JPH09316236A - 荷電粒子分散液およびその製造法 - Google Patents

荷電粒子分散液およびその製造法

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JPH09316236A
JPH09316236A JP13852196A JP13852196A JPH09316236A JP H09316236 A JPH09316236 A JP H09316236A JP 13852196 A JP13852196 A JP 13852196A JP 13852196 A JP13852196 A JP 13852196A JP H09316236 A JPH09316236 A JP H09316236A
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泰一 阪谷
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攝 興野
Toshiya Kuroda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散性に優れ、濾過性およびブレード適性に優
れた分散液およびその製造法を提供すること。 【解決手段】 樹脂の水溶液または樹脂の水分散液に、
溶剤および荷電粒子を溶剤、荷電粒子の順序で或いは荷
電粒子、溶剤の順序で加えてなる荷電粒子分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散性の良好な荷
電粒子含有分散液、その製造法およびそれよりなる成形
品または積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子を含有する樹脂水性分散液は水
性塗料などの用途に広く用いられている。また該分散液
をキャスト製膜または基材にコーティングしてなるシー
ト、フィルム、成型品は光学材料、物質遮断性材料、ハ
ードコート材などとして広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】荷電粒子を含有する樹
脂水性分散液はコーティング液として広く用いられてい
るが、塗布後に緩やかな乾燥条件で乾燥して膜を得るた
めには固形分濃度をできるだけ高くすることが望まれて
いる。工業的生産において、インラインでオーブンの乾
燥能力は固形分濃度に依存し、設備費を低く押さえるた
めには固形分濃度を高くすることが望まれる。また、コ
ーティング液を濾過せずにコーティングした場合には、
意図しない固形物が基材に塗布される恐れがある。これ
を回避するために通常コーティング時にはフィルターで
濾過した液が塗布される。濾過性不良の液を濾過するた
めには、フィルターの交換を頻繁に行わねばならず、非
常に煩雑で時間もかかり、工業的生産においては重要な
問題である。また、ロールコーティング方式を用いた際
の過剰の液をかきとる目的で用いられるドクターブレー
ド部分やブレードコーターのブレード部などで液が不安
定化し、ゲル物が形成され、コーティング面を損ねるな
どの問題(以下ブレード適性という)もある。本発明
は、荷電粒子を含有する樹脂水性分散液において、液中
の固形の異物が少なく濾過適性、ブレード適性に優れた
分散液、その製造法およびそれよりなる成形品、積層体
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。す
なわち、本発明は樹脂の水溶液または樹脂の水分散液
に、溶剤および荷電粒子を溶剤、荷電粒子の順序で或い
は荷電粒子、溶剤の順序で加えてなる荷電粒子分散液、
その製造法およびそれよりなる成形品、積層体を提供す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明に用いる樹脂は特に限定されるものではないが、本
発明の液を形成した際に、少なくとも一部溶解している
か、均一に分散しているものが好ましく用いられる。樹
脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコールお
よびその類縁体、ビニルアルコール分率が41モル%以
上のエチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニル
アルコール系樹脂;ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラ
ン、ザンタン、キチン、キトサン、セルロース等の多糖
類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ−2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、エ
チレン−アクリル酸共重合体およびその塩などのアクリ
ル系樹脂;ジエチレントリアミン−アジピン酸重縮合体
などポリアミノアミド系樹脂、ポリスチレンスルホン
酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルピ
リジンおよびその塩、ポリエチレンイミンおよびその
塩、ポリアリルアミンおよびその塩、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルスルホン酸およびその塩、ポリビニル
チオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリグリセリン等の水素結合性基やイオン性
基を分子中に有する樹脂があげられる。ここで「水素結
合性基」とは、炭素以外の原子(ヘテロ原子)に直接結
合した水素を少なくとも1個有する基をいう。この水素
結合性基としては、例えば、水酸基、アミノ基、チオー
ル基、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等があげ
られる。「イオン性基」とは、水中において水分子の水
和が可能な程度に局在化した「正または負」の少なくと
も一方の電荷を有する基をいう。このようなイオン性基
としては、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、
燐酸イオン基、アンモニウム基、ホスホニウム基等が挙
