JPH09316574A - 高強度耐熱性導電用アルミニウム合金及びその製造方法 - Google Patents
高強度耐熱性導電用アルミニウム合金及びその製造方法Info
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- JPH09316574A JPH09316574A JP12796196A JP12796196A JPH09316574A JP H09316574 A JPH09316574 A JP H09316574A JP 12796196 A JP12796196 A JP 12796196A JP 12796196 A JP12796196 A JP 12796196A JP H09316574 A JPH09316574 A JP H09316574A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強度と導電率が共に優れた高強度耐熱性導電
用アルミニウム合金を提供する。 【解決手段】 Zrを 0.2〜0.4 wt% 、Siを0.05〜0.
2 wt% 、Feを0.05〜0.3 wt% 、Srを0.01〜0.05wt%
、Tiを 0.003〜0.03wt% 、Vを 0.003〜0.03wt% 含
有し、残部がアルミニウムと不可避的不純物からなる高
強度耐熱性導電用アルミニウム合金。 【効果】 TiがAlマトリックス中に微細で安定なサ
ブグレインを形成して再結晶を抑制し、SrとVがクラ
スターを形成してAl3 Zr等の析出物を微細に分散さ
せるので、強度と導電率が共に改善される。
用アルミニウム合金を提供する。 【解決手段】 Zrを 0.2〜0.4 wt% 、Siを0.05〜0.
2 wt% 、Feを0.05〜0.3 wt% 、Srを0.01〜0.05wt%
、Tiを 0.003〜0.03wt% 、Vを 0.003〜0.03wt% 含
有し、残部がアルミニウムと不可避的不純物からなる高
強度耐熱性導電用アルミニウム合金。 【効果】 TiがAlマトリックス中に微細で安定なサ
ブグレインを形成して再結晶を抑制し、SrとVがクラ
スターを形成してAl3 Zr等の析出物を微細に分散さ
せるので、強度と導電率が共に改善される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度耐熱性導電
用に適したアルミニウム合金、及びその製造方法に関す
る。
用に適したアルミニウム合金、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、高強度耐熱性導電用アルミニウム
合金の合金元素としては、Zr、Fe、Si等が挙げら
れる。このうち、ZrはAl3 Zr組成の析出物として
微細に分布して主に耐熱性向上に寄与する。これらの合
金の製造方法は、例えば、アルミニウム地金の溶湯に合
金元素を添加し、この合金溶湯をベルト・ホイール式連
続鋳造圧延機により荒引線に加工し、更にこれを素線に
伸線加工する方法によりなされている。そして、前記荒
引線及び素線には時効処理を施してAl3 Zr組成の化
合物を析出させて強度と導電率を適正に制御している。
合金の合金元素としては、Zr、Fe、Si等が挙げら
れる。このうち、ZrはAl3 Zr組成の析出物として
微細に分布して主に耐熱性向上に寄与する。これらの合
金の製造方法は、例えば、アルミニウム地金の溶湯に合
金元素を添加し、この合金溶湯をベルト・ホイール式連
続鋳造圧延機により荒引線に加工し、更にこれを素線に
伸線加工する方法によりなされている。そして、前記荒
引線及び素線には時効処理を施してAl3 Zr組成の化
合物を析出させて強度と導電率を適正に制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記導電用ア
ルミニウム合金は、種々の用途、使用目的に応じて要求
特性が異なるので、強度や導電率について一概には規定
値が決められない。この為用途に応じて、適宜、強度や
導電率を設定する。この種の合金の場合、特に 2.5mmφ
程度の細線になると強度と導電率の両方を必要値以上に
両立させるのが非常に難しかった。このようなことか
ら、本発明者等は、強度と導電率のバランスのとれた導
電用アルミニウム合金の開発を目的に合金組成の面から
種々検討を行い、従来のZr、Fe、Si等に加えて、
Ti、Sr、Vを適量含有させることによりその性能を
改善し得ることを知見し、更に研究を進めて本発明を完
成させるに到った。本発明の目的は、強度と導電率のバ
ランスのとれた高強度耐熱性導電用に適したアルミニウ
ム合金及びその製造方法を提供することにある。
ルミニウム合金は、種々の用途、使用目的に応じて要求
特性が異なるので、強度や導電率について一概には規定
値が決められない。この為用途に応じて、適宜、強度や
導電率を設定する。この種の合金の場合、特に 2.5mmφ
程度の細線になると強度と導電率の両方を必要値以上に
両立させるのが非常に難しかった。このようなことか
ら、本発明者等は、強度と導電率のバランスのとれた導
