JPH09301928A - α−フルオロ−β−ケトエステルの製造方法 - Google Patents
α−フルオロ−β−ケトエステルの製造方法Info
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- JPH09301928A JPH09301928A JP12190296A JP12190296A JPH09301928A JP H09301928 A JPH09301928 A JP H09301928A JP 12190296 A JP12190296 A JP 12190296A JP 12190296 A JP12190296 A JP 12190296A JP H09301928 A JPH09301928 A JP H09301928A
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Abstract
−ケトエステル(式2)を製造する方法を提供する。 【解決手段】式1の化合物をフッ素ガスと反応させる。
R1 は−O−等を含んでいてもよいC1〜12アルキル
基等、R2 はC1〜12のアルキル基またはアルアルキ
ル基を示し、R1 およびR2 は連結して6員環または6
員環と他の環構造からなるスピロ環を形成してもよく、
6員環に含まれる水素原子は、C1〜12のアルキル基
等に置換されていてもよい。 【化1】 【化2】
Description
−ケトエステルの新規な製造方法に関する。また、本発
明は、新規な環状α−フルオロマロン酸エステルを提供
する。
薬品、農薬の中間体として、また様々な機能性材料の原
料または中間体として有用な化合物である。たとえば、
β−ケトエステル化合物のうちマロン酸エステルは、塩
基で処理した後にアルキル化して、ついで脱炭酸を行う
ことにより、種々のアルキル置換カルボン酸誘導体へ導
くことができる。アルキル置換カルボン酸誘導体は、種
々の機能性材料の中間体として応用される有用な化合物
である。
メチレン基を介して結合させて6員環にした化合物、す
なわち1, 3−ジオキサン−4, 6−ジオン類は、医薬
品、農薬の合成中間体として有用であり、なかでも2,
2−ジメチル−1, 3−ジオキサン4, 6−ジオン(メ
ルドラム酸)は、C3 O2 のビルディングブロックとし
て知られている。
の化合物中にフッ素原子を導入して、生理活性を高めた
り、副作用を低減させる試みがなされており、実際に上
市された例もある。
物のα位の活性メチレン炭素の水素原子をフッ素原子で
置換してα−フルオロ−β−ケトエステルとする試み
は、数多く報告されている。たとえば(1)マロン酸ジ
エステルとFClO3 との反応、(2)マロン酸ジエス
テルを塩基で処理した後、XeF2 と反応させる方法
(J.Fluorine Chem.,39,1988,415)、(3)マロン酸ジエ
ステルを、N−フルオロピリドンと反応させる方法(J.O
rg.Chem.,48,1983,761) 、(4)マロン酸ジエステルを
フルオロピリジニウムトリフルオロメタンスホナートと
反応させる方法(J.Am.Chem.Soc.,112,1990,8563)等があ
る。
フッ素化剤の取扱いが困難であり、また、反応に用いる
試薬が高価で入手しにくい問題があった。さらに、反応
に用いる試薬を別途調製しなければならない欠点もあっ
た。
としてマロン酸エステル等のβ−ケトエステル類の活性
メチレン基がヒドロキシメチレン化されたα−ヒドロキ
シメチレン−β−ケトエステルを選択し、また、フッ素
原子源として安価なフッ素ガスを採用し、両者を反応さ
せると効率的にα−フルオロ−β−ケトエステルを製造
できることを見いだし本発明に至った。
ヒドロキシメチレン−β−ケトエステルをフッ素ガスと
反応させることを特徴とする下式2で表されるα−フル
オロ−β−ケトエステルの製造方法を提供する。
は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜12のア
ルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアル
アルキル基を示し、R2 は、炭素数1〜12のアルキル
基またはアルアルキル基を示す。また、R1 およびR2
は連結して6員環、または、6員環と他の環構造からな
るスピロ環を形成していてもよく、該6員環に含まれる
水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基またはアルア
ルキル基に置換されていてもよい。
ヒドロキシメチレン−β−ケトエステルをα−ヒドロキ
シメチレン−β−ケトエステル(式1)とも記載する。
他の化合物についても同様に記載する。
基」とは、炭素原子と水素原子からなりヘテロ原子を含
まない狭義のアルキル基を意味する。また、「アルアル
キル基」は、炭素原子と水素原子からなりヘテロ原子を