げられる。また、水性エマルジョンを形成するポリ塩化
ビニリデン系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジ
ョン、ポリウレタン系エマルジョン、ポリエステル系エ
マルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンなども好適に
使用可能である。樹脂のさらに好ましいものとしては、
ポリビニルアルコール、多糖類などがあげられる。
【0006】上記ポリビニルアルコールとは、ビニルア
ルコールのモノマー単位を主成分として有するポリマー
である。かかるポリビニルアルコールとしては、例え
ば、酢酸ビニル重合体の酢酸エステル部分を加水分解な
いしエステル交換(けん化)して得られるポリマー(正
確にはビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体となっ
たもの)や、トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニ
ル重合体、ピバリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニル
エーテル重合体、トリメチルシリルビニルエーテル重合
体等をけん化して得られるポリマーが挙げられる(ポリ
ビニルアルコールの詳細については、例えば、ポバール
会編、「PVAの世界」、1992年、(株)高分子刊
行会;長野ら、「ポバール」、1981年、(株)高分
子刊行会を参照することができる)。ポリビニルアルコ
ールにおける「けん化」の程度は、モル百分率で70%
以上が好ましく、85%以上がより好ましい。また、ポ
リビニルアルコールの重合度は、通常、100以上10
000以下であり、200以上6000以下が好まし
く、300以上3000以下がより好ましい。
【0007】またポリビニルアルコールの誘導体も使用
でき、水酸基以外の官能基として例えば、アミノ基、チ
オール基、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、カ
ルボキシレート基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン
基、アンモニウム基、ホスホニウム基、シリル基、シロ
キサン基、アルキル基、アリル基、フルオロアルキル
基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、等を一
部有しているものである。
【0008】上記多糖類およびその誘導体には、種々の
単糖類の縮重合によって生体系で合成される生体高分
子、およびそれらを化学修飾してなるものも包含され
る。このような多糖類およびその誘導体の具体例として
は、例えば、セルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体;アミロース、アミロペ
クチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キ
トサン等が挙げられる。
【0009】本発明に用いることができる荷電粒子は、
液中で界面電位を生ずるものであれば、有機化合物でも
無機化合物でもよい。無機化合物としては、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、遷移金属、亜鉛以上の2B族、
珪素以上の4A族から選ばれた少なくとも1種または2
種以上の元素を有する無機化合物などであり、例えば、
下記一般式 M1-x Al3+ (OH- 2 (An-x/n ・mH2 O (式中、MはMg2+、Ca2+及びZn2+よりなる群から
選ばれた2価金属イオンを示し、An-はn価のアニオ
ン、例えば炭酸イオン、塩酸塩等のハロゲンイオン、硫
酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、
リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ア
ルミン酸イオン、ケイ酸イオン、ポリケイ酸イオン、過
塩素酸イオン、ホウ酸イオン、Fe(CN)4 3- 、Fe
(CN)4 4-等の遷移金属錯塩等の無機イオン、酢酸、
安息香酸、ギ酸、テレフタル酸、アルキルスルホン酸等
の有機イオン等を示し、xは条件:0<x<0.5を、
mは条件:0<m<2、nは、1〜4の整数を満足す
る。)で示されるハイドロタルサイト類化合物や、特開
平5−179052号公報記載の下記一般式で示される
リチウムアルミニウム複合水酸化物 Li+ (Al3+2 (OH- 6 の炭酸塩、塩酸塩等のハロゲン塩、硫酸塩、亜硫酸塩、
硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸
塩、アルミン酸塩、ケイ酸塩、ポリケイ酸塩、過塩素酸
塩、ホウ酸塩、Fe(CN)4 3- 、Fe(CN)4 4-
の遷移金属錯塩等の無機塩、酢酸、安息香酸、ギ酸、テ
レフタル酸、アルキルスルホン酸等の有機塩等(これら
の塩は結晶水を有していてもよい)や、商品名LMA
(富士化学工業(株))、フジレインLS(富士化学工
業(株))等の無機化合物等、リン酸塩系誘導体型化合
物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化
物、粘土系鉱物等が、更にはリチウム、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウ
ム、珪素、チタンなどの金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、アル
ミノ珪酸塩、グラファイトなどが挙げられる。有機化合
物としてはアクリル樹脂ラテックス、スチレン系樹脂ラ
テックス等が挙げられる。これら荷電粒子は単独で用い
ても2種以上併用してもよい。また、本発明の荷電粒子
分散液を薄膜化して用いる場合には、これらの無機化合
物の中、層状構造を有するもの(以下、「無機層状化合
物」という)が好ましい。
【0010】かかる無機層状化合物とは、単位結晶層が
互いに積み重なって層状構造を形成している無機化合物
をいう。換言すれば、層状化合物とは、層状構造を有す
