JP3497573B2 - 交換結合膜および磁気抵抗効果素子 - Google Patents

交換結合膜および磁気抵抗効果素子

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仁志 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反強磁性体膜と強磁性
体膜との交換結合を用いた交換結合膜、およびこの交換
結合膜を具備してなる磁界検出用センサや再生用磁気ヘ
ッド等の磁気抵抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】以前より高密度磁気記録における再生用
ヘッドとして、磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドの
研究が進められている。現在、磁気抵抗効果素子材料と
しては80 at%Ni− 20 at%Fe(通称;パーマロ
イ)合金薄膜が用いられている。近年、これにかわる材
料として、巨大磁気抵抗効果を示す(Co/Cu)
の人工格子膜やスピンバルブ膜が注目されている。
【0003】しかし、これらの材料を用いた磁気抵抗効
果膜は磁区を持つため、これに起因するバルクハウゼン
ノイズが実用化の上で大きな問題となっており、磁気抵
抗効果膜を単磁区化する方法が種々検討されている。そ
の一つに強磁性体である磁気抵抗効果膜と反強磁性体膜
との交換結合を用いて磁気抵抗効果膜の磁区を特定方向
に制御する方法があり、ここでの反強磁性体材料として
はγ−FeMn合金が従来より広く知られている(たと
えば、米国特許第 4103315号明細書および米国特許第 5
014147号明細書)。しかしながら、γ−FeMn合金は
耐食性、とくに水に対する腐食が問題であり、磁気抵抗
効果素子としての加工工程における腐食または、大気中
の水分による腐食により経時的に磁気抵抗効果膜との交
換結合力が劣化するという問題がある。
【0004】また、反強磁性体膜としてMnPt、Mn
Rh合金など他のγ−Mn合金を用いた例や酸化物系の
NiO等を用いた例なども米国特許第 4103315号に開示
されている。しかし、これらγ−Mn合金は強磁性体と
の交換結合力が十分でなく、またNiO等の酸化物系は
熱安定性に劣り 100℃以上程度の高温下での強磁性体膜
との交換結合力が不安定である。さらに、NiOなどの
電気抵抗の高い絶縁性酸化物系では、この部分から直接
電極を取り出すことができないため素子構造が複雑にな
るという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、たと
えば磁気抵抗効果素子のバルクハウゼンノイズの低減
等、強磁性体膜との交換結合を得るために用いられてき
た従来の反強磁性体膜は、その耐食性に問題があった。
【0006】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、良好な交換結合力を有し、かつ耐食
性に優れた反強磁性体膜を備えた交換結合膜およびその
交換結合膜を具備してなり、安定した出力を長期間にわ
たって得ることのできる磁気抵抗効果素子を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の交換
結合膜は、組成がM100-x Mnx で表される反強磁性体
膜と、この反強磁性体膜と積層形成される強磁性体膜と
を備え、反強磁性体膜におけるMはFe、Co、Ni、
Pd、Ptから選ばれた少なくとも 1種からなり、 xの
値は、強磁性体膜側の界面近傍において 40 < x≦ 60
であり、界面と反対側の面近傍において 20 ≦ x≦ 40
であることを特徴とする。
【0008】本発明の磁気抵抗効果素子は、上述の交換
結合膜と、この交換結合膜のうち少なくとも強磁性体膜
に電流を通電するための電極とが基板上に形成されてな
ることを特徴とする。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の交換結合膜における反強磁性体膜はその組成がM
100-x Mnx(MはFe、Co、Ni、Pd、Ptから
選ばれた少なくとも 1種)からなるものであり、これら
Fe、Co、Ni、PdまたはPtをMとして用いたM
n合金は一概に大きな交換結合力を有している。ここ
で、 xの値は、強磁性体膜側の界面近傍において 40 <
