JPH09237716A - 交換結合膜、磁気抵抗効果素子および磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

交換結合膜、磁気抵抗効果素子および磁気抵抗効果素子の製造方法

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JPH09237716A
JPH09237716A JP9073314A JP7331497A JPH09237716A JP H09237716 A JPH09237716 A JP H09237716A JP 9073314 A JP9073314 A JP 9073314A JP 7331497 A JP7331497 A JP 7331497A JP H09237716 A JPH09237716 A JP H09237716A
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film
antiferromagnetic
ferromagnetic
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exchange coupling
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Hiromi Fukuya
ひろみ 福家
Yuzo Kamiguchi
裕三 上口
Susumu Hashimoto
進 橋本
Tomoki Funayama
知己 船山
Kazuhiro Saito
和浩 斉藤
Hitoshi Iwasaki
仁志 岩崎
Masashi Sahashi
政司 佐橋
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な交換結合力を有し、かつ耐食性、熱安
定性に優れた交換結合膜、および交換結合膜を具備した
磁気抵抗効果素子を提供する。 【解決手段】 基板上に形成された反強磁性体膜と、こ
の反強磁性体膜上に積層形成された強磁性体膜とを具備
する交換結合膜であって、反強磁性体膜は少なくとも一
部が面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成がΙrx
Mn100-x (2≦x≦80at%)で表されるΙrMn合金、ま
たは組成が(Ιrx'Mn1-x'100-y Fey (0.02≦
x′≦0.80、 0<y<30at%)で表されるIrMnFe合
金からなる。交換結合膜をサンドイッチ膜構造の磁気抵
抗効果膜に適用した磁気抵抗効果素子は、一対のハード
膜12上に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反強磁性体膜と強
磁性体膜との交換結合を利用する交換結合膜およびこの
交換結合膜を具備した磁界検出用センサや再生用磁気ヘ
ッド等の磁気抵抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】以前より高密度磁気記録における再生用
ヘッドとして、磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドの
研究が進められている。現在、磁気抵抗効果素子材料と
しては80at%Ni− 20at%Fe(通称パーマロイ)合金
薄膜が一般に用いられている。さらに、近年これにかわ
る材料として、巨大磁気抵抗効果を示す(Co/Cu)
n 等の人工格子膜やスピンバルブ膜が注目されている。
【0003】ところで、これらの材料を用いた磁気抵抗
効果膜は磁区を持つため、これに起因するバルクハウゼ
ンノイズが実用化のうえで大きな問題となっており、磁
気抵抗効果膜を単磁区化する方法が種々検討されてい
る。その一つに強磁性体膜である磁気抵抗効果膜と反強
磁性体膜との交換結合を利用して磁気抵抗効果膜の磁区
を特定方向に制御する方法があり、ここでの反強磁性体
材料としてはγ−FeMn合金が従来より広く知られて
いる(たとえば米国特許第 4103315号、米国特許第 531
5468号)。
【0004】さらに、近年ではスピンバルブ膜の磁性膜
の磁化をピン留めするために、反強磁性体膜と強磁性体
膜との交換結合を利用する技術も普及している。この目
的でも、反強磁性体材料としてγ−FeMn合金が多く
使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、γ−F
eMn合金は耐食性特に水に対する腐食が問題であり、
磁気抵抗効果素子の加工工程における腐食、また大気中
の水分による腐食により素子として歩留まりが非常に悪
い、さらに経時的に磁気抵抗効果膜との交換結合力が劣
化するという問題がある。
【0006】またγ−FeMn合金からなる反強磁性体
膜においては、温度環境による強磁性体膜との交換結合
力の変化が大きいという問題点もある。すなわち、磁気
ヘッドの動作時には80℃前後にまでその素子部の温度が
上昇してしまうため、強磁性体膜と反強磁性体膜との交
換結合力が失われる温度であるブロッキング温度はでき
るだけ高いことが望ましいが、γ−FeMn合金系のブ
ロッキング温度は 200℃以下であるため、長期的な信頼
性に欠けるという問題がある。
【0007】また、例えば米国特許第 4103315号には、
反強磁性体膜としてPtMn、RhMn合金などγ−F
eMn合金以外の他のγ−Mn合金を用いた例や、酸化
物系のNiOなどを用いた例なども開示されている。し
かるに、これらPtMn、RhMn合金などのγ−Mn
合金からなる反強磁性体膜では強磁性体膜との交換結合
力が十分でなく、一方NiOなどの酸化物からなる反強
磁性体膜は熱安定性に劣り、 100℃以上程度の高温下で
の強磁性体膜との交換結合力が不安定である。しかも、
NiO等の酸化物系は電気抵抗が高く、この部分から直
接電極を取り出すことができないため素子構造が複雑に
なるという不具合もある。
【0008】さらに米国特許第 5315468号には、面心正
方晶系の結晶構造を有するNiMn合金などのθ−Mn
合金で反強磁性体膜を形成すると、高温域でも反強磁性
体膜と強磁性体膜との交換結合力は低下しないことが示
されている。
【0009】しかしながら、このような反強磁性体膜に
ついては、成膜したまま(as-depo.)の状態ではその強磁
性体膜との交換結合力が非常に小さく、交換結合力を十
分満足できるものとするには 250℃程度の高温での熱処
埋が不可欠となる。そのため、これらの反強磁性体膜を
用いた場合には、製造プロセスが繁雑化し、ひいては製
造歩留りや信頼性の低下などを招いてしまう。
【0010】上述したように、反強磁性体膜はたとえば
磁気抵抗効果素子のバルクハウゼンノイズの低減など、
強磁性体膜との交換結合を得るために用いられてきた
が、従来の反強磁性体膜は、特に高温での強磁性体膜と
の交換結合力やその耐食性などに問題があり、信頼性の
良好な交換結合膜を歩留りよく製造することは困難であ
った。
【0011】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、高温域でも十分な強磁性体膜との交
換結合力を有し、かつ耐食性に優れた反強磁性体膜を備
え、製造プロセスが簡略であるとともに信頼性の良好な
交換結合膜、およびこの交換結合膜を具備してなり、安
