JPH09306733A - 磁気抵抗効果膜 - Google Patents

磁気抵抗効果膜

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JPH09306733A
JPH09306733A JP8118642A JP11864296A JPH09306733A JP H09306733 A JPH09306733 A JP H09306733A JP 8118642 A JP8118642 A JP 8118642A JP 11864296 A JP11864296 A JP 11864296A JP H09306733 A JPH09306733 A JP H09306733A
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JP
Japan
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film
magnetic phase
magnetic
magnetoresistive effect
phase matrix
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JP8118642A
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English (en)
Inventor
Kazuto Kamei
一人 亀井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09306733A publication Critical patent/JPH09306733A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/007Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure ultrathin or granular films

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性相粒11、非磁性相マトリックス12又
は絶縁相マトリックス13のそれぞれにおける結晶粒径
や形態を積極的に制御し得るグラニュラー膜の構成が提
示されておらず、多層構造の場合に比べて十分大きな磁
気抵抗効果を得ることが困難である場合が多い。 【解決手段】 下地膜2上に、非磁性相マトリックス1
2中に磁性相粒11を含む薄膜3が積層された磁気抵抗
効果膜10であって、下地膜2がTiまたはAlからな
り、非磁性相マトリックス12がTiまたはAlからな
り、磁性相粒11がFe、Ni、Coのうちの少なくと
も一種からなる磁気抵抗効果膜10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気抵抗効果膜に関
し、より詳細には例えば磁気ヘッド等の磁気センサに用
いられ、超高密度磁気記録媒体に書き込まれた磁気情報
を高速で電気信号に変換することができる巨大磁気抵抗
効果を有する磁気抵抗効果膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新しい磁気材料として巨大磁気抵
抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistance)と記
す)効果を有する薄膜が注目されている。ここで磁気抵
抗効果とは、合金等からなる膜に磁場を作用させた場
合、磁場の強さにより前記膜の抵抗値が変化する現象を
いい、この現象を利用すれば外部磁場の変化を電圧の変
化として取り出せるため、コンピュータ用ハードディス
クの磁気ヘッド等の磁気センサとして利用されている。
【0003】前記GMR効果を有する磁気材料の形態と
しては、これまで、薄膜、薄帯、バルクの3種類が提唱
されているが、このうち、磁気デバイスに利用しようと
する場合は形態制御が容易であるという点で薄膜が実用
上有利である。
【0004】GMR効果を有する前記薄膜の構造として
は、大きく分けて次の2つが挙げられる。一つは、磁性
/非磁性合金膜、あるいは磁性/絶縁体膜が交互に積層
された多層構造であり、もう一つは磁性相粒子が非磁性
相マトリックス又は絶縁相マトリックス中に略均一に分
散された多結晶体であるグラニュラー構造である。
【0005】磁性/非磁性合金膜からなる前記多層構造
の磁気抵抗効果膜や磁性相粒子が非磁性相マトリックス
中に分散された前記グラニュラー構造の磁気抵抗効果膜
