JPH09311501A - トナーの製造方法及びキャリアの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法及びキャリアの製造方法

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JPH09311501A
JPH09311501A JP12377196A JP12377196A JPH09311501A JP H09311501 A JPH09311501 A JP H09311501A JP 12377196 A JP12377196 A JP 12377196A JP 12377196 A JP12377196 A JP 12377196A JP H09311501 A JPH09311501 A JP H09311501A
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carrier
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JP12377196A
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English (en)
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Yasuhito Yuasa
安仁 湯浅
Noriaki Hirota
典昭 廣田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各粒子が球形化され、かつ、均一な表面特性
を有し、長期に亘って良好な帯電性及び流動性が維持さ
れるトナーを製造できるトナーの製造方法を提供する。 【解決手段】 スチレンアクリル酸ブチル共重合体樹脂
100重量部、カーボンブラック4重量部、第4級アン
モニウム塩2重量部、ポリエチレン6重量部、ポリプロ
ピレン4重量部を前混合し、溶融混練、粉砕、分級の順
で処理してトナー母体粒子を得た後、図1の表面改質処
理装置によりトナー母体粒子(被処理粒子301)に3
00℃の熱風306を供給量5kg/hで吹き付け、更
に1℃の冷却空気309で急速冷却する。この後、かか
るトナー母体粒子に疎水性シリカ1重量部を外添混合処
理して、体積平均粒径が6μmのトナーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ、
ファクシミリ等の電子写真法により画像形成を行う画像
形成装置(以下、電子写真装置と称す。)で現像剤とし
て使用されるトナーの製造方法及びキャリアの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置はオフィスユースの
目的からパーソナルユースへと移行しつつあり、より一
層の小型化やメンテナンスフリー化等を実現する技術が
求められている。
【0003】ここで一般的な電子写真法を用いた画像形
成プロセスについて説明する。先ず、ドラム状あるいは
ベルト状の支持体上に光導電性材料層が形成されてなる
静電潜像担持体(以下、単に像担持体または感光体と呼
ぶ。)を帯電する。この帯電方法としては、従来から使
用されているコロナ放電器を用いる方法や、近年、オゾ
ン発生量の低減を目的として使用されている導電性ロー
ラを感光体表面に直接押圧する接触型の帯電方法があ
る。感光体を帯電した後、複写機の場合は、複写原稿に
光を照射して得られた反射光をレンズ系を通じて感光体
表面に照射することにより感光体表面に静電潜像を形成
し、プリンタの場合は、露光用光源としての発光ダイオ
ードやレーザーダイオードに画像信号を送り発光ダイオ
ードやレーザーダイオードの光をON−OFFさせるこ
とにより感光体表面に静電潜像を形成する。感光体表面
に静電潜像が形成されると、この静電潜像が予め帯電さ
れた一般に直径が5μm〜15μm程度の着色粉体であ
るトナーによって可視像化される。ここでトナーは静電
潜像の電位すなわち感光体の表面電位の高低に応じて感
光体表面への付着量が決まる。このようにして得られた
トナー画像は、転写用紙に電気的に転写され、転写用紙
に転写されたトナー画像は定着器により加圧定着また加
熱圧定着される。転写用紙へのトナー画像の転写は、予
め正または負に帯電されたトナーを複写用紙の背面にト
ナーの帯電極性と反対極性の電荷を付与してトナーを電
気的に吸引することにより行われる。これまで、転写方
法としては、前記帯電方法と同じくコロナ放電器が広く
用いられてきたが、オゾン発生量の低減のために近年で
は導電性ローラを用いた転写方法が実用化されている。
通常トナー画像の転写において感光体表面上の全てのト
ナーが転写材に転写されるのではなく、一部は感光体表
面に残留する。このため、次の画像プロセスに備えて感
光体表面に残留したトナーはクリーニングブレード等の
クリーニング手段によって感光体表面から除去され、廃
トナーとして回収される。この回収されたトナー、所
謂、廃トナーは、従来は再利用されずに廃棄されるの一
般的であったが、昨今の地球環境保護の点から産業廃棄
物の無制限な廃棄を規制することの重要性が叫ばれてい
ること、及び電子写真装置のパーソナルユースへの移行
が盛んであることから、廃トナーを廃棄することなく再
利用する廃トナーリサイクルシステムが多く使用される
ようになってきている。
【0004】周知のように電子写真方法における現像方
式としてはトナーとキャリアからなる二成分現像剤を用
いた二成分現像方式と、トナーのみからなる一成分現像
剤を用いた一成分現像方式が主流で、一般に高速機(高
速度で現像プロセスが遂行される装置)では二成分現像
方式が、低速機(低速度で現像プロセスが遂行される装
置)では一成分現像方式が主に使用される。
【0005】二成分現像方式を用いる現像は、トナーと
キャリアとの摩擦帯電によって発生する電荷を利用する
現像方式であり、磁性を有するキャリア粒子の磁気ブラ
シを磁石内蔵の現像スリーブ表面に形成してトナーを攪
拌しながら現像領域に搬送し、帯電したトナーを感光体
表面に形成させた静電潜像に接触移動させて現像する方
法である。かかる二成分現像方式を用いた現像におい
て、デジタル方式(レーザ光のようなスポット光の走査
によって潜像形成を行うもの)では反転現像(静電潜像
の光照射によって電位の低下した部分に静電潜像と同極
性に帯電したトナーを移行させる現像)が、アナログ方
式(汎用の複写機のような原稿を露光して得られる原稿
からの反射光によって潜像形成を行うもの)では正規現
像(静電潜像の光照射によって電位が残された部分に静
電潜像と逆極性のトナーを移行させる現像)が主に行わ
れる。
【0006】また、フルカラー画像の形成を行う、所
謂、フルカラー複写機、フルカラープリンター等の電子
写真装置における画像形成プロセスは、前記画像形成プ
ロセスを各色毎に行うものである。すなわち、感光体を
コロナ放電装置により帯電させ、感光体表面に第1色目
の潜像に対応する光信号を照射して静電潜像を形成し、
第1色目のトナー、例えば、イエロートナーにより現像
して、静電潜像を顕像化し、得られたイエロートナー画
像にトナーの帯電極性と逆極性に帯電された転写用紙を
当接させて、転写用紙上にイエロートナー像を転写した
後、感光体表面に残留したイエロートナーをクリーニン
グ手段で除去し、感光体表面を除電し、この後、マゼン
タ、シアン、黒等の第2色目,第3色目,第4色目のト
ナーに対しても第1色目のイエロートナーと同様な操作
を繰り返し、各色のトナー像を転写用紙上で重ね合わせ
てフルカラー像を形成し、この重ね合わされたトナー像
を定着するものである。このフルカラー画像の形成方式
としては、単一の感光体表面上に順次各色のトナー像を
形成し、転写ドラムに巻き付けられた転写用紙を転写ド
ラムの回転により繰り返し感光体表面に対向させ、順次
形成される各色のトナー像を重ねて転写していく転写ド
ラム方式と、各色毎の像形成部を複数並べて配置し、す
なわち、各色毎の感光体を含む像形成ユニットを複数並
べて配置し、ベルトにより搬送される転写用紙をそれぞ
れの像形成部(像形成ユニット)を通過させることによ
り各色のトナー像を順次転写して、カラー像を重ね合わ
せる連続重ね方式が一般的である。転写ドラム方式を用
いたものとしては、例えば特開平1−252982号公
報に開示されたカラー画像形成装置を挙げることができ
る。これは、イエロー色のトナー像をつくるためのY現
像器、マゼンタ色のトナー像をつくるためのM現像器、
シアン色のトナー像をつくるためのC現像器、及び黒色
のトナー像をつくるためのBk現像器の4つの現像器か
らなる現像器群全体が回転することにより、各々の現像
器が順次感光体に対向して現像可能の状態に配置される
よう構成されたものである。かかる画像形成装置では、
まず、感光体上のイエローのトナー像が転写ドラムに巻
き付けられ転写用紙に転写帯電器によって転写された
後、感光体表面がクリーナにより清掃されて、次色の像
形成が準備され、続いてマゼンタ、シアン、黒のトナー
像も同様にして転写用紙に転写される。ここで、転写ド
ラムの径は、最長の用紙が巻き付けられ,かつ各色トナ
ー用の現像器の交換が間に合う充分の大きさを持ってい
る。全ての色のトナー像が転写された後、転写用紙は剥
離爪により転写ドラムから剥されて、搬送部を経て定着
器によりトナー像が定着され、装置外へ排出される。
【0007】一方、連続重ね方式を用いたものとして
は、例えば特開平1−250970号公報に開示された
カラー画像形成装置を挙げることができる。この特開平
1−250970号公報に記載されたカラー画像形成装
置では、4色の、すなわち、シアン,マゼンダ,イエロ
ー,及び黒の各色のトナーに対する像形成のためにそれ
ぞれが感光体,光走査手段などを含んだ4つの像形成ス
テーションを並べ、ベルトにより搬送された転写用紙が
それぞれの像形成ステーションの感光体の下部を通過す
ることにより、転写用紙上にてフルカラートナー像が重
ね合わせ形成されるものである。また、前記2つの方式
とは別に、感光体上に順次形成される各色トナー像を中
間転写材上で一旦重ね、最後にこの中間転写材上のトナ
ー像を一括して転写用紙に移す方式がある。この方式は
例えば特開平2−212867号公報に開示されてい
る。
【0008】トナーは、通常、結着樹脂中に少なくとも
顔料もしくは染料からなる着色剤を含んで構成され、必
要に応じて前記着色剤の他に、可塑剤、電荷制御剤、磁
性体、離型剤等の添加剤が添加されて構成されている。
結着樹脂としては、天然または合成樹脂の単一種の樹脂
または複数種の樹脂が混合されて使用される。製法とし
ては、前記材料を適当な割合で予備混合し、この予備混
合物を溶融混練した後、混練物を冷却し、この冷却によ
り固化した混練物を例えば気流式衝突板方式等によって
微粉砕し、得られた粉砕物を微粉分級してトナー母体粒
子を得た後、このトナー母体粒子に外添剤を外添処理し
てトナーを得る方法が一般的である。そして、1成分現
像剤ではトナー単体で現像剤が構成され、二成分現像剤
ではトナーと磁性粒子であるキャリアとで現像剤が構成
される。
【0009】キャリアとしては、強磁性体粒子表面に樹
脂コート処理をした樹脂コートキャリアや、結着樹脂中
に磁性体を分散させた磁性体分散バインダー型キャリア
等が一般的である。特公昭59−24416号公報に
は、結着樹脂と磁性体とを溶融混練した後、この混練物
を冷却して微粉砕し、粒径10〜25μmの磁性体分散
バインダー型キャリアを得、これと絶縁性トナーとを混
合した二成分現像剤が提案されている。また、特開昭5
9−31967号公報には、強磁性体の微粒子20〜8
0重量部と、熱可塑性樹脂80〜20重量部を溶融混練
した後、この混練物を冷却して微粉砕し、この粉砕物を
加熱してその表面を熱処理して球形化した磁性体分散バ
インダー型キャリアが提案されている。また、特開昭5
8ー136052号公報には、絶縁性トナーと磁性体分
散バインダー型キャリアとからなる現像剤において、磁
性キャリアのバインダーとして熱硬化性樹脂を使用して
その強度を高めることが提案され、かかる磁性体分散バ
インダー型キャリアが、熱硬化性樹脂の硬化後に粉砕、
分級する、または溶剤に溶かして噴霧し、造粒と同時に
硬化させることにより製造されるとしている。また、特
開平3−251854号公報には磁性体の粗粒子を高速
衝撃せん断式の粉砕機によって粉砕し、分級により所定
の粒径の磁性キャリアを得る方法が提案されている。ま
た、特開平3−14966号公報には、磁性体分散バイ
ンダー型キャリアにおいてバインダー樹脂として付加重
合性不飽和カルボン酸と他の共重合可能なモノマーとの
共重合体であって多価金属塩化した重合体を用いること
により、バインダー樹脂にカルボン酸を配合させること
が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、前記し
たように、電子写真装置においては、地球環境保護の観
点から転写工程後に感光体上に残留しクリーニング手段
によって回収されたトナー(廃トナー)を現像部に戻し
てリサイクルするのが好ましい。しかしながら、かかる
廃トナーをリサイクルするとき、廃トナーを現像部へ戻
すときの輸送管内で受ける機械的ストレス等によってト
ナーに外添処理されている外添剤のトナーからの離脱、
トナーの変形、トナーの欠けや割れ、または離型剤を含
有するトナーからの離型剤の脱落等が起こることから画
像劣化を生じやすく、また、一旦画像形成に供された廃
トナーが現像機内の新しいトナーと混合されると帯電量
分布がブロードになって逆極性トナーや過少帯電量トナ
ーが増加し、複写画像の品質が低下してしまうという欠
点がある。
【0011】また、前記したように、転写装置として導
電性弾性ローラを用いた転写方式は、像担持体と導電性
弾性ローラの間に転写紙を挿通させ、導電性弾性ローラ
に転写バイアス電圧を付与することにより、像担持体表
面上にあるトナーを静電気で転写紙に転写するものであ
るが、かかる導電性ローラを用いた転写方式では、文字
やラインの“中抜け”や、文字周辺へのトナーの飛び散
り等が起こりやすいという欠点がある。この“中抜け”
は、文字やラインの潜像部にはエッジ現像(エッジ効
果)によって多くのトナーが移行することからトナーが
集中して存在する部分とトナーの存在量が少ない部分を
生じ、トナーが集中して存在する部分にはトナーの存在
量が少ない部分に比べて導電性ローラから受ける圧力が
高くなってトナー同士の凝集が起こり、このトナーの凝
集体が転写紙に転写されなくなるために起こり、特に低
流動性、低帯電量のトナーにおいて顕著に現れる。ま
た、文字周辺へのトナーの飛び散りは、通常、感光体上
のトナーの転写材への転写はトナーの帯電電荷と外部か
ら加えられたトナーとは反対極性の電荷とが引き合うこ
とによって起こるが、このとき、トナーの帯電量が低い
とトナーの存在しない文字周辺部にトナーが飛び散って
しまうために起こる。また、前記のリサイクルされた廃
トナーが現像され、これが転写ローラで転写されると、
離脱した外添剤や離型剤がローラに付着して転写性に影
響を与えたり、転写ローラを傷を付けて、画像劣化を引
き起こすことがある。
【0012】また、前記したフルカラーの画像形成にお
いて、前記転写ドラムを用いた転写方式では、用紙を巻
き付けた転写ドラムを感光体に対して同速度で回転さ
せ、各色トナー像の転写時の先端(開始)タイミングを
合わせることによって、転写ドラムに巻き付けられた用
紙上で各色トナー像の相互位置を合致させるが、転写ド
ラムに用紙を巻き付ける必要があるために、転写ドラム
の径を一定の大きさ以上にする必要があり、またその構
造が非常に複雑で高い精度が要求されるため、装置が大
がかりで高価なものとなっていた。また葉書や厚紙など
腰の強い用紙は、転写ドラムに巻き付けることができな
いために使用できないという問題点があった。また、連
続転写方式では、色数に対応した像形成位置を有し、そ
こに用紙を次々と通過させればよいため、転写ドラムは
不要であるが、この方式では感光体上に潜像を形成する
ためのレーザ光学系などの潜像形成手段が色の数に対応
した数だけ必要であるので、装置の構造が非常に複雑で
高価になり、また、像形成位置が複数箇所あるために、
各色の像形成部の相対的な位置ずれ、回転軸の偏心、各
部の平行度のずれ等が直接色ずれに影響することにな
り、高画質画像を安定に形成することが困難であるとい
う問題点があった。特に潜像形成手段による潜像の各色
間の位置合わせを正確に行う必要があり、特開平1−2
50970号公報にも示されているように、潜像形成手
段である像露光系に相当の工夫と複雑な構成が必要であ
るという問題点があった。これに対し、特開平2−21
2867号公報に記載された中間転写体を用いる転写方
式では、複雑な光学系を必要としなく、転写紙として葉
書や厚紙などの腰の強い用紙も使用でき、また中間転写
ベルトがフレキシブルなため、転写ドラム方式、連続転
写方式に比べて、装置自体の小型化を可能に出来るとい
うメリットがある。また転写紙と感光体が直接接触する
ことがないため、紙粉が感光体に付着せず、紙粉をクリ
ーニングで除去する必要がなく、クリーニング工程を不
要にできる可能性が高い方式である。
【0013】ところで、トナーは転写時に全て転写され
るのが理想であるが、現実には一部転写残りが生じ、転
