JPH09302065A - ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォームの製造方法

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JPH09302065A
JPH09302065A JP9074452A JP7445297A JPH09302065A JP H09302065 A JPH09302065 A JP H09302065A JP 9074452 A JP9074452 A JP 9074452A JP 7445297 A JP7445297 A JP 7445297A JP H09302065 A JPH09302065 A JP H09302065A
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polyol
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polyester polyol
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Shoichiro Harada
昇一郎 原田
Mitsuru Sakai
満 酒井
Kazunari Takemura
一成 竹村
Akito Itoi
昭人 井樋
Makoto Okubo
真 大久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低密度で、良好な外観及び風合を有し、引張強
度、引裂強度等の機械的強度に優れたポリウレタンフォ
ームの製法を提供すること。 【解決手段】テレフタル酸とアジピン酸とを含有し、テ
レフタル酸/アジピン酸のモル比が0.05〜0.3で
ある酸成分と、多価アルコールとを縮重合させてなるポ
リエステルポリオール、ポリイソシアネート成分とポリ
オール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォーム
を製造する方法において、ポリオール成分が前記ポリエ
ステルポリオールを含有したものであるポリウレタンフ
ォームの製法、並びにポリイソシアネート成分とポリオ
ール成分とからなるイソシアネートプレポリマーと、ポ
リオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォー
ムを製造する方法において、イソシアネートプレポリマ
ーに用いられるポリオール成分が前記ポリエステルポリ
オールを含有したものであるポリウレタンフォームの製
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンフォ
ームの製造方法に関する。さらに詳しくは、高機械的強
度を有し、靴底などとして好適に用いられるポリウレタ
ンフォームの製造方法、および該ポリウレタンフォーム
の原料として用いられるポリエステルポリオールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンフォームは、耐衝撃性、耐
薬品性、耐摩耗性、耐寒性などに優れた樹脂フォームで
ある。かかるポリウレタンフォームの原料であるポリオ
ールとポリイソシアネートとを適宜、組合せることによ
り、硬質から軟質に至るまで幅広い性状を有するポリウ
レタンフォームを製造することができる。
【0003】硬質ポリウレタンフォームを製造する場
合、ポリオールとして比較的分子量が低い多官能ポリオ
ールが用いられる。また、軟質ポリウレタンフォームを
製造する場合、例えばポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルポリオールなどの比較的分子量が高い低官能基数
ポリオールが用いられる。前記ポリウレタンフォーム
は、水、フロンなどの発泡剤をポリオールに配合するこ
とによって製造され、該発泡剤の添加量を調整すること
により、得られるポリウレタンフォームの密度を所定の
値に設定することができる。
【0004】一般に、ポリウレタンフォームの成形体を
製造する場合、該ポリウレタンフォームの密度は、低い
ほうがコストが低くなるので好ましいが、かかる密度を
低くすると単位体積あたりの樹脂量が減少するため、機
械的強度が低下する。
【0005】そこで、成形品の機械的強度を向上させる
ために、架橋剤、多官能ポリオール、芳香族ポリオール
などをポリオールに添加することが提案されている。
【0006】しかしながら、架橋剤や多官能ポリオール
をイソシアネートプレポリマーの調整の際に用いた場合
には、ゲル化を引き起こすという問題がある。また、芳
香族ポリオールを用いた場合には、該芳香族ポリオール
の粘度および融点が著しく高いことから、該芳香族ポリ
オールを用いて得られたプレポリマーからポリウレタン
フォームを製造する際には、該ポリウレタンフォームの
製造条件に適するプレポリマーの粘度および融点に調整
することが困難であるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、低密度で、良好な外観
および風合を有し、引張強度、引裂強度などの機械的強
度に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
(a)テレフタル酸と(b)アジピン酸とを含有し、
テレフタル酸/アジピン酸のモル比が0.05〜0.3
である酸成分と、多価アルコールとを縮重合させてなる
ポリエステルポリオール、(2) 数平均分子量500
〜3000を有する前記(1)記載のポリエステルポリ
オール、(3) 多価アルコールがエチレングリコール
および/または1,4−ブタンジオールである前記
(1)または(2)記載のポリエステルポリオール、
(4) ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを
反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する方法
において、前記ポリオール成分が(a)テレフタル酸と
