JPH09302159A - 樹脂組成物及び該組成物からなるフィルム、シート - Google Patents

樹脂組成物及び該組成物からなるフィルム、シート

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JPH09302159A
JPH09302159A JP12135496A JP12135496A JPH09302159A JP H09302159 A JPH09302159 A JP H09302159A JP 12135496 A JP12135496 A JP 12135496A JP 12135496 A JP12135496 A JP 12135496A JP H09302159 A JPH09302159 A JP H09302159A
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resin
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evoh
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Hiroshi Tajima
洋 田島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿度下におけるガスバリア性に優れた包装
材料の提供。 【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール共重合体樹
脂85〜65重量部、液晶ポリエステル樹脂15〜35
重量部と、下式で表されるビスオキサゾリン系化合物
0.1〜5重量部からなる樹脂組成物、及びこの組成物
からなるフィルム、シート。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物および
該組成物からなるフィルム、シートに関する。詳細に
は、本発明はエチレン−ビニルアルコール共重合体と液
晶ポリエステル樹脂及び特定のビスオキサゾリン系化合
物からなる、高湿度下におけるガスバリア性に優れた包
装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下EVOHと記す)は、通常エチレンと酢酸ビニル
とを共重合、けん化して得られ、ガスバリア性、耐油
性、耐溶剤性、保香性が優れているため、また、65%
RH以下の低湿度下では最も安価にハイバリア性フィル
ムが得られることから、種々のガスバリア性フィルム、
ガスバリア性容器などのバリア層に使用されている。ま
た、EVOHは、ガスバリア性樹脂の代表であるPVD
Cと比較して、リサイクル使用、焼却性、ガスバリア性
の温度依存性の面で優れている。
【0003】しかしながら、EVOHは外部の湿度によ
りガスバリア性が低下するという問題を抱えており、水
物食品、ボイル殺菌、といった用途には好まれない。一
方、液晶ポリエステルは、分子鎖が剛直なため、押出成
形時に既に高度に配向し、高い酸素ガスバリア性を示
す。例えば6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸単位とp−
ヒドロキシ安息香酸単位からなる液晶ポリエステルの酸
素ガスバリア性は、EVOHには劣るものの優れた値を
示す。しかも、EVOHのように高湿度下で酸素ガスバ
リア性が低下するという問題もない。
【0004】しかしながら、液晶ポリエステルはその高
い配向性のために、溶融粘度が著しく低く、著しいネッ
クインを起こす。この問題を解決するために、たとえば
インフレーション成形時に環状スリットを介して相互に
反対方向に回転させ得る可動ダイリップ及び中子並びに
環状スリットに液晶ポリマーを供給する樹脂流路からな
るダイを使用し、可動ダイリップ及び中子を同時に反対
方向に回転させる方法(特開昭63−173620号公
報)、T−ダイ下の冷却ロールの表面に対して空気圧押
しつけおよび/または静電気的押しつけを行う方法(特
開昭63−95930号公報)などの方法が考えられて
いるが、いずれも特殊な設備を用いなければならないと
いう短所を抱えている。さらに、低湿度下で同じガスバ
リア性のフィルムを作成する場合、EVOHの5〜30
倍の高価格になるという問題もある。
【0005】液晶ポリマーと熱可塑性樹脂のブレンドに
よるガスバリアフィルムについては、例えばWO95/
23180があり、熱可塑性樹脂からなるポリマーマト
リックス中に液晶ポリマーをラメラ層としてフィルムの
表面と平行に、全面にわたって配向させ、ベースとなる
熱可塑性樹脂のガスバリア性を改良する方法が開示され
ている。しかし、このようにラメラ層として液晶ポリマ
ーを配向させるためには、マトリックスポリマーと液晶
ポリマーのブレンド条件の制御、また該ブレンド物をフ
ィルム化するダイの選択に関し、厳密な吟味が必要であ
ることがこの出願の明細書に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
のEVOHの高湿度条件下でのガスバリア性の劣化を容
易に改善することである。本発明の別の課題は、上記課
題を解決しつつ、EVOH本来の低湿度下でのガスバリ
ア性を著しく損なわないことである。
【0007】本発明のまた別の課題は、上記課題を解決
しつつ、容易に延伸性に優れたフィルムを得ることであ
る。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため鋭意検討した結果、EVOHに対し、液晶
ポリエステルとビスオキサゾリン系化合物をブレンドす
ることによって、前記課題を解決できることを見出し、
本発明をなすに至った。即ち、本発明は、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体樹脂85〜65重量部、液晶ポ
