JPH09303431A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JPH09303431A
JPH09303431A JP8148692A JP14869296A JPH09303431A JP H09303431 A JPH09303431 A JP H09303431A JP 8148692 A JP8148692 A JP 8148692A JP 14869296 A JP14869296 A JP 14869296A JP H09303431 A JPH09303431 A JP H09303431A
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pin
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guide
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Shinji Suzuki
伸二 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護ブーツの組付けや交換等の作業を容易に
行うことができ、その作業効率やメンテナンス性を大幅
に向上できるようにする。 【解決手段】 摺動ピン11を、ピン軸部12、キャリ
パ固定部13、環状突起部14およびブーツガイド部1
6から構成し、キャリパ固定部13と環状突起部14と
の間には、嵌合溝15を形成する。そして、ピン軸部1
2を取付ブラケット2の腕部3のピン挿嵌穴3A内に摺
動可能に挿嵌し、キャリパ固定部13をボルト6を介し
てキャリパ5のピン取付部5Dに取付ける。また、保護
ブーツ7の取付部7B,7Cを、腕部3の嵌合溝3Cと
摺動ピン11の嵌合溝15とに嵌合する。そして、保護
ブーツ7の取付部7Cを摺動ピン11の嵌合溝15に嵌
合するときには、取付部7Cをブーツガイド部16によ
り環状突起部14に向けて段階的に拡径させ、環状突起
部14を越えるように嵌合溝15に嵌合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術によるディスクブレーキを図4
および図5に基づいて説明する。
【0003】図中、1は車両の車輪と共に回転するディ
スク、2は該ディスク1のインナ側となる位置で車両の
非回転部分に一体的に取付けられる取付部材としての取
付ブラケットを示し、該取付ブラケット2はディスク1
の周方向に離間して、ディスク1の外周を跨ぐように軸
方向に伸長した一対の腕部3,3を備えている。
【0004】ここで、各腕部3には図5に示す如く、後
述する摺動ピン4のピン軸部4Aが挿嵌されるピン挿嵌
穴3Aが有底のガイド穴として軸方向に形成されてい
る。また、ピン挿嵌穴3Aの開口端側外周には、ブーツ
取付部3Bが環状に突出形成され、その外側面には、後
述する保護ブーツ7の取付部7Bを嵌合させる嵌合溝3
Cが該取付部7Bの内径よりも大きな溝径をもって形成
されている。
【0005】4,4は各腕部3のピン挿嵌穴3Aに挿嵌
された一対の摺動ピンを示し、該各摺動ピン4のピン軸
部4Aは、一端側がピン挿嵌穴3Aに摺動可能に挿嵌さ
れ、他端側がピン挿嵌穴3Aの開口端側から突出してい
る。また、ピン軸部4Aの他端側には、後述のキャリパ
5に対するキャリパ固定部4Bが段付きの六角形をなし
て形成され、該キャリパ固定部4B内にはねじ穴4Cが
形成されている。
【0006】また、ピン軸部4Aとキャリパ固定部4B
との間には、該ピン軸部4Aの基端側から径方向外向き
に突出する環状突起部4Dが一体形成され、該環状突起
部4Dとキャリパ固定部4Bとの間は後述する保護ブー
ツ7用の嵌合溝4Eとなっている。さらに、環状突起部
4Dの一側は、突起部4Dの外周側からピン軸部4Aの
外周面に向けて緩やかに傾斜する凹湾曲状のガイド面4
Fとなっている。
【0007】5は取付ブラケット2に各摺動ピン4を介
して摺動可能に支持されたキャリパを示し、該キャリパ
5は図4に示すように、ディスク1のインナ側に配設さ
