JP3781150B2 - ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォームの製造方法に関する。さらに詳しくは、高機械的強度を有し、靴底などとして好適に用いられるポリウレタンフォームの製造方法、および該ポリウレタンフォームの原料として用いられるポリエステルポリオールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンフォームは、耐衝撃性、耐薬品性、耐摩耗性、耐寒性などに優れた樹脂フォームである。かかるポリウレタンフォームの原料であるポリオールとポリイソシアネートとを適宜、組合せることにより、硬質から軟質に至るまで幅広い性状を有するポリウレタンフォームを製造することができる。
【0003】
硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、ポリオールとして比較的分子量が低い多官能ポリオールが用いられる。また、軟質ポリウレタンフォームを製造する場合、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどの比較的分子量が高い低官能基数を有するポリオールが用いられる。
【0004】
前記ポリウレタンフォームの密度は、水、フロンなどの発泡剤の添加量を調整することにより、所定の値に設定することができる。
【0005】
一般に、ポリウレタンフォームの成形体を製造する場合、該ポリウレタンフォームの密度は、低いほうがコストが低くなるので好ましいが、かかる密度を低くすると単位体積あたりの樹脂量が減少するため、機械的強度が低下する。
【0006】
そこで、成形品の機械的強度を向上させるために、架橋剤、多官能ポリオール、芳香族ポリオールなどをポリオールに添加することが提案されている。
【0007】
しかしながら、架橋剤や多官能ポリオールをイソシアネートプレポリマーの調整の際に用いた場合には、ゲル化を引き起こすという問題がある。また、芳香族ポリオールを用いた場合には、該芳香族ポリオールの粘度および融点が著しく高いことから、該芳香族ポリオールを用いて得られたプレポリマーからポリウレタンフォームを製造する際には、該ポリウレタンフォームの製造条件に適するプレポリマーの粘度および融点に調整することが困難であるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、低密度で、良好な外観および風合を有し、引張り強度、引裂強度などの機械的強度に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(1) ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記ポリイソシアネート成分が、NCO%が15〜25%であるイソシアネートプレポリマーであり、前記ポリオール成分が、
(A)テレフタル酸と、脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有してなる酸成分と、
(B)多価アルコールとしてエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオール
とを縮重合させてなり、40℃で液状を呈し、かつ60℃における粘度が10000cP以下であるポリエステルポリオール
を含有したものであることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法、
(2) ポリオール成分中における前記ポリエステルポリオールの含有量が10〜95重量%である前記(1)記載のポリウレタンフォームの製造方法、ならびに
(3) ポリイソシアネート成分とポリオール成分とから調製されるイソシアネートプレポリマーであって、NCO%が12〜25%であるイソシアネートプレポリマーと、ポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記イソシアネートプレポリマーの調製の際に用いられるポリオール成分が、
(A)テレフタル酸と、脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有してなる酸成分と、
(B)多価アルコールとしてエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオール
とを縮重合させてなり、40℃で液状を呈し、かつ60℃における粘度が10000cP以下であるポリエステルポリオール
を含有したものであることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルポリオールは、後述するように、ポリウレタンフォームの製造の際に、その原料として有用なものである。
【0011】
本発明のポリエステルポリオールは、前記したように、
(A)テレフタル酸と、脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有してなる酸成分と、
(B)多価アルコール
とを縮重合させることにより、得られるものである。
【0012】
前記脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸、トリデカメチレンジカルボン酸、テトラデカメチレンジカルボン酸、ペンタデカメチレンジカルボン酸、ヘキサデカメチレンジカルボン酸、ペプタデカメチレンジカルボン酸、オクタデカメチレンジカルボン酸、ノナデカメチレンジカルボン酸、イコサメチレンジカルボン酸、ヘンイコサメチレンジカルボン酸、ドコサメチレンジカルボン酸、テトラコサメチレンジカルボン酸、オクタコサメチレンジカルボン酸、ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、ダイマー酸、クエン酸、酒石酸、スピクリスポール酸などがあげられ、これらの脂肪族多塩基酸は、それぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることができる。これらの脂肪族多塩基酸のなかでは、セバシン酸およびアゼライン酸は、得られるポリウレタンフォームに、優れた耐加水分解性および引張り強度をバランスよく付与し、安全性が高く、安価であるという観点から、本発明においては好適に使用しうるものである。