電用アルミニウム合金の開発を目的に合金組成の面から
種々検討を行い、従来のZr、Fe、Si等に加えて、
Ti、Sr、Vを適量含有させることによりその性能を
改善し得ることを知見し、更に研究を進めて本発明を完
成させるに到った。本発明の目的は、強度と導電率のバ
ランスのとれた高強度耐熱性導電用に適したアルミニウ
ム合金及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Zrを 0.2〜0.4wt%、Siを0.05〜0.2wt%、Feを0.05
〜0.3wt%、Srを0.01〜0.05wt% 、Tiを 0.003〜0.03
wt% 、Vを 0.003〜0.03wt% 含有し、残部がアルミニウ
ムと不可避的不純物からなる高強度耐熱性導電用アルミ
ニウム合金である。
Zrを 0.2〜0.4wt%、Siを0.05〜0.2wt%、Feを0.05
〜0.3wt%、Srを0.01〜0.05wt% 、Tiを 0.003〜0.03
wt% 、Vを 0.003〜0.03wt% 含有し、残部がアルミニウ
ムと不可避的不純物からなる高強度耐熱性導電用アルミ
ニウム合金である。
【0005】請求項2記載の発明は、Zrを 0.2〜0.4w
t%、Siを0.05〜0.2wt%、Feを0.05〜0.3wt%、Cuを
0.1〜0.3wt%、Srを0.01〜0.05wt% 、Tiを 0.003〜
0.03wt% 、Vを 0.003〜0.03wt% 含有し、残部がアルミ
ニウムと不可避的不純物からなる高強度耐熱性導電用ア
ルミニウム合金である。
t%、Siを0.05〜0.2wt%、Feを0.05〜0.3wt%、Cuを
0.1〜0.3wt%、Srを0.01〜0.05wt% 、Tiを 0.003〜
0.03wt% 、Vを 0.003〜0.03wt% 含有し、残部がアルミ
ニウムと不可避的不純物からなる高強度耐熱性導電用ア
ルミニウム合金である。
【0006】請求項3記載の発明は、溶解工程における
Sr、Ti、V元素のアルミニウム溶湯への添加を、ア
ルミニウム溶湯を、脱ガス処理し、表面をシールし、 7
80〜850 ℃の温度に保持して行うことを特徴とする請求
項1又は請求項2記載の高強度耐熱性導電用アルミニウ
ム合金の製造方法である。
Sr、Ti、V元素のアルミニウム溶湯への添加を、ア
ルミニウム溶湯を、脱ガス処理し、表面をシールし、 7
80〜850 ℃の温度に保持して行うことを特徴とする請求
項1又は請求項2記載の高強度耐熱性導電用アルミニウ
ム合金の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、従来から
使用されているAl−Zr−Fe−Si系合金にTi、
Sr、Vを添加して強度及び導電率を改善したものであ
る。以下に本発明の高強度耐熱性導電用アルミニウム合
金の合金元素について説明する。ZrはAl3 Zr等の
化合物として析出して耐熱性及び強度向上に寄与する。
その含有量を 0.2〜0.4wt%に限定した理由は、0.2wt%未
満では、その効果が十分に得られず、0.4wt%を超えて
は、溶湯中にAl3 Zr等の化合物が晶出して鋳塊欠陥
の原因になる為である。Siは(Al・Si)3 Zr化
合物として析出して析出硬化に寄与する。その含有量を
0.05〜0.2wt%に限定した理由は、0.05wt% 未満ではそ
の効果が十分に得られず、0.2wt%を超えると導電率が著
しく低下する為である。FeはAlマトリックス中に固
溶して強度向上に寄与する。その含有量を0.05〜0.3wt%
に限定した理由は、 0.05wt%未満ではその効果が十分に
得られず、0.3wt%を超えては溶湯中に Al-Fe系化合物と
して晶出して鋳造性を低下させる為である。Tiは熱間
圧延時にAlマトリックス中に微細で安定なサブグレイ
ンを生成させる。このサブグレインは時効処理時に再結
晶を抑制して強度向上に寄与する。その含有量を 0.003
〜0.03wt% に限定した理由は、0.003wt%未満ではその効
果が十分に得られず、0.03wt% を超えると導電率が著し
く低下する為である。SrはAlマトリックス中に固溶
して、鋳造及び熱間圧延時に空孔を固定してクラスター
を生成する。このクラスターはAl3 Zr析出の核生成
に作用してその分布を微細にする。微細に分布したAl
3 Zr析出物は再結晶を抑制して強度向上に寄与する。
その含有量を0.01〜0.05wt% に限定した理由は、0.01wt
% 未満ではその効果が十分に得られず、 0.05wt%を超え
ては導電率が著しく低下する為である。VもSrと同じ
効果を有し、その含有量を 0.003〜0.03wt% に限定した
理由も、Srの場合と同じである。
使用されているAl−Zr−Fe−Si系合金にTi、
Sr、Vを添加して強度及び導電率を改善したものであ
る。以下に本発明の高強度耐熱性導電用アルミニウム合
金の合金元素について説明する。ZrはAl3 Zr等の
化合物として析出して耐熱性及び強度向上に寄与する。
その含有量を 0.2〜0.4wt%に限定した理由は、0.2wt%未
