JPH09301151A - センタバルブ式マスタシリンダ - Google Patents

センタバルブ式マスタシリンダ

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JPH09301151A
JPH09301151A JP12188796A JP12188796A JPH09301151A JP H09301151 A JPH09301151 A JP H09301151A JP 12188796 A JP12188796 A JP 12188796A JP 12188796 A JP12188796 A JP 12188796A JP H09301151 A JPH09301151 A JP H09301151A
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 連通孔内でのステムの振動を抑制して、異音
の発生を防止する。 【解決手段】 本発明は、シリンダ本体3と、シリンダ
本体3内に配置されて加圧室28と減圧室25を形成す
るピストン5と、ピストン5に設けられて加圧室28と
減圧室25とを連通する連通孔31と、連通孔31を開
閉するバルブ30とを備え、バルブ30が、連通孔31
内に挿入されて連通孔31の内壁32との間に流路33
を形成するステム34と、このステム34の一端に設け
られて流路33の加圧室28側の開口又を開閉するステ
ムシール37と、ステム34の他端と当接するストッパ
35とからなるセンタバルブ式マスタシリンダ1であっ
て、流路33を、連通孔31の軸直角断面形状が非対称
となるように形成した。これにより、ステム34が連通
孔31内で片寄ることにより、ステム34の振動を抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センタバルブ式マ
スタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキペダルを踏む力を液圧に変換す
るためにマスタシリンダが用いられている。このマスタ
シリンダには、シリンダ本体内のセカンダリピストンの
中心部分に、液体を加圧する際には加圧室を密封状態と
し、液体の圧力を減圧する際には加圧室を開放するため
バルブが配設されたセンタバルブ式マスタシリンダが提
案されている(新版シャシの構造[II]45頁、株式会
社山海堂、平成7年3月25日発行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記バルブは、セカン
ダリピストンの中心部分に設けられており、セカンダリ
ピストンの一側とシリンダ本体の内壁との間の加圧室
と、セカンダリピストンの外周とシリンダ本体の内壁と
の間の減圧室との間を連通する円形状の連通孔と、この
連通孔内に挿通されたステムと、このステムの一端に設
けられて連通孔の一方の開口を開閉するステムシール
と、ステムの他端が当接するストッパとからなる。
【0004】そして、液体を加圧する場合には、セカン
ダリピストンが移動することによりステムシールが連通
孔の一方の開口を閉鎖することで加圧室内を密封状態と
して加圧室内の液体に圧力を加える。また、液体の圧力
を減圧する場合には、セカンダリピストンが上記とは逆
方向に移動することにより、ステムシールが連通孔の他
方の開口を開放することで加圧室内が開放され加圧され
た液体が連通孔を通って減圧室内に流れて減圧される。
【0005】上記液体の減圧時において、液体は、連通
孔の内壁とステムの外周面との間の流路を通過して減圧
室内に流れる。このとき、流路を通過する液体の脈動
や、ステムの外周面回りの微小な流速のみだれにより、
ステムが振動する。
【0006】すなわち、ステムの外周面と連通孔の内周
面との間に形成される環状の流路に、液体が流れると、
液体の圧力の変化により、ステムが液圧の大きい部分か
ら小さい部分への力を受けて連通孔内で移動する。この
とき液圧の大きい部分と小さい部分が変化するため、ス
テムはその都度移動する方向が異なり、連通孔内でステ
ムが振動する。この結果、ステムの振動により異音が発
生するおそれがある。
【0007】そこで、本発明は、連通孔内でのステムの
振動を抑制して、異音の発生を防止することが可能なセ
ンタバルブ式マスタシリンダの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、一側が側壁で閉止されたシリン