(b)アジピン酸とを含有し、テレフタル酸/アジピン
酸のモル比が0.05〜0.3である酸成分と、多価ア
ルコールとを縮重合させてなるポリエステルポリオール
を含有したものであることを特徴とするポリウレタンフ
ォームの製造方法、(5) ポリオール成分中における
前記ポリエステルポリオールの含有量が10〜80重量
%である前記(4)記載のポリウレタンフォームの製造
方法、(6) ポリイソシアネート成分とポリオール成
分とから調製されるイソシアネートプレポリマーと、ポ
リオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォー
ムを製造する方法において、前記イソシアネートプレポ
リマーに用いられるポリオール成分が、(a)テレフタ
ル酸と(b)アジピン酸とを含有し、テレフタル酸/ア
ジピン酸のモル比が0.05〜0.3である酸成分と、
多価アルコールとを縮重合させてなるポリエステルポリ
オールを含有したものであることを特徴とするポリウレ
タンフォームの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルポリオール
は、後述するように、ポリウレタンフォームの製造の際
に、その原料として有用なものである。
【0010】本発明のポリエステルポリオールは、前記
したように、(a)テレフタル酸と(b)アジピン酸と
を含有し、テレフタル酸/アジピン酸のモル比が0.0
5〜0.3である酸成分と、多価アルコールとを縮重合
させることによって得られるものである。前記「含有
し」とは、酸成分が(a)テレフタル酸と(b)アジピ
ン酸とで構成されていることのほか、酸成分中に(a)
テレフタル酸と(b)アジピン酸以外にも、本発明の目
的を阻害しない範囲内で他の酸成分が含まれていてもよ
いことを意味する。通常、本発明においては、酸成分が
(a)テレフタル酸と(b)アジピン酸とで構成されて
いることが好ましい。
【0011】(a)テレフタル酸/(b)アジピン酸の
モル比は、凝固点が高くならないようにし、成形条件
(成形温度:約40℃)で液状を呈するようにするため
に、0.05以上、好ましくは0.08以上であり、ま
た粘度が高くなりすぎて成形時に射出や注入しがたくな
るのを避けるために、0.3以下、とくに0.25以
下、より好ましくは0.15以下である。また、ポリウ
レタンフォームを製造する際に、得られるポリエステル
ポリオールをポリオール成分に用いる場合には、前記
(a)テレフタル酸/(b)アジピン酸のモル比は、
0.25以下、好ましくは0.15以下、さらに0.1
2以下であることが望ましい。
【0012】前記多価アルコールとして、エチレングリ
コールおよび/または1,4−ブタンジオールは、本発
明において好適に用いることができる。
【0013】本発明のポリエステルポリオールは、多価
アルコールが過剰となる量で前記酸成分と多価アルコー
ルとを縮重合させることによって得られる。
【0014】本発明のポリエステルポリオールの数平均
分子量は、粘度および融点の観点から、500〜300
0、好ましくは1000〜2500であることが望まし
い。
【0015】本発明のポリウレタンフォームの製造方法
は、前記ポリエステルポリオールが用いられている点に
大きな特徴を有する。このように、本発明においては、
前記ポリエステルポリオールが用いられていることによ
り、得られるポリウレタンフォームは、すぐれた機械的
強度を有する。
【0016】前記ポリエステルポリオールを用いた本発
明のポリウレタンフォームの製造方法には、主として、
つぎの2つの方法がある。
【0017】すなわち、(1)ポリイソシアネート成分
とポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフ
ォームを製造する際に、前記ポリオール成分として、
(a)テレフタル酸と(b)アジピン酸とを含有し、テ
レフタル酸/アジピン酸のモル比が0.05〜0.3で
ある酸成分と、多価アルコールとを縮重合させてなるポ
リエステルポリオールを含有したものを用いる方法(以
下、製法Iという)、および(2)ポリイソシアネート
成分とポリオール成分とから調製されるイソシアネート
プレポリマーと、ポリオール成分とを反応、発泡させて
ポリウレタンフォームを製造する際に、前記イソシアネ
ートプレポリマーに用いられるポリオール成分として、
(a)テレフタル酸と(b)アジピン酸とを含有し、テ
レフタル酸/アジピン酸のモル比が0.05〜0.3で
ある酸成分と、多価アルコールとを縮重合させてなるポ
リエステルポリオールを含有したものを用いる方法(以
下、製法IIという)がある。
【0018】まず、製法Iについて説明する。
【0019】製法Iにおいては、ポリイソシアネート成
分とポリオール成分とを反応、発泡させる際に用いられ
るポリオール成分として、前記で詳述したポリエステル
ポリオールを含有したものが用いられうる。
【0020】また、ポリオール成分には、前記ポリエス
テルポリオール以外のポリオールが用いられる。かかる
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、
ジグリセリン、デキストロース、ソルビトールなどの少
なくとも1種の多価アルコールと、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸な
どの少なくとも1種の二塩基酸とを縮重合させて得られ
たポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエ
ーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポ
リカーボネートポリオールなどがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0021】前記ポリオール成分中における前記ポリエ
ステルポリオールの含有量は、該ポリオール成分の液状
性および粘度を好適に保ち、機械的強度に優れたポリウ
レタンフォームを製造する観点から、10〜80重量