写効率は100%でなく、一般的には75〜85%程度
である。この転写残りのトナーは感光体クリーニングの
工程でクリーニングブレード等で掻き落とされて廃トナ
ーとなる。かかる中間転写体を使用する転写方式では、
トナーは感光体から中間転写体へ、さらに中間転写体か
ら転写紙へと、少なくとも2回以上の転写工程を経るこ
とになり、1回の転写における転写効率が85%であっ
ても、2回の転写により、トータルの転写効率は72%
にまで低下することになり、1回の転写における転写効
率が75%の場合は、2回の転写により、トータルの転
写効率は56%にまで低下し、約半分のトナーが廃トナ
ーとなってしまう。従って、実際には、中間転写体を使
用する転写方式では、廃トナーボックスの容積を大きく
しなければならず、これでは装置の小型化を充分になし
得ることができない。なお、転写効率の低下は製造時の
材料の分散不良により生じた逆極性トナーによる地カブ
リや転写抜けが要因であると考えられる。また、中間転
写体上で4色のトナー画像を重ねるため、中間転写体上
に重ねられたフルカラーのトナー画像は局所的にトナー
存在量(トナー層厚み)が大きく異なるものとなる。従
って、転写用紙へフルカラーのトナー画像を転写する
際、トナー画像内に圧力差を生じるので、前記したトナ
ーの凝集効果によって画像の一部が転写されずに穴とな
る中抜けが発生しやすいという問題点がある。特に、転
写紙が詰まった場合のクリーニングを確実に行うため
に、中間転写体にトナーの離型効果の高い材料を用いる
と、中抜けが顕著に現れ、画像の品位を著しく低下させ
てしまう。さらに、文字やライン等ではエッジ現像によ
りトナーがより多くのり、加圧によるトナー同士の凝集
はより顕著に起こり、中抜けがより顕著に現れる。高湿
高温の環境下でより一層顕著に現れる。
【0014】また、電子写真装置の小型化やメンテナン
スフリー化のためにはクリーニングレス(クリーニング
手段を不要)にするのが望ましい。このクリーニングレ
スの電子写真装置においては、感光体上の転写残りのト
ナーは現像器(現像装置)内に回収される。この際、現
像器(現像装置)内に回収されるトナーが現像器(現像
装置)内で速く現像に必要な所定の帯電量に帯電される
ように、現像器(現像装置)の手前に設けられた帯電器
によって転写残りのトナーを帯電させる場合がある。特
に、本出願人が特開平5−72890号公報に提案した
現像プロセス、すなわち、固定磁石を内包した像担持体
と、像担持体と所定の間隙を設けて対向する磁石を有す
る現像剤回収電極ローラを有し、その表面に静電潜像が
形成された像担持体の表面に現像剤(磁性トナー、また
はトナー及びキャリア)を振りかけて磁気的に付着させ
て、現像剤回収電極ローラとの対向部まで担持搬送し、
現像剤回収電極ローラに交流バイアスを印加し、像担持
体上の静電潜像の非画像部に付着しているトナー、また
はこのトナー及び像担持体上に存在するキャリアを静電
力と磁力によって除去する現像プロセスを行う現像装置
では、現像剤(トナー、キャリア)を撹拌して摩擦帯電
させる期間(機会)が短い(少ない)ため、前記帯電器
によるトナーの帯電補助は有効である。また、現像器
(現像装置)が現像スリーブ上にトナーとキャリアから
なる磁気ブラシを形成して現像を行う二成分磁気ブラシ
現像方式の現像器(現像装置)である場合、帯電器によ
って転写残りのトナーの帯電量を高めることにより、現
像器(現像装置)の現像スリーブ上に形成された磁気ブ
ラシに効率良く掻き取られて回収されることとなり、ト
ナーの回収効率が高くなる。しかしながら、トナーが不
定形トナーである場合は帯電器による帯電時に帯電ムラ
が発生するので、トナーの帯電量を充分に高めることが
できない。
【0015】また、二成分現像方式では流動性の低下し
たトナーがリサイクルされると(現像器に戻される
と)、現像器内にトナーが偏在することによりトナー濃
度センサがトナー濃度が低下していると誤検知してトナ
ーが過剰補給され(オーバートナーになり)、未帯電ト
ナーや低帯電量トナーによるトナー飛散や地カブリを増
大させることとなる。現像工程でこのような不具合が生
じると、転写ローラにより転写プロセスを行う装置で
は、転写紙がない状態では転写ローラは感光体に所定の
圧力で当接しているため、前記トナー飛散や地カブリに
よるトナーによって転写ローラの汚染が激しくなり、こ
の結果、転写紙の裏汚れ等の不具合を生じるようにな
る。
【0016】前記した種々の不具合を解消するために
は、不良帯電トナー(未帯電粒子、過少帯電量粒子、過
剰帯電量粒子)を含まないトナーを使用することが重要
であることはもちろんではあるが、適性な帯電量を長期
にわたって安定に維持することができる特性(帯電性及
び流動性等)を備えたトナーを使用することが必要であ
る。また、二成分現像剤ではトナーだけでなくキャリア
の表面特性が高画質画像を形成する上で重要であり、例
えば、前記したように結着樹脂中に磁性体を分散させた
磁性体分散バインダー型キャリアにおいて粉砕された粒
子を熱等で処理して球形化して(特開昭59−3196
7号公報)、帯電性及び流動性を向上させることが行わ
れている。しかるに、かかる方法では製造する環境条件
が相違すると(例えば冬場の低温時と夏場の高温時)、
球形化処理された(キャリア)粒子の表面特性が異な
り、これを考慮することなく異なる環境条件で球形化処
理された(キャリア)粒子を同時に使用すると、画像特
性に影響を与えるだけでなく、トナーのリサイクル性や
転写性に影響を与える。これは熱処理された後の環境温
度が異なることにより粒子の冷却化の程度が相違し、両
者間で粒子表面における結着樹脂及び磁性体の存在状態
が異なり、粒子の帯電性、流動性、及び表面滑性等が相
違するためである。また、熱処理後の環境温度にかかわ
らず、熱処理後の冷却が不十分なまま放置され、軟化状
態にある結着樹脂中で磁性体が移動して局部的に凝集
し、この結果、粒子表面での結着樹脂及び磁性体の存在
状態が異なった多くの粒子を生じるためである。また、
このような不具合はトナーを熱処理して球形化する場合
にも起こり、従来トナーを熱処理して球形化する場合、
トナーの各粒子の表面特性を均一化させることができな
かった。
【0017】本発明は前記のような課題に鑑みてなされ
たものであり、各粒子が球形化され、かつ、均一な表面
特性を有し、長期に亘って良好な帯電性及び流動性が維
持されるトナーを製造することができるトナーの製造方
法を提供することを目的とする。
【0018】また本発明の他の目的は、転写ローラを用
いた転写システムを具備する電子写真装置に適用した場
合に、中抜けや飛び散りを防止でき、かつ高転写率で転
写されるトナーを製造することができるトナーの製造方
法を提供することにある。
【0019】また本発明の他の目的は、廃トナーをリサ
イクルするシステムを具備する電子写真装置に適用した
場合に、帯電性及び流動性の低下が無く、かつ凝集物を
生じず、長期に亘って高画質画像を形成できるトナーを
製造することができるトナーの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0020】また本発明の他の目的は、中間転写体を用
いた転写システムを具備する電子写真装置に適用した場
合に、中抜けや飛び散りが防止され、高転写率で転写さ
れるトナーを製造することができるトナーの製造方法を
提供することにある。
【0021】また本発明の他の目的は、転写工程後にが
クリーニングされず現像装置内に回収されるよう構成さ
れた電子写真装置に適用した場合に、現像装置内に回収
されたトナーが現像に必要な適性な帯電量にすはやく立
ち上がるトナーを製造することができるトナーの製造方
法を提供することにある。
【0022】また本発明の他の目的は、転写工程後に像
担持体上に残留するトナーがクリーニングされず現像装
置の磁気ブラシによって現像装置内に回収されるよう構
成された電子写真装置に適用した場合に、転写工程後に
像担持体上に残留するトナーを効率良く回収できるトナ
ーを製造することができるトナーの製造方法を提供する
ことにある。
【0023】また本発明の他の目的は、結着樹脂中に磁
性体を分散させた磁性体分散バインダー型キャリアの製
造方法であって、各粒子が球形化され、かつ、均一な表
面特性を有し、長期に亘って良好な帯電性及び流動性が
維持されるキャリアを製造することができるキャリアの
製造方法を提供することにある。
【0024】また本発明の他の目的は、結着樹脂中に磁
性体を分散させた磁性体分散バインダー型キャリアの製
造方法であって、廃トナーをリサイクルするシステムを
具備する電子写真装置に適用した場合に、廃トナーから
離脱した内添剤や外添剤等の不良微粒子が表面に付着せ
ず、廃トナーが現像器内での劣悪な流動性を示しても、
かかるトナーを凝集させることなく、解砕して安定に流
動させることができる優れた流動性を示すキャリアを製
造することができるキャリアの製造方法を提供すること
にある。
【0025】また本発明の他の目的は、結着樹脂中に磁
性体を分散させた磁性体分散バインダー型キャリアの製
造方法であって、転写工程後に残留する像担持体上のト
ナーがクリーニングされず現像装置の磁気ブラシによっ
て現像装置内に回収されるよう構成された電子写真装置
に適用した場合に、転写工程後に像担持体上に残留する
トナーを効率良く回収できる磁気ブラシを形成するキャ
リアを製造することができるキャリアの製造方法を提供
することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1のトナーの製造方法は、結着樹脂中に
少なくとも着色剤が分散し、かつ、所定の粒度分布に調
整されたトナー母体粒子に熱風による表面改質処理を施
した後、直ちに急速冷却処理を施すようにした。このよ
うな構成により、熱風により母体粒子表面にある結着樹
脂が溶融または軟化して母体粒子を球形化するととも
に、粒子表面にある着色剤をはじめとする内添剤(着色
剤以外では離型剤、電荷制御剤等)が結着樹脂で被覆さ
れることとなり、この後の急速冷却処理において前記溶
融または軟化状態にある結着樹脂が固められる。従っ
て、前記従来(特開昭59−31967号公報に提案)
の熱処理後に直ちに冷却せず空気中で放冷していた場合
のような、異なる時季に製造すると冷却時の環境条件
(冷却温度,湿度等)が相違によって得られるトナー粒
子の表面特性が相違するというような不具合や、熱処理
後の冷却が不十分になってトナー表面の軟化状態にある
結着樹脂中において着色剤をはじめとする内添剤が局部
的に凝集してしまうというような不具合を解消でき、常
に着色剤をはじめとする添加剤が各粒子の表層部で一様
に分散して固定され、各粒子表面特性(帯電性、流動
性)が均一にされたトナーが得られることとなり、その
結果、長期に亘って良好な帯電性及び流動性が維持され
るトナーを再現性よく製造することができる。特に、高
湿度下においても良好な帯電性及び流動性が維持される
トナーを再現性よく製造することができる。
【0027】また、本発明の第2のトナーの製造方法
は、結着樹脂中に少なくとも着色剤が分散し、かつ、所
定の粒度分布に調整されたトナー母体粒子に少なくとも
シリカ微粉末を含む外添剤を外添混合し、この混合物に
熱風による表面改質処理を施した後、直ちに急速冷却処
理を施すようにした。このような構成により、シリカ微
粉末等の外添剤を外添混合して得られるタイプのトナー
において、内添剤だけでなく外添剤が各トナー粒子の表
面に一様に分散して固定化されることとなり、その結
果、長期に亘って良好な帯電性及び流動性が維持される
トナーを再現性よく製造することができる。特に、高湿
度下においても、良好な帯電性及び流動性が維持される
トナーを再現性よく製造することができる。
【0028】前記のように、本発明のトナーの製造方法
は、トナー母体粒子またはトナー母体粒子に外添剤を外
添混合した混合物に熱風による表面改質処理施した後、
直ちに急速冷却処理を施すことをその主要構成にするも
のであるが、ここでの「急速冷却処理」とは常温(20
℃)の空気よりも低い温度の媒体にトナー母体粒子また
はトナー母体粒子に外添剤を外添混合した混合物を接触
させる処理である。また、急速冷却処理は一般に表面改
質処理の終了後30秒以内、好ましくは0.01〜10
秒以内に開始する。これは、急速冷却処理の開始が表面
改質処理の終了後、30秒よりも長い時間経過した後に
行われると、結着樹脂の軟化状態にある期間が長くなり
過ぎることから、着色剤等の内添剤や二酸化珪素微粉末
等の外添剤が軟化状態にある結着樹脂中で凝集しやすく
なって、各粒子の表面特性(帯電性、流動性)が不揃い
になる傾向を示すためである。
【0029】前記本発明の第1及び第2のトナーの製造
方法においては、熱風による表面改質処理の処理温度が
トナー母体粒子の結着樹脂のガラス転移点よりも50〜
600℃高いのが好ましい。このような構成により、極
めて効率よく、粒子の球形化と、粒子表面での添加剤の
結着樹脂による被覆を行うことができる。熱風の温度が
トナー母体粒子の結着樹脂のガラス転移点よりも50℃
高い温度に満たない場合は充分な表面改質作用が得難く
なる傾向となり、トナー母体粒子の結着樹脂のガラス転
移点温度よりも600℃高い温度を越える場合はトナー
母体粒子同士の凝集が起こり易い傾向になる。
【0030】また前記本発明の第1及び第2のトナーの
製造方法においては、急速冷却処理の処理温度が10℃
以下であるのが好ましい。このような構成により、極め
て効率よく溶融または軟化状態にある結着樹脂を固化さ
せることができる。
【0031】前記本発明の第1及び第2のトナーの製造
方法は、像担持体と導電性弾性ローラとの間に転写材を
挿通させ、前記導電性弾性ローラに転写バイアス電位を
印加することにより前記像担持体上に形成されたトナー
画像を転写材上に転写するトナー転写システムを具備す
る電子写真装置で使用されるトナーの製造に使用するの
が好ましい。これは、導電性弾性ローラを用いたトナー
転写システムは、前記したように、像担持体の表面と導
電性弾性ローラの表面を接触させる接触転写であり、電
気的な力以外に機械的な力が転写に作用するので、本来
転写されるべきでない像担持体表面に付着した逆極性ト
ナーが転写されたり、転写材を像担持体と導電性弾性ロ
ーラとの間に挿通していない状態で感光体表面に付着し
たトナーが導電性弾性ローラ表面を汚染して転写材の裏
面を汚染してしまうといった不具合を生じ易いが、前記
本発明の製造方法により得られるトナーは長期に亘って
良好な帯電性及び流動性が維持され、逆極性トナーを発
生せず、また、トナーに内添剤として離型剤が使用され
ていても、これが結着樹脂で被覆化されていることから
トナーから遊離せず、導電性弾性ローラ表面の汚染を有
効に防止できるためである。また、導電性弾性ローラ表
面の汚染を有効に防止できるので、従来導電性弾性ロー
ラ表面から感光体表面へトナーやトナーから遊離した低
軟化点の離型剤が再転写することにより生ずる画像欠陥
も防止できる。また、特に前記本発明の第2の製造方法
により得られるトナーでは外添剤が固定化処理されたも
のとなり、外添剤による感光体表面や導電性弾性ローラ
表面の汚染をも防止することができる。また、導電性弾
性ローラを用いたトナー転写システムでは、文字やライ
ン等のトナーが集中して存在するところで導電性ローラ
から大きな圧力を受けて、トナー同士の凝集が起こり、
中抜けや文字周辺でのトナーの飛び散りが起こり易い
が、前記本発明の製造方法により得られるトナーは、ト
ナーに内添剤として離型剤が添加されていても、これが
結着樹脂で被覆化されていることから良好な流動性を示
し、文字やライン等のトナーが集中して存在してトナー
同士が凝集しやすいところでもトナー同士が凝集するこ
とがなく、中抜けや文字周辺の飛び散りを有効に防止す
ることができる。
【0032】また前記本発明の第1及び第2のトナーの
製造方法は、クリーニング装置内に回収されたトナーを
現像装置内へ搬送して再度現像プロセスに使用する廃ト
ナーリサイクルシステムを具備する電子写真装置で使用
されるトナーの製造に使用するのが好ましい。これは、
前記本発明の製造方法により得られるトナーは、内添
剤、または内添剤及び外添剤の結着樹脂による固定化が
なされているので、トナーがクリーニング装置から現像
装置へ搬送される間のクリーニング装置、クリーニング
装置と現像装置とをつなぐ輸送管、及び現像装置等の内
部にて機械的衝撃を受けても内添剤の脱落や外添剤の離
脱が少なく、不良帯電粒子の発生を低減でき、トナーの
流動性や帯電量の低下、及び感光体表面へのトナー成分
によるフィルミングを有効に防止することができるため
である。特に、高湿下において流動性、帯電量は低下し
やすいものであるが、前記本発明の製造方法により得ら
れるトナー(特に、外添剤を添加したもの)は、高湿下
での流動性及び帯電量の低下を有効に防止することがで
きる。かかる効果は、トナー母体粒子の球形化、内添剤
の結着樹脂による被覆化、及び外添剤の結着樹脂による
固定化によって奏される効果である。
【0033】また前記本発明の第1及び第2のトナーの
製造方法は、像担持体上に形成されたトナー画像を前記
像担持体に当接させた無端状の中間転写体上に転写させ
る一次転写プロセスが一回または複数回実行された後、
