JPH09309448A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JPH09309448A
JPH09309448A JP12739096A JP12739096A JPH09309448A JP H09309448 A JPH09309448 A JP H09309448A JP 12739096 A JP12739096 A JP 12739096A JP 12739096 A JP12739096 A JP 12739096A JP H09309448 A JPH09309448 A JP H09309448A
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output shaft
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康夫 清水
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 電動機5にギヤ機構を介して連結した入
力部材32bと操舵輪に連結した出力部材34付き出力
軸15とを、摩擦係合式クラッチ機構41…,51…を
介して連結し、電動機からの補助トルクを出力軸15に
伝達する電動パワーステアリング装置において、円筒部
材にギヤ機構のギヤ部32aと入力部材32bとを軸方
向に順に形成してなるホイール32を有し、このホイー
ルの内周面を軸方向に十分に延し、この内周面を前記出
力軸に回転自在に取付けた。 【効果】 ハウジング等に支持した場合に比べて関連部
品が少なくてすみ、このため、摩擦係合式クラッチ機構
の組立精度が高まる。従って、クラッチ機構は安定した
摩擦係合機能を発揮し、しかも、その機能を常に維持で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステアリングハンドルの操舵力を
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクを機械式クラッチを介し
てステアリング系に伝達するものであって、例えば特開
平1−218973号「電動パワーステアリング装置」
の技術がある。この技術は、その公報の第2図によれ
ば、電動モータ24(番号は公報に記載されたものを引
用した。以下同じ。)にギヤ機構を介して連結した円筒
状のアウタースリーブ23と、操舵輪に連結した6角部
12b付き出力軸12とを、摩擦係合式クラッチを介し
て連結したものである。アウタースリーブ23は、コロ
22と摩擦係合する内周面と、ギヤ23aとを一体に備
え、しかも、アッパーハウジング14aに軸受31,3
5で回転自在に支承されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、摩擦係合式ク
ラッチにおいて、安定した摩擦係合機能を発揮するため
には、クラッチ構成部品及び関連部品は少ないほど良
い。これは、単品部品に要求される精度を低くすること
ができ、なおかつ、組立精度を高めることができるから
である。更に、クラッチ構成部品の支持剛性が高いほど
良い。これは、偏荷重が作用した際に、がたつきが小さ
くなるからである。しかし、上記従来の技術はアウター
スリーブ23を軸受31,35を介してアッパーハウジ
ング14aに支承するので、高い精度が必要な関連部品
が多い。このため、組立精度を高めることは容易でな
い。
【0004】そこで本発明の目的は、次の(1)及び
(2)にある。 (1)安定した摩擦係合機能を発揮する摩擦係合式クラ
ッチ機構を備えた、電動パワーステアリング装置を提供
すること。 (2)関連部品の部品数を少なくし、高精度を要求され
る箇所を減らしても組立精度が高く、しかも、組立効率
を向上した摩擦係合式クラッチ機構を備えた、電動パワ
ーステアリング装置を提供すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、電動機にギヤ機構を介して
連結した入力部材と、操舵輪に連結した出力部材付き出
力軸とを、摩擦係合式クラッチ機構を介して連結し、こ
のクラッチ機構を、前記入力・出力部材を係合するべく
これら入力・出力部材間に介在した係合部材と、この係
