JPH09300623A - インクジェット記録ヘッド及びその装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその装置

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JPH09300623A
JPH09300623A JP8122091A JP12209196A JPH09300623A JP H09300623 A JPH09300623 A JP H09300623A JP 8122091 A JP8122091 A JP 8122091A JP 12209196 A JP12209196 A JP 12209196A JP H09300623 A JPH09300623 A JP H09300623A
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JP
Japan
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thin film
ink
heating resistor
recording head
insulating layer
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JP8122091A
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Masao Mitani
正男 三谷
Kenji Yamada
健二 山田
Osamu Machida
治 町田
Kazuo Shimizu
一夫 清水
Katsunori Kawasumi
勝則 川澄
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Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14088Structure of heating means
    • B41J2/14112Resistive element
    • B41J2/14129Layer structure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/03Specific materials used

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、熱エネルギを利用してインク液滴を
記録媒体に向けて飛翔させる形式の記録装置に関するも
ので、特にインクジェット記録ヘッドの熱効率を飛躍的
に向上させると共に、その高い信頼性を実現することを
課題とする。 【解決手段】インクジェット記録ヘッドにおいて、薄膜
発熱抵抗体が絶縁性自己酸化膜で覆われ、前記薄膜発熱
抵抗体の一部とこれに接続する薄膜導体が無機絶縁物層
で覆われ、更に前記接続部近傍を含む前記無機絶縁物層
が有機絶縁物層で覆われている構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギを利用
してインク液滴を記録媒体に向けて飛翔させる形式のイ
ンクジェット記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルス加熱によってインクの一部を急速
に気化させ、その膨張力によってインク液滴をオリフィ
スから吐出させる方式のインクジェット記録装置は特開
昭48−9622号公報、特開昭54−51837号公
報等によって開示されている。
【0003】このパルス加熱の最も簡便な方法はヒ−タ
にパルス通電することであり、その具体的な方法が日経
メカニカル1992年12月28日号58ページ、及び
Hewlett-Packard-Journal,Aug.1988で発表されている。
これら従来のヒ−タの共通する基本的構成は、薄膜抵抗
体と薄膜導体を厚さ約3μmの酸化防止層で被覆し、こ
の上に該酸化防止層のキャビテーション破壊を防ぐ目的
で、厚さ約0.5μmのTa金属層を被覆するというも
のであった。
【0004】しかし、このように厚い保護層を介してイ
ンクをパルス加熱するため、インク吐出に必要な投入エ
ネルギは15〜30μJ/パルスにも達し、その殆どの
エネルギは基板(ヘッド)の昇温に消費されるという大
きな欠点があった。
【0005】これを抜本的に改善する目的で、本発明者
はTa−Si−O三元合金薄膜抵抗体を開発し、これを
熱酸化することでその表面に約100Åという厚さの電
気絶縁性と機械的強度に優れた自己酸化被膜を形成する
方法を発明した(特願平07−43968号、および特
願平07−340486号参照)。
【0006】これによって、インクの吐出に必要なエネ
ルギは2.4〜2.7μJ/パルスにまで低減され、し
かも安定な吐出に最適な加熱速度範囲(1×108〜5
×108K/s)をこのヒータによって容易に実現でき
るようになった(本発明者の特願平07−285650
号参照)。
【0007】一方、自己酸化膜を持つTa−Si−O三
元合金薄膜抵抗体を有効に利用するためには、インク中
でも腐蝕しない通電電極用の薄膜金属材料が不可欠であ
り、本発明者は最適材料としてNiを選択してきた(特
開平06−71888号公報等参照)。しかし、インク
中で優れた耐蝕性を示す薄膜Ni導体でも、正極側の薄
膜Ni導体は電蝕され易く、長時間の使用には問題のあ
ることが分かった。
【0008】そこで、薄膜抵抗体と垂直な方向にインク
を吐出する方式のトップシュータタイプのインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、図3に示すように個別電極側の