この一次転写プロセスの実行により前記中間転写体上に
形成された転写トナー画像を転写材に一括転写させる二
次転写プロセスが実行されるよう構成された転写システ
ムを具備する電子写真装置で使用されるトナーの製造に
使用するのが好ましい。これは、かかる転写システムで
は、中間転写体に転写紙等の転写材を接触させた状態
で、中間転写体上の転写トナー重複像を静電気力と圧力
によって転写材に転写するため、トナーの帯電量が低下
すると、転写不良(中抜け、画像の飛び散り)を起こし
やすいが、前記本発明の製造方法により得られるトナー
は、前記したように、長期に亘って良好な帯電性及び流
動性が維持され、帯電量が低下せず、トナーの凝集が起
こりにくいことから、効率良く転写され、中抜け及び画
像の飛び散り等が有効に防止されるためである。特に、
高湿下においてトナーは帯電量が低下しやすく、また、
凝集しやすくなるが、前記本発明の製造方法により得ら
れるトナーは、高湿下においても高帯電量が維持される
ので、転写不良(中抜け、画像の飛び散り)が起こすこ
となく、二回の転写プロセスを経ても画像乱れを発生す
るがない。
【0034】また前記本発明の第1及び第2のトナーの
製造方法は、転写プロセス後に像担持体上に残留するト
ナーをクリーニングするクリーニング手段を有さず、転
写プロセス後に像担持体上に残留するトナーを現像装置
内に回収して再利用する廃トナーリサイクルシステムを
具備する電子写真装置で使用されるトナーの製造に使用
するのが好ましい。これは、かかる電子写真装置では、
転写プロセス後の像担持体上に残留するトナーは現像装
置内に回収された後、摩擦帯電によって速やかに現像に
必要な適性帯電量までその帯電量が高められる必要があ
るが、前記本発明の製造方法により表面改質がなされ、
球形化がなされたトナーは、優れた流動性と帯電能を示
し、短時間で前記した適性帯電量まで摩擦帯電される。
【0035】また前記本発明の第1及び第2のトナーの
製造方法は、現像装置が二成分現像方式の現像装置であ
り、かつ、転写プロセス後に像担持体上に残留するトナ
ーを前記二成分現像方式の現像装置にて形成される磁気
ブラシが掻き取って、前記現像装置内に回収する廃トナ
ーリサイクルシステムを具備する電子写真装置で使用さ
れるトナーの製造に使用するのが好ましい。これは、か
かる電子写真装置では、転写プロセス後の像担持体上に
残留するトナーはそのまま現像部まで運ばれ現像装置の
磁気ブラシによって回収されるが、前記本発明の製造方
法により表面改質がなされ、球形化がなされたトナーは
磁気ブラシによって速やかに掻き取られ、効率よく回収
されることとなる。
【0036】本発明の第1のキャリアの製造方法は、結
着樹脂中に少なくとも磁性体が分散し、かつ、所定の粒
度分布に調整されたキャリア母体粒子に熱風を吹き付け
て表面改質処理を施した後、直ちに急速冷却処理を施す
ようにした。このような構成により、粒子の球形化がな
されるとともに、熱処理によって軟化または溶融した結
着樹脂が粒子表面に存在する磁性体を被覆した後、急速
冷却処理によって直ちに固化されることとなり、従来の
ような磁性体が結着樹脂で被覆された後に結着樹脂の軟
化状態がしばらく続き、磁性体が再び表面露出するとい
うような不具合が解消されて、粒子表面にある磁性体が
結着樹脂で被覆されたキャリアが安定に得られることと
なる。また、通常、二成分現像剤では、現像装置内での
トナーとの攪拌によってトナーが徐々にキャリア表面に
付着する、所謂、スペントが現れる場合があるが、本発
明方法により得られるキャリアは熱風による表面改質処
理とその直後の急速冷却処理によって、表面が高滑り性
を有し、かつ、撥水性が向上したものとなり、トナーの
スペントが生じにくいものとなる。この結果、かかる本
発明の第1のキャリアの製造方法では、長期に亘って良
好な帯電性及び流動性が維持される磁性体分散バインダ
ー型キャリアを再現性よく製造することができる。
【0037】また本発明の第2のキャリアの製造方法
は、結着樹脂中に少なくとも磁性体が分散し、かつ、所
定の粒度分布に調整されたキャリア母体粒子に表面改質
剤を外添混合し、この混合物に熱風を吹き付けて表面改
質処理を施した後、直ちに急速冷却処理を施すようにし
た。このような構成により、表面改質剤を外添混合して
得られるタイプの磁性体分散バインダー型キャリアにお
いて、磁性体等の内添した添加剤だけでなく、表面改質
剤がキャリア粒子の表面に一様に分散して固定化される
こととなり、長期に亘って良好な帯電性及び流動性が維
持される磁性体分散バインダー型キャリアを再現性よく
製造することができる。特に、表面改質剤のキャリア粒
子の表面への固定化により、高湿度下においても良好な
帯電性及び流動性が維持される磁性体分散バインダー型
キャリアを再現性よく製造することができる。また、本
発明方法では、高撥水性を有する表面改質剤を用いる
と、これがキャリア表面に固定化されるので、前記第1
のキャリアの製造方法によって得られるキャリアよりも
更に耐スペント性が向上したキャリアを得ることができ
る。
【0038】前記のように、本発明のキャリアの製造方
法は、キャリア母体粒子またはキャリア母体粒子に表面
改質剤を外添混合した混合物に熱風による表面改質処理
を施した後、直ちに急速冷却処理を施すことをその主要
構成にするものであるが、ここでの「急速冷却処理」と
は常温(20℃)の空気よりも低い温度の媒体にキャリ
ア母体粒子またはキャリア母体粒子に外添剤を外添混合
した混合物を接触させる処理である。また、急速冷却処
理は一般に表面改質処理の終了後30秒以内、好ましく
は0.01〜10秒以内に開始する。これは、急速冷却
処理の開始が表面改質処理の終了後30秒よりも長い時
間経過した後に行われると、結着樹脂の軟化状態にある
期間が長くなり過ぎることから、磁性体等の内添剤や表
面改質剤が軟化状態にある結着樹脂中で凝集しやすくな
って、各粒子の表面特性(帯電性、流動性)が不揃いに
なる傾向を示すためである。
【0039】前記本発明の第1及び第2のキャリアの製
造方法においては、熱風による表面改質処理の処理温度
がキャリア母体粒子の結着樹脂のガラス転移点よりも5
0〜600℃高いのが好ましい。このような構成によ
り、極めて効率よく、粒子の球形化と、粒子表面での磁
性体の結着樹脂による被覆を行うことができる。熱風の
温度がキャリア母体粒子の結着樹脂のガラス転移点より
も50℃高い温度に満たない場合は充分な表面改質作用
が得難くなる傾向となり、キャリア母体粒子の結着樹脂
のガラス転移点温度よりも600℃高い温度を越える場
合はキャリア母体粒子同士の凝集が起こり易い傾向にな
る。
【0040】また前記本発明の第1及び第2のキャリア
の製造方法においては、急速冷却処理の処理温度が10
℃以下であるのが好ましい。このような構成により、極
めて効率よく溶融または軟化状態にある結着樹脂を固化
させることができる。
【0041】また前記本発明の第1及び第2のキャリア
の製造方法は、現像装置が二成分現像方式の現像装置で
あり、かつ、クリーニング装置内に回収されたトナーを
現像装置内へ搬送して再度現像プロセスに使用する廃ト
ナーリサイクルシステムを具備する電子写真装置で使用
されるキャリアの製造に使用するのが好ましい。これ
は、廃トナーをリサイクルした時、トナーがクリーニン
グ装置、クリーニング装置と現像装置とをつなぐ輸送
管、及び現像装置等の内部にて機械的衝撃を受けて、ト
ナーの流動性が低下したり、また、内添剤の脱落及び外
添剤の遊離等による微粒子が蓄積増大してこれがキャリ
アに付着してキャリアを汚染することがあるが、前記本
発明の第1及び第2の製造方法により得られるキャリア
は前記したように、優れた流動性を有し、かつ、その表
面が高滑性であるので、現像装置内にてその表面に前記
内添剤及び外添剤による微粒子を付着蓄積することな
く、トナーを充分に流動させることとなり、トナー濃度
センサの誤検知によるトナーの過剰補給(オーバートナ
ー)を起こすことなく、トナー飛散や地カブリの発生を
防止することができる。
【0042】また前記本発明の第1及び第2のキャリア
の製造方法は、現像装置が二成分現像方式の現像装置で
あり、転写プロセス後に像担持体上に残留するトナーを
クリーニングするクリーニング手段を有さず、転写プロ
セス後に像担持体上に残留するトナーを現像装置内に回
収して再利用する廃トナーリサイクルシステムを具備す
る電子写真装置で使用されるキャリアの製造に使用する
のが好ましい。これは、かかる電子写真装置では、転写
プロセス後の像担持体上に残留するトナーは現像装置内
に回収された後、キャリアとの摩擦帯電によって速やか
に現像に必要な適性帯電量までその帯電量が高められる
必要があるが、前記本発明の製造方法により表面改質が
なされ、球形化がなされたキャリアーは、優れた流動性
と帯電能を示し、短時間でトナーを前記した適性帯電量
まで摩擦帯電させることができる。
【0043】また前記本発明の第1及び第2のキャリア
の製造方法は、現像装置が二成分現像方式の現像装置で
あり、かつ、転写プロセス後に像担持体上に残留するト
ナーを前記二成分現像方式の現像装置にて形成される磁
気ブラシが掻き取って、前記現像装置内に回収する廃ト
ナーリサイクルシステムを具備する電子写真装置で使用
されるキャリアの製造に使用するのが好ましい。これ
は、かかる電子写真装置では、転写プロセス後の像担持
体上に残留するトナーはそのまま現像部まで運ばれ現像
装置の磁気ブラシによって回収されるが、前記本発明方
法により表面改質がなされ球形化がなされたキャリア
は、前記のように、長期に亘って良好な帯電性及び流動
性を維持するので、高帯電で、かつ、緻密に像担持体の
表面を摺擦する磁気ブラシを形成することとなり、これ
によって、廃トナーが効率よく回収される。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明において、トナー(母体粒
子)の結着樹脂としては、従来からこの分野でトナー
(母体粒子)用の結着樹脂として使用されている樹脂が
使用されるが、一般にスチレン系単量体やアクリル酸ま
たはメタクリル酸系単量体等のビニル系単量体を重合さ
せたビニル系重合体を使用するのが好ましい。スチレン
系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、P −クロルスチレン等のスチレン及びその置換体を
挙げることができ、アクリル酸またはメタクリル酸系単
量体としては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸オクチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸ヘキシル等の二重結合を有す
るモノカルボン酸及びその置換体を挙げることができ
る。かかるビニル系重合体の製造には、塊状重合、溶液
重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合法が用いら
れる。かかるビニル系重合体においては、スチレン系成
分を50〜95重量%含むものが好ましい。これは、ス
チレン系成分の割合が50重量%未満であると、トナー
の溶融特性が劣悪になり、定着性が不十分になるととも
に、粉砕性が悪化する傾向を示し、95重量%より大き
くなると、結着樹脂自体の強度が低下し、トナーの寿命
が短くなる傾向を示すためである。また、結着樹脂に前
記ビニル系重合体を用いる場合、必要に応じて、ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂等
のビニル系重合体以外の他の公知の重合体を配合するこ
ともできる。磁性トナーを製造する場合は、ビニル系重
合体においてスチレン系成分を50〜90重量%含むも
のを使用するのが好ましい。これはスチレン系成分が前
記範囲にあることにより、製造時の粉砕工程で優れた粉
砕性が得られるとともに、機械的強度及び定着性に優れ
たトナーを得ることができるためである。スチレン系成
分が50重量%未満であると、製造時の粉砕工程での粉
砕性が悪化したり、トナーの溶融特性が劣悪になって良
好な定着性が得難くなる傾向を示し、90重量%より大
きくなると結着樹脂自体の機械的強度が低下し、トナー
の寿命が短くなる傾向を示すためである。また、トナー
を定着した時の耐オフセット性を向上させるためには結
着樹脂の高分子量成分と低分子量成分のそれぞれのガラ
ス転移点、分子量を特定するのが好ましい。例えば、高
分子量成分として、一般にガラス転移点が50〜70
℃、重量平均分子量が10万以上、好ましくはガラス転
移点が55〜70℃、重量平均分子量が12万以上、よ
り好ましくはガラス転移点が55〜65℃、重量平均分
子量が15万以上のスチレン−アクリル系共重合体を使
用し、低分子量成分としてガラス転移点が50℃以上、
重量平均分子量が2500〜2万のスチレン系重合体を
使用する。ここで、低分子量成分と高分子量成分の配合
比は重量比(低分子量成分:高分子量成分)で9:1〜
5:5が好ましい。また、結着樹脂の軟化点は110〜
160℃、好ましくは110〜150℃、より好ましく
は115〜140℃の範囲にあるのがよい。結着樹脂の
軟化点が110℃より小さいとトナーの機械的強度が弱
くなり、160℃より大きくなると定着性が悪化する傾
向を示す。ここでの結着樹脂の軟化点は、島津製作所の
フローテスタ(CFT500)により、1cm3 の試料
を昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーにより
20kg/cm2 の荷重を与え、直径1mmのノズルを
押し出して、このプランジャーの降下量と昇温温度特性
との関係から、その特性線の1/2に対する温度を軟化
点としたものである。また、樹脂の重量平均分子量は、
数種の単分散ポリスチレンを標準サンプルとするゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定した
値である。すなわち、温度25℃においてテトラヒドロ
フランを溶媒として毎分1mlの流速で流し、これに濃
度0.5g/dlのテトラヒドロフラン試料溶液を、試
料重量で10mg注入して測定した値である。測定条件と
して対象試料の分子量分布が、数種の単分散ポリスチレ
ン標準試料により得られる検量線における分子量の対数
とカウント数が直線となる範囲内に包含される条件であ
る。
【0045】トナー(母体粒子)の結着樹脂中に添加さ
れる着色剤としては、従来からこの分野でトナー用の着
色剤として使用されている顔料または染料が使用され
る。かかる顔料または染料の具体例としては、カーボン
ブラック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、アゾ染料
の金属錯体、フタロシアニンブルー、デュポンオイルレ
ッド、アニリンブルー、ベンジジンイエロー、ローズベ
ンガル、ベンジジン系黄色顔料、フォロンイエロー、ア
セト酢酸アニリド系不溶性アゾ顔料、モノアゾ染料、
2,9−ジメチルキナクリドン、ナフトール系不溶性ア
ゾ顔料、アントラキノン系染料、銅フタロシアニン顔
料、第4級アンモニウム塩等が挙げられ、これらのうち
1種又は2種以上が混合されて使用される。なお、これ
らの顔料または染料は、従来のトナーにおいてトナーの
電荷制御のための添加剤(電荷制御剤)としても使用さ
れているように、本発明においてもトナーの着色の目的
だけでなくトナーの電荷制御の目的としても使用され
る。これらの顔料または染料はトナー(母体粒子)全体
当たり1〜15重量%配合される。
【0046】磁性トナーを製造する場合は、結着樹脂に
磁性粉を添加することができる。かかる磁性粉として
は、鉄、マンガン、ニッケル、及びコバルト等の金属粉
末や、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、及び亜鉛か
ら選ばれる2種以上の金属の合金粉末や、前記金属また
は合金を主成分とする酸化物の粉末等が使用される。か
かる磁性粉の平均粒径は一般に1μm以下、好ましくは
0.6μm以下である。磁性粉はトナー(母体粒子)全
体当たり15〜70重量%配合される。配合量が15重
量%以下ではトナー飛散が起こりやすい傾向になり、7
0重量%以上ではトナーの帯電量が低下して、画質の劣
化が起きやすい傾向になる。なお、磁性トナーの場合、
磁性粉が着色剤を兼ねる場合がある。
【0047】トナー(母体粒子)の結着樹脂中に添加さ
れる低軟化点の離型剤としては、低低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリアルキレ
ン、、エチレンビスアマイド、カルナバワックス、モン
タンワックス、パラフィン系ワックス等を挙げることが
でき、これらの1種または2種以上が混合されて使用さ
れる。かかる離型剤は結着樹脂に相溶せず、遊離性を有
する形態が好ましい。かかる離型剤の融点は一般に80
〜160℃、好ましくは85〜155℃、より好ましく
は90〜140℃である。融点が160℃より高いと定
着時に離型剤が溶けず定着ハードローラとトナーの界面
に溶出されなくなって高温オフセットを発生しやすい傾
向になる。また、融点が80℃より小さい場合はトナー
の耐熱性が低下して凝集や固化が起こりやすい傾向にな
る。離型剤はトナー(母体粒子)全体当たり一般に0.
