JPH093101A - キサンタンガム誘導体 - Google Patents

キサンタンガム誘導体

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JPH093101A
JPH093101A JP7153097A JP15309795A JPH093101A JP H093101 A JPH093101 A JP H093101A JP 7153097 A JP7153097 A JP 7153097A JP 15309795 A JP15309795 A JP 15309795A JP H093101 A JPH093101 A JP H093101A
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JP
Japan
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xanthan gum
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gum derivative
reaction
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JP7153097A
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Hiroshi Kamiya
寛 紙谷
Katsumi Kita
克己 喜多
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 架橋構造を有し、かつ繰り返し構造単位当た
り0.01〜11個のヒドロキシル基上の水素原子が、ヒドロ
キシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ポリオキシ
アルキレン基、カルボキシアルキル基又はその塩、スル
ホン酸基又はその塩、ホスホノ基又はその塩及びトリア
ルキルアンモニウムヒドロキシアルキル基から選ばれる
少なくとも1種の基で置換されているキサンタンガム誘
導体。 【効果】 少量の添加で優れた増粘効果を発揮し、温度
変化による粘度変化が少なく、かつ水溶性にも優れ水溶
液とした場合の透明性の高いものであり、特にトイレタ
リー及び化粧品分野において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なキサンタンガム
誘導体に関し、更に詳しくは、水溶液としたときの透明
性、増粘性及び温度変化に対する粘度安定性に優れ、特
にトイレタリー及び化粧品分野において有用なキサンタ
ンガム誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】キサンタンガムは、微生物キサントモナ
ス・キャンペストリス(Xanthomonascampestris)によ
り産生される天然多糖類であり、酸、アルカリの存在下
や高い塩濃度下でも優れた粘度安定性を示すために、食
品用あるいは化粧品用の増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エ
マルジョン安定剤、凝集剤として広く利用されている。
しかし、化粧品などの増粘剤やエマルジョン安定剤とし
て利用する場合、キサンタンガムの性質を十分に活かす
ために配合量を多くすると、ベタツキ等の感触面での問
題が生じてくる。しかも、温度変化に伴う粘度変化が大
きく、安定な製品形態を維持しづらいという欠点があっ
た。
【0003】そこで、キサンタンガムを化学修飾により
誘導体化して、キサンタンガム自体の優れた特性を活か
したまま、更に性能を高めようとする試みがなされてい
る。
【0004】例えば、特開昭59-91183号公報には、キサ
ンタンガムをホルムアルデヒド等の架橋剤を用いて架橋
することにより温度変化に対する粘度安定性を向上させ
る方法が記載されている。しかし、この架橋キサンタン
ガムは、増粘性を高めるために高度の架橋を行うと水溶
性が低下して透明性の高い水溶液が得られないという問
題があった。更に、ホルムアルデヒド等で架橋を行った
場合、酸性領域では加水分解によりホルムアルデヒド等
が遊離し、粘度安定性が低下してしまうという問題もあ
った。
【0005】また、その他キサンタンガムの増粘性や粘
度安定性を向上させるために、米国特許第3256271号明
細書には、キサンタンガムのカルボキシル基をエステル
化する方法が、米国特許第3505310号及び同第3598730号
明細書には、キサンタンガムをカチオン化する方法が、
