JPH09313111A - 大豆蛋白分解物及びその製造方法 - Google Patents
大豆蛋白分解物及びその製造方法Info
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- JPH09313111A JPH09313111A JP9076122A JP7612297A JPH09313111A JP H09313111 A JPH09313111 A JP H09313111A JP 9076122 A JP9076122 A JP 9076122A JP 7612297 A JP7612297 A JP 7612297A JP H09313111 A JPH09313111 A JP H09313111A
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Abstract
ニンが選択的に分解された大豆蛋白質分解物、その製造
方法及びそれを用いた食肉製品並びに飲料を提供するこ
と。 【解決手段】 大豆蛋白に蛋白質分解酵素を作用させて
大豆蛋白質中のβ−コングリシニンを選択的に分解させ
て得られるβ−コングリシニン低含量大豆蛋白質分解
物、及び大豆蛋白に蛋白質分解酵素を50℃を越え90
℃未満、好ましくは55〜85℃より好ましくは60〜
80℃の下で蛋白質分解酵素を作用させることによりβ
−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物を得ることを特
徴とするβ−コングリシニン低含量大豆蛋白質分解物の
製造方法。
Description
構成成分のβ−コングリシニンが選択的に分解されたβ
−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物及びその製造方
法に関し、更にそれを用いた食肉製品並びに飲料の製造
方法にも関する。
くから優れたたん白質給源として利用されてきた。特に
分離大豆たん白は、たん白質含有量が高く且つ乳化性、
ゲル化性、保水性等の様々な機能特性を備えていること
から食品素材として有用であり、食肉製品、水産練り製
品、惣菜、パン、製菓、飲料用素材等に幅広く用いられ
ている。
有する各種の蛋白質から構成されているが、例えば超遠
心の沈降係数の差で分画する方法では、所謂2S、7
S、11S、15S等の蛋白に分けられ、これらの蛋白
は物性においても異なる特徴を有している。
殿して得られる分離大豆蛋白質では、主に7Sグロブリ
ン(主としてβ−コングリシニン)と11Sグロブリン
(主としてグリシニン)から構成されており、各成分は
固有の機能特性を有している。しかし、実際に利用する
上では、これら成分が混在した混合物である為、各成分
の固有機能特性が充分に生かされずにいる。
べく、各成分を分画する多くの試みがなされている。例
えば、ウォルフ等、タン等の実験室的分画法の研究・報
告例や特開昭48─56843号公報、特開昭49─3
1843号公報、特開昭51─86149号公報、特開
昭55─124457号公報、特開昭55─15356
2号公報、特開昭56─64755号公報、特開昭57
─132844号公報、特開昭58─36345号公報
等が提案されている。しかし、これらの方法はいずれも
実験室的方法の域を免れず工業的な分画方法には不適当
である。
では、亜硫酸化合物等の存在下、pH、温度の制御によ
って大豆蛋白成分が工業的な分離方法で分画できる方法
も提案されているが、これもpH、温度の煩雑な制御を
必須としている。一方、プロテアーゼによる酵素分解を
利用した機能改良も多くの検討がなされている。例えば
特公昭48─24262号公報、特公昭55─1028
号公報、特開昭62─232341号公報、特公平4─
14941号公報等であるが、いずれも酵素分解に際
し、大豆蛋白質を予め加熱変性させ分解を促進し、溶解
性や非ゲル化性等の機能の改変に係わるものであって、
大豆蛋白質の特定成分のみを分解するような機能改変の
試みは見あたらない。
ーゼの如き加水分解酵素に対してしばしば難分解性であ
り、大豆蛋白質も同様である。(S.S.Nielse
net.al.,J.Agric.Food Che
