JPH06140687A - 磁気抵抗素子用磁性薄膜およびその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗素子用磁性薄膜およびその製造方法

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JPH06140687A
JPH06140687A JP4311016A JP31101692A JPH06140687A JP H06140687 A JPH06140687 A JP H06140687A JP 4311016 A JP4311016 A JP 4311016A JP 31101692 A JP31101692 A JP 31101692A JP H06140687 A JPH06140687 A JP H06140687A
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毅 麿
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性、生産性に優れた磁気抵抗素子用磁性
薄膜およびその製造方法を提供する。 【構成】 非磁性導電体中に磁性体を分散させてなる薄
膜を基体上に有することからなる磁気抵抗素子用磁性薄
膜であって、前記磁性体の粒径が10Å以上10μm以
下で、かつ、前記磁性体の充占率は10vol %以上90
vol %以下である。この磁気抵抗素子用磁性薄膜は非磁
性導電体に、磁性体とは互いに10at%までしか固溶し
ない非磁性金属を用い、この非磁性金属と磁性体とを基
体上に同時ベーパデボジションし、その後、500℃以
上の温度でアニールするか、または磁性体粉を導電性塗
料中に分散し、この混合物を非磁性基体上に塗布するこ
とをにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気抵抗素子用磁性薄膜
に関する。更に詳細には、本発明はその磁気抵抗変化率
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気記録装置では、記録および再
生に通常、コアに巻線を施した誘導型ヘッドが用いられ
る。このヘッドでは、磁気記録媒体上の記録データを磁
気記録媒体からでる磁束の変化に対するヘッド巻線間の
誘導起電力という形で取り出すため、基本的にヘッド・
媒体間の相対速度は大きいほうが望ましい。しかし、情
報量の増大および機器の小型化に伴い、ヘッドと媒体間
の相対速度は低下する傾向にあり、誘導型ヘッドの使用
は困難になりつつある。
【0003】そのため、ヘッド出力電圧がヘッド・媒体
間の相対速度に依存しない、磁気抵抗効果を利用したヘ
ッド、いわゆる、MRヘッドの利用検討が進められてい
る。また、ロボット、工作機械においても、位置・速度
検出器のエンコーダとしてMR素子が使用されている。
このMRヘッドやMRエンコーダの磁気抵抗素子には、
NiFe(パーマロイ)、Ni−Co、Ni−Fe−C
o膜が使用されている。これらの薄膜の抵抗変化率は最
大5〜6%であるが、MRヘッドやMRエンコーダの高
出力化および高分解能化のためには、より抵抗変化率の
大きい磁気抵抗素子が求められている。
【0004】磁気抵抗素子とは磁界の強弱を電気抵抗の
変化として取り出すように構成した固体電子部品のこと
であり、物性の点から半導体素子と強磁性体素子に分類
される。磁気記録装置のヘッドなどに使用される素子は
従って、強磁性体磁気抵抗素子のほうである。この種の
素子では面内に一軸磁気異方性をもつように作られた強
磁性体薄膜が用いられる。この異方性と平行に電流を流
し、薄膜面に平行で電流に直角の磁界を印加すると、素
子の抵抗が変化する。抵抗変化が飽和する磁界では、初
め電流と平行(磁化容易軸方法)に向いていた磁化が全
て直角になったことを示す。逆に、磁化と電流が直角な
ときの抵抗と平行にしたときの抵抗との変化として利用
することもできる。
【0005】上記薄膜より抵抗変化率の大きな薄膜とし
て、非磁性金属と強磁性金属を積層させた薄膜の研究が
進められている。この積層膜は非磁性金属と強磁性金属
の組み合わせを最適化することにより抵抗変化率が10
〜20%にも達する。しかし、抵抗変化率の大きな積層
膜を作製するためには、分子線エピタキシー装置、イオ
ンビームスパッタ装置のような高価で、量産性の低い装
置もしくは、分離された複数のターゲット上を高速で基
板が回転する複雑な機構を有する装置が必要であった。
【0006】また、この積層膜は非磁性金属・強磁性金
属間で標準酸化還元電位が異なるため電池を形成しやす
く、接触界面で腐食が起こると、その腐食が進行しやす
く、外部に曝されるエッジ部分やピンホールがあると、
そこから腐食が進行していくという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術が持っていた、低生産性や易腐食性に
関する問題点を解決し、以て耐食性、生産性に優れた磁