%、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは4
0〜60重量%であることが望ましい。
【0022】なお、本発明においては、前記ポリオール
成分には、必要により、例えば、鎖延長剤、発泡剤、ウ
レタン化触媒、整泡剤、安定剤、顔料などを適宜、適量
で添加してもよい。
【0023】前記鎖延長剤としては、低分子量で分子内
に2個以上の活性水素を有する化合物を用いることがで
きる。かかる鎖延長剤の代表例としては、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペン
タエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソ
ルビトールなどの多価アルコール、エチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族多価アミン、芳香
族多価アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、ジイソプロパノールアミンなどのアルカノールア
ミンなどがあげられる。
【0024】前記発泡剤としては、例えば、水をはじ
め、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオルメ
タン、トリクロロジフルオロエタンなどのフルオロカー
ボン類などがあげられ、これらの発泡剤は、単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。
【0025】前記ウレタン化触媒としては、例えば、ト
リエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモ
ルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’
−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメ
チルイミダゾール、N,N’−ジエチルベンジルアミン
などの第3級アミン、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(I
I) 、ラウリン酸錫(II) 、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジマレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジ
ブチル錫ジクロリドなどの錫化合物などがあげられる。
これらのウレタン化触媒は、単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0026】前記整泡剤としては、例えば、ジメチルポ
リシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジ
メチルポリシロキサン、アルキレングリコール変性ジメ
チルポリシロキサンなどのシリコーン系界面活性剤、脂
肪酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩、スルホン酸
塩などの陰イオン系界面活性剤などがあげられる。
【0027】前記安定剤としては、例えば、ジブチルヒ
ドロキシトルエン、ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、イソオクチル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネートなどのヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤、
亜燐酸、トリフェニルフォスファイト、トリエチルフォ
スファイト、トリフェニルフォスフィンなどの亜燐酸化
合物などの酸化防止剤;2−(5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−〔3
−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポ
リエチレングリコールとの縮合物などの紫外線吸収剤な
どがあげられる。
【0028】前記顔料としては、例えば、遷移金属塩に
代表される無機顔料、アゾ化合物に代表される有機顔
料、炭素粉などがあげられるが、本発明はかかる例示の
みに限定されるものではない。
【0029】かくして得られるポリオール成分は、室温
で液状であり、低圧でも射出が可能であるので、後述す
るポリイソシアネート成分と反応させることにより、何
ら問題なくポリウレタンフォームを成形させることがで
きる。
【0030】つぎに、前記製法Iに用いられるポリイソ
シアネート成分についてであるが、該ポリイソシアネー
ト成分の代表例としては、例えば、イソシアネートプレ
ポリマーなどがあげられる。
【0031】前記イソシアネートプレポリマーは、ポリ
イソシアネートモノマーとポリオールとをポリイソシア
ネートモノマーの過剰の存在下で、必要により安定剤な
どの添加剤を常法により攪拌、反応させることによって
得られる。
【0032】前記ポリイソシアネートモノマーの具体例
としては、例えば、トリレンジイソシアネート、m−フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル
−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’
−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、3,3−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートな
どのポリイソシアネート化合物、それらの変性体、例え
ばカルボジイミド変性体などがあげられる。これらのポ
リイソシアネートモノマーは、単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。これらのなかでは、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート単独使用また