m.,36,869(1988))その為に、分解に際
し加熱やアルコール等の蛋白変性の処理を施すことが常
識となっている。
7Sグロブリン(主としてβ−コングリシニン)と11
Sグロブリン(主としてグリシニン)から構成される混
合物であり、外的影響による各成分の変性度合いは両者
で異なることが知られている。例えば、酸性pHに於い
て、11Sグロブリンが7Sグロブリンよりも変性し易
いことが知られている。(I.Koshiyama,
J.Sci.Fd Agric.,23,853(19
72))また、加熱変性温度は7Sグロブリンが11S
グロブリンよりも低く、低い加熱温度で変性が起きるこ
とも知られている。(S.Damodaran,J.A
gric.Food Chem.,36,262(19
88))。
予め過度の加熱やアルコール等の制御しにくい蛋白変性
処理をして分解する為か、大豆蛋白質の特定成分のみを
選択的に分解することができなかった。そこで、大豆蛋
白質の特定成分のみを分解することが出来れば、各成分
が混在した混合物から固有の機能特性を有する大豆蛋白
質が得られ、食品分野への利用拡大ができる。
肉ベーコン、焼豚など、更には食肉フライ製品(とんか
つ、てんぷら)等が例示できる)、特にハム製造には、
製品の保水性、抱脂性、結着性、あるいは硬さや弾力性
といった食感の改良等を目的に大豆たん白をはじめ卵
白、カゼインナトリウム、乳たん白、血液たん白等の結
着材料(たん白素材)とともに食塩、糖類等の調味料、
香辛料、重合リン酸塩等の結着補強剤、亜硝酸塩等の発
色剤、カゼインナトリウム等の乳化安定剤、アスコルビ
ン酸塩等の酸化防止剤、グルタミン酸ナトリウム等の調
味料、ソルビン酸カリ等の保存料、甘味料等を配合した
所謂ピックル液(以下、本発明のピックル液と呼ぶ)を
肉に混合或いは注入する方法が採用されている。しかし
ながら、ピックル液を肉に注入する方法では、たん白素
材の配合量を上げ過ぎるとその粘度が上がる為にインジ
エクターでの肉への注入作業が困難となり、逆に配合量
を下げ過ぎると期待される改良効果が薄れてしまう。
ピックル液に配合されるものの、大豆たん白自体粘度が
高く、配合量に制限があった。その為、粘度上昇抑制等
の観点からプロテアーゼで酵素分解処理をしたものを用
いる方法として特開平5−328939号公報、或いは
特殊な酵素を用いて分解処理を施す特開平6−4679
9号公報が提案されているが、製品の食感、風味、外観
等が優れ、しかも製造時の作業性、例えば粘度が低くピ
ックル液を肉へ注入する作業が容易であるような食肉製
品製造に適した大豆たん白素材がなお切望されているの
が現状である。また、栄養面で優れた大豆たん白質を飲
料用途に用いる際にも、大豆たん白自体粘度が高く、飲
み辛い為に配合量に制限があった。
発明は、大豆蛋白質の主要構成成分のβ−コングリシニ
ンが選択的に分解された大豆蛋白分解物及びその製造方
法を提供することにある。更には、この大豆蛋白分解物
を用いた食肉製品の製造方法並びに飲料の製造方法を提
供することにある。
を解決すべく鋭意研究した結果、特定の温度範囲で大豆
蛋白質の主要構成成分のグリシニンとβ−コングリシニ
ンの変性程度が異なることをに着目し、この温度範囲で
蛋白分解酵素を作用することで、β−コングリシニンが
選択的に分解された大豆蛋白分解物を得ることが可能で
あることを見いだし、更には、この大豆蛋白分解物を用
いることにより食肉製品並びに飲料の製造において、製
品の品質や作業性が向上することを見出し本発明を完成
したものである。
を作用させて大豆蛋白質中のβ−コングリシニンを選択
的に分解されて得られるβ−コングリシニン低含量大豆
蛋白分解物である。
を作用させて大豆蛋白質中のβ−コングリシニンを選択
的に分解されて得られるものであって、グリシニン/β
−コングリシニンの比率が1.5 以上、好ましくは2.5 以
上より好ましくは3.0 以上でトリクロル酢酸可溶性蛋白
質の全蛋白質に対する割合(重量%)が5〜20%であ
るβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物である。
素を50℃を越え90℃未満、好ましくは55〜85℃