満では、その効果が十分に得られず、0.4wt%を超えて
は、溶湯中にAl3 Zr等の化合物が晶出して鋳塊欠陥
の原因になる為である。Siは(Al・Si)3 Zr化
合物として析出して析出硬化に寄与する。その含有量を
0.05〜0.2wt%に限定した理由は、0.05wt% 未満ではそ
の効果が十分に得られず、0.2wt%を超えると導電率が著
しく低下する為である。FeはAlマトリックス中に固
溶して強度向上に寄与する。その含有量を0.05〜0.3wt%
に限定した理由は、 0.05wt%未満ではその効果が十分に
得られず、0.3wt%を超えては溶湯中に Al-Fe系化合物と
して晶出して鋳造性を低下させる為である。Tiは熱間
圧延時にAlマトリックス中に微細で安定なサブグレイ
ンを生成させる。このサブグレインは時効処理時に再結
晶を抑制して強度向上に寄与する。その含有量を 0.003
〜0.03wt% に限定した理由は、0.003wt%未満ではその効
果が十分に得られず、0.03wt% を超えると導電率が著し
く低下する為である。SrはAlマトリックス中に固溶
して、鋳造及び熱間圧延時に空孔を固定してクラスター
を生成する。このクラスターはAl3 Zr析出の核生成
に作用してその分布を微細にする。微細に分布したAl
3 Zr析出物は再結晶を抑制して強度向上に寄与する。
その含有量を0.01〜0.05wt% に限定した理由は、0.01wt
% 未満ではその効果が十分に得られず、 0.05wt%を超え
ては導電率が著しく低下する為である。VもSrと同じ
効果を有し、その含有量を 0.003〜0.03wt% に限定した
理由も、Srの場合と同じである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明のアルミニウム合金の合金元素に更にCuを含有させ
た高強度耐熱性導電用アルミニウム合金である。Cuは
強度向上に寄与する。その含有量を 0.1〜0.3wt%に限定
した理由は、0.1wt%未満ではその効果が十分に得られ
ず、0.3wt%を超えると導電率が著しく低下する為であ
る。このアルミニウム合金は、導電率を多少犠牲にして
も高強度が要求される用途に適した合金である。
明のアルミニウム合金の合金元素に更にCuを含有させ
た高強度耐熱性導電用アルミニウム合金である。Cuは
強度向上に寄与する。その含有量を 0.1〜0.3wt%に限定
した理由は、0.1wt%未満ではその効果が十分に得られ
ず、0.3wt%を超えると導電率が著しく低下する為であ
る。このアルミニウム合金は、導電率を多少犠牲にして
も高強度が要求される用途に適した合金である。
【0009】請求項3記載の発明において、溶解工程で
のTi、Sr、V元素のアルミニウム溶湯への添加を、
アルミニウム溶湯を、脱ガス処理し、表面をシールして
行う理由は、Ti、Sr、V元素の酸化を防止する為で
ある。これらの合金元素は酸化した状態ではその効果が
十分に発現されない。又溶湯の保持温度を 780〜850℃
にする理由は、 780℃未満ではAl3 Zrが晶出して、
又 850℃を超えては鋳塊の凝固が不十分となって、いず
れの場合も鋳塊に欠陥が生じる為である。前記脱ガス処
理には、塩素や窒素等のガスを吹込む方法等任意の方法
が適用できる。溶湯表面のシールには、フラックスを散
布する方法、不活性ガスで覆う方法等が適用できる。
のTi、Sr、V元素のアルミニウム溶湯への添加を、
アルミニウム溶湯を、脱ガス処理し、表面をシールして
行う理由は、Ti、Sr、V元素の酸化を防止する為で
ある。これらの合金元素は酸化した状態ではその効果が
十分に発現されない。又溶湯の保持温度を 780〜850℃
にする理由は、 780℃未満ではAl3 Zrが晶出して、
又 850℃を超えては鋳塊の凝固が不十分となって、いず
れの場合も鋳塊に欠陥が生じる為である。前記脱ガス処
理には、塩素や窒素等のガスを吹込む方法等任意の方法
が適用できる。溶湯表面のシールには、フラックスを散
布する方法、不活性ガスで覆う方法等が適用できる。
【0010】本発明のアルミニウム合金の製造は、請求
項1又は請求項2記載の発明のアルミニウム合金の溶湯
を、例えば、ベルトホイール式連続鋳造圧延方法により
荒引線に加工し、これに一次時効処理を施し、次にこれ
を冷間伸線して素線とし、この素線に二次時効処理を施
す方法により行われる。
項1又は請求項2記載の発明のアルミニウム合金の溶湯
を、例えば、ベルトホイール式連続鋳造圧延方法により
荒引線に加工し、これに一次時効処理を施し、次にこれ
を冷間伸線して素線とし、この素線に二次時効処理を施
す方法により行われる。
【0011】本発明のアルミニウム合金を前記ベルトホ
イール式連続鋳造圧延方法により製造する場合、圧延開
始温度は 400〜 480℃、圧延終了温度は 200〜275 ℃が
それぞれ望ましい。その理由は、圧延開始温度が 400℃
未満でも又圧延終了温度が 200℃未満でも得られる荒引
線の転位密度が増大して再結晶し易くなり強度が低下
し、又圧延開始温度が 480℃を超えても又圧延終了温度
が 275℃を超えてもサブグレインが粗大化して得られる