合部材の位置決めをなすためにステアリングハンドルに
連結した位置制御部材と、この位置制御部材に向って係
合部材を付勢した付勢部材とで構成し、前記位置制御部
材の回動にともなって係合部材が入力・出力部材を係合
・非係合に切換えるものである電動パワーステアリング
装置において、前記ギヤ機構は、円筒部材にギヤ部と前
記入力部材とを軸方向に順に形成してなるホイールを有
し、このホイールの内周面を軸方向に十分に延し、この
内周面を前記出力軸に回転自在に取付け、前記入力部材
を介して摩擦係合式クラッチ機構側へ補助トルクを伝達
するようにしたことを特徴とする。
【0006】円筒部材にギヤ部と入力部材とを軸方向に
順に形成してなるホイールの、内周面を軸方向に十分に
延し、この内周面を出力軸に回転自在に取付けたので、
ホイールをハウジングに支承した場合に比べて関連部品
が少なくてすみ、このため、摩擦係合式クラッチ機構の
組立精度が高まる。従って、クラッチ機構は安定した摩
擦係合機能を発揮し、しかも、その機能を常に維持でき
る。また、入力部材を備えたホイールの、内周面を軸方
向に十分に延し、この内周面を出力軸に回転自在に取付
けたので、支持剛性を高くでき、ホイールに偏荷重が作
用しても変位しにくいので、クラッチ機構は安定した摩
擦係合機能を発揮することができる。更に、ギヤ部を備
えたホイールの、内周面を軸方向に十分に延し、この内
周面を出力軸に回転自在に取付けたので、ギヤ部の支持
剛性が高まる。従って、ギヤ機構は電動機からの補助ト
ルク作用時におけるギヤ間の心ずれが少ないので、噛み
合わせが良くなり、伝達効率が高まるとともに、噛み合
い音を低減できる。
【0007】請求項2記載の発明は、出力軸又はホイー
ルの少なくとも一方を、自己潤滑性を有する材料で構成
したことを特徴とする。ホイールを直接的に出力軸に支
承しても良好な潤滑性が得られるので、給油の必要がな
く、しかも、クラッチフリクションの少ない良好な操舵
感(ステアリング操作フィーリング)の電動パワーステ
アリング装置を提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の全体構成図であり、電動パワーステアリング
装置1は、ステアリングハンドル2で発生したステアリ
ング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段3
と、この操舵トルク検出手段3の検出信号に基づいて制
御信号を発生する制御手段4と、この制御手段4の制御
信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを発生す
る電動機5と、この電動機5の補助トルクをステアリン
グ系に伝達するトルク伝達手段6及び機械式クラッチ4
0とからなり、ピニオン7、ラック8aを介して車輪
(操舵輪)9,9を転舵するものである。
【0009】図2は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の要部拡大断面図であり、上記ステアリングハン
ドル2(図1参照)に連結した管状の入力軸11と、こ
の入力軸11内に挿通し且つ入力軸11に上部をピン1
2で結合したトーションバー(弾性部材)13と、この
トーションバー13の下部にピン14で結合し下部に上
記ピニオン7を刻設した出力軸15とで、主たるステア
リング系を構成したものである。トーションバー13
は、文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生する
メンバーであって、入力軸11と出力軸15との間での
相対ねじり変位を発生する。なお、ラック8aは、この
図の表裏方向に延びたラック軸8に刻設したものであ
る。また、入力軸11とトーションバー13と出力軸1
5とは同心上にある。
【0010】操舵トルク検出手段3は、入・出力軸1
1,15間の相対ねじれ角を検出することによりステア
リング系の操舵トルクを検出するものであり、本実施の
形態では、ポテンショメータを用いた。操舵トルク検出
手段(ポテンショメータ)3は、図示せぬ抵抗素子及び
抵抗素子に沿って移動する摺動接点を内蔵した検出本体
部21と、この検出本体部21内の摺動接点を作動する
べく回動する棒状の作動子22とからなる。そして、操