においては、磁性−非磁性合金膜界面、又は磁性相−非
磁性相マトリックス界面におけるスピン依存散乱を利用
することにより前記GMR効果が得られる。
【0006】一方、磁性/絶縁体膜からなる多層構造の
磁気抵抗効果膜や磁性相粒子が絶縁相マトリックス中に
分散されたグラニュラー構造の磁気抵抗効果膜において
は、磁性−絶縁体膜界面、又は磁性相−絶縁性相マトリ
ックス界面での伝導電子のスピンに依存したトンネリン
グを利用することにより前記GMR効果が得られる。
【0007】これら多層構造、グラニュラー構造の両者
とも研究が行われており、例えば前記多層構造の場合に
おいては、特開平7−201022号公報にて磁気ヘッ
ド等の磁気センサへの応用を目的とした材料が開示され
ている。前記多層構造の場合はその膜厚を制御すること
によって特性の制御が可能である。しかしながら、前記
多層構造の場合、繰り返しスパッタを行い、厚みが1〜
10nmの極薄い層を積層しなければならないためその
作製が容易ではなく、また優れた特性を得るには積層数
を増やす必要があるため成膜に時間がかかる等の問題が
ある。
【0008】これに対し、前記グラニュラー構造の場合
は前記多層構造の場合に比べてその構造が3次元的に変
調されており、非常に複雑な構造ではあるが、繰り返し
スパッタする必要がない単層構造であるので製造が容易
である。このような観点から例えば特開平6−3263
77号公報に記載されているような種々のグラニュラー
構造型の磁気抵抗効果膜(以下、グラニュラー膜と記
す)が開発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】グラニュラー膜の磁気
抵抗効果は磁性相粒、非磁性相マトリックス又は絶縁相
マトリックスのそれぞれにおける結晶粒径や形態が制御
されて、最適な結晶粒径及び形態がとられた場合に最も
顕著となる。しかしながら、現在のところ最適の結晶粒
径及び形態が明らかにされておらず、多層構造の場合に
比べて十分大きな磁気抵抗効果を得ることが困難である
といった課題があった。
【0010】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
って、磁性相粒、非磁性相マトリックス又は絶縁相マト
リックスの結晶粒径及び形態を積極的に制御することが
可能であり、グラニュラー構造の場合であっても大きな
磁気抵抗効果を得ることが可能な磁気抵抗効果膜を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】図2
(a)、(b)はグラニュラー構造の場合において磁気
抵抗効果が現われ得る構造を示した模式的断面図であ
る。
【0012】(a)は磁性相粒が非磁性相マトリックス
中に略均一に分散しているグラニュラー膜を示してお
り、(b)は磁性相粒が絶縁相マトリックス中に略均一
に分散しているグラニュラー膜を示している。
【0013】図中11は磁性相粒を、12は非磁性相マ
トリックスを、13は絶縁相マトリックスをそれぞれ示
している。
【0014】図示されているように磁性相粒11が絶縁
相マトリックス13中に分散されている場合(b)の方
が、磁性相粒11が非磁性相マトリックス12中に分散
されている場合(a)よりも磁性相粒11の存在密度が
高密度となる。この傾向は、合金の組成にも依存するた
め一般的であるとは言いがたいが、磁性相粒11が非磁
性相マトリックス12中に分散されている場合(a)は
「析出」を利用してグラニュラー構造を形成するのに対
し、磁性相粒11が絶縁相マトリックス13中に分散さ
れている場合(b)は「選択酸化」を利用するので、磁
性相の粒界部分に薄い酸化膜が形成され易く、結果的に
磁性相密度が高くなるためこのような傾向が現われると
考えられる。
【0015】図2において、電子のスピン依存散乱やト
ンネリングは磁性相粒11と非磁性相マトリックス12
との界面20、又は磁性相粒11と絶縁相マトリックス
13との界面30で生じる。
【0016】このため、界面20(30)の存在密度が
大きい程前記スピン依存散乱やトンネリングが頻繁に生
じ、大きな磁気抵抗効果を得ることができる。界面20
(30)の存在密度を大きくするには、磁性相粒11の
結晶粒径を小さくすればよい。
【0017】グラニュラー膜の形成方法としてはスパッ
タ法が主流をなしているが、より大きな磁気抵抗効果を
得るために上記理論を基に磁性相粒11を微細化するこ
とにポイントをおいた形成方法が開発されている。
【0018】前記方法では、まずガラス板を基板とし、