含まない狭義のアルアルキル基をを意味する。
キル基」としては、炭素数が1〜6のアルキル基が好ま
しい。アルキル基は直鎖であっても分岐鎖でってもよ
い。炭素数1〜12のアルキル基の具体例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等が挙げられる。
は、炭素数7〜12が好ましく、ベンジル基、フェネチ
ル基、炭素数1〜3のアルキル基で置換されたベンジル
基などが挙げられる。炭素数1〜3のアルキル基で置換
されたベンジル基の例としては、2−メチルベンジル
基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基等が
挙げられる。
キル基」としては、アルキル基の炭素−炭素単結合間に
ヘテロ原子が挿入された基、ケトン基に結合するアルキ
ル基の末端炭素原子にヘテロ原子が結合した基、ケトン
基に結合するアルキル基の末端炭素原子に低級アルキル
置換ヘテロ原子が結合した基、アルキル基の水素原子の
1個以上がヘテロ原子を含む基に置換された基等が挙げ
られる。
アルキル基」としては、アルアルキル基の炭素−炭素結
合間にヘテロ原子が挿入された基、ケトン基に結合する
アルアルキル基の末端炭素原子にヘテロ原子が結合した
基、ケトン基に結合するアルアルキル基の末端炭素原子
に低級アルキル置換ヘテロ原子が結合した基、アルアル
キル基の水素原子の1個以上がヘテロ原子を含む基に置
換された基等が挙げられる。
原子を含むアルアルキル基は、ヘテロ原子を1個以上含
むのが好ましく、特に1個を含むのが好ましい。ヘテロ
原子としては、酸素原子、窒素原子、イオウ原子が好ま
しく、酸素原子はエーテル性の酸素原子(−O−)であ
るのが好ましく、窒素原子は第三アミンであるのが好ま
しく、イオウ原子はチオエーテル性のイオウ原子(−S
−)であるのが好ましい。
のアルキル基、または、ヘテロ原子を含むアルアルキル
基としては、下式7で表される基が好ましい。
数を示し、0、1、または2が好ましい。Xは、ヘテロ
原子を含むアルキル基またはヘテロ原子を含むアルアル
キル基を示し、−S−R10、−N(R11)(R12)、−
OR13が好ましい。ここで、R10、R11、R12、および
R13は、それぞれ、炭素数(12−n)以下のアルキル
基またはアルアルキルから選ばれる1種の基を示す。R
11とR12は、同一であっても異なっていてもよい。ただ
し、R11またはR12少なくとも一方がアルキル基である
場合には、R11とR12の炭素数の総和は1〜12であ
る。R10〜R13の具体例としては、前記のアルキル基ま
たはアルアルキル基と同様の例が挙げられる。
の基が挙げられる。−OCH3 、−OCH2 CH3 、−
O(CH2 )3 CH3 、−CH2 OCH3、−(CH
2 )2 OCH3 、−OCH2 C6 H5 、−OCH2 −C
6 H4 (CH3 )。−SCH3 、−SH2 CH3 、−S
(CH2 )3 CH3 、−CH2 SCH3 、−(CH2 )
2 SCH3 。−N(CH3 )2 、−N(CH3 )(C2
H5 )、−(CH2 )N(CH3 )2 、−(CH2 )2
N(CH3 )2 、−N(CH3 )(CH2 C6 H5 )、
−N(CH2 C6 H5 )2 。
トエステル化合物(式1)について説明する。式1にお
けるR1 は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜
12のアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいても
よいアルアルキル基を示し、R2 は、炭素数1〜12の
アルキル基またはアルアルキル基を示す。また、R1 お
よびR2 は連結して6員環構造を形成していてもよく、
6員環に含まれる水素原子の1個または2個は、炭素数
1〜12のアルキル基またはアルアルキル基に置換され
ていてもよい。式1におけるR1 は、ヘテロ原子を含む
炭素数1〜12のアルキル基であるかR2 と連結して6
員環構造を形成している場合が好ましい。
2のアルキル基またはアルアルキル基を示す。α−ヒド
ロキシメチレン−β−ケトエステル(式1)において、
炭素−炭素二重結合に結合するヒドロキシ基の相対配置
については、−COOR2 なる基に対してシスまたはト
ランスのいずれであってもよく、特に限定されない。ま
た、式1の記載は、シスおよびトランスの両方の場合も
含む記載である。α−ヒドロキシメチレンマロン酸エス
テル(式3)についても同様である。α−ヒドロキシメ
チレン−β−ケトエステル(式1)におけるR1 が炭素
数1〜12のアルキル基またはアルアルキル基である場
合の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
2−プロペン酸メチル、2−メチルカルボニル−3−ヒ
ドロキシ−2−プロペン酸エチル、2−メチルカルボニ
