によっ
て、ろう付け加熱後の状態でのろう材中のZn量が少な
くなってろう材が芯材に対して充分な犠牲陽極効果を発
揮できなくなり、期待したほどの耐食性が得られなくな
ることがある。
【0009】ここで、上述の問題を解決するための一つ
の方策としては、予めろう材に添加しておくZn量を多
目に設定しておくことが考えられるが、Zn量が多過ぎ
れば、不活性ガスろう付けで使用することが多いノコロ
ックフラックスとZnとが反応してろう付け性が低下し
てしまうという新たな問題が生じるから、このような方
策も実際には適用することはできない。
【0010】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、Znの添加による犠牲陽極効果を狙ったろう
材を用いたアルミニウム合金製ブレージングシートとし
て、ろう材のZn量を過剰に増量させることなく、ろう
付け加熱時におけるろう材中のZn量の減少を可及的に
抑制し、これによってろう付け加熱後において充分な耐
食性を発揮することができ、しかもろう付け性も良好な
ブレージングシートを提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明のアルミニウム合金製ブレージング
シートにおいては、基本的には、Znを添加したろう材
と芯材との間に、適切な量のZnを含有する中間層(犠
牲層)を設けて、ろう付け加熱後の状態でも表面のろう
材中に相当量のZnが確保されるようにした。
【0012】具体的には、請求項1の発明のアルミニウ
ム合金製ブレージングシートは、Al−Mn系合金から
なる芯材の少なくとも片面に、Zn1.0〜4.0wt
%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる
犠牲層がクラッドされ、さらにその犠牲層の上に、Si
6.0〜13.0wt%およびZn1.5〜4.0wt
%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる
ろう材がクラッドされており、かつ前記ろう材のZn量
(AZn)と犠牲層のZn量(BZn)との差[(AZ
n)−(BZn)]が0〜1.0wt%の範囲内に定め
られていることを特徴とするものである。
【0013】また請求項2の発明のアルミニウム合金製
ブレージングシートは、Al−Mn系合金からなる芯材
の少なくとも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含有
し、かつMn0.1〜1.5wt%、Cu0.06〜
0.3wt%、Ti0.06〜0.3wt%、Mg0.
06〜0.5wt%、Cr0.06〜0.3wt%、Z
r0.06〜0.3wt%のうちの1種または2種以上
を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる犠
牲層がクラッドされ、さらにその犠牲層の上に、Si
6.0〜13.0wt%およびZn1.5〜4.0wt
%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる
ろう材がクラッドされており、かつ前記ろう材のZn量
(AZn)と犠牲層のZn量(BZn)との差[(AZ
n)−(BZn)]が0〜1.0wt%の範囲内に定め
られていることを特徴とするものである。
【0014】さらに請求項3の発明のアルミニウム合金
製ブレージングシートは、Al−Mn系合金からなる芯
材の少なくとも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含
有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる犠牲層
がクラッドされ、さらにその犠牲層の上に、Si6.0
〜13.0wt%およびZn1.5〜4.0wt%を含
有し、かつBi0.01〜0.3wt%、Be0.00
01〜0.002wt%、In0.10wt%以下、S
n0.10wt%以下、Ga0.10wt%以下のうち
の1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可
避的不純物よりなるろう材がクラッドされており、かつ
前記ろう材のZn量(AZn)と犠牲層のZn量(BZ
n)との差[(AZn)−(BZn)]が0〜1.0w
t%の範囲内に定められていることを特徴とするもので
ある。
【0015】そしまた請求項4の発明のアルミニウム合
金製ブレージングシートは、Al−Mn系合金からなる
芯材の少なくとも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を
含有し、かつMn0.1〜1.5wt%、Cu0.06
〜0.3wt%、Ti0.06〜0.3wt%、Mg
0.06〜0.5wt%、Cr0.06〜0.3wt
%、Zr0.06〜0.3wt%のうちの1種または2
種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
なる犠牲層がクラッドされ、さらにその犠牲層の上に、
Si6.0〜13.0wt%およびZn1.5〜4.0
wt%を含有し、かつBi0.01〜0.3wt%、B
e0.0001〜0.002wt%、In0.10wt
%以下、Sn0.10wt%以下、Ga0.10wt%
以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされて
おり、かつ前記ろう材のZn量(AZn)と犠牲層のZ
n量(BZn)との差[(AZn)−(BZn)]が0
〜1.0wt%の範囲内に定められていることを特徴と
するものである。
【0016】この発明のアルミニウム合金製ブレージン
グシートにおいては、最表面層であるZn1.5〜4.
