JPH09307993A - スピーカ用ダンパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】組立が容易であると共に配線構造も簡略化する
ことができ、導電部に亀裂が生じたり剥離するおそれの
ないスピーカ用ダンパを提供することにある。 【解決手段】ダンパ１にボイスコイル１２への信号入力
用の導電部５を設けた導電ダンパにおいて、ダンパ１を
樹脂成型すると共に所定位置に一対の導電材をインサー
ト成型して導電部を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカ用ダンパ
に係り、特にボイスコイルへの信号入力用の導電部を設
けた導電ダンパに関する。

【０００２】

【従来の技術】図４に示すように、従来の一般的なスピ
ーカユニットの信号入力用配線構造は、フレーム１３に
端子板１６を取り付けると共に該端子板１６から錦糸線
１５をコーン振動板１４に導き、該コーン振動板１４面
を這わしてボイスコイル１２に接続している。なお、１
１はダンパ、１７は磁気回路部である。

【０００３】また、ダンパ１１がコルゲーションダンパ
ーの場合にはコルゲーションに沿って銅箔を貼着して導
電部を設けることにより配線構造を簡略化したものがあ
る。

【０００４】一方、ダンパ１１が蝶ダンパの場合には導
電部を形成することが困難なことから、従来より図４の
ような錦糸線方式が採用されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、図４のよう
な錦糸線方式にあっては、ダンパ１１、錦糸線１５、端
子板１６等のそれぞれの部品を組み立てなければなら
ず、組立工程上熟練を要すると共に仕上り後の形状のバ
ラツキも大きいという欠点がある。

【０００６】また、ダンパ上に銅箔を貼着する形式にあ
っては、実用に際し、振幅のために銅箔に亀裂が生じて
導通不良をおこしたり、剥離してしまうおそれがあり、
また、経時変化によりサビが発生する等の欠点があっ
た。

【０００７】そこで本発明の目的は、組立が容易である
と共に配線構造も簡略化することができ、導電部に亀裂
が生じたり剥離するおそれのないスピーカ用ダンパを提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達するた
め、本発明のスピーカ用ダンパは、請求項１記載のもの
においては、ダンパにボイスコイルへの信号入力用の導
電部を設けた導電ダンパにおいて、ダンパを樹脂成型す
ると共に内周部から外周部に至る所定位置に一対の導電
材をインサート成型して導電部を設けたことを特徴とす
る。

【０００９】請求項２記載のものにおいては、振動系に
接続されるべき内輪部とフレームに取り付けられるべき
外輪部とを連結部で連結した蝶ダンパの場合には、連結
部の形状に対応する形状の導電材一対を２つの連結部に
それぞれ配置されるようにインサート成型して導電部が
前記内輪部の内周端縁から連結部を介して前記外輪部の
外周部に至るように形成し、導電部が形成されない連結
部には強度バランス手段を設ける。この強度バランス手
段としては、導通を目的としない導電材を前記連結部に
インサートするか又は該連結部を肉厚にする等の手段が
ある。

【００１０】請求項３記載のものにおいては、外周部の
一側縁に端子用舌片を設けて導電部を該端子用舌片に導
出する。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明に係るスピーカ用ダンパの
一実施形態を図１〜図３に基づいて説明する。なお、図
４で説明した従来のものと同一部分については同一符号
を付した。図１は本発明のスピーカ用ダンパを蝶ダンパ
に実施した例を示す平面図であり、図２はこの蝶ダンパ
を組み込んだスピーカユニットの断面図、図３は導電部
の端末処理形態の他の例を示すスピーカユニットの半断
面図である。

【００１２】ダンパ１は、振動系、特にボイスコイル１
２のボビン部１２ａに接続されるべき内輪部２とフレー
ム１３に取り付けられるべき外輪部３とを対称的な４つ
の連結部４ａ〜４ｄで連結した蝶ダンパであり、樹脂に
より射出成型される。また、外輪部３の一側縁には端子
用舌片３ｂが設けられている。

【００１３】前記連結部４ａ〜４ｄのうち、前記端子用
舌片３ｂに近い２つの連結部４ａ，４ｂには前記内輪部
２の内周端縁２ａから連結部４ａ，４ｂを介して前記外
輪部３の外周部３ａに至るように、実施例では前記端子
用舌片３ｂに至るように導電部５が設けられている。