舵トルク検出手段3は、入力軸11の下部の外周面に検
出本体部21をボルトで取付け、出力軸15の上部の外
周面に設けた係合溝15aに作動子22の先端部を係合
することで、入・出力軸11,15間の相対ねじれ角を
検出するものである。
【0011】なお、操舵トルク検出手段3は、作動子2
2を係合溝15aの一方の側壁側に付勢するための、ね
じりばね23を備える。このため、作動子22は回動方
向への遊びがない。入力軸11はケーブルリール24に
複数巻回した(例えば、3巻き程度)電気ケーブル25
を備え、この電気ケーブル25の一端を操舵トルク検出
手段3の検出本体部21に接続し、他端をハウジング2
6側のコネクタ27に接続したものである。
【0012】後述するトルク伝達手段6のホイール32
は、出力軸15の上部に直接的に回転自在に支承した厚
肉の円筒部材であり、この円筒部材に、ギヤ部32aと
入力部材32bとを軸方向に下から順に形成したもので
ある。すなわち、ホイール32は、軸方向に十分に延し
た内周面32cを有し、この内周面32cを出力軸15
に回転自在に支承した(取付けた)ものである。ホイー
ル32は、例えば、焼結含油合金材料等の自己潤滑性を
有する材料からなる。このため、ホイール32を見かけ
上、メタルタッチにて出力軸15に支承したにもかかわ
らず、良好な潤滑性が得られ、給油の必要がなく、しか
も、クラッチフリクションが少なく、良好な操舵感(ス
テアリング操作フィーリング)を有した電動パワーステ
アリング装置を提供することができる。機械式クラッチ
40は、入力部材32bの内部に配置したものであり、
その断面構成は図5にて詳述する。図中、36,37,
38は軸受、39はダストカバーである。
【0013】図3は図2の3−3線断面図であり、トル
ク伝達手段6の断面構造を示す。トルク伝達手段6は、
電動機5の出力軸5aに結合したウォーム31と、出力
軸15に回転自在に支承したホイール32とからなるウ
ォームギヤ機構である。なお、電動機5はハウジング2
6にボルト止めした。従って、図2においてステアリン
グ系(入力軸11→トーションバー13→出力軸15)
の操舵トルクに、電動機5からの補助トルクを付加した
複合トルクで、ピニオン7を介してラック8を駆動す
る。
【0014】図4は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の要部分解斜視図である。入力軸11の下端に、
機械式クラッチ40の一構成部品である三脚付き環状の
位置制御手段63をセレーション嵌合し、この位置制御
手段63の下部に3つの位置制御部材64…(…は複数
を示す。以下同じ。)を備える。このため、位置制御部
材64…は図1に示すステアリングハンドル2に連結し
たことになる。一方、出力軸15は基部上端に出力部材
34を備える。
【0015】図5は図2の5−5線断面図であり、本発
明に係る機械式クラッチ40の断面構成を示す。なお、
ハウジング26は省略した。機械式クラッチ40は、上
記電動機5の補助トルクの作用方向がステアリング系の
操舵方向と一致した場合のみ、電動機5の補助トルクを
ステアリング系に伝達するものであり(ワンウエイクラ
ッチの集合体)、すなわち、複数組の摩擦係合式クラッ
チ機構の集合体である。これらの摩擦係合式クラッチ機
構は、入力部材32bの矢印X方向(図反時計回り方
向)に係合する3組の第1クラッチ機構41…と、矢印
Xと逆廻り方向に係合する3組の第2クラッチ機構51
…である。第1クラッチ機構41…と第2クラッチ機構
51…とは、同一円上に交互に並べる。
【0016】詳しくは、第1・第2クラッチ機構41
…,51…は、上記入力・出力部材32b,34間に形
成したテーパ状空間部61…と、これらのテーパ状空間
部61…に介在して入力部材32bと出力部材34とを
係合する円柱状の係合部材62…と、これらの係合部材
62…の位置決めをなす位置制御部材64…と、これら
の位置制御部材64…に向って係合部材62…を付勢す
る付勢部材としての圧縮ばね65…とからなる。
【0017】出力部材34は、概ねおむすび形断面形状
(角部を切り落とした2等辺三角形断面の3つの辺を円
弧状とした形状)を呈する。テーパ状空間部61…は、
入力部材32bの円形内周面と出力部材34の係合面
(多角形外周面)との間に形成した、周方向端部がテー