【0013】
本発明に用いられる酸成分は、前記したように、テレフタル酸と脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有したものであるが、ここで前記「含有し」とは、前記酸成分がテレフタル酸と脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とで構成されていることのほか、前記酸成分中にテレフタル酸および脂肪族多塩基酸以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲内の量で他の酸成分が含まれていてもよいことを意味する。かかる他の酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラブロモフタル酸などのハロゲン含有ジカルボン酸、一般式:
【0014】
【化1】
【0015】
〔式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基または置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す〕
で表わされるフタル酸誘導体、一般式:
【0016】
【化2】
【0017】
〔式中、R2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基または置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す〕
で表わされるナフタレン誘導体などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0018】
なお、本発明においては、前記酸成分は、テレフタル酸および脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)で構成されていることが好ましい。
【0019】
前記酸成分において、テレフタル酸/脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)のモル比は、凝固点が高くならないようにし、成形条件(成形温度:約40℃)で液状を呈するようにするために、0.05以上、好ましくは0.08以上とすることが望ましく、また成形する際の射出や注入を容易にする観点から、0.2以下、好ましくは0.15以下とすることが望ましい。なお、ポリウレタンフォームを製造する際のポリオール成分に前記ポリエステルポリオールを用いる場合には、前記テレフタル酸/脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)のモル比は、0.15以下、好ましくは0.12以下であることが望ましい。
【0020】
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1.10−デカンジオールなどがあげられ、これらの多価アルコールは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの多価アルコールのなかでは、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールは、優れた引張り強度などの物性を有するポリウレタンフォームを得る観点から、本発明において好適に使用しうるものである。前記エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
【0021】
本発明のポリエステルポリオールは、前記酸成分と前記多価アルコールとを縮重合させることによって得られる。
【0022】
前記酸成分と前記多価アルコールとの割合に関しては、前記酸成分と前記多価アルコールとの反応が縮重合反応であることから、化学量論的には、前記酸成分のCOOH基と前記多価アルコールのOH基との当量比〔COOH/OH〕が1よりも小さいことが好ましい。
【0023】
前記酸成分と前記多価アルコールとを縮重合させる方法としては、通常、ポリエステルを製造する際に採用されている方法であればよく、特に限定はない。
【0024】
前記酸成分と前記多価アルコールとを縮重合させることによって得られるポリエステルポリオールとしては、40℃で液状を呈し、かつ60℃における粘度が10000cP以下のものが用いられる。
【0025】
前記ポリエステルポリオールとして、40℃で液状を呈するものが用いられるのは、一般に用いられている自動混合型射出発泡機において原料タンクおよび原料循環の管理温度が40℃付近であるからである。なお、ここで「40℃で液状を呈する」とは、40℃において流動性を呈することを意味し、前記ポリエステルポリオールの粘度が40℃において20000cP以下であることを示す。
【0026】
また、前記ポリエステルポリオールの60℃における粘度は、10000cP以下、好ましくは3000cP以下とされるのは、ポリウレタンフォームを成形する際の射出成形性を向上させ、安定した吐出を行なうためである。
【0027】
前記ポリエステルポリオールの粘度、融点などを考慮すれば、該ポリエステルポリオールの数平均分子量は、500〜3000、好ましくは1000〜2500であることが望ましい。
【0028】
かくして得られるポリエステルポリオールは、ポリウレタンフォームの原料として好適に使用しうるものである。
【0029】