スパッタ法により合金膜(例えば、CoCu、CoA
g、FeAu等)を成膜する。この合金膜は、as d
eposited状態では、不完全ではあるものの過飽
和固溶体を形成している。次に前記合金膜に熱処理を施
すことにより、磁性相粒(例えばCo相、Fe相)を微
細に析出させ、非磁性マトリックス中に微細な磁性相粒
が分散した構造とする。このようにしてGMR効果を有
するグラニュラー膜を形成する( Phys. Rev.Lett.,68[2
5](1992) John Q.Xiao et al, p.3749)。
【0019】しかしながら、上記方法によれば、前記合
金膜に熱処理を施した際に、ガラス基板を構成する元素
が前記合金膜へ拡散し、該拡散された元素により磁性相
粒の初期の核発生密度が低下する場合がある。また、前
記ガラス基板/磁性相界面のエネルギーが高いため、磁
性相粒が付着しにくくなり、初期の核発生密度が低下す
る場合がある。
【0020】このため、上記方法によって形成されたグ
ラニュラー膜においても磁性相粒、非磁性相マトリック
ス又は絶縁相マトリックスの結晶粒径及び形態を積極的
に制御することはできず、十分大きな磁気抵抗効果を得
ることはできない。
【0021】発明者は上記知見に基づき本発明を完成す
るに至った。すなわち上記目的を達成するために本発明
に係る磁気抵抗効果膜(1)は、下地膜上に、非磁性相
マトリックス中に磁性相粒を含む薄膜が積層された磁気
抵抗効果膜であって、前記下地膜がTiまたはAlから
なり、前記非磁性相マトリックスがTiまたはAlのう
ち少なくとも一種からなり、前記磁性相粒がFe、N
i、Coのうちの少なくとも一種からなることを特徴と
している。
【0022】上記磁気抵抗効果膜(1)は、下地膜と非
磁性相マトリックス中に磁性相粒を含む薄膜との複層に
より構成された構造となっている。該構造は、まず基と
なる基板上に前記下地膜を堆積させ、その後前記下地膜
上に前記薄膜となる合金膜を堆積させた後、熱処理を施
すことにより形成される。すなわち前記合金膜は前記基
板上に直接堆積されるのではなく、前記下地膜上に堆積
される。よって、前記熱処理時に、基板からの元素が外
方へ拡散したとしても、前記基板から拡散した元素が前
記合金膜まで達することはほとんどなく、前記拡散した
元素により、磁性相粒の初期の核発生密度が極端に抑制
されることはない。従って、磁性相粒の均一な微細化及
び高密度化が促進され、大きな磁気抵抗効果を有する磁
気抵抗効果膜を得ることができる。
【0023】また、前記下地膜の構成元素と前記薄膜の
含有元素とを同一元素にした場合、すなわち下地膜の構
成元素にTiを用いた場合に前記薄膜の含有元素にもT
iを用い、また下地膜の構成元素にAlを用いた場合に
前記薄膜の含有元素にもAlを用いた場合には、上記熱
処理時に前記下地膜からの元素が外方へ拡散したとして
も、該拡散した元素が前記薄膜の含有元素と共通元素で
あることにより、磁性相粒の初期の核発生密度が抑制さ
れることはほとんどない。従って磁性相粒の均一な微細
化及び高密度化がより促進され、より大きな磁気抵抗効
果を有する磁気抵抗効果膜を得ることができる。
【0024】また、本発明に係る磁気抵抗効果膜(2)
は、下地膜上に、絶縁相マトリックス中に磁性相粒を含
む薄膜が積層された磁気抵抗効果膜であって、前記下地
膜がTiまたはAlからなり、前記絶縁相マトリックス
がTiまたはAlの酸化物または窒化物のうちの少なく
とも一種からなり、前記磁性相粒がFe、Ni、Coの
うちの少なくとも一種からなることを特徴としている。
【0025】上記磁気抵抗効果膜(2)によれば、前記
絶縁相マトリックスの構成元素としてTiやAlが用い
られており、TiやAlは酸化や窒化によって容易にT
iO2 、TiN、Al23 、AlNといった絶縁体を
形成するため、前記絶縁相マトリックスを比較的容易に
形成することができる。
【0026】また、磁性相粒が前記絶縁相マトリックス
中に分散した構造となっているため、前記磁性相粒がよ
り高密度に析出する。よって上記磁気抵抗効果膜(1)
と同様の効果が得られると共に、より大きな磁気抵抗効
果を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気抵抗効果
膜の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実
施の形態に係る磁気抵抗効果膜10を示した模式的断面
図であり、図中1は基板を示している。基板1は非磁性
かつ非導電性のものであればよく、その形成材料として
はガラスやセラミックス等が好ましい。基板1上にはT