れ、例えば1個または2個のシリンダ(図示せず)が内
周側に形成されたインナ脚部5Aと、該インナ脚部5A
からディスク1のアウタ側へと該ディスク1の外周側を
跨ぐように延設されたブリッジ部5Bと、該ブリッジ部
5Bのアウタ側に位置してインナ脚部5Aと略平行に配
設されたアウタ側の爪部5Cと、インナ脚部5Aの両端
側から図4中の左,右にそれぞれ突設され、各摺動ピン
4が取付けられる一対のピン取付部5D,5Dとから構
成されている。
【0008】6,6は各摺動ピン4をキャリパ5に取付
けるボルトで、該各ボルト6は、キャリパ5の各ピン取
付部5Dに穿設したボルト挿通穴5E内に挿通され、摺
動ピン4のねじ穴4Cに螺着されることにより、該各摺
動ピン4のキャリパ固定部4Bをキャリパ5の各ピン取
付部5Dに一体的に固定している。
【0009】7は摺動ピン4と取付ブラケット2のピン
挿嵌穴3Aとの間を保護する保護ブーツを示し、該保護
ブーツ7は図5に示すように、例えばゴム等の弾性材料
から蛇腹状に形成され、断面略W字状をなす伸縮部7A
の両端側には、環状の取付部7B,7Cが伸縮部7Aよ
りも厚肉となって一体形成されている。そして、保護ブ
ーツ7は、伸縮部7Aが摺動ピン4のピン軸部4Aの外
周側に挿通され、取付部7Bが腕部3の嵌合溝3C内に
締代をもって嵌合されると共に、取付部7Cが摺動ピン
4の嵌合溝4E内に締代をもって嵌合され、摺動ピン4
とピン挿嵌穴3Aとの摺動面に外部からゴミや雨水等の
異物が侵入するのを防止している。
【0010】8,8はキャリパ5によりディスク1の両
面に押圧される一対の摩擦パッドで、該各摩擦パッド8
は図4に示すように、ディスク1の両面側でキャリパ5
のインナ脚部5Aとアウタ側の爪部5Cとの間にそれぞ
れ配設され、取付ブラケット2によりディスク1の軸方
向に摺動可能に支持されている。
【0011】このように構成される従来技術のディスク
ブレーキでは、キャリパ5の各シリンダ内に外部からブ
レーキ液圧が供給されることより、これらのシリンダ内
に挿嵌されたピストン(図示せず)が摺動し、インナ側
の摩擦パッド8をディスクに向けて押圧する。これによ
り、キャリパ5はディスク1のインナ側から離間する方
向に反力を受け、この方向に向けて取付ブラケット2に
対し摺動変位することにより、アウタ側の摩擦パッド8
をディスク1に押圧するから、ディスク1は各摩擦パッ
ド8により両面側から制動力を付与される。
【0012】一方、保護ブーツ7の組付け工程について
述べると、まず腕部3のピン挿嵌穴3A内に摺動ピン4
を挿嵌する前に、保護ブーツ7の取付部7Bを腕部3の
嵌合溝3C内に嵌合させることにより、保護ブーツ7を
ピン挿嵌穴3Aの外周側から軸方向に突出するように保
護ブーツ7の取付部7Bを腕部3に取付ける。
【0013】次に、例えば自動組付け装置等を用いて摺
動ピン4のピン軸部4Aを保護ブーツ7の取付部7C側
から伸縮部7A内に挿入し、該伸縮部7A内を介して腕
部3のピン挿嵌穴3A内へと図5中の矢示A方向に挿嵌
する。そして、保護ブーツ7の取付部7Cを摺動ピン4
の嵌合溝4Eに嵌合するために、下記のように取付け作
業を行う。
【0014】即ち、ピン軸部4Aをピン挿嵌穴3A内に
挿嵌してゆくと、摺動ピン4のガイド面4Fが保護ブー
ツ7の取付部7Cに内周側から摺接するようになる。そ
して、この状態でさらにピン軸部4Aをピン挿嵌穴3A
内に挿嵌することにより、保護ブーツ7と摺動ピン4と
の環状空間9内に封入された空気が圧縮され、このとき
の圧力により保護ブーツ7の取付部7Cはガイド面4F
に沿って外向きに拡径されるように弾性変形する。
【0015】この結果、保護ブーツ7の取付部7Cはガ
イド面4F上を環状突起部4Dの外周側に向けて相対的
に摺動し、該環状突起部4Dの外周側で最大に拡径した
後に、これを乗越えるように嵌合溝4E内に嵌合され
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、保護ブーツ7の組付け時に、摺動ピン4を
保護ブーツ7の伸縮部7A内を介して腕部3のピン挿嵌