x≦ 60 であり、界面と反対側の面近傍において 20 ≦
x≦ 40 である。なお、本発明において xの数値は原子
%を表し、近傍とは、たとえば界面より 2nm以内の範囲
をいう。このように、界面近傍とその反対側の面近傍に
おいて上述の範囲内で反強磁性体膜の組成を変えること
により、優れた交換結合力を維持しつつ耐食性を向上さ
せることができる。強磁性体膜側の界面近傍における好
ましい組成はMとMnの組成比が 1対1 である。この組
成は、交換結合力、ブロッキング温度の点でとくに好ま
しい。
【0010】また、本発明の交換結合膜では、反強磁性
体膜の膜厚方向中央部近傍については、その組成はとく
に限定されない。しかしながら、反強磁性体膜の組成が
膜厚方向に亘って、 20 ≦ x≦ 80 の範囲内に設定され
ることが好ましい。何となれば、 80 <x の組成ではM
n量が多すぎて耐食性が低下し、また x< 20 の組成で
はネール温度が室温以下となって交換結合が得られなく
なるおそれがあるからである。さらに好ましくは、上述
の範囲内で強磁性体膜との積層界面から遠ざかるに従い
Mn量が減少する組成変調型反強磁性体膜である。ま
た、この組成変調形態であるが、連続的な組成変化はも
ちろん好ましいが、ステップ形態の組成変化、すなわ
ち、組成の互いに異なる膜の積層膜でもよい。連続的な
組成変化は、組成を段階的に変化させた多層膜を形成し
てアニール処理をすることにより、または、多元同時成
膜等により形成することができる。ただし、本発明の交
換結合が反強磁性体膜の膜厚方向中央部近傍で最大ある
いは最小となるような組成変調形態であってもよく、要
は強磁性体との界面近傍およびその界面と反対側の面に
おいて上述の範囲にあれば、良好な耐食性、交換結合力
を発揮することができる。 本発明の交換結合膜に係わ
る強磁性体膜とは強磁性を発現する膜であり、とくに限
定されないが、磁気抵抗効果素子に用いる場合、飽和磁
界の小さいパーマロイ等の磁気抵抗効果素子や、巨大磁
気抵抗効果を示すたとえばFe、Ni、Coの強磁性金
属、これらの合金であるFem Ni100-m 、Fem Co
100-m 、Fem Con Ni100-m-n ( m、n の数値は原
子%を表す。)ならびにこれらの強磁性金属合金に磁気
特性の向上を目的として第3元素や第4元素を添加した
合金と非磁性金属合金からなる人工格子やスピンバルブ
膜、グラニュラー磁性合金膜等があげられる。
【0011】とくに、Fem Co100-m 、Fem Con
Ni100-m-n 、Fem Con Pd10 0-m-n などのCo系
強磁性体膜は、交換結合が消失する温度であるブロッキ
ング温度をより高めることができるので好ましい。ブロ
ッキング温度が高いと、素子構造に形成する際に熱サイ
クルを伴うプロセスにおいて交換結合力の劣化を防ぐと
いう点において効果がある。
【0012】本発明に係わる強磁性体膜と反強磁性体膜
は少なくともその一部が積層形成されて、交換結合して
いればよい。
【0013】本発明の交換結合膜に係わる組成変調型の
反強磁性体膜は、格子整合や耐食性向上の目的から、添
加元素としてCuを添加することが好ましい。すなわち
組成が(MMn)100-y Cuy ( 0< y≦ 50 )となる
反強磁性体膜とすることにより格子整合や耐食性がより
向上する。ここでMはFe、Co、Ni、Pd、Ptか
ら選ばれた少なくとも 1種を表し、MMn単独における
各成分の組成は上述のようにM100-x Mnx と表した場
合、 20 ≦ x≦ 80 の組成範囲が好ましい。なお、 yの
数値は原子%を表す。ここで、Cuは界面から表面まで
一定の添加量でもよく、濃度変調していてもよい。ま
た、たとえば、交換結合力の維持、耐食性向上の観点か
ら界面近傍の反対側の表面近傍のみに添加されてもよ
い。この(MMn)100-y Cuy の組成において、 50
<y ではCu量が多すぎて十分な交換結合が得られなく
なる。十分な交換結合を得るための好ましい範囲は 0<
y≦ 20 である。なお、本発明の交換結合膜に係わる組
成変調型の反強磁性体膜は、(MMn)100-y Cu
y ( 0< y≦ 50 )の組成においてCu量のみを変化さ
せた組成変調型とすることもできる。
【0014】本発明の交換結合膜に係わる反強磁性体膜
の膜厚は、反強磁性を発現する範囲であればとくに限定
されない。しかし、大きな交換結合力を得るためには、
反強磁性体膜の膜厚が強磁性体膜の膜厚よりも厚いこと