0wt%を含有するろう材と、Znを実質的に含有しな
い芯材との間に、Zn1.0〜4.0wt%を含有する
アルミニウム合金からなる犠牲層が介在しており、かつ
この犠牲層のZn量とろう材のZn量は、前記式で示さ
れるような特定の関係となるように定められている。こ
の式は、ろう材のZn量が犠牲層のZn量よりも多く、
かつ両者の差が1.0wt%以下であることを示す。
【0017】このような特定の量のZnを含有する犠牲
層をろう材と芯材との間に介在させておくことによっ
て、ろう付け加熱時における溶融ろう材中から芯材方向
へのZnの拡散が少なくなって、ろう付け加熱中におけ
るろう材中のZn量の減少が抑制され、その結果ろう付
け加熱後におけるろう材中のZn量を充分に確保するこ
とが可能となって、ろう材による犠牲陽極効果を充分に
発揮させ、優れた耐食性を確保することができる。すな
わち、このようなZnを含有する犠牲層がろう材と芯材
との間に介在せずかつ芯材がZnを実質的に含有しない
場合には、既に述べたようにろう付け加熱時に溶融した
ろう材表面からZnが蒸発するとともに、溶融ろう材中
のZnが芯材方向へ拡散することにより、急速にろう材
中のZn量が減少してしまうが、この発明の場合は、少
なくとも芯材方向へのZnの拡散は抑制されるから、ろ
う材中のZnの減少の進行が遅くなり、ろう付け加熱後
にもかなりの量のZnをろう材中に確保することができ
るのである。
【0018】ここで、ろう材中のZn量と犠牲層中のZ
n量との前記式による関係については、先ずろう材中の
Zn量が犠牲層中のZn量よりも多いことが必要であ
る。これは、犠牲層中のZn量がろう材中のZn量より
も多ければ、ろう付け加熱後の犠牲層中のZn量もろう
材層中のZn量より多くなって、ろう材の電位が犠牲層
よりも貴となってしまい、そのためろう材による犠牲陽
極効果が得られなくなって結果的に耐食性が低下してし
まうからである。またろう材中のZn量と犠牲層中のZ
n量との差が1wt%以下であることが必要である。こ
れは、両者の差が1wt%を越えて大きい場合には、ろ
う付け加熱時においてろう材側から犠牲層側へZnが拡
散しやすくなり、そのためろう付け加熱時の溶融ろう材
中のZn量の減少を抑制する効果が充分に得られず、ろ
う付け加熱後のろう材中のZn量も少なくなって、ろう
材による犠牲陽極効果が充分に得られず、充分な耐食性
が得られなくなるからである。
【0019】なおろう材中のZn量(AZn)と犠牲層
中のZn量(BZn)との差[(AZn)−(BZ
n)]の値は、0〜+1.0wt%の範囲内でも、特に
+0.3〜+0.7wt%の範囲内が好ましい。
【0020】また、ろう材と芯材との間にZnを含有す
る犠牲層を設けることによって、Zn分布の均一な層が
形成され、この層が存在しない場合と比べて耐食性の信
頼性を高め、特に突発的な孔食の発生を抑制する効果も
得られる。
【0021】さらにこの発明のブレージングシートにお
ける各構成層の成分組成について詳細に説明する。
【0022】先ず芯材は、通常の熱交換器に使用される
Al−Mn系合金を使用することができるが、基本成分
としてMn0.6〜1.5wt%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなる合金、あるいはMn0.
6〜1.5wt%のほか、さらに必要に応じて耐食性向
上や強度向上のためにCu0.06〜0.3wt%、T
i0.06〜0.3wt%、Mg0.06〜0.5wt
%、Cr0.06〜0.3wt%、Zr0.06〜0.