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、前記ポリエステルポリオールが用いられている点に大きな特徴を有する。このように、本発明においては、前記ポリエステルポリオールが用いられていることにより、得られるポリウレタンフォームは、すぐれた機械的強度を有する。
【0030】
前記ポリエステルポリオールを用いた本発明のポリウレタンフォームの製造方法には、主として、次の2つの方法がある。
【0031】
すなわち、
(1)ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する際に、前記ポリオール成分として、前記ポリエステルポリオールを含有したものを用いる方法(以下、製法Iという)、および
(2)ポリイソシアネート成分とポリオール成分とから調製されるイソシアネートプレポリマーと、ポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する際に、前記イソシアネートプレポリマーの調製に用いられるポリオール成分として、前記ポリエステルポリオールを含有したものを用いる方法(以下、製法IIという)
がある。
【0032】
まず、製法Iについて説明する。
【0033】
製法Iにおいては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応、発泡させる際に用いられるポリオール成分として、前記ポリエステルポリオールを含有したものが用いられる。
【0034】
前記「ポリエステルポリオールを含有し」とは、前記ポリオール成分がポリエステルポリオールのみで構成されていることを意味することのほか、該ポリエステルポリオール以外にも、他のポリオールが含まれていてもよいことを意味する。
【0035】
前記他のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトールなどの少なくとも1種の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸などの少なくとも1種の二塩基酸とを縮重合させて得られたポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0036】
前記ポリオール成分中における前記ポリエステルポリオールの含有量は、該ポリオール成分の液状および粘度を好適に保ち、機械的強度に優れたポリウレタンフォームを製造する観点から、10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは40〜90重量%であることが望ましい。
【0037】
なお、本発明においては、前記ポリオール成分には、必要により、例えば、鎖延長剤、発泡剤、ウレタン化触媒、整泡剤、安定剤、顔料などを適宜、適量で添加してもよい。
【0038】
前記鎖延長剤としては、低分子量で分子内に2個以上の活性水素を有する化合物を用いることができる。かかる鎖延長剤の代表例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトールなどの多価アルコール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族多価アミン、芳香族多価アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミンなどがあげられる。
【0039】
前記発泡剤としては、例えば、水をはじめ、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオルメタン、トリクロロジフルオロエタンなどのフルオロカーボン類などがあげられ、これらの発泡剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0040】
前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N’−ジエチルベンジルアミンなどの第3級アミン、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II) 、ラウリン酸錫(II) 、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジクロリドなどの錫化合物などがあげられる。これらのウレタン化触媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
前記整泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン、アルキレングリコール変性ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系界面活性剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩、スルホン酸塩などの陰イオン系界面活性剤などがあげられる。
【0042】
前記安定剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤、亜燐酸、トリフェニルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリフェニルフォスフィンなどの亜燐酸化合物などの酸化防止剤;2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物などの紫外線吸収剤などがあげられる。
【0043】
前記顔料としては、例えば、遷移金属塩に代表される無機顔料、アゾ化合物に代表される有機顔料、炭素粉などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0044】
前記ポリオール成分は、室温で液状であり、低圧でも射出が可能であるので、後述するポリイソシアネート成分と反応させることにより、何ら問題なくポリウレタンフォームを成形させることができる。