Ni薄膜導体5を全て隔壁7で覆い保護する方法を開発
した(特願平07−43968号)。この場合、樹脂材
料からなる隔壁7がヒータ3(4)の一部をカバーする
必要があるが、その部分の最高到達温度は370℃程度
であり、ポリイミドのような耐熱性樹脂を用いれば1億
パルスの信頼性試験に合格していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同一基板上に
1000〜10000ノズルまたはこれ以上のノズル数
を持つ大規模高集積のフルカラー用ヘッドを試作評価す
る過程で、目標寿命を下回るノズルが散見され、その原
因が個別電極の電蝕によることが判明した。すなわち、
ヘッド製造過程で導入される不可避なバラツキによっ
て、樹脂隔壁の接するヒータ温度が400℃を越えるケ
ースが発生していたのである。
【0010】本発明は、樹脂隔壁の接するヒータ表面の
温度を十分に下げると共に、サイドシュータタイプのヘ
ッドにも適用できる薄膜導体の保護方法を提供し、信頼
性が高く、熱効率が飛躍的に向上したインクジェット記
録ヘッドを実現することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、インク吐出
口近傍に設けられた薄膜発熱抵抗体にパルス通電するこ
とによってインク流路中のインクの一部を急速に気化さ
せ、この気泡の膨張力によって前記吐出口から液滴状イ
ンクを吐出させて記録するインクジェット記録ヘッドに
おいて、前記薄膜発熱抵抗体が絶縁性自己酸化膜で覆わ
れ、前記薄膜発熱抵抗体の一部とこれに接続する薄膜導
体が無機絶縁物層で覆われ、更に前記接続部近傍を含む
前記無機絶縁物層が有機絶縁物層で覆われた構成とする
ことにより達成される。
【0012】また、インク吐出口近傍に設けられた薄膜
発熱抵抗体にパルス通電することによってインク流路中
のインクの一部を急速に気化させ、この気泡の膨張力に
よって前記吐出口から液滴状インクを吐出させて記録す
るインクジェット記録ヘッドにおいて、前記薄膜発熱抵
抗体が絶縁性自己酸化膜で覆われ、前記薄膜発熱抵抗体
の一部とこれに接続する個別電極側薄膜導体が無機絶縁
物層で覆われ、更に前記接続部近傍を含む前記無機絶縁
物層が有機絶縁物層で覆われた構成とすることによって
達成される。
【0013】更に、前記薄膜発熱抵抗体とほぼ垂直の方
向にインク滴が吐出するトップシュータタイプのインク
ジェット記録ヘッドにおいては、前記有機絶縁物層が前
記インク流路を形成する隔壁を構成するものとすること
によって達成される。
【0014】前記無機絶縁物層はリフトオフ法とスパッ
タ法によって形成すると良い。
【0015】また、前記薄膜発熱抵抗体として、64%
≦Ta≦85%、5%≦Si≦26%、6%≦O≦15
%の範囲にあるTa−Si−O三元合金を用いると良
い。
【0016】更に、薄膜発熱抵抗体に接続する薄膜導体
はNi金属を用いると良い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を説明
する。
【0018】サイドシュータタイプのヘッドに本発明を
適用した場合の断面図を図1に、またトップシュータタ
イプに適用した例を図2に示す。いずれの場合も、対向
する共通薄膜導体はインクと同電位にあるので、薄膜導
体材料がインクによって腐蝕されない限り保護する必要
はない。しかし、電気伝導度の良いAlやCuを導体材
料として使用する場合は、図1、図2の対向電極(共通
薄膜導体)側も図1と同様の保護方法を採用することで
腐蝕を防止し、実用することが可能となる。
【0019】さて、図3に示すように、約0.1μm厚
さの薄膜抵抗体3が厚さ約2μmのSiO2断熱層2と
インク8または有機絶縁物層7と接し、この薄膜抵抗体
に1μsという短いパルス幅の印加電力を投入した場
合、薄膜抵抗体の温度がどのように変化するかを一次元
伝熱モデルでほぼ正確に解くことが出来る(日本機械学
会編:伝熱工学資料第4版、丸善(1989)参照)。な
お、薄膜抵抗体3の表面に形成されている絶縁性自己酸
化膜4のこの計算に与える影響は非常に小さく、無視で
きる。
【0020】すなわち、純水または水性インクにインク
吐出に最適なキャビア状核沸騰(本発明者の特願平07
−285650号参照)を発生させるのに必要な印加エ
ネルギは2.4W×1μs/50μm□ヒータであるこ
とから、純水または水性インクに接するヒータ表面の最
高到達温度は317℃と求められる。この317℃とい
う計算値は、純水における正確な実験から求められた2
95℃(飯田、他:日本機械学会論文集(B編)60(57
2)(1994-4)264参照)という値よりも若干高いが良く一
致しているといえる。水性インクの場合は純水と殆ど変
わらないと考えて良い。
【0021】一方、耐熱性樹脂隔壁7としてポリイミド
を使用して同じエネルギを印加した場合、隔壁7が接す
るヒータ表面の温度は約410℃と計算され、インクに
接する場合と同程度の誤差を考慮すると、約380℃と
なることが分かる。すなわち、ヘッド製造工程で導入さ
れる不可避的なバラツキによって、ポリイミドの分解開
始温度を越える可能性が計算上からも推定できる。
【0022】本発明は、発熱抵抗体3(4)と有機絶縁
物層(又は隔壁)7の間にSiO2とかTa25という
無機絶縁物層6を介在させ、無機絶縁物層6に接する有
機絶縁物層(または隔壁)7が受ける最高温度を大幅に
下げて、これによって高い信頼性を確保しようとするも
のである。
【0023】例えば、この無機絶縁物層6の厚さが0.