3wt%のうちの1種または2種以上を含有し、残部が
Alおよび不可避的不純物よりなる合金を芯材として用
いることが適当である。
【0023】このような芯材の望ましい成分組成の限定
理由を説明する。
【0024】Mn:Mnは強度を高めるとともに耐孔食
性を向上させるに有効な元素である。Mn量が0.6w
t%未満ではこれらの効果が充分に得られず、1.5w
t%を越えれば巨大な金属間化合物が生成されて圧延性
や成形性を損なうとともに耐食性も低下し、また粒界腐
食感受性が高まってしまう。そこで芯材のMn量は、
0.6〜1.5wt%の範囲内とすることが好ましい。
【0025】Cu:Cuは芯材の電位を貴にするととも
に、ろう付け後の強度を高めるために有効な元素である
が、Cuが0.06wt%未満ではこれらの効果が小さ
く、一方0.3wt%を越えて添加すれば、孔食が発生
しやすくなって耐食性が低下する。したがって必要に応
じてCuを添加する場合のCu量は、0.06〜0.3
wt%の範囲内が好ましい。
【0026】Ti:Tiの添加は芯材の電位を貴にする
とともに、ピット状の腐食形態を層状に変化させること
によって最大腐食深さを小さくし、これによって耐食性
を向上させるために有効である。Tiの添加量が0.0
6wt%未満ではこれらの効果が充分に発揮されず、一
方0.3wt%を越えれば、これらの効果が飽和して経
済性を損なうばかりでなく、Al3 Tiの巨大金属間化
合物が生成されて圧延性や成形加工性を損なう。したが
って必要に応じてTiを添加する場合のTi量は、0.
06〜0.3wt%の範囲内が好ましい。
【0027】Mg:Mgはろう付け後の強度を高めるた
めに有効な元素であるが、Mg量が0.06wt%未満
ではその効果が少なく、一方0.5wt%を越えれば、
不活性ガス雰囲気ろう付けで広く使用されているノコロ
ックフラックスと反応してろう付け性を著しく低下させ
る。そこで必要に応じてMgを添加する場合のMg量
は、0.06〜0.5wt%の範囲内とする。
【0028】Cr,Zr:Cr,Zrはいずれもろう付
け加熱後の強度を高めるために有効な元素であるが、い
ずれも0.06wt%未満ではその効果が充分に得られ
ず、一方0.3wt%を越えれば巨大な金属間化合物が
生成されて成形加工性を損なう。そこで必要に応じてC
r,Zrのいずれか一方または双方を添加する場合のC
r量、Zr量はそれぞれ0.06〜0.3wt%の範囲
内が好ましい。
【0029】なおアルミニウム合金においては一般に不
可避的不純物としてFe,Siが含有されるが、Fe,
Siは芯材の耐食性を低下させるから、これらは可及的
に少ないことが望ましい。具体的には、Fe量は0.7
wt%以下、Si量は0.6wt%以下が望ましく、よ
り好ましくはFeは0.3wt%以下、Siは0.2w
t%以下とする。
【0030】次に犠牲層は、既に述べたようにろう材層
のZn量をろう付け加熱後もできる限り維持するために
必要な層であり、またろう付け構造体としての使用時に
おいてろう材の腐食が進行してろう材による犠牲陽極効
果が発揮されなくなった後には、この犠牲層が芯材との
電位差により芯材に対する犠牲陽極効果を発揮して耐食
性を維持するに役立つ。
【0031】このような犠牲層の主な合金成分元素はZ
nであり、Zn1.0〜4.0wt%含有し、残部がA
lおよび不可避的不純物よりなる合金、あるいはZn
1.0〜4.0wt%のほか、さらにMn0.1〜1.
5wt%、Cu0.06〜0.3wt%、Ti0.06
〜0.3wt%、Mg0.06〜0.5wt%、Cr
0.06〜0.3wt%、Zr0.06〜0.3wt%
のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物よりなる合金を犠牲層に用いることが
できる。
【0032】このような犠牲層の成分限定理由を以下に
説明する。
【0033】Zn:Znはアルミニウムに添加されてそ
の電位を卑にし、貴な芯材に対して犠牲陽極効果を発揮
させるために重要な元素である。Zn量が1.0wt%
未満ではその効果が得られず、またZn量が1.0wt
未満ではろう材のZn量との差が1.0wt%以上とな
りやすいから、犠牲層のZn量の下限は1.0wt%と
した。一方4.0wt%を越えてZnを添加すれば自己
腐食作用が激しくなるから、犠牲層のZn量の上限は
4.0wt%とした。なお犠牲層のZn量は、単に1.