定した出力を長期間にわたって得ることのできる磁気抵
抗効果素子およびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の交換結合膜は、
基板上に形成された反強磁性体膜と、前記反強磁性体膜
上に積層形成された強磁性体膜とを具備する交換結合膜
であって、前記反強磁性体膜は、少なくとも一部が面心
立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成が一般式Ιrx
100-x (式中、xは at%で 2≦x≦80を満足する値で
ある)で表されるΙrMn合金、または少なくとも一部
が面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成が一般式
(Ιrx'Mn1-x'100-y Fey (式中、x′は原子比
であって0.02≦x′≦0.80を満足する数値、yは at%で
0<y<30を満足する値である)で表されるIrMnF
e合金からなることを特徴としている。
【0013】本発明の磁気抵抗効果素子は、基板と、前
記基板上に形成された一対のハード膜と、前記一対のハ
ード膜上に形成された強磁性体、非磁性体および強磁性
体からなるサンドイッチ膜を有する強磁性体膜と、前記
サンドイッチ膜の一方の強磁性体上に積層形成され、前
記強磁性体と交換結合した反強磁性体膜と、少なくとも
前記強磁性体膜に電流を通電するための電極とを具備す
る磁気抵抗効果素子であって、記反強磁性体膜は少なく
とも一部が面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成が
一般式Ιrx Mn100-x (式中、xは at%で 2≦x≦80
を満足する値である)で表されるΙrMn合金、または
少なくとも一部が面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ
組成が一般式(Ιrx'Mn1-x'100-y Fey (式中、
x′は原子比であって0.02≦x′≦0.80を満足する数
値、yは at%で 0<y<30を満足する値である)で表さ
れるIrMnFe合金からなることを特徴としている。
【0014】本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法は、
上記した本発明の磁気抵抗効果素子を製造するにあた
り、前記強磁性体、非磁性体および強磁性体からなるサ
ンドイッチ膜と、前記サンドイッチ膜の一方の強磁性体
上に積層される前記反強磁性体膜を、それぞれ磁界中で
成膜する工程と、前記サンドイッチ膜の他方の強磁性体
の磁化容易軸方向に磁界を印加した状態で熱処理する工
程と、前記熱処理後の冷却過程で、前記磁界を直角方向
に回転させる工程とを有することを特徴としている。
【0015】本発明の交換結合膜は、IrMn合金から
なる反強磁性体膜と強磁性体膜とが積層形成された基本
構造を備えるものである。このとき、特に少なくとも一
部が面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成がIrx
Mn100-x (2≦x≦80)で表されるIrMn合金からな
る反強磁性体膜を強磁性体膜と積層形成することで、高
温域でも十分に大きな交換結合力を得ることができる。
【0016】すなわちIrMn合金は、面心立方晶系の
結晶構造を有する場合には、高いネール温度を有するた
め、上述したような基本構造を備える交換結合膜に適用
した際のブロッキング温度も高く、結果的に得られる交
換結合膜の信頼性が向上し、かつ強磁性体膜との十分な
交換結合力を有する。
【0017】しかも、特に磁気抵抗効果膜としての強磁
性体膜の磁区制御およびスピンバルブ膜のピン留め層の
磁化固着などのために、強磁性体膜と反強磁性体膜との
交換結合を利用する場合、面心立方晶系の結晶構造を有
するIrMn合金は、通常同様に面心立方晶系または六
方晶稠密系の結晶構造を形成する強磁性体膜との格子整
合性の点でも好ましい。
【0018】逆に、面心正方晶系の結晶構造を有するI
rMn合金は、c軸とa軸との格子定数の比c/aが
1.355と非常に大きいうえa軸方向の格子定数が約0.3nm
末満で、一般に格子定数が0.35nm程度である面心立方
晶系の結晶構造を形成する強磁性体膜とは格子整合性が
低く、十分な交換結合力は得られ難い。
【0019】本発明の交換結合膜では、その結晶構造が
上述した通り面心立方晶系であるとともに、Irx Mn
100-x (2≦x≦80)で表される組成を有するIrMn合
金が反強磁性体膜に用いられる。何となれば、IrMn
合金中のIr量が少ない組成ではその耐食性が低下する
傾向がある一方、Ir量が多いと反強磁性が弱まるから
である。なお本発明において、さらに好ましいIrMn
合金の組成範囲は 5≦x≦40である。IrMn合金は、
一般に35<x<60の組成範囲では、面心正方晶系の結晶
構造が安定となる。したがって、本発明に係る交換結合
膜においては、Ιrx Mn100-x (2≦x≦35、60≦x≦
80)、さらにはΙrx Mn100-x (15≦x≦35)で表さ
れる組成のIrMn合金を用いることがより好ましい。
【0020】ただし、結晶構造が面心立方晶系であるC
uなどの膜やFe、Co、Niやこれらの合金などを主
体とする磁気抵抗効果膜の上に、IrMn合金をエピタ
キシャル的に成長させる場合などは、35<x<60の組成
範囲でも面心立方晶系の結晶構造を有するIrMn合金
からなる反強磁性体膜を形成することができる。すなわ
ち本発明では、面心立方晶系の結晶構造を有するIrM
n合金で反強磁性体膜が形成されるのであれば、IrM
n合金が上述したような35<x<60の組成範囲であって
も、特別差支えない。
【0021】本発明の交換結合膜における他の反強磁性
体膜は、一般式(Ιrx'Mn1-x'100-y Fey 、ここ
でx′は原子比であって0.02≦x′≦0.80を満足する数
値、yはat% 、 0<y<30を満足する値である。すなわ
ち、本発明の交換結合膜における他の反強磁性体膜は、
上述した反強磁性体膜を構成しているIrMn合金に対
してFeを添加した合金組成からなる。ここで、x′の
値を0.02以上とする理由は、0.02未満とIrを少なくす
ると反強磁性膜の耐食性が低下し、0.08を越えてIrが
多くなると反強磁性体膜のブロッキング温度が低下する
ためである。より好ましい範囲は0.05≦x′≦0.40であ
る。
【0022】Feは反強磁性体膜の強磁性体膜との格子
整合性を良好にして交換結合力を大きくする作用を有す
る。ただし、yが30以上になると耐食性は大きく低下す
るためyは30未満とする。より好ましいyの範囲は0.01
≦y≦25である。この交換結合膜においても、交換結合
膜を構成する反強磁性体膜および強磁性体膜はいずれも
面心立方晶(fcc)構造を有することが好ましい。さ
らに本発明の一実施態様では、強磁性体膜および反強磁
性体膜ともに (111)面配向をしているため強磁性体膜は
六方晶構造でも差支えない。
【0023】なお、本発明の交換結合膜について、前述
したように、Ιrx Mn1-x 系合金は、バルクでは0.35
<x<0.60の範囲で面心正方晶(fct)構造を有す
る。この面心正方晶のIrMn系合金の格子定数aは0.