i又はAlからなる下地膜2が形成され、下地膜2上に
は薄膜3が形成されている。薄膜3は、図2(a)、
(b)に示したように、非磁性相マトリックス12又は
絶縁相マトリックス13中に磁性相粒11が分散されて
構成されており、前記非磁性相マトリックス12はTi
またはAlからなっており、絶縁相マトリックス13は
TiまたはAlの酸化物または窒化物のうちの少なくと
も一種からなっていて、磁性相粒11はFe、Ni、C
oのうちの少なくとも一種からなっている。これら下地
膜2及び薄膜3を含んで磁気抵抗効果膜10が構成され
ている。
【0028】下地膜2にTiを用いた場合には薄膜3の
形成にも前記非磁性金属としてTiを用い、下地膜2に
Alを用いた場合には薄膜3の形成にも前記非磁性金属
としてAlを用いるのが好ましい。また、下地膜2の好
ましい厚さは1nm〜1μmの範囲である。下地膜2の
厚さが1μmを越えると、下地膜2の構成元素であるT
i又はAlの粒径が大きくなってしまい、後の薄膜3の
形成時に磁性相11の核発生密度を所望のものにするこ
とが困難となる場合がある。
【0029】下地膜2の成膜方法としては、DCスパッ
タ法、RFスパッタ法、真空蒸着法等が挙げられる。
【0030】薄膜3となる合金膜にはFe、Co、Ni
のうちの少なくとも一種の強磁性元素とTi又はAlの
非磁性金属との合金膜、もしくはこの合金を酸化又は窒
化した合金膜を使用する。
【0031】薄膜3中における磁性相粒11の割合は8
0〜99%程度であるのが好ましい。また、磁性相粒1
1の粒径は1〜200nmの範囲内にあることが好まし
い。
【0032】薄膜3の成膜方法としては、例えばTi又
はAlのチップを表面に有する、Fe、Ni、Coのう
ちの少なくとも一種からなるターゲットを用い、真空雰
囲気中でDCスパッタを行う同時スパッタ法等が挙げら
れる。あるいは、Ti又はAlの金属蒸着源とFe、N
i、Coのうちの少なくとも一種の金属蒸着源とを同時
に使用して蒸着する同時蒸着法でもよい。
【0033】絶縁相マトリックスを有する薄膜3を成膜
する場合は、前記スパッタ時の雰囲気を酸素を含む雰囲
気とすることにより成膜する。
【0034】上記したように磁気抵抗効果膜10が下地
膜2と非磁性相マトリックス12中に磁性相粒11を含
む薄膜3との複層により構成されたものである場合、ま
ず基となる基板1上に下地膜2を成膜し、その後下地膜
2上に薄膜3となる合金膜を成膜した後、熱処理を施す
ことにより形成する。すなわち前記合金膜は基板1上に
直接堆積されるのではなく、下地膜2上に堆積される。
よって、前記熱処理時に、基板1から下地膜2側へ拡散
したとしても、基板1から拡散した元素が前記合金膜ま
で達することはほとんどなく、前記拡散された元素によ
り、磁性相粒11の初期の核発生密度が極端に抑制され
ることはない。従って、磁性相粒11の均一な微細化及
び高密度化が促進され、大きな磁気抵抗効果を有する磁
気抵抗効果膜10を得ることができる。
【0035】また、特に上記のようにTiやAlを下地
膜2に用いた場合には、下地膜2と薄膜3との界面エネ
ルギーが下地膜2を形成せずに基板1上に直接薄膜3を
形成した場合の基板1と薄膜3との界面エネルギーより
も低くなる傾向がある。これは、基板1と薄膜3との界
面が共有結合/金属結合となるのに対し、下地膜2と薄
膜3との界面には金属−金属結合が生じ易いためである
と考えられる。この結果、薄膜3が付着し易くなると共
に磁性相粒11の均一な微細化及び高密度化が促進され
ると考えられる。
【0036】また、下地膜2の構成元素と薄膜3の含有
元素とを同一元素にした場合、すなわち下地膜2の構成
元素にTiを用いた場合に薄膜3の含有元素にもTiを
用い、また下地膜2の構成元素にAlを用いた場合に薄
膜3の含有元素にもAlを用いた場合には、上記熱処理
時に下地膜2からの元素(Ti、Al)が薄膜3側へ拡
散したとしても、該拡散した元素が薄膜3の構成元素と
共通元素であることにより、磁性相粒11の初期の核発
生密度が抑制されることはほとんどない。従って磁性相
粒11の均一な微細化及び高密度化がより促進され、よ
り大きな磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効果膜10を得
ることができる。
【0037】一方、磁気抵抗効果膜10が下地膜2と絶
縁相マトリックス13中に磁性相粒11を含む薄膜3と
の複層により構成されたものである場合であっても、絶
縁相マトリックス13の構成元素としてTiやAlを用