リエステル樹脂15〜35重量部、および下式で表され
るビスオキサゾリン系化合物0.1〜5重量部からなる
樹脂組成物、該樹脂組成物からなるフィルム又はシート
である。
【0009】
【化2】
【0010】また、上記樹脂組成物からなる層を少なく
とも1層含む多層フィルム又は多層シート、更に、上記
のシート又は多層シートを、少なくとも一方向に延伸し
て得られるフィルム又は多層フィルムである。本発明に
おいて、EVOHは、エチレン−ビニルエステル共重合
体のケン化物であって、エチレン単位を20〜60モル
%含有していることが望ましい。エチレン単位が20モ
ル%未満であると、重合体組成物の溶融成形性が不良に
なり、一方60モル%を超えると酸素ガスバリア性が低
下する。また、EVOHにおけるビニルエステル単位の
ケン化度は80%以上であることが好ましい。ケン化度
が80%未満であると酸素ガスバリア性および熱安定性
が低下する。また限定されるものではないが、EVOH
として、そのメルトフローレート(MFR;温度210
℃;荷重2.16kgで測定)が0.1g/10分〜5
0g/10分のものを使用するのが、成形性、ブレンド
時の分散性などの点から好ましい。
【0011】EVOHは、本発明の目的が阻害されない
範囲(一般に10モル%以下の割合)で他の共重合性モ
ノマーから誘導された単位を有してもよく、そのような
モノマーの例としては、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリ
ルフマレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレートなどの多官能性(メタ)アクリル
系化合物などをあげることができる。多官能性モノマー
は通常の共重合またはグラフト重合などの任意の形態で
EVOH中に共重合させておくことができる。多官能性
モノマーを共重合させておく場合は、その割合を0.0
02〜0.2モル%程度にしておくのが好ましい。
【0012】そして、本発明の組成物は、上記のEVO
Hとともに液晶ポリエステルを含有している。本発明に
おける液晶ポリエステルとしては、具体的にはテレフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸成分と、ヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレン等の芳香族ジオール成分、及びp−ヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のような
芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせより構成され
るポリエステル、及びこれらの芳香族成分の一部が脂肪
族ジカルボン酸、脂肪族ジオールまたは脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸などで置換された共重合体などが挙げられ
る。なかでも、EVOHが熱およびシェアによりゲル化
を起こしやすい樹脂であることから、テレフタル酸とp
−ヒドロキシ安息香酸と脂肪族ジオールの共重合体が、
低温加工が可能であるという点で望ましい。
【0013】また、本発明のEVOHと液晶ポリエステ
ルのブレンド比は、重量比で85:15〜65:35で
ある。両者の比が85:15よりもEVOHが多いとブ
レンドによる高湿度下のガスバリア性の改善効果が十分
でない。一方65:35よりもEVOHが少ないと、流
動性が大きく、T−ダイなどの通常設備による製膜が困
難になる。
【0014】本発明においては、高湿度下での酸素ガス
バリア性が低下するEVOHと、高湿度下でも酸素ガス
バリア性に優れる液晶ポリエステルとの間の親和性が小
さいため、液晶ポリエステルがEVOHドメイン中に分
散しており、これによって、EVOH本来の高湿度下で
の酸素ガスバリア性の低下が改善されるという効果を奏
する。液晶ポリエステルは延伸を行わなかった場合には
球状に、少なくとも一方向に延伸を行った場合には小板
状になって、EVOHドメイン中に分散する。
【0015】さらに、一般にフィルムを製造する場合、
引張強度、初期弾性率、衝撃強さ、透明性、使用温度範
囲、気体透過度などを向上させるために少なくとも一方
向に延伸することは重要である。本発明では、EVOH
と液晶ポリエステルに加え、延伸加工性の付与を目的と
して、EVOHと液晶ポリエステルのブレンド物にビス
オキサゾリン系化合物を添加することが肝要である。ビ
スオキサゾリン系化合物は、高分子化学において、一般
的に相溶化剤もしくは鎖延長剤として知られているもの
である。具体的には、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ
−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,4−ビス(4,5
−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、2,2‘−
ビス(オキサゾリン)などが挙げられる。
【0016】本発明において、ビスオキサゾリン系化合
物の添加量は、0.1〜5重量部である。この範囲より
も添加量が少ないと、延伸性が十分でなく、満足な延伸
フィルムが得られない。特に、該化合物を全く加えなか
った場合は延伸が不可能である。また、この範囲よりも
添加量が多いと、この組成物の溶融粘度が増大し、押出
機内で剪断発熱を招き、その結果EVOHがゲル化を起
こし、得られるフィルムの外観が悪化する。
【0017】この三者をブレンドする方法に関しては、
特に限定されるものではないが、ドライブレンド、バン
バリーミキサー、単軸あるいは二軸押出機によるペレタ