273nm と小さく、c/aの比が1.355 とかなり大きい。
一方、面心立方晶(fcc)構造を有する強磁性膜は格
子定数aが0.35nm前後である。このため、(Ιrx'Mn
1-x'100-y Fey (0.35<x′<0.60)合金を反強磁
性体膜として用いると強磁性体膜との格子整合性が悪
く、十分な交換結合力を得ることが困難になると予想さ
れる。
【0024】ただし、このような0.35<x′<0.60の範
囲の(Ιrx'Mn1-x'100-y Fey 合金でも、面心立
方晶構造を有するCuなどの膜やFe、Co、Niやこ
れらの合金を主体とする磁気抵抗効果膜の上にエピタル
キシャル成長させれば、面心立方晶構造を有する反強磁
性体膜を形成することができる。
【0025】また、本発明の交換結合膜において、(Ι
x'Mn1-x'100-y Fey からなる反強磁性体膜の膜
厚方向に沿うFeの濃度分布は、均一でも、不均一(組
成変調膜)でもよい。例えば、反強磁性体膜の強磁性体
膜との界面側またはこれと反対側の表面においてFeの
濃度が高くなっていてもよいし、反強磁性体膜の中央部
において濃度が高くなっていてもよい。
【0026】ただし、交換結合力および耐食性の観点か
らは、反強磁性体膜と強磁性体膜との界面付近でFe濃
度が高いことが望ましい。また反強磁性体膜中における
Fe濃度の変化のしかたも、連続的な変化でもよいし段
階的な変化でもよい。
【0027】さらに、本発明に係る交換結合膜において
は、反強磁性体膜に用いられるΙrMn合金に対して、
Ni、Cu、Τa、Ηf、Ρd、Τi、Nb、Cr、S
i、Al、W、Ζr、Ga、Βe、In、Sn、V、M
o、Re、Co、Ru、Rh、Ρt、Ge、Os、A
g、Cd、Zn、Au、Nなどの添加成分を添加含有さ
せてもよい。すなわち、本発明における反強磁性体膜
は、上述した通りの結晶構造、組成を有するIrMn合
金を用いることにより、すでに良好な耐食性が得られて
いるが、このような添加成分を添加含有させることで一
段とその耐食性は向上する。
【0028】ただし、添加成分が余りに多量に添加含有
されると交換結合膜の交換結合力が低下するおそれがあ
るので、これらの配合量はΙrx Mn100-x (2≦x≦8
0)で表される組成に対し50at% 以下、さらに好ましく
はCu、Τa、Ηf、Τi、Nb、Cr、Si、Al、
W、Zr、Moの場合30at% 以下、Nでは20at% 以下に
設定される。また、IrMnFe合金に対しても同じ
で、これらの元素の添加量は50at% を超えると交換結合
膜の交換結合力が低下する。
【0029】また本発明の交換結合膜では、ΙrMn合
金(IrMnFe合金もふくめて)からなる反強磁性体
膜の少なくとも一部が規則相を有することが好ましい。
これは、IrMn合金からなる反強磁性体膜の原子配列
を規則化することでネール点が上昇し、ひいては交換結
合膜のブロッキング温度が高められてその信頼性が向上
するとともに、反強磁性体膜と強磁性体膜との交換結合
力を増大させることが可能となるからである。
【0030】なお本発明のように、面心立方晶系の結晶
構造を有するIrMn合金で反強磁性体膜を形成する場
合は、反強磁性体膜を形成した直後のas-depo.状態は通
常不規則相が支配的であるものの、 100〜 300℃程度の
熱処理を施すことで規則相、具体的にはCu3 Au型の
規則相を生成し得る。またここで、このような規則相の
生成はX線回折で分析することにより容易に確認でき
る。
【0031】一方、本発明における強磁性体膜は特に限
定されないが、異方性磁気抵抗効果膜や人工格子膜、ス
ピンバルブ膜、グラニュラー膜といった巨大磁気抵抗効
果膜などの面心立方晶系または六方晶稠密系の結晶構造
を形成する磁気抵抗効果膜が、上述した通り反強磁性体
膜との格子整合性の点で好ましい。具体的には、Fe、
CoおよびNiの少なくとも 1種を含有する合金を主体
とした磁気抵抗効果膜が例示される。また、強磁性体膜
にはFeが含まれていることが望ましい。強磁性体膜に
Feが含まれていると強磁性体膜と反強磁性体膜との交
換結合力を大きくする上で有利である。
【0032】しかしながら、特にCoあるいはCo系合
金を主体とした磁気抵抗効果膜については、面心立方晶
系の結晶構造を有するIrMn合金からなる反強磁性体
膜と積層形成することで、磁気ヘッド等に使用するため
のブロッキング温度の非常に高い交換結合膜を得ること
ができる。また、磁気抵抗効果膜としてCo系合金磁性
膜とCu非磁性膜などの多層構造を有する人工格子膜や
スピンバルブ膜を用いる場合には、大きな抵抗変化率が
得られ、しかも熱安定性も良好であるため、磁気ヘッド
などへ応用するうえでも非常に好適である。
【0033】上記のような多層構造を有する磁気抵抗効
果膜の熱安定性についてさらに説明する。例えばNiF
e磁性膜とCu非磁性膜との多層構造においては、Ni
とCuとが全率固溶系であることに起因し、磁気抵抗効
果素子の加工工程などで 200℃程度の温度に晒されると
NiFe磁性膜とCu非磁性膜との問で拡散が生じて、
磁気抵抗効果膜の抵抗変化率が低下してしまう。これに
対し、Co系合金磁性膜とCu非磁性膜との多層構造に
おいては、CoとCuとが非固溶系であるため、磁気抵
抗効果素子の加工工程において磁気抵抗効果膜が 350℃
程度まで加熱されても、その抵抗変化率はほとんど低下
しない。
【0034】なお本発明では、Coを含有しない強磁性
体膜と反強磁性体膜との界面にCoあるいはCo系合金
からなる強磁性体膜を介在させ、得られる交換結合膜の
ブロッキング温度および交換結合力を高めることも可能
である。またこのとき、反強磁性体膜を間に挟むよう
に、Coを含有しない強磁性体膜と、CoあるいはCo
系合金からなる強磁性体膜とを積層形成してもよい。
【0035】さらに本発明においては、強磁性体膜の磁
気特性やIrMn合金からなる反強磁性体膜との格子整
合性を向上させる観点から、強磁性体膜に添加成分を添
加含有させることもできる。またNiFe系合金からな
る強磁性体膜についても、同様の観点からの添加成分の
配合が可能である。この場合反強磁性体膜との格子整合
性を向上させるうえでは、添加成分は強磁性体膜全体に
亘って配合される必要はなく、少なくとも反強磁性体膜
との界面近傍に配合されればよい。
【0036】なお本発明における反強磁性体膜の膜厚
は、反強磁性を発現する範囲であれば特に限定されな
い。しかしながら、大きな交換結合力を得るためには、
反強磁性体膜の膜厚が強磁性体膜の膜厚よりも厚いこと
が望ましい。さらに熱処理後の交換結合力の安定性の観
点からは約15nm以下、好ましくは約10nm以下であること
が好ましい。さらに強磁性体膜厚も同様の観点から約 3
nm以下であることが好ましい。また、このような反強磁
性体膜と強磁性体膜は少なくとも一部が積層形成されて