パ形状を呈する空間部である。位置制御部材64…は、
互いに離間しつつ、入力部材32bと出力部材34との
間の同一円上に等ピッチで、回動可能に配置された部材
である。このような構成の機械式クラッチ40は、位置
制御部材64…の移動にともなって、入力部材32bと
出力部材34とを係合・非係合に選択的に切換えるもの
である。
【0018】ところで、第1・第2クラッチ機構41
…,51…のうち、特定の各1組(以下、「特定第1・
第2クラッチ機構41A,51A」と称する。)は、他
の組よりも早いタイミングで非係合状態になるものであ
る。具体的には、特定第1・第2クラッチ機構41A,
51Aの係合部材62…の位置決めをなす位置制御部材
64(以下、「特定位置制御部材64A」と称する。)
の円弧長L1が、他の位置制御部材64…の円弧長L2
りも大きい。そして、断面略2等辺三角形である出力部
材34において、1つの角部に特定位置制御部材64A
を配置し、互いに等角度の2つの角部に他の位置制御部
材64…を配置したものである。
【0019】更に、上記出力部材34を、出力軸15に
径方向移動可能に取付けたことを特徴とする。具体的に
は、出力部材34に長円若しくは楕円の貫通孔34aを
開け、この貫通孔34aに円形の出力軸15を嵌合し、
且つ、貫通孔34aの長手軸上にピン14を通し、この
ピン14に弾性部材(皿ばね等)35を介設して、この
弾性部材35で出力部材34の貫通孔34aを出力軸1
5に相対的に押圧する構成にした。すなわち、出力軸1
5の外周面と貫通孔34aの長手軸方向の面との間に弾
性部材35を介在し、この弾性部材35の弾性方向を出
力部材34の移動方向(貫通孔34aの長手軸方向)に
合致させ、出力部材34を出力軸15へ押圧する構成に
した。なお、出力部材34を特定位置制御部材64Aの
幅中心へ相対的に押圧する。
【0020】1組のクラッチ機構(特定第1クラッチ機
構41A又は特定第2クラッチ機構51A)のみ解除し
た際に、出力部材34を径方向移動自在となすべく、他
のクラッチ機構41…,51…の係合部材62…と係合
する出力部材34の係合面を抜け勾配とした。このた
め、1組を解除した場合に、出力部材34は何等規制さ
れることなく径方向に移動できる。このため、1組のク
ラッチ機構を解除するだけで、他のクラッチ機構をも確
実に解除できる。
【0021】次に、上記構成の機械式クラッチ40の作
用を、図1、図5、図6に基づき説明する。図6は本発
明に係る機械式クラッチの作用図である。図1におい
て、ステアリングハンドル2を操舵しない場合、操舵ト
ルク検出手段3の信号が無いので、制御装置4はアシス
ト命令信号を出力しない。このため、電動機5は補助ト
ルクを発生しない状態であり、図5に示すように各第1
・第2クラッチ機構41…、51…は、全て解除状態
(中立状態)にある。
【0022】次に、ステアリングハンドル2の操舵トル
クが小さく、電動機5が補助トルクを発生しない場合、
入力軸11(図2参照)に連結した位置制御部材64…
と出力部材34との間の位相は、ほとんど変化しない。
この場合には、各位置制御部材64…が、例えば、この
図の反時計回り方向に若干移動するものの、第1クラッ
チ機構41…は係合するには至らない。このため、出力
部材34は、電動機5のフリクションやイナーシャの影
響を受けず、図2に示すステアリング系(入力軸11→
トーションバー13→出力軸15)の操舵トルクで回転
し、出力軸15を駆動する。
【0023】一方、ステアリングハンドル2の操舵トル
クが大きく、電動機5が補助トルクを発生している場
合、入力軸11に連結した位置制御部材64…(特定位
置制御部材64Aを含む)と出力部材34との間の位相
が大きく変化する。例えば図5に示すように、位置制御
部材64…が矢印X方向に大きく移動すると、全ての第
1クラッチ機構41…の係合部材62…は、図6に示す
ように付勢部材65…の付勢力で、テーパ状空間部61
…の周方向端部に移動し、摩擦力にて入力・出力部材3
2b,34間を係合状態に切換える。その結果、全ての
第1クラッチ機構41…は係合状態になる。電動機5が
回転することで、入力部材32bは矢印X方向に回転
し、第1クラッチ機構41…を介して出力部材34に補
助トルクを伝達する。このため、出力部材34は、ステ