5μmと薄い場合でも、有機絶縁物層7に接する無機絶
縁物層6の表面温度は250℃を越えることはない。す
なわち、有機絶縁物層の材料として熱分解開始温度が2
50℃以上の樹脂、例えばポリイミドなどを安心して用
いることが可能となる。
【0024】また、この有機絶縁物層(または隔壁)7
は、無機絶縁物層6に生じやすい膜欠陥、特に薄膜導体
5による断差部に生じる欠陥9を完全に被覆し、この欠
陥部から発生する電蝕破断事故を防ぐ役割を担ってい
る。
【0025】すなわち、これら無機、有機絶縁物層は相
互にその欠点をカバーし合い、その優れた性質を最大限
に発揮し合った構成となっている。図1または図2に示
すように、基板のSiO2断熱層2と同系統の無機絶縁
物層6を形成するためには、通常用いられるフォトエッ
チング法は適用できない。しかし、リフトオフ法を用い
て、SiO2あるいはTa25をスパッタ法によって積
層させる方法が適用でき、その膜厚が0.5μm程度と
薄くてよいこともリフトオフ法にとって好都合である。
勿論、この膜厚を1〜2μmと厚くすることも可能であ
り、この場合は耐熱性の低いドライフィルムレジストを
有機絶縁物層または隔壁7として用いることも可能とな
る。
【0026】以下、トップシュータタイプのヘッドの具
体的な例について説明するが、サイドシュータタイプに
も同様に適用できることは既に説明した通りである。
【0027】まず、図2に示すヘッドの製造プロセスか
ら説明する。
【0028】Si基板1の上に厚さ1〜2μmのSiO
2断熱層2を熱酸化、スパッタ、あるいはCVDなどの
方法で形成する。この基板上にドライバ回路を一体化し
て搭載する場合には、ドライバ回路を形成したSiウエ
ハを基板として使用するが、その場合には既にこの断熱
層が形成されているのでそのまま使用すれば良い(本発
明者の特願平07−320446号等参照)。
【0029】この基板上にTa−Si−O三元合金薄膜
とNi金属薄膜をスパッタ法を用いて順次積層し、フォ
トエッチングによって薄膜発熱抵抗体(図2の発熱部で
示される3の部分)と薄膜導体5を形成する。Ta−S
i−O三元合金薄膜は本発明者が特願平07−3404
86号に記載したように、夫々の組成が、64%≦Ta
≦85%、5%≦Si≦26%、6%≦O≦15%の範
囲にあることが望ましいが、この後で述べる熱酸化処理
で薄くて安定な絶縁性自己酸化膜を形成できる抵抗体材
料であれば他の材料を用いることも可能である。
【0030】次に、この発熱抵抗体が形成されている基
板を350℃以上の酸化雰囲気中で熱処理を行い、薄膜
発熱抵抗体上に絶縁性自己酸化膜4を形成させる。熱処
理温度が350℃以上という条件は、発熱抵抗体のパル
ス加熱温度が320〜330℃に達しても抵抗値が変化
しないための必要条件である。Si基板1上にドライバ
回路が搭載されている場合は、このAl配線にダメージ
を与えないよう、熱処理温度は400℃を越えないよう
にしなければならない。また、薄膜発熱抵抗体にパルス
通電を行い、その部分だけを500〜600℃に加熱し
て酸化膜を形成させても良い。いずれにしても、厚さ約
0.1μmのTa−Si−O三元合金薄膜抵抗体の全表
面は、この酸化処理によって厚さ約0.01μmの自己
酸化膜で完全に被覆され、導電性インクが充填されても
電気的絶縁が確保される。
【0031】次に、この基板上にフォトレジストを塗
布、露光、現像し、無機絶縁物層6を積層させる予定の
領域を除き、他を被覆する。この時のレジスト膜厚は、
積層させる無機絶縁物層6の厚さの2〜3倍にする必要
があるため、厚い無機絶縁物層を積層させる場合は技術
的に難しくなる。そして、この上にSiO2またはTa2
5のような熱伝導率の低い無機絶縁物層6を0.3〜
0.5μmの厚さでスパッタ法などを用いて積層する。
この後、フォトレジスト膜を剥離液で除去すると、発熱
抵抗体の一部を含む薄膜導体が図2に示されるように無
機絶縁物層6で被覆された状態となる。無機絶縁物層6
で被覆する発熱抵抗体は出来るだけ少ない方が熱効率の
点から望ましい。しかし、断差による欠陥部9が有機絶
縁物層7で間違いなく覆われ、この部分がインクに触れ