交換結合していればよい。さらに本発明における交換結
合膜の反強磁性体膜は、約 3nm以上あることが好まし
く、ピン留めされる強磁性体膜は約 1nm以上であること
が好ましい。
【0037】本発明の交換結合膜は、蒸着法、スパッタ
法、MBE法など公知の成膜方法により例えば基板上に
形成される。この際、反強磁性体膜と強磁性体膜との交
換結合に一方向異方性を付与するために、磁界中で成膜
するか、または磁界中熱処埋を行なってもよい。このよ
うな熱処埋は上述したような規則相を生成させるために
も有効である。さらにスピンバルブ膜を用いた磁気抵抗
効果素子、および磁気ヘッドでは、強磁性体膜のフリー
層とピン層の磁化を直交方向にする直交化熱処理を行っ
てもよい。なおこの際強磁性体膜にFeが含まれている
と、熱処理の際に強磁性体膜から反強磁性体膜へ向かっ
てFeが拡散して両者の界面に拡散層が生じ、界面での
Fe濃度が高まり、さらに交換結合力を高めることがで
きる。
【0038】なお、上記のような強磁性体膜から反強磁
性体膜へ向かってFeの拡散を利用して、強磁性体膜と
Feを含まないIrMn膜とを積層した後にアニールす
ることにより本発明の交換結合膜のIrMnFe反強磁
性体膜を形成することもできる。また、Feを含まない
強磁性体膜を用いる場合、Feを含まない強磁性体膜と
Feを含まないIrMn反強磁性体膜との間にFeを主
成分とする層を介在させ、成膜後にアニールすることに
よりIrMnFe反強磁性体膜を形成してもよい。この
ように界面に介在させるFeを主成分とする層の厚さは
5nm以下、さらには 2nm以下とすることが望ましい。さ
らにFeを含まないIrMnと強磁性体膜との界面に 1
原子層以上のFeが存在すれば交換結合力が高まる。
【0039】また同様に、IrMnFeに対しても、強
磁性体膜がFeを含まないかまたはFeの含有量が少な
い場合においても、界面にFeを介在させることによ
り、交換結合力を高めることができる。この場合のFe
層は 1原子層以上あれば効果を発揮するが、約 5nmを越
えると交換結合力が弱くなってしまう。
【0040】本発明の交換結合膜を形成させる基板とし
ては、ガラス、樹脂などの非晶質基板やSi、MgO、
Al2 3 、各種フェライトなどの単結晶基板、配向基
板、焼結基板などを用いることができ、特に限定される
ことはない。また反強磁性体膜や強磁性体膜の結晶性を
向上させるために、基板上に 1〜 100nmの厚さの下地層
を設けてもよい。下地層は反強磁性体膜や強磁性体膜の
結晶性を向上させるものであれば特に限定されないが、
例えばΡdやΡtなどの貴金属やCoZrNbなどの非
晶質金属、また面心立方晶系の結晶構造を有する金属、
合金を用いることができる。
【0041】さらに本発明の磁気抵抗効果素子は、上述
したような交換結合膜に対し少なくとも強磁性体膜に電
流を通電するための電極を有している。電極としては、
例えばCu、Ag、Au、Alやこれらの合金が用いら
れる。ここで電極は、強磁性体膜に直接接触する形態で
も、反強磁性体膜などを介する形態で形成しても構わな
い。
【0042】このように本発明の磁気抵抗効果素子は、
上述したように大きな交換結合力が得られる交換結合膜
を具備しているので、磁界検出用センサ、再生用磁気ヘ
ッドなどの磁気抵抗効果素子を用いた種々のデバイスに
応用できる。
【0043】なお本発明の磁気抵抗効果素子において、
反強磁性体膜と強磁性体膜との交換結合力は強磁性体膜
である磁気抵抗効果膜の磁区制御、すなわち磁気抵抗効
果素子におけるバルクハウゼンノイズの除去に限らず、
磁気抵抗効果膜としての人工格子膜やスピンバルブ膜に
対する磁化固着などに利用することもできる。
【0044】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例を用いて説明
する。
【0045】実施例1 RFマグネトロンスパッタ装置を用いて反強磁性体膜と
強磁性体膜とからなる本発明の交換結合膜を製造した。
ここで、このような本発明の交換結合膜の縦断面図を図
1に示す。具体的にはサファイアc面基板1上に、まず
Co81Fe9 Pd10なる組成の強磁性体膜2を 5nmの厚
さに、次いで組成がIrx Mn100-x(x= 1,15,2
5,35,45,55,65,75,85)で表されるIrMn合金
からなる反強磁性体膜3をそれぞれ15nmの厚さに磁界中
で成膜し、 9種類の試料を得た。このとき基板の加熱は
特に行なわなかった。これらの交換結合膜について、X
線回折で結晶構造とその配向方位を調べたところ、強磁
性体膜2および反強磁性体膜3とも面心立方晶系の結晶
構造を形成し、かつ (111)配向していることが観測され
た。
【0046】得られた交換結合膜の磁化容易軸方向a
(成膜時の磁界方向)と磁化困難軸方向bの磁化曲線を
図2に示す。図中cの値が交換バイアス磁界(Hua)に
相当し、このようにして求めたHuaのIrMn合金組成
依存性をさらに図3に示す。図3から明らかな通り、こ
こで得た試料のうち、本発明で規定された 2≦x≦80の
組成範囲内のIrMn合金を反強磁性体膜として用いた
交換結合膜は、いずれも十分な交換バイアス磁界を有し
ている。
【0047】一方、反強磁性体膜にγ−FeMn合金を
用いた、同じ構造の交換結合膜のHuaは、最も高い値を
示したFe50Mn50なる組成で14kA/m程度であり、本発
明の交換結合膜においては、γ−FeMn合金を用いて
反強磁性体膜を成膜した場合以上の交換結合力が得られ
ることが判明した。
【0048】またこれらの交換結合膜のブロッキング温
度を測定した結果を、図3と同様にIrMn合金組成依
存性として図4に示す。図4に示されるように、図3の
中で十分な交換バイアス磁界を有している本発明の交換
結合膜は、ブロッキング温度が 200℃を越え信頼性も良
好である。これに対し、反強磁性体膜にγ−FeMn合
金を用いた交換結合膜の場合には、ブロッキング温度が
190℃と長期的な信頼性を得る上では不十分な値であっ
た。
【0049】実施例2 熱酸化SiO2 膜で表面が被覆されたSi(100) 基板上
に、組成がIrx Mn100-x (x= 1,15,25,35,4
5,50,55,65,75,85)で表されるIrMn合金から
なる15nm厚さの反強磁性体膜と、Co81Fe9 Pd10
る組成で 5nm厚さの強磁性体膜をこの順で成膜した以外
は、実施例1と同様に10種類の交換結合膜試料を製造し
た。
【0050】これらの交換結合膜の結晶構造をX線回折
で調べたところ、Ir比率x=45,50,55のIrMn合
金からなる反強磁性体膜は面心正方晶系、その他の反強
磁性体膜は面心立方晶系の結晶構造を形成していること
が観測された。
【0051】得られた交換結合膜について、実施例1と
同様に交換バイアス磁界(Hua)とブロッキング温度の