アリング系(入力軸11→トーションバー13→出力軸
15)の操舵トルクに、電動機5が発生した補助トルク
を付加した複合トルクで矢印X方向に回転し、出力軸1
5を駆動する。
【0024】その後、何等かの理由で電動機5による補
助トルクの伝達が継続している場合に、第1クラッチ機
構41…は次のようにして解除される。図6でステアリ
ングハンドル2を逆方向に操舵すると、全ての位置制御
部材64…は入力部材32bの回転方向と反対方向に回
る。そして、特定位置制御部材64Aは、他の位置制御
部材64…よりも先に、右隣の係合部材62(便宜的に
「係合部材62A」と称する。)に当接し、摩擦力及び
付勢力に抗して押出す。
【0025】このため、係合部材62Aは特定第1クラ
ッチ機構41Aの係合を解除する。この時点で、他の位
置制御部材64…は係合部材62…と当接していない。
従って、他の係合部材62…から出力部材34に継続し
て、図中の矢印Z1,Z2で示すベクトルが作用してお
り、これらのベクトルの合力に基づき、出力部材34に
図中の矢印Z3で示す偏荷重が作用する。その結果、出
力部材34は弾性部材35の弾発力に抗し、ピン14を
案内として特定位置制御部材64A側に僅かに移動す
る。従って、他の係合部材62…の係合力が弱まる。
【0026】その直後に、他の位置制御部材64…も係
合部材62…と当接して、元の中立位置に戻す。その結
果、他の第1クラッチ機構41…も解除される。出力部
材34は弾性部材35の弾発力により、中立位置に自動
復帰する。
【0027】なお、第2クラッチ機構51…は、上記第
1クラッチ機構41…と逆作動をするものであり、ステ
アリングハンドル2を逆方向に操舵した場合に、上記図
5、図6にて説明した作用と同様の操作で、係合・非係
合に切換えることができる。
【0028】なお、上記実施の形態において、弾性部材
13は、操舵トルクに比例して入力軸11と出力軸15
との間での相対ねじり変位を発生させるものであればよ
く、トーションバーに限定するものではない。出力軸1
5又はホイール32は、少なくとも一方を、自己潤滑性
を有する材料で構成すればよい。第1・第2クラッチ機
構41…,51…の数量は、3組ずつに限定するもので
はなく、任意に設定可能である。
【0029】出力部材34は、一部の係合部材62が外
れた際に、他の係合部材62…で押圧されて、径方向移
動するものであればよく、移動方向を問わない。出力部
材34を他の係合部材62…で押圧して移動させれば、
これら他の係合部材62…と出力部材34との摩擦係合
力を低下させることができるからである。出力部材34
の径方向移動を案内する部材は、ピン14に限定するも
のではない。出力軸15に出力部材34を押圧する弾性
部材は、皿ばね35に限定するものではなく、例えば、
圧縮ばね(コイルばね)でもよい。
【0030】テーパ状空間部61は、入力部材32bの
内周面と出力部材34の外周面との間に形成するもので
あればよく、出力部材34の外周面(係合面)の形状も
図5に示すものに限定しない。そして、入力部材32b
の内周面を所定の多角形とし、出力部材34の外周面を
円形としてもよい。係合部材62は、テーパ状空間部6
1の周方向端部と係合・非係合の切換えができるもので
あればよく、円柱状の他に、例えば球状でもよい。機械
式クラッチ40の付勢部材は圧縮ばね(コイルばね)に
限定せず、例えば、硬質ゴム材や板ばね等で構成しても
よい。
【0031】更に、第1・第2クラッチ機構41…,5
1…は、摩擦係合式クラッチの構成であればよく、例え
ば、周知のスプラグ式クラッチでもよい。スプラグ式ク
ラッチとは、円筒状の内周係合面を有する外方部材(入
力部材32bに相当)と、円筒状の外周係合面を有する
内方部材(出力部材34に相当)とを同心に配置し、こ
れらの両係合面を対向させ、その間の隙間に、複数のス
プラグ(くさび作用をするこま)と、これらのスプラグ
の位置決めをなすためにステアリングハンドルに連結し
た部材(位置制御部材64に相当)と、スプラグを前記
両係合面に向ってくさび係合させるように付勢するばね
とを介在したものである(特開平1−188727号に
示すクラッチ装置など)。
【0032】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1記載の発明は、円筒部材にギヤ部と入力