ダ本体と、このシリンダ本体内に移動可能に配置されて
一方の端面と前記シリンダ本体の底壁及び内壁とで加圧
室を形成すると共に、シリンダ本体の内壁と外周との間
に減圧室を形成するピストンと、前記減圧室及び前記加
圧室内に充填された液体と、前記ピストンに設けられて
前記加圧室と減圧室とを連通する連通孔と、前記底壁側
へのピストンの移動時に前記連通孔を閉鎖して前記加圧
室内を密閉空間とすると共に、前記底壁の反対側へのピ
ストンの移動時に前記連通孔を開放するバルブとを備
え、前記バルブが、前記連通孔内に挿入されて連通孔の
内壁との間に流路を形成するステムと、このステムの一
端に設けられて前記流路の前記加圧側の開口又は、減圧
室側の開口のいずれか一方を開閉するステムシールと、
前記ステムの他端と当接するストッパとからなるセンタ
バルブ式マスタシリンダであって、前記流路を、前記連
通孔の軸直角断面形状が非対称となるように形成したこ
とを特徴とする。
【0009】このセンタバルブ式マスタシリンダでは、
連通孔を液体が通過する際に、ステムは、液圧の大きい
部分から小さい部分への力を積極的に受けて連通孔内に
偏った位置に押し付けられる。すなわち、流路が、連通
孔の軸直角断面において、非対称に形成されているた
め、ステムの外周と連通孔との間の流路の断面積に差が
生じるので、断面積の大きな流路では、この部分を流れ
る液体から力を受けて断面積が小さいな流路側へステム
を押圧する。この結果、液体の流速の微小な乱れや、脈
動があってもステムが振動することがない。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、前記連通孔の軸直角断面形状を円形状に形成
し、前記ステムの軸方向断面形状を非対称な形状に形成
したことを特徴とする。
【0011】このセンタバルブ式マスタシリンダでは、
円形断面の連通孔内に挿入されたステムの断面形状を非
対称な形状にしたことにより、ステムの外周と連通孔と
の間の流路の断面積に差が生じるため、断面積の大きな
流路ではこの部分を流れる液体から大きな力を受けて断
面積が小さいな流路側へステムを押圧する。この結果、
液体の流速の微小な乱れや、脈動があってもステムが振
動することがない。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明であって、前記ステムの軸方向断面形状が、内壁の一
部にならった弧状の外周面と、この弧状の外周面の両側
部から弧状の外周面側に傾斜した一対の傾斜面と、これ
らの一対の傾斜面を繋ぐ平面とを有することを特徴とす
る。
【0013】このセンタバルブ式マスタシリンダでは、
一対の傾斜面と平面とで形成されたステムの外周面と断
面円形状の連通孔の内周面との間に形成される流路の断
面積は、ステムの弧状の外周面と連通孔の内周面との間
に形成される流路の断面積より大きく、大きな断面積を
流れる液体の液圧を受けて、ステムは、弧状の外周面が
対向する連通孔の内周面側へ押圧される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、流路が、連通孔の軸直角断面において、非対称に
形成されているため、ステムの外周と連通孔との間の流
路の断面積に差が生じるため、断面積の大きな流路では
この部分を流れる液体から力を受けて断面積が小さいな
流路側へステムを押圧する。この結果、液体の流速の微
小な乱れや、脈動があってもステムが振動することがな
い。
【0015】請求項2の発明によれば、円形断面の連通
孔内に挿入されたステムの断面形状を非対称な形状にし
たことにより、ステムの外周と連通孔との間の流路の断
面積に差が生じるため、断面積の大きな流路ではこの部
分を流れる液体から大きな力を受けて断面積が小さいな
流路側へステムを押圧する。この結果、液体の流速の微
小な乱れや、脈動があってもステムが振動することがな
い。
【0016】請求項3の発明によれば、一対の傾斜面と
平面とで形成されたステムの外周面と断面円形状の連通
孔の内周面との間に形成される流路の断面積は、ステム
の弧状の外周面と連通孔の内周面との間に形成される流
路の断面積より大きく、大きな断面積を流れる液体の液
圧を受けて、ステムは、弧状の外周面が対向する連通孔
の内周面側へ押圧されるので、連通孔内でステムが片寄
