JPH09313133A - 水産練り製品の品質改良剤、及びそれを含有する冷凍魚肉すり身並びに水産練り製品 - Google Patents

水産練り製品の品質改良剤、及びそれを含有する冷凍魚肉すり身並びに水産練り製品

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JPH09313133A
JPH09313133A JP8137912A JP13791296A JPH09313133A JP H09313133 A JPH09313133 A JP H09313133A JP 8137912 A JP8137912 A JP 8137912A JP 13791296 A JP13791296 A JP 13791296A JP H09313133 A JPH09313133 A JP H09313133A
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Akitoshi Morishita
昭寿 森下
Jun Kobori
純 小堀
Tokijirou Inaoka
説二郎 稲岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水産練り製品のゲル形成能を著しく強化する
効果、およびそれに付随して得られる足の向上が得ら
れ、冷凍変性抑制能の著しい向上、保存性の向上、さら
には白度向上、褐色防止、老化防止、作業性の向上も得
られる品質改良剤を提供する。 【解決手段】 ジグリセリンジ脂肪酸エステルを水産練
り製品の品質改良剤として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水産練り製品の品質
改良剤に関し、更に詳しくは、ジグリセリンジ脂肪酸エ
ステルからなることを特徴とする水産練り製品の品質改
良剤、及びそれを含有する冷凍魚肉すり身並びに水産練
り製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ちく
わ、かまぼこ、なると、さつまあげ、魚肉ソーセージ、
はんぺん等に代表される水産練り製品は、日本人が古来
から親しんできた食品の一つであり、また、魚肉蛋白が
有効利用されている需要の高い食品の一つである。水産
練り製品の基本的な製法としては、魚肉に2〜3%の食
塩を加えて、すり潰し、肉糊(すり身)を作製する。こ
れは食塩の塩溶効果によって筋原繊維が解膠し、その主
要構成蛋白質であるアクトミオシンが系の中に分散し
て、強く水を引きつけるためである。このように蛋白質
の塩溶効果によってゾル化したすり身を加熱し、ゾルか
らゲルへ転位させることによって水産練り製品は製造さ
れる。水産練り製品の最大の品質要素はそのゲル形成能
によって作られる歯切れの良さであり、通常「足」と呼
ばれている。この足をもたせるために、原料の魚種の選
定および様々な製造技術が確立されている。
【0003】例えば、魚種によってそのすり身のゲル形
成能力が異なること、また、漁獲後のゲル形成能の低下
が魚種によって異なることが知られている。また、製造
技術としては、ゲル形成能を低下させる筋形質蛋白質や
血液等の不純物を除去するために通常「水晒し」といわ
れる工程が行われる。また、近年のスケトウダラに代表
される冷凍すり身技術の発達により、水産練り製品の製
造も近代工業的に発達した。この場合も、そのゲル形成
能を高めるため通常強い水晒しが行われている。また、
冷凍すり身の貯蔵中の品質低下も研究されており、スケ
トウダラのすり身のゲル形成能の低下防止の貯蔵限界温
度は−20℃とされているが、そのような低温下で貯蔵し
ても若干のゲル形成能の低下は避けられない。そのた
め、糖類を代表とする筋原繊維蛋白質の冷凍変性抑制剤
が使用されている。これらは、糖類の他にアミノ酸、カ
ルボン酸等がある。他に、足の増強剤としては重合リン
酸塩が多く使用されている。その他の増強剤および品質
改良剤としては、魚種や製造条件によってその有効性は
異なるが、アルカリ類、ブロム酸カリ、ゼラチン、卵