荒引線に欠陥が生じ易くなり、又荒引線の強度が低下す
る為である。圧延開始温度は、圧延スタンド前の冷却装
置により、圧延終了温度は圧延中のクーラント油により
それぞれ制御できる。
イール式連続鋳造圧延方法により製造する場合、圧延開
始温度は 400〜 480℃、圧延終了温度は 200〜275 ℃が
それぞれ望ましい。その理由は、圧延開始温度が 400℃
未満でも又圧延終了温度が 200℃未満でも得られる荒引
線の転位密度が増大して再結晶し易くなり強度が低下
し、又圧延開始温度が 480℃を超えても又圧延終了温度
が 275℃を超えてもサブグレインが粗大化して得られる
荒引線に欠陥が生じ易くなり、又荒引線の強度が低下す
る為である。圧延開始温度は、圧延スタンド前の冷却装
置により、圧延終了温度は圧延中のクーラント油により
それぞれ制御できる。
【0012】前記連続鋳造圧延後の荒引線に施す一次時
効処理は 345〜400 ℃で24〜50時間の条件が望ましい。
その理由は、前記条件が 345℃未満でも24時間未満でも
析出が不十分となり所望の強度及び導電率が安定して得
られず、又 400℃を超えても50時間を超えても析出物が
粗大化し、又Alマトリックスが再結晶化して十分な強
度が得られない為である。
効処理は 345〜400 ℃で24〜50時間の条件が望ましい。
その理由は、前記条件が 345℃未満でも24時間未満でも
析出が不十分となり所望の強度及び導電率が安定して得
られず、又 400℃を超えても50時間を超えても析出物が
粗大化し、又Alマトリックスが再結晶化して十分な強
度が得られない為である。
【0013】冷間伸線後の素線に施す二次時効処理は 3
45〜385 ℃で1〜10時間の条件が望ましい。その理由
は、 345℃未満でも1時間未満でも十分な耐熱性が得ら
れず、又 385℃を超えても10時間を超えても析出物が粗
大化して十分な強度が得られない為である。
45〜385 ℃で1〜10時間の条件が望ましい。その理由
は、 345℃未満でも1時間未満でも十分な耐熱性が得ら
れず、又 385℃を超えても10時間を超えても析出物が粗
大化して十分な強度が得られない為である。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)電気用アルミニウム地金を溶解し、脱ガス
処理後、炉内雰囲気を窒素ガスで置換(溶湯表面を窒素
ガスでシール)し、溶湯保持温度はZrの添加量に応じ
て 880〜780 ℃の間で変化させた。この溶湯中にZr、
Fe、Si、Ti、Sr、Vの合金元素をこの順に添加
し、次いでこの合金溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧
延機により鋳造と熱間圧延して 9.5mmφの荒引線とし
た。鋳造温度は溶湯保持温度より10℃低い温度にした。
圧延開始温度は 450℃にし、圧延終了温度は 240℃にし
た。次に前記荒引線を 370℃で24時間の条件で一次時効
処理したのち、冷間で伸線加工して 3.5mmφ又は 2.5mm
φの素線とし、この素線に 360℃で4時間の条件で二次
時効処理を施した。このようにして種々組成の導電用ア
ルミニウム合金線を製造した。
る。 (実施例1)電気用アルミニウム地金を溶解し、脱ガス
処理後、炉内雰囲気を窒素ガスで置換(溶湯表面を窒素
ガスでシール)し、溶湯保持温度はZrの添加量に応じ
て 880〜780 ℃の間で変化させた。この溶湯中にZr、
Fe、Si、Ti、Sr、Vの合金元素をこの順に添加
し、次いでこの合金溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧
延機により鋳造と熱間圧延して 9.5mmφの荒引線とし
た。鋳造温度は溶湯保持温度より10℃低い温度にした。
圧延開始温度は 450℃にし、圧延終了温度は 240℃にし
た。次に前記荒引線を 370℃で24時間の条件で一次時効
処理したのち、冷間で伸線加工して 3.5mmφ又は 2.5mm
φの素線とし、この素線に 360℃で4時間の条件で二次
時効処理を施した。このようにして種々組成の導電用ア
ルミニウム合金線を製造した。
【0015】得られた各々の導電用アルミニウム合金線
について導電率、引張強さ、耐熱性を調べた。耐熱性
は、二次時効後の素線を 400℃で4時間加熱処理し、処
理後の引張強さβを、処理前の引張強さαで除した耐熱
性残存率[(β/α)×100%] で表した。結果を、合金組
成を併記して表1に示す。
について導電率、引張強さ、耐熱性を調べた。耐熱性
は、二次時効後の素線を 400℃で4時間加熱処理し、処
理後の引張強さβを、処理前の引張強さαで除した耐熱
性残存率[(β/α)×100%] で表した。結果を、合金組
成を併記して表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1より明らかなように、本発明例品 (N
o.1〜13) は、導電率、引張強さ(強度)、耐熱性の全
てに優れている。これに対し、比較例品の No.14はZr