更に特開昭60-252601号、同61-157504号及び同62-28590
2号公報には、キサンタンガムをヒドロキシアルキル化
する方法が開示されている。しかし、これらの方法は何
れも上記問題点を十分に解決し得るものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、少
量の添加で優れた増粘効果を発揮し、温度変化による粘
度変化が少なく、かつ水溶性にも優れ水溶液とした場合
の透明性の高い、特にトイレタリー及び化粧品分野にお
いて有用なキサンタンガム誘導体を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者等は鋭意研究を重ねた結果、キサンタンガムを架
橋剤と反応させた後、更に親水化剤と反応させることに
より、増粘性、粘度安定性及び水溶性に優れるキサンタ
ンガム誘導体が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】すなわち本発明は、架橋構造を有し、かつ
繰り返し構造単位当たり0.01〜11個のヒドロキシル基上
の水素原子が、ヒドロキシアルキル基、ジヒドロキシア
ルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシアルキ
ル基又はその塩、スルホン酸基〔-SO3H〕又はその塩、
ホスホノ基〔-PO(OH)2〕又はその塩及びトリアルキルア
ンモニウムヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくと
も1種の基で置換されているキサンタンガム誘導体を提
供するものである。
【0009】かかるヒドロキシアルキル基としてはヒド
ロキシエチル基等が、ジヒドロキシアルキル基としては
2,3-ジヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシ-1-(ヒドロ
キシメチル)エチル基等が、ポリオキシアルキレン基と
してはポリオキシエチレン基〔-(C2H4O)n-H〕、ポリオ
キシプロピレン基〔-(C3H6O)n-H〕等が、カルボキシア
ルキル基又はその塩としてはカルボキシメチル基又はそ
のアルカリ金属塩が、トリアルキルアンモニウムヒドロ
キシアルキル基としては3-トリアルキルアンモニウム-2
-ヒドロキシプロピル基等が好ましいものとして挙げら
れる。
【0010】本発明のキサンタンガム誘導体は、キサン
タンガムに架橋剤を反応させた後、親水化剤を反応させ
ることにより製造することができる。以下、キサンタン
ガム誘導体の製造方法を、架橋反応と親水化反応に分け
て説明する。
【0011】架橋反応:キサンタンガムの架
橋は、キサンタンガム粉末を適当な溶媒に溶解又は分散
させ、水酸化アルカリの存在下、架橋剤と反応させるこ
とにより行われる。
【0012】本反応に用いられる架橋剤としては、エピ
クロルヒドリン、分子内に2個以上のグリシジルエーテ
ル基を有するグリシジルエーテル類等が挙げられる。な
お、キサンタンガムの架橋剤としてはホルムアルデヒド
等の低分子脂肪族アルデヒドも用いられるが(特開昭59
-91183号公報)、これらを用いて架橋した場合、酸性領
域では加水分解によりホルムアルデヒド等が遊離し、粘
度安定性が低下してしまうため好ましくない。グリシジ
ルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリオキシエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロー
ルプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペ
ンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビ
トールジグリシジルエーテル、ソルビトールトリグリシ
ジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテ
ル、ソルビトールペンタグリシジルエーテル、ソルビト
ールヘキサグリシジルエーテル等が挙げられる。これら
架橋剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。架橋剤の使用量は、キサンタンガムに対し
て0.01〜50重量%、特に0.1〜20重量%が好ましい。架
橋剤の使用量が少ないと所期の増粘性向上効果が得られ
ず、また多すぎると後の親水化反応で親水基を導入して
も十分な水溶性が得られないため好ましくない。
【0013】本反応に用いられる水酸化アルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。水酸化アル