部材とを軸方向に順に形成してなるホイールの、内周面
を軸方向に十分に延し、この内周面を出力軸に回転自在
に取付けたので、ホイールをハウジングに支承した場合
に比べて関連部品が少なくてすみ、このため、摩擦係合
式クラッチ機構の組立精度が高まる。従って、クラッチ
機構は安定した摩擦係合機能を発揮し、しかも、その機
能を常に維持できる。また、入力部材を備えたホイール
の、内周面を軸方向に十分に延し、この内周面を出力軸
に回転自在に取付けたので、支持剛性を高くでき、ホイ
ールに偏荷重が作用しても変位しにくいので、クラッチ
機構は安定した摩擦係合機能を発揮することができる。
更に、ギヤ部を備えたホイールの、内周面を軸方向に十
分に延し、この内周面を出力軸に回転自在に取付けたの
で、ギヤ部の支持剛性が高まる。従って、ギヤ機構は電
動機からの補助トルク作用時におけるギヤ間の心ずれが
少ないので、噛み合わせが良くなり、伝達効率が高まる
とともに、噛み合い音を低減できる。
【0033】請求項2記載の発明は、出力軸又はホイー
ルの少なくとも一方を、自己潤滑性を有する材料で構成
したことにより、ホイールを直接的に出力軸に支承して
も良好な潤滑性が得られるので、給油の必要がなく、し
かも、クラッチフリクションの少ない良好な操舵感(ス
テアリング操作フィーリング)の電動パワーステアリン
グ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全
体構成図
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置の要
部拡大断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係る電動パワーステアリング装置の要
部分解斜視図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】本発明に係る機械式クラッチの作用図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングハ
ンドル、5…電動機、6…トルク伝達手段、9…操舵輪
(車輪)、11…入力軸、13…弾性部材(トーション
バー)、15…出力軸、32…ホイール、32a…ギヤ
部、32b…入力部材、32c…内周面、34…出力部
材、40…機械式クラッチ、41,41A…摩擦係合式
クラッチ(第1クラッチ機構)、51,51A…摩擦係
合式クラッチ(第2クラッチ機構)、61…テーパ状空
間部、62…係合部材、64,64A…位置制御部材、
65…付勢部材(圧縮ばね)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機にギヤ機構を介して連結した入力
    部材と、操舵輪に連結した出力部材付き出力軸とを、摩
    擦係合式クラッチ機構を介して連結し、このクラッチ機
    構を、前記入力・出力部材を係合するべくこれら入力・
    出力部材間に介在した係合部材と、この係合部材の位置
    決めをなすためにステアリングハンドルに連結した位置
    制御部材と、この位置制御部材に向って係合部材を付勢
    した付勢部材とで構成し、前記位置制御部材の回動にと
    もなって係合部材が入力・出力部材を係合・非係合に切
    換えるものである電動パワーステアリング装置におい
    て、前記ギヤ機構は、円筒部材にギヤ部と前記入力部材
    とを軸方向に順に形成してなるホイールを有し、このホ
    イールの内周面を軸方向に十分に延し、この内周面を前
    記出力軸に回転自在に取付け、前記入力部材を介して摩
    擦係合式クラッチ機構側へ補助トルクを伝達するように
    したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記出力軸又はホイールの少なくとも一
    方は、自己潤滑性を有する材料からなることを特徴とし
    た請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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