1〜20重量%、好ましくは1.0〜15重量%配合さ
れる。
【0048】トナー(母体粒子)の結着樹脂中に低動摩
擦係数の樹脂微粒子を添加することも出来る。低動摩擦
係数の樹脂微粒子とは動摩擦係数が0.3以下の樹脂微
粒子であり、これの具体例としは、ポリアルキレン微粒
子、4フッ化又は3フッ化のフッ素樹脂微粒子、メラミ
ン樹脂微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリ
スチレン微粒子、ポリアセタール微粒子等が挙げられ
る。これら樹脂微粒子の平均粒径は0.1〜5μm、好
ましくは0.2〜4μm、より好ましくは0.3〜3μ
mである。かかる樹脂微粒子の配合量はトナー(母体粒
子)全体当たり0.1〜20重量%、好ましくは0.5
〜15重量%、より好ましくは1.0〜10重量%であ
る。ここでの動摩擦係数は、JIS K 7125によ
り測定した動摩擦係数であり、試験片に対する被摩擦材
として、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアセター
ル、アクリル、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、4フッ化のフッ素樹脂を用い、
各被摩擦材との動摩擦係数の平均値を試験片の動摩擦係
数の基準として得られたものである。
【0049】トナー(母体粒子)に必要に応じて流動性
付与、帯電制御等の目的で外添剤を外添処理(混合)す
ることができる。かかる外添剤としては、シリカ、アル
ミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、フェライ
ト、及びマグネタイトなどの金属酸化物微粉末、タング
ステンカーバイドなどの金属炭化物微粉末、窒化ケイ
素、窒化ホウ素などの金属窒化物微粉末、チタン酸バリ
ウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等
のチタン酸塩微粉末、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸
カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム等のジルコン酸
塩微粉末等を挙げることができ、これらのうちの1種ま
たは2種以上の物質が使用される。これらの外添剤は、
一般に、固相法、水熱法、シュウ酸塩熱法等によって作
成されるもので、必要に応じて疎水化処理等の表面処理
が施される。前記例示の物質のうちシリカ微粉末、特に
疎水性シリカ微粉末が好ましく、負帯電性であればシリ
コーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉末が好
ましく、正帯電性であればオルガノポリシロキサンによ
り表面処理された疎水性シリカ微粉末が好ましい。ま
た、これらの疎水性シリカ微粉末は窒素吸着によるBE
T比表面積が50〜350m2 /gであるのが好まし
い。かかる外添剤は一般にトナー母体粒子100重量部
当たり0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部
配合される。また、前記トナー(母体粒子)の結着樹脂
中に添加した低動摩擦係数の樹脂微粒子を外添加剤とし
て使用することもできる。この場合、添加量は、トナー
母体粒子100重量部当たり0.1〜10重量部、好ま
しくは0.1〜5重量部配合される。
【0050】本発明においてトナーの製造工程は以下の
2つ形態がある。第1の形態は、トナー(母体粒子)を
構成する材料の前混合処理工程、溶融混練処理工程、混
練物の粉砕処理工程、粉砕物の分級処理工程、及び分級
されたトナー(母体粒子)への熱風の吹き付けによる表
面改質処理と急速冷却処理をこの順に行う工程とからな
る。第2の形態は、前記第1の形態に、分級処理された
トナー(母体粒子)に外添剤を混合処理する工程を付加
したもので、この外添剤を混合処理した混合物に熱風を
吹き付けて表面改質処理を行った後、急速冷却処理を行
うものである。
【0051】いずれの形態であっても、急速冷却処理を
熱風の吹き付けによる表面改質処理の終了後30秒以
内、好ましくは0.01〜10秒以内に開始することが
重要である。このような熱風の吹き付けによる表面改質
処理後、直ちに急速冷却処理を行うことにより、熱処理
後の冷却が不十分になってトナー表面の軟化状態にある
結着樹脂中において着色剤をはじめとする内添剤やシリ
カ微粉末をはじめとする外添剤が局部的に凝集してしま
うというような不具合を解消でき、常に内添剤及び外添
剤が各粒子の表層部で一様に分散して固定され、各粒子
の表面特性(帯電性、流動性)が均一にされたトナーが
得られることとなる。熱風の温度は一般に100℃〜7
00℃の範囲であり、好ましくはトナー(母体粒子)を
構成する結着樹脂のガラス転移点よりも50〜600℃
高い温度である。熱風の温度がトナー母体粒子の結着樹
脂のガラス転移点よりも50℃高い温度に満たない場合
は充分な表面改質作用が得難くなる傾向となり、トナー
母体粒子の結着樹脂のガラス転移点温度よりも600℃
高い温度を越える場合はトナー母体粒子同士の凝集が起
こり易い傾向になる。
【0052】急速冷却処理は基本的に常温(20℃)の
空気よりも低い温度の媒体にトナー母体粒子またはトナ
ー母体粒子に外添剤を外添混合した混合物を接触させる
処理である。急速冷却処理の処理方法としては、冷却空
気を分級処理されたトナー母体粒子またはトナー母体粒
子に外添剤を混合した混合物に吹き付ける方法、冷却空
気中にトナー母体粒子またはトナー母体粒子に外添剤を
混合した混合物を通過させる方法、トナー母体粒子また
はトナー母体粒子に外添剤を混合した混合物を水冷する
方法、ドライアイス等の冷媒が周囲に配置された配管内
にトナー母体粒子またはトナー母体粒子に外添剤を混合
した混合物を通過させる方法等の種々の方法を使用する
ことができる。これらのうち、冷却空気を吹き付ける方
法が、最も効率的にかつ均一にトナー母体粒子またはト
ナー母体粒子に外添剤を混合した混合物を冷却でき、好
ましい。また、急速冷却処理時の処理温度は10℃以下
にするのが好ましい。10℃以下にすることにより、極
めて急速に溶融または軟化状態にある結着樹脂を固化さ
せることができる。
【0053】トナー(母体粒子)を構成する材料の前混
合処理は、結着樹脂と着色剤をはじめとする各種添加剤
を撹拌羽根を具備したミキサ等によって均一に分散する
処理であり、ミキサの具体例としては、スーパーミキサ
(川田製作所社製)、ヘンシェルミキサ(三井三池工業
社製)、PSミキサ(神鋼パンテック社製)、レーディ
ゲミキサ等の公知のミキサが挙げられる。
【0054】溶融混練処理は、前記混合処理された材料
を加熱し、せん断力によって結着樹脂中に前記添加剤
(内添剤)を分散させる処理であり、このときの処理装
置としては公知の加熱混練機を用いることができ、三本
ロール型、一軸スクリュウー型、二軸スクリュウー型、
バンバリーミキサー型等の種々のタイプの加熱混練機を
使用することができる。
【0055】粉砕分級処理は、混練処理により得られた
混練物を冷却した後、この冷却された混練物をカッター
ミル等のそれ自体公知の粉砕機で粗粉砕し、次に、この
粗粉砕物を例えばIDS粉砕機(日本ニューマティック
工業社製、商品名)等のジェットミル粉砕にて細かく粉
砕し、次に、この粉砕物から気流式分級機等によって微
粉粒子をカットして、所望の粒度分布のトナー(母体粒
子)を得る処理である。機械式による粉砕、分級も可能
である。例えば固定したステータに対して回転するロー
ラとの微小な空隙にトナーを投入して粉砕するクリプト
ロン粉砕機(川崎重工業社製)やターボミル(ターボ工
業社製)等が使用される。この粉砕分級処理により、一
般に体積平均粒子径が3〜12μm、2.0μm以下の
体積含有率が40%以下、16μm以上の体積含有率が
5%以下、好ましくは体積平均粒子径が4〜9μm、
3.2μm以下の体積含有率が30%以下、16μm以
上の体積含有率が1%以下の粒度分布を有するトナー粒
子(トナー母体粒子)を取得する。
【0056】分級処理されたトナー(母体粒子)への外
添剤の混合処理は、前記したシリカ微粉末等の外添剤を
ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの公知の混合装
置を用いて分級処理されたトナー(母体粒子)と混合す
る処理である。
【0057】図1はトナー母体粒子またはトナー母体粒
子に外添剤を混合した混合物に熱風による表面改質処理
及び急速冷却処理を施すための装置の一具体例の構成を
概略的に示している。以下、かかる装置の動作を説明す
る。
【0058】所定の粒度分布に調整された被処理粒子
(トナー母体粒子またはトナー母体粒子に外添剤を混合
した混合物)301は定量供給機302から投入され、
圧縮空気発生手段300によって発生した圧縮空気30
3により配管315を通って分散ノズル304まで送ら
れ、分散ノズル304の約45度上方に傾けられたノズ
ル開口から外部に噴射される。ここで分散ノズル304
は熱風発生装置305の両側の左右対称となる位置に2
個配置されている。これは、複数のノズルから被処理粒
子301を噴射させることにより、被処理粒子301が
効率良くかつ均一に処理されるようにするためである。
フード307の下方に配置された熱風発生装置305か
らフード307の開口へ向けて熱風306が放射され、
この熱風306中を被処理粒子301が分散しながら通
過することにより被処理粒子301が熱風306に晒さ
れて表面改質処理がなされる。ここで熱風発生装置30
5の熱風を起こさせるための手段としてはヒータが使用
されている。なお、熱風発生装置305の熱風を起こさ
せるため手段としては、例えば、プロパンガス等を燃焼
させることにより熱風306を起こさせるような他の手
段であってもよい。表面改質された被処理粒子301は
フード307内に取り込まれ、配管316内にて冷却空
気発生装置308から発生される冷却空気309の照射
によって急速に冷却される。そして、急速冷却処理がな
された被処理粒子301はサイクロン310に送られ、
回収ボックス311で補集回収される。熱風及び冷却空
気の風量及び風速は被処理粒子の処理量によって適宜決
定される。また、被処理粒子が熱風処理させる位置と急
速冷却される位置間の距離も被処理粒子の処理量によっ
て適宜決定されるが、一般に5〜100cm、好ましく
は10〜80cmである。なお、図中、312は微粉を
補集するためのバグフィルタ、314は負圧を形成する
ためのブロア、313はブロア314によって形成され
た負圧によって発生する風量を測定するための風量計、
317は処理温度を測定するための温度計である。
【0059】本装置は以下の利点を有する。被処理粒子
(トナー母体粒子またはトナー母体粒子に外添剤を混合
した混合物)が分散ノズルからの噴射によって各粒子毎
に分離分散した状態で表面改質が行われるので、粒子同
士が融着したり、粗粒を生じることがない。また、瞬時
に熱風により処理するため被処理粒子相互の凝集もな
く、被処理粒子全体が均一に処理される。また装置構成
が非常に簡単でコンパクトである。また、機壁温度の上
昇がなく製品回収率が高く、開放型のため粉塵爆発の可
能性がほとんどない。また、熱風による表面改質処理及
び急速冷却処理が連続的に行われるため生産効率が高
い。
【0060】なお、本発明ではトナー母体粒子に外添剤
を混合した混合物に熱風による表面改質処理及び急速冷
却処理が施した後、更に外添剤を外添混合してもよく、
かかる外添処理は前記したヘンシェルミキサ、スーパー
ミキサなどの公知の混合装置で行われる。
【0061】本発明のキャリアは結着樹脂中に磁性体を
分散させた磁性体分散バインダー型キャリアであり、現
像器内でのストレスに対する耐衝撃性、トナーに電荷を
付与する摩擦帯電特性、現像スリーブ上で磁気ブラシを
形成トナーを現像場に搬送するための磁気特性と流動
性、トナーとの混合濃度を一定に保つための流動性等が
要求される。
【0062】キャリア母体粒子を構成する結着樹脂とし
ては、スチレン系、テトラフルオロエチレン系、アクリ
ル系、シリコン系、ポリエステル系、オレフィン系等の
各種樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂が使用
される。ポリエステル系樹脂を含有させるのが好まし
く、特にポリエステル樹脂とイソシアネートとの反応生
成物からなるウレタン変性ポリエステル樹脂を含有させ
るのが好ましい。かかるポリエステル樹脂の使用量はキ
ャリアに要求される耐久性等によって異なるが一般に結
着樹脂全体当たり20wt%以上、好ましくは40wt
%以上、さらに好ましくは50wt%以上含有させる。
これにより、結着樹脂と磁性体等の添加剤を混練する際
の添加剤の分散性が向上し、得られるキャリアは現像器
内での耐衝撃性に優れたものとなる。ポリエステル樹脂
は多価カルボン酸またはその低級アルキルエステルと多
価アルコールとの重縮合によって得られる。多価カルボ
ン酸又は低級アルキルエステルの具体例としては、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸等の脂肪族二塩基酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の
脂肪族不飽和二塩基酸、及び無水フタル酸、フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸な等の芳香族二塩基酸、並
びに、前記の脂肪族二塩基酸、脂肪族不飽和二塩基酸、
及び芳香族二塩基酸のメチルエステル、エチルエステル
等である。これらのうち、フタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸等の芳香族二塩基酸、またはこれらの低級ア
ルキルエステルを使用するのが好ましい。多価アルコー
ルの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノールAプロピレンオキサイド付加物等のジオー
ル、及びグレセリン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン等のトリオールから選ばれる1種または
2種以上の物資が使用される。これらのうち、ネオペン
チルグリコール、トリメチロールプロパン、ビスフェノ
ールAエチレンオキサイド付加物、またはビスフェノー
ルAプロピレンオキサイド付加物を使用するのが好まし
い。
【0063】多価カルボン酸と多価アルコールの使用割
合は、通常、カルボキシル基数に対する水酸基数の割合
(OH/COOH)で0.8〜1.4が一般的である。
またポリエステル樹脂の水酸基価は好ましくは6〜10
0である。
【0064】イソシアネートとしては、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシナネート、トリ
レンジイソシナネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシナネート、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート等を挙げることが出来る。ウレタン変性ポリ