カリの使用量は、キサンタンガムに対して1〜20重量
%、特に2〜10重量%が好ましい。キサンタンガムは分
子内にアセチル基を有するため、水酸化アルカリ量が少
ないとアセチル基の加水分解により系内のアルカリ度が
低下して反応速度が極端に低下し、また水酸化アルカリ
量が多すぎるとキサンタンガムの分解が生じやすく好ま
しくない。
【0014】反応溶媒としては、水、イソプロピルアル
コール、tert-ブチルアルコール等が挙げられるが、通
常は水のみ、又はイソプロピルアルコールやtert-ブチ
ルアルコールに10〜50重量%の水を加えた混合溶媒が使
用される。イソプロピルアルコールやtert-ブチルアル
コールのみでは架橋反応が不均一に進行するため好まし
くない。
【0015】反応温度は0〜100℃、特に20〜80℃が好
ましい。反応温度が低いと架橋反応が遅くなり、逆に高
すぎると架橋剤の分解や重合によるロスが大きくなり好
ましくない。
【0016】架橋反応終了後は、酸を用いて水酸化アル
カリを中和する。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の
無機塩、又は酢酸等の有機酸を用いることができる。
【0017】溶媒として水のみを用いた場合は、反応系
にイソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、
三級アルコール、アセトン等の水溶性溶剤を加えて、架
橋されたキサンタンガムを沈殿させた後ろ過することに
より、また水/アルコール系混合溶媒を用いた場合は、
そのままろ過することにより、架橋キサンタンガムが得
られる。
【0018】キサンタンガムの架橋度は、キサンタンガ
ムの繰り返し構造単位当たり0.001〜1.0個の割合で架橋
されており、1重量%の濃度となるように水に混合した
場合に、完全に溶解しない程度とするのが好ましい。
【0019】親水化反応:以上のようにし
て得られた架橋キサンタンガムの親水化反応は、架橋キ
サンタンガムを適当な溶媒に溶解又は分散させ、水酸化
アルカリの存在下又は非存在下、親水化剤と反応させる
ことにより行われる。
【0020】本反応に用いられる親水化剤としては、非
イオン性親水化剤、陰イオン性親水化剤及び陽イオン性
親水化剤のいずれでもよく、非イオン性親水化剤として
は、グリシドール、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シドなどが;陰イオン性親水化剤としては、モノクロロ
酢酸、モノブロモ酢酸、モノヨード酢酸等のモノハロゲ
ン化酢酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等の金
属塩、無水硫酸、クロロスルホン酸、オキシ塩化リン、
ポリリン酸、五酸化リンなどが;陽イオン性親水化剤と
しては、グリシジルトリメチルアンモニウム塩等のグリ
シジルトリアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
架橋キサンタンガムの繰り返し構造単位中の水酸基は、
親水化剤としてグリシドールを用いた場合はグリセリル
エーテル基に、アルキレンオキシドを用いた場合はω-
ヒドロキシポリオキシアルキレン基〔-(OCmH2m)n-OH〕
に、モノハロゲン化酢酸又はその塩を用いた場合はカル
ボキシメチルオキシ基又はその塩に、無水硫酸又はクロ
ロスルホン酸を用いた場合は硫酸エステル基〔-OSO3H〕
に、オキシ塩化リン、ポリリン酸又は五酸化リンを用い
た場合にはリン酸エステル基〔-OPO(OH)2〕に、グリシ
ジルトリアルキルアンモニウム塩を用いた場合には3-ト
リアルキルアンモニウム-2-ヒドロキシプロピルオキシ
基に変換される。
【0021】上記親水化剤は、単独で、又は使用上問題
なければ2種以上を組み合わせて使用することができ、
その使用量は、得られるキサンタンガム誘導体が、繰り
返し構造単位当たり0.01〜11個の水酸基が前記親水基で
置換されているものとなる量とすることが必要であり、
具体的には架橋キサンタンガム1000gに対して0.01〜10
0モルが好ましい。ただし、通常簡易には架橋キサンタ
ンガムに対して0.1〜100重量部、特に1〜50重量部の親
水化剤を用いればよい。親水化剤の使用量が少ないと水
溶性向上効果が少なく、多すぎると不経済となる。な
お、親水基の置換度の測定は、13C-NMR、元素分析、酸
価の測定等を適宜利用して行うことができる。
【0022】親水化剤として、グリシドール、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、モノハロゲン化酢酸又