るため、液体の流速の微小な乱れや、脈動があってもス
テムが振動することがない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るセンタバルブ
式マスタシリンダの実施例について図面を用いて説明す
る。なお、図1は、センタバルブ式マスタシリンダを示
す断面図であり、図2は図1の一部を拡大した断面図で
ある。また、図3は図2のIII−III線に沿って切
断した断面図である。
【0018】図1に示すように、センタバルブ式マスタ
シリンダ1は、一側が底壁2で閉止されたシリンダ本体
3内にプライマリピストン4及びセカンダリピストン5
が移動自在に配設されている。シリンダ本体3の他側は
プッシュロッド(不図示)が挿入される開口6が形成さ
れている。また、シリンダ本体3には、ブレーキ液が貯
溜されたリザーバタンク7が連通孔8、9で連通されて
いる。従って、シリンダ本体3内にもブレーキ液が充填
されている。さらに、このシリンダ本体3は、プロポー
ショニングバルブ(不図示)と連通されている。
【0019】プライマリピストン4は、シリンダ本体3
の開口6側に配置されており、両端部外周がシリンダ本
体3の内壁10に接している。また、軸方向の中間部
は、シリンダ本体3の内径より小径に形成され、中間部
の外周面11とシリンダ本体3の内壁10との間に第1
減圧室12が形成されている。また、第1減圧室12の
開口6側にはシール部材13が設けられている。さら
に、開口6側の中心部には、凹所14が形成されてい
る。この凹所14内には、ブレーキペダルと連動したプ
ッシュロッド(不図示)が挿入される。このプライマリ
ピストン4とセカンダリピストン5との間には、第1加
圧室15が設けられている。この第1加圧室15は、リ
リーフポート16を介してリザーバタンク7と連通され
ている。また、第1加圧室15内には、プライマリピス
トン4と、セカンダリピストン5との間にプライマリリ
ターンスプリング17が配設されている。このプライマ
リリターンスプリング17のプライマリピストン4側
は、平板状のばね受18を介してプライマリピストン4
に当接している。このばね受18とプライマリピストン
4との間には、シール部材19が設けられている。そし
て、ばね受18とシール部材19とでプライマリカップ
20が構成されている。また、プライマリリターンスプ
リング17のセカンダリピストン5側は、断面形状が台
形状のばね受21を介してセカンダリピストン5に当接
している。さらに、ばね受21には、一端がプライマリ
ピストン4の中心にねじ止めされたガイドロッド23が
挿通されている。
【0020】そして、ブレーキをかけない状態(非制動
時)には、プライマリピストン4は、図1に示すよう
に、プライマリカップ20がリリーフポート16の開口
6側に位置している。この状態からプレーキをかけると
(制動時)、プッシュロッドがプライマリピストン4
を、セカンダリピストン5側へプライマリリターンスプ
リング17の付勢力に抗して押圧・移動させる。プライ
マリピストン4がセカンダリピストン5側へ移動し、プ
ライマリカップ20がリリーフポート16を通過する
と、この瞬間より第1加圧室15内が密封され第1加圧
室15内のブレーキ液が加圧される。そして、ブレーキ
の踏み付け量、すなわちプライマリピストン4のセカン
ダリピストン5側への押付け力に応じた液圧が発生す
る。
【0021】また、ブレーキを解除すると(制動を解除
すると)プライマリピストン4は、第1加圧室15内の
液圧及びプライマリリターンスプリング17の付勢力で
シリンダ本体3の開口6側に戻され、プライマリカップ
4がリリーフポート16を通過すると、第1加圧室15
内の密封状態が解除され、第1加圧室15内の液圧が急
激に減圧される。
【0022】セカンダリピストン5は、プライマリピス
トン4とシリンダ本体3の底壁2との間に配置されてお
り、両端外周がシリンダ本体3の内壁10に接してい
る。また、軸方向の中間部は、シリンダ本体3の内径よ
り小径に形成され、中間部の外周面24とシリンダ本体
3の内壁10との間に第2減圧室25が形成されてい
る。この第2減圧室25の底壁2側及びプライマリピス
トン4側には、シール部材26、27がそれぞれ設けら
れている。また、セカンダリピストン5と底壁2との間
には、第2加圧室28が形成されている。この第2加圧