イズする方法などがある。またブレンドペレット化の
際、ゲル、ブツの発生、混入があると外観上はもちろん
のこと、耐衝撃性やガスバリア性の低下といった重大な
問題を引き起こす恐れがある。従って、ブレンドペレッ
ト化の際に混練度の高い押出機を使用し、ホッパー口を
窒素ガスでシールし、低温で押し出すことが望ましい。
また、ブレンド、ペレット化する際、他の添加剤(可塑
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フ
ィラー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない
範囲で使用することは自由である。特に、ゲル化防止対
策として、ハイドロタルサイト系熱安定剤、ヒンダード
フェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤を、0.
01〜1重量%添加することが望ましい。
【0018】また、これら三者をブレンドする場合、例
えば、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポ
リプロピレン、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共
重合体などの変性ポリオレフィン類、ナイロン6、ナイ
ロン6,66、ナイロン6,12、ナイロン12など
の、融点が230℃以下のナイロン類を第三成分として
このブレンド物に加えることにより、両者の相溶性を、
熱あるいはシェアによる履歴を増大させずに改善するこ
とも可能である。この場合、該組成物の優れたバリア性
を損なわないためにも、これらの添加量は少ないほうが
望ましい。しかしながら添加量の安定化のため、あまり
少量ブレンドすることも望ましくない。この場合の第三
成分の添加量は、好ましくは該組成物100重量部に対
し、0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.4〜2重
量部である。
【0019】本発明の樹脂組成物からフィルム、シート
を作製する方法は、特に限定されるものではないが、一
軸押出機、二軸押出機を使用し、T−ダイに導く方法な
どがある。好ましくは、先述したように、ゲル、ブツの
発生を避ける必要上、混練度の高い押出機を使用し、ホ
ッパー口を窒素ガスでシールし、低温で押し出し、ペレ
タイズせずに直接T−ダイに導くことが望ましい。
【0020】また、本発明の延伸フィルムを作成する方
法としては、特に限定されるものではないが、T−ダイ
により押出したシートを加熱ローラーとテンターにより
逐次2軸延伸する方法、サーキュラーダイを介して押出
したパリソンをインフレーション法により延伸する方法
などがある。さらに、本発明の組成物を用い、多層フィ
ルム又はシートを作製することも本発明の範囲内に属す
る。ここで多層フィルム又はシート中、本発明の樹脂組
成物層以外の層を構成する熱可塑性樹脂としては、低密
度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレ
フィン系樹脂、無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン
などの変性ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタ
レートなどの熱可塑性ポリエステル、ナイロン−6、ナ
イロン−66、ナイロン−6,66などのポリアミド、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリカーボネート、EVOH、ポリビニルアルコール、
熱可塑性ポリウレタン、またはこれら二種類以上の混合
物が望ましい。
【0021】また、積層体の構成は、本発明の樹脂組成
物層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/本発明の樹脂
組成物層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/本発明の
樹脂組成物層/熱可塑性樹脂層/本発明の樹脂組成物層
/熱可塑性樹脂層、などで、本発明の樹脂組成物層及び
熱可塑性樹脂層はそれぞれ複数でもよい。また必要であ
れば該多層フィルム又はシートの各層の間には接着性樹
脂層があっても良い。該接着性樹脂としては特に制限は
ないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体などをエチレン性不飽和酸又はその酸無水物で変性
したものが好ましい。中でも、無水マレイン酸変性物あ
るいは無水マレイン変性物と無変性物のブレンド物が、
より好適に使用可能である。
【0022】該多層フィルム又はシートの成形方法とし
ては、特に限定されるものではないが、押出成形、射出
成形などの公知の方法が使用可能である。例えば、押出
成形方法としては、本発明の樹脂組成物を含めた複数の
樹脂を複数の押出機を通してマルチマニホールドT−ダ
イに導く方法などがある。また、該組成物からなる単層
フィルム又はシートを、押出ラミネートやドライラミネ
ートやコーティングや蒸着法のような公知の技術によ
り、多層フィルム又はシート化することも、その成形方
法として挙げることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を説明
する。酸素透過度は、得られた押出単層フィルムを各実
施例、比較例に示した条件下で、モダンコントロール社
製の酸素透過率測定装置(OX−TRAN100もしく
は同200H)を用いて測定した。
【0024】
【実施例1】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5%、MFR8.0g/10