る化合物ないし物質であり、層状構造とは、原子が共有
結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン
・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積
み重なった構造をいう。
【0011】かかる無機層状化合物の具体例としては上
述の荷電粒子の例の中から、グラファイト、リン酸塩系
誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カ
ルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム
アルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物等を挙げること
ができる。ここに、「カルコゲン化物」とは、IV族
(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)および
/又はVI族(Mo,W)元素のジカルコゲン化物であ
って、式MX2 (Mは上記元素、Xはカルコゲン(S,
Se,Te)を示す。)で表わされるものをいう。また
分散性を向上させるには、溶媒に膨潤・へき開する性質
を有する無機層状化合物が好ましく用いられる。
【0012】無機層状化合物の溶媒への「膨潤・へき
開」性の程度は、以下の「膨潤・へき開性」試験により
評価することができる。該無機層状化合物の膨潤性は、
下記膨潤性試験において約5以上が好ましく、約20以
上であることがより好ましい。一方、該無機層状化合物
のへき開性は、下記へき開性試験において約5以上が好
ましく、約20以上であることがより好ましい。これら
の試験で用いる溶媒としては、無機層状化合物の密度よ
り小さい密度を有する溶媒を用いる。無機層状化合物が
天然の膨潤性粘土鉱物である場合、該溶媒としては、水
を用いることが好ましい。
【0013】<膨潤性試験>100mLメスシリンダー
に溶媒100mLを入れ、これに無機層状化合物2gを
ゆっくり加える。静置後、23℃、24hr後の無機層
状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から前者(無機
層状化合物分散層)の体積を読む。この数値が大きい
程、膨潤性が高い。
【0014】<へき開性試験>無機層状化合物30gを
溶媒1500mLにゆっくり加え、分散機(浅田鉄工
(株)製、デスパー MH−L、羽根径52mm、回転
数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離
28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散し
た後(23℃)、分散液100mLをとりメスシリンダ
ーに入れ60分静置後、上澄みとの界面から、無機層状
化合物分散層の体積を読む。
【0015】溶媒に膨潤・へき開する無機層状化合物と
しては、溶媒に膨潤・へき開性を有する粘土鉱物が特に
好ましく用いられる。かかる粘土系鉱物は、一般に、シ
リカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム
等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有する
タイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネ
シウム等を中心金属にした八面体層を両側から狭んでな
る3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構
造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族
等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとして
は、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミ
キュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
【0016】これらの粘土系鉱物としては、より具体的
には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロ
イサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィ
ライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリ
リックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マー
ガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソ
フィライト、緑泥石等を挙げることができる。また、粘
土系鉱物に関しては、白水晴雄著、「粘土鉱物学」、1
988年、(株)朝倉書店 などの文献を参照すること
ができる。
【0017】本発明の分散液より形成したコーティング
膜において荷電粒子と樹脂との組成比(体積比)は特に
限定されないが、例えば、コーティング膜の組成として
は下記のものが挙げられる。荷電粒子が無機層状化合物
の場合、気体遮断性、成膜性、成形性等から、無機層状
化合物/樹脂の体積比(仕込みの際の比率)が通常、5
/95〜90/10の範囲であり、5/95〜50/5
0の範囲が好ましく、10/90〜30/70の範囲が
さらに好ましい。また、この体積比が5/95〜30/
70の範囲は、膜ないし成形物としての柔軟性の点で好
ましい。製膜または積層体としたときの折り曲げによる
物性低下の抑制の点からは、体積比が7/93以上であ
ることが更に好ましい。一方、樹脂組成物からなる層の
柔軟性ないし基材からの剥離性の抑制の点からは、体積
比が17/83以下であることが好ましい。すなわち、
体積比が7/93〜17/83の範囲は、折り曲げによ
る物性低下を抑制でき、特に好ましい。このような体積
比は、これらの成分の仕込みの際の重量比の分子(無機
層状化合物の重量)および分母(樹脂の重量)の値を、