は該4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとそ
のカルボジイミド変性体との併用は、本発明において特
に好ましい。
【0033】前記ポリオールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソル
ビトールなどの少なくとも1種の多価アルコールと、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ダイマー酸などの少なくとも1種の二塩基酸とを縮
重合させて得られたポリエステルポリオール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ルなどのポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン
ポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0034】前記イソシアネートプレポリマーを調製す
る際には、必要により、各種添加剤を添加してもよい。
【0035】前記添加剤としては、例えば、前記ポリエ
ステルポリオールを調製する際に必要により用いられた
添加剤をはじめ、前記イソシアネートプレポリマーが自
己重合するのを防止するために、塩化水素ガス、亜硫酸
ガスなどの酸性ガス、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、
イソフタル酸クロリドなどの酸塩化物、燐酸、燐酸モノ
エチル、燐酸ジエチルなどの燐酸化合物などのイソシア
ネート自己重合防止剤を用いることができる。これらの
添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いること
ができる。
【0036】前記イソシアネートプレポリマーのNCO
%は、粘度が高くなって低圧発泡機での成形が困難とな
らないようにするために、15%以上、好ましくは17
%以上であることが望ましく、また粘度が低くなって発
泡機の計量精度が低くなることを避けるために、25%
以下、好ましくは22%以下であることが望ましい。
【0037】前記イソシアネートプレポリマーは、15
℃以上において液状を呈し、低圧でも吐出可能であるの
で、例えば、40〜50℃の成形温度でも何ら問題なく
ポリウレタンフォームの製造に供することができるもの
である。
【0038】製法Iにおいては、ポリオール成分とポリ
イソシアネート成分とを反応させるに際しては、両者の
割合は、イソシアネートインデックスが95〜105と
なるように調整することが好ましい。
【0039】製法Iにおいては、ポリオール成分とポリ
イソシアネート成分とを成形機により、混合、攪拌し、
成形型に注入し、発泡させることにより、ポリウレタン
フォームを成形することができる。より具体的には、例
えば、前記ポリオール成分をタンクなどを用いて、通常
40℃程度に調温したのち、自動混合注入型発泡機、自
動混合射出型発泡機などの発泡機を用いてポリイソシア
ネート成分と反応させることにより、ポリウレタンフォ
ームを成形することができる。
【0040】また、製法Iによれば、ポリオール成分と
ポリイソシアネート成分とを混合したのち、通常40〜
50℃程度に調温された発泡機によってウレタン靴底に
成形することができる。
【0041】なお、製法Iは、非発泡のエラストマーの
製造にも採用することができるが、靴底の製造に用いた
場合には、得られるポリウレタンフォームは、単位体積
あたりの樹脂量が減るにもかかわらず、引張強度、引裂
強度などの機械的強度を充分に向上させることができ
る。
【0042】つぎに、製法IIについて説明する。
【0043】製法IIにおいては、ポリイソシアネート成
分とポリオール成分とからなるイソシアネートプレポリ
マーと、ポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレ
タンフォームを製造する際に、前記イソシアネートプレ
ポリマーに用いられるポリオール成分が、(a)テレフ
タル酸と(b)アジピン酸とを含有し、テレフタル酸/
アジピン酸のモル比の値が0.05〜0.3である酸成
分と、多価アルコールとを縮重合させて得られたポリエ
ステルポリオールを含有したものが用いられる。
【0044】前記イソシアネートプレポリマーの製造原
料であるポリイソシアネート成分としては、例えば、前
記製法Iで用いられるポリイソシアネートモノマーなど
があげられる。
【0045】前記ポリイソシアネートモノマーの具体例
としては、前記製法Iで用いられるポリイソシアネート
モノマーの具体例と同じものが例示される。なお、これ
らの例示したもののなかでは、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート単独使用または該4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートとそのカルボジイミド変
性体との併用は、本発明において特に好ましい。
【0046】前記イソシアネートプレポリマーの製造原
料であるポリオール成分としては、前記で詳述したポリ
エステルポリオールを含有したものが用いられる。
【0047】製法IIにおいては、前記ポリエステルポリ
オールが用いられていることにより、得られるイソシア
ネートプレポリマーの粘度を好適に保持することができ
るので、優れた機械的強度を得られるポリウレタンフォ
ームに付与することができる。
【0048】また、ポリオール成分には、前記ポリエス
テルポリオール以外のポリオールが用いられる。かかる
ポリオールとしては、例えば、製法Iで用いられるもの
と同じものが例示される。
【0049】前記ポリオール成分中における前記ポリエ
ステルポリオールの含有量は、23〜58重量%、好ま
しくは31〜52重量%であることが望ましい。
【0050】前記ポリイソシアネート成分とポリオール
成分との割合は、NCO基/OH基の当量比が、通常、