分)80重量部、液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ
(株)製ロッドラン(R)LC−3000、パラヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール=6
0/40/40の共重合体)20重量部と、1,4−ビ
ス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
(東京化成工業(株)製)0.5重量部をドライブレン
ドした後、単軸押出機で240℃以下の温度で押出し、
230℃のT−ダイに導き、キャスト法により厚み30
μフィルムを得た。このフィルムの酸素透過度は、23
℃、65%RHでは、0.7cc・25.4ミクロン/
平方メートル・日・気圧、23℃、88%RHでは、2
5cc・25.4ミクロン/平方メートル・日・気圧、
であった。また、本実施例のフィルムの断面の走査電子
顕微鏡写真(MD/TD方向)を図1に示す。この写真
から、液晶ポリマーがEVOHドメイン中に球状に分散
していることが見られる。
【0025】
【比較例1】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5、MFR8.0g/10
分)を実施例1の方法と同様にして厚み約20ミクロン
のフィルムを得た。このフィルムの酸素透過度は、23
℃、65%RHでは、0.5cc・25.4ミクロン/
平方メートル・日・気圧であった。また、23℃、88
%RHでは、30cc・25.4ミクロン/平方メート
ル・日・気圧であった。
【0026】
【比較例2】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5%、MFR8.0g/10
分)60重量部、液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ
(株)製ロッドラン(R)LC−3000、パラヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール=6
0/40/40の共重合体)40重量部と、1,4−ビ
ス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
(東京化成工業(株)製)0.5重量部をドライブレン
ドした後、実施例1の方法と同様にしてフィルムを得よ
うとしたが、溶融粘度が低すぎるために満足のいくフィ
ルムは得られなかった。
【0027】
【比較例3】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5%、MFR8.0g/10
分)90重量部と、液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ
(株)製ロッドラン(R)LC−3000、パラヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール=6
0/40/40の共重合体)10重量部と、1,4−ビ
ス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
(東京化成工業(株)製)0.5重量部をドライブレン
ドした後、実施例1の方法と同様にして、厚み約20ミ
クロンのフィルムを得た。このフィルムの酸素透過度
は、23℃、65%RHでは、0.6cc・25.4ミ
クロン/平方メートル・日・気圧であった。また、23
℃、88%RHでは、28cc・25.4ミクロン/平
方メートル・日・気圧であった。
【0028】
【実施例2】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5%、MFR8.0g/10
分)80重量部、液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ
(株)製ロッドラン(R)LC−3000、パラヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール=6
0/40/40の共重合体)20重量部と、1,4−ビ
ス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
(東京化成工業(株)製)0.4重量部をドライブレン
ドした後、二軸押出機で240℃以下の温度で押出し、
230℃のT−ダイに導き、キャスト法により厚み約1
5ミクロンのフィルムを得た。このフィルムの酸素透過
度は、23℃、65%RHでは、0.6cc・25.4
ミクロン/平方メートル・日・気圧、23℃、88%R
Hでは、10cc・25.4ミクロン/平方メートル・
日・気圧であった。また、本実施例のフィルムの断面の
走査電子顕微鏡写真(MD/TD方向)をを図2に示
す。この写真から、液晶ポリマーがEVOHドメイン中
に小板状に分散していることが見られる。
【0029】
【比較例4】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5%、MFR8.0g/10
分)80重量部と、液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ
(株)製ロッドラン(R)LC−3000、パラヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール=6
0/40/40の共重合体)20重量部をドライブレン
ドした後、二軸押出機で240℃以下の温度で押出し、
230℃のT−ダイに導き、キャスト法により厚み約3
00ミクロンのシートを得た。このシートを80℃の温
水に15分浸漬後、東洋精機性二軸延伸装置で93℃の