それぞれの密度で割り算して求めることができる。樹脂
(例えば、ポリビニルアルコール)の密度は、一般に、
結晶化度によって若干異なる場合があるが、上記体積比
の計算においては、例えば、ポリビニルアルコールの結
晶化度を50%と仮定して計算することができる。
【0018】本発明の分散液の全固形分濃度としては特
に限定されないが、水溶性樹脂を用いる場合には、一般
的には約1〜20重量%の範囲である。また分散液中の
荷電粒子の濃度は特に限定されず、樹脂を用いずに分散
が不十分となる濃度が上限として考えられるが、一般的
には約0.1〜10重量%の範囲である。もちろん全固
形分濃度を低下させれば分散は容易になるが、分散液を
コーティングしたときに膨大な乾燥能力を要し望ましく
なく、この点からは、全固形分濃度はできるだけ高いこ
と、すなわち、樹脂、荷電粒子ともできるだけ高濃度で
あることが好ましい。また、分散液中の樹脂、荷電粒
子、溶剤の組成比は特に限定されないが、荷電粒子/樹
脂の重量比は一般的には1/99〜99/1の範囲であ
り、(樹脂+荷電粒子)/溶剤の重量比は一般的には1
/10〜10/1の範囲である。
【0019】本発明の液が不均一にならない範囲で、樹
脂の濃度の限定はないが例えば、ポリ塩化ビニリデンや
ポリ酢酸ビニルなど水性エマルジョンの場合には、70
重量%以下の濃度が好ましく用いられる。また、ポリビ
ニルアルコールのような水溶性樹脂の場合、濃度の上昇
による粘度増加が著しく、重合度1700、ケン化度9
9.6モル%のもので一例を示せば、20重量%以下が
好ましく用いられる。
【0020】荷電粒子として、例えば、膨潤・へき開性
を有する粘土鉱物を例にとれば、分散液中の粘土鉱物の
濃度は、1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がよ
り好ましく、1〜3重量%以下が特に好ましい。典型的
な例として、溶媒として水、樹脂として重合度170
0、ケン化度99.6モル%のポリビニルアルコール、
荷電粒子としてモンモリロナイトを例に取れば、ポリビ
ニルアルコール/モンモリロナイト=2/1重量比とし
たときに全固形分濃度は3〜15重量%が好ましく、4
〜10重量%がより好ましく、5〜10重量%が特に好
ましい。
【0021】本発明で用いる溶剤は、単体では室温付近
で液体で、基材に塗布、乾燥した際に蒸散が容易なもの
が好ましく用いられる。これには例えばメタノール、エ
タノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ペンタ
ノール、オクタノール等の炭素数1〜8個のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が挙
げられる。溶剤は沸点が50℃から200℃であるもの
が好ましく、80℃から140℃であるものがより好ま
しい。これら溶剤の具体例としては、メタノール、エタ
ノール、1−ブタノール、2−プロパノール、ペンタノ
ール等が挙げられる。また溶剤は2種以上用いてもよ
い。溶剤の添加量は、樹脂、荷電粒子、水からなる液に
溶剤を添加した場合に、液の表面張力が約10dyne
/cm以上低下することが好ましい。表面張力は、デュ
ヌーイ式、ウィルヘルミー式等が用いられる。本発明で
は自動表面張力計(CBVP−A3型、協和界面化学社
製)を用いた。
【0022】本発明における荷電粒子分散液は、濾過適
性に優れるものであるが、ここで濾過適正とは通常用い
られている濾過設備を用いてどれだけ濾過用のフィルタ
ーが詰まることなく多くの液を濾過することが可能かと
いうことであるから、その評価においては通常の濾過設
備を用いて評価することができる。しかし実際には少量
の液での評価が簡便で行ないやすい。例えば、液をポン
プによってフィルターに圧をかけて送り込み、濾過され
てきた液を循環させると、経時で総濾過量が増加してい
くためにフィルターでの目詰まりによって圧損の上昇、
流量の低下が起こる。これらを一定の循環条件で観察す
ることで液の濾過適性を評価することができる。 ま
た、さらに少量の液で評価するには、圧縮空気によって
加圧して液をフィルターに通じ、フィルターの目詰まり
によって液が流れなくなるまで濾過を行ない総濾過量を
測定するという方法も可能である。
【0023】本発明の荷電粒子分散液の有するもう一つ
の効果は、ブレード適性に優れていることである。リバ
ースグラビア法や2本リバース法などの設備を用いて実
際にコーティングを行う場合にはブレード適性に優れた
液が必要となる。これはブレードを必要とするコーティ
ング方式の場合、ロールとブレードの間で高い剪断がか
かりゲルが発生してフィルム上に縦筋が入ることがある
からである。ブレード適性にすぐれた液とは液を浸して
回転しているロールにブレードを長時間当ててもゲルが
発生しないか、あるいは発生しても少量であるような液
のことである。
【0024】本発明においては、複数種類の樹脂、溶
剤、荷電粒子を用いることができる。また、それぞれの
原料を複数回に分割して加えて使用することもできる。
【0025】本発明の分散液を製造する装置としては特
に限定されるものではないが、できるだけ固形分濃度が
高くかつ分散良好な液を得るためには、温度制御装置と
分散翼を取り付けた釜を用いることが好ましい。分散翼
の形状に特に限定はないが、特に周速度を高くする目的
から円盤状でその周上にのこぎり状の形態を有するもの
が好ましく用いられる。例えば、浅田鉄工(株)製 デ
スパなどがあげられる。 釜についても特に限定はな
く、温度制御用に温水やスチームなどの熱媒を通じるこ
とのできるジャケットを外壁に備えたものなどが好まし
い。また、泡のかみこみや分散の均一化をはかる観点か
ら、釜内部にバッフルなどが好ましく用いられ、同様の
理由から、分散翼の位置は釜の中心ではなく少しずらす
(偏芯)ほうが好ましく用いられる。分散性、ゲル化防
止の点で、荷電粒子を分散させる分散温度は40〜90
℃が好ましい。また、撹拌の周速度が速いほど低温での
分散が可能となるが、一般に周速度は5m/秒以上であ
ればよく、好ましくは10m/秒以上、特に20m/秒
以上が好ましい。
【0026】(分散評価方法)本発明の分散液の製造方
法において、分散性評価の指標としては、荷電粒子が