0〜4.0wt%の範囲内とするだけではなく、既に述
べたようにろう材中のZn量との関係からも規制される
ことはもちろんである。
【0034】Mn:Mnは強度向上および高温強度の向
上に有効であり、また溶融ろうによるエロージョンに対
しても有効な元素である。Mn量が0.1wt%未満で
はこれらの効果が得られず、1.5wt%を越えればこ
れらの効果が飽和するばかりでなく、巨大な金属間化合
物が生成されて圧延性や成形性を損なう。そこでMnを
添加する場合のMn量は0.1〜1.5wt%の範囲内
とした。
【0035】Cu:Cuはろう付け後の強度を高めるた
めに有効な元素であるが、Cuが0.06wt%未満で
はその効果が小さく、一方0.3wt%を越えて添加す
れば、孔食が発生しやすくなって耐食性が低下する。し
たがってCuを添加する場合のCu量は0.06〜0.
3wt%の範囲内とした。
【0036】Ti:Tiの添加は、ピット状の腐食形態
を層状に変化させることによって最大腐食深さを小さく
し、これにより耐食性向上に寄与する。Tiの添加量が
0.06wt%未満ではその効果が充分に発揮されず、
一方0.3wt%を越えれば、その効果が飽和して経済
性を損なうばかりでなく、Al3 Tiの巨大金属間化合
物が生成されて圧延性や成形加工性を損なう。したがっ
てTiを添加する場合のTi量は0.06〜0.3wt
%の範囲内とした。
【0037】Mg:Mgはろう付け後の強度を高めるた
めに有効な元素であるが、Mg量が0.06wt%未満
ではその効果が少なく、一方0.5wt%を越えれば、
不活性ガス雰囲気ろう付けで広く使用されているノコロ
ックフラックスと反応してろう付け性を著しく低下させ
る。そこでMgを添加する場合のMg量は0.06〜
0.5wt%の範囲内とした。
【0038】Cr,Zr:Cr,Zrはいずれもろう付
け加熱後の強度を高めるために有効な元素であるが、い
ずれも0.06wt%未満ではその効果が充分に得られ
ず、一方0.3wt%を越えれば巨大な金属間化合物が
生成されて成形加工性を損なう。そこでCr,Zrのい
ずれか一方または双方を添加する場合のCr量、Zr量
はそれぞれ0.06〜0.3wt%の範囲内とした。
【0039】なおアルミニウム合金においては一般に不
可避的不純物としてFe,Siが含有されるが、Fe,
Siは耐食性を低下させるから、これらは可及的に少な
いことが望ましい。具体的には、Fe量は0.7wt%
以下、Si量は0.6wt%以下が望ましく、より好ま
しくはFeは0.3wt%以下、Siは0.2wt%以
下とする。
【0040】さらにろう材は、アルミニウム合金ろう材
として一般に使用されているAl−Si系合金に対し
て、Znを添加して犠牲陽極効果を持たせたものであ
り、具体的には、Si6.0〜13.0wt%およびZ
n1.5〜4.0wt%を含有し、残部がAlおよび不
可避的不純物よりなる合金、あるいはSi6.0〜1
3.0wt%およびZn1.5〜4.0wt%を含有
し、さらにBi0.01〜0.3wt%、Be0.00
01〜0.002wt%、In0.10wt%以下、S
n0.10wt%以下、Ga0.10wt%以下のうち
の1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可
避的不純物よりなる合金が用いられる。
【0041】このようなろう材の成分限定理由を次に述
べる。
【0042】Si:Siはアルミニウム合金ろう材とし
て必須の合金元素であって、ろう材の融点を低下させ、
溶融ろうの流動性を良好にする作用を有する。Si含有
量が6.0wt%未満ではその効果が少なく、一方1
3.0wt%を越えれば加工性の低下を招くから、Si
は6.0〜13.0wt%の範囲内とした。
【0043】Zn:Znはアルミニウム合金に添加され
場合にその電位を卑にし、貴な芯材に対して犠牲陽極効
果を発揮させるために添加される。Zn添加量が1.5
wt%未満ではその効果が少なく、一方4.0wt%を
越えて添加すれば、自己腐食作用が激しくなり、また不
活性雰囲気ろう付けで一般に使用されているノコロック
フラックスと反応してろう付け性を劣化させてしまう。
そこでろう材中のZn量は1.5〜4.0wt%の範囲
内とした。なおろう材のZn量は、単に1.5〜4.0
wt%の範囲内とするばかりでなく、既に述べたように
犠牲層に含まれるZn量との相対関係からも規制される
ことはもちろんである。
【0044】Bi:Biは溶融ろうの流動性を向上させ
て、ろう付け性を改善する効果を有する。Bi量が0.