いており、TiやAlは酸化や窒化によって容易にTi
2 、TiN、Al23 、AlNといった絶縁体を形
成するため、絶縁相マトリックス13を比較的容易に形
成することができる。
【0038】また、磁性相粒11がより高密度に析出し
ているため、より高い磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効
果膜10を得ることができる。
【0039】
【実施例及び比較例】本発明の実施例及び比較例に係る
磁気抵抗効果膜は、以下の条件により形成した。
【0040】<実施例> 基板1の形成材料 :ガラス サイズ :50mm×50mm×0.3mm 下地膜2の形成材料 :Ti又はAl 厚さ :5〜10000nmの範囲内の厚さ 薄膜3の構成 :M−Al、M−Al−O、M−Ti、M−Ti− O(M=Co又はFe又はNi)のうちのいずれ か 薄膜3の蒸着源(合金元素)の組成 :M:Al(Ti)=80:20 蒸着源径 :6インチ 構成がM−Al(Ti)−Oである薄膜3の成膜時に導入した混合ガス :Ar+1%O ガス分圧:0.3×10−2〜4.5×10-2Torr (4.01×10-1〜6.01Pa) スパッタ時の温度 :室温 電力 :約0.3w/h 時間 :200s 図3は実施例に係る磁気抵抗効果膜を形成するための直
流スパッタ装置を示した模式的断面図であり、図中61
は真空槽を示している。真空槽61内の上部には直流電
源50が接続されたターゲットホルダ62、ターゲット
ホルダ80が並列的に配置されており、ターゲットホル
ダ62には下地膜2を形成するための金属ターゲット6
3が、ターゲットホルダ80には薄膜3を形成するため
の合金ターゲット81がそれぞれ固定されている。合金
ターゲット81はTi又はAlのチップ81aを有して
いる。また、ターゲットホルダ62、ターゲットホルダ
80内には冷却水が循環され、温度が制御されるように
なっている。
【0041】真空槽61内の下部にはステンレス等から
構成された基板保持台66が配置されており、基板保持
台66上面であって金属ターゲット63の直下の位置に
は基板1が取り付けられている。基板保持台66は回転
自在であり、図示した位置から180°回転させると基
板1が合金ターゲット81の直下に位置することとな
る。基板保持台66内には冷却水が循環され、温度が制
御されるようになっている。
【0042】真空槽61の底部61aには配管68が接
続され、配管68の他端にはロータリーポンプやクライ
オポンプ等が組み合わされた排気ポンプ69が接続され
ている。また、真空槽61の側部61bには配管70、
71が接続されており、配管70からはバルブ70aを
介してAr等のスパッタガスが、配管71からはバルブ
71aを介して酸素や窒素等の反応ガスが導入されるよ
うになっている。
【0043】このように構成された装置を用いて磁気抵
抗効果膜10を形成するには、まず洗剤で洗浄した後乾
燥させた基板1を用意し、この基板1を基板保持台66
上面であって金属ターゲット63の直下の位置にセット
し、前記ロータリーポンプにより真空槽61内のほとん
どの空気を排気し、次に前記クライオポンプにより排気
を行うことによりさらに真空度を高める。
【0044】次に、ターゲットホルダ62に負のバイア
スをかけて帯電させ、配管70からスパッタガスを導入
することにより金属ターゲット63をスパッタリング
し、基板1上に下地膜2(図1)を形成する。
【0045】次に、基板保持台66を180°回転さ
せ、基板1が合金ターゲット81の直下にくるようにし
た後、合金ターゲット81を金属ターゲット63と同じ
要領でスパッタリングし、基板1上に形成された下地膜
2上に合金膜を形成する。ここで、絶縁相マトリックス
13中に磁性相粒11を含む薄膜(図2(b))となる
合金膜を成膜する場合は合金ターゲット81のスパッタ
リング中に配管71から反応ガスを適宜導入する。
【0046】このようにして成膜された下地膜2及び前
記合金膜に熱処理を施し、前記合金膜中に磁性相粒11
を析出させ、非磁性相マトリックス12又は絶縁相マト
リックス中13に磁性相粒11が分散した薄膜3を形成
する。これら下地膜2と薄膜3とにより磁気抵抗効果膜
10が構成されることになる。
【0047】<比較例>下地膜2を形成しない他は実施
例の場合と同様の条件で磁気抵抗効果膜を形成した。す
なわち、比較例に係る磁気抵抗効果膜は実施例の場合の
構成から下地膜2を除いた構成となる。
【0048】このようにして形成された実施例及び比較
例に係る磁気抵抗効果膜について、それぞれの磁気抵抗
効果を直流4端子法で測定した結果を下記の表1〜6に