水単独に分散されたときと樹脂水性液に分散されたとき
のそれぞれの液を平滑な基材(例えばガラス板など)に
薄くキャスト製膜などしてその外観比較で判定する方法
(分散不良であれば、凝集物が目視判定できる)、荷
電粒子が水単独に分散されたときと樹脂水性液に分散さ
れたときのそれぞれの液の濁度比較による方法、溶媒
単独に分散されたときの荷電粒子の溶媒中平均粒径(R
0)を基準に、樹脂水性液に分散されたときの荷電粒子
の水性液中平均粒径(R)がR0の値にどれだけ近いか
どうかによって判断する方法、などがあげられる。
【0027】(平均粒径を求める方法)液中の粒子の平
均粒径を求める方法は、回折/散乱法による方法、動的
光散乱法による方法、電気抵抗変化による方法、液中顕
微鏡撮影後画像処理による方法などが可能である。動的
光散乱法では樹脂と粒子が共存している場合、見かけ液
粘度が純溶媒と変わってしまうために評価しにくく、電
気抵抗変化による方法は液の電解質濃度などに制限があ
り、液中顕微鏡撮影後画像処理による方法は分解能の問
題があり、それぞれ使いづらい。回折/散乱法による方
法は、樹脂水性液に実質上散乱が少なく(透明というこ
と)、粒子由来の散乱が支配的である場合には、樹脂の
有無に関わらず粒子の粒度分布のみの情報が得られるた
め、比較的好ましく用いられる。
【0028】(回折/散乱法による粒度分布・平均粒径
測定)回折/散乱法による粒度分布・平均粒径測定は分
散液に光を通過させたときに得られる回折/散乱パター
ンをミー散乱理論などを用いてパターンに最も矛盾のな
い粒度分布を計算することによりなされる。 市販の装
置としては、コールター社製 レーザー回折・光散乱法
粒度測定装置LS230、LS200、LS100、
島津製作所製 レーザー回折式粒度分布測定装置SAL
D2000、SALD2000A、SALD3000、
堀場製作所製レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置L
A910、LA700、LA500、日機装製 マイク
ロトラックSPA、マイクロトラックFRA、などがあ
げられる。本発明の液は希釈なしで測定することが好ま
しい。散乱が強すぎて光透過性の低い液の場合は、光路
長を短くとることで液を希釈なしで測定できる(例えば
堀場製作所製LA910の場合にはバッチ式セル、ペー
ストセルなどで著しく光路長を短縮できる)。但し、液
溶媒組成と同組成の溶媒で希釈した場合には分散性が変
化しない場合も多く、その場合は希釈液を測定すること
で分散性を評価してもよい。 またこの測定方法では、
粒子間距離が光源の波長以下であれば粒子を分離して識
別できなくなってくるため、ある程度の距離(例えばサ
ブミクロン以下)を隔てて(間に樹脂などを介在して)
近接している複数の粒子は一つの粒子と認識する。この
ため、粒子同士の凝集による分散不良だけでなく、樹脂
を介在することで生じる分散不良についても本方法で評
価することができる。
【0029】(アスペクト比測定方法)アスペクト比
(Z)とは、Z=L/aの関係から求められる比であ
る。ここに、Lは、分散液中、上記した回折/散乱法に
よる粒径測定法により求めた無機層状化合物の粒径(体
積基準のメジアン径)であり、aは、無機層状化合物の
単位厚みである。この「単位厚みa」は、後述する粉末
X線回析法等によって、無機層状化合物単独の測定に基
づいて決められる値である。より具体的には、横軸に2
θ、縦軸にX線回折ピークの強度を取った図1のグラフ
に模式的に示すように、観測される回折ピークのうち最
も低角側のピークに対応する角度θから、Braggの
式(nλ=2Dsinθ、n=1,2,3・・・)に基
づいて求められる間隔を、「単位厚みa」とする(粉末
X線回析法の詳細については、例えば、塩川二朗監修
「機器分析の手引き(a)」69頁(1985年)化学
同人社発行を参照することができる)。 分散液から溶
媒を取り除いてなる樹脂組成物を粉末X線回析した際に
は、通常、該樹脂組成物における無機層状化合物の面間
隔dを求めることが可能である。 より具体的には、横
軸に2θ、縦軸にX線回折ピークの強度を取った図2の
グラフに模式的に示すように、上記した「単位厚みa」
に対応する回折ピーク位置より、低角(間隔が大きい)
側に観測される回折ピークのうち、最も低角側のピーク
に対応する間隔を「面間隔d」(a<d)とする。図3
のグラフに模式的に示すように、上記「面間隔d」に対
応するピークがハロー(ないしバックグラウンド)と重
なって検出することが困難な場合においては、2θdよ
り低角側のベースラインを除いた部分の面積を、「面間
隔d」に対応するピークとしている。ここに、「θd」
は、「(単位長さa)+(樹脂1本鎖の幅)」に相当す
る回折角である(この面間隔dの決定法の詳細について
は、例えば、岩生周一ら編、「粘土の事典」、35頁以
下および271頁以下、1985年、(株)朝倉書店を
参照することができる)。 このように樹脂組成物の粉
末X線回析において観測される回折ピーク(面間隔dに
対応)の「積分強度」は、基準となる回折ピーク(「面
間隔d」に対応)の積分強度に対する相対比で2以上
(更には10以上)であることが好ましい。 通常は、
上記した面間隔dと「単位厚みa」との差、すなわちk
=(d−a)の値(「長さ」に換算した場合)は、樹脂
組成物を構成する樹脂1本鎖の幅に等しいかこれより大
である(k=(d−a)≧樹脂1本鎖の幅)。このよう
な「樹脂1本鎖の幅」は、シミュレーション計算等によ
り求めることが可能であるが(例えば、「高分子化学序
論」、103〜110頁、1981年、化学同人を参
照)、ポリビニルアルコールの場合には4〜5オングス
トロームである(水分子では2〜3オングストロー
ム)。 上記したアスペクト比Z=L/aは、必ずし
も、樹脂組成物中の無機層状化合物の「真のアスペクト
比」と等しいとは限らないが、下記の理由により、この
アスペクト比Zをもって「真のアスペクト比」を近似す
ることには妥当性がある。 すなわち、樹脂組成物中の
無機層状化合物の「真のアスペクト比」は直接測定がき
わめて困難である。一方、樹脂組成物の粉末X線回析法
により求められる面間隔dと、無機層状化合物単独の粉
末X線回析測定により求められる「単位厚みa」との間
にa<dなる関係があり、且つ(d−a)の値が該組成