【0045】
製法Iに用いられるポリイソシアネート成分の代表例としては、例えば、イソシアネートプレポリマーなどがあげられる。
【0046】
前記イソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートモノマーとポリオールとをポリイソシアネートモノマーの過剰の存在下で、常法により攪拌、反応させることによって得られる。
【0047】
前記ポリイソシアネートモノマーの具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、それらの変性体、例えばカルボジイミド変性体などがあげられる。これらのポリイソシアネートモノマーは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート単独使用または該4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとそのカルボジイミド変性体との併用は、本発明において特に好ましい。
【0048】
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトールなどの少なくとも1種の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸などの少なくとも1種の二塩基酸とを縮重合させて得られたポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0049】
なお、イソシアネートプレポリマーを調製する際には、必要により、添加剤を添加してもよい。
【0050】
前記添加剤としては、例えば、前記ポリエステルポリオールを調製する際に必要により用いられる添加剤をはじめ、前記イソシアネートプレポリマーが自己重合するのを防止するために、塩化水素ガス、亜硫酸ガスなどの酸性ガス、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、イソフタル酸クロリドなどの酸塩化物、燐酸、燐酸モノエチル、燐酸ジエチルなどの燐酸化合物などのイソシアネート自己重合防止剤を用いることができる。これらの添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0051】
前記イソシアネートプレポリマーのNCO%は、粘度が高くなって低圧発泡機での成形が困難とならないようにするために、15%以上、好ましくは17%以上であることが望ましく、また粘度が低くなって発泡機の計量精度が低くなることを避けるために、25%以下、好ましくは22%以下であることが望ましい。
【0052】
前記イソシアネートプレポリマーは、15℃以上において液状を呈し、低圧でも吐出可能であるので、例えば、40〜50℃の成形温度でも何ら問題なくポリウレタンフォームの製造に供することができるものである。
【0053】
製法Iにおいては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させるに際しては、両者の割合は、イソシアネートインデックスが95〜105となるように調整することが好ましい。
【0054】
製法Iにおいては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを成形機により、混合、攪拌し、成形型に注入し、発泡させることにより、ポリウレタンフォームを成形することができる。より具体的には、例えば、前記ポリオール成分をタンクなどを用いて、通常40℃程度に調温したのち、自動混合注入型発泡機、自動混合射出型発泡機などの発泡機を用いてポリイソシアネート成分と反応させることにより、ポリウレタンフォームを成形することができる。
【0055】
また、製法Iによれば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを混合したのち、通常40〜50℃程度に調温された発泡機によってウレタン靴底に成形することができる。
【0056】
なお、製法Iは、非発泡のエラストマーの製造にも採用することができるが、靴底を製造する際に用いた場合には、得られるポリウレタンフォームは、単位体積あたりの樹脂量が減るにもかかわらず、引張り強度、引裂強度などの機械的強度を充分に向上させることができる。
【0057】
次に、製法IIについて説明する。
【0058】
製法IIにおいては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とから調製されるイソシアネートプレポリマーと、ポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する際に、イソシアネートプレポリマーの調製に用いられるポリオール成分が、前記(A)テレフタル酸と、脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有してなる酸成分と、(B)多価アルコールとを縮重合させて得られた、40℃で液状を呈し、かつ60℃における粘度が10000cP以下であるポリエステルポリオールを含有したものが用いられる。
【0059】
前記イソシアネートプレポリマーの製造原料であるポリイソシアネート成分としては、例えば、前記製法Iで用いられるポリイソシアネートモノマーなどがあげられる。
【0060】
前記ポリイソシアネートモノマーの具体例としては、前記製法Iで用いられるポリイソシアネートモノマーの具体例と同じものが例示される。なお、これらの例示したもののなかでは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート単独使用または該4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとそのカルボジイミド変性体との併用は、本発明において特に好ましい。