エステル樹脂はポリエステル樹脂とイソシアネートとを
例えば温度50〜200度で反応させることにより得ら
れる前記結着樹脂中に添加し分散させる磁性体粒子(キ
ャリア母体粒子に含有させる磁性体粒子)としては、マ
グネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト粒
子、鉄以外の金属(Mn,Ni,Mg,Cu等)を一種
又は二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフ
ェライト等のマグネトプランバント型フェライト粒子、
表面に酸化層を有する鉄粒子または鉄と鉄以外の金属
(Mn,Ni,Mg,Cu等)からなる合金粒子を挙げ
られる。形状は不定形、球状、針状のいづれでもよい。
添加量はキャリア母体粒子全体当たり一般に50〜95
重量%、好ましくは60〜90重量%である。
【0065】前記結着樹脂中(キャリア母体粒子中)に
は磁性体粒子の他に必要に応じて電荷制御剤、抵抗制御
剤、離型剤等を添加し分散させる。電荷制御剤は前記例
示したトナーの結着樹脂に添加される電荷制御剤を使用
することができ、添加量はキャリア母体粒子全体当たり
一般に50〜95重量%である。抵抗制御剤としては導
電性材料、強誘電材料等が使用される。導電性材料の具
体例としては、導電性カーボンブラック、酸化錫、酸化
亜鉛、酸化鉄等を挙げることができ、これらのうちの1
種または2種以上が使用される。特に導電性カーボンブ
ラックを使用するのが好ましく、窒素吸着によるBET
比表面積が500〜1300m2 /g、DBP(dibuty
l phtalate)吸油量が160ml/100g以上、PH
7以上のカーボンブラックを使用するのが特に好まし
い。かかる導電性材料はキャリア母体粒子全体当たり一
般に0.1〜20重量%使用される。強誘電材料の具体
例しては、CaSiO3 、LaCrO3 、AlPO4
NbP34、LaFeO3、LiNbO3 、SrTi
3、BaTiO3、CaTiO3、PbTiO3、FeT
iO3、SrZrO3、BaZrO3、CaZrO3、Pb
ZrO3、MnSiO3、MgSiO3、MoO2、SnO
2、ZnO2、MgO2、NiO、V25 、Nb25、W
2、Nb23 −TiO2、Ta25−TiO2、V25
−ZnO2 等が挙げられる。これらのうちSrTi
3、BaTiO3、MgTiO3、AlTiO3、CaT
iO3 、PbTiO3、FeTiO3 等のチタン酸塩
や、SrZrO3、BaZrO3 、MgZrO3 、Al
ZrO3、CaZrO3、PbZrO3 等のジルコン酸塩
や、MnSiO3、CaSiO3、MgSiO3 等の珪酸
塩を使用するのが好ましく、チタン酸塩、ジルコン酸塩
を使用するのが特に好ましい。かかる強誘電材料は通常
粒子径が0.05〜5μmの微粒子状で使用され、キャ
リア母体粒子全体当たり一般に0.1〜10重量%使用
される。これら強誘電材料の微粒子は水熱条件下で合成
したものを使用するのが好ましく、水熱条件下での合成
方法としては、水熱酸化法、水熱沈澱法、水熱合成法、
水熱分散法、水熱結晶化法、水熱加水分解法、水熱アト
リーダ混合法、及び水熱メカノケミカル法等が挙げられ
る。特に水熱酸化法、水熱沈澱法、水熱合成法、水熱分
散法、及び水熱加水分解法等によって合成された強誘電
材料の微粒子は、凝集が少なく、粒度分布が狭く、優れ
た流動性を有する球状の微粒子となる。
【0066】キャリアはトナーとの摩擦帯電により電荷
を発生するが、低温の環境下では過帯電になって電荷が
上昇し過ぎ、画像濃度が低下することがある。前記例示
の電荷制御剤及び抵抗制御剤を結着樹脂中に内添し分散
させておくことによりかかる過帯電を防止でき、常に適
切な電荷量を保持することが可能になる。なお、これら
電荷制御剤及び抵抗制御剤をキャリア母体粒子に表面改
質剤として外添混合しても同様の過帯電防止効果を得る
ことができる。特に、前記水熱酸化法、水熱沈澱法、水
熱合成法、水熱分散法、及び水熱加水分解法等によって
合成された強誘電材料の微粒子は凝集が少なく、粒度分
布が狭く、優れた流動性を有するので、キャリア母体粒
子に表面改質剤として外添混合した場合に良好な分散性
が得られ、キャリアの各粒子を一様な帯電状態に安定さ
せることができ、極めて優れた過帯電防止効果が得られ
る。
【0067】離型剤の具体例としては、低分子量ポリア
ルキレン(ワックス)、フッ素樹脂、シリコーンオイ
ル、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂等
が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用され
る。これらのうち、低分子量ポリアルキレン(ワック
ス)、特に分子量が2000〜30000の低分子量ポ
リエチレンや低分子量ポリプロピレンを使用するのが好
ましく、分子量が2000〜30000で、密度が0.
96g/cm3 以上の低分子量ポリエチレンを使用する
のが特にこの好ましい。離型剤はキャリア母体粒子全体
当たり一般に1〜10重量%使用される。離型剤を結着
樹脂中に内添し分散させておくことにキャリア表面への
トナーの融着(スペント)を防止する作用が強化され
る。なお、この離型剤をキャリア母体粒子に表面改質剤
として外添混合しても同様にキャリア表面へのトナーの
融着(スペント)防止する作用を強化できる。
【0068】また、キャリア母体粒子に外添混合してキ
ャリアの流動性及び帯電性を改善する表面改質剤として
シリカ微粉末を使用することができる。かかるシリカ微
粉末はキャリア母体粒子100重量部に対して一般に
0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部使用さ
れる。
【0069】また、前記キャリア母体粒子中に内添混合
した離型剤、電荷制御剤、及び抵抗制御剤等はキャリア
母体粒子の表面改質剤としてキャリア母体粒子に外添混
合することもできる。この場合の離型剤の添加量はキャ
リア母体粒子100重量部当たり一般に0.1〜5重量
部、好ましくは0.1〜2重量部であり、電荷制御剤の
添加量はキャリア母体粒子100重量部当たり一般に
0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部であ
り、抵抗制御剤の添加量はキャリア母体粒子100重量
部当たり一般に0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜
2重量部である。
【0070】本発明においてキャリアの製造工程は基本
的に前記したトナーの製造工程と同じであり、表面改質
剤を外添混合する場合は、キャリア母体粒子に表面改質
剤を混合処理した混合物に熱風を吹き付けて表面改質処
理を行った後、急速冷却処理を行う。
【0071】キャリア母体粒子を構成する材料の前混合
処理は、結着樹脂と磁性体粒子をはじめとする各種添加
剤を撹拌羽根を具備したミキサ等によって均一に分散す
る処理であり、ミキサの具体例としては、スーパーミキ
サ(川田製作所社製)、ヘンシェルミキサ(三井三池工
業社製)、PSミキサ(神鋼パンテック社製)、レーデ
ィゲミキサ等の公知の装置が用いられる。
【0072】溶融混練処理は、前記混合処理された材料
を加熱し、せん断力によって結着樹脂中に前記添加剤
(内添剤)を分散させる処理であり、このときの処理装
置としては公知の加熱混練機を用いることができ、三本
ロール型、一軸スクリュウー型、二軸スクリュウー型、
バンバリーミキサー型等の種々のタイプの加熱混練機を
使用することができる。
【0073】粉砕分級処理は、混練処理により得られた
混練物を冷却した後、この冷却された混練物をカッター
ミル等のそれ自体公知の粉砕機で粗粉砕した後、この粉
砕物から気流式分級機等で分級して所望の粒度分布のキ
ャリア(母体粒子)を得る処理である。この粉砕処理は
カッターミル等のジェットミル粉砕により粉砕する方法
を用いるよりも、高速に回転する回転体と固定体の間に
発生する高速気流の流動に伴って原料粒子相互が強力な
衝突により粉砕されながら球形化される機械式の粉砕方
法を用いるのが好ましい。かかる機械式の粉砕方法で粉
砕を行う装置としては、例えば固定したステータと回転
するローラとの間の微小な空隙にトナーを投入して粉砕
するクリプトロン粉砕機(川崎重工業社製)、ターボミ
ル(ターボ工業社製)等が挙げられる。なお、微粉分級
は必要に応じて行われる。
【0074】このような粉砕分級処理によって、一般に
体積平均粒子径が20〜100μm、15μm以下の体
積含有率が10%以下、110μm以上の体積含有率が
1%以下、好ましくは体積平均粒子径が25〜70μ
m、20μm以下の体積含有率が10%以下、75μm
以上の体積含有率が1%以下、より好ましくは体積平均
粒子径が25〜40μm、20μm以下の体積含有率が
10%以下、45μm以上の体積含有率が1%以下の粒
度分布を有するキャリア母体粒子を得る。
【0075】前記分級処理されたキャリア母体粒子への
表面改質剤の混合処理は、前記したシリカ微粉末等の表
面改質剤をヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの公
知の混合装置を用いて分級処理されたキャリア母体粒子
と混合する処理である。
【0076】所定の粒子度分布に調整されたキャリア母
体粒子またはこのキャリア母体粒子に表面改質剤を外添
処理した混合物に熱風による表面改質処理と急速冷却処
理を施すが、かかる熱風による表面改質処理及び急速冷
却処理における処理内容は前記したトナーの製造工程に
おけるそれと基本的に同じであり、ここでは詳しい説明
は省略する。重要な点は、急速冷却処理を熱風の吹き付
けによる表面改質処理の終了後30秒以内、好ましくは
表面改質処理の終了後0.01〜10秒以内に開始する
ことである。このような熱風の吹き付けによる表面改質
処理後、直ちに急速冷却処理を行うことにより、熱処理
後の冷却が不十分になってキャリア表面の軟化状態にあ
る結着樹脂中において磁性体粉末をはじめとする内添剤
やシリカ粉末をはじめとする表面改質剤が局部的に凝集
してしまうというような不具合を解消でき、常に各粒子
の表面特性(帯電性、流動性、平滑性等)が均一にされ
たキャリアが得られることとなる。熱風の温度は一般に
100℃〜800℃の範囲であり、好ましくはキャリア
母体粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点よりも50
〜600℃高い温度である。熱風の温度がキャリア母体
粒子の結着樹脂のガラス転移点よりも50℃高い温度に
満たない場合は充分な表面改質作用が得難くなる傾向と
なり、キャリア母体粒子の結着樹脂のガラス転移点温度
よりも600℃高い温度を越える場合はキャリア母体粒
子同士の凝集が起こり易い傾向になる。
【0077】また、急速冷却処理の処理温度、すなわ
ち、キャリア母体粒子またはキャリア母体粒子に表面改
質剤を外添混合した混合物に接触させる温度は10℃以
下にするのが好ましく、10℃以下にすることにより、
極めて効率よく溶融または軟化状態にある結着樹脂を固
化させることができる。
【0078】
【実施例】
(実施例1)下記表1の処方による本発明のトナーTN
−1を作製した。すなわち、結着樹脂、電荷制御剤、離
型剤、顔料を前混合、溶融混練、粉砕、分級の順で処理
してトナー母体粒子を得た後、図1に示した表面改質処
理装置によりトナー母体粒子に300℃の熱風を供給量
5kg/hで吹き付け、更に1℃の冷却空気で急速冷却
した。その後、外添剤を外添混合処理してトナーTN−
1を得た。表1において外添剤の添加量はトナー母体粒
子100重量部当たりの添加量を示す。このトナーTN
−1の体積平均粒径は6μmであった。体積平均粒径は
コールターカウンタ(日科機社製)により測定した。
【0079】
【表1】
【0080】下記表2の処方による本発明のトナーTN
−2を作製した。すなわち、結着樹脂、電荷制御剤、離
型剤、顔料を前混合、溶融混練、粉砕、分級の順で処理
してトナー母体粒子を得た後、トナー母体粒子に外添剤
を外添混合処理し、その後、図1に示した表面改質処理
装置により、トナー母体粒子と外添剤の混合物に、35
0℃の熱風を供給量5kg/hで吹き付け、更に1℃の
冷却空気で急速冷却してトナーTN−2を得た。表2に
おいて外添剤の添加量はトナー母体粒子100重量部当
たりの添加量を示す。このトナーTN−2の体積平均粒
径は6μmであった。体積平均粒径はコールターカウン
タ(日科機社製)により測定した。
【0081】
【表2】
【0082】下記表3の処方による本発明のキャリアC
A−1を作製した。すなわち、結着樹脂、磁性体、電荷
制御剤、抵抗制御剤、離型剤を前混合、溶融混練、粉
砕、分級の順で処理してキャリア粒子を得た後、図1に
示した表面改質処理装置によりキャリア粒子に500℃
の熱風を供給量7kg/hで吹き付け、更に1℃の冷却
空気で急速冷却してキャリアCA−1を得た。このキャ
リアCA−1の体積平均粒径は40μmであった。体積
平均粒径はマイクロトラック(日機装社製)で測定し
た。
【0083】
【表3】
【0084】下記表4の処方による本発明のキャリアC
A−2を作製した。すなわち、結着樹脂、磁性体、電荷
制御剤、離型剤を前混合、溶融混練、粉砕、分級の順で
処理してキャリア母体粒子を得た後、表面改質剤を外添
混合処理し、その後、図1に示した表面改質処理装置に
よりキャリア母体粒子と表面改質剤の混合物に500℃
の熱風を供給量7kg/hで吹き付け、更に1℃の冷却
空気で急速冷却してキャリアCA−2を得た。表4にお
いて外添剤の添加量はキャリア母体粒子100重量部当
たりの添加量を示す。このキャリアCA−2の体積平均
粒径は40μmであった。体積平均粒径はマイクロトラ
ック(日機装社製)で測定した。
【0085】
【表4】
【0086】下記表5の処方による本発明のキャリアC
A−3を作製した。すなわち、結着樹脂、磁性体、電荷
制御剤、離型剤を前混合、溶融混練、粉砕、分級の順で
処理してキャリア母体粒子を得た後、表面改質剤を外添
混合処理し、その後、図1に示した表面改質処理装置に
よりキャリア母体粒子と表面改質剤の混合物に500℃
の熱風を供給量7kg/hで吹き付け、更に1℃の冷却
空気で急速冷却してキャリアCA−3を得た。表5にお
いて外添剤の添加量はキャリア母体粒子100重量部当
たりの添加量を示す。このキャリアCA−3の体積平均
粒径は40μmであった。体積平均粒径はマイクロトラ
ック(日機装社製)で測定した。
【0087】
【表5】
【0088】比較例のトナーとして表1の処方で表面改
質処理を施すことなく製造したトナーTK−1を得た。
また、比較例のキャリアとして体積平均粒径100μm
のCu−Zn−フェライト粒子にシリコン樹脂を被覆し
たキャリアCK−1を得た。
【0089】前記本発明のトナー(TN−1,TN−
2)及びキャリア(CA−1,CA−2,CA−3)を
用いて初期画像濃度1.30〜1.35になるように一
定のトナー濃度に混合して二成分現像剤(DV−1〜D
V−6)を作成し、更に比較例のトナー(TK−1)と
キャリア(CK−1)により初期画像濃度1.30〜
1.35になるように一定のトナー濃度に混合して二成
分現像剤(DV−7)を作製し、電子写真複写機FPー
4080(松下電器産業社製、商品名)改造機にて画像
形成を行い、得られた画像の画像評価を行った。