ル−3−ヒドロキシ−2−プロペン酸プロピル、2−メ
チルカルボニル−3−ヒドロキシ−2−プロペン酸ベン
ジル、2−エチルカルボニル−3−ヒドロキシ−2−プ
ロペン酸メチル、2−エチルカルボニル−3−ヒドロキ
シ−2−プロペン酸ブチル、2−エチルカルボニル−3
−ヒドロキシ−2−プロペン酸ヘキシル、2−イソプロ
ピルカルボニル−3−ヒドロキシ−2−プロペン酸メチ
ル、2−ベンジルカルボニル−3−ヒドロキシ−2−プ
ロペン酸メチル、2−フェネチルカルボニル−3−ヒド
ロキシ−2−プロペン酸メチル。
である場合、R1 は、エーテル性の酸素原子を含む炭素
数1〜12のアルキル基、または、エーテル性の酸素原
子を含むアルアルキル基が好ましく、特に、式7で表さ
れる基におけるnが0であり、Xが−OR13(R13は、
前記と同じ意味を示す。)である基が好ましい。さら
に、R1 が、OR13である場合のα−ヒドロキシメチレ
ン−β−ケトエステル(式1)としては、式3で表され
るα−ヒドロキシメチレンマロン酸エステルが好まし
い。ただし、式3におけるR3 およびR4 は、それぞ
れ、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜1
2のアルキル基、または、アルアルキル基を示す。
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、
置換基を有していてもよいベンジル基等が好ましい。
(式3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
α−ヒドロキシメチレンマロン酸ジメチルエステル、α
−ヒドロキシメチレンマロン酸ジエチルエステル、α−
ヒドロキシメチレンマロン酸ジベンジルエステル、α−
ヒドロキシメチレンマロン酸ジ−t−ブチルエステル。
エステル(式1)の他の好ましい態様は、R1 およびR
2 が連結して6員環、または、6員環と他の環構造から
なるスピロ環を形成している場合である。該6員環に含
まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基または
アルアルキル基に置換されていてもよい。
ている場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキ
レン基であるのが好ましく、特にエーテル性の酸素原子
を含むアルキレン基となって6員環構造を形成している
場合が好ましく、とりわけR1 およびR2 が−0C(R
5 )(R6 )−となって6員環構造を形成している場合
の、式5で表される環状ヒドロキシメチレンマロン酸エ
ステルが好ましい。
同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、水素原
子、または、炭素数1〜12のアルキル基、または、ア
ルアルキル基を示し、R5 およびR6 は連結して3〜7
員環を形成していてもよい。R5 およびR6 が炭素数1
〜12のアルキル基、または、アルアルキル基である場
合には、それぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、へキシル基、または、置換基を
有していてもよいベンジル基等が好ましい。R5 および
R6 は、炭素数1〜12のアルキル基である場合が好ま
しく、特に、いずれもがメチル基である場合が好まし
い。
他の環構造からなるスピロ環を形成している場合には、
他の環構造は3〜7員環が好ましく、特に6〜7員環を
形成しているのが好ましい。すなわち、[5.5]また
は[5.6]のスピロ環を形成しているのが好ましい。
R1 およびR2 が連結してスピロ環を形成する場合に
は、上記のR5 およびR6 が連結して環を形成している
のが好ましく、R5 およびR6 が連結して6員環を形成
するのが好ましい。
(式5)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
5−ヒドロキシメチレン−2,2−ジメチル−1,3−
ジオキサン−4,6−ジオン、5−ヒドロキシメチレン
−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、5−ヒドロキ
シメチレン−2,2−ジベンジル−1,3−ジオキサン
−4,6−ジオン、3−ヒドロキシメチレン−1,5−
ジオキスピロ[5.5]ウンデカンサン−2,4−ジオ
ン。
合物であり、公知の方法で入手できる。たとえば、ヒド
ロキシメチレンマロン酸エステル(式3)は、マロン酸
エステルとオルトギ酸トリメチルとを加熱還流条件下で
反応させてメトキシメチレンマロン酸エステルとした
後、塩化メチレンなどの有機溶媒中で10%塩酸を用い
て処理することにより入手できる(G.A.Bihlmayer,G.Der
flinger,Monatsh.Chem.,98,1967,564 、R.M.Coate,S.J.