01wt%未満ではその効果が得られず、一方0.3w
t%を越えて添加してもその効果は飽和し、経済性を損
なう。そこでBiを添加する場合のBi量は0.01〜
0.3wt%の範囲内とした。
【0045】Be:Beも溶融ろうの流動性を向上させ
て、ろう付け性を改善する効果を有する。Be量が0.
0001wt%未満ではその効果が得られず、一方0.
002%を越えて添加してもその効果は飽和し、経済性
を損なう。したがってBeを添加する場合のBe量は
0.0001〜0.002wt%の範囲内とした。
【0046】In,Sn,Ga:In,Sn,Gnはい
ずれもアルミニウム合金に添加された場合にその電位を
卑にする作用があり、したがってろう材に添加されれば
その犠牲陽極効果を向上させるに寄与する。それぞれ添
加量が0.10wt%を越えればろう材の電位が卑にな
り過ぎて腐食速度が速まり、逆に耐食性を低下させてし
まうおそれがあるから、いずれもその添加量は0.10
wt%以下が適当である。
【0047】上記各元素のほか、アルミニウム合金には
不可避的不純物としてFeが含有されるが、Feはろう
材の耐食性を低下させるから、その含有量ができる限り
少ないことが好ましい。具体的には、Fe量は0.7w
t%以下が好ましく、より望ましくは0.5wt%以下
が適切である。
【0048】
【発明の実施の形態】図1〜図4にこの発明のブレージ
ングシートの積層構造例を示す。
【0049】図1はこの発明の特徴的な積層構造を芯材
の片面側にのみ適用した最も単純な積層構造例を示すも
のであり、この場合は芯材3の片面側に前述のようなZ
nを含有する犠牲層4がクラッドされ、さらにその犠牲
層4の表面側に前述のようなZnを添加したろう材1が
クラッドされている。
【0050】また図2はこの発明の特徴的な積層構造を
芯材の両面側に適用した積層構造例を示すものであり、
この場合は芯材の両面側にそれぞれ前述のようなZnを
含有する犠牲層4,4がクラッドされ、さらに各犠牲層
4,4の表面側にそれぞれ前述のようなZnを添加した
ろう材1,1がクラッドされている。
【0051】さらに図3、図4には、芯材の一方の片面
側にこの発明の特徴的な積層構造を適用し、芯材の他方
の片面側にはろう材もしくは犠牲防食層のみをクラッド
した積層構造例を示す。
【0052】すなわち図3の場合は、芯材3の一方の片
面側に前述のようなZnを含有する犠牲層4がクラッド
され、かつその犠牲層4の上に前述のようなZnを添加
したろう材1がクラッドされ、さらに芯材3の他方の片
面側には別のろう材2がクラッドされている。この場合
の別のろう材2としては、前述のようなZnを添加した
ろう材に限らず、通常のAl−Si系あるいはAl−S
i−Bi系などのアルミニウム合金ろう材を用いること
ができる。
【0053】また図4の場合は、芯材の一方の片面側に
前述のようなZnを添加する犠牲層がクラッドされ、か
つその犠牲層4の上に前述のようなZnを添加したろう
材1がクラッドされ、さらに芯材3の他方の片面側には
犠牲防食層5がクラッドされている。この場合の犠牲防
食層5は、芯材3の電位に対して電位が卑であって、芯
材に対して犠牲陽極効果を発揮するものであれば良く、
この発明で特徴としている前述のようなZn含有合金か
らなる犠牲層4と必ずしも同じ成分組成範囲内の合金で
ある必要はない。
【0054】なお前述のようなZnを添加したろう材の
クラッド率は特に限定されるものではなく、最終的なブ
レージングシートの用途や全厚みなどに応じて適宜定め
れば良いが、一般には5〜20%程度であれば良好なろ
う付け性を確保することができる。またZnを含有する
合金からなる犠牲層のクラッド率も特に限定されるもの
ではなく、最終的なブレージングシートの用途や全厚
み、ろう材の厚みなどによって適宜定めれば良いが、一
般には5〜20%程度であれば所期の性能を得ることが
できる。
【0055】なおこの発明のブレージングシートの製造
方法としては、通常のクラッド材の製造方法などに用い
られている方法を適用すれば良く、特に限定されるもの
ではない。
【0056】具体的には、例えば各合金材料をそれぞれ
鋳造して、必要に応じて均質化処理を施してから熱間圧
延を行なって所定の板厚とするか、あるいは熱間圧延を