ないようにする必要がある。このヘッドを製造する薄膜
プロセスでの許容誤差を±1μm以内とすることは容易
なので、結局、無機絶縁物層6が発熱抵抗体を被覆しな
ければならない範囲(図2の低温部)は5〜6μmとな
る。本願で試作した360dip(約69μmピッチ)
のノズル配列では、核沸騰させる発熱抵抗体サイズは約
50μm□となるので、形成する発熱抵抗体サイズは約
50μm幅×55〜56μm長さとなり、約10%の熱
効率の低下ですむことになる。
【0032】この後、インク流路やインク供給穴を形成
し、有機絶縁物層、隔壁7とオリフィスプレート10を
形成するが、これらは本発明者が出願した特願平07−
135185号、特願平07−288877号、特願平
07−320446号、特願平07−334802号等
に詳しく記載した通りである。ここでは有機絶縁物層
(隔壁)7として感光性ポリイミドを用いて10μm厚
さに形成し、オリフィスプレート10は33μm厚さの
ポリイミド/エポキシ2層フィルムを用い、ドライエッ
チングで50μmφのノズル穴12を形成した。
【0033】なお、無機絶縁物層6の形成にリフトオフ
法を採用したが、その理由は通常用いられているフォト
エッチング法が本願のケースでは使用不可能であること
による。すなわち、無機絶縁物層6を全面に形成し、こ
れをフォトエッチングで除去する場合、これと同系統の
材料であるSiO2断熱層2もエッチングしてしまうた
めである。
【0034】このようにして作られたヘッドを用い、市
販されている各種インクジェットプリンタ用カートリッ
ジに充填されているインクも含めて7〜8種類のインク
を充填、吐出させて長時間の印字テストを行ったが、2
〜3億ドットの吐出に対しても何らの異常も認められな
かった。
【0035】しかし、有機絶縁物層(隔壁)7の材料と
して耐熱性の低いドライフィルムレジスト、あるいはフ
ォトレジスト材料を用いてヘッドを試作し、上記と同様
のインクを充填して吐出評価を行ったところ、1億ドッ
トまでの試験で半数以上のノズルが吐出不能となること
がわかった。不良解析の結果は、Ni個別電極とその付
近の発熱抵抗体が腐蝕していることから、100℃程度
の耐熱性しかないフォトレジストの剥離が第1の原因で
あると推定している。
【0036】一方、このフォトレジストを隔壁に用いる
場合でも、無機絶縁物層6の厚さを1.5μm程度に厚
くすることでこの不良は皆無となり、条件次第では実用
することも可能であることが分かった。すなわち、上記
推定の正しさが証明されたと考えられる。どちらの方法
が優れているかは製造歩留まりとコストの観点から決定
されよう。
【0037】なお、ここで試作したヘッドは、Ni共通
電極に対する保護を行っていない。すなわち、インクに
よる単純な腐蝕が発生しない電極材料では、その保護層
が不要であることを示している。しかし、良導体である
AlやCu配線では腐蝕破断が発生するので、共通電極
側も図1に示す保護方法を適用することが必要である。
勿論、これによって腐蝕破断が皆無となることはいうま
でもない。そして、これによる熱効率の低下も10%程
度追加されるだけであるので、この場合でも必要印加エ
ネルギは3.3W×1μm/50μm□発熱抵抗体と格
段に低いことに変わりはない。
【0038】このように、従来型ヒータに比べて格段に
低い投入エネルギはインクカートリ.ッジの温度上昇を
大幅に抑え、強制冷却の不要化によるプリンタの低コス
ト、小型化を達成することも出来た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜発熱抵抗体は極薄
の絶縁性自己酸化膜で、薄膜導体は薄い無機絶縁物層と
有機絶縁物層で保護したので、インクの吐出に必要な投
入エネルギを従来型発熱抵抗体に比べて、1/5〜1/
10と大幅に低減でき、しかも数億パルスのインク吐出
にも耐えられる高信頼のインクジェット記録ヘッドを実
現することができた。これは、ヘッドが実装されている
インクカートリッジの冷却を不要化し、プリンタの低コ