Hobbs,J.Org.Chem.,49,1984,140)。
シメチレン−β−ケトエステル(式1)をもって説明す
る。本発明においては、α−ヒドロキシメチレン−β−
ケトエステル(式1)とフッ素ガスとを反応させる。反
応に用いるフッ素ガスは、通常使用されているフッ素ガ
スを使用できるが、反応を制御を容易にするには、窒素
ガスなどの不活性ガスで希釈したものを用いるのが好ま
しい。この場合の不活性ガスで希釈した場合のフッ素ガ
ス濃度は、0. 5〜20%が好ましく、特に1〜10%
が好ましい。
囲が好ましく、特に−50〜0℃の範囲が好ましい。ま
た、反応時間は、0.1〜10時間が好ましい。
ル(式1)とフッ素ガスとの反応においては、α−位の
ヒドロキシメチレン基のフッ素原子への置換反応がおこ
り、式2で表されるα−フルオロ−β−ケトエステルが
生成する。ただし、式2におけるR1 およびR2 は、式
1における意味と同じである。
の存在下に実施してもよい。溶媒の存在下に実施する場
合には、本発明の反応に関与しない有機溶媒から選択す
るのが好ましく、たとえば、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲ
ン系の溶媒や、アセトニトリル、またはメタノール、エ
タノールなどのアルコール系の溶媒等が好ましい。溶媒
の量は、α−ヒドロキシメチレン−β−ケトエステル
(式1)の1重量部に対して、1〜1000重量部が好
ましい。
ンマロン酸エステル(式3)および環状ヒドロキシメチ
レンマロン酸エステル(式5)をフッ素ガスと反応させ
る場合においても同様に適用できる。α−ヒドロキシメ
チレン−β−ケトエステル(式1)のかわりに、α−ヒ
ドロキシメチレンマロン酸エステル(式3)をフッ素ガ
スとを反応させた場合には、α−フルオロマロン酸エス
テル(式4)が生成する。ただし、式4におけるR2 お
よびR3 は、式3における意味と同じである。
ステル(下式5)とフッ素ガスとを反応させた場合に
は、環状α−フルオロマロン酸エステル(下式6)が生
成する。ただし、式6におけるR5 およびR6 は、式5
における意味と同じである。
オロ−β−ケトエステル(式2)、α−フルオロマロン
酸化合物(式4)、および、環状α−フルオロマロン酸
化合物(式6)の具体例としては、下記化合物が挙げら
れる。
状α−フルオロマロン酸化合物は文献未記載の新規化合
物である。
β−ケトエステルは、医薬品、農薬の中間体として、ま
た様々な機能性材料の原料または中間体として有用な化
合物である。
(式4)は、適当な条件下で加水分解することによっ
て、ハーフエステルに導くことが可能であり、また2つ
のアルコキシカルボニル基の一方を脱炭酸反応すること
により、対応するα−フルオロカルボン酸誘導体へと変
換することもできる。
はこれらの実施例に限定されない。
チル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(式6にお
けるR5 =R6 =CH3 )の製造方法 5−ヒドロキシメチレン−2,2−ジメチル−1,3−
ジオキサン−4,6−ジオン(688mg、4.0mm
ol)のクロロホルム溶液(40ml)を−40℃に冷
却し、撹拌した。ここに窒素で3%に希釈したフッ素ガ
スを0.2mmol/minとなるように制御しながら
60分間(F2 として3当量:12.0mmol)導通
した。N2 ガスを10分間導通後、エーテル(150m
l)で希釈した。析出した結晶を濾取し、エーテルで洗
滌後ジクロロメタンとヘキサンの混合液から再結晶して
表記の化合物327mg(50%)を得た。
に示す。 mp.:179℃(分解) 元素分析 Anal.C6H7FO4:C,44.45; H,4.35. Found: C, 44.68;H, 4.60. IR(CHCl3,cm-1):1817,1777. MS m/z:147(M+-15),118,105,90,60,43(100%).1 H-NMR(300MHz,CDCl3) δ(ppm):1.835(3H,brs),1.849
(3H,brs),5.639(1H,d,J=45Hz).13 C-NMR (75MHz,DMSO-d6) δ(ppm):26.25,27.75,80.43,
83.02,106.54,106.57,160.94,161.21 .