行なわずに面削のみによって所定の厚みとし、その後各
板を重ね併せて熱間圧延によりクラッド圧延を行ない、
必要に応じて中間焼鈍を施してから冷間圧延を行なって
最終板厚とすれば良く、また冷間圧延の中途で必要に応
じて中間焼鈍を行なったり、また最終の冷間圧延後に必
要に応じて最終焼鈍を施しても良い。ここで、鋳造方法
としては一般的な半連続鋳造法を用いれば良い。また鋳
造後には、芯材あるいは犠牲層については、溶融ろうに
よる耐エロージョン性を考慮して均熱処理を行なうこと
が望ましく、この場合の均熱温度としては450〜62
0℃が適当であるが、耐エロージョン性をより向上させ
るためには高い温度で均熱処理を施すことが望ましい。
クラッド圧延は、前述のように熱間圧延を適用するのが
通常であるが、積層数が多い場合には2回以上のクラッ
ド圧延を組合せても良いことはもちろんである。なおク
ラッド圧延時には接合性を良好にするため、事前にクラ
ッド合せ面について酸洗もしくはアルカリ洗、溶剤脱脂
などによって酸化皮膜の除去や脱脂を行ない、表面を清
浄化しておくことが望ましい。最終のテンパー状態は、
ブレージングシートを用いる熱交換器部品の種類や熱交
換器の用途などによって定めれば良いが、例えばエバポ
レータ用コアプレートの場合はプレス成形を行なうため
にO材(完全焼鈍材)とする必要があり、またラジェー
タのチューブ材では通常はH1nの加工材が使用される
など、それぞれのテンパー状態に応じて冷間圧延、焼鈍
の有無、焼鈍の条件などを定めれば良い。
【0057】このようにして得られたブレージングシー
トを用いてろう付けを行なうにあたってのろう付け法は
特に限定されるものではないが、この発明のブレージン
グシートは、特にフラックスろう付け、不活性雰囲気ろ
う付けに適している。またこの発明のブレージングシー
トの用途は特に限定されるものではないが、自動車熱交
換器材に適しており、また乗用車に限らずトラック等の
大型車両のオイルクーラ材にも適している。
【0058】
【実施例】表1、表2の合金符号A〜Z,AA〜ADに
示す成分組成の各合金を通常の溶解法により溶製し、鋳
造して鋳塊とした。そして芯材用の合金A〜Dおよび犠
牲層用の合金E〜Nについては常法に従って鋳塊に均質
化処理を施した。そして犠牲層用の合金E〜Nおよびろ
う材用の合金O〜ADについては、熱間圧延を施して所
定の板厚とした。次いで芯材に対して犠牲層およびろう
材を熱間圧延によりクラッドして、熱間圧延上りクラッ
ド厚4mmとし、冷間圧延後、必要に応じて焼鈍してさ
らに冷間圧延を行ない、表3、表4のサンプルNo.1
〜25に示すような積層構成、板厚を有するブレージン
グシートを作成した。なお表3、表4において、本発明
例を含むほとんどのブレージングシートは図3に示すよ
うな積層構造とし、比較例の一部(サンプルNo.2、
No.4)についてのみ、図3の積層構造から犠牲層4
を省いた積層構造とした。
【0059】得られた各ブレージングシートについて、
溶剤で脱脂処理を施した後、市販のノコロックフラック
ス5%水溶液中に浸漬し、乾燥後、窒素ガス中で600
℃の温度で3分間のろう付け加熱を行なった。その後、
腐食試験として、OY水(195ppmCl- ,60p
pmSO4 2+,30ppmFe3+,1ppmCu2+;p
H3)中に浸漬して、88℃×8hr→室温×16hr
のサイクルで加熱と冷却を繰返し、4ケ月後に腐食状況
を観察した。なお腐食状況の観察は、ろう付けを行なっ
ていない部分、すなわち一般部分(但しろう付け加熱は
なされている)と、ろう付け部分とについて行なった。
その結果を表5に示す。なお表5中には、ろう付け加熱
前におけるろう材(図3の符号1のろう材)中のZn量
(AZn)と、犠牲層(図3の符号4の犠牲層)中のZ
n量(BZn)との差[(AZn)−(BZn)]を併
せて示す。ここで、犠牲層を有していない比較例(サン
プルNo.2、No.4、No.21)の場合は、上記
のZn量の差は、ろう材中のZn量で示した。
【0060】
【図1】
【0061】
【図2】
【0062】
【図3】
【0063】
【図4】
【0064】
【図5】
【0065】表5から明らかなように、Znを添加した
ろう材と芯材との間にZnを含有する犠牲層が介在して