【0090】図2は前記電子写真複写機FPー4080
(松下電器産業社製、商品名)改造機の断面構成を概略
的に示した図である。201は有機感光体で、アルミニ
ウムの導電性支持体上にポリビニルブチラール樹脂(積
水化学社製、エレックBL−1(商品名))にアゾ顔料
の電荷発生物質を分散した電荷発生層と、ポリカーボネ
ート樹脂(三菱ガス化学社製、Z−200(商品名))
と、1,1−ビス(P−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(アナン社
製、T−405(商品名))を含む電荷輸送層を順次積
層した構成のものである。203は感光体をマイナスに
帯電するコロナ帯電器、204は感光体の帯電電位を制
御するグリッド電極、205は原稿反射光である。
【0091】露光後の潜像を可視像化するための現像装
置において、207は非磁性トナー、225はキャリ
ア、224は現像剤を層規制するドクターブレード、2
21は感光体201と狭いギャップを開けて設定した非
磁性現像スリーブ、222は現像スリーブ201の内部
に設置された磁石、210は現像スリーブ108に電圧
を印加する高圧電源から構成されている。
【0092】213は感光体201上のトナー像を紙に
転写する転写ローラで、感光体201に接触するように
設定されている。転写ローラ213は導電性の金属から
なる軸の周囲に導電性弾性部材を設けた弾性ローラであ
り、感光体201への押圧力は転写ローラ213(ロー
ラ長:約216mm)一本当たり、0〜2000g(望
ましくは500〜1000g)に設定されている。これ
は転写ローラ213を感光体201に圧接するためのバ
ネのバネ係数と縮み量の積から測定した。また、感光体
201との接触幅は約0.5mm〜5mmである。転写
ローラ213のゴム硬度はアスカーCの測定法(ローラ
形状でなく、ブロック片を用いた測定)で80度以下、
望ましくは30〜40度である。転写ローラ213は直
径6mmのシャフトの周辺に、リチウム塩を内添した発
泡性の導電性ウレタンエラストマーであって、抵抗値を
107 Ω(シャフトとエラストマー表面に電極を設け、
両者間に500V印加して測定した値)にした導電性ウ
レタンエラストマーを巻き付けたものである。転写ロー
ラ213の外径は16.4mmである。なお、ここでは
ローラの弾性体にウレタン発泡体を用いたが、これの他
に CR(chloroprene)ゴム、NBR(butadiene-acrylon
itril rubber) 、Siゴム、フッ素ゴム等を用いること
もできる。また、導電性を付与するための導電性付与剤
としてリチウム塩を用いたが、カーボンブラックを用い
ることもできる。
【0093】214は転写紙を転写ローラ213に導入
する導電性部材からなる突入ガイド、215は導電性部
材の表面を絶縁被覆した搬送ガイドである。突入ガイド
214と搬送ガイド215は直接あるいは抵抗を介して
接地している。216は転写紙、217は転写ローラ2
13に電圧印加する電圧発生電源である。
【0094】転写残りの廃トナー223はクリーニング
ブレード218でかき落とされ、クリーニングボックス
219に一時的に貯められ、輸送管220を通して現像
装置のトナーホッパ206に戻される。廃トナー223
の輸送管220を通しての現像装置への輸送方式はエア
ーを用いる方式、渦巻状の搬送羽根が周囲に形成された
搬送ローラやコイル状の部材の回転によりトナーを搬送
する方式、磁力または振動力を用いた方式等の種々の方
式を使用できるが、ここでは搬送ローラを用いている。
また、クリーニングブレード218に弾性体ウレタンブ
レードを用いたが、バイアス印可したファーブラシや、
導電性金属ローラを使用することもできる。
【0095】感光体201の直径は30mmで、周速6
0mm/sで図中の矢印の方向に回転させた。現像スリ
ーブ221の直径は16mmで、周速40mm/sで感
光体201の進行方向とは同方向(図中の矢印方向)に
回転させた。感光体201と現像スリーブ221とのギ
ャップは300μmに設定した。
【0096】感光体201をコロナ帯電器203(印加
電圧−4.5kV、グリッド204の電圧−500V)
で−500Vに帯電させた。この感光体201に原稿反
射光205を照射し静電潜像を形成した。現像スリーブ
221上で磁気ブラシを形成したキャリア225は、現
像スリーブ224の回転と共に感光体201の前に搬送
され、キャリア225に付着しているトナー207が感
光体201の静電潜像へ向けて移行し、静電潜像の現像
が行われた。こうして感光体11上に得られたトナー像
を、転写紙に、転写ローラ213によって転写した後、
定着器(図示せず)により熱定着して複写画像を得た。
【0097】廃トナーリサイクルを行いながら40万枚
の長期複写テストを行った。初期と40万枚耐刷後の画
像濃度と地カブリ、耐刷試験中における転写時の中抜け
の発生状況及びトナー飛散の発生状況を評価した。
【0098】画像濃度は反射濃度計(マクベス社製)で
測定し、地カブリはホトボルト社製の白色度計により白
紙との反射率の差を測定した。トナー飛散(飛散量)は
現像スリーブ直上に紙を配置しそれに付着するトナー量
を目視で観察して評価した。
【0099】下記の表6が評価結果である。なお、表中
の中抜けの評価において、○は中抜けが殆ど発生してい
ない合格レベルを表し、×は中抜けが頻繁に発生した不
合格レベルを表している。
【0100】
【表6】
【0101】表6から分かるように、本発明のトナー
(TN−1,TN−2)及びキャリア(CA−1,CA
−2,CA−3)からなる現像剤(DV−1〜DV−
6)を用いた場合、40万枚の耐刷試験中において、現
像剤は高帯電量で安定に推移し、初期の画像に比べて遜
色のない高濃度、低地カブリの複写画像が得られた(し
かも、ライン画像の乱れがなく、ベタ黒画像が均一で、
濃度が1.4の16本/mmの画線をも再現した高画質
画像であった。)。また、文字やライン画像における中
抜けやトナーの飛び散りは殆ど発生していなかった。ま
た、トナー飛散量も少なく問題ないレベルであった。試
験後に感光体表面、転写ローラ表面を観察したがトナー
による汚染は殆どない状態であった。また、キャリア表
面へのスペントトナーの発生も殆どない状態であった。
【0102】これに対し、比較例のトナーTK−1及び
キャリアCK−1からなる現像剤DV−7を用いた場
合、40万枚の耐刷試験中において現像剤の帯電量が安
定せず、次第に低下していき、40万枚付近では画像濃
度の過剰上昇が起こり、地カブリも激しくなった。ま
た、文字やライン画像における中抜けが耐刷後半から顕
著に発生し、トナー飛散量も多くなった。試験後に感光
体表面および転写ローラ表面を観察したが、感光体表面
にはトナーフィルミングが発生し、転写ローラ表面にも
トナー汚染が生じていた。また、キャリア表面にはスペ
ントが発生していた。
【0103】(実施例2)下記表7の処方による本発明
のトナーTG−1を作製した。すなわち、結着樹脂、電
荷制御剤、離型剤、磁性体を前混合、溶融混練、粉砕、
分級の順で処理してトナー母体粒子を得た後、図1に示
した表面改質処理装置によりトナー母体粒子に300℃
の熱風を供給量5kg/hで吹き付け、更に1℃の冷却
空気で急速冷却した。その後、外添剤を外添混合処理し
てトナーTG−1を得た。表7において外添剤の添加量
はトナー母体粒子100重量部当たりの添加量を示す。
このトナーTG−1の体積平均粒径は6μmであった。
体積平均粒径はコールターカウンタ(日科機社製)によ
り測定した。
【0104】
【表7】
【0105】下記表8の処方による本発明のトナーTG
−2を作製した。すなわち、結着樹脂、電荷制御剤、離
型剤、磁性体を前混合、溶融混練、粉砕、分級の順で処
理してトナー母体粒子を得た後、外添剤を外添混合処理
し、この混合物に図1に示した表面改質処理装置により
350℃の熱風を供給量5kg/hで吹き付け、更に1
℃の冷却空気で急速冷却して、トナーTG−2を得た。
表8において外添剤の添加量はトナー母体粒子100重
量部当たりの添加量を示す。このトナーTG−2の体積
平均粒径は6μmであった。体積平均粒径はコールター
カウンタ(日科機社製)により測定した。
【0106】
【表8】
【0107】前記トナーTG−1及びトナーTG−2を
用いて、電子写真装置により画像形成を行い、画像評価
を行った。図3は本実施例で使用した一成分現像方式を
用いた電子写真装置の断面の構成を概略的に示した図で
ある。図において、411は有機感光体で、アルミニウ
ムの導電性支持体上にポリビニルブチラール樹脂(積水
化学製エレックBL−1)にτ型無金属フタロシアニン
(東洋インキ製)の電荷発生物質を分散した電荷発生層
と、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製Z−20
0)と、1,1−ビス(P−ジエチルアミノフェニル)
−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(アナン社
製T−405)を含む電荷輸送層を順次積層した構成の
ものである。202は感光体411と同軸で固定された
磁石、203は感光体411をマイナスに帯電するコロ
ナ帯電器、204は感光体の帯電電位を制御するグリッ
ド電極、205は信号光である。
【0108】207は磁性一成分トナー、206は感光
体201表面に磁性トナー207を供給するトナーホッ
パー、208は感光体201とギャップを開けて設定し
た非磁性電極ローラ、209は電極ローラ208の内部
に設置された磁石、210は電極ローラ208に電圧を
印加する交流高圧電源、211は電極ローラ上のトナー
をかきおとすポリエステルフィルム製のスクレーパ、2
12はトナーホッパー内でのトナーの流れをスムーズに
し、またトナーが自重で押しつぶされ感光体と電極ロー
ラとの間でのつまりが発生するのを防止するためのダン
パーである。これらにより露光後の潜像を可視像化する
ための現像装置が構成される。ここで、電極ローラ20
8は非画像部の余分なトナーを回収するためのものであ
る。
【0109】213は感光体上のトナー像を紙に転写す
る転写ローラで、その表面が感光体411の表面に接触
するように設定されている。転写ローラ213は導電性
の金属からなる軸の周囲に導電性弾性部材を設けた弾性
ローラである。感光体411への押圧力は転写ローラ2
13(ローラ長:約216mm)一本当たり0〜200
0g(望ましくは500〜1000g)である。これは
転写ローラ213を感光体411に圧接するためのバネ
のバネ係数と縮み量の積から測定した。感光体411と
の接触幅は約0.5mm〜5mmである。転写ローラ2
13のゴム硬度はアスカーCの測定法(ローラ形状でな
く、ブロック片を用いた測定)で80度以下で、望まし
くは30〜40度である。弾性ローラ213は直径6m
mのシャフトの周辺にLi2O 等のリチウム塩を内添す
ることによりを抵抗値を107 Ω(シャフトとエラスト
マー表面に電極を設け、両者に500V印加する)にし
た発泡性のウレタンエラストマーを巻き付けて構成され
ている。転写ローラ213全体の外径は16.4mm
で、硬度はアスカーCで40度である。転写ローラ21
3は感光体411に転写ローラ213の軸を金属バネで
押圧する事により接触されている。押圧力は約1000
gである。ローラの弾性体としては前記発泡性のウレタ
ンのエラストマーの他にCRゴム、NBR、Siゴム、
フッ素ゴム等の他の材料からなる弾性体を使用すること
もできる。また、導電性を付与するための導電性付与剤
としては前記リチウム塩の他にカーボンブラック等の他
の導電性物質を使用することもできる。
【0110】214は転写紙を転写ローラ213に導入
する導電性部材からなる突入ガイド、215は導電性部
材の表面を絶縁被覆した搬送ガイドである。突入ガイド
214と搬送ガイド215は直接あるいは抵抗を介して
接地している。216は転写紙、217は転写ローラ2
13に電圧印加する電圧発生電源である。
【0111】218は転写残りのトナーをかき落とすク
リーニングブレード、219は廃トナーを貯めるクリー
ニングボックス、223は廃トナーである。転写残りの
廃トナー223はクリーニングブレード218でかき落
とされ、クリーニングボックス219に一時的に貯めら
れ、輸送管220を通して現像装置のトナーホッパ20
6に戻される。廃トナー223の輸送管220を通して
の現像装置への輸送方式はエアーを用いる方式、渦巻状
の搬送羽根が周囲に形成された搬送ローラやコイル状の
部材の回転によりトナーを搬送する方式、磁力または振
動力を用いた方式等の種々の方式を使用できるが、ここ
では搬送ローラを用いている。
【0112】クリーニングブレードに弾性体ウレタンブ
レードを用いたが、バイアス印可したファーブラシや、
導電性金属ローラを用いることもできる。感光体411
表面での磁束密度は600Gsである。電極ローラ内部
の磁力の方を強くして搬送性を向上させた。また図中に
示す磁石202の磁極角はθは15度に設定した。感光
体411の直径は30mmで、周速260mm/sで図
中の矢印の方向に回転させ用いた。電極ローラ208の
直径は16mmで、周速40mm/sで感光体411の
進行方向とは逆方向(図中の矢印方向)に回転させた。
感光体411と電極ローラ208とのギャップは300
μmに設定した。
【0113】感光体411をコロナ帯電器203(印加
電圧−4.5kV、グリッド204の電圧−500V)
で、−500Vに帯電させた。この感光体411にレー
ザ光205を照射し静電潜像を形成した。このとき感光
体411の露光電位はー90Vであった。この感光体4
11表面上に、トナー207をトナーホッパー206内
で磁石により付着させた。次に感光体411を電極ロー
ラ208の前を通過させた。感光体411の未帯電域の
通過時には、電極ローラ208には交流高圧電源210
により、0Vの直流電圧を重畳した750V0-p (ピー
ク・ツー・ピーク 1.5kV)の交流電圧(周波数1
kHz)を印加した。その後、−500Vに帯電し静電
潜像が書き込まれた感光体411の通過時には、電極ロ
ーラ208には交流高圧電源210により−350Vの
直流電圧を重畳した750V0-p(ピーク・ツー・ピー
ク 1.5kV)の交流電圧(周波数1kHz)を印加
した。すると感光体411の帯電部分に付着したトナー
は電極ローラ208に回収され、感光体411上には画
像部のみのネガポジ反転したトナー像が残った。矢印方
向に回転する電極ローラ208に付着したトナーは、ス
クレーパ211によってかきとり、再びトナーホッパー
206内に戻し次の像形成に用いた。こうして感光体4
11上に得られたトナー像を、転写紙に、転写ローラ2
13によって転写した後、定着器(図示せず)により熱
定着して複写画像が得られる。
【0114】トナーTGー1、TGー2を用いて廃トナ
ーリサイクルを行いながら1万枚の長期複写テストを行
った。初期と1万枚耐刷後の画像濃度と地カブリ、耐刷
試験中における転写時の中抜けの発生状況を評価した。
【0115】画像濃度は反射濃度計(マクベス社製)で
測定し、地カブリはホトボルト社製の白色度計により白
紙との反射率の差を測定した。下記の表9が評価結果で
ある。なお、表中の中抜けの評価において○は中抜けが
殆ど発生していない合格レベルを表している。
【0116】
【表9】