穴3A内に挿入すると、環状空間9内の空気圧により、
保護ブーツ7の取付部7Cが摺動ピン4のガイド面4F
に沿って環状突起部4D上へと摺動し、該環状突起部4
Dを乗越えるように嵌合溝4E内に嵌合される。
【0017】しかし、保護ブーツ7はゴム等の摩擦抵抗
が大きい材料によって形成されているから、摺動ピン4
をピン挿嵌穴3A内へと図5中の矢示A方向に挿嵌して
も、保護ブーツ7の取付部7Cが摩擦抵抗によりガイド
面4Fの途中位置で止まってしまう。そして、摺動ピン
4をこの状態からさらにピン挿嵌穴3A内に挿嵌する
と、保護ブーツ7の取付部7Cが伸縮部7A内に向けて
巻込まれるように矢示B方向に屈曲してしまうことがあ
る。
【0018】このため、従来技術では、作業者等が自動
組付け装置等の運転を一旦停止し、摺動ピン4のガイド
面4F上に止まったまま伸縮部7A内に巻込まれた取付
部7Cを、手作業で巻戻すようにして摺動ピン4の嵌合
溝4E内に取付け直さなければならず、保護ブーツ7の
組付けや交換等の作業に手間がかかるという問題があ
る。
【0019】本発明は上述した従来技術の問題を鑑みな
されたもので、保護ブーツの取付部を摺動ピンの嵌合溝
内に容易に嵌合でき、保護ブーツの組付けや交換等の作
業を円滑に行うことができると共に、その作業効率やメ
ンテナンス性を大幅に向上できるようにしたディスクブ
レーキを提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、車両の非回転部分に取付けられ、ディ
スクを跨ぐように配設される腕部にガイド穴が形成され
た取付部材と、該取付部材のガイド穴内に摺動可能に挿
嵌される摺動ピンと、該摺動ピンを介して前記取付部材
に支持され、前記ディスクの軸方向に摺動変位するキャ
リパと、前記ガイド穴と摺動ピンとの摺動面を保護する
ため、一端側が前記ガイド穴の開口端側に位置して前記
取付部材の腕部に取付けられ、他端側が摺動ピンの外周
側に取付けられる環状の取付部となった保護ブーツとか
らなるディスクブレーキに適用される。
【0021】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記摺動ピンを、少なくとも一端側が前
記取付部材のガイド穴内に摺動可能に挿嵌されるピン軸
部と、該ピン軸部の他端側に一体形成され、前記キャリ
パに固定されるキャリパ固定部と、該キャリパ固定部と
前記ピン軸部との間に設けられ、該キャリパ固定部との
間に前記保護ブーツの取付部を嵌合させる嵌合溝を形成
した環状突起部と、該環状突起部と前記ピン軸部との間
に位置して該ピン軸部よりも大径で環状突起部よりも小
径に形成され、前記保護ブーツの取付部にほぼ対応する
軸方向寸法を有したブーツガイド部とから構成したこと
にある。
【0022】このように構成することにより、保護ブー
ツの組付け時にはその一端側をガイド穴の開口端側に取
付け、該保護ブーツの他端側から摺動ピンのピン軸部を
腕部のガイド穴内に挿嵌することにより、保護ブーツの
取付部を環状突起部よりも小径なブーツガイド部上に簡
単に乗上げさせることができる。そして、ブーツガイド
部は保護ブーツの取付部にほぼ対応する軸方向寸法を有
しているから、ピン軸部をガイド穴内にさらに深く挿嵌
することにより、取付部をブーツガイド部上で引摺って
保護ブーツの内側に撓ませることなく、該ブーツガイド
部上から環状突起部上へと取付部を安定して乗り上げさ
せることができ、その後に嵌合溝内へと確実に嵌合でき
る。
【0023】また、請求項2に記載の発明では、前記ブ
ーツガイド部を、その外周面が前記保護ブーツの取付部
に対して締代を与えるように該取付部の内径よりも大な
る外径寸法をもって形成したことにある。
【0024】これにより、保護ブーツの取付部を摺動ピ
ンのブーツガイド部上に弾性的に乗上げさせた状態で取
付部に締代を与えることができるから、保護ブーツと摺
動ピンとの間に形成される環状空間内に空気を封入した
密閉状態に保持できる。そして、ピン軸部をこの状態か
ら腕部のガイド穴内にさらに深く挿嵌すると、保護ブー