いない比較例(No.2、No.4、No.21)の場
合は、ろう付け部分以外の一般部分で孔食が発生し、最
大腐食深さも大きくなって一部は腐食の貫通が生じてお
り、耐食性に劣っていることが判明した。また犠牲層の
Zn量が少な過ぎた比較例(No.16)でも同様に一
般部分で孔食が発生し、最大腐食深さも大きかった。一
方犠牲層のZn量が多過ぎた比較例(No.17)では
ろう付け性が劣り、ろう付け部分の腐食試験には至ら
ず、また一般部分でも耐食性が劣っていた。
【0066】さらにろう材のSi量が少な過ぎた比較例
(No.18)では、ろう付け性が悪く、腐食試験には
至らなかった。一方ろう材のSi量が多過ぎた比較例
(No.19)では、圧延性が劣るため、圧延時にエッ
ジ割れが激しく、サンプルの完成には至らなかった。ま
たろう材のZn量の少な過ぎ、しかもろう材のZn量が
犠牲層のZn量よりも少なかった比較例(No.20、
No.23)およびろう材にZnを添加しなかった比較
例(No.22)では、一般部分で孔食が生じて腐食が
貫通してしまった。さらにNo.24、No.25は、
ろう材および犠牲層の各合金元素の含有量自体はこの発
明で規定する個々の成分範囲内に入っているが、そのう
ちNo.24はろう材のZn量よりも犠牲層のZn量の
方が多かった比較例、No.25はろう材のZn量と犠
牲層のZn量との差が1.0%を越えた比較例であり、
これらの場合は、いずれも一般部分に一部孔食が発生
し、最大腐食深さも大きくなった。
【0067】これに対し、各層の成分組成がこの発明の
範囲内にありしかもろう材のZn量と犠牲層のZn量と
の差が適正な範囲内にある本発明例の場合は、いずれも
一般部分、ろう付け部分ともに良好な耐食性を示した。
【0068】
【発明の効果】この発明のブレージングシートによれ
ば、Znを添加したろう材と芯材との間に、適切な量の
Znを含有する犠牲層を介在させているため、ろう付け
加熱時における溶融ろうから芯材方向へのZnの拡散を
抑制して、ろう付け加熱後もろう材層中に充分な量のZ
nを確保することができ、そのためろう材層による犠牲
陽極効果を充分に発揮して、優れた耐食性を示すことか
でき、またろう材のZn量を過剰に増量させていないた
め、ノコロックフラックスを用いたろう付けの場合もろ
う付け性を低下させることがなく、したがって優れた耐
食性と良好なろう付け性を同時に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブレージングシートの積層構造の第
1の例を示す略解的な縦断面図である。
【図2】この発明のブレージングシートの積層構造の第
2の例を示す略解的な縦断面図である。
【図3】この発明のブレージングシートの積層構造の第
3の例を示す略解的な縦断面図である。
【図4】この発明のブレージングシートの積層構造の第
4の例を示す略解的な縦断面図である。
【符号の説明】
1 ろう材 2 ろう材 3 芯材 4 犠牲層 5 犠牲防食層
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Mn系合金からなる芯材の少なく
    とも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含有し、残部
    がAlおよび不可避的不純物よりなる犠牲層がクラッド
    され、さらにその犠牲層の上に、Si6.0〜13.0
    wt%およびZn1.5〜4.0wt%を含有し、残部
    がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッド
    されており、かつ前記ろう材のZn量(AZn)と犠牲
    層のZn量(BZn)との差[(AZn)−(BZ
    n)]が0〜1.0wt%の範囲内に定められているこ
    とを特徴とする、耐食性に優れたアルミニウム合金製ブ
    レージングシート。
  2. 【請求項2】 Al−Mn系合金からなる芯材の少なく
    とも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含有し、かつ
    Mn0.1〜1.5wt%、Cu0.06〜0.3wt
    %、Ti0.06〜0.3wt%、Mg0.06〜0.