白、澱粉、塩化カルシウム、モノグリセライド、ショ糖
脂肪酸エステル等が使用されている。以上のような水産
練り製品の最大の品質要素であるゲル形成能の向上のた
めの技術として、水晒しと冷凍変性抑制剤およびゲル化
増強剤に大別されるが、水晒しでは筋形質蛋白質の除去
と共に魚肉のうまみ成分であるエキス成分や油脂分も除
去されてしまうという欠点をもつ。また、冷凍変性抑制
剤やゲル化増強剤においても完全な品質劣化の防止、良
好な保存性を得るための製造方法が、まだ確立されてい
るとはいえない。また、水産練り製品の品質改良剤とし
て、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル(特開平7−3934
6 号公報、特開平8−70823 号公報)が知られている
が、特に冷凍すり身の冷凍保存時における経時的な品質
保持には満足できる効果はない。以上のような、水産練
り製品の現状の問題、すなわち、魚種による品質の違い
や品質低下の違い、あるいは製造上の品質向上維持技術
に完全なものがなく、抜本的解決方法が期待されてき
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、水産練り製品のゲル
形成能を著しく強化する効果、およびそれに付随して得
られる足の向上が得られ、冷凍変性抑制能の著しい向
上、保存性の向上、さらには白度向上、褐色防止、老化
防止、作業性の向上も得られる品質改良剤を見出し、本
発明を完成するに至った。即ち本発明は、ジグリセリン
ジ脂肪酸エステルからなる水産練り製品の品質改良剤、
及びそれを含有する冷凍魚肉すり身ならびに水産練り製
品である。上記の効果は、冷凍スケトウダラすり身を利
用した水産練り製品に限定されるものではなく、全ての
魚介類を含む水産物を原料とする水産練り製品に使用が
可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられるジグリセリンジ脂肪酸エステ
ルは、ジグリセリンの一方のグリセリンの二つの水酸基
が脂肪酸によりエステル化されてなる構造のジグリセリ
ンジ脂肪酸エステルに比べ、ジグリセリンの一つの末端
の水酸基もしくはそれに隣接する水酸基のいずれか一
方、及び他の一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接す
る水酸基のいずれか一方が脂肪酸によりエステル化され
た構造を有するジグリセリンジ脂肪酸エステルを80重量
%以上含有するような、特定の構造を有するジグリセリ
ンジ脂肪酸エステルを高濃度で含有するジグリセリンジ
脂肪酸エステル組成物が好ましく、この特定のジグリセ
リンジ脂肪酸エステルを高濃度で含有するジグリセリン
ジ脂肪酸エステル組成物、特に下記式(I)〜(III)で
表示されるような構造のジグリセリンジ脂肪酸エステル
を含有するジグリセリン脂肪酸エステル組成物を魚肉す
り身に添加することにより、ゲル形成能を著しく強化す
る効果および足の向上効果が認められた。
【0006】
【化1】
【0007】(式中、R1〜R5はそれぞれ独立に炭素数10
〜24のアシル基を表す。) 有効添加量は、後記する魚肉すり身原料 100重量部に対
して0.01重量部以上、好ましくは0.01〜5重量部、更に
好ましくは 0.1〜1重量部である。ここに挙げたジグリ
セリンジ脂肪酸エステルは、ジグリセリンジ脂肪酸エス
テル組成物として使用できる。また、水、糖、塩、油脂
の何れか一つ以上に溶解もしくは分散あるいは混合させ
てなる組成物として使用でき、水中油型等の乳化油脂組
成物としても使用できる。例えば、上記組成物が水に分
散した形態、上記組成物と糖あるいは塩が水に分散ある
いは溶解した形態、上記組成物を食用油脂に溶解又は分
散させてなる形態、上記組成物と糖、塩、油脂などの粉
末状にしたものを混合した形態などを挙げることができ
る。
【0008】上記形態の組成物の調製に用いる糖として
は、例えば、砂糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、果糖、ガ