【0061】
前記イソシアネートプレポリマーの製造原料であるポリオール成分としては、前記ポリエステルポリオールを含有したものが用いられる。
【0062】
製法IIにおいては、このように、前記ポリエステルポリオールが用いられていることにより、得られるイソシアネートプレポリマーの粘度を好適に保持することができるので、優れた機械的強度をポリウレタンフォームに付与することができる。
【0063】
ここで、前記「ポリエステルポリオールを含有し」とは、前記ポリエステルポリオールのみが使用されていることを意味することのほか、前記ポリエステルポリオール以外にも他のポリオール成分が含有されていることを意味する。
【0064】
前記ポリオール成分としては、例えば、製法Iで用いられるものと同じものが例示される。
【0065】
前記ポリオール成分中における前記ポリエステルポリオールの含有量は、10〜100重量%、好ましくは50〜100重量%であることが好ましい。
【0066】
また、本発明においては、前記ポリイソシアネート成分とポリオール成分との割合は、NCO基/OH基の当量比が、通常、5〜30程度となるように調整することが望ましい。
【0067】
なお、イソシアネートプレポリマーを調製する際には、例えば、自己重合防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を必要により添加してもよい。
【0068】
前記自己重合防止剤としては、前記製法Iにおいてイソシアネートプレポリマーを調製する際に添加することができる自己重合防止剤と同じものが例示される。
【0069】
前記酸化防止剤および紫外線吸収剤としては、前記製法Iに用いられるポリポリオール成分に添加しうるものと同じものが例示される。
【0070】
次に、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分および必要により添加剤を常法により攪拌、反応させることにより、イソシアネートプレポリマーが得られる。
【0071】
かくして得られるイソシアネートプレポリマーのNCO%は、粘度が高くなって低圧発泡機での成形が困難とならないようにするために、12%以上、好ましくは14%以上であることが望ましく、また粘度が低くなって発泡機の計量精度が低くなることを避けるために、25%以下、好ましくは22%以下であることが望ましい。
【0072】
前記イソシアネートプレポリマーは、15℃以上において液状を呈し、低圧でも吐出可能であるので、例えば、40〜50℃の成形温度でも何ら問題なくポリウレタンフォームの製造に供することができるものである。
【0073】
次に、前記イソシアネートプレポリマーとポリオール成分とを反応、発泡させることにより、ポリウレタンフォームが得られる。
【0074】
前記イソシアネートプレポリマーとの反応に用いられるポリオール成分としては、製法Iにおいてポリオール成分に用いられるポリエステルポリオール以外の他のポリオールと同じものが例示される。
【0075】
なお、前記イソシアネートプレポリマーとの反応に用いられるポリオール成分には、必要により、鎖延長剤、発泡剤、ウレタン化触媒、安定剤、顔料などを適宜、適量で添加してもよい。これらの成分としては、前記製法Iに用いられるポリオール成分に添加しうるものと同じものが例示される。
【0076】
製法IIにおいては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させるに際しては、両者の割合は、イソシアネートインデックスが95〜105となるように調整することが好ましい。
【0077】
製法IIにおいては、イソシアネートプレポリマー、ポリオール成分および必要により添加剤を成形機により、混合、攪拌し、成形型に注入し、発泡させることにより、ポリウレタンフォームを成形することができる。より具体的には、例えば、前記ポリオール成分をタンクなどを用いて、通常40℃程度に調温したのち、自動混合注入型発泡機、自動混合射出型発泡機などの発泡機を用いてイソシアネートプレポリマーと反応させることにより、ポリウレタンフォームを成形することができる。
【0078】
また、製法IIによれば、イソシアネートプレポリマーおよびポリオール成分を混合したのち、通常40〜50℃程度に調温された発泡機によってウレタン靴底に成形することができる。
【0079】
なお、製法IIは、非発泡のエラストマーの製造にも採用することができるが、靴底の製造に用いた場合には、得られるポリウレタンフォームは、単位体積あたりの樹脂量が減るにもかかわらず、引張り強度、引裂強度などの機械的強度を充分に向上させることができる。
【0080】
かくして、上述の製法Iまたは製法IIによって得られるポリウレタンフォームの成形体密度は、十分な機械的強度が得られ、かつ低密度化が図られる意味から、0.15〜1.0g/cm3 、好ましくは0.2〜0.6g/cm3 である場合が実用的である。
【0081】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、「部」とあるのは、いずれも「重量部」を意味する。
【0082】
調製例1(ポリエステルポリオールAの製造)
4つ口フラスコ内に、セバシン酸100部、テレフタル酸9.12部およびエチレングリコール37.7部を仕込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を該フラスコに装着した。なお、テレフタル酸/セバシン酸のモル比の値は0.11であった。
【0083】
次に、窒素ガスをフラスコ内に導入し、突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃にまで昇温した。
【0084】
フラスコ内が透明になったのを確認した後、徐々に減圧し、さらに水を留去させた。
【0085】