が少なすぎた為強度に劣り、 No.15はZrが多く鋳造温
度を高くした為鋳塊に粗大な欠陥が生じた。又 No.16は
Siが少なすぎた為強度が低下し、 No.17はSiが多す
ぎた為導電率が低下した。又 No.18はFeが少なすぎた
為強度が低下し、 No.19はFeが多すぎた為導電率が低
下し、又鋳塊に微細な欠陥が生じた。又 No.20、22、24
はTi、Sr、Vがそれぞれ少なすぎるか添加されてい
ない為いずれも強度が低下し、 No.21、23、25はTi、
Sr、Vがそれぞれ多すぎた為いずれも導電率が低下し
た。
o.1〜13) は、導電率、引張強さ(強度)、耐熱性の全
てに優れている。これに対し、比較例品の No.14はZr
が少なすぎた為強度に劣り、 No.15はZrが多く鋳造温
度を高くした為鋳塊に粗大な欠陥が生じた。又 No.16は
Siが少なすぎた為強度が低下し、 No.17はSiが多す
ぎた為導電率が低下した。又 No.18はFeが少なすぎた
為強度が低下し、 No.19はFeが多すぎた為導電率が低
下し、又鋳塊に微細な欠陥が生じた。又 No.20、22、24
はTi、Sr、Vがそれぞれ少なすぎるか添加されてい
ない為いずれも強度が低下し、 No.21、23、25はTi、
Sr、Vがそれぞれ多すぎた為いずれも導電率が低下し
た。
【0018】(実施例2)実施例1と同じようにして溶
製した合金 No.aの溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧
延機により 9.5mmφの荒引線に加工し、この荒引線に一
次時効処理を施し、その後冷間伸線して 3.5mmφと 2.5
mmφの素線とし、これらの素線に二次時効処理を施して
導電性アルミニウム合金線を製造した。鋳造温度は 810
℃にした。圧延温度、一次時効処理、二次時効処理の条
件は種々に変化させた。
製した合金 No.aの溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧
延機により 9.5mmφの荒引線に加工し、この荒引線に一
次時効処理を施し、その後冷間伸線して 3.5mmφと 2.5
mmφの素線とし、これらの素線に二次時効処理を施して
導電性アルミニウム合金線を製造した。鋳造温度は 810
℃にした。圧延温度、一次時効処理、二次時効処理の条
件は種々に変化させた。
【0019】得られた各々の導電用アルミニウム合金線
について、導電率、引張強さ、耐熱性を実施例1と同じ
方法で調べた。結果を表2に示す。
について、導電率、引張強さ、耐熱性を実施例1と同じ
方法で調べた。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2より明らかなように、本発明例品(No.
26〜42) は導電率、引張強さ、耐熱性の全てに優れてい
る。但し、 No.35は圧延開始温度がやや高く No.37は圧
延終了温度がやや高かった為いずれも強度が幾分低下
し、又鋳塊に微細な毛割れが散見された。No.36 は圧延
開始温度がやや低く No.38は圧延終了温度がやや低かっ
た為いずれも部分的に再結晶して強度が幾分低下した。
No.39は一次時効処理の温度がやや高かった為強度が幾
分低下した。 No.40は一次時効処理の温度がやや低かっ
た為導電率が若干低下した。No.41 は二次時効処理の温
度がやや高かった為強度が幾分低下した。No.42 は二次
時効処理の温度がやや低かった為耐熱性が僅かながら低
下した。以上、 No.35〜42はいずれも強度等が若干低下
したが、十分実用可能なものであった。
26〜42) は導電率、引張強さ、耐熱性の全てに優れてい
る。但し、 No.35は圧延開始温度がやや高く No.37は圧
延終了温度がやや高かった為いずれも強度が幾分低下
し、又鋳塊に微細な毛割れが散見された。No.36 は圧延
開始温度がやや低く No.38は圧延終了温度がやや低かっ
た為いずれも部分的に再結晶して強度が幾分低下した。
No.39は一次時効処理の温度がやや高かった為強度が幾
分低下した。 No.40は一次時効処理の温度がやや低かっ
た為導電率が若干低下した。No.41 は二次時効処理の温
度がやや高かった為強度が幾分低下した。No.42 は二次
時効処理の温度がやや低かった為耐熱性が僅かながら低
下した。以上、 No.35〜42はいずれも強度等が若干低下
したが、十分実用可能なものであった。
【0022】(実施例3)溶解工程以外は実施例1と同
じように溶製した合金No. a、h、i、j、k、l、m
の溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧延方法により 9.5
mmφの荒引線に加工し、この荒引線に一次時効処理を施
し、その後冷間伸線して 3.5mmφと 2.5mmφの素線と
し、これらの素線に二次時効処理を施して導電性アルミ
ニウム合金線を製造した。溶解工程では、合金元素を添
加するときのアルミニウム溶湯の保持条件(脱ガス処理
有無、溶湯表面のシール有無、溶湯温度)を種々に変化
させた。前記脱ガス処理は塩素ガスとアルゴンガスを吹