5〜30程度となるように調整することが望ましい。
【0051】なお、イソシアネートプレポリマーを調製
する際には、例えば、自己重合防止剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤などの添加剤を必要により添加してもよい。
【0052】前記自己重合防止剤としては、前記製法I
においてイソシアネートプレポリマーを調製する際に添
加することができる自己重合防止剤と同じものが例示さ
れる。
【0053】前記酸化防止剤および紫外線吸収剤として
は、前記製法Iに用いられるポリポリオール成分に添加
しうるものと同じものが例示される。
【0054】つぎに、ポリイソシアネート成分、ポリオ
ール成分および必要により添加剤を常法により攪拌、反
応させることにより、イソシアネートプレポリマーが得
られる。
【0055】かくして得られるイソシアネートプレポリ
マーのNCO%は、粘度が高くなって低圧発泡機での成
形が困難とならないようにするために、12%以上、好
ましくは14%以上であることが望ましく、また粘度が
低くなって発泡機の計量精度が低くなることを避けるた
めに、25%以下、好ましくは22%以下であることが
望ましい。
【0056】前記イソシアネートプレポリマーは、15
℃以上において液状を呈し、低圧でも吐出可能であるの
で、例えば、40〜50℃の成形温度でも何ら問題なく
ポリウレタンフォームの製造に供することができるもの
である。
【0057】つぎに、前記イソシアネートプレポリマー
とポリオール成分とを反応、発泡させることにより、ポ
リウレタンフォームが得られる。
【0058】前記イソシアネートプレポリマーとの反応
に用いられるポリオール成分としては、製法Iにおいて
ポリオール成分に用いられるポリエステルポリオール以
外のポリオールと同じものが例示される。
【0059】なお、前記イソシアネートプレポリマーと
の反応に用いられるポリオール成分には、必要により、
鎖延長剤、発泡剤、ウレタン化触媒、安定剤、顔料など
を適宜、適量で添加してもよい。これらの成分として
は、前記製法Iに用いられるポリオール成分に添加しう
るものと同じものが例示される。
【0060】製法IIにおいては、ポリオール成分とポリ
イソシアネート成分とを反応させるに際しては、両者の
割合は、イソシアネートインデックスが95〜105と
なるように調整することが好ましい。
【0061】製法IIにおいては、イソシアネートプレポ
リマー、ポリオール成分および必要により添加剤を成形
機により、混合、攪拌し、成形型に注入し、発泡させる
ことにより、ポリウレタンフォームを成形することがで
きる。より具体的には、例えば、前記ポリオール成分を
タンクなどを用いて、通常40℃程度に調温したのち、
自動混合注入型発泡機、自動混合射出型発泡機などの発
泡機を用いてイソシアネートプレポリマーと反応させる
ことにより、ポリウレタンフォームを成形することがで
きる。
【0062】また、製法IIによれば、イソシアネートプ
レポリマーおよびポリオール成分を混合したのち、通常
40〜50℃程度に調温された発泡機によってウレタン
靴底に成形することができる。
【0063】なお、製法IIは、非発泡のエラストマーの
製造にも採用することができるが、靴底の製造に用いた
場合には、得られるポリウレタンフォームは、単位体積
あたりの樹脂量が減るにもかかわらず、引張強度、引裂
強度などの機械的強度を充分に向上させることができ
る。
【0064】かくして、上述の製法Iまたは製法IIによ
って得られるポリウレタンフォームの密度は、十分な機
械的強度が得られ、かつ低密度化が図られる意味から、
0.15〜1.0g/cm3 、好ましくは0.2〜0.
6g/cm3 である場合が実用的である。
【0065】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。なお、以下において、「部」とあるの
は、いずれも「重量部」を意味する。
【0066】調製例1(ポリエステルポリオールの製
造) 4つ口フラスコ内に、アジピン酸100部、テレフタル
酸12.6部およびエチレングリコール51.1部を仕
込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温
度計を該フラスコに装着した。なお、テレフタル酸/ア
ジピン酸のモル比の値は0.11であった。
【0067】つぎに、窒素ガスをフラスコ内に導入し、
突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃に
まで昇温した。
【0068】槽内が透明になったのを確認した後、徐々
に減圧し、さらに水を留去させた。
【0069】得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下に
なるまで反応を続けることにより、ポリエステルポリオ
ールAを得た。
【0070】得られたポリエステルポリオールAの物性
として、酸価、水酸基価、粘度、凝固点および数平均分
子量を調べた。
【0071】なお、酸価は JIS K 0070 、水酸基価は J
IS K 0070 、粘度は JIS Z 8803 、凝固点は JIS K 006
5 に準拠して測定した。数平均分子量は水酸基価から算
出した。
【0072】その結果、得られたポリエステルポリオー
ルAの酸価は0.86KOHmg/g、水酸基価は51.4KO
Hmg/g、60℃における粘度は1900cP、凝固点は
22℃、数平均分子量は2147であった。
【0073】調製例2(ポリエステルポリオールの製
造) 4つ口フラスコ内に、アジピン酸100部、テレフタル
酸12.6部および1,4−ブタンジオール75.2部
を仕込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管およ
び温度計を装着した。なお、テレフタル酸/アジピン酸
のモル比の値は、0.11であった。
【0074】つぎに、窒素ガスをフラスコ内に導入し、
突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃に
まで昇温した。