IrMn合金組成依存性を測定した。結果を図5および
図6に示す。図に示されるとおり、ここでは反強磁性体
膜に用いられたIrMn合金中のIrの原子% xが 2≦
x≦80の組成範囲内でも、面心正方晶系の結晶構造が形
成されたIrMn合金中のIrの原子% x=45,50,55
の各試料については、交換バイアス磁界、ブロッキング
温度共に著しく低下していた。
【0052】従って、特にIrx Mn100-x (2≦x≦3
5,60≦x≦80)の組成を有するIrMn合金は、Ir
の原子% xが35<x<60にある場合よりも面心立方晶系
の結晶構造が形成されやすく、本発明の交換結合膜にお
いて反強磁性体膜として好適に用いられることが確認さ
れた。
【0053】実施例3 面心立方晶系結晶構造を有するIrMn合金からなる反
強磁性体膜において、Ir25Mn75の組成を有するIr
Mn合金に対し、Ni、Cu、Ta、Hf、Pd、T
i、Nb、Crを添加成分として、それぞれ 10at%添加
含有させた以外は、実施例1と同様にして 8種類の交換
結合膜の試料を製造した。
【0054】続いて、これらの交換結合膜に対し耐食性
試験を行った。試験としては前記の試料を水中に一昼夜
放置した後の腐食ピットの発生率を調べた。
【0055】これらの試験結果を図7に示す。なお図7
には、実施例1で製造した交換結合膜中、Ir25
75、Ir70Mn30、Ir50Mn50の組成を有するIr
Mn合金を反強磁性体膜として使用した試料、ならびに
比較例としてIrMn合金に代えてFe50Mn50および
(Fe0.5 Mn0.5 89.5Ir10.5なる組成を有する合
金を反強磁性体膜として使用した試料についても、上述
の耐食性試験を行った結果を併記した。
【0056】図7から、IrMn合金を主体とした反強
磁性体膜を備える試料は、FeMn系合金を反強磁性体
膜に用いた場合に比べて、腐食ピットの発生率が極めて
低く、特にIrMn合金に対して前記の添加成分が添加
含有されると、腐食ピットの発生率が一段と低減される
ことが明らかになった。
【0057】また前記のIr25Mn75の組成を有するI
rMn合金を反強磁性体膜として使用した交換結合膜な
らびにIr25Mn75の組成を有するIrMn合金に対し
てNi、Cu、Ta、Hf、Pd、Ti、Nb、Crを
添加成分として、それぞれ10at% 添加含有させた反強磁
性体膜を使用した交換結合膜について、as-depo 状態の
交換バイアス磁界Huaとブロッキング温度を実施例1と
同様に測定した。
【0058】測定結果は図8および図9に示す。図に示
されるとおり、これらの試料はいずれも十分な交換バイ
アス磁界を有すると共に、ブロッキング温度が高く信頼
性も良好であった。すなわち実施例の交換結合膜では、
反強磁性体膜に用いられるIrMn合金に対して添加成
分を添加含有させることにより耐食性は向上し、交換結
合力や信頼性の低下はほとんど認められなかった。
【0059】さらに、これらの交換結合膜において、真
空中で 200℃、 3時間の磁場中熱処理を施した後の交換
バイアス磁界Huaを図8に併せて示した。図8より明ら
かなように、熱処理を施すことにより全ての試料の交換
バイアス磁界がas-depo 状態の交換バイアス磁界より大
きく上昇した。
【0060】X線回折による分析の結果、熱処理後の交
換結合膜においては面心立方晶系の結晶構造を示す反強
磁性体膜のX線回折ピーク中に規則相によるピークが現
れており、熱処理によりIrMn合金からなる反強磁性
体膜において規則相が生成し、交換結合力が増大するこ
とが確認された。
【0061】実施例4 (Co0.9 Fe0.1 100-x Pdx なる組成の強磁性体
膜とIr25Mn75なる組成の反強磁性体膜より、実施例
1と全く同様に積層し交換結合膜を形成した。さらに、
強磁性体膜中のPdの配合量xを 0から 20at%の間変化
させて、それらの交換結合膜の交換結合力を評価した結
果、Pdの配合量に比例して交換バイアス磁界の増加が
認められた。
【0062】実施例5 この実施例では、面心立方晶系の結晶構造を有するIr
25Mn75なる組成のIrMn合金からなる反強磁性体膜
と強磁性体膜との交換結合膜を用いて、本発明の磁気抵
抗効果素子を作製した。図10は、この磁気抵抗効果素
子の縦断面図である。
【0063】基板4としては表面が熱酸化されたSiウ
ェハを用い、強磁性体膜5、7としてそれぞれ厚さが 3
nmと 2nmのCo90Fe10膜、反強磁性体膜8として厚さ
が8nmのIr25Mn75膜、非磁性体膜6として厚さが 3n
mのCu膜をそれぞれ成膜した。さらに図中高抵抗軟磁
性膜9、10はそれぞれ厚さが10nmのCo88Zr5Nb
7 膜と厚さが 2nmのNi80Fe20膜、電極11は厚さが
0.1μm のCu膜、ハード膜12は厚さが40nmのCo83
Pt17、保護膜8′は20nmのTiからなる。なお、ここ
で成膜されたCo90Fe10膜は、いずれも実施例1の交
換結合膜におけるCo81Fe9 Pd10膜なる組成の強磁
性体膜と同様、面心立方晶系の結晶構造を形成してい
た。また磁気抵抗効果素子の作製にあたっては、強磁性
体膜5、7、非磁性体膜6および反強磁性体膜8の成膜
を磁界中で行い、さらに磁界中での熱処理を施して反強
磁性体膜8と強磁性体膜7との交換結合に一方向異方性
を付与した。
【0064】また高抵抗軟磁性膜9についても、磁界中
で成膜した後に熱処理を施して一軸磁気異方性を付与す
ると共に、ハード膜12を着磁することでその一軸磁気
異方性を一段と強めた。そのアニール条件であるが、下
部磁性層の磁化容易軸に磁界をかけた静磁界中で 250℃
まで温度を上げて 1時間保持した後、炉冷した。その炉
冷中の 210℃の温度で磁界方向を容易軸と直角方向に回
転した。最後に通常の半導体プロセスに準じて素子加工
を行い、本発明の磁気抵抗効果素子を得た。
【0065】この磁気抵抗効果素子に外部から磁界を印
加して、その磁界応答性を調べたところ、反強磁性体膜
にγ−FeMn合金を用いた磁気抵抗効果素子と同等以
上の安定した出力が得られ、磁壁移動に伴うバルクハウ
ゼンノイズの発生も見受けられなかった。しかも、反強
磁性体膜にγ−FeMn合金を用いた場合よりも反強磁
性体膜の耐熱性が良好であること、交換結合膜における
ブロッキング温度が高くかつ交換結合力が大きいことに
起因して、安定した出力が得られる高感度の磁気抵抗効
果素子を非常に歩留りよく作製することができた。
【0066】実施例6 この実施例では、面心立方晶系の結晶構造を有するIr
20Mn80なる組成のIrMn合金からなる反強磁性体膜
と強磁性体膜との交換結合膜を用いて、本発明の磁気抵
抗効果素子を作製した。図10は、この磁気抵抗効果素
子の縦断面図である。
【0067】基板4としては表面が熱酸化されたSiウ
ェハを用い、強磁性体膜5、7としてそれぞれ厚さが 3