ツが軸方向に縮んで前記環状空間内の空気を圧縮するよ
うになるから、このときの圧力により保護ブーツの取付
部を摺動ピンの環状突起部上へと押圧でき、該取付部を
嵌合溝内に円滑に嵌合できると共に、取付部が保護ブー
ツ内に巻込まれるのを確実に防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。なお、実施例では、従来
技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。
【0026】図中、11は本実施例によるディスクブレ
ーキの摺動ピンを示し、該摺動ピン11は、従来技術で
述べた摺動ピン4とほぼ同様に形成されているものの、
該摺動ピン11は後述のブーツガイド部16を有してい
る点で従来技術によるものとは異なっている。
【0027】12は一端側が腕部3のピン挿嵌穴3A内
に摺動可能に挿嵌されたピン軸部で、該ピン軸部12の
他端側はピン挿嵌穴3Aから突出している。13はキャ
リパ5のピン取付部5Dに固定されるキャリパ固定部
で、該キャリパ固定部13はピン軸部12の他端側に一
体形成され、その外形状はキャリパ5側への取付け時等
にスパナ等の工具を係合させるために横断面が六角形状
をなしている。また、キャリパ固定部13にはねじ穴1
3Aが形成され、該ねじ穴13Aにはボルト6が螺着さ
れることにより、摺動ピン11はキャリパ5のピン取付
部5Dに固定されている。
【0028】14はキャリパ固定部13とピン軸部12
との間に一体形成された環状突起部を示し、該環状突起
部14はピン軸部12の外周側に対し径方向外向きに突
出し、その外径は寸法D1 となっている。そして、環状
突起部14はキャリパ固定部13との間に嵌合溝15を
形成し、該嵌合溝15には保護ブーツ7の取付部7Cが
締代をもって嵌合される。
【0029】16は本実施例によるブーツガイド部を示
し、該ブーツガイド部16は環状突起部14とピン軸部
12との間に一体形成され、該ピン軸部12の外周側か
ら径方向外向きに突出している。そして、ブーツガイド
部16は図1および図3に示す如く、その軸方向中間部
位の外周面がピン軸部12の外周側とほぼ平行に形成さ
れた環状の平坦面部16Aとなり、該平坦面部16Aの
両端側には、該平坦面部16Aからピン軸部12の外周
側に向けて凸湾曲状に縮径する環状のガイド面部16B
と、平坦面部16Aから環状突起部14の外周側に向け
て凹湾曲状に拡径するガイド面部16Cとが形成されて
いる。
【0030】ここで、ブーツガイド部16の平坦面部1
6Aはその外径寸法D2 が、環状突起部14の寸法D1
よりも小さく(D2 <D1 )、保護ブーツ7の取付部7
Cが自由長状態となったときの内径D3 (図2中に一点
鎖線で示す)よりも大きく(D3 <D2 )なるように形
成されている。また、平坦面部16Aの軸方向寸法L2
は、保護ブーツ7の取付部7Cの軸方向寸法L1 とほぼ
等しく、前記ガイド面部16B,16Cはその湾曲形状
部分の長さ寸法が従来技術のガイド面4Fの湾曲形状部
分の長さ寸法よりも大幅に短縮して形成されている。
【0031】本実施例によるディスクブレーキは上述の
如き構成を有するもので、その基本的作動については従
来技術によるものと格別差異はない。
【0032】然るに、本実施例では、摺動ピン11の環
状突起部14とキャリパ固定部13との間に保護ブーツ
7用の嵌合溝15を形成し、環状突起部14とピン軸部
12との間には、該ピン軸部12よりも大径で環状突起
部14よりも小径のブーツガイド部16と共に、該ブー
ツガイド部16の軸方向両端側に位置してピン軸部12
および環状突起部14に向け湾曲するガイド面16B,
16Cを形成する構成としたから、保護ブーツ7を摺動
ピン11の外周側に組付ける工程では、その取付部7C
をブーツガイド部16を介して2段階に拡径させつつ、
環状突起部14上に容易に乗上げさせることができ、保
護ブーツ7の取付部7Cを環状突起部14から嵌合溝1
5内に円滑に嵌合できる。
【0033】即ち、保護ブーツ7の組付け工程では、ま
ず保護ブーツ7の取付部7B側を腕部3側に取付けた状