気抵抗素子用磁性薄膜およびその製造方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが長年にわた
り広範な実験と研究を続けた結果、非磁性導電体中に、
磁性体粒子を分散させ、この混合物を基体上に被着させ
ることにより磁気抵抗変化率の大きい磁気抵抗素子用磁
性薄膜が得られることが発見された。
【0009】このとき、磁性体粒子の粒径(特に短径)
が10Å以上10μm以下であることが望ましい。磁性
体粒子の粒径が10Åより小さいと化学的に不安定で、
周囲の非磁性導電体と反応しやすく、磁気抵抗変化率の
経時変化が大きくなる。また、粒径が10μmより大き
いと、磁気抵抗変化率が小さくなる。特に、磁性体が単
軸粒子であると磁気抵抗変化率が大きくなる。
【0010】磁性体の充占率は10vol %以上90vol
%以下であることが望ましい。磁性体の量が10vol %
より少なくても、また、90vol %より多くても磁気抵
抗変化率は小さくなる。
【0011】磁性体の形状は球状、楕円状、針状、枝状
等どのような形状であっても構わない。磁性体として
は、Fe、Co、Niおよびこれらの合金もしくは(F
e、Co、Ni)を主成分とする他の金属との合金強磁
性体または(Fe、Co、Ni)の酸化物、窒化物、炭
化物強磁性体、(Fe、Co、Ni)を主成分とし、か
つ、他の金属、ボロン、シリコン、ゲルコンを含む酸化
物、窒化物、炭化物強磁性体が使用可能である。
【0012】非磁性導電体としては、非磁性金属の他
に、SnO2 ,In23 などの無機物、ポリアセチレ
ン、ドーピングを行ったポリフェニレン、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリ2,5−チエニレン、ポリピロール
類、ポリジアセチレン類などの有機高分子化合物、有機
溶媒中に黒鉛または金属フィラーを分散させた導電性塗
料を用いることができる。
【0013】基体としては、ガラス、多結晶SiO2
SiまたはGeの単結晶、MgO、の他に、セラミック
ス、プラスチックフィルムなども使用可能である。
【0014】本発明の磁気抵抗素子用磁性薄膜を製造す
る方法としては、ベーパデボジション法または塗布法な
ど様々な方法を使用することができる。ベーパデボジシ
ョンは非磁性導電体と強磁性体とを基体上に同時ベーパ
デボジションして作製する方法であり、非磁性導電体中
に強磁性体を粒状に分散させるため、非磁性導電体と強
磁性体との固溶限界は互いに10at%以下であることが
望ましい。このような物質の組み合わせとしては、Co
−Ag,Co−Au,Fe−Cu,Fe−Ag,Fe−
Au,Ni−Agなどがある。また、同時ベーパデボジ
ション後に、500℃以上の温度でアニールすると、分
離が更に促進され、良好な結果が得られる。アニール雰
囲気としては、真空、He,Arなどの不活性ガスもし
くは水素ガス中が望ましい。同時ベーパデボジションす
るときに、強磁性体と非磁性導電体をそれぞれ基板に対
し向かい合う形で斜め入射を行うと、非磁性導電体と強
磁性体は自己陰影効果により分離される。ここでいう
“ベーパデボジション法”とは、真空蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法、高周波イオンプレーティ
ング法、クラスタイオンビーム法などの方法の総称であ
る。
【0015】塗布法としては、導電性有機高分子の溶媒
もしくは導電性塗料中に、磁性粉を分散させ、スクリー
ン印刷法などにより基体上に塗布し、乾燥させれば出来
上がる。同時ベーパデボジション法と塗布法では、膜厚
が1μm以下の膜を作製するときは同時ベーパデボジシ
ョン法のほうが膜厚制御の点で優れているが、膜厚が1
μm以上のときは塗布法でも十分で、大量生産性とコス
トの面では塗布法のほうが優れている。
【0016】この他にも、非磁性金属と強磁性金属の溶
融液を高速回転するロール上に連続して供給して薄帯を
作製する、いわゆる液体超急冷法で作製し、アニールし
て強磁性金属と非磁性金属を分離する方法、In23
やSnO2 導電膜を作製する溶液中に磁性粉を分散さ
せ、塗布した後、アニールして作製する方法などがあ
る。
【0017】基体上に成膜された本発明の磁気抵抗素子
用磁性薄膜は例えば、矩形、ストライプなどの形状に裁
断または切り出され、このチップを常法により更に加工
し、最終的に磁気抵抗素子を利用したMRヘッド,MR
エンコーダなどの固体電子部品が得られる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0019】実施例1〜4 図1に示したRFスパッタ装置を用いて、水冷Si基板
上にCo−Ag膜を作製した。図1において、符号1は
Co−Agターゲットであり、2はSi基板であり、3
は水冷基板ホルダーであり、4は真空槽であり、5は高
周波電源であり、6は真空排気系であり、7はガス導入
口である。ターゲット1は、Coターゲット上にAgチ
ップを均等に配置し、CoとAgの面積比が、Coを1
とすると、Agが0.05,0.1,0.5および0.