が望ましい。さらに、強磁性体との積層界面近傍の組成
であるM100-x Mnx ( 40 ≦ x≦ 60 )反強磁性体膜
が、15nm以下の膜厚を有することが好ましい。
【0015】本発明の交換結合膜は、蒸着法、スパッタ
法、MBE法など公知の成膜方法を用いてたとえば基板
上に形成される。このとき反強磁性体膜に一方向異方性
を付与するために、磁界中で成膜、熱処理を行ってもよ
い。
【0016】また、基板としては、ガラス、樹脂などの
非晶質基板や、Si、MgO、Al2 3 、各種フェラ
イトなどの単結晶基板、配向基板、焼結基板などとくに
限定されず、さらに反強磁性体膜や強磁性体膜の結晶性
を向上させるために、基板上に 1〜100nm の厚さの下地
層を設けてもよい。下地層は結晶性を向上させるもので
あればとくに限定されないが、たとえば、PdやPtな
どの貴金属やCoZrNbなどの非結晶金属、また面心
立方構造を持つ金属、合金等を用いることができる。
【0017】さらにこのような本発明の交換結合膜に対
し、少なくとも強磁性体膜に電流を通電するための電極
をたとえばCu、Ag、Au、Alやこれらの合金で形
成すれば、本発明の磁気抵抗効果素子を容易に得ること
ができる。ここで電極は強磁性体膜に直接接触する形態
でも、反強磁性体膜を介する形態でもよい。
【0018】このように本発明の交換結合膜は、磁界検
出用センサー、再生用磁気ヘッドなどの磁気抵抗効果素
子を用いた種々のデバイスに応用できる。
【0019】なお、本発明の磁気抵抗効果素子におい
て、反強磁性体膜と強磁性体膜との交換結合力は強磁性
体膜におけるバルクハウゼンノイズ除去に限らず、人工
格子膜やスピンバルブ膜に対する磁化固着などに供する
こともできる。
【0020】
【実施例】つぎに図面を用いて本発明を説明する。 実施例1 RFマグネトロンスパッタ装置を用いて反強磁性体膜と
強磁性体膜とからなる本発明の交換結合膜を作製した。
交換結合膜の断面図を図1に示す。具体的には、サファ
イアC面1上に、組成がCoFePdで表される強磁性
体膜2を 5nmの厚さに、組成がFe50Mn50(50at%F
e−50at%Mn)で表される反強磁性体膜3を 10nm の
厚さに、さらにその上に組成がFe65Mn35で表される
反強磁性体膜4を 5nmの厚さにそれぞれ磁界中で成膜し
た。このとき基板の加熱はとくに行わなかった。得られ
た交換結合膜について、X線回折で結晶構造とその配向
方位を調べたところ、結晶構造が面心立方構造で、(1
11)配向した膜であることが確認された。
【0021】この膜を純水中に 1時間放置して腐食ピッ
ト発生状況を調べた。その結果を図2に示す。図2より
本実施例の交換結合膜は、腐食ピット発生確率が大幅に
小さくほとんど腐食ピットは見受けられなかった。比較
例1として実施例1と同様に作製した 15nm 厚さのFe
50Mn50のみを反強磁性体膜とする交換結合膜について
も、同じように純水中に 1時間放置した結果を図2に示
す。図2に示すように腐食ピット発生確率は大幅に大き
かった。なお、図3に光学顕微鏡観察した腐食ピット発
生状況を示す。図3(a)が本実施例、図3(b)が比
較例1の結果である。腐食ピットは図の中で黒点で示し
た。このように、組成を変化させたFeMn膜を積層膜
とすることによりFeMn膜の耐食性が大幅に改善され
ていることがわかる。
【0022】実施例2 実施例1と同様の方法で交換結合膜を作製した。ここで
作製した交換結合膜の磁化容易軸方向a(成膜時の磁界
方向)と磁化困難軸方向bの磁化曲線を図4に示す。こ
のとき、図4のcの値が交換バイアス磁界(Hua)と
なる。本発明の交換結合膜において、Fe50Mn50のみ
を反強磁性体膜とする交換結合膜と同等の交換結合バイ
アス磁界が得られた。
【0023】実施例3 実施例1と同様の方法で、強磁性体膜として膜厚 5nmの
CoFePdを、反強磁性体膜として膜厚が 10nm のN
50Mn50および 5nmのNi65Mn35を、それぞれ磁界
中成膜磁界中熱処理して交換結合膜を作製した。
【0024】得られた交換結合膜を純水中に 1時間放置
した結果、腐食ピットは殆ど見受けられなかった。比較
例2として実施例1と同様に作製した 15nm の厚さのN
50Mn50のみを反強磁性体膜とする交換結合膜につい
ても、同じように純水中に 1時間放置したが多くの腐食
ピットが発生していた。腐食ピット発生確率を図2に示
す。このように、組成を変化させたNiMn膜を積層膜