チル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(式6にお
けるR5 =R6 =CH3 である化合物)の製造方法 5−ヒドロキシメチレン−2,2−ジメチル−1,3−
ジオキサン−4,6−ジオンを用い、有機溶媒としてク
ロロホルムの代わりにアセトニトリルを用いて合成例1
と同様に反応を行い、収率70%で表記化合物を得た。
(式4におけるR3 =R4 =CH3 である化合物)の製
造方法 ヒドロキシメチレンマロン酸ジメチル(480mg,
3.0mmol)のクロロホルム溶液(30ml)を−
40℃に冷却して撹拌した。ここに窒素ガスで3%に希
釈したフッ素ガスを0.2mmol/minとなるよう
に制御しながら30分間(F2 として2当量:6.0m
mol)導通した。N2 ガスを10分間導通後、反応液
を水洗して無水硫酸マグネシウムで脱水後、濃縮した。
得られた油状化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー[ヘキサン/酢酸エチル=3/1体積比)で精製
し、無色油状の表記化合物288.4mg(64%)を
得た。スペクトルデータは、公知の文献値と一致した
(H.Suzuki,K.Ohnishi,Chem.Lett.,1981,111)。
α−フルオロ−β−ケトエステルを原料とし、安価なフ
ッ素ガスを用いることにより、高収率かつ効率的にα−
フルオロ−β−ケトエステルを得ることができる。ま
た、本発明の製造方法により得られる新規な環状α−フ
ルオロマロン酸エステル、すなわち5−フルオロ−1,
3−ジオキサン−4,6−ジオン類は、医薬品、農薬の
中間体として、また様々な機能性材料の原料または中間
体として有用な化合物である。
Claims (5)
- 【請求項1】下式1で表されるα−ヒドロキシメチレン
−β−ケトエステルとフッ素ガスとを反応させることを
特徴とする下式2で表されるα−フルオロ−β−ケトエ
ステルの製造方法。ただし、式1および式2において、
R1 は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜12
のアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい
アルアルキル基を示し、R2 は、炭素数1〜12のアル
キル基またはアルアルキル基を示す。また、R1 および
R2 は連結して6員環、または、6員環と他の環構造か
らなるスピロ環を形成していてもよく、該6員環に含ま
れる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ルアルキル基に置換されていてもよい。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】R1 が、エーテル性の酸素原子を含んでい
てもよい炭素数1〜12のアルキル基、または、エーテ
ル性の酸素原子を含んでいてもよいアルアルキル基であ
る請求項1の製造方法。 - 【請求項3】下式3で表されるα−ヒドロキシメチレン
マロン酸エステルとフッ素ガスとを反応させることを特
徴とする下式4で表されるα−フルオロマロン酸エステ
ルの製造方法。ただし、式3および式4におけるR3 お
よびR4 は、それぞれ、同一であっても異なっていても
よく、炭素数1〜12のアルキル基、または、アルアル
キル基を示す。 【化3】 【化4】 - 【請求項4】下式5で表される環状ヒドロキシメチレン
マロン酸エステルをフッ素ガスと反応させることを特徴
とする下式6で表される環状α−フルオロマロン酸エス
テルの製造方法。ただし、式5および式6におけるR5
およびR6 は、同一であっても異なっていてもよく、そ
れぞれ、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、また
は、アルアルキル基を示し、R5 およびR6 は連結して
3〜7員環を形成していてもよい。 【化5】 【化6】 - 【請求項5】下式6で表される環状α−フルオロマロン
酸エステル。ただし、式6におけるR5 およびR6 は、
同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、水素原
子、炭素数1〜12のアルキル基、または、アルアルキ
ル基を示し、R5 およびR6 は連結して3〜7員環を形
成していてもよい。 【化7】
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---|---|---|---|
JP12190296A JP3882856B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | α−フルオロ−β−ケトエステルの製造方法 |
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JP2007502793A (ja) * | 2003-08-18 | 2007-02-15 | バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト | α−フルオロマロン酸ジアルキルエステルの製造方法 |
US20140322618A1 (en) * | 2011-11-30 | 2014-10-30 | Solvay Sa | Fluorinated derivatives of meldrum's acid, a method for the preparation of the same, and their use as a solvent additive |
-
1996
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