【0117】表9から分かるように、1万枚の耐刷試験
中において、現像剤は高帯電量で安定に推移し、初期の
画像に比べて遜色のない高濃度、低地カブリの複写画像
が得られた(しかも、ライン画像の乱れがなく、ベタ黒
画像が均一で、濃度が1.4の16本/mmの画線をも
再現した高画質画像であった。)。また、文字やライン
画像における中抜けやトナーの飛び散りは殆ど発生して
いなかった。また、トナー飛散量も少なく問題ないレベ
ルであった。試験後に感光体表面、転写ローラ表面を観
察したがトナーによる汚染は殆どない状態であった。
【0118】(実施例3)下記表10の処方による本発
明のカラートナーTC−1を作製した。すなわち、結着
樹脂、電荷制御剤、離型剤、着色剤を前混合、溶融混
練、粉砕、分級の順で処理してトナー母体粒子を得た
後、図1に示した表面改質処理装置によりトナー母体粒
子に250℃の熱風を供給量5kg/hで吹き付け、更
に1℃の冷却空気で急速冷却した。その後、外添剤を外
添混合処理してカラートナーTC−1を得た。このカラ
ートナーTC−1の体積平均粒径は6μmであった。表
10において外添剤の添加量はトナー母体粒子100重
量部当たりの添加量を示す。体積平均粒径はコールター
カウンタ(日科機社製)により測定した。
【0119】
【表10】
【0120】下記表11の処方による本発明のカラート
ナートナーTC−2を作製した。すなわち、結着樹脂、
電荷制御剤、離型剤、着色剤を前混合、溶融混練、粉
砕、分級の順で処理してトナー母体粒子を得た後、外添
剤を外添混合処理し、この混合物に図1に示した表面改
質処理装置により250℃の熱風を供給量5kg/hで
吹き付け、更に1℃の冷却空気で急速冷却して、カラー
トナーTC−2を得た。表11において外添剤の添加量
はトナー母体粒子100重量部当たりの添加量を示す。
このカラートナーTC−2の体積平均粒径は6μmであ
った。体積平均粒径はコールターカウンタ(日科機社
製)により測定した。
【0121】
【表11】
【0122】比較例のトナーとして表10の処方で表面
改質処理を施すことなく製造したカラートナーTC−3
を得た。前記本発明のトナーTC−1及びトナーTC−
2と、比較例のトナーTC−3を用いてカラー電子写真
プリンタにより画像形成を行い、画像評価を行った。
【0123】図4は本実施例で使用したカラー電子写真
プリンタの断面構成を概略的に示した図である。図にお
いて、1はカラー電子写真プリンタの外装筐で、図中の
右端面側が前面である。1Aはプリンタ前面板であり、
該前面板1Aはプリンタ外装筐1に対して下辺側のヒン
ジ軸1Bを中心に点線表示のように倒し開き操作、実線
表示のように起こし閉じ操作自由である。プリンタ内に
対する中間転写ベルトユニット2の着脱操作や紙詰まり
時などのプリンタ内部点検保守等は前面板1Aを倒し開
いてプリンタ内部を大きく解放することにより行われ
る。この中間転写ベルトユニット2の着脱動作は、感光
体の回転軸母線方向に対し垂直方向になるように設計さ
れている。
【0124】中間転写ベルトユニット2の構成を図5に
示す。中間転写ベルトユニット2はユニットハウジング
2aに、転写ベルト3、導電性弾性体よりなる第1転写
ローラ4、アルミローラよりなる第2転写ローラ5、転
写ベルトの張力を調整するテンションローラ6、転写ベ
ルト上に残ったトナー像をクリーニングするベルトクリ
ーナローラ7、クリーナローラ7上に回収したトナーを
かきおとすスクレーパ8、回収したトナーを溜おく廃ト
ナー溜め9aおよび9b、転写ベルトの位置を検出する
位置検出器10を内包している。この中間転写ベルトユ
ニット2は、図13に示されているように、プリンタ前
面板1Aを点線のように倒し開いてプリンタ外装筐1内
の所定の収納部に対して着脱自在である。
【0125】中間転写ベルト3は、絶縁性樹脂中に導電
性のフィラーを混練して押出機にてフィルム化して用い
る。本実施例では、絶縁性樹脂としてポリカーボネート
樹脂(例えば三菱ガス化学社製,ユーピロンZ300)
95重量部に、導電性カーボン(例えばケッチェンブラ
ック)5重量部を加えてフィルム化したものを用いた。
また、表面に弗素樹脂をコートした。フィルムの厚みは
約350μm、抵抗は約107〜108Ω・cmである。
ここで、中間転写ベルト3としてポリカーボネート樹脂
に導電性フィラーを混練し、これをフィルム化したもの
を用いているのは、中間転写ベルトの長期使用による弛
みや,電荷の蓄積を有効に防止できるようにするためで
あり、また、表面を弗素樹脂でコートしているのは、長
期使用による中間転写ベルト表面へのトナーフィルミン
グを有効に防止できるようにするためである。
【0126】この転写ベルトを、厚さ100μmのエン
ドレスベルト状の半導電性のウレタンを基材としたフィ
ルムからなり、周囲に107 Ω・cmの抵抗を有するよう
に低抵抗処理をしたウレタンフォームを成形した第1転
写ローラ4、第2転写ローラ5およびテンションローラ
6に巻回し、矢印方向に移動可能に構成される。ここ
で、転写ベルトの周長は、最大用紙サイズであるA4用
紙の長手方向の長さ(298mm)に、後述する感光体
ドラム(直径30mm)の周長の半分より若干長い長さ
(62mm)を足した360mmに設定している。
【0127】中間転写ベルトユニット2がプリンタ本体
に装着されたときには、第1転写ローラ4は、中間転写
ベルト3を介して感光体11(図4に図示)に約1.0
kgの力で圧接され、また、第2転写ローラ5は、中間
転写ベルト3を介して上記の第1転写ローラ4と同様の
構成の第3転写ローラ12(図4に図示)に圧接され
る。この第3転写ローラは中間転写ベルト3に従動回転
可能に構成している。
【0128】クリーナローラ7は、中間転写ベルト3を
清掃するベルトクリーナ部のローラである。これは、金
属性のローラにトナーを静電的に吸引する交流電圧を印
加する構成である。なお、このクリーナローラ7はゴム
ブレードや電圧を印加した導電性ファーブラシであって
もよい。
【0129】図4において、プリンタ中央には黒、シア
ン、マゼンタ、イエロの各色用の4組の扇型をした像形
成ユニット17Bk、17Y、17M、17Cが像形成
ユニット群18を構成し、図のように円環状に配置され
ている。各像形成ユニット17Bk、17Y、17M、
17Cは、プリンタ上面板1Cをヒンジ軸1Dを中心に
開いて像形成ユニット群18の所定の位置に着脱自在で
ある。像形成ユニット17Bk、17Y、17M、17
Cはプリンタ内に正規に装着されることにより、像形成
ユニット側とプリンタ側の両者側の機械的駆動系統・電
気回路系統が相互カップリング部材(不図示)を介して
結合して機械的・電気的に一体化する。
【0130】円環状に配置されている像形成ユニット1
7Bk、17C、17M、17Yは支持体(図示せず)
に支持されており、全体として移動手段である移動モー
タ19に駆動され、固定されて回転しない円筒状の軸2
0の周りに回転移動可能に構成されている。各像形成ユ
ニットは、回転移動によって順次前述の中間転写ベルト
3を支持する第2転写ローラ4に対向した像形成位置2
1に位置することができる。像形成位置21は信号光2
2による露光位置でもある。
【0131】各像形成ユニット17Bk、17C、17
M、17Yは、中に入れた現像剤を除きそれぞれ同じ構
成部材よりなるので、説明を簡略化するため黒用の像形
成ユニット17Bkについて説明し、他色用のユニット
の説明については省略する。
【0132】図6は像形成ユニット17Bkを拡大して
示した断面図であり、11はフタロシアニンをポリカー
ボネート系バインダ樹脂に分散した有機感光体、23は
感光体11と同軸で固定された回転しない磁石、24は
感光体11をマイナスに帯電する帯電ローラ、22はレ
ーザビーム信号光、25はレーザービーム22が像形成
ユニットに進入する露光窓、26は現像剤ホッパであ
る。現像剤ホッパ26内には、キャリア27BKと、ト
ナー28BKを混合した二成分現像剤29BKが収容さ
れており、磁石23の磁力によって感光体11表面に付
着させている。30はアルミニウム製の回転可能な回収
電極ローラ、31はその内部に同軸で固定された回転し
ない磁石、32は回収電極ローラ上のトナーをかきおと
すポリフェニレンサルファイド製のスクレーパ、33は
回収電極ローラに電圧を印加する高圧電源である。34
は転写後の感光体表面に残ったトナーを清掃するクリー
ナである。感光体11はその直径が30mmで、周速6
0mm/secで矢印の方向に回転する。回収電極ロー
ラ30はその直径が16mmで同じく60mm/sec
で矢印方向に回転する。なお、他の像形成ユニット17
C、17M、17Yの構成も各色用の現像剤が収容され
ている以外はこの像形成ユニット17BKの構成と同じ
である。
【0133】35はプリンタ外装筐1内の下側に配設し
たレーザビームスキャナ部であり、図示しない半導体レ
ーザ、スキャナモータ35a、ポリゴンミラー35b、
レンズ系35c等から構成されている。該スキャナ部3
5からの画像情報の時系列電気画素信号に対応した画素
レーザ信号光22は、像形成ユニット17Bkと17Y
の間に構成された光路窓口36を通って、軸20の一部
に開けられた窓37を通して軸20内の固定されたミラ
ー38に入射し、反射されて像形成位置21にある像形
成ユニット17Bkの露光窓25から像形成ユニット1
7Bk内にほぼ水平に進入し、像形成ユニット内に上下
に配設されている現像剤溜め26とクリーナ34との間
の通路を通って感光体ドラム11の左側面の露光部に入
射し母線方向に走査露光される。
【0134】ここで光路窓口36からミラー38までの
光路は両隣の像形成ユニット17Bkと17Yとのユニ
ット間の隙間を利用しているため、像形成ユニット群1
8には無駄になる空間がほとんど無い。また、ミラー3
8は像形成ユニット群18の中央部に設けられているた
め、固定された単一のミラーで構成することができ、シ
ンプルでかつ位置合わせ等が容易な構成である。
【0135】12はプリンタ前面板1Aの内側で給送ロ
ーラ39の上方に配設した第3転写ローラであり、中間
転写ベルト3と第3転写ローラ12との圧接されたニッ
プ部には、プリンタ前面板1Aの下部に設けた紙給送ロ
ーラ39により用紙が送られてくるように用紙搬送路が
形成されている。
【0136】40はプリンタ前面板1Aの下辺側に外方
に突出させて設けた給紙カセットであり、複数の紙Sを
同時にセットできる。41aと41bとは紙搬送タイミ
ングローラ、42a・42bはプリンタの内側上部に設
けた定着ローラ対、43は第3転写ローラ12と定着ロ
ーラ対42a・42b間に設けた紙ガイド板、44a・
44bは定着ローラ対42a・42bの紙出口側に配設
した紙排出ローラ対、45は定着ローラ42aに供給す
るシリコンオイル46を溜める定着オイル溜め、47は
シリコンオイル46を定着ローラ42aに塗布するオイ
ル供給ローラである。
【0137】各像形成ユニット17Bk、17C、17
M、17Y、中間転写ベルトユニット2には、廃トナー
溜めを設けている。以下、動作について説明する。
【0138】最初、像形成ユニット群18は図4に示す
ように、黒の像形成ユニット17Bkが図示のように像
形成位置21にある。このとき感光体11は中間転写ベ
ルト3を介して第1転写ローラ4に対向接触している。
【0139】像形成工程により、レーザ露光装置35に
より黒の信号光が像形成ユニット17Bkに入力され、
黒トナーによる像形成が行われる。この時像形成ユニッ
ト17Bkの像形成の速度(感光体の周速に等しい60
mm/s)と中間転写ベルト3の移動速度は同一になる
ように設定されており、像形成と同時に第1転写ローラ
4の作用で、黒トナー像が中間転写ベルト3に転写され
る。このとき第1転写ローラには+1kVの直流電圧を
印加した。黒のトナー像がすべて転写し終わった直後
に、像形成ユニット17Bk、17C、17M、17Y
は像形成ユニット群18として全体が移動モータ19に
駆動されて図中の矢印方向に回転移動し、ちょうど90
度回転して像形成ユニット17Cが像形成位置21に達
した位置で止まる。この間、像形成ユニットの感光体以
外のトナーホッパ26やクリーナ34の部分は感光体1
1先端の回転円弧より内側に位置しているので、中間転
写ベルト3が像形成ユニットに接触することはない。
【0140】像形成ユニット17Cが像形成位置21に
到着後、前と同様に今度はシアンの信号でレーザ露光装
置35が像形成ユニット17Cに信号光を入力しシアン
のトナー像の形成と転写が行われる。このときまでに中
間転写ベルト3は一回転し、前に転写された黒のトナー
像に次のシアンのトナー像が位置的に合致するように、
シアンの信号光の書き込みタイミングが制御される。こ
の間、第3転写ローラ12とクリーナローラ7とは中間
転写ベルト3から少し離れており、転写ベルト上のトナ
ー像を乱さないように構成されている。
【0141】以上と同様の動作を、マゼンタ、イエロに
ついても行い、中間転写ベルト3上には4色のトナー像
が位置的に合致して重ね合わされカラー像が形成され
た。最後のイエロトナー像の転写後、4色のトナー像は
タイミングを合わせて給紙カセット40から送られる用
紙に、第3転写ローラ12の作用で一括転写される。こ
のとき第2転写ローラ5は接地し、第3転写ローラ12
には+1.5kVの直流電圧を印加した。用紙に転写さ
れたトナー像は定着ローラ対42a・42bにより定着
された。用紙はその後排出ローラ対44a・44bを経
て装置外に排出された。中間転写ベルト3上に残った転
写残りのトナーは、クリーナローラ7の作用で清掃され
次の像形成に備えた。
【0142】次に単色モード時の動作を説明する。単色
モード時は、まず所定の色の像形成ユニットが像形成位
置21に移動する。次に前と同様に所定の色の像形成と
中間転写ベルト3への転写を行い、今度は転写後そのま
ま続けて、次の第3転写ローラ12により給紙カセット
40から送られてくる用紙に転写をし、そのまま定着し
た。
【0143】なお、本装置では、像形成ユニットの構造
として特定の現像法を用いた構造のものを使用している
が、他にコンベンショナルな現像法を用いた構造の像形
成ユニットを用いることもできる。
【0144】前記製造した本発明のトナー(TC−1、
TC−2)を、前記実施例1で使用した本発明のキャリ
ア(キャリアCA−1、CA−2)と混合して現像剤
(DC−1〜DC−4)を作製し、前記製造した比較例
のトナーTC−3を前記実施例1で使用した比較例のキ
ャリアCK−1と混合して現像剤DC−5を作製し、1
0万枚の長期複写テストを行った。初期と10万枚耐刷
後の画像濃度と地カブリ、耐刷試験中における転写時の
中抜けの発生状況及びトナー飛散の発生状況を評価し
た。画像濃度は反射濃度計(マクベス社製)で測定し、
地カブリはホトボルト社製の白色度計により白紙との反
射率の差を測定した。トナー飛散(飛散量)は現像スリ
ーブ直上に紙を配置しそれに付着するトナー量を目視で
観察して評価した。
【0145】下記の表12が評価結果である。なお、こ
の表12は黒色トナーを用いた単色モード動作での評価
結果である。表中の中抜けの評価において、○は中抜け
が殆ど発生していない合格レベルを表し、×は中抜けが
頻繁に発生した不合格レベルを表している。
【0146】
【表12】
【0147】表12から分かるように、本発明のトナー
(TC−1,TC−2)及びキャリア(CA−1,CA