より好ましくは60〜80℃の下で蛋白質分解酵素を作
用させることによりβ−コングリシニン低含量大豆蛋白
分解物を得ることを特徴とするβ−コングリシニン低含
量大豆蛋白質分解物の製造方法である。
シニンの比率が1.5以上、好ましくは2.5以上より
好ましくは3.0以上で、トリクロル酢酸可溶たん白質
の全たん白質に対する割合(重量%)が5〜20%であ
るあるβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物を原料
肉に混合または注入してなる食肉製品である。
コングリシニンの比率が1.5以上、好ましくは2.5
以上より好ましくは3.0以上で、トリクロル酢酸可溶
たん白質の全たん白質に対する割合(重量%)が5〜2
0%であるβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物を
含有することを特徴とする飲料である。
大豆蛋白分解物の製造方法について詳述する。β−コン
グリシニン低含量大豆蛋白分解物の製造方法に適用され
る大豆蛋白としては、大豆、大豆蛋白を主体とする全脂
豆乳、脱脂豆乳、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白等であ
り、蛋白変性を伴わない若しくは蛋白変性が軽度である
加工処理を行った大豆蛋白加工品が好ましく、品種、産
地等には限定されない。一般的には、n−ヘキサンを抽
出溶剤として低温抽出処理を行った脱脂大豆が出発原料
として適当であり、特にNSI(窒素可溶係数)が60
以上、好ましくは80以上の低変性脱脂大豆が好まし
い。このような低変性脱脂大豆から水抽出された脱脂豆
乳や濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白が本発明に好適に用い
られる。
質分解酵素を50℃を越え90℃未満、好ましくは55
〜85℃において蛋白質分解活性を有する酵素剤である
ことが必要である。これらは植物や動物臓器或いは微生
物起源の市販酵素剤等その起源は特に限定去れず、パパ
イン、プロメライン、フィシン等が挙げられるが、パパ
インが最も好適に使用される。
大豆蛋白製造工程中、大豆蛋白質に作用させ、50℃を
越え90℃未満、好ましくは55〜85℃より好ましく
は60〜80℃においてβ−コングリシニンの選択的分
解反応を行う。例えば分離大豆蛋白を製造する場合に於
いて、低変性脱脂大豆を水抽出し、水不溶性画分(オカ
ラ)と水溶性画分(豆乳)に分離し、該水溶性画分を等
電点沈殿させ、水不溶性画分(カ−ド)と水溶性画分
(ホエー)に分離して酸沈殿カードを得て、該カードの
水性懸濁液を中和後、55〜85℃より好ましくは60
〜80℃にて分解反応を行う。そして、反応物を殺菌・
乾燥して製造する。あるいは、反応物をグリシニンの等
電点であるpH=6付近で酸沈殿し、遠心分離により、
上清(β−コングリシニンの分解物が主体)と沈殿(未
分解のグリシニンが主体)に分離して、それぞれを中和
・殺菌・乾燥して製造することもできる。
含む水性懸濁液をpH=7に調整し、該水性懸濁液の固
形分に対して、0.001〜0.5%、好ましくは0.
01〜0.1%の範囲で添加し、酵素反応を実施すれば
よい。また反応pHは、一般にpH=4〜9、好ましく
は、pH=5〜8の範囲が良い。また、通常5分〜2時
間、好ましくは、10〜30分程度反応させればよく、
固定化酵素を充填したカラムに通液することで連続処理
も実施できる。そして、必要があれば、分解物に油脂及
び/又は乳化剤を殺菌工程の前または殺菌工程の後、あ
るいは乾燥工程の後に添加することも任意である。
は、SDS−電気泳動法により各成分を分離し、クマシ
ーブルー染色したバンドの濃淡から簡単に調べることが
出来る。本発明によれば、グリシニン/β−コングリシ
ニンの比率が1.5以上、好ましくは2.5以上より好
ましくは3.0以上であり、トリクロル酢酸可溶たん白
質の全たん白質に対する割合(以下 T.C.A. 可溶 N.%と
言う)が、5〜20%好ましくは6〜15%であるβ−
コングリシニン低含量大豆蛋白分解物が簡単に得られ
る。尚、 T.C.A. 可溶 N.%は、0.22Mトリクロル酢