nmと 2nmのCo90Fe10膜、反強磁性体膜8として厚さ
が8nmのIr20Mn80膜、非磁性体膜6として厚さが 3n
mのCu膜をそれぞれ成膜した。さらに図中高抵抗軟磁
性膜9、10はそれぞれ厚さが10nmのCo88Zr5Nb
7 膜と厚さが 2nmのNi80Fe20膜、電極11は厚さが
0.1μm のCu膜、ハード膜12は厚さが40nmのCo83
Pt17、保護膜8′は20nmのTaからなる。なお、ここ
で成膜されたCo90Fe10膜は、いずれも実施例1の交
換結合膜におけるCo81Fe9 Pd10膜なる組成の強磁
性体膜と同様、面心立方晶系の結晶構造を形成してい
た。また磁気抵抗効果素子の作製にあたっては、強磁性
体膜5、7、非磁性体膜6および反強磁性体膜8の成膜
を磁界中で行い、さらに磁界中での熱処理を施して反強
磁性体膜8と強磁性体膜7との交換結合に一方向異方性
を付与した。
【0068】また高抵抗軟磁性膜9についても、磁界中
で成膜した後に熱処理を施して一軸磁気異方性を付与す
ると共に、ハード膜12を着磁することでその一軸磁気
異方性を一段と強めた。そのアニール条件は実施例5の
場合と同じであった。最後に通常の半導体プロセスに準
じて素子加工を行い、本発明の磁気抵抗効果素子を得
た。
【0069】この磁気抵抗効果素子に外部から磁界を印
加して、その磁界応答性を調べたところ、反強磁性体膜
にγ−FeMn合金を用いた磁気抵抗効果素子以上の安
定した出力が得られ、磁壁移動に伴うバルクハウゼンノ
イズの発生も見受けられなかった。しかも、反強磁性体
膜にγ−FeMn合金を用いた場合よりも反強磁性体膜
の耐熱性が良好であること、交換結合膜におけるブロッ
キング温度が高く且つ交換結合力が大きいことに起因し
て、安定した出力が得られる高感度の磁気抵抗効果素子
を非常に歩留りよく作製することができた。
【0070】さらに、全く同様の磁気抵抗効果素子を作
製して、それぞれの感度と信頼性を評価した。具体的に
は、強磁性体膜5、7が共にCo90Fe10膜からなる磁
気抵抗効果素子、強磁性体膜5、7が共にNi80Fe20
膜からなる磁気抵抗効果素子、および強磁性体膜5、7
がそれぞれNi80Fe20膜とCo90Fe10膜からなる磁
気抵抗効果素子の 3種類を用意して、単位磁界あたりの
抵抗変化率すなわち感度と、加熱下で強磁性体膜5、7
と非磁性体膜6との間で拡散が生じ始める拡散開始温度
を測定した。結果を図11に示す。
【0071】図11から、強磁性体膜にCoFe合金を
用いることで抵抗変化率および耐熱温度ともに向上する
ことが明らかである。また、CoFe合金からなる強磁
性体膜が反強磁性体膜と積層形成された交換結合膜で
は、ブロッキング温度も強磁性体膜にNiFe合金を用
いた場合より40〜50℃程度高く、本発明においては強磁
性体膜に面心立方晶系の結晶構造を有するCo系合金を
用いると、感度、長期信頼性、製造歩留りなどの特に優
れた磁気抵抗効果素子を得られることが明らかになっ
た。
【0072】また強磁性体膜5にNiFeを用いた場合
は、素子として必要な直交化アニールの際の直交化アニ
ール温度を高く設定することができブロッキング温度の
高いIrMn系膜の特性を十分に引き出すことができ
る。
【0073】実施例7 RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、基板を加熱し
ていない状態で磁界中で成膜することによって、図1に
構成を示す反強磁性体膜と強磁性体膜からなる交換結合
膜を作製した。具体的には、表面がc面であるサファイ
アc面基板1上に、厚さ 5nmのCo90Fe10からなる強
磁性体膜2、厚さ15nmの(Ir0.25Mn0.75100-y
y からなる反強磁性体膜3を順次形成した。本実施例
においては反強磁性体膜3中のFeの含有量y原子比%
を 0, 5,10,15,20,25,30,35,40,50,60および
70と設定した。
【0074】得られたそれぞれの交換結合膜について、
結晶構造とその配向方位をX線回折により調べた。その
結果、反強磁性体膜および強磁性体膜は共に面心立方晶
系結晶構造であり、 (111)配向していることが確認され
た。
【0075】次に、それぞれの交換結合膜について、交
換結合力を示す交換バイアス磁界、ブロッキング温度、
および耐食性として交換結合膜を水中に一昼夜放置した
時の腐食ピットの発生率を調べた。
【0076】図12に反強磁性体膜3を形成している
(Ir0.25Mn0.75100-y Fey 中のFe含有量yと
交換バイアス磁界の関係、図13にFe含有量yとブロ
ッキング温度の関係、図14にFe含有量yと腐食ピッ
トの発生率についての関係をそれぞれ示す。なお比較と
して、それぞれの図にγ−FeMnを反強磁性体膜とし
て用いた交換結合膜で得られた値を示す。
【0077】図12に示すように、交換バイアス磁界は
y=20のときにピーク値を示し、また 0<y<40の範囲
においてγ−FeMnを反強磁性体膜として用いた場合
よりも大きくなっている。ブロッキング温度について
は、図13に示すように、yが小さくなるにつれて上昇
し、y<30の範囲においては、γ−FeMnを反強磁性
体膜として用いた場合よりも高くなっている。耐食性に
ついては、図14に示すように、yが小さいほど良好で
あり、yの量如何にかかわらずγ−FeMnを反強磁性
体膜として用いた場合よりも良好である。
【0078】以上の結果から、反強磁性体膜中のFe含
有量yが 0<y<30の範囲においては、交換結合力、ブ
ロッキング温度および耐食性のすべての特性に優れた交
換結合膜が得られることが判った。なお(Irx'Mn
1-x'100-y Fey のxの値が0.25以外の反強磁性体膜
をもちいた交換結合膜の場合においても同様な結果が得
られた。
【0079】実施例8 RFマグネトロンスパッタ装置を用い、基板を加熱して
いない状態で磁界中で成膜することにより、図15に示
す構造を有する交換結合膜を作製した。具体的には、表
面がc面であるサファイア基板11上に、厚さ 5nmのC
o強磁性体膜12、厚さが 1nmのFe層13、厚さ15nm
のIr25Mn75からなる反強磁性体層14を順次形成し
た。この段階で交換バイアス磁界およびブロッキング温
度を測定した。
【0080】次に、真空中において 290℃で 5時間磁界
中で熱処理した。この段階で再度交換バイアス磁界およ
びブロッキング温度を測定した。
【0081】得られた交換結合膜について、オージェ分
光法により膜厚方向の組成分布を調べたところ、反強磁
性体膜14のFe層13との界面側でFe濃度が高くな
っており、Fe層13から反強磁性体膜14にFeが拡
散していることが確認された。この結果、得られた反強
磁性体膜14の組成は(Ir 0.25Mn0.7592Fe8
なった。
【0082】表1に、熱処理前後で測定した交換バイア