スト化と小型化を図ることを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をサイドシュータタイプのヘッドに適
用した場合の薄膜導体近傍の断面図。
【図2】 本発明をトップシュータタイプのヘッドに適
用した場合の個別薄膜導体近傍の断面図。
【図3】 本発明者が採用した従来型トップシュータタ
イプヘッドの個別薄膜導体近傍の断面図。
【符号の説明】
1はSi基板、2はSiO2断熱層、3は薄膜抵抗体、
4は自己酸化被膜、5は薄膜導体、6は無機絶縁物層、
7は有機絶縁物層、8はインクである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 一夫 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 川澄 勝則 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク吐出口近傍に設けられた薄膜発熱抵
    抗体にパルス通電することによってインク流路中のイン
    クの一部を急速に気化させ、この気泡の膨張力によって
    前記吐出口から液滴状インクを吐出させて記録するイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 前記薄膜発熱抵抗体が絶縁性自己酸化膜で覆われ、前記
    薄膜発熱抵抗体の一部とこれに接続する薄膜導体が無機
    絶縁物層で覆われ、更に前記接続部近傍を含む前記無機
    絶縁物層が有機絶縁物層で覆われていることを特徴とす
    るインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】インク吐出口近傍に設けられた薄膜発熱抵
    抗体にパルス通電することによってインク流路中のイン
    クの一部を急速に気化させ、この気泡の膨張力によって
    前記吐出口から液滴状インクを吐出させて記録するイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 前記薄膜発熱抵抗体が絶縁性自己酸化膜で覆われ、前記
    薄膜発熱抵抗体の一部とこれに接続する個別電極側薄膜
    導体が無機絶縁物層で覆われ、更に前記接続部近傍を含
    む前記無機絶縁物層が有機絶縁物層で覆われていること
    を特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記インクジェット記録ヘッドは、前記薄
    膜発熱抵抗体とほぼ垂直の方向にインク滴が吐出するト
    ップシュータタイプであって、前記有機絶縁物層が前記
    インク流路を形成する隔壁を構成するものであることを
    特徴とする請求項2記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記無機絶縁物層がリフトオフ法とスパッ
    タ法によって形成されたものであることを特徴とする請
    求項1〜3記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記薄膜発熱抵抗体が、64%≦Ta≦8
    5%、5%≦Si≦26%、6%≦O≦15%の範囲に
    あるTa−Si−O三元合金からなることを特徴とする
    請求項1〜4記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】前記薄膜発熱抵抗体に接続する薄膜導体が
    Ni金属からなることを特徴とする請求項1〜5記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】前記インクジェット記録ヘッドを用いたこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
JP8122091A 1996-05-17 1996-05-17 インクジェット記録ヘッド及びその装置 Pending JPH09300623A (ja)

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