物中の樹脂1本鎖の幅以上である場合には、樹脂組成物
中において、無機層状化合物の層間に樹脂が挿入されて
いることとなる。したがって、樹脂組成物中の無機層状
化合物の厚みを上記「単位厚みa」で近似すること、す
なわち樹脂組成物中の「真のアスペクト比」を、上記し
た無機層状化合物の分散液中での「アスペクト比Z」で
近似することには、充分な妥当性がある。上述したよう
に、樹脂組成物中での真の粒径測定はきわめて困難であ
るが、樹脂中での無機層状化合物の粒径は、分散液中
(樹脂/無機層状化合物/溶媒)の無機層状化合物の粒
径とかなり近いと考えることができる。但し、回折/散
乱法で求められる分散液中での粒径Lは、無機層状化合
物の長径Lmaxを越える可能性はかなり低いと考えら
れるため、真のアスペクト比(Lmax/a)が、本発
明で用いる「アスペクト比Z」を下回る(Lmax/a
<Z)可能性は、理論的にはかなり低い。 上述した2
つの点から、本発明で用いるアスペクト比の定義Zは、
充分な妥当性を有するものと考えられる。本明細書にお
いて、「アスペクト比」または「粒径」とは、上記で定
義した「アスペクト比Z」、または「回折/散乱法で求
めた粒径L」を意味する。
【0030】本発明の分散液はそれ自身をキャスト製膜
法などにより成型品とすることができる。さらに、基材
と組み合わせて積層体としても好適に用いられる。積層
体の製造方法としては、特に限定はない。例えば、分散
液を乾燥しフィルム化(キャスト製膜などの方法)した
ものを後から基材に貼合する方法、基材に分散液をコー
ティングする方法などが通常用いられ、特に後者が好ま
しく用いられる。
【0031】コーティング方法としては、ダイレクトグ
ラビア法やリバースグラビア法及びマイクログラビア
法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リ
バースコート法等のロールコーティング法、及びドクタ
ーナイフ法やダイコート法、ディップコート法、バーコ
ーティング法やこれらを組み合わせたコーティング法な
どの方法が挙げられる。
【0032】分散液から形成される層の膜厚は、積層体
を使用する目的により選択すればよく特に制限はない
が、通常、乾燥厚みで30μm以下が好ましく、10μ
m以下がより好ましい。1μm以下では分散液から形成
される層の透明性が著しく高いという長所も合わせもつ
ため、透明性の必要な用途にはさらに好ましい。下限に
ついては特に制限はないが、ガスバリア性などの効果を
得るためには1nm以上、さらには10nm以上、特に
100nm以上であることが好ましい。
【0033】本発明に用いられる基材は、特に限定され
ず、フィルム状、シート状、ボトル状、トレイ状など特
に形態に制限はない。その材質としては、樹脂、紙、ア
ルミ箔、木材、布、不織布等の公知ないし一般的なもの
を目的・用途に応じて使用することができる。特にフィ
ルム状である場合、無延伸である以外に、1軸、2軸に
延伸されていてもよい。もちろん公知の下塗りやコロナ
処理などがされていてもよく、これら表面処理は発明の
効果を損ねない範囲でフィルム状のみならずそれ以外の
形態の基材についてなされていてもよい。
【0034】基材を構成する樹脂としては、ポリエチレ
ン(低密度、高密度)、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共
重合体、エチレン−オクテン共重合体、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル
メタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオ
レフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン一6、ナイ
ロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重
合体、ポリメチルメタクリルイミド等のアミド系樹脂;
ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアク
リロニトリル等のスチレンないしアクリロニトリル系樹
脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等の疎水化
セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン(テフロン)等のハロゲン含有樹脂;ポリビニルアル
コール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロ
ース誘導体等の水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシ
ド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、液晶樹脂等のエン
ジニアリングプラスチック系樹脂等が挙げられる。
【0035】本発明の分散液を製膜あるいは積層化して
得られる積層体は、種々の用途に用いられる。例えば、
荷電粒子に無機層状化合物を用いた場合、その複屈折を
利用した位相差フィルムや層状構造による低分子拡散遅
延効果を利用した気体・低分子拡散遮断性フィルム・成
型品、などに用いることができる。気体遮断性フィルム
として食品・医薬品の包装用途に用いる場合、このフィ
ルムに対して印刷や他のフィルムを更に積層することに
よって成型品として用いることができる。
【0036】気体・低分子遮断性フィルム・成型品とし
て本発明を用いる場合には、以下に記載のアスペクト比
の大きい無機層状化合物を荷電粒子として用いることが
好適である。
【0037】かかる無機層状化合物は、ガスバリア性の
発現、コスト等から、「アスペクト比」が50以上50
00以下のものがよく用いられる。ガスバリア性の点か
らは、このアスペクト比は100以上が好まし、200
以上がより好ましく、500以上であることが特に好ま
しい。アスペクト比が5000を越える無機層状化合物
を得ることは技術的に難しく、またコストも高価なもの
となる。製造容易性の点からは、このアスペクト比は2
000以下が入手し易く、1500以下がより入手し易