ス磁界およびブロッキング温度を示す。表1にはCo強
磁性体膜とγ−FeMn反強磁性体膜を積層した交換結
合膜についての結果も併記する。表1から判るように、
熱処理後の交換結合膜では、γ−FeMn反強磁性体膜
を用いた交換結合膜と比較して、交換バイアス磁界が大
きくブロッキング温度がはるかに高い。なおIrx'Mn
1-x'のx′の値が0.25以外の反強磁性体膜をもちいた交
換結合膜の場合においても同様な結果が得られた。
【0083】
【表1】 実施例9 RFマグネトロンスパッタ装置を用い、基板を加熱して
いない状態で磁界中成膜することにより、図15に示す
構造を有する交換結合膜を作製した。具体的には、表面
がc面であるサファイア基板11′上に、厚さ 5nmのC
o強磁性体膜12′、厚さが 1nmのFe層13、厚さ15
nmの(Ir0.25Mn0.7580Fe20なる反強磁性体層1
4を順次形成した。得られた交換結合膜の交換バイアス
磁界およびブロッキング温度を測定した。
【0084】表2にFe層13を介在させた場合と介在
させていない場合との交換バイアス磁界およびブロッキ
ング温度を示す。この場合にも比較としてCo強磁性体
膜とγ−FeMn反強磁性体膜を積層した交換結合膜に
ついての結果も併記する。
【0085】表2からわかるように、Fe層13を介在
させることにより、熱処理前でも交換結合力が大きくな
っている。また熱処理後さらに大きくなっている。さら
に、γ−FeMn反強磁性体膜を用いた交換結合膜と比
較して、交換バイアス磁界が大きくブロッキング温度が
はるかに高い。なおIrx'Mn1-x'のx′の値が0.25以
外の反強磁性体膜をもちいた交換結合膜の場合において
も同様な結果が得られた。
【0086】
【表2】 実施例10 RFマグネトロンスパッタ装置を用い、基板を加熱して
いない状態で磁界中成膜することにより、図16に示す
構造を有する交換結合膜を作製した。具体的には、表面
がc面であるサファイア基板21上に、厚さ 5nmのCo
90Fe10強磁性体膜22、厚さ15nmのIr25Mn75から
なる反強磁性体層23を順次形成した。この段階で交換
バイアス磁界およびブロッキング温度を測定した。
【0087】次に、真空中において 290℃で 5時間熱処
理した。この段階で再度交換バイアス磁界およびブロッ
キング温度を測定した。
【0088】得られた交換結合膜について、オージェ分
光法により膜厚方向の組成分布を調べたところ、反強磁
性体膜23の強磁性体膜22との界面側でFe濃度が高
くなっており、強磁性体膜22からIr25Mn75
強磁性体膜23へFeが拡散していることが確認され
た。この結果、得られた反強磁性体膜23の組成は、
(Ir0.25Mn0.7599.5Fe0.5 となった。
【0089】表3に、熱処理前後で測定した交換バイア
ス磁界およびブロッキング温度を示す。表3にはCo81
Fe9 Pd10強磁性体膜とγ−FeMn反強磁性体膜を
積層した交換結合膜についての結果も併記する。表3か
ら判るように、熱処理後の交換結合膜では、γ−FeM
n反強磁性体膜を用いた交換結合膜と比較して、交換バ
イアス磁界が大きくブロッキング温度がはるかに高い。
なおIrx'Mn1-x'のx′の値が0.25以外の反強磁性体
膜をもちいた交換結合膜の場合においても同様な結果が
得られた。
【0090】
【表3】 実施例11 実施例6と同様な方法によって、(Ir0.25Mn0.75
80Fe20にそれぞれNi、Cu、Ta、Hf、Pd、T
i、Nb、Crを10at% の割合で添加した反強磁性体膜
を用いて交換結合膜を作製した。得られた各交換結合膜
を水中に一昼夜放置して腐食ピットの発生率を調べた。
この結果を表4に示す。
【0091】
【表4】 表4からわかるように、上記の各元素を添加した反強磁
性体膜を用いた交換結合膜は、無添加の反強磁性体膜を
用いた交換結合膜よりもさらに耐食性が向上している。
【0092】実施例13 本実施例では、図17に示す磁気抵抗効果素子を作製し
た。具体的には、Si基板31の表面に形成された熱酸
化層32の上に、厚さ40nmのCo83Pt17ハード膜33
を成膜した後、その一部を選択的に除去して下地の熱酸
化層32を部分的に露出させた。その上に厚さが10nmの
Co88Zr5 Nb7 膜34、厚さが 2nmのNi80Fe20
膜35、厚さが 4nmのCo90Fe10強磁性体膜36、厚
さが 3nmのCu膜37、厚さが 3nmのCo90Fe10強磁
性体膜38、厚さ15nmの(Ir0.25Mn0.7580Fe20
反強磁性体膜39、厚さ20nmのTi保護膜40を順次成
膜した。さらに厚さ 0.1μm のCu電極40′を成膜し
て加工した。
【0093】なお、磁界中で熱処理を行った後、ハード
膜33を着磁した。磁界中熱処理により反強磁性体膜3
9と強磁性体膜38との結合に一方向異方性を付与し、
Co88Zr5 Nb7 膜34、Ni80Fe20膜35および
Co90Fe10強磁性体膜36に一軸異方性を付与した。
アニール条件は実施例5と同じであった。
【0094】この磁気抵抗効果素子に外部から磁界を印
加して、その磁界応答性を調べたところ、反強磁性体膜
にγ−FeMn合金を用いた磁気抵抗効果素子と同等以
上の安定した出力が得られ、なお磁壁移動に伴うバルク
ハウゼンノイズの発生も認められなかった。しかも、
(Ir0.25Mn0.7580Fe20反強磁性体膜39はγ−
FeMn合金を用いた場合よりも耐食性が高く、ブロッ
キング温度が高いことから歩留りも大幅に向上した。
【0095】実施例14 実施例4、5、11、12で作製した磁気抵抗素子と同
様の構造の素子を、Al2 3 −TiC基板41′、下
シールド膜41、下ギャップ膜42の上に作製し、さら
にその上に上ギャップ膜43、上シールド膜44を、図
18に示すように形成した。これにより再生ヘッドを作
製した。IrMn系を用いたヘッドは、耐食性が高いた
め、腐食のためにFeMnでは加工不可能であった 0.1
μm デプス(depth) を可能とし、大きな再生出力を得る
ことができた。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の交換結合
膜は、良好な交換結合力を有し、かつ耐食性、熱安定性
にも優れている。さらに、この交換結合膜を具備した磁
気抵抗効果素子は、安定した出力を長期間に亘って得る
ことができ、その工業的な価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における交換結合膜の縦断
面図である。
【図2】 交換結合膜の磁化曲線を示す特性図である。
【図3】 実施例1における交換結合膜の交換バイアス
磁界HuaのIrMn合金組成依存性を示す図である。
【図4】 実施例1における交換結合膜のブロッキング