はその金属塩、グリシジルトリアルキルアンモニウム塩
等を用いる場合、親水化反応は、例えば、架橋キサンタ
ンガムを適当な溶媒に溶解又は分散させ、水酸化アルカ
リの存在下、親水化剤と反応させることにより行われ
る。
【0023】本反応で用いられる水酸化アルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、その使用量
は、親水化剤に対して0.01〜3当量倍、特に0.1〜2当
量倍が好ましい。溶媒としては、水、又はイソプロピル
アルコールや三級アルコールに10〜50重量%の水を加え
た混合溶媒が用いられる。反応温度は0〜100℃、特に2
0〜80℃が好ましい。反応温度が低いと反応速度が遅く
なり、逆に高すぎると親水化剤の分解によるロスが大き
くなり好ましくない。親水化反応終了後、硫酸、塩酸、
リン酸等の無機酸、又は酢酸等の有機酸酸を用いて水酸
化アルカリを中和する。その後、反応混合物にイソプロ
ピルアルコール、メタノール、エタノール、アセトン等
又はこれらと水との混合溶媒を加えて洗浄した後、乾燥
することにより、本発明のキサンタンガム誘導体が得ら
れる。
【0024】親水化剤として、無水硫酸又はクロロスル
ホン酸を用いる場合、親水化反応は、例えば、架橋キサ
ンタンガムをDMF、ピリジン又はDMF/ピリジン混合溶媒
中に分散させた後、親水化剤を30℃以下で反応系に加え
ることにより行われる。反応温度は0〜100℃、特に20
〜60℃の範囲が好ましい。温度が低すぎると反応の進行
が遅く、高すぎると架橋キサンタンガムの分解により高
い増粘性が得られなくなる。反応終了後、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
等を加えて中和あるいは塩交換を行った後、反応混合物
にイソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、
アセトン等の水溶性溶剤を加えて生成物を洗浄し、更に
これら水溶性溶剤と水との混合溶媒を用いて副生した無
機塩類を除去する。脱塩精製後、乾燥することにより、
本発明のキサンタンガム誘導体が得られる。
【0025】本発明のキサンタンガム誘導体は、化粧料
用の増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、
凝集剤等として広く利用することができる。
【0026】例えば、皮膚化粧料に配合する場合、皮膚
化粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、油
分、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート
剤、pH調整剤、防腐剤、その他の増粘剤、色素、香料等
と任意に組み合わせて、種々の形態、例えば油/水又は
水/油型乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油
性化粧料、口紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤等とす
ることができる。
【0027】また、毛髪化粧料に配合する場合、毛髪化
粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、アニ
オン性ポリマー、シリコーン類、その他の増粘剤、紫外
線吸収剤、パール化剤、酸化防止剤、防腐剤、色素、香
料等と任意に組み合わせて、エマルジョン、サスペンジ
ョン、ゲル、透明溶液、エアゾール等種々の形態のプレ
シャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリート
メント、ヘアコンディショナー、コンディショニングブ
ロー剤等とすることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び試験例において、粘度はB型粘
度計(ローターNo.4,12rpm)を用いて、特に記載のな
い限り20℃にて測定した。
【0029】実施例1 (1) 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた5リットルの
ガラス製セパラブル反応容器に、水2000g及びキサンタ
ンガム(太陽化学社製)40.0gを加えて、キサンタンガ
ムが均一に溶解するまで、窒素気流下室温にて攪拌し
た。次いで、エチレングリコールジグリシジルエーテル
(阪本薬品工業社製)3.9gを加えて室温で30分間攪拌
し、更に20%水酸化ナトリウム水溶液4.5gを加えて70