い。ガスバリア性および製造容易性のバランスの点から
は、このアスペクト比は200〜3000の範囲である
ことが好ましい。
【0038】無機層状化合物の粒径は、製膜性ないし成
形性の点で、前述の方法により測定された粒径が5μm
以下であることが好ましい。透明性の点からは、この粒
径は3μm以下であることが更に好ましい。透明性が重
視される用途(例えば、食品の包装用途)に用いる場合
には、この粒径は2μm以下であることが、特に好まし
い。
【0039】本発明の積層体は、無機層状化合物を用い
た分散液をコーティングしてなる場合に、酸素遮断性を
有するが、23℃、50%RH下での酸素透過度は通
常、5cc/m2 ・day・atm以下であり、1cc
/m2 ・day・atm以下であることが好ましく、
0.1cc/m2 ・day・atm以下であることがよ
り好ましく、さらに0.05cc/m2 ・day・at
m以下であることがより好ましく、特に0.02cc/
2 ・day・atm以下であることがより好ましい。
上記積層体は酸素遮断性に優れているのみならず、その
他の気体分子、例えば、ヘリウム、窒素、炭酸ガス、
水、リモネン、メントールなど低分子の香気成分などの
遮断性にも著しく優れている。
【0040】本発明の積層体は、基材が透明材料である
場合は透明性を有することが好ましい。この透明性は、
波長500nmの全光線透過率で、80%以上であるこ
とが好ましく、85%以上であることがより好ましく、
90%以上であることが特に好ましい。このような透明
性は、例えば、市販の分光光度計(日立製作所製、自記
分光光度計330型)で好適に測定することが可能であ
る。また、曇度(HAZE)については25%以下が好
ましく、さらには20%以下、特に15%以下が好まし
く、市販のヘーズメーター(スガ試験機製等)が測定に
用いられる。
【0041】本発明の分散液には本発明の目的・効果を
損じない範囲で必要に応じて、消泡剤、着色剤、防腐
剤、架橋剤、酸化防止剤、界面活性剤など種々の添加剤
をを用いることができる。
【0042】本発明において耐候性向上等の点で用いら
れる架橋剤は特に限定されないが、該架橋剤の好適な例
としては、チタン系カップリング剤、シラン系カップリ
ング剤、メラミン系カップリング剤、エポキシ系カップ
リング剤、イソシアネート系カップリング剤、銅化合
物、ジルコニア化合物等が挙げられる。耐水性向上の点
からは、ジルコニア化合物が特に好ましく用いられる。
ジルコニア化合物の具体例としては、例えば、オキシ
塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、四塩
化ジルコニウム、臭化ジルコニウム等のハロゲン化ジル
コニウム;硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウ
ム、硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジルコニウム塩;蟻酸
ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコ
ニウム、カプリル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコ
ニウム等の有機酸のジルコニウム塩;炭酸ジルコニウム
アンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジル
コニウムアンモニウム、蓚酸ジルコニウムナトリウム、
クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウ
ムアンモニウム等のジルコニウム錯塩;等があげられ
る。 架橋剤の添加量は特に限定されないが、架橋剤の
架橋生成基のモル数(CN)と樹脂の水素結合性基のモ
ル数(HN)との比(K=CN/HN)が、0.001
以上10以下の範囲になるように用いることが好まし
い。このモル数の比Kは、0.01以上1以下の範囲で
あることが更に好ましい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、濾過適性、ブレード適
性などに優れた荷電粒子を含有する樹脂水性分散液を得
ることができ、工業的生産において極めて有利である。
また、例えば、本発明の分散液を基材フィルム上にコー
ティングすることにより酸素遮断性、透明性に優れたフ
ィルムを得ることができる。このフィルムは積層して酸
素遮断性の要求される食品、医薬品などの包装用途等の
種々の用途に供される。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 [フィルム透明性]分光光度計(日立製作所製、自記分
光光度計330型)にて波長500nmでの全光線透過
率を測定した。曇度(HAZE)についてはヘーズメー
ター(スガ試験機製)を用い測定した。
【0045】[酸素透過度]酸素透過度測定装置(OX
−TRAN 10/50A, MOCON社製)、温度2
3℃、Dry条件で測定した。
【0046】〔濾過適性評価実験方法〕濾過適性の評価
には以下に示す方法を用いた。加圧濾過が可能なタンク
付ホルダー(KST−142;アドバンテック東洋
(株)製、タンク容量1.5L)のアウトレットホース
ノズルに、ポリエステル不織布(T−NO.380T;
NBC工業(株)製、オープニング32μm)をフィル
ターとして挟んだディスクフィルターホルダー(PP−
25;アドバンテック東洋(株)製)を接続した装置系
を用いる。評価する液を1.5Lタンクに入れ、圧縮空
気によって2.0kgf/cm 2 に加圧して濾過を行なう。フィ
ルターが詰まり液が流れず滴下している状態になるまで
に濾過された液の量を計り、その量が多いほど濾過適性
に優れていると判定した。1.5L全て濾過されたとき
は、その液はこの装置で測定不能なほど濾過適性に優れ
ているということになる。
【0047】〔ブレード適性評価実験〕ブレード適性の
評価には以下に示す方法を用いた。マイクログラビアコ
ーターにグラビアメッシュのないR0ロールを設置し、
評価する液に浸して120rpmで回転させ、そのロー
ルにプラスチックブレードE1000S((株)イーエ
ルジャパン製、素材厚1mm、刃先厚0.22mm)を