込んで行った。溶湯表面のシール有無は炉内を窒素ガス
雰囲気とするか大気とするかで行った。溶湯温度は 760
〜870 ℃の間で変化させた。ベルトホイール式連続鋳造
圧延方法での鋳造は溶湯保持温度より5〜10℃低い温度
で行った。熱間圧延開始温度は 450℃、同終了温度は 2
40℃とした。又荒引線での一次時効処理は 370℃で24時
間、素線での二次時効処理は 360℃で4時間の条件で行
った。得られた各々の導電性アルミニウム合金線につい
て、鋳塊欠陥、荒引線欠陥、素線性能を調べた。鋳塊欠
陥は鋳塊をシヤーで切断し、これを水焼き入れして表面
の割れを観察して調べた。荒引線欠陥は渦流探傷器によ
りオンラインで調べた。素線性能は実施例1と同じ方法
により調べた。結果を表3に示す。
じように溶製した合金No. a、h、i、j、k、l、m
の溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧延方法により 9.5
mmφの荒引線に加工し、この荒引線に一次時効処理を施
し、その後冷間伸線して 3.5mmφと 2.5mmφの素線と
し、これらの素線に二次時効処理を施して導電性アルミ
ニウム合金線を製造した。溶解工程では、合金元素を添
加するときのアルミニウム溶湯の保持条件(脱ガス処理
有無、溶湯表面のシール有無、溶湯温度)を種々に変化
させた。前記脱ガス処理は塩素ガスとアルゴンガスを吹
込んで行った。溶湯表面のシール有無は炉内を窒素ガス
雰囲気とするか大気とするかで行った。溶湯温度は 760
〜870 ℃の間で変化させた。ベルトホイール式連続鋳造
圧延方法での鋳造は溶湯保持温度より5〜10℃低い温度
で行った。熱間圧延開始温度は 450℃、同終了温度は 2
40℃とした。又荒引線での一次時効処理は 370℃で24時
間、素線での二次時効処理は 360℃で4時間の条件で行
った。得られた各々の導電性アルミニウム合金線につい
て、鋳塊欠陥、荒引線欠陥、素線性能を調べた。鋳塊欠
陥は鋳塊をシヤーで切断し、これを水焼き入れして表面
の割れを観察して調べた。荒引線欠陥は渦流探傷器によ
りオンラインで調べた。素線性能は実施例1と同じ方法
により調べた。結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3より明らかなように、本発明方法によ
り溶解したもの(No.43〜49) は、素線性能に優れるもの
であった。これは、Ti、Sr、Vが溶解工程で酸化せ
ず、Alマトリックス中に固溶状態で存在した為その強
度改善効果が十分に発現されたことによる。しかし、T
i、Sr、Vが固溶した為に鋳塊の割れ感受性が大きく
なって鋳塊に微細な毛割れが生じた。この毛割れは熱間
圧延が望ましい条件で行われた為、熱間圧延中に消滅し
て、荒引線では殆ど欠陥が検出されなかった。これに対
し、比較例品の No.50〜52はTi、Sr、Vが溶解工程
で酸化した為素線性能、特に強度が低下した。他方、鋳
塊に毛割れ等は認められなかった。これはTi、Sr、
Vの固溶量が減少して鋳塊の割れ感受性が低下した為で
ある。No.53は溶湯保持温度が低かった為Zrが多量に
晶出して、又No.54 は鋳造温度が高すぎ凝固不十分でい
ずれも鋳塊に欠陥が生じた。この場合の欠陥はやや粗大
であり、熱間圧延を前述の望ましい条件で行っても消滅
しなかった。
り溶解したもの(No.43〜49) は、素線性能に優れるもの
であった。これは、Ti、Sr、Vが溶解工程で酸化せ
ず、Alマトリックス中に固溶状態で存在した為その強
度改善効果が十分に発現されたことによる。しかし、T
i、Sr、Vが固溶した為に鋳塊の割れ感受性が大きく
なって鋳塊に微細な毛割れが生じた。この毛割れは熱間
圧延が望ましい条件で行われた為、熱間圧延中に消滅し
て、荒引線では殆ど欠陥が検出されなかった。これに対
し、比較例品の No.50〜52はTi、Sr、Vが溶解工程
で酸化した為素線性能、特に強度が低下した。他方、鋳
塊に毛割れ等は認められなかった。これはTi、Sr、
Vの固溶量が減少して鋳塊の割れ感受性が低下した為で
ある。No.53は溶湯保持温度が低かった為Zrが多量に
晶出して、又No.54 は鋳造温度が高すぎ凝固不十分でい
ずれも鋳塊に欠陥が生じた。この場合の欠陥はやや粗大
であり、熱間圧延を前述の望ましい条件で行っても消滅
しなかった。
【0025】(実施例4)溶湯中にZr、Cu、Fe、
Si、Ti、Sr、Vの合金元素をこの順に添加した他
は、実施例1と同じ方法により種々組成の導電用アルミ
ニウム合金線を製造し、導電率、引張強さ、耐熱性を実
施例1と同じ方法により調べた。結果を、合金組成を併
記して表4に示す。
Si、Ti、Sr、Vの合金元素をこの順に添加した他
は、実施例1と同じ方法により種々組成の導電用アルミ
ニウム合金線を製造し、導電率、引張強さ、耐熱性を実
施例1と同じ方法により調べた。結果を、合金組成を併
記して表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表4より明らかなように、本発明例品(No.