7のものを使用した。スパッタ時のArガス圧は5mTor
r とした。投入電力は1kW(13.56MHz )とし
た。Co−Ag膜の膜厚は500Åとした。このように
して作製したCo−Ag膜を500℃で2時間アニール
した。
【0020】比較例1および2 実施例1〜4と同じ条件で、但し、ターゲットとしてC
oとAgの面積比がCoを1とすると、Agが0.0
1,0.8のものを使用してCo−Ag膜を作製し、そ
の後、真空中で500℃で2時間アニールした。
【0021】比較例3 実施例1〜4と同じ条件で、但し、ターゲットとしてN
80Fe20の合金ターゲットを用いてパーマロイ膜を作
製した。スパッタ後、同様に真空中で500℃で2時間
アニールした。
【0022】前記実施例1〜4および比較例1〜2で得
られた各膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、円形の島状に分離された領域が無数観察された。こ
の島状の領域の元素分析を行ったところ、いずれの試料
でも島状の領域の中心部はCoが95at%以上存在し、
島状の領域の周囲部ではAgが95%以上存在し、Co
とAgが明瞭に分離されていた。また、Coを主成分と
する島状の大きさは直径が約100Åで、Ag中に10
0ÅのCoの球が分布していることになる。Co−Ag
膜中のCoの体積比は、Co−Ag膜1mm×1mmの
領域で組成分析し、CoとAgの濃度比から求めた。
【0023】前記実施例1〜4および比較例1〜3で得
られた各膜の磁気抵抗変化率を4端子法で測定した。磁
気抵抗変化率αは次の式で定義される。 α=(R0 −RH )/R0 ×100(%) 但し、前記式中、R0 は磁界を印加していないときの抵
抗値であり、RH は磁界を1000Oe印加したときの抵
抗値である。磁界は電流の流れる方向と平行に印加し
た。下記の表1に測定結果を要約して示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示された結果から明らかなように、
Coの体積比が10〜90vol %の本発明のCo−Ag
膜は、比較例3のパーマロイ膜よりも大きな抵抗変化率
を示す。
【0026】実施例5〜8 実施例1のスパッタ条件と、CoとAuの面積比が1:
1のターゲットを用いてCo−Au膜を作製し、これを
真空中、700℃で20分間、1時間、2時間および1
0時間アニール処理した。
【0027】比較例5および6 実施例5と同じ条件でCo−Au膜を作製し、真空中、
700℃で5分間および20時間のアニール処理を行っ
た。
【0028】実施例5〜8および比較例5〜6で得られ
た各膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、い
ずれの試料でも、Coが95%以上の島状部分が観察さ
れた。この島状部分の平均直径を粒径とした。また、抵
抗変化率を実施例1と同様に測定した。結果を下記の表
2に要約して示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示された結果から明らかなように、
磁性粒子であるCo粒子の粒径が10Å以上10μm以
下の場合に、抵抗変化率の大きい膜が得られる。特に、
実施例5の膜で抵抗変化率が大きいのは、Co粒子が単
軸粒子であるからと考えられる。
【0031】実施例9 図3に示した2元同時RFスパッタ装置を用いて、Au
−Fe34 膜を作製した。図3において、符号10は
基板ホルダー加熱用ヒータを示し、その他、図1と同じ
部材は同じ符号で示されている。ターゲット1にはAu
およびFe34 を使用した。スパッタ雰囲気にはAr
−O2 混合ガスを使用した。全ガス圧は5mTorr 、Ar
とO2 の比率は1:1とした。投入電力はAu500
W、Fe34 1kWとした。基板2には石英ガラスを
用いた。基板2はヒータ10を用いて500℃に加熱し
た。膜厚は1000Åとした。スパッタ後の膜を酸素気
流中で600℃、2時間アニールした。
【0032】この膜を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、直径100Å程度の島状部分が一様に分散して存在
していることが確認された。この島状部分を分析したと
ころ、FeとOのみが3:4の割合で、また、島状部分
の周囲からはAuのみが観察された。この膜の磁気抵抗
変化率を実施例1と同様の4端子法で測定したところ、
8%であった。
【0033】実施例10 図3に示した2元同時RFスパッタ装置を使用し、In