酸可溶たん白質をケルダール窒素を測定する等の方法に
より定量することが出来る。
ン低含量大豆蛋白分解物は、グリシニンの機能特性を生
かした様々な食品素材等に使用される他、大豆蛋白の主
要アレルゲン蛋白であるβ−コングリシニン含量が低下
していることにより、栄養・生理機能にも優れている。
は特に食肉製品の製造並びに飲料の製造において優れた
機能が得られる。食肉製品、特にハム等の製造の際、採
用されているピックル液を原料肉に注入する方法に於い
てβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物の利用で最
も製品の品質改良や作業性の向上が得られ、例えばピッ
クル液中に含有させて用いることができ、ピックル液中
にβ−コングリシニン低含量大豆蛋白質分解を2〜15
重量%、好ましくは4〜10%含有し、必要に応じて他
のたん白素材や通常のピックル液に含まれる食塩、糖
類、重合リン酸塩、亜硝酸塩、調味料等を含むことがで
きる。
ニン/βーコングリシニンの比率が1.5以上好ましく
は2.5以上より好ましくは3.0以上であること、更
にT.C.A. 可溶 N.%が、5〜20%好ましくは6〜15
%であるβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物が挙
げられる。
質分解物は、飲料の製造において優れた機能が得られ
る。例えば、ス─プ等の栄養ドリンク類、スポーツドリ
ンク等の栄養補強飲料類、粉末タイプ飲料類等でβ−コ
ングリシニン低含量大豆蛋白分解を0.1〜20重量
%、好ましくは1〜15%含有し、必要に応じて油脂、
糖類、香料、調味料等や他のたん白素材を含むことがで
きる。このようにして得られる飲料は、栄養バランスが
良く、苦みが少なく、粘度が低く、極めて飲みやすいも
のである。
的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にその
技術範囲が限定されるものではない。
て用いて得られた低変性脱脂大豆(窒素可溶指数;NS
I>80)100gに10倍量の水を加え、室温、pH
=7において1時間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳95
0gを得た。この脱脂豆乳950gに塩酸を加え、pH
=4.5とし、遠心分離してホエー画分を除き酸沈殿カ
ード100gを得た。該酸沈殿カード100gに加水
し、苛性ソーダで中和後、該水性懸濁液の温度を70℃
に調整し、対乾物量当たり0.05%のパパイン(シグ
マ社製)を加え、30分酵素反応を行った。酵素反応物
を苛性ソーダで中和後、140℃,15秒加熱した溶液
を噴霧乾燥し、大豆蛋白質35gを得た(試験区)。対
照として酸沈殿カードの水性懸濁液を苛性ソーダで中和
後、140℃,15秒加熱した溶液を噴霧乾燥したもの
を調製した(対照区)。
グラムをSDS−電気泳動で分離し、クマシーブルー染
色後バンドの濃淡をデンシトメーターで調べた。対照区
と試験区のグリシニン/βーコングリシニンの比率を求
めたところ、表1の結果であり、試験区はほぼ大豆蛋白
中のβ−コングリシニンのみが選択的に分解されてい
た。
沈殿カードに加水し、苛性ソーダで中和後、該水性懸濁
液の温度を60℃に調整し、対乾物量当たり0.05%
のパパイン(シグマ社製)を加え、30分酵素反応を行
った。酵素反応物を苛性ソーダで中和後、140℃,1
5秒加熱した溶液を噴霧乾燥し、大豆蛋白を調製した。
沈殿カードに加水し、苛性ソーダで中和後、該水性懸濁
液の温度を80℃に調整し、対乾物量当たり0.05%
のパパイン(シグマ社製)を加え、30分酵素反応を行
った。酵素反応物を苛性ソーダで中和後、140℃,1
5秒加熱した溶液を噴霧乾燥し、大豆蛋白を調製した。
沈殿カードに加水し、苛性ソーダで中和後、該水性懸濁
液の温度を37℃に調整し、対乾物量当たり0.05%
のパパイン(シグマ社製)を加え、30分酵素反応を行
った。酵素反応物を苛性ソーダで中和後、140℃,1
5秒加熱した溶液を噴霧乾燥し、大豆蛋白を調製した。
沈殿カードに加水し、苛性ソーダで中和後、該水性懸濁
液を予め90℃、30分加熱したものを70℃に調製