    5wt%、Cr0.06〜0.3wt%、Zr0.06
    〜0.3wt%のうちの1種または2種以上を含有し、
    残部がAlおよび不可避的不純物よりなる犠牲層がクラ
    ッドされ、さらにその犠牲層の上に、Si6.0〜1
    3.0wt%およびZn1.5〜4.0wt%を含有
    し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材が
    クラッドされており、かつ前記ろう材のZn量(AZ
    n)と犠牲層のZn量(BZn)との差[(AZn)−
    (BZn)]が0〜1.0wt%の範囲内に定められて
    いることを特徴とする、耐食性に優れたアルミニウム合
    金製ブレージングシート。
  3. 【請求項3】 Al−Mn系合金からなる芯材の少なく
    とも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含有し、残部
    がAlおよび不可避的不純物よりなる犠牲層がクラッド
    され、さらにその犠牲層の上に、Si6.0〜13.0
    wt%およびZn1.5〜4.0wt%を含有し、かつ
    Bi0.01〜0.3wt%、Be0.0001〜0.
    002wt%、In0.10wt%以下、Sn0.10
    wt%以下、Ga0.10wt%以下のうちの1種また
    は2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
    よりなるろう材がクラッドされており、かつ前記ろう材
    のZn量(AZn)と犠牲層のZn量(BZn)との差
    [(AZn)−(BZn)]が0〜1.0wt%の範囲
    内に定められていることを特徴とする、耐食性に優れた
    アルミニウム合金製ブレージングシート。
  4. 【請求項4】 Al−Mn系合金からなる芯材の少なく
    とも片面に、Zn1.0〜4.0wt%を含有し、かつ
    Mn0.1〜1.5wt%、Cu0.06〜0.3wt
    %、Ti0.06〜0.3wt%、Mg0.06〜0.
    5wt%、Cr0.06〜0.3wt%、Zr0.06
    〜0.3wt%のうちの1種または2種以上を含有し、
    残部がAlおよび不可避的不純物よりなる犠牲層がクラ
    ッドされ、さらにその犠牲層の上に、Si6.0〜1
    3.0wt%およびZn1.5〜4.0wt%を含有
    し、かつBi0.01〜0.3wt%、Be0.000
    1〜0.002wt%、In0.10wt%以下、Sn
    0.10wt%以下、Ga0.10wt%以下のうちの
    1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避
    的不純物よりなるろう材がクラッドされており、かつ前
    記ろう材のZn量(AZn)と犠牲層のZn量(BZ
    n)との差[(AZn)−(BZn)]が0〜1.0w
    t%の範囲内に定められていることを特徴とする、耐食
    性に優れたアルミニウム合金製ブレージングシート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001001179A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Denso Corp 耐食性が良好な真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート及びこれを使用した熱交換器
JP2002115988A (ja) * 2000-10-06 2002-04-19 Zexel Valeo Climate Control Corp 積層型熱交換器
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CN104395028A (zh) * 2012-05-31 2015-03-04 格朗吉斯瑞典公司 用于在受控气氛中无助焊剂钎焊的多层铝钎焊板

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