室28内には、セカンダリリターンスプリング29が配
設されている。このセカンダリリターンスプリング29
は、一端が底壁2に当接し、他端がセカンダリピストン
5に当接してセカンダリピストン5をプライマリピスト
ン4側へ付勢している。このため、制動時にプライマリ
ピストン4がプライマリリターンスプリング17の付勢
力に抗してセカンダリピストン5側に移動すると、プラ
イマリリターンスプリング17を介してセカンダリピス
トン5を底壁2側へセカンダリリターンスプリング29
の付勢力に抗して移動させる。このとき、バルブ30が
閉鎖されて第2加圧室28が密封状態となる。
【0023】バルブ30は、セカンダリピストン5の底
壁2側に設けられており、図2に示すように、セカンダ
リピストン5に設けられて第2加圧室28と第2減圧室
25とを連通する連通孔31と、この連通孔31内に挿
入されて連通孔31の内壁32との間に流路33を形成
するステム34と、ステム34の底壁2側に設けられて
流路33の第2加圧室28側の開口を開閉するステムシ
ール37と、ステム34の他端と当接するストッパ35
とからなる。
【0024】セカンダリピストン5の中間部には長孔状
断面の孔部36が、直径方向に沿って形成されている。
この孔部36は第2減圧室25と連通されている。ま
た、孔部36内には、シリンダ本体3の直径方向に沿っ
て、連通孔31の開口側にストッパ35が形成されてい
る。このストッパ35は、ステム34の他端が当接する
と共に、孔部36の一方の端面と当接して、セカンダリ
ピストン5を非制動時の位置に位置決めしている。ステ
ムシール37には、圧縮コイルバネ38の一端が当接し
ている。この圧縮コイルバネ38の他端は、セカンダリ
ピストン5に一体に設けられたばね支持部39に支持さ
れている。そして、この圧縮コイルバネ38の付勢力で
ステムシール37が連通孔31の開口側に付勢され、ス
テム34がストッパ35側に付勢されている。この場
合、セカンダリピストン5が図1に示すように非制動時
の位置に位置している状態では、ステムシール34は、
連通孔31の開口縁部から離間しており、連通孔31は
第2加圧室28と第2減圧室25とは連通されている。
この状態から制動状態となって、セカンダリピストン5
がセカンダリリターンスプリング17の付勢力に抗して
底壁2側に移動すると、ステムシール34が相対的に連
通孔31の開口縁部側に移動して当接する。この状態で
は、第2加圧室28と第2減圧室25とは遮断され、第
2加圧室28が密封状態となる。
【0025】また、上記ステム34は、図3に示すよう
に、円形状断面の連通孔31に対して、非対称な断面形
状に形成されている。すなわち、ステム34の外周は、
連通孔31の内壁32の一部に倣った弧状の外周面40
と、この弧状の外周面40の両側部から弧状の外周面側
に傾斜した一対の傾斜面41、42と、これらの傾斜面
41、42を繋ぐ平面43から形成されている。この結
果、連通孔31の内壁32とステム34の外周面との間
に形成される流路33は、連通孔31の軸方向直角断面
形状が非対称となるように形成されている。このため、
流路33内を流れる液体のうち、連通孔31の内壁32
と一対の傾斜面41、42と平面43とで形成される流
路44内を流れるブレーキ液45から受ける液圧は、弧
状の外周面40とこの外周面40と対向する連通孔31
の内壁32との間の流路46内を流れる液体から受ける
液圧より大きく、ステム34は、弧状の外周面40が常
に連通孔31の内壁32に接近する方向に力を受ける。
【0026】次にこのセンタバルブ式マスタシリンダ1
の作動と、この作動時のバルブの作用について説明す
る。なお、非制動状態、すなわちブレーキを掛けていな
い状態では、図1に示すようにプライマリピストン4
は、シリンダ本体2の開口6側に位置し、プライマリカ
ップ20は、リリーフポート16の開口6側に位置して
いる。この状態では、第1加圧室15はリザーバタンク
7と連通して非加圧状態、通常は大気圧程度となってい
る。また、セカンダリピストン5は、セカンダリリター
ンスプリング29の付勢力でプライマリピストン4側に
付勢され、ストッパ35により位置決めされている。こ
の状態では、ステムシール37は連通孔31の開口縁部
から離れており、第2加圧室28は第2減圧室25と連
通されている。従って、第2加圧室25内はリザーバタ
ンク7内と同様に大気圧程度となっている。