55〜57) は、Cuを添加した為、表1に示したNo.aに較
べて、導電率は低下したが、引張強さ(強度)が著しく
向上した。比較例品のNo.58 はCuが多すぎた為導電率
が著しく低下した。
55〜57) は、Cuを添加した為、表1に示したNo.aに較
べて、導電率は低下したが、引張強さ(強度)が著しく
向上した。比較例品のNo.58 はCuが多すぎた為導電率
が著しく低下した。
【0028】(実施例5)実施例4と同じようにして溶
製した合金 No.bbの溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧
延機により 9.5mmφの荒引線に加工し、この荒引線に一
次時効処理を施し、その後冷間伸線して 3.5mmφと 2.5
mmφの素線とし、これらの素線に二次時効処理を施して
導電性アルミニウム合金線を製造した。鋳造温度は 810
℃にした。圧延温度、一次時効処理、二次時効処理の条
件は種々に変化させた。得られた各々の導電用アルミニ
ウム合金線について、導電率、引張強さ、耐熱性を実施
例1と同じ方法で調べた。結果を表5に示す。
製した合金 No.bbの溶湯をベルトホイール式連続鋳造圧
延機により 9.5mmφの荒引線に加工し、この荒引線に一
次時効処理を施し、その後冷間伸線して 3.5mmφと 2.5
mmφの素線とし、これらの素線に二次時効処理を施して
導電性アルミニウム合金線を製造した。鋳造温度は 810
℃にした。圧延温度、一次時効処理、二次時効処理の条
件は種々に変化させた。得られた各々の導電用アルミニ
ウム合金線について、導電率、引張強さ、耐熱性を実施
例1と同じ方法で調べた。結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】表5より明らかなように、本発明例品(No.
59〜75) は、表1に示したNo.aに較べて、導電率は低か
ったが引張強さが著しく高かった。但し、No.68 〜75
は、圧延温度、一次、二次の時効処理温度が本発明の望
ましい温度範囲外であった為、強度、導電率、耐熱性、
鋳塊品質のいずれかが若干低下した。しかし実施例2の
場合と同様に実用上差支えない程度であった。
59〜75) は、表1に示したNo.aに較べて、導電率は低か
ったが引張強さが著しく高かった。但し、No.68 〜75
は、圧延温度、一次、二次の時効処理温度が本発明の望
ましい温度範囲外であった為、強度、導電率、耐熱性、
鋳塊品質のいずれかが若干低下した。しかし実施例2の
場合と同様に実用上差支えない程度であった。
【0031】(実施例6)溶解工程以外は実施例4と同
じように溶製した合金No.aa,bb,cc の溶湯をベルトホイ
ール式連続鋳造圧延方法により 9.5mmφの荒引線に加工
し、以下実施例3と同じ方法により導電性アルミニウム
合金線を製造した。得られた各々の導電性アルミニウム
合金線について、鋳塊欠陥、荒引線欠陥、素線性能を調
べた。鋳塊欠陥は鋳塊をシヤーで切断し、これを水焼き
入れして表面の割れを観察して調べた。荒引線欠陥は渦
流探傷器によりオンラインで調べた。素線性能は実施例
1と同じ方法により調べた。結果を表6に示す。
じように溶製した合金No.aa,bb,cc の溶湯をベルトホイ
ール式連続鋳造圧延方法により 9.5mmφの荒引線に加工
し、以下実施例3と同じ方法により導電性アルミニウム
合金線を製造した。得られた各々の導電性アルミニウム
合金線について、鋳塊欠陥、荒引線欠陥、素線性能を調
べた。鋳塊欠陥は鋳塊をシヤーで切断し、これを水焼き
入れして表面の割れを観察して調べた。荒引線欠陥は渦
流探傷器によりオンラインで調べた。素線性能は実施例
1と同じ方法により調べた。結果を表6に示す。
【0032】
【表6】
【0033】表6より明らかなように、本発明方法によ
り溶解したもの(No.76〜78) は、表1に示したNo.aに較
べて、導電率は低かったが引張強さが著しく高かった。
これは、Ti、Sr、Vが溶解工程で酸化せず、Alマ
トリックス中に固溶状態で存在した為その強度改善効果
が十分に発現されたことによる。しかし、Ti、Sr、
Vが固溶した為に鋳塊の割れ感受性が大きくなって鋳塊
に微細な毛割れが生じた。この欠陥は、熱間圧延が望ま
しい条件で行われた為、熱間圧延中に消滅して、荒引線
では殆ど欠陥が検出されなかった。他方、比較例品の N
o.79〜81はTi、Sr、Vが溶解工程で酸化した為素線
性能、特に強度が低下した。しかし鋳塊に毛割れ等は認
められなかった。これはTi、Sr、Vの固溶量が減少
して鋳塊の割れ感受性が低下した為である。
り溶解したもの(No.76〜78) は、表1に示したNo.aに較
べて、導電率は低かったが引張強さが著しく高かった。
これは、Ti、Sr、Vが溶解工程で酸化せず、Alマ
トリックス中に固溶状態で存在した為その強度改善効果
が十分に発現されたことによる。しかし、Ti、Sr、
Vが固溶した為に鋳塊の割れ感受性が大きくなって鋳塊
に微細な毛割れが生じた。この欠陥は、熱間圧延が望ま
しい条件で行われた為、熱間圧延中に消滅して、荒引線
では殆ど欠陥が検出されなかった。他方、比較例品の N
o.79〜81はTi、Sr、Vが溶解工程で酸化した為素線
性能、特に強度が低下した。しかし鋳塊に毛割れ等は認