雰囲気下、タテヨコ両方向に3倍に同時二軸延伸しよう
としたが、伸びることなく破断し、満足のいくフィルム
は得られなかった。
【0030】
【比較例5】EVOH(日本合成化学(株)製ソアノー
ル(R)D2908、エチレン含量29モル%、ビニル
エステルのケン化度99.5%、MFR8.0g/10
分)80重量部、液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ
(株)製ロッドラン(R)LC−3000、パラヒドロ
キシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール=6
0/40/40の共重合体)20重量部と、1,4−ビ
ス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
(東京化成工業(株)製)6重量部をドライブレンドし
た後、二軸押出機で240℃以下の温度で押出し、23
0℃のT−ダイに導き、キャスト法により厚み約300
ミクロンのシートを得た。このシートを80℃の温水に
15分浸漬後、東洋精機性二軸延伸装置で93℃の雰囲
気下、タテヨコ両方向に3倍に同時二軸延伸しようとし
たが、シート中にゲルが大量に発生し、その部分から延
伸中に裂けるという問題が発生し、満足のいくフィルム
は得られなかった。
【0031】
【実施例3】3台の単軸押出機、フィードポートブロッ
ク付きT−ダイからなる対称3種5層キャストフィルム
製造設備を用意し、表面層用の押出機に、低密度ポリエ
チレン(MI=10)、中間層用の押出機に、マレイン
酸変性ポリエチレン、中心層用の押出機に、EVOH
(日本合成化学(株)製ソアノール(R)DT290
3、エチレン含量29モル%、ビニルエステルのケン化
度99.5%、MFR3.2g/10分)80重量部、
液晶ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製ロッドラン
(R)LC−3000、パラヒドロキシ安息香酸/テレ
フタル酸/エチレングリコール=60/40/40の共
重合体)20重量部と、1,4−ビス(4,5−ジヒド
ロ−2−オキサゾリル)ベンゼン(東京化成工業(株)
製)0.5重量部をドライブレンドしたものを供給し、
T−ダイから押出後キャスターロールを通して、厚みが
表面層/中間層/中心層/中間層/表面層=15/10
/10/10/15=60μのキャストフィルムを得
た。このフィルムの酸素透過度は、23℃、65%RH
では、1.5cc/平方メートル・日・気圧であった。
また、23℃、88%RHでは、12.7cc/平方メ
ートル・日・気圧であった。
【0032】
【発明の効果】実施例、比較例からも明らかなように、
本発明により、EVOHの短所の一つである、高湿度下
の酸素ガス透過度を特殊な設備や厳密な条件設定を必要
とせず、容易に改善することができた。その結果、本発
明の組成物及び該組成物からなるフィルム、シートは、
従来のEVOHで包装した場合、必ずしもその酸素ガス
バリア性が十分でない用途、例えば水物食品、ボイル用
途などで使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1におけるフィルムの断面(MD
/TD方向)の走査電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明実施例2におけるフィルムの断面(MD
/TD方向)の走査電子顕微鏡写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/04 67:00)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール共重合体樹
    脂85〜65重量部、液晶ポリエステル樹脂15〜35
    重量部、および下式で表されるビスオキサゾリン系化合
    物0.1〜5重量部からなる樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物からなるフィ
    ルム又はシート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物からなる層を
    少なくとも1層含む多層フィルム又は多層シート。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシート又は請求項3記載
    の多層シートを、少なくとも一方向に延伸して得られる
    フィルム又は多層フィルム。
JP12135496A 1996-05-16 1996-05-16 樹脂組成物及び該組成物からなるフィルム、シート Withdrawn JPH09302159A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1177893A1 (en) * 2000-07-31 2002-02-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Laminate of liquid crystalline polymer
WO2019103069A1 (ja) * 2017-11-22 2019-05-31 株式会社クラレ 樹脂組成物、分散媒、樹脂組成物の製造方法、積層体及び包装体
JP2020147669A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 上野製薬株式会社 樹脂組成物
JP2020147670A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 上野製薬株式会社 樹脂組成物

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