23 −Fe34 膜を作製した。ターゲットにはIn
23 およびFe34 を使用した。スパッタ雰囲気に
はAr−O2 混合ガスを使用した。全ガス圧は5mTorr
、ArとO2 の比率は1:2とした。投入電力はIn2
3 1kW、Fe34 500Wとした。基板2には
石英ガラスを用いた。基板2はヒータ10を用いて50
0℃に加熱した。膜厚は1000Åとした。スパッタ後
の膜を酸素気流中で600℃、2時間アニールした。
【0034】この膜を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、直径100Å程度の島状部分が一様に分散して存在
していることが確認された。この島状部分を分析したと
ころ、FeとOのみが3:4の割合で、また、島状部分
の周囲からはInとOが2:3の割合で検出された。こ
の膜の磁気抵抗変化率を実施例1と同様の4端子法で測
定したところ、7%であった。
【0035】実施例11 図1に示したRFスパッタ装置を用いてAu−部分窒化
鉄膜を作製した。ターゲットにはAuターゲット上に鉄
チップを面積比がAu1に対してFe0.2としたもの
を使用した。スパッタ雰囲気にはAr−N2 混合ガスを
使用した。全ガス圧は5mTorr 、ArとN2 の比率は
1:2とした。投入電力は1kWとした。基体2には石
英ガラスを用いた。膜厚は1000Åとした。スパッタ
後の膜を窒素気流中で500℃、2時間アニール処理し
た。
【0036】この膜を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、直径100Å程度の島状部分が一様に分散して存在
していることが確認された。この島状部分を分析したと
ころFeとNが検出された。Nの含有量は10at%であ
った。また、島状部分の周囲からはAuのみが検出され
た、この膜の磁気抵抗変化率を実施例1と同様に4端子
法で測定したところ8%であった。
【0037】実施例12 図3に示した2元同時RFスパッタ装置を用いてAu−
部分炭化鉄膜を作製した。ターゲットにはAuおよびF
e−C50at%の焼結合金ターゲットを使用した。スパ
ッタ雰囲気にはArガスを使用した。ガス圧は5mTorr
とした。投入電力はAu,Fe−Cターゲット共に1k
Wとした。基板2には石英ガラスを用いた。基板2はヒ
ータ10を用いて400℃に加熱した。膜厚は1000
Åとした。スパッタ後の膜を1×10-5Torrの真空中
で、600℃,30分間アニールした。
【0038】この膜を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、直径100Å程度の島状部分が一様に分散して存在
していることが確認された。この島状部分を分析したと
ころ、FeとCのみが観察された。Cは25at%検出さ
れた。また、島状部分の周囲からはAuのみが観察され
た。この膜の磁気抵抗変化率を実施例1と同様の4端子
法で測定したところ、8%であった。
【0039】比較例7 図2に示した2元同時スパッタ装置を使用し、CoとA
gターゲット上を基板を回転させ、CoAg積層膜を作
製した。図2において、符号8は回転基板ホルダーを示
し、9は隔壁を示し、その他、図1と同じ部材は同じ符
号で示されている。基板2にはSiを用いた。Coおよ
びAgの各一層の厚さはそれぞれ10Å,10Åとし、
全体で500Åとした。スパッタ時のAr圧は5mTorr
とし、投入電力はCoおよびAgのターゲットに対し、
それぞれ1kWおよび500Wとした。
【0040】実施例1〜4,実施例9〜12および比較
例7で得られた各膜を80℃、相対湿度90%の雰囲気
中に放置し、1日、2日、5日、10日、20日、50
日目に各試料の磁気抵抗変化率を実施例1で用いたのと
同じ4端子法で測定した。結果を下記の表3に要約して
示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示された結果から明らかなように、
実施例1〜4の膜のほうが比較例7の膜よりも耐食性に
優れていることがわかる。実施例のなかでも、磁性体と
して酸化物または窒化物あるいは炭化物磁性体を用いた
実施例9〜12のほうが耐食性に優れている。
【0043】50日間放置した実施例1〜4および実施
例9〜12の試料と比較例7の試料を顕微鏡で観察した
ところ、比較例7の試料では膜の周辺部の腐食および膜
の表面に点状の腐食が観察された。これに対し、実施例
1〜4の試料では膜表面の点状の腐食は観察されたが、