℃で4時間攪拌した。反応終了後、反応液に酢酸を加え
て中和し、更にイソプロピルアルコール2000gを加え
た。析出した反応生成物を70/30イソプロピルアルコー
ル/水混合溶媒で3回洗浄し、最後にイソプロピルアル
コールで洗浄した。生成物を減圧下70℃で一昼夜乾燥し
て、エチレングリコールジグリシジルエーテルで架橋さ
れた架橋キサンタンガムを得た。このものは、繰り返し
構造単位当たりの架橋度が0.1、1重量%水懸濁液の粘
度が12000cpで、水に完全には溶解しなかった。
【0030】(2) (1)で得られた架橋キサンタンガム15
gを水600gに懸濁させ、30%水酸化ナトリウム水溶液
3.0gを加えて窒素気流下で2時間攪拌した。次いで、
グリシドール18gを加えて40℃で8時間反応させた。反
応液に酢酸を加えて中和した後、反応液にイソプロピル
アルコール1000gを加え、反応物をろ別した。反応物を
70/30イソプロピルアルコール/水混合溶媒で3回、最
後にイソプロピルアルコールで洗浄した後、減圧下70℃
で一昼夜乾燥し、キサンタンガム誘導体を得た。得られ
たキサンタンガム誘導体は、13C-NMRによる分析によれ
ばグリセリルエーテル基の置換度は0.13であり、1重量
%水溶液としたとき均一透明に溶解し、その粘度は1400
0cpであった。
【0031】実施例2 (1) 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた3リットルの
ガラス製セパラブル反応容器に、70/30イソプロピルア
ルコール/水混合溶媒160g及びキサンタンガム(太陽
化学社製)18.0gを加えて分散液とし、窒素気流下室温
にて2時間攪拌した。次いで、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル(阪本薬品工業社製)0.24gを加えて
室温で30分間攪拌し、更に30%水酸化ナトリウム水溶液
3.3gを加えて40℃で4時間攪拌した。反応終了後、反
応液に酢酸を加えて中和し、反応物をろ別した。反応物
を70/30イソプロピルアルコール/水混合溶媒で3回洗
浄し、最後にイソプロピルアルコールで洗浄した。生成
物を減圧下70℃で一昼夜乾燥して、エチレングリコール
ジグリシジルエーテルで架橋された架橋キサンタンガム
を得た。このものは、繰り返し構造単位当たりの架橋度
が0.01、1重量%水懸濁液の粘度が6000cpで、水に完全
には溶解しなかった。
【0032】(2) (1)で得られた架橋キサンタンガム15
gを88/12イソプロピルアルコール/水混合溶媒150gに
分散させて、30%水酸化ナトリウム水溶液3.0gを加え
て窒素気流下で2時間攪拌した。次いで、グリシドール
12.2gを加えて40℃で4時間反応させた。反応液に酢酸
を加えて中和した後、反応物をろ別した。反応物を70/3
0イソプロピルアルコール/水混合溶媒で3回、最後に
イソプロピルアルコールで洗浄した後、減圧下70℃で一
昼夜乾燥し、キサンタンガム誘導体を得た。得られたキ
サンタンガム誘導体は、13C-NMRによる分析の結果、グ
リセリルエーテル基の置換度は0.30であり、1重量%水
溶液としたとき均一透明に溶解し、その粘度は13000cp
であった。
【0033】実施例3 (1) 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた3リットルの
ガラス製セパラブル反応容器に、水1250g及びキサンタ
ンガム(太陽化学社製)25.0gを加えて、キサンタンガ
ムが均一に溶解するまで、窒素気流下室温にて攪拌し
た。次いで、エピクロルヒドリン1.3gを加えて室温で3
0分間攪拌し、更に20%水酸化ナトリウム水溶液3.8gを
加えて25℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液に酢
酸を加えて中和し、更にイソプロピルアルコール1.5リ
ットルを加えた。析出した反応生成物を70/30イソプロ
ピルアルコール/水混合溶媒で3回洗浄し、最後にイソ
プロピルアルコールで洗浄した。生成物を減圧下70℃で
一昼夜乾燥して、エピクロルヒドリンで架橋された架橋
キサンタンガムを得た。このものは、繰り返し構造単位
当たりの架橋度が0.02、1重量%水懸濁液の粘度が5500
cpで、水に完全には溶解しなかった。
【0034】(2) (1)で得られた架橋キサンタンガム15
gをジメチルホルムアミド150gに分散させ、ピリジン
5gを加えた。次いで、クロロスルホン酸20gを、窒素
気流中氷冷下で1時間かけて反応液の温度が20℃を超え
ないように滴下し、更に40℃で3時間反応させた。反応