−2)からなる現像剤(DC−1〜DV−4)を用いた
場合、10万枚の耐刷試験中において、現像剤は高帯電
量で安定に推移し、初期の画像に比べて遜色のない高濃
度、低地カブリの複写画像が得られた(ライン画像の乱
れがなく、ベタ黒画像が均一で、濃度が1.4の16本
/mmの画線をも再現した高画質画像であった。)。ま
た、画像には転写時における中抜けやトナーの飛び散り
は殆ど発生せず、転写効率は90%であった。トナー飛
散量も少なく問題ないレベルであった。試験後に感光体
表面、中間転写ベルト表面を観察したがトナーによる汚
染は殆どない状態であった。また、キャリア表面へのス
ペントトナーの発生も殆どない状態であった。
【0148】これに対して表面改質処理を施していない
比較例のトナーTC−3及び比較例のキャリアCK−1
からなる現像剤DC−5を用いた場合、現像剤の帯電量
が安定せず、次第に低下しいき、10万枚付近では画像
濃度の過剰上昇が起こり、地カブリも激しくなった。画
像には中抜けやトナーの飛び散りが生じていた。また、
転写効率が悪く(60%)、感光体表面、中間転写ベル
ト表面にトナーのフィルミングが発生していた。
【0149】(実施例4)像形成ユニットを図7に示す
像形成ユニットに変えた以外を図4に示したカラー電子
写真プリンタと同様の構成からなるカラー電子写真プリ
ンタを用いて、前記実施例3で使用した現像剤と同様の
現像剤(DC−1〜DC−5)を用いて10万枚の長期
複写テストを行った。
【0150】図7において図6と同一符号が同一または
相当する部分を示し、この図7に示す像形成ユニットで
は、転写工程後に感光体11の表面に付着残留するトナ
ーがコロナ帯電器50により帯電され、内部に同軸に固
定された回転しない磁石31を有する回収電極ローラ3
0と感光体11が近接する回収部に至るまでに、磁石2
3によって感光体11の表面に形成されたキャリア27
BKの磁気ブラシによる摺動作用によって回収され、感
光体11表面がクリーニングされるようになっている。
なお、トナーは本来キャリア27と逆極性に帯電してい
るが、転写工程後に感光体の表面に付着残留するトナー
の電荷量が転写工程を経て減少する。コロナ帯電器50
はこのトナーの(キャリアとは逆極性の)電荷量を高め
るためのもので、かかるコロナ帯電器50でトナーの
(キャリアとは逆極性の)電荷量が高められることによ
り、キャリア(磁気ブラシ)によるトナーの回収がより
スムーズに行われる。
【0151】本発明のトナー(TC−1,TC−2)及
びキャリア(CA−1,CA−2)からなる現像剤(D
C−1〜DV−4)を用いた場合、前記実施例3と同様
の良質の画像を得ることができ、画像には転写工程後に
感光体の表面に付着残留するトナーの回収不良(クリー
ニング不良)によるクリーニングメモリーは発生しなか
った。また、転写効率は90%で、感光体表面、中間転
写ベルト表面へのトナーフィルミングの発生もなかっ
た。
【0152】これに対して、表面改質処理を施していな
い比較例のトナーTC−3及び比較例のキャリアCK−
1からなる現像剤DC−5を用いた場合、前記実施例3
でかかる現像剤DC−5を用いた場合と同様の不具合が
発生し、かつ、転写工程後に感光体の表面に付着残留す
るトナーの回収不良(クリーニング不良)によるクリー
ニングメモリーが生じた。
【0153】
【発明の効果】以上のように、本発明のトナーの製造方
法によれば、結着樹脂中に少なくとも着色剤が分散し、
かつ、所定の粒度分布に調整されたトナー母体粒子、ま
たはこのトナー母体粒子に少なくともシリカ微粉末を含
む外添剤を外添混合した混合物に、熱風による表面改質
処理を施した後、直ちに急速冷却処理を施すようにした
ので、各粒子の表面で着色剤をはじめとする内添剤やシ
リカ微粉末をはじめとする外添剤が凝集することなく均
一に分散した、各粒子の表面特性(帯電性、流動性)が
均一なトナーを得ることができ、この結果、長期に亘っ
て良好な帯電性及び流動性が維持されるトナーを再現性
よく製造することができる。また、前記転写ローラを用
いた転写システムを具備する電子写真装置に適用した場
合に、中抜けや飛び散りを防止でき、かつ高転写率で転
写されるトナーを製造することができる。また、廃トナ
ーをリサイクルするシステムを具備する電子写真装置に
適用した場合に、帯電性及び流動性の低下が無く、かつ
凝集物を生じず、長期に亘って高画質画像を形成できる
トナーを製造することができる。また、中間転写体を用
いた転写システムを具備する電子写真装置に適用した場
合に、中抜けや飛び散りが防止され、高転写率で転写さ
れるトナーを製造することができる。また、転写工程後
に残留する像担持体上のトナーがクリーニングされず現
像装置の磁気ブラシによって現像装置内に回収されるよ
う構成された電子写真装置に適用した場合に、転写工程
後に像担持体上に残留したトナーが効率よく現像装置内
に回収されるトナーを製造することができる。
【0154】また、本発明のキャリアの製造方法によれ
ば、結着樹脂中に少なくとも磁性体が分散し、かつ、所
定の粒度分布に調整されたキャリア母体粒子、またはこ
のキャリア母体粒子に表面改質剤を外添混合した混合物
に熱風による表面改質処理を施した後、直ちに急速冷却
処理を施すようにしたので、各粒子の表面で磁性体をは
じめとするが内添剤や表面改質剤が凝集することなく均
一に分散した、各粒子の表面特性(帯電性、流動性)が
均一なキャリアを得ることができ、この結果、長期に亘
って良好な帯電性及び流動性が維持されるキャリアを再
現性よく製造することができる。また、廃トナーをリサ
イクルするシステムを具備する電子写真装置に適用した
場合に、廃トナーから離脱した内添剤や外添剤等の不良
微粒子が表面に付着せず、廃トナーが現像器内での劣悪
な流動性を示しても、かかるトナーを凝集させることな
く、解砕して安定に流動させることができる優れた流動
性を示すキャリアを製造することができる。また、転写
工程後に残留する像担持体上のトナーがクリーニングさ
れず現像装置の磁気ブラシによって現像装置内に回収さ
れるよう構成された電子写真装置に適用した場合に、転
写工程後に像担持体上に残留するトナーを効率良く回収
できる磁気ブラシを形成するキャリアを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明においてトナー母体粒子またはキャリア
母体粒子に熱風による表面改質処理及び急速冷却処理を
施すために使用する処理装置の一具体例の構成を示した
図である。
【図2】本発明の実施例1で使用した電子写真装置の構
成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2で使用した電子写真装置の構
成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例3で使用した電子写真装置の構
成を示す断面図である。
【図5】図4の電子写真装置における中間転写ベルトユ
ニットの構成を示す断面図である。
【図6】図4の電子写真装置における像形成ユニットの
構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例4で使用した電子写真装置の像
形成ユニットの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
301 被処理粒子 302 定量供給機 303 圧縮空気 304 分散ノズル 305 熱風発生装置 306 熱風 307 フード 308 冷却空気発生装置 309 冷却空気 310 サイクロン 311 回収ボックス 312 バグフィルタ 313 風量計 314 ブロア 315,316 配管 317 温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 375 9/10

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂中に少なくとも着色剤が分散
    し、かつ、所定の粒度分布に調整されたトナー母体粒子
    に熱風による表面改質処理を施した後、直ちに急速冷却
    処理を施すトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 結着樹脂中に少なくとも着色剤が分散
    し、かつ、所定の粒度分布に調整されたトナー母体粒子
    に少なくともシリカ微粉末を含む外添剤を外添混合し、
    この混合物に熱風による表面改質処理を施した後、直ち
    に急速冷却処理を施すトナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 急速冷却処理が、熱風による表面改質処
    理の終了後、30秒以内に開始される請求項1または2
    に記載のトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱風による表面改質処理の処理温度がト
    ナー母体粒子の結着樹脂のガラス転移点よりも50〜6
    00℃高い温度である請求項1〜3のいずれかに記載の
    トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 急速冷却処理の処理温度が10℃以下で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載のトナーの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 急速冷却処理がトナー母体粒子またはト
    ナー母体粒子に外添剤を外添混合した混合物への冷却空
    気の吹き付けによって行われる請求項1〜5のいずれか
    に記載のトナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 トナーが、像担持体と導電性弾性ローラ
    との間に転写材を挿通させ、前記導電性弾性ローラに転
    写バイアス電位を印加することにより前記像担持体上に
    形成されたトナー画像を転写材上に転写するトナー転写
    システムを具備する電子写真装置で使用されるトナーで
    ある請求項1〜6のいずれかに記載のトナーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 トナーが、クリーニング装置内に回収さ
    れたトナーを現像装置内へ搬送して再度現像プロセスに
    使用する廃トナーリサイクルシステムを具備する電子写
    真装置で使用されるトナーである請求項1〜6のいずれ
    かに記載のトナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 トナーが、像担持体上に形成されたトナ
    ー画像を前記像担持体に当接させた無端状の中間転写体
    上に転写する一次転写プロセスが一回または複数回実行
    された後、前記一次転写プロセスの実行により前記中間
    転写体上に形成された転写トナー画像を転写材に一括転
    写する二次転写プロセスが実行されるよう構成された転
    写システムを具備する電子写真装置で使用されるトナー
    である請求項1〜6のいずれかに記載のトナーの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 トナーが、転写プロセス後に像担持体
    上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手
    段を有さず、転写プロセス後に像担持体上に残留するト
    ナーを現像装置内に回収して再利用する廃トナーリサイ
    クルシステムを具備する電子写真装置で使用されるトナ
    ーである請求項1〜6、9のいずれかに記載のトナーの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 現像装置が二成分磁気ブラシ現像装置
    であって、現像スリーブ上に形成される磁気ブラシによ
    って前記転写プロセス後に像担持体上に残留するトナー
    が装置内に掻き取られるよう構成された現像装置である
    請求項10に記載のトナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 結着樹脂中に少なくとも磁性体が分散
    し、かつ、所定の粒度分布に調整されたキャリア母体粒
    子に熱風による表面改質処理を施した後、直ちに急速冷
    却処理を施すキャリアの製造方法。
  13. 【請求項13】 結着樹脂中に少なくとも磁性体が分散
    し、かつ、所定の粒度分布に調整されたキャリア母体粒
    子に表面改質剤を外添混合し、この混合物に熱風による
    表面改質処理を施した後、直ちに急速冷却処理を施すキ
    ャリアの製造方法。
  14. 【請求項14】 急速冷却処理が、熱風による表面改質
    処理の終了後、30秒以内に開始される請求項12また
    は13に記載のキャリアの製造方法。
  15. 【請求項15】 熱風による表面改質処理の処理温度が
    キャリア母体粒子の結着樹脂のガラス転移点よりも50
    〜600℃高い温度である請求項12〜14のいずれか
    に記載のキャリアの製造方法。
  16. 【請求項16】 急速冷却処理の処理温度が10℃以下
    である請求項12〜14のいずれかに記載のキャリアの
    製造方法。
  17. 【請求項17】 急速冷却処理をキャリア母体粒子また
    はキャリア母体粒子に表面改質剤を外添混合した混合物
    への冷却空気の吹き付けによって行う請求項12〜16
    のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  18. 【請求項18】 キャリアが、現像装置が二成分現像方
    式の現像装置であり、かつ、クリーニング装置内に回収
    されたトナーを現像装置内へ搬送して再度現像プロセス
    に使用する廃トナーリサイクルシステムを具備する電子
    写真装置の前記現像装置内で使用されるキャリアである
    請求項12〜17のいずれかに記載のキャリアの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 キャリアが、現像装置が二成分現像方
    式の現像装置であり、かつ、転写プロセス後に像担持体
    上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手
    段を有さず、転写プロセス後に像担持体上に残留するト
    ナーを現像装置内に回収して再利用する廃トナーリサイ
    クルシステムを具備する電子写真装置で使用されるキャ
    リアである請求項12〜17のいずれかに記載のキャリ
    アの製造方法。
  20. 【請求項20】 現像装置が二成分磁気ブラシ現像装置
    であって、現像スリーブ上に形成される磁気ブラシによ
    って前記転写プロセス後に像担持体上に残留するトナー
    が装置内に掻き取られるよう構成された現像装置である
    請求項19に記載のキャリアの製造方法。
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