【００１４】前記導電部５の形成に際しては、次のよう
な工程で行われる。図１の導電部５の形状に対応する形
状の導電材（厚さ０．５ｍｍ程度の銅材）をプレス抜き
型で製作し、プラス用及びマイナス用の一対の導電材を
インサート成型用ダンパ金型に挿入する。図１におい
て、５ａはインサート金型取付用の孔である。

【００１５】前記金型を型締めし、通常のインサート成
型と同様にして射出成型する。ダンパの樹脂材料は、ス
ピーカ用ダンパとして要求される特性、品質を考慮する
と、ＡＢＳ、ポリプロピレン、ナイロン、合成ゴム等、
比較的耐熱性を有するものが望ましい。

【００１６】導電材としては、前記実施例では銅材を使
用したが、ハンダ付けが可能で、ある程度の耐屈曲性、
耐腐食性を有するものであればよく、例えば、真鍮、ア
ルミ等でも可能である。また、ダンパの樹脂材との結着
性を高めるために表面に多数の凹凸を有する導電材を用
いることも有利である。

【００１７】前記のようにして連結部４ａ，４ｂに導電
部５を形成した場合、導電部を設けない連結部４ｃ，４
ｄとでは強度バランスが異なってしまうことも考えられ
るから、この連結部４ｃ，４ｄには導通を目的としない
強度補強用の導電材（図示しない）をインサートして強
度バランスをもたせるようにしてもよい。また、この連
結部４ｃ，４ｄを肉厚に成型して強度バランスをもたせ
てもよい。

【００１８】端子用舌片３ｂに導出された導電部５の端
末処理形態としては、図２の例ではフレーム１３に取り
付けられた端子６にハンダ７ａで接続される。また、図
３の例では導電材の先端部に端子金具部６ａを設けてお
いて導電部端子部一体型のものとしてあり、従来のよう
な端子金具は不要になると共に端子金具とのハンダ付け
作業も要しない。

【００１９】ダンパ１の内周側の処理は、前記内輪部２
の内周端縁２ａとボビン部１２ａとが接合され、該内周
端縁２ａに延びている導電パータン５の端部と前記ボビ
ン部１２ａ面を這っているリード線とがハンダ７ｂで接
続される。

【００２０】

【発明の効果】本発明のスピーカ用ダンパによれば、樹
脂成型されるダンパに導電材をインサート成型して導電
部を形成するものであるから、製造が容易であり、ダン
パ素材と導電材が一体的に成型されるから、振幅によっ
ても導電材に亀裂が生じたり導電材が剥離したりするお
それはない。

【００２１】また、部品点数を削減することができてス
ピーカユニットの組立てが容易で熟練を要しないし特性
的なバラツキも少なくなり、信号入力用配線作業の簡略
化、容易化によりコストダウンが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るスピーカ用ダンパの実施例を示す
平面図。

【図２】本発明のスピーカ用ダンパを組み込んだスピー
カユニットの断面図。

【図３】導電部端子部一体型のダンパの例を示すスピー
カユニットの断面図。

【図４】従来の蝶ダンパを使用したスピーカユニットの
配線構造を示す断面図。

【符号の説明】

１ 蝶ダンパ ２ 内輪部 ２ａ 内周端縁 ３ 外輪部 ３ａ 外周部 ３ｂ 端子用舌片 ４ａ 連結部 ４ｂ 連結部 ４ｃ 連結部 ４ｄ 連結部 ５ 導電部 ５ａ インサート金型取付用の孔 ６ 端子 ６ａ 端子部 ７ａ ハンダ ７ｂ ハンダ １２ ボイスコイル １２ａ ボビン部 １３ フレーム

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成８年６月２８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダンパにボイスコイルへの信号入力用の
   導電部を設けた導電ダンパにおいて、ダンパを樹脂成型
   すると共に内周部から外周部に至る所定位置に一対の導
   電材をインサート成型して導電部を設けたことを特徴と
   するスピーカ用ダンパ。
2. 【請求項２】 ダンパが、振動系に接続されるべき内輪
   部とフレームに取り付けられるべき外輪部とを連結部で
   連結した蝶ダンパであり、導電部が前記内輪部の内周端
   縁から連結部を介して前記外輪部の外周部に至るように
   形成され、導電部が形成されない連結部には強度バラン
   ス手段が設けられていることを特徴とする請求項１記載
   のスピーカ用ダンパ。
3. 【請求項３】 外周部の一側縁には端子用舌片が設けら
   れていて導電部が該端子用舌片に導出されていることを
   特徴とする請求項１又は２記載のスピーカ用ダンパ。