態で、保護ブーツ7の取付部7C側から摺動ピン11の
ピン軸部12を腕部3のピン挿嵌穴3A内に挿嵌するこ
とにより、保護ブーツ7の取付部7Cをブーツガイド部
16のガイド面部16Bに沿って徐々に拡径させつつ、
ブーツガイド部16の平坦面部16A上に安定して乗上
げさせることができる。
【0034】そして、ブーツガイド部16の平坦面部1
6Aを、その外径が保護ブーツ7の取付部7Cの内径よ
りも大きくなるように形成したから、該取付部7Cを平
坦面部16A上に締代をもって乗上げさせることがで
き、保護ブーツ7と摺動ピン11との間の環状空間17
内に空気を封入した密閉状態に保持できる。この結果、
ピン軸部12をこの状態から図2中の矢示A方向に向け
てピン挿嵌穴3A内へとさらに深く挿嵌すると、該環状
空間17内で圧縮された空気の圧力により、保護ブーツ
7の取付部7Cを環状突起部14上に向け図3中の矢示
C方向へと拡開させるように押圧することができる。
【0035】さらに、ブーツガイド部16の平坦面部1
6Aを保護ブーツ7の取付部7Cとほぼ等しい軸方向寸
法をもって形成したから、環状空間17内の圧力により
矢示C方向へと押圧された保護ブーツ7の取付部7C
を、平坦面部16A上で軸方向に摺動させることなく、
該平坦面部16Aからブーツガイド部16のガイド面部
16Cに沿って環状突起部14上に安定して乗上げさせ
ることができ、保護ブーツ7の取付部7Cが平坦面部1
6A上を摺動することにより、取付部7Cが伸縮部7A
内に巻込まれるのを確実に防止できると共に、該取付部
7Cを環状突起部14上から嵌合溝15内へと円滑に嵌
合させることができる。
【0036】従って、本実施例によれば、保護ブーツ7
を取付ブラケット2の腕部3と摺動ピン11との間に従
来技術と同様の組付け工程によって円滑に組付けること
ができ、保護ブーツ7の取付部7Cが伸縮部7A内に巻
込まれることによって組付け工程が途中で中断したり、
その工数が増大したりするのを確実に防止できると共
に、ディスクブレーキの組立時の作業性やメンテナンス
性を大幅に向上させることができる。
【0037】また、ブーツガイド部16の平坦面部16
Aが保護ブーツ7の取付部7Cとほぼ等しい軸方向寸法
となるように、平坦面部16Aの軸方向寸法を比較的短
い寸法に形成しているから、該平坦面部16Aの端部が
保護ブーツ7の伸縮部7Aに接触したりするのを防止で
き、キャリパ5の摺動変位に悪影響を及ぼす等の問題を
解消できる。
【0038】なお、前記実施例では、ブーツガイド部1
6に凸湾曲状および凹湾曲状のガイド面部16B,16
Cを形成したが、本発明はこれに限らず、ガイド面部1
6B,16Cをテーパ状の傾斜面として形成してもよ
い。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、摺動ピンのピン軸部とキャリパ固定部との
間に保護ブーツ用の嵌合溝を形成する環状突起部を設け
ると共に、環状突起部とピン軸部との間には、該ピン軸
部よりも大径で環状突起部よりも小径のブーツガイド部
を形成する構成としたから、保護ブーツを摺動ピンの外
周側に組付けるときには、保護ブーツの取付部をブーツ
ガイド部を介して2段階に拡径させつつ、環状突起部上
に容易に乗上げさせることができ、保護ブーツの取付部
を環状突起部上から嵌合溝内に円滑に嵌合できる。ま
た、ブーツガイド部を保護ブーツの取付部にほぼ対応す
る軸方向寸法に形成したことから、保護ブーツの取付部
をブーツガイド部上で引摺ることなく、ブーツガイド部
上から環状突起部上に安定して乗上げさせることがで
き、保護ブーツの取付部がブーツガイド部上で引摺られ
保護ブーツ内に巻込まれるのを確実に防ぐことができる
と共に、ブレーキ操作時等に保護ブーツの一部がブーツ
ガイド部に接触、干渉したりするのを防止できる。そし
て、保護ブーツを取付部材の腕部と摺動ピンとの間に従
来技術と同様の組付け作業によって円滑に組付けること
ができ、保護ブーツの取付部がその内部に巻込まれるこ
とによって組付け作業が途中で中断したり、組付け作業
の工数が増大したりするのを確実に防止できると共に、