得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下になるまで反応を続けることにより、40℃で液状を呈するポリエステルポリオールAを得た。
【0086】
得られたポリエステルポリオールAの物性として、酸価、水酸基価、粘度、凝固点および数平均分子量を調べた。
【0087】
なお、酸価は JIS K 0070 、水酸基価は JIS K 0070 、粘度は JIS Z 8803 、凝固点は JIS K 0065 に準拠して測定した。数平均分子量は水酸基価から算出した。
【0088】
その結果、得られたポリエステルポリオールAの酸価は0.20KOHmg/g、水酸基価は51.2KOHmg/g、60℃における粘度は2200cP、凝固点は25〜28℃、数平均分子量は2192であった。
【0089】
調製例2(ポリエステルポリオールBの製造)
4つ口フラスコ内に、セバシン酸100部、テレフタル酸9.12部および1,4−ブタンジオール55.5部を仕込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。なお、テレフタル酸/セバシン酸のモル比の値は、0.11であった。
【0090】
次に、窒素ガスをフラスコ内に導入し、突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃にまで昇温した。
【0091】
フラスコ内が透明になったのを確認した後、徐々に減圧し、さらに水を留去させた。
【0092】
得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下になるまで反応を続けることにより、40℃で液状を呈するポリエステルポリオールBを得た。
【0093】
得られたポリエステルポリオールBの物性として、酸価、水酸基価、粘度、凝固点および数平均分子量を調製例1と同様にして調べた。
【0094】
その結果、得られたポリエステルポリオールBの酸価は0.23KOHmg/g、水酸基価は51.5KOHmg/g、60℃における粘度は2280cP、凝固点は25〜28℃、数平均分子量は2179であった。
【0095】
製造例1(ポリオール成分Aの製造)
調製例1で得られたポリエステルポリオールA40部、ポリエステルポリオール〔原料モノマー:エチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびアジピン酸、エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(重量比)=1/1、数平均分子量:1300〕60部、鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡剤として水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミン0.8部およびシリコーン系整泡剤1部を混合し、60℃に調温し、攪拌してポリオール成分Aを得た。
【0096】
得られたポリオール成分Aの物性として、酸価、水酸基価および粘度を調製例1と同様にして調べ、また水分量をJIS K 0068にしたがって調べた。
【0097】
その結果、得られたポリオール成分Aの酸価は0.32KOHmg/g、水酸基価は244.3KOHmg/g、水分量は0.91重量%、40℃における粘度は1086cPであった。
【0098】
製造例2(ポリオール成分Bの製造)
調製例2で得られたポリエステルポリオールB40部、ポリエステルポリオール〔原料モノマー:エチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびアジピン酸、エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(重量比)=1/1、数平均分子量:1300〕60部、鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡剤として水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミン0.8部およびシリコーン系整泡剤1部を混合し、60℃に調温し、攪拌してポリオール成分Bを得た。
【0099】
得られたポリオール成分Bの物性を製造例1と同様にして調べたところ、酸価は0.33KOHmg/g、水酸基価は244.4KOHmg/g、水分量は0.94重量%、40℃における粘度は1164cPであった。
【0100】
製造例3(ポリオール成分Cの製造)
ポリエステルポリオール(ポリエチレン−1,4−ブタンジオールアジペート、数平均分子量:2200)40部、ポリエステルポリオール(ポリエチレン−1,4−ブタンジオールアジペート、数平均分子量:1300)60部、鎖延長剤としてエチレングリコール11部、発泡剤として水1.05部、触媒としてトリエチレンジアミン0.8部およびシリコーン系整泡剤1部を仕込み、60℃に調温し、攪拌し、ポリオール成分Cを得た。
【0101】
得られたポリオール成分Cの酸価は0.21KOHmg/g、水酸基価は232.0KOHmg/g、水分量は0.91重量%、40℃における粘度は1210cPであった。
【0102】
実施例1〜2
製造例1〜2で得られたポリオール成分A〜Bと、イソシアネートプレポリマー(花王(株)製、商品名:B−2009、NCO%:18.5%)とを自動混合型射出発泡機(ポリウレタンエンジニアリング社製、形式MU−203S、型番6−018)に仕込み、以下の成形条件にて発泡させ、10mm×100mm×30mmのポリウレタンフォームシートを作製した。なお、各実施例で使用したポリオール成分を表1に示す。
【0103】
〔成形条件〕
イソシアネートインデックス:100〜103
混合温度:イソシアネートプレポリマーおよびポリオール成分の温度をいずれ
も35〜45℃に調節。
【0104】