【0027】このような状態から、制動時にブレーキペ
ダルを踏むと、このブレーキペダルと連動してプッシュ
ロッドがプライマリピストン4をプライマリリターンス
プリング17の付勢力に抗してシリンダ本体3の底壁2
側へ移動させる。プライマリピストン4が底壁2側へ移
動すると、プライマリカップリング20がリリーフポー
ト16を通過し、第1加圧室15が密封状態となり、第
1加圧室15内のブレーキ液が加圧される。そして、ブ
レーキの踏み付け量、すなわちプライマリピストン4の
セカンダリピストン5側への押付け力に応じた液圧が発
生する。この液圧がプロポーショニングバルブ(不図
示)を通してブレーキ(後輪側)に伝達されて、ブレー
キが作動する。
【0028】プライマリピストン4が底壁2側に移動
し、第1加圧室15内のブレーキ液を加圧するのと同時
に、プライマリリターンスプリング17を介してセカン
ダリピストン5も底壁2側へ、セカンダリリターンスプ
リング29の付勢力に抗して移動する。セカンダリピス
トン5が底壁2側へ移動すると、ステムシール37が連
通孔31の開口縁部側へ相対的に移動する。そして、ス
テムシール37が連通孔31の開口縁部に当接し、連通
孔31の開口部を閉鎖すると第2加圧室28内が密封状
態となり、第2加圧室28内のブレーキ液が加圧され
る。この液圧がプロポーショニングバルブ(不図示)を
通してブレーキ(前輪側)に伝達されて、ブレーキが作
動する。
【0029】次に、ブレーキを解除すると(制動を解除
すると)上昇していたブレーキ液の液圧及びセカンダリ
リターンスプリング29の付勢力によりセカンダリピス
トン5がシリンダ本体3の開口6側に移動し、ステムシ
ール37が連通孔31の開口縁部から離れる方向に相対
的に移動し、第2加圧室の密封状態が解除されて第2加
圧室28内の液圧が減圧される。このとき、第2加圧室
28内の加圧されたブレーキ液がステム34の外周面と
連通孔31の内壁32との間の流路を通って第2減圧室
25内に流れリザーバタンク7内に戻る。
【0030】第2加圧室28内のブレーキ液が流路33
内を通って第2減圧室25内に流れる際には、図3に示
すように、ステム34は、弧状の外周面40がこの弧状
の外周面40と対向する連通孔31の内壁32側に押圧
される。すなわち、連通孔31の内壁32とステム34
の外周面との間に形成される流路33が、連通孔31の
軸方向直角断面形状が非対称となるように形成されてい
るため、流路33内を流れる液体のうち、連通孔31の
内壁32と一対の傾斜面41、42と平面43とで形成
される流路44内を流れるブレーキ液45から受ける液
圧は、弧状の外周面40とこの外周面40と対向する連
通孔31の内壁32との間の流路46内を流れる液体か
ら受ける液圧より大きく、ステム34は、弧状の外周面
40が常に連通孔31の内壁32に接近する方向に力を
受けて、ステム34が連通孔31内で片寄る。
【0031】さらに、プライマリピストン4は、プライ
マリリターンスプリング29により、プライマリピスト
ン4が開口6側へ移動し、プライマリカップリング20
がリリーフポート16を通過すると、第1加圧室15内
の密封状態が解除され、第1加圧室15内の液圧が急激
に減圧される。これにより、ブレーキの作動が解除され
る。
【0032】本形態のセンタバルブ式マスタシリンダ1
によれば、制動状態の解除時に、連通孔31内をブレー
キ液が通過する際に、ステム34が液圧の大きい部分か
ら小さい部分への力を積極的に受けて連通孔31内で片
寄った位置に押し付けられるので、ブレーキ液の脈動
や、ブレーキ液の流速の微小な乱れによりステム34が
振動することがなく、異音の発生を防止することが出来
る。
【0033】この効果について、図5、図6を用いてさ
らに説明すると、図5に示すように、ステム47の断面
形状が対称に形成されていると、このステム47の外周
面と連通孔31の内壁との間に形成される流路48は、
連通孔31の軸直角断面内において対称形状となってい
る。このような流路48内に第2加圧室28内からブレ
ーキ液49が流れると、ブレーキ液の流れる流路が絞ら
れるため、ブレーキ液の流速が速くなる。また、このブ
レーキ液の流速は、ステム47の外周全域で略均一の流
速となる。
【0034】このような場合、図5及び図6に示すよう
に、流路48の断面形状が対称で、かつ流路48内のブ