とすることによりNiMn膜の耐食性が大幅に改善され
ていることがわかる。
【0025】実施例4から実施例9 実施例1と同様の方法で、表1に示す強磁性体膜および
反強磁性体膜を成膜して交換結合膜を作製した。なお、
実施例7は多元同時成膜により連続的な組成変化となる
ように反強磁性体膜を形成したものであり、表1に示す
膜厚は強磁性体膜との界面からの距離を示し、組成はそ
の距離での組成を示している。
【0026】得られた交換結合膜を純水中に 1時間放置
した結果、腐食ピットは殆ど見受けられなかった。ま
た、界面近傍の反強磁性体膜のみを使用する交換結合膜
についても比較例3から比較例6として実施例1と同様
に作製し、同じように純水中に1時間放置したが多くの
腐食ピットが発生していた。腐食ピット発生確率を図2
に示す。なお、実施例4と比較例3とが、実施例5と比
較例4とが、実施例6と比較例5とが、実施例7と比較
例6とがそれぞれ対応する。このように、反強磁性体膜
の組成を変化させた積層膜とすることにより膜の耐食性
が大幅に改善されていることがわかる。
【0027】
【表1】 実施例10 実施例1と同様の方法で、強磁性体膜として膜厚 5nmの
CoFePdを、反強磁性体膜として膜厚が 10nm のF
50Mn50および 5nmのFe63.7Mn34.3Cu2 を、そ
れぞれ成膜して交換結合膜を作製した。得られた交換結
合膜について、X線回折で結晶構造とその配向方位を調
べたところ、結晶構造が面心立方構造で、(111)配
向した膜であることが確認された。
【0028】この膜を純水中に放置して腐食ピット発生
状況を調べた。 1時間放置した後の光学顕微鏡観察した
結果、腐食ピットの発生は殆ど見られなかった。また18
時間放置した結果、比較例1の交換結合膜は膜がほぼ完
全に腐食して剥がれ落ちていたのに対して、本実施例の
交換結合膜は、腐食は進行していたが膜は一部を除いて
基板上に残っていた。このようにCuを添加することに
よりFeMn膜の耐食性が大幅に改善された。
【0029】実施例11 実施例8と同様の方法で、強磁性体膜として膜厚 5nmの
CoFePdを、反強磁性体膜として膜厚が 10nm のF
50Mn50および 5nmの(Fe0.65Mn0.35100-y
y ( y=0,1,2,5,10,15 )を、それぞれ成膜して交換
結合膜を作製した。得られた交換結合膜を同一の純水中
に 3時間放置して光学顕微鏡により腐食ピット発生確率
を調べた。その結果を図5に示す。図5より 1at%のC
u量の添加であっても耐食性は大幅に改善された。また
放置後の交換バイアス磁界(Hua)も初期値に比較し
て 90 %以上を示した。
【0030】実施例12 実施例1で十分な交換バイアス磁界および耐食性が得ら
れた反強磁性体膜と強磁性体膜との交換結合膜を用いて
本発明の磁気抵抗効果素子を作製した。その磁気抵抗効
果素子の断面図を図6に示す。基板5には熱酸化された
Siウェハ、強磁性体膜6、7には膜厚がそれぞれ 5nm
と 3nmのCoFePdを、反強磁性体膜8には膜厚が 1
0nm のFe50Mn50および 5nmのFe65Mn35を、非磁
性体膜9には膜厚 3nmのCuをそれぞれ用いた。また、
高抵抗軟磁性体膜10としてCoZrNb膜を 10nm 成
膜した。さらに、電極11には、20μm のCuを用い、
ハード膜12には 4nmのCoPt膜を用いた。6、7、
8、9、12の膜については磁界中で成膜を行い、さら
に磁界中で熱処理を行うことにより、反強磁性体膜8に
一方向異方性を付与し、強磁性体膜7の磁化を固着し
た。また、高抵抗軟磁性体膜9も磁界中で成膜し、一軸
異方性を付与しさらに、ハード膜12を着磁することに
より、よりその高抵抗軟磁性体膜の一軸性を強めてい
る。その後、通常の半導体プロセスを用いて素子の加工
を行い磁気抵抗効果素子を得た。
【0031】得られた磁気抵抗効果素子に外部から磁界
を印加して、その磁界応答性を調べたところ、まったく
同様の磁気抵抗効果素子と同程度の安定した出力が得ら
れ、なおかつ磁壁移動に伴うバルクハウゼンノイズの発
生も見受けられなかった。また、素子として得られる生
産歩留まりも向上した。
【0032】実施例13 反強磁性体膜として膜厚が 10 nmのFe50Mn50および
5nmのFe63.7Mn34 .3Cu2 からなる積層膜を使用す
る以外は、実施例11と同様の方法で本発明の磁気抵抗
効果素子を作製した。
【0033】得られた磁気抵抗効果素子に外部から磁界