幅300mmで圧力3.0kgf/cm2 以上で当てて
1時間そのまま回転させる。1時間後ブレードとロール
の間に剪断によりゲルが発生しているため、これを掻き
とって乾燥させたゲルの重量を測定した。ゲルの量が少
ないほどブレード適性に優れている液である。
【0048】(実施例1)荷電粒子として高純度モンモ
リロナイト(商品名クニピアG;クニミネ工業(株)
製)を、樹脂としてポリビニルアルコール(PVA11
7H;( 株) クラレ製,ケン化度; 99.6モル%,重
合度1700)を、溶剤に1−ブタノールを用いた。水
を1410gはかり、分散釜(商品名デスパMH−L、
浅田鉄工(株)製)に入れ、低速撹拌下、ポリビニルア
ルコール50gを加えた後、撹拌速度を上げ(1500
rpm、周速度4.10m/秒)、昇温開始し95℃に達し
たらその温度で1時間撹拌を行なって完全に溶解させ
た。撹拌したまま60℃に温度を下げた後、1−ブタノ
ール15gを滴下して加えて最終的な溶剤分率が重量に
して1%となるようにし、その後高純度モンモリロナイ
ト25gを加えた。高純度モンモリロナイトが液中にほ
ぼ沈んだことを確認後、高速撹拌(3100rpm、周
速度8.47m/秒)を90分間行い、分散終了後、濾過適
性評価などを行った。結果は第1表、第2表に示すとお
り濾過適性、ブレード適性に優れたものであった。
【0049】(実施例2〜5)荷電粒子、樹脂、溶剤、
分散条件、配合順序などを第1表に示したものとした以
外は、実施例1と同様にして分散試験を行った。結果は
第1表、第2表に示すとおり優れたものであった。
【0050】(比較例1〜2)荷電粒子、樹脂、溶剤、
分散条件、配合順序などを第1表に示したものとした以
外は、実施例1と同様にして分散試験を行った。結果は
第1表、第2表に示すとおり劣ったものであった。
【0051】(実施例6)実施例2の分散液を厚さ20
μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(内面コロナ処
理品 商品名FOK;二村三昌( 株) 製)を基材とし
て、マイクログラビアコーターを用いライン速度6m/
分、乾燥温度100℃で膜厚0.6μm となるように塗
布・乾燥し積層体を得た。積層体の酸素透過度は0.0
5cc/m2・day・atmと優れたものであった。
またこうして得た積層体に無延伸ポリプロピレンフィル
ム(内面コロナ処理品 商品名パイレンP−1153;
東洋紡績( 株) 製)を市販の接着剤を用いてドライラミ
ネートしたところ、全光線透過率が92%、HAZEが
10%の透明性良好な積層体が得られた。
【0052】
【表1】 KG:高純度モンモリロナイト(商品名クニピアG;クニミネ工業(株) 製) 117H:ポリビニルアルコール(PVA117H;( 株)クラレ製,ケン 化度;99.6モル%, 重合度17 00) EtOH:エタノール IPA :2−プロパノール BuOH:1−ブタノール 配合順序A: 樹脂 → 溶剤 → 荷電粒子の順で水に添加 配合順序B: 樹脂 → 荷電粒子→溶剤の順で水に添加 配合順序C: 樹脂 → 荷電粒子の順で水に添加
【0053】
【表2】 目視評価:ブレード適性評価実験にてロール、ブレード
に発生したゲルの量、ロールに発生したスジを目視で評
価。 ○:ゲル少なく、コーティングに問題無し。 ×:ゲル多く、フィルムのコーティング面にスジ、ゲル
発生の恐れ有り。 ゲル重量測定:ブレード適性評価実験にて、ブレードの
ゲルをかきとり、乾燥して重量測定。
【0054】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、無機層状化合物のX線回折ピークと、
該化合物の「単位厚みa」との関係を模式的に示すグラ
フである。
【図2】図2は、無機層状化合物を含む樹脂組成物のX
線回折ピークと、該組成物の「面間隔d」との関係を模
式的に示すグラフである。
【図3】図3は、「面間隔d」に対応するピークがハロ
ー(ないしバックグラウンド)と重なって検出すること
が困難な場合における樹脂組成物のX線回折ピークと、
該組成物の「面間隔d」との関係を模式的に示すグラフ
である。この図においては、2θdより低角側のベース
ラインを除いた部分の面積を、「面間隔d」に対応する
ピークとしている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 129/04 PFM C09D 129/04 PFM // B65D 25/34 B65D 25/34 B C08J 7/04 C08J 7/04 A C08L 29:04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂の水溶液または樹脂の水分散液に、溶
    剤および荷電粒子を溶剤、荷電粒子の順序で或いは荷電
    粒子、溶剤の順序で加えてなる荷電粒子分散液。
  2. 【請求項2】樹脂の水溶液または樹脂の水分散液に、溶
    剤および荷電粒子を溶剤、荷電粒子の順序で或いは荷電
    粒子、溶剤の順序で加えることを特徴とする荷電粒子分
    散液の製造法。
  3. 【請求項3】樹脂がポリビニルアルコールである請求項
    1記載の荷電粒子分散液。
  4. 【請求項4】荷電粒子が、アスペクト比が50以上50
    00以下の無機層状化合物である請求項1または3記載
    の荷電粒子分散液。
  5. 【請求項5】溶剤が、炭素数1から8個のアルコールで
    ある請求項1、3または4記載の荷電粒子分散液。
  6. 【請求項6】請求項1、3、4または5記載の荷電粒子
    分散液を塗布、乾燥し製膜することからなる成形品。
  7. 【請求項7】請求項1、3、4または5記載の荷電粒子
    分散液を基材にコーティングしてなる積層体。
  8. 【請求項8】請求項6記載の成形品または請求項7記載
    の積層体の包装用途への利用。
  9. 【請求項9】請求項6記載の成形品または請求項7記載
    の積層体の液晶表示用途への利用。
  10. 【請求項10】請求項6記載の成形品または請求項7記
    載の積層体の施設園芸用途への利用。
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