ラクトース、水飴、異性化糖、転化糖、プルランなどの
糖類、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなど
の糖アルコール類、澱粉加水分解物などの還元糖類、及
び澱粉、デキストラン、グリコーゲン、セルロース、デ
キストリン、イヌリン、ガラクタン、キチン、アルギン
酸、ペクチンなどの多糖類を挙げることができる。特
に、冷凍魚肉すり身に本発明の品質改良剤を添加する場
合、公知の冷凍変性抑制剤である砂糖、ソルビトール等
との組成物を使用することによってその品質向上効果お
よび冷凍変性抑制効果は顕著に向上する。ここで、糖の
配合比としては、ジグリセリンジ脂肪酸エステル1重量
部に対して0.01〜100 重量部、特に0.1 〜10重量部が好
ましい。
【0009】上記形態の組成物の調製に用いる塩として
は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、あるいはピロリ
ン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム等の重合リン酸
塩など、通常の魚肉すり身を製造するときに用いる塩類
および、ゲル化増強剤として用いる塩類が利用できる。
【0010】上記形態の組成物の調製に用いる油脂とし
ては、従来から水産練り製品に用いられた食用油脂類で
よく、ラード、牛脂、ナタネ油、大豆油、コーン油、サ
フラワー油、オリーブ油、綿実油、胡麻油、ハイエルシ
ンナタネ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、乳脂及び
これらの硬化油、分別油、ランダム化油などから選ばれ
た一種以上の油脂を挙げることができる。
【0011】乳化油脂組成物は、常法に従い調製するこ
とができる。その際必要により、乳化剤を使用すること
ができる。乳化剤としては、例えば、モノグリセリン脂
肪酸エステル、レシチン、しょ糖脂肪酸エステル、有機
酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを挙
げることができる。例えば、乳化油脂組成物の場合は、
油相部には親油性の乳化剤が、また水相部には親水性の
乳化剤が一種または二種以上を使用できる。親油性の乳
化剤は、通常食用油脂100 重量部に対して、 0.1〜50重
量部(好ましくは 0.5〜10重量部)、親水性の乳化剤
は、水 100重量部に対して、 0.1〜20重量部(好ましく
は、1〜10重量部)使用される。
【0012】本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステルお
よびジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物は、化学的反
応、酵素反応による合成法を利用して製造することがで
きるが、酵素反応による合成法は、前記特定の構造のジ
グリセリンジ脂肪酸エステルが高濃度で効率良く得られ
るという利点がある。化学的合成法を利用する場合に
は、本発明のジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物は、
ジグリセリンと脂肪酸又は脂肪酸の低級アルキルエステ
ルとを、生成する水又は低級アルコールを系外に除去し
ながら反応させ、次いで得られた反応生成物から未反応
生成物質を蒸留除去することにより、得ることができ
る。また更に、得られたジグリセリンジ脂肪酸エステル
をクロマトグラフィーなどの分離、分画方法を利用して
精製することで、特定の構造を有するジグリセリンジ脂
肪酸エステルを得ることができる。また、酵素反応によ
る合成法を利用する場合には、本発明のジグリセリンジ
脂肪酸エステル組成物は、ジグリセリンと脂肪酸又は脂
肪酸の低級アルキルエステルとを、グリセリンのα位を
選択的にエステル化する酵素(固定化リパーゼ、あるい
は菌体内リパーゼ)の存在下で生成する水又は低級アル
コールを系外に除去しながら反応させ、得られた反応生
成物から酵素を除いた後、次いで未反応物質を蒸留除去