められなかった。これはTi、Sr、Vの固溶量が減少
して鋳塊の割れ感受性が低下した為である。
【0034】以上、鋳造・圧延をベルトホイール式連続
鋳造圧延法により行う場合について説明したが、本発明
は、鋳造をツインベルト等の他の方法により行う場合
や、固定鋳型にて鋳造し、別途圧延する場合に適用して
も同様の効果が得られるものである。
鋳造圧延法により行う場合について説明したが、本発明
は、鋳造をツインベルト等の他の方法により行う場合
や、固定鋳型にて鋳造し、別途圧延する場合に適用して
も同様の効果が得られるものである。
【0035】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の導電用ア
ルミニウム合金は、TiがAlマトリックス中に微細で
安定なサブグレインを形成して再結晶を抑制し、Srと
Vがクラスターを形成してAl3 Zr等の析出物を微細
に分散させるので、強度と導電率が共に改善される。溶
解工程で前記Ti、Sr、Vを、脱ガスし、表面をシー
ルし、温度を 780〜850 ℃に保持したアルミニウム溶湯
に添加することにより、Ti、Sr、VがAlマトリッ
クス中に多量に固溶してそれらの効果が十分に発現され
る。
ルミニウム合金は、TiがAlマトリックス中に微細で
安定なサブグレインを形成して再結晶を抑制し、Srと
Vがクラスターを形成してAl3 Zr等の析出物を微細
に分散させるので、強度と導電率が共に改善される。溶
解工程で前記Ti、Sr、Vを、脱ガスし、表面をシー
ルし、温度を 780〜850 ℃に保持したアルミニウム溶湯
に添加することにより、Ti、Sr、VがAlマトリッ
クス中に多量に固溶してそれらの効果が十分に発現され
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 Zrを 0.2〜0.4wt%、Siを0.05〜0.2w
t%、Feを0.05〜0.3wt%、Srを0.01〜0.05wt% 、Ti
を 0.003〜0.03wt% 、Vを 0.003〜0.03wt%含有し、残
部がアルミニウムと不可避的不純物からなる高強度耐熱
性導電用アルミニウム合金。 - 【請求項2】 Zrを 0.2〜0.4wt%、Siを0.05〜0.2w
t%、Feを0.05〜0.3wt%、Cuを 0.1〜0.3wt%、Srを
0.01〜0.05wt% 、Tiを 0.003〜0.03wt% 、Vを 0.003
〜0.03wt% 含有し、残部がアルミニウムと不可避的不純
物からなる高強度耐熱性導電用アルミニウム合金。 - 【請求項3】 溶解工程におけるSr、Ti、V元素の
アルミニウム溶湯への添加を、アルミニウム溶湯を、脱
ガス処理し、表面をシールし、 780〜850 ℃の温度に保
持して行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載
の高強度耐熱性導電用アルミニウム合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12796196A JPH09316574A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 高強度耐熱性導電用アルミニウム合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12796196A JPH09316574A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 高強度耐熱性導電用アルミニウム合金及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316574A true JPH09316574A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=14972955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12796196A Pending JPH09316574A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | 高強度耐熱性導電用アルミニウム合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316574A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021155828A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 電源開発株式会社 | アルミニウム合金線および電線 |
-
1996
- 1996-05-23 JP JP12796196A patent/JPH09316574A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021155828A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 電源開発株式会社 | アルミニウム合金線および電線 |
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