【0075】槽内が透明になったのを確認した後、徐々
に減圧し、さらに水を留去させた。
【0076】得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下に
なるまで反応を続けることにより、ポリエステルポリオ
ールBを得た。
【0077】得られたポリエステルポリオールBの物性
として、酸価、水酸基価、粘度、凝固点および数平均分
子量を製造例1と同様にして調べた。
【0078】その結果、得られたポリエステルポリオー
ルBの酸価は0.93KOHmg/g、水酸基価は50.4KO
Hmg/g、60℃における粘度は2250cP、凝固点は
27℃、数平均分子量は2186であった。
【0079】製造例1(ポリオール溶液の製造) 調製例1で得られたポリエステルポリオールA40部、
ポリエステルポリオール(エチレンジエチレンアジペー
ト、数平均分子量1,300)60部、鎖延長剤として
エチレングリコール11部、発泡剤として水1.05
部、触媒としてトリエチレンジアミン0.8部およびシ
リコーン系整泡剤1部を混合し、60℃に調温し、攪拌
してポリオール溶液1を得た。
【0080】得られたポリオール溶液1の物性として、
酸価、水酸基価および粘度を調製例1と同様にして調
べ、また水分量をJIS K 0068にしたがって調べた。
【0081】その結果、得られたポリオール溶液1の酸
価は0.21KOHmg/g、水酸基価は237.5KOHmg/
g、水分量は0.91重量%、40℃における粘度は1
480cPであった。
【0082】製造例2(ポリオール溶液の製造) 調製例1で得られたポリエステルポリオールA(40
部)、ポリエステルポリオール(エチレン−1,4−ブ
タンジオールアジペート、数平均分子量1,300)6
0部、鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡
剤として水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミ
ン0.8部およびシリコーン系整泡剤1部を混合し、6
0℃に調温し、攪拌してポリオール溶液2を得た。
【0083】得られたポリオール溶液2の物性を製造例
1と同様にして調べたところ、酸価は0.35KOHmg/
g、水酸基価は238.4KOHmg/g、水分量は0.92
重量%、40℃における粘度は1520cPであった。
【0084】製造例3(ポリオール溶液の製造) 調製例1で得られたポリエステルポリオールA(60
部)、ポリエステルポリオール(エチレン−1,4−ブ
タンジオールアジペート、数平均分子量1,300)4
0部、鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡
剤として水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミ
ン0.8部およびシリコーン系整泡剤1部を混合し、6
0℃に調温し、攪拌してポリオール溶液3を得た。
【0085】得られたポリオール溶液3の酸価は0.2
1KOHmg/g、水酸基価は232.1KOHmg/g、水分量は
0.91重量%、40℃における粘度は18870cP
で合った。
【0086】製造例4(ポリオール溶液の製造) 調製例2で得られたポリエステルポリオールB(40
部)、ポリエステルポリオール(エチレン−1,4−ブ
タンジオールアジペート、数平均分子量1,300)6
0部、鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡
剤として水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミ
ン0.8部およびシリコーン系整泡剤1部を仕込み、6
0℃に調温し、攪拌してポリオール溶液4を得た。
【0087】得られたポリオール溶液4の酸価は0.1
8KOHmg/g、水酸基価は238.3KOHmg/g、水分量は
0.91重量%、40℃における粘度は1560cPで
あった。
【0088】製造例5(ポリオール溶液の製造) ポリエステルポリオール(エチレン−1,4−ブタンジ
オールアジペート、数平均分子量2,200)40部、
ポリエステルポリオール(エチレン−1,4−ブタンジ
オールアジペート、数平均分子量1,300)60部、
鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡剤とし
て水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミン0.
8部およびシリコーン系整泡剤1部を仕込み、60℃に
調温し、攪拌し、ポリオール溶液5を得た。
【0089】得られたポリオール溶液5の酸価は0.2
1KOHmg/g、水酸基価は232.0KOHmg/g、水分量は
0.91重量%、40℃における粘度は1210cPで
あった。
【0090】実施例1〜4 製造例1〜4で得られたポリオール溶液1〜4と、イソ
シアネートプレポリマー(花王(株)製、商品名:B−
2009、NCO%:18.5%)とを自動混合型射出
発泡機(ポリウレタンエンジニアリング社製、形式MU
−203S、型番6−018)に仕込み、以下の成形条
件にて発泡させ、10mm×100mm×30mmのポ
リウレタンフォームシートを作製した。なお、各実施例
で使用したポリオール溶液を表1に示す。
【0091】 〔成形条件〕 イソシアネートインデックス:100〜103 混合温度:イソシアネートプレポリマーおよびポリオール成分の温度をいずれ も35〜45℃に調節。 反応性 :クリームタイム 5〜10秒間 シルクタイム 15〜25秒間 ライズタイム 35〜60秒間 タックフリータイム 30〜55秒間 脱型時間 4.5〜5.5分間 モールド:金型温度 45〜55℃ 離型剤 シリコーンおよびワックス 密度 :フリーフォーム密度 0.12〜0.32g/cm3 成形体密度 0.35g/cm3 熟成条件:常温下で1週間
【0092】つぎに、得られたシートの物性として、C
硬度、引張強度(抗張力)、引裂強度、破断伸度)を以