することにより、得ることができる。また更に、得られ
たジグリセリンジ脂肪酸エステルをクロマトグラフィー
などの分離、分画方法を利用して精製することで、特定
の構造を有するジグリセリンジ脂肪酸エステルを高濃度
で含有したジグリセリンジ脂肪酸エステルを得ることが
できる。
【0013】本発明で用いるジグリセリンジ脂肪酸エス
テルの脂肪酸は特に限定されるものでなく、通常食用に
用いられるものであれば良く、飽和脂肪酸あるいは不飽
和脂肪酸のどちらでも良い。
【0014】本発明の品質改良剤は、魚介類のすり身を
用いて製造する水産練り製品、すなわち、ちくわ、かま
ぼこ、なると、さつまあげ、魚肉ソーセージ、はんぺん
などの製品において顕著な効果を示す。ここで、「水産
練り製品」とは、魚介類から採られた魚肉を食塩ととも
にすりつぶし、これに、調味料、澱粉、糖類、卵白など
の副原料を加えて加熱して製造するものを言う。勿論、
副原料の配合や加熱方法の違いを問わない。
【0015】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例を記載し、本発
明を更に具体的に説明する。なお、「%」は重量%を表
す。 実施例1 (ジグリセリンジステアリン酸エステルの調製)ステア
リン酸 100重量部を70℃で溶解し、これにムコール・ミ
ーハイ由来のリパーゼを陰イオン交換樹脂に固定した固
定化リパーゼ製剤(商品名:Lipozyme,IM20、NO
VO社製)10重量部と直鎖型ジグリセリン29重量部を加
え、減圧(2Torr)下、70℃で4時間反応させた。反応
生成物から濾過によって固定化酵素を除いた後、薄膜式
連続蒸留装置によって未反応の脂肪酸、ジグリセリンと
モノエステルを除去した。更にシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーによってトリエステルを除去し、ジグリセ
リン−1,6 −ジステアレート(約50%)、ジグリセリン
−1,5 −ジステアレート(約45%)、及びジグリセリン
−2,5 −ジステアレート(約5%)の混合物を得た。 (改良剤の調製)上記で得たジグリセリンジステアリン
酸エステル混合物20重量部、ショ糖脂肪酸エステル(商
品名:S1170S、三菱化学(株)製)1重量部、及
び水79重量部を70℃でディスパーサーで分散し、改良剤
の分散液Aを得た。
【0016】実施例2 (ジグリセリンジラウリル酸エステルの調製)実施例1
におけるジグリセリンジステアリン酸エステルの調製に
おいて、ステアリン酸の代わりにラウリン酸を用い、直
鎖型ジグリセリンを41重量部、反応温度を50℃としたこ
と以外は同様にして、ジグリセリン−1,6 −ジラウレー
ト(約51%)、ジグリセリン−1,5 −ジラウレート(約
46%)、及びジグリセリン−2,5 −ジラウレート(約3
%)の混合物を得た。 (改良剤の調製)上記実施例1において、ジグリセリン
ジステアリン酸エステル混合物の代わりに上記で得たジ
グリセリンジラウリン酸エステル混合物を用いること以
外は実施例1と同様にして改良剤の分散液Bを得た。
【0017】実施例3 (ジグリセリンジベヘン酸エステルの調製)実施例1に
おけるジグリセリンジステアリン酸エステルにおいて、
ステアリン酸の代わりにベヘン酸を用い、直鎖型ジグリ
セリンを24重量部、反応温度を80℃としたこと以外は同
様にして、ジグリセリン−1,6 −ジベヘネート(約49
%)、ジグリセリン−1,5 −ジベヘネート(約42%) 、
及びジグリセリン−2,5 −ジベヘネート(約9%) の混
合物を得た。 (改良剤の調製)上記実施例1において、ジグリセリン
ジステアリン酸エステル混合物の代わりにジグリセリン
ジベヘン酸エステル混合物を用いること以外は実施例1
と同様にして改良剤の分散液Cを得た。
【0018】実施例4 (ジグリセリンジオレイン酸エステルの調製)実施例1
におけるジグリセリンジステアリン酸エステルにおい
て、ステアリン酸の代わりにオレイン酸を用い、直鎖型
ジグリセリンを30重量部、反応温度を50℃としたこと以