次に、得られたシートの物性として、硬度、引張り強度(抗張力)、引裂強度および破断伸度を以下の方法にしたがって測定した。その結果を表1に示す。
【0105】
〔シートの物性〕
硬度(ASKER−C):SRIS 0101に準拠して測定
引張り強度:JIS 1号ダンベルを用いてJIS K 6301に準拠して測定
引裂強度:JIS K 7311に準拠して測定
破断伸度:JIS 1号ダンベルを用いて JIS K 6301 に準拠して測定
【0106】
比較例1
実施例1において、ポリオール成分およびイソシアネートプレポリマーとして、製造例3で得られたポリオール成分Cと、イソシアネートプレポリマー(花王(株)製、B−2009;NCO%:18.5%)とを用いたほかは、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームシートを作製した。
【0107】
得られたポリウレタンフォームシートの物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
表1に示された結果から、実施例1〜2で得られたポリウレタンフォームシートは、比較例1で得られたポリウレタンフォームシートと対比して、成形体密度が同程度でありながら、引張り強度および引裂強度に顕著に優れていることがわかる。
【0110】
調製例3(ポリエステルポリオールCの製造)
4つ口フラスコ内に、セバシン酸100部、テレフタル酸1.64部およびエチレングリコール51.0部を仕込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。なお、テレフタル酸/セバシン酸のモル比の値は0.02であった。
【0111】
次に、窒素ガスをフラスコ内に導入し、突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃にまで昇温した。
【0112】
フラスコ内が透明になったのを確認した後、徐々に減圧し、さらに水を留去させた。
【0113】
得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下になるまで反応を続けることにより、白色固体のポリエステルポリオールCを得た。
【0114】
得られたポリエステルポリオールCの物性として、酸価、水酸基価および数平均分子量を調製例1と同様にして調べた。
【0115】
その結果、得られたポリエステルポリオールCの酸価は0.51KOHmg/g 、水酸基価は51.6KOHmg/g 、数平均分子量は2175であった。
【0116】
調製例4(ポリエステルポリオールDの製造)
4つ口フラスコ内に、セバシン酸100部、テレフタル酸32.9部およびエチレングリコール69.8部を仕込んだのち、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。なおテレフタル酸/セバシン酸のモル比の値は0.40であった。
【0117】
次に、窒素ガスをフラスコ内に導入し、突沸に注意しながら発生する水を留去させ、220℃にまで昇温した。
【0118】
フラスコ内が透明になったのを確認した後、徐々に減圧し、さらに水を留去させた。
【0119】
得られた反応液の酸価が1KOHmg/g以下になるまで反応を続けることにより、透明固体のポリエステルポリオールDを得た。
【0120】
得られたポリエステルポリオールDの物性として、酸価、水酸基価および数平均分子量を調製例1と同様にして調べた。
【0121】
その結果、得られたポリエステルポリオールDの酸価は0.33KOHmg/g 、水酸基価は50.6KOHmg/g 、数平均分子量は2218であった。
【0122】
製造例4(イソシアネートプレポリマーの製造)
4つ口フラスコ内に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート100部を仕込み、60℃に調温し、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。
【0123】
次に、フラスコ内の内容物を激しく攪拌しながら、窒素気流中で調製例1で得られたポリエステルポリオールA72.5部を40℃で徐々に滴下し、フラスコ内の温度を50〜70℃に保持して2時間反応させた。
【0124】
次に、フラスコ内に、カルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートMX)11部を添加し、さらに1時間熟成させてイソシアネートプレポリマー(NCO%:21.6%、60℃における粘度:98cP)を得た。
【0125】
製造例5(イソシアネートプレポリマーの製造)
4つ口フラスコ内に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート100部を仕込み、60℃に調温し、攪拌棒、脱水管、窒素ガス導入管および温度計を装着した。
【0126】
次に、フラスコ内の内容物を激しく攪拌しながら、窒素気流中で調製例2で得られたポリエステルポリオールB72.5部を40℃で徐々に滴下し、フラスコ内の温度を50〜70℃に保持して2時間反応させた。
【0127】
次に、フラスコ内に、カルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートMX)11部を添加し、さらに1時間熟成させてイソシアネートプレポリマー(NCO%:21.4%、60℃における粘度:89cP)を得た。
【0128】
製造例6(イソシアネートプレポリマーの製造)
調製例3で得られたポリエステルポリオールCは、その凝固点が高く、40℃で滴下させることができないため、調製例1〜2で得られたポリエステルポリオールA〜Bと同様に取り扱うことができなかった。
【0129】
したがって、調製例3で得られたポリエステルポリオールCを用いてプレポリマーを製造することが容易ではなかった。
【0130】
製造例7(イソシアネートプレポリマーの製造)