周辺部の腐食は観察されなかった。実施例9〜12では
膜表面の腐食、周辺部の腐食ともに殆ど観察されなかっ
た。
【0044】実施例13および14 直径10μm〜20μmの銀粉と、直径1〜5μmのγ
−Fe23 (実施例13)およびFe粉(実施例1
4)をエポキシ樹脂中に分散させ、これを膜厚2μmで
ポリイミドフィルム表面に塗布し、乾燥させた。塗布、
乾燥直後の導電率は実施例13の膜が1×10-3Ωcm
であり、実施例14の膜が8×10-4Ωcmであった。
これをAr気流中(300℃)で2時間アニールした。
アニール後の導電率は実施例13の膜が4×10-4Ωc
mであり、実施例14の膜が2.5×10-4Ωcmであ
った。
【0045】実施例13および14の膜の断面を透過型
電子顕微鏡で観察いたところ、密に詰まった銀粉中にγ
−Fe23 粉(実施例13)およびFe粉(実施例1
4)が一様に分散していた。実施例13および14の膜
の磁気抵抗変化率を実施例1と同様の4端子法で測定し
たところ、実施例13の膜が4%、実施例14の膜が5
%であり、従来のパーマロイ膜程度の値が得られた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では非磁性
導電体中に粒径が10Å以上10μm以下の磁性体を体
積比で10vol %以上90vol %以下で分散させた混合
物を基体に被着させて成膜することにより、磁気抵抗変
化率の大きく、耐食性に優れた磁気抵抗素子用磁性薄膜
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において本発明の磁気抵抗素子用磁性
薄膜の作製に使用されるRFスパッタ装置の模式的構成
図である。
【図2】比較例7で使用される2元同時スパッタ装置の
模式的構成図である。
【図3】実施例9で使用される2元同時スパッタ装置の
模式的構成図である。
【符号の説明】
1 ターゲット 2 基板 3 基板ホルダー 4 真空槽 5 高周波電源 6 真空排気系 7 ガス導入口 8 回転基板ホルダー 9 隔壁 10 基板ホルダー加熱用ヒータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性導電体中に磁性体を分散させてな
    る薄膜を基体上に有することからなる磁気抵抗素子用磁
    性薄膜であって、前記磁性体の粒径が10Å以上10μ
    m以下で、かつ、前記磁性体の充占率は10vol %以上
    90vol %以下であることを特徴とする磁気抵抗素子用
    磁性薄膜。
  2. 【請求項2】 磁性体が磁性金属である請求項1の磁気
    抵抗素子用磁性薄膜。
  3. 【請求項3】 磁性体が酸化物磁性体または窒化物ある
    いは炭化物磁性体である請求項1の磁気抵抗素子用磁性
    薄膜。
  4. 【請求項4】 磁性粒子の50%以上が単軸磁性粒子で
    ある請求項1の磁気抵抗素子用磁性薄膜。
  5. 【請求項5】 非磁性導電体が非磁性金属である請求項
    1の磁気抵抗素子用磁性薄膜。
  6. 【請求項6】 非磁性導電体が有機物含有物である請求
    項1の磁気抵抗素子用磁性薄膜。
  7. 【請求項7】 非磁性導電体が酸化物である請求項1の
    磁気抵抗素子用磁性薄膜。
  8. 【請求項8】 非磁性導電体中に磁性体を分散させるこ
    とからなる磁気抵抗素子用磁性薄膜の製造方法であっ
    て、非磁性導電体に、磁性体とは互いに10at%までし
    か固溶しない非磁性金属を用い、この非磁性金属と磁性
    体とを基体上に同時ベーパデボジションし、その後、5
    00℃以上の温度でアニールすることを特徴とする磁気
    抵抗素子用磁性薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 非磁性導電体中に磁性体を分散させるこ
    とから磁気抵抗素子用磁性薄膜の製造方法であって、磁
    性体粉を導電性塗料中に分散し、この混合物を非磁性基
    体上に塗布することを特徴とする磁気抵抗素子用磁性薄
    膜の製造方法。
JP31101692A 1992-10-26 1992-10-26 磁気抵抗素子用磁性薄膜およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3309922B2 (ja)

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