を印加して、その磁界応答性を調べたところ、実施例1
1の磁気抵抗効果素子と同程度の安定した出力が得ら
れ、なおかつ磁壁移動に伴うバルクハウゼンノイズの発
生も見受けられなかった。また、素子として得られる生
産歩留まりも向上した。
【0034】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の交換結合
膜は、反強磁性体膜を組成変調構造とすることにより、
良好な交換結合力を有し、かつ耐食性にも優れ、このよ
うな交換結合膜を具備してなる本発明の磁気抵抗効果素
子は、安定した出力を長期間にわたって得ることがで
き、その工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わる交換結合膜の断面図である。
【図2】純水中に 1時間放置された交換結合膜の腐食ピ
ット発生確率を示す図である。
【図3】光学顕微鏡観察した腐食ピット発生状況を示す
図である。
【図4】交換結合膜の磁化容易軸方向aと磁化困難軸方
向bの磁化曲線を示す図である。
【図5】Cu量と腐食ピット発生確率を示す図である。
【図6】本発明の磁気抵抗効果素子の断面図である。
【符号の説明】
1………サファイアC面、2、6、7………強磁性体
膜、3、4、8………反強磁性体膜、5………基板、9
………非磁性体膜、10………高抵抗軟磁性体膜、11
………電極、12………ハード膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 43/10 H01L 43/10 (72)発明者 船山 知己 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 岩崎 仁志 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 佐橋 政司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 長谷部 裕之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−76247(JP,A) 特開 平7−326807(JP,A) 特開 平6−267029(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 10/14 G11B 5/39 H01F 10/16 H01F 10/32 H01L 43/08 H01L 43/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成がM100-x Mnx で表される反強磁
    性体膜と、この反強磁性体膜と積層形成される強磁性体
    膜とを備えた交換結合膜であって、 前記反強磁性体膜におけるMはFe、Co、Ni、P
    d、Ptから選ばれた少なくとも 1種からなり、 xの値
    は、前記強磁性体膜側の界面近傍において 40 <x≦ 60
    であり、前記界面と反対側の面近傍において 20 ≦ x
    ≦ 40 であることを特徴とする交換結合膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の交換結合膜において、前
    記反強磁性体膜の組成が膜厚方向を通して 20 ≦ x≦ 8
    0 の範囲内で変化することを特徴とする交換結合膜。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の交換結合膜において、前
    記反強磁性体膜の組成が連続的に変化することを特徴と
    する交換結合膜。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の交換結合膜において、前
    記反強磁性体膜の組成が段階的に変化することを特徴と
    する交換結合膜。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載のいずれか
    1項記載の交換結合膜と、前記交換結合膜のうち少なく
    とも強磁性体膜に電流を通電するための電極とが基板上
    に形成されてなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
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