液に酢酸ナトリウム3gを加えて塩交換後、反応液にイ
ソプロピルアルコール100gを加えた。反応生成物をろ
別し、70/30イソプロピルアルコール/水混合溶媒で3
回、最後にイソプロピルアルコールで洗浄した後、減圧
下70℃で一昼夜乾燥し、キサンタンガム誘導体を得た。
得られたキサンタンガム誘導体は、元素分析によりS含
量を定量した結果、硫酸エステル基の置換度は2.0であ
り、1重量%水溶液としたとき均一透明に溶解し、その
粘度は11500cpであった。
【0035】実施例4 実施例1(1)で得られた架橋キサンタンガム20.0gを88/
12イソプロピルアルコール/水混合溶媒600gに分散さ
せ、窒素気流下、粉末水酸化ナトリウム10.0gを加えて
30分間攪拌した。次いで、反応液を10℃以下に氷冷し、
モノクロロ酢酸ナトリウム23.3gを添加して30分間攪拌
後、10℃以下で1.5時間静置し、その後更に80℃で2.5時
間反応させた。反応液を冷却後、酢酸を加えて反応液を
中和し、反応物をろ別した。反応物を70/30メタノール
/水混合溶媒で3回、最後にメタノールで洗浄した後、
減圧下70℃で一昼夜乾燥し、キサンタンガム誘導体を得
た。得られたキサンタンガム誘導体は、1N塩酸及び1
N水酸化カリウムを用いた逆滴定法によりカルボキシメ
チル基の置換度を求めたところ0.19であり、1重量%水
溶液としたとき均一透明に溶解し、その粘度は9500cpで
あった。
【0036】実施例5 実施例3(1)で得られた架橋キサンタンガム25.0gを84/
16イソプロピルアルコール/水混合溶媒200gに分散さ
せた。次いで、窒素気流下、78%グリシジルトリメチル
アンモニウムクロライド水溶液28.0g及び20%水酸化ナ
トリウム水溶液2.0gを加え、40℃で8時間攪拌した。
反応液に85%リン酸を加えて中和した後、反応物をろ別
した。反応物を85/15イソプロピルアルコール/水混合
溶媒で3回、最後にイソプロピルアルコールで洗浄した
後、減圧下70℃で一昼夜乾燥し、キサンタンガム誘導体
を得た。得られたキサンタンガム誘導体は、ケトダール
法によりN含量を測定したところカチオン基の置換度は
0.21であり、1重量%水溶液としたとき均一透明に溶解
し、その粘度は7800cpであった。
【0037】試験例1 各実施例で得られた本発明のキサンタンガム誘導体を用
いて、1重量%水溶液を調整し、各温度での粘度を測定
した。この結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明のキサン
タンガム誘導体は、各温度で安定した高い増粘性を示
す。
【0040】
【発明の効果】本発明のキサンタンガム誘導体は、少量
の添加で優れた増粘効果を発揮し、温度変化による粘度
変化が少なく、かつ水溶性にも優れ水溶液とした場合の
透明性の高いものであり、特にトイレタリー及び化粧品
分野において有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋構造を有し、かつ繰り返し構造単位
    当たり0.01〜11個のヒドロキシル基上の水素原子が、ヒ
    ドロキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、ポリオ
    キシアルキレン基、カルボキシアルキル基又はその塩、
    スルホン酸基又はその塩、ホスホノ基又はその塩及びト
    リアルキルアンモニウムヒドロキシアルキル基から選ば
    れる少なくとも1種の基で置換されているキサンタンガ
    ム誘導体。
  2. 【請求項2】 キサンタンガムに架橋剤を反応させた
    後、親水化剤を反応させることにより得られたものであ
    る請求項1記載のキサンタンガム誘導体。
  3. 【請求項3】 用いた架橋剤の量が、キサンタンガムに
    対して0.01〜50重量%である請求項2記載のキサンタン
    ガム誘導体。
  4. 【請求項4】 用いた架橋剤が、エピクロルヒドリン又
    は分子内に2個以上のグリシジルエーテル基を有するグ
    リシジルエーテル類である請求項2又は3記載のキサン
    タンガム誘導体。
  5. 【請求項5】 用いた親水化剤が、グリシドール、エチ
    レンオキシド、プロピレンオキシド、モノハロゲン化酢
    酸又はその金属塩、無水硫酸、クロロスルホン酸、オキ
    シ塩化リン、ポリリン酸、五酸化リン及びグリシジルト
    リアルキルアンモニウム塩から選ばれる1種以上である
    請求項2記載のキサンタンガム誘導体。
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