下の方法にしたがって測定した。その結果を表1に示
す。
【0093】〔シートの物性〕 C硬度(ASKER−C):SRIS 0101に準拠
して測定 引張強度:JIS 1号ダンベルを用いてJIS K
6301に準拠して測定 引裂強度:JIS K 7311に準拠して測定 破断伸度:JIS 1号ダンベルを用いて JIS K 6301 に準
拠して測定
【0094】比較例1 実施例1において、ポリオール溶液およびイソシアネー
トプレポリマーとして、製造例5で得られたポリオール
溶液5と、イソシアネートプレポリマー(花王(株)
製、B−2009;NCO%:18.5%)とを用いた
ほかは、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームシ
ートを作製した。
【0095】得られたポリウレタンフォームシートの物
性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示
す。
【0096】
【表1】
【0097】表1に示された結果から、実施例1〜4で
得られたポリウレタンフォームシートは、比較例1と対
比して、成形体密度が同程度でありながら、引張強度お
よび引裂強度に顕著に優れていることがわかる。
【0098】調製例3(ポリエステルポリオールの製
造) 4つ口フラスコ内に、アジピン酸100部、テレフタル
酸2.27部およびエチレングリコール46.9部を仕
込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温
度計を装着した。なお、テレフタル酸/アジピン酸のモ
ル比の値は0.02であった。
【0099】つぎに、窒素ガスをフラスコ内に導入し、
突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃に
まで昇温した。
【0100】槽内が透明になったのを確認した後、徐々
に減圧し、さらに水を留去させた。
【0101】得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下に
なるまで反応を続けることにより、白色固体のポリエス
テルポリオールCを得た。
【0102】得られたポリエステルポリオールCの物性
として、酸価、水酸基価、粘度、凝固点および数平均分
子量を製造例1と同様にして調べた。
【0103】その結果、得られたポリエステルポリオー
ルCの酸価は0.35KOHmg/g 、水酸基価は50.4KO
Hmg/g 、60℃における粘度は1400cP、凝固点は
48℃、数平均分子量は2211であった。
【0104】調製例4(ポリエステルポリオールの製
造) 4つ口フラスコ内に、アジピン酸100部、テレフタル
酸45.8部、エチレングリコール64.6部を仕込ん
だのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計
を装着した。なお、テレフタル酸/アジピン酸のモル比
の値は0.40であった。
【0105】つぎに、窒素ガスをフラスコ内に導入し、
突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃に
まで昇温した。
【0106】槽内が透明になったのを確認した後、徐々
に減圧し、さらに水を留去させた。
【0107】得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下に
なるまで反応を続けることにより、透明固体のポリエス
テルポリオールDを得た。
【0108】得られたポリエステルポリオールDの物性
として、酸価、水酸基価、粘度、凝固点および数平均分
子量を製造例1と同様にして調べた。
【0109】その結果、得られたポリエステルポリオー
ルDの酸価は0.74KOHmg/g 、水酸基価は50.3KO
Hmg/g 、凝固点は62℃、数平均分子量は2119であ
った。
【0110】製造例6(イソシアネートプレポリマーの
製造) 4つ口フラスコ内に、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート100部を仕込み、60℃に調温し、攪拌
棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。
【0111】つぎに、フラスコ内の内容物を激しく攪拌
しながら、窒素気流中で調製例1で得られたポリエステ
ルポリオールA(72.5部)を40℃で徐々に滴下
し、槽内の温度を50〜70℃に保持して2時間反応さ
せた。
【0112】つぎに、フラスコ内に、カルボジイミド変
性MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネ
ートMX)11部を添加し、さらに1時間熟成させてイ
ソシアネートプレポリマー(NCO%:18.5%、6
0℃における粘度:225cP)を得た。
【0113】製造例7(イソシアネートプレポリマーの
製造) 4つ口フラスコ内に、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート100部を仕込み、60℃に調温し、攪拌
棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。
【0114】つぎに、フラスコ内の内容物を激しく攪拌
しながら、窒素気流中で調製例2で得られたポリエステ
ルポリオールB(72.5部)を40℃で徐々に滴下
し、槽内の温度を50〜70℃に保持して2時間反応さ
せた。
【0115】つぎに、フラスコ内に、カルボジイミド変
性MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネ
ートMX)11部を添加し、さらに1時間熟成させてイ
ソシアネートプレポリマー(NCO%:18.5%、6
0℃における粘度:335cP)を得た。
【0116】製造例8(イソシアネートプレポリマーの
製造) 調製例3で得られたポリエステルポリオールCは、その
凝固点が高く、40℃で滴下させることができないた
め、調製例1〜2で得られたポリエステルポリオールB