外は同様にして、ジグリセリン−1,6 −ジオレート(約
50%)、ジグリセリン−1,5 −ジオレート(約46%)、
及びジグリセリン−2,5 −ジベヘネート(約4%) の混
合物を得た。 (改良剤の調製)上記実施例1において、ジグリセリン
ジステアリン酸エステル混合物の代わりにジグリセリン
ジオレイン酸エステル混合物を用いること以外は実施例
1と同様にして改良剤の分散液Dを得た。
【0019】実施例5 (油脂中に溶解又は分散された形態の改良剤組成物の調
製)実施例1で用いたジグリセリンジステアリン酸エス
テル組成物10重量部、ラード90重量部を70℃に加熱し、
溶解させて、均一化した。その後、冷却混練し、本発明
に従う改良剤組成物Eを得た。
【0020】実施例6 (水中油型乳化油脂組成物の調製)実施例1で得たジグ
リセリンジステアリン酸エステル混合物12重量部、グリ
セリンジオレイン酸エステル7重量部、菜種白絞油15重
量部を混合し、80℃にて加熱、溶解、分散させて油性液
を調製した(油相部)。一方、D−ソルビット液(70
%)40重量部、水23重量部、及びショ糖脂肪酸エステル
(商品名:S1170S、三菱化学(株)製)3重量部
を60℃で混合して水性液を調製した(水相部)。上記油
性液に水性液を添加しながら70℃でディスパーサーにて
乳化し、本発明に伴う水中油型乳化油脂組成物Fを得
た。
【0021】実施例7 (糖との混合組成物)実施例1で得たジグリセリンジス
テアリン酸エステル混合物10重量部、ショ糖溶液(70
%)89重量部、しょ糖脂肪酸エステル(商品名:S11
70S、三菱化学(株)製)1重量部を70℃でディスパ
ーサーにて分散し、改良剤の分散液Gを得た。
【0022】比較例1 改良剤の分散液Aにおいて、ジグリセリンジステアリン
酸エステル混合物の代わりにグリセリンモノステアリン
酸エステル(商品名:エキセルT−95、花王(株)
製)を用いる以外は実施例1と同様にして比較用改良剤
の分散液Hを得た。
【0023】比較例2 改良剤の分散液Aにおいて、ジグリセリンジステアリン
酸エステル混合物の代わりにジグリセリンモノステアリ
ン酸エステルを用いる以外は実施例1と同様にして比較
用改良剤の分散液Iを得た。
【0024】〔改良剤をスケソウダラ冷凍すり身に使用
した場合の評価〕漁獲当日のスケトウダラの魚肉を常法
により水晒しを行い、その魚肉 100重量部に対してしょ
糖5重量部、ポリリン酸ナトリウム 0.3重量部、各改良
剤 0.5重量部を加えてらいかいを行ない、すり身を作製
した。そのすり身を−20℃に急速凍結して、スケトウダ
ラ冷凍すり身を作製した。凍結した冷凍すり身を製造直
後、6ケ月後、12ケ月後に解凍し、そのすり身 100重量
部に対して、澱粉5重量部、食塩3重量部を加えてらい
かいし、折径45〜50mmの塩化ビニリデンフィルムに充填
し、90℃の湯浴中で30分間加熱してゲル化させた。冷却
後スライスして10mmの厚さの試片にして、レオメーター
にて引っ張り試験を行い、ゲル強度の変化を見た。又、
20名の専門パネラーにより、食感(足、なめらかさ)、
外観(白度)、経時的な固さの変化により老化防止性を
評価した。結果を、改良剤の無添加品(比較例3)と併
せて表1〜3に示す。
【0025】評価基準は以下の通りである。 足 A;非常に足が強い B;やや足が強い C;通常の足の強さである D;足が弱い なめらかさ A;非常になめらかである B;ややなめらかである C;通常のなめらかさである D;ボソボソしている 外観(白度) A;全く色の変化がなく、極めて白い B;わずかに色の変化が感じられる C;やや色の変化が感じられる D;かなり色の変化が感じられる 老化防止性(固さ変化) 5℃保存にて3日後 A;全く固くなっているとは感じられない B;わずかに固くなっていると感じる C;やや固くなっていると感じる D;かなり固くなっていると感じる
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】〔改良剤をかまぼこに使用した場合の評