調製例4で得られたポリエステルポリオールDを用いて製造例4〜5と同様にイソシアネートプレポリマーを製造しようと試みたが、かかるポリエステルポリオールDは凝固点および粘度が高いため、40℃では勿論のこと、90℃に調温し、徐々に滴下させようと試みたが、仕込み配管に詰まりが生じてしまい、目的のイソシアネートプレポリマーを得ることができなかった。
【0131】
そこで、ポリエステルポリオールDの温度をさらに高め、滴下することができる状態で反応を行なったところ、プレポリマー化反応による発熱が加わって反応が暴走し、ゲル化に至った。
【0132】
実施例3〜4および比較例2
ポリエステルポリオール〔原料モノマー:エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびアジピン酸、エチレングリコール/ジエチレングリコール(重量比)=1/1、数平均分子量:2200〕100部、エチレングリコール11部、水1.05部、トリエチレンジアミン0.8部およびシリコーン整泡剤1部を添加し、混合してポリオール成分を得た。
【0133】
次に、得られたポリオール成分と、製造例4〜5で得られたイソシアネートプレポリマーまたはイソシアネートプレポリマー(花王(株)製、商品名:B−2009、NCO%:18.5%)とを用い、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームシートを作製した。
【0134】
得られたポリウレタンフォームシートの物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0135】
実施例5〜6および比較例3
ポリエステルポリオール〔原料モノマー:エチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびアジピン酸、エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(重量比)=1/0.65、数平均分子量:2200〕60部およびポリエステルポリオール〔原料モノマー:エチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびアジピン酸、エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(重量比)=1/1、数平均分子量:1300〕40部、エチレングリコール11部、水1.65部、トリエチレンジアミン0.8部およびシリコーン整泡剤1部を添加し、混合してフォーム形成用のポリオール成分を得た。
【0136】
次に、得られたポリオール成分と、製造例4〜5で得られたイソシアネートプレポリマーまたはイソシアネートプレポリマー(花王(株)製、商品名:B−2009、NCO%:18.5%)とを用い、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームシートを作製した。
【0137】
得られたポリウレタンフォームシートの物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0138】
【表2】
【0139】
表2に示された結果から、実施例3〜6で得られたポリウレタンフォームシートは、比較例2〜3で得られたポリウレタンフォームシートと対比して、成形体密度が同程度でありながら、引張り強度に顕著に優れていることがわかる。
【0140】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、特にポリウレタン靴底のようなポリウレタンフォームの成形において、低密度であっても、外観、風合などを損なうことなく、引張り強度などの物性が著しく改善されたポリウレタンフォームを製造することができるという効果が奏される。
Claims (3)
- ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記ポリイソシアネート成分が、NCO%が15〜25%であるイソシアネートプレポリマーであり、前記ポリオール成分が、
(A)テレフタル酸と、脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有してなる酸成分と、
(B)多価アルコールとしてエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオール
とを縮重合させてなり、40℃で液状を呈し、かつ60℃における粘度が10000cP以下であるポリエステルポリオール
を含有したものであることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。 - ポリオール成分中における前記ポリエステルポリオールの含有量が10〜95重量%である請求項1記載のポリウレタンフォームの製造方法。
- ポリイソシアネート成分とポリオール成分とから調製されるイソシアネートプレポリマーであって、NCO%が12〜25%であるイソシアネートプレポリマーと、ポリオール成分とを反応、発泡させてポリウレタンフォームを製造する方法であって、前記イソシアネートプレポリマーの調製の際に用いられるポリオール成分が、
(A)テレフタル酸と、脂肪族多塩基酸(ただし、アジピン酸を除く)とを含有してなる酸成分と、
(B)多価アルコールとしてエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオール
とを縮重合させてなり、40℃で液状を呈し、かつ60℃における粘度が10000cP以下であるポリエステルポリオール
を含有したものであることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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