示す。比較例に係る磁気抵抗効果膜には表中の備考の欄
に*印を付した。
【0049】磁気抵抗効果の大きさは、下記の数1式で
示した「磁気抵抗変化率(r)」、すなわち磁場0のと
きの抵抗値R0 から特定の強さの磁場での抵抗値Rs
差し引いた値(R0 −Rs )をR0 で除し、これを百分
率で表わした値で示した。
【0050】
【数1】磁気抵抗変化率(r)[%]=(R0 −Rs
×100/R0 実施例及び比較例では、外部磁場を2kOe印加し、上
記数1式に基づいて磁気抵抗変化率(r)を計算した。
この値が1%以上のものを良好な磁気抵抗特性が得られ
たものとして評価の欄に○印を付し、1%未満のものを
所望の特性が得られなかったものとして評価の欄に×印
を付した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】表1〜6から明らかなように、磁性相粒1
1の平均粒径が微細なほど、ほぼ磁気抵抗変化率(r)
を大きくすることができた。また、下地膜2が形成され
た実施例に係る磁気抵抗効果膜10の場合は下地膜2が
形成されていない比較例に係る磁気抵抗効果膜の場合
(試料No.1、18、35、52、69、86、103、120、137、154、171、188)
よりも、磁性相粒11の平均粒径を極端に小さくするこ
とができ、磁気抵抗変化率(r)を大幅に増大させるこ
とができた。
【0058】また、全体的に下地膜2の膜厚が100n
m前後である場合に磁気抵抗変化率(r)が最大値とな
っており、下地膜2の膜厚には最適値が存在し、該最適
値より薄すぎても厚すぎても磁気抵抗変化率(r)は小
さくなると言える。
【0059】また、非磁性相マトリックス12を構成す
る非磁性金属(Ti又はAl)と下地膜2を構成する金
属(Ti又はAl)とが同一である場合(試料No.10 〜
17、36〜43、78〜85、104 〜111 、146 〜153 、172 〜
179 )は、同一でない場合(試料No.2〜 9、44〜51、70
〜77、112 〜119 、138 〜145 、180 〜187 )よりも磁
気抵抗変化率(r)を相対的に大きくすることができ
た。該結果は絶縁相マトリックス13を有する磁気抵抗
効果膜の場合も同様であった。
【0060】さらに、磁性相粒11が非磁性相マトリッ
クス12中に分散している場合(試料No.1〜17、35〜5
1、69〜85、103 〜119 、137 〜153 、171 〜187 )
と、磁性相粒11が絶縁相マトリックス13中に分散さ
れている場合(試料No.18 〜34、52〜68、86〜102 、12
0 〜136 、154 〜170 、188 〜204 )とでは、後者の場
合の方が磁気抵抗変化率(r)を相対的に大きくするこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気抵抗効果膜を示
した模式的断面図である。
【図2】(a)、(b)はグラニュラー構造の場合にお
いて磁気抵抗効果が現われ得る構造を示した模式的断面
図である。
【図3】実施例に係る磁気抵抗効果膜を形成するために
用いた直流スパッタ装置を示した模式的断面図である。
【符号の説明】
2 下地膜 3 薄膜 10 磁気抵抗効果膜 11 磁性相粒 12 非磁性相マトリックス 13 絶縁相マトリックス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地膜上に、非磁性相マトリックス中に
    磁性相粒を含む薄膜が積層された磁気抵抗効果膜であっ
    て、前記下地膜がTiまたはAlからなり、前記非磁性
    相マトリックスがTiまたはAlのうちの少なくとも一
    種からなり、前記磁性相粒がFe、Ni、Coのうちの
    少なくとも一種からなることを特徴とする磁気抵抗効果
    膜。
  2. 【請求項2】 下地膜上に、絶縁相マトリックス中に磁
    性相粒を含む薄膜が積層された磁気抵抗効果膜であっ
    て、前記下地膜がTiまたはAlからなり、前記絶縁相
    マトリックスがTiまたはAlの酸化物または窒化物の
    うちの少なくとも一種からなり、前記磁性相粒がFe、
    Ni、Coのうちの少なくとも一種からなることを特徴
    とする磁気抵抗効果膜。
JP8118642A 1996-05-14 1996-05-14 磁気抵抗効果膜 Pending JPH09306733A (ja)

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