温度のIrMn合金組成依存性を示す図である。
【図5】 実施例2における交換結合膜の交換バイアス
磁界HuaのIrMn合金組成依存性を示す図である。
【図6】 実施例2における交換結合膜のブロッキング
温度のIrMn合金組成依存性を示す図である。
【図7】 実施例3における交換結合膜の腐食ピット発
生率を示す図である。
【図8】 実施例3における交換結合膜の交換バイアス
磁界HuaのIrMn合金組成依存性を示す図である。
【図9】 実施例3における交換結合膜のブロッキング
温度のIrMn合金組成依存性を示す図である。
【図10】 実施例5における磁気抵抗効果素子の縦断
面図である。
【図11】 実施例5における磁気抵抗効果素子の抵抗
変化率および耐熱温度を示す図である。
【図12】 実施例6における交換結合膜の交換バイア
ス磁界HuaとIrMnFe合金中のFe含有量との関係
を示す図である。
【図13】 実施例6における交換結合膜のブロッキン
グ温度とIrMnFe合金中のFe含有量との関係を示
す図である。
【図14】 実施例6における交換結合膜の腐食ピット
発生率とIrMnFe合金中のFe含有量との関係を示
す図である。
【図15】 実施例7および実施例8の交換結合膜の縦
断面図である。
【図16】 実施例9の交換結合膜の縦断面図である。
【図17】 実施例13における磁気抵抗効果素子の縦
断面図である。
【図18】 実施例14における磁気抵抗効果素子の縦
断面図である。
【符号の説明】
1、4、21、31、41′……基板 2、5、7、22、36、38……強磁性体膜 3、8、14、23、39……反強磁性体膜 6、37……非磁性体膜 9、10……高抵抗軟磁性膜 11、40′……電極 12、33……ハード膜 8′、40……保護膜 13……Fe層 32……熱酸化層 34……CoZrNb膜 35……NiFe膜 41……下シールド膜 42……下ギャップ膜 43……上ギャップ膜 44……上シールド膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船山 知己 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 斉藤 和浩 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 岩崎 仁志 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐橋 政司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された反強磁性体膜と、前
    記反強磁性体膜上に積層形成された強磁性体膜とを具備
    する交換結合膜であって、 前記反強磁性体膜は、少なくとも一部が面心立方晶系の
    結晶構造を有し、かつ組成が一般式Ιrx Mn
    100-x (式中、xは at%で 2≦x≦80を満足する値であ
    る)で表されるΙrMn合金、または少なくとも一部が
    面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成が一般式(Ι
    x'Mn1-x'100-y Fey (式中、x′は原子比であ
    って0.02≦x′≦0.80を満足する数値、yは at%で 0<
    y<30を満足する値である)で表されるIrMnFe合
    金からなることを特徴とする交換結合膜。
  2. 【請求項2】 基板と、前記基板上に形成された一対の
    ハード膜と、前記一対のハード膜上に形成された強磁性
    体、非磁性体および強磁性体からなるサンドイッチ膜を
    有する強磁性体膜と、前記サンドイッチ膜の一方の強磁
    性体上に積層形成され、前記強磁性体と交換結合した反
    強磁性体膜と、少なくとも前記強磁性体膜に電流を通電
    するための電極とを具備する磁気抵抗効果素子であっ
    て、 前記反強磁性体膜は、少なくとも一部が面心立方晶系の
    結晶構造を有し、かつ組成が一般式Ιrx Mn
    100-x (式中、xは at%で 2≦x≦80を満足する値であ
    る)で表されるΙrMn合金、または少なくとも一部が
    面心立方晶系の結晶構造を有し、かつ組成が一般式(Ι
    x'Mn1-x'100-y Fey (式中、x′は原子比であ
    って0.02≦x′≦0.80を満足する数値、yは at%で 0<
    y<30を満足する値である)で表されるIrMnFe合
    金からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁気抵抗効果素子を製造
    するにあたり、 前記強磁性体、非磁性体および強磁性体からなるサンド
    イッチ膜と、前記サンドイッチ膜の一方の強磁性体上に
    積層される前記反強磁性体膜を、それぞれ磁界中で成膜
    する工程と、 前記サンドイッチ膜の他方の強磁性体の磁化容易軸方向
    に磁界を印加した状態で熱処理する工程と、 前記熱処理後の冷却過程で、前記磁界を直角方向に回転
    させる工程とを有することを特徴とする磁気抵抗効果素
    子の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333106A (ja) * 2004-04-20 2005-12-02 Ken Takahashi 交換結合素子とその製造方法並びに交換結合素子を具備したデバイス
US7369372B2 (en) 2004-11-10 2008-05-06 Alps Electric Co., Ltd Exchange-coupled film including pinned magnetic layer composed of a plurality of cobalt-iron alloys having different compositions disposed on antiferromagnetic layer, and magnetic sensing element
US7495868B2 (en) 2004-07-14 2009-02-24 Alps Electric Co., Ltd. Exchange coupling film and magnetic sensing element including the same
JP2015056423A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 Hoya株式会社 多層反射膜付き基板、euvリソグラフィー用反射型マスクブランク、euvリソグラフィー用反射型マスク及びその製造方法、並びに半導体装置の製造方法

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