ディスクブレーキの組立時の作業性やメンテナンス性を
大幅に向上させることができる。
【0040】また、請求項2に記載の発明によれば、ブ
ーツガイド部の外径を保護ブーツの取付部の内径よりも
大きく形成したから、取付部をブーツガイド部上に締代
をもって乗上げさせ、保護ブーツと摺動ピンとの間に形
成される環状空間内に空気を封入した密閉状態に保持で
きると共に、ピン軸部をこの状態から腕部のガイド穴内
にさらに深く挿嵌することにより、前記環状空間内で圧
縮された空気の圧力によって保護ブーツの取付部を摺動
ピンの環状突起部上へと確実に押圧することができる。
従って、保護ブーツの取付部が該保護ブーツ内に巻込ま
れるのを確実に防止できると共に、該取付部を嵌合溝内
に円滑に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるディスクブレーキの摺動
ピンおよび保護ブーツ等を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図2】図1中の保護ブーツを摺動ピンに組付ける状態
を示す縦断面図である。
【図3】保護ブーツの取付部および摺動ピンのブーツガ
イド部等を示す図2中の要部拡大図である。
【図4】従来技術によるディスクブレーキを示す一部破
断の外観図である。
【図5】保護ブーツの組付け状態を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ディスク 2 取付ブラケット(取付部材) 3 腕部 3A ピン挿嵌穴(ガイド穴) 5 キャリパ 7 保護ブーツ 7C 取付部 11 摺動ピン 12 ピン軸部 13 キャリパ固定部 14 環状突起部 15 嵌合溝 16 ブーツガイド部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の非回転部分に取付けられ、ディス
    クを跨ぐように配設される腕部にガイド穴が形成された
    取付部材と、該取付部材のガイド穴内に摺動可能に挿嵌
    される摺動ピンと、該摺動ピンを介して前記取付部材に
    支持され、前記ディスクの軸方向に摺動変位するキャリ
    パと、前記ガイド穴と摺動ピンとの摺動面を保護するた
    め、一端側が前記ガイド穴の開口端側に位置して前記取
    付部材の腕部に取付けられ、他端側が摺動ピンの外周側
    に取付けられる環状の取付部となった保護ブーツとから
    なるディスクブレーキにおいて、 前記摺動ピンは、少なくとも一端側が前記取付部材のガ
    イド穴内に摺動可能に挿嵌されるピン軸部と、該ピン軸
    部の他端側に一体形成され、前記キャリパに固定される
    キャリパ固定部と、該キャリパ固定部と前記ピン軸部と
    の間に設けられ、該キャリパ固定部との間に前記保護ブ
    ーツの取付部を嵌合させる嵌合溝を形成した環状突起部
    と、該環状突起部と前記ピン軸部との間に位置して該ピ
    ン軸部よりも大径で環状突起部よりも小径に形成され、
    前記保護ブーツの取付部にほぼ対応する軸方向寸法を有
    したブーツガイド部とから構成したことを特徴とするデ
    ィスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記ブーツガイド部は、その外周面が前
    記保護ブーツの取付部に対して締代を与えるように該取
    付部の内径よりも大なる外径寸法をもって形成してなる
    請求項1に記載のディスクブレーキ。
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KR100415134B1 (ko) * 2000-08-31 2004-01-16 도키코 가부시키 가이샤 디스크 브레이크
KR101372820B1 (ko) * 2008-10-21 2014-03-13 주식회사 만도 차량용 디스크 브레이크

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