し、対乾物量当たり0.05%のパパイン(シグマ社
製)を加え、30分酵素反応を行った。酵素反応物を苛
性ソーダで中和後、140℃,15秒加熱した溶液を噴
霧乾燥し、大豆蛋白を調製した。
比較例2の各サンプル10マイクログラムをSDS−電
気泳動で分離し、クマシーブルー染色後バンドの濃淡を
デンシトメーターで調べた。各サンプルのグリシニン/
βーコングリシニンの比率を求めたところ、表1の結果
であった。比較例1及び比較例2のように、反応温度が
60℃以下ではβ−コングリシニン、グリシニン共に殆
ど分解されず、また分解に先立ち予め過度の加熱変性を
受けたものは、もはやβ−コングリシニンのみならずグ
リシニンの分解も起こり、選択的分解物は得られない。
て用いて得られた低変性脱脂大豆(窒素可溶指数;NS
I>80)10kgに10倍量の水を加え、室温、pH
=7において1時間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳95
kgを得た。この脱脂豆乳95kgに塩酸を加え、pH
=4.5とし、遠心分離してホエー画分を除き酸沈殿カ
ード10kgを得た。該酸沈殿カード10kgに加水
し、カセイソーダで中和後、該水性懸濁液の温度を70
℃に調整し、対乾物量当たり0.1%のパパイン(ナガ
セ生化学工業社製)を加え、30分酵素反応を行った。
酵素反応物を140℃,15秒加熱殺菌した溶液を噴霧
乾燥し、大豆たん白分解物3.5kgを得た。
沈殿カードに加水し、カセイソーダで中和後、該水懸濁
液の温度を50℃に調整し、対乾物量当たり0.1%の
プロチン(商品名,大和化成社製)を加え、30分酵素
反応を行った。酵素反応物を140℃,15秒加熱殺菌
した溶液を噴霧乾燥し、大豆たん白分解物を調製した。
実施例4と比較例3で調製した各大豆たん白分解物のT.
C.A.可溶 N.%及びグリシニン/β−コングリシニンの比
率を以下の表2に示す。
白質分解物を用いて、表3に示す組成でピックル液を調
製した。そしてこのピックル液100重量部を豚ロース
肉100重量部に対してインジェクターで注入し、ロー
タリーマッサージ機で低温下にて15時間タンブリング
(回転攪拌)した後、ケーシングに充填した。65℃で
30分加熱後、乾燥させ75℃で30分スモーク(燻
製)し、78℃で蒸煮し、冷却してハムを調製した。
B型粘度計で測定した。調製したハムの破断荷重は、厚
さ2mmのサンプルをレオナー(株式会社山電製)で測
定し、保水力は調製ハムのサンプル(厚さ5mm)に1
kg/cm2で30分荷重した時に離水した量を元の重量
に対する割合(%)で圧出離水率として表した。また、
ハムの外観及び官能評価を熟練したパネラー5名に5点
評価法(5点良い、4点やや良い、3点普通、2点やや
悪い、1点悪い)で行い、その平均点を採った結果を表
4に示す。
白質分解物を用いて、実施例5と同様に表3に示す組成
でピックル液を調製し、ハムを試作した。物性測定及び
パネラー評価を実施例5と同様に行った結果を表4に示
す。
いたピックル液の粘度は低く、泡消えも良好でインジェ
クターでの注入作業性に優れていた。また、調製された
ハム(実施例5)の破断荷重は高く、圧出離水率が低い
ことから保水性にも優れていた。外観評価ではピックル
液溜まり等が無く好ましいハムであり、官能評価でも咀
嚼感、風味的にも良好であった。一方、比較例3で調製
した大豆たん白質分解物のピックル液は、やや粘度が高
く、泡消えもやや悪かった。調製されたハム(比較例
4)の外観評価では若干のピックル液溜まりがあり、官
能評価でも若干の柔らかさが感じられた。
た大豆たん白分解物を用いて、表5に示す組成で実施例
5と同様にピックル液及びハムを調製した(実施例
6)。また、実施例4の調製工程でパパインの添加量を
0.05%及び0.2%とした以外は実施例4と同様に
して、それぞれ調製した大豆たん白分解物(実施例7;
グリシニン/β−コングリシニン=3.1, T.C.A. 可
溶 N.%=5、実施例8;グリシニン/β−コングリシニ
ン=5.3, T.C.A. 可溶 N.%=14)を用いて、表5
に示す組成で実施例5と同様にピックル液及びハムをそ
れぞれ調製した(実施例7及び8)。物性測定及びパネ