〜Cと同様に取り扱うことができなかった。
【0117】したがって、調製例3で得られたポリエス
テルポリオールを用いてプレポリマーを製造することが
容易ではなかった。
【0118】製造例9(イソシアネートプレポリマーの
製造) 調製例4で得られたポリエステルポリオールDを用いて
製造例6〜7と同様にイソシアネートプレポリマーを製
造しようと試みたが、かかるポリエステルポリオールD
は凝固点および粘度が高いため、40℃では勿論のこ
と、90℃に調温し、徐々に滴下させようと試みたが、
仕込み配管に詰まりが生じてしまい、目的のイソシアネ
ートプレポリマーを得ることができなかった。
【0119】そこで、ポリエステルポリオールDの温度
をさらに高め、滴下することができる状態で反応を行な
ったところ、プレポリマー化反応による発熱が加わって
反応が暴走し、ゲル化に至った。
【0120】実施例5〜6および比較例2 ポリエステルポリオールA(原料モノマー:エチレング
リコール、ジエチレングリコールおよびアジピン酸、数
平均分子量2,200)100部、エチレングリコール
11部、水1.05部、トリエチレンジアミン0.8部
およびシリコーン整泡剤1部を添加し、混合してポリオ
ール成分を得た。
【0121】つぎに、得られたポリオール成分と、製造
例6〜7で得られたイソシアネートプレポリマーまたは
イソシアネートプレポリマー(花王(株)製、商品名:
B−2009、NCO%:18.5%)とを用い、実施
例1と同様にしてポリウレタンフォームシートを作製し
た。
【0122】得られたポリウレタンフォームシートの物
性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示
す。
【0123】実施例7〜8および比較例3 ポリエステルポリオール(原料モノマー:エチレングリ
コール、1,4−ブチレングリコール、アジピン酸、数
平均分子量2,200)60部およびポリエステルポリ
オール(原料モノマー:エチレングリコール、1,4−
ブチレングリコールおよびアジピン酸、数平均分子量
1,300)40部、エチレングリコール11部、水
1.65部、トリエチレンジアミン0.8部およびシリ
コーン整泡剤1部を添加し、混合してフォーム形成用の
ポリオール成分を得た。
【0124】つぎに、得られたポリオール成分と、製造
例6〜7で得られたイソシアネートプレポリマーまたは
イソシアネートプレポリマー(花王(株)製、商品名:
B−2009、NCO%:18.5%)とを用い、実施
例1と同様にしてポリウレタンフォームシートを作製し
た。
【0125】得られたポリウレタンフォームシートの物
性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示
す。
【0126】
【表2】
【0127】表2に示された結果から、実施例5〜9で
得られたポリウレタンフォームシートは、比較例2〜3
と対比して、成形体密度が同程度でありながら、引張強
度および引裂強度に顕著に優れていることがわかる。
【0128】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、特にポリウ
レタン靴底のようなポリウレタンフォームの成形におい
て、低密度であっても、外観、風合などを損なうことな
く、引張強度、引裂強度などの物性が著しく改善された
ポリウレタンフォームを製造することができるという効
果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井樋 昭人 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 (72)発明者 大久保 真 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)テレフタル酸と(b)アジピン酸
    とを含有し、テレフタル酸/アジピン酸のモル比が0.
    05〜0.3である酸成分と、多価アルコールとを縮重
    合させてなるポリエステルポリオール。
  2. 【請求項2】 数平均分子量500〜3000を有する
    請求項1記載のポリエステルポリオール。
  3. 【請求項3】 多価アルコールがエチレングリコールお
    よび/または1,4−ブタンジオールである請求項1ま
    たは2記載のポリエステルポリオール。
  4. 【請求項4】 ポリイソシアネート成分とポリオール成
    分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造す
    る方法において、前記ポリオール成分が、(a)テレフ
    タル酸と(b)アジピン酸とを含有し、テレフタル酸/
    アジピン酸のモル比が0.05〜0.3である酸成分
    と、多価アルコールとを縮重合させてなるポリエステル
    ポリオールを含有したものであることを特徴とするポリ
    ウレタンフォームの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリオール成分中における前記ポリエス
    テルポリオールの含有量が10〜80重量%である請求
    項4記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリイソシアネート成分とポリオール成
    分とから調製されるイソシアネートプレポリマーと、ポ
    リオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォー
    ムを製造する方法において、前記イソシアネートプレポ
    リマーに用いられるポリオール成分が、(a)テレフタ
    ル酸と(b)アジピン酸とを含有し、テレフタル酸/ア
    ジピン酸のモル比が0.05〜0.3である酸成分と、
    多価アルコールとを縮重合させてなるポリエステルポリ
    オールを含有したものであることを特徴とするポリウレ
    タンフォームの製造方法。
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