レーキ液の流速が略均一の流速とだとステム47には、
軸方向に対して直角方向への力が加わらない。この状態
で、ステム47回りのブレーキ液の流速が僅かに変化す
ると、ステム47に軸直角方向の力が発生し、流速が変
化する位置が変わるとステムの振動が始まり、異音が発
生する。
【0035】しかし、図3に示すように、ブレーキ液が
通過する流路33を連通孔31の軸直角断面形状が非対
称となるように形成することにより、ステム34回りの
ブレーキ液の流速を意識的に片寄らせて、ステム34を
連通孔31内で意識的に片寄らせることで、ブレーキ液
の流速の乱れが多少あってもステムは振動することがな
く、異音を発生することがない。
【0036】なお、上記形態では、ステム34の軸直角
断面形状を非対称とすることで、流路の軸直角断面形状
を非対称としたが、連通孔31の軸直角断面形状を非対
称とすることにより、流路の断面形状を非対称としても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンタバルブ式マスタシリンダを
示す断面図である。
【図2】図1の一部を拡大した断面図である。
【図3】連通孔とステムとの関係を示し、図2のIII
−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】連通孔の内壁とステムの外周面との間をブレー
キ液が流れる状態を示す断面図である。
【図5】連通孔の軸直角断面が対称形状のステムを示す
断面図である。
【図6】図5に示すステムを用いたときの、連通孔内を
流れるブレーキ液の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 センタバルブ式マスタシリンダ 2 底壁 3 シリンダ本体 5 セカンダリシリンダ 30 バルブ 31 連通孔 33 流路 34 ステム 35 ストッパ 37 ステムシール 40 弧状の外周面 41、42 一対の傾斜面 43 平面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側が底壁で閉止されたシリンダ本体
    と、 このシリンダ本体内に移動可能に配置されて一方の端面
    と前記シリンダ本体の底壁及び内壁とで加圧室を形成す
    ると共に、シリンダ本体の内壁と外周との間に減圧室を
    形成するピストンと、 前記減圧室及び前記加圧室内に充填された液体と、 前記ピストンに設けられて前記加圧室と減圧室とを連通
    する連通孔と、 前記底壁側へのピストンの移動時に前記連通孔を閉鎖し
    て前記加圧室内を密閉空間とすると共に、前記底壁の反
    対側へのピストンの移動時に前記連通孔を開放するバル
    ブとを備え、 前記バルブが、前記連通孔内に挿入されて連通孔の内壁
    との間に流路を形成するステムと、 このステムの一端に設けられて前記流路の前記加圧側の
    開口又は、減圧室側の開口のいずれか一方を開閉するス
    テムシールと、 前記ステムの他端と当接するストッパとからなるセンタ
    バルブ式マスタシリンダであって、 前記流路を、前記連通孔の軸直角断面形状が非対称とな
    るように形成したことを特徴とするセンタバルブ式マス
    タシリンダ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、前記連通
    孔の軸直角断面形状を円形状に形成し、前記ステムの軸
    方向断面形状を非対称な形状に形成したことを特徴とす
    るセンタバルブ式マスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明であって、前記ステ
    ムの軸方向断面形状が、内壁の一部にならった弧状の外
    周面と、この弧状の外周面の両側部から弧状の外周面側
    に傾斜した一対の傾斜面と、これらの一対の傾斜面を繋
    ぐ平面とを有することを特徴とするセンタバルブ式マス
    タシリンダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100423650B1 (ko) * 2000-07-28 2004-03-22 주식회사 만도 마스터실린더의 센터밸브

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