ラー評価を実施例5と同様に行った結果を表6に示す。
た大豆たん白分解物を用いて、表5に示す組成で実施例
5と様にピックル液及びハムを調製した(比較例5)。
また、比較例3の調製工程でプロチンの添加量を0.0
5%及び0.2%とした以外は比較例3と同様にして、
それぞれ調製した大豆たん白分解物(比較例6;グリシ
ニン/β−コングリシニン=1.3, T.C.A. 可溶 N.%
=5、比較例7;グリシニン/β−コングリシニン=
1.4, T.C.A. 可溶 N.%=22)を用いて、表5に示
す組成で実施例5と同様にピックル液及びハムをそれぞ
れ調製した(比較例6及び7)。物性測定及びパネラー
評価を実施例5と同様に行った結果を表7に示す。
泡消えも良好でインジェクターでの注入作業性も良好で
あり、調製されたハムの外観評価、官能評価共に良好で
あった。一方、比較例5〜7のピックル液は粘度が高
く、泡消えも非常に悪い為、インジェクターでの注入作
業が非常に困難であった。調製されたハムの外観評価で
はピックル液の溜まりがあり、官能評価でも脆さが感じ
られた。比較例7のピックル液は若干粘度は低いが、泡
消えは非常に悪い為、インジェクターでの注入作業が非
常に困難であった。更に調製されたハムの外観評価では
ピックル液の溜まりがあり、官能評価では非常に脆さが
感じられた。
した大豆たん白分解物を用いて表8に示す組成でソーセ
ージを調製した。対照例8として、大豆たん白質5.0
%を使用せずにその5%分を主原料(豚肉、豚脂、水)
に比例配分し加算した。
mmのサンプルをレオナー(株式会社山電製)で測定し
た。また、ソーセージの外観及び官能評価を熟練したパ
ネラー5名に5点評価法(5点良い、4点やや良い、3
点普通、2点やや悪い、1点悪い)にて実施し、その平
均点を採った結果を表9に示す。
製した大豆たん白分解物及び比較例3で調製した大豆た
ん白分解物を用いて表10に示す組成でスープを調製し
た。
ラー5名で評価したところ、すべてのパネラーが、比較
例9よりも実施例10のスープの方が粘度が低く飲み易
いという評価をした。また、実施例10のスープは、作
製時の泡立ちも少なかった。
調製した大豆たん白分解物及び比較例3で調製した大豆
たん白分解物を用いて表11に示す組成でココアドリン
クを調製した。
ネラー5名で評価した。結果、すべてのパネラーが実施
例11のドリンクのほうが粘度が低く飲み易いという評
価をした。また、実施例11のドリンクは、作製時の泡
立ちも少なかった。
みが選択的に分解された大豆蛋白質が簡単に得られ、食
肉製品や飲料等様々な食品分野への大豆蛋白利用拡大を
図ることができ、産業の発達に大きく寄与するものであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 大豆蛋白に蛋白質分解酵素を作用させて
大豆蛋白中のβ−コングリシニンを選択的に分解させて
得られるβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物。 - 【請求項2】 グリシニン/β−コングリシニンの比率
が1.5以上、好ましくは2.5以上より好ましくは
3.0以上で、トリクロル酢酸可溶蛋白質の全蛋白質に
対する割合(重量%)が5〜20%である請求項1記載
のβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物。 - 【請求項3】 大豆蛋白に蛋白質分解酵素を50℃を越
え90℃未満、好ましくは55〜85℃より好ましくは
60〜80℃の下で蛋白質分解酵素を作用させることに
よりβ−コングリシニン低含量大豆蛋白分解物を得るこ
とを特徴とするβ−コングリシニン低含量大豆蛋白質分
解物の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP07612297A JP3269519B2 (ja) | 1996-03-28 | 1997-03-27 | 大豆蛋白分解物及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
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