価〕 実施例8、比較例4 シログチの魚肉を常法により水晒しを行い、その魚肉 1
00重量部に対して食塩2.5 重量部、澱粉3重量部、砂糖
10重量部、グルタミン酸ソーダ1重量部、みりん3重量
部、卵白1重量部、及び本発明の品質改良剤の分散液A
1重量部を加えてらいかいを行ない、すり身を調製し
た。そのすり身を板上に成型し、90℃の蒸気にて20分間
加熱し、かまぼこを作製した(実施例8)。また、分散
液Aを添加しない以外は実施例8と同様に作製したかま
ぼこを比較例4とした。
【0030】〔改良剤をちくわに使用した場合の評価〕 実施例9、比較例5 エゾの魚肉を常法により水晒しを行い、その魚肉 100重
量部に対して食塩3重量部、澱粉7重量部、砂糖7重量
部、グルタミン酸ソーダ1重量部、みりん5重量部、卵
白1重量部、及び本発明の品質改良剤の分散液D1重量
部を加えてらいかいを行ない、すり身を調製した。その
すり身を鉄棒に成型し、焙焼してちくわを作製した(実
施例9)。また、分散液Dを添加しない以外は実施例9
と同様に作製したちくわを比較例5とした。
【0031】〔改良剤を薩摩揚げに使用した場合の評
価〕 実施例10、比較例6 前記実施例8のかまぼこを作製するときと同様にすり身
を調製し、そのすり身70重量部に対して、薄切りした人
参15重量部、ゴボウ15重量部を混ぜ合わせ、成型後、18
0 ℃のサラダ油にて3分間揚げて薩摩揚げを作製した
(実施例10)。
【0032】また、分散液Aを添加しない以外は実施例
10と同様に作製した薩摩揚げを比較例6とした。
【0033】以上のように作製した製品について、20名
の専門パネラーにより、食感(足、なめらかさ)、及び
風味を評価した。結果を表4に示す。食感の評価基準は
前述と同じであり、風味の評価基準は以下の通りであ
る。 風味 A;極めて良好な風味である B;やや良好な風味である C;通常の風味のよさである D;風味が悪い
【0034】
【表4】
【0035】改良剤を冷凍すり身に使用した場合の評価
結果より、本発明の改良剤を冷凍すり身製造時に添加す
ることにより、経時的なゲル強度の低下を防止でき、ま
た、足の維持、特になめらかさの向上と維持に効果のあ
ることがわかる。また、白度の維持及び柔らかさの維持
にも効果があり、褐変化や老化を防止できる。改良剤を
かまぼこ、ちくわ、薩摩揚げに使用した場合の評価結果
より、本発明の改良剤を用いることにより、従来の水産
練り製品に比べて、食感、風味共に良くなることがわか
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジグリセリンジ脂肪酸エステルからなる
    水産練り製品の品質改良剤。
  2. 【請求項2】 ジグリセリンジ脂肪酸エステルが、ジグ
    リセリンの一つの末端の水酸基もしくはそれに隣接する
    水酸基のいずれか一方、及び他の一つの末端の水酸基も
    しくはそれに隣接する水酸基のいずれか一方が脂肪酸に
    よりエステル化された構造を有するジグリセリンジ脂肪
    酸エステルを80重量%以上含有するジグリセリンジ脂肪
    酸エステル組成物であることを特徴とする請求項1記載
    の水産練り製品の品質改良剤。
  3. 【請求項3】 ジグリセリンジ脂肪酸エステルが、ジグ
    リセリン−1,6 −ジ脂肪酸エステルを45重量%以上含有
    するジグリセリンジ脂肪酸エステル組成物であることを
    特徴とする請求項1記載の水産練り製品の品質改良剤。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のジグリセリンジ脂肪酸エ
    ステル組成物が、水、糖、塩、油脂の何れか一つ以上に
    溶解もしくは分散あるいは混合されてなる水産練り製品
    の品質改良剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の品質改
    良剤を含有する冷凍魚肉すり身並びに水産練り製品。
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