JP3061935B2 - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置の製造方法

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JP3061935B2
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
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    • B41J2/14112Resistive element
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクをインク吐出口
から噴射してインク液滴を形成するインクジェット記録
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のインクジェット記録ヘッドに関
し、例えば特開昭54−51837に記載されているイ
ンクジェット記録方法は、熱エネルギーをインクに作用
させて、インク液滴吐出の原動力を得るという点に於
て、他のインクジェット記録方法とは異なる特徴を有し
ている。
【0003】即ち、上述の公報に開示されている記録方
法は、熱エネルギーの作用を受けたインクが加熱されて
気泡を発生し、この気泡が被記録部材に付着して情報の
記録が行われるということを特徴としている。
【0004】この記録方法に適用される記録ヘッドは、
一般にインク液滴を吐出するために設けられたインク吐
出口と、インク液滴を吐出するための熱エネルギーがイ
ンクに作用する熱作用部を有してインク吐出口に連通す
る液路と、熱エネルギーの発生手段である電気熱変換体
としての発熱抵抗層と、該発熱抵抗層をインクから保護
する上部保護層並びに熱エネルギーを蓄熱するための蓄
熱層と、記録ヘッド全体を支持する支持基板とを具備し
ている。尚、場合によっては、上部保護層は省略され
る。
【0005】上記支持基板を形成する材料としては熱伝
導率が大きく、表面性が良好であるものが好ましく、従
来、シリコン基板が用いられてきた。しかしながら、シ
リコン基板は高価であり工業経済的に不利であるため、
これに代わる安価な代替材料が数多く検討されてきた。
そこで、熱伝導率が大きく、表面性が良好であり、しか
も安価である金属基板が注目されている。中でもアルミ
ニウムは安価で熱伝導率が大きいために、特に注目され
いる。
【0006】金属基板をインクジェット記録ヘッドの支
持基板として用いるためには、基板表面を絶縁処理する
ことが必要である。一般的には、絶縁物により基板表面
を被膜する。この際、発熱抵抗層側の基板面に形成する
絶縁膜はインク発泡に必要な熱エネルギーを蓄熱するた
めの蓄熱層として形成される。
【0007】前記蓄熱層は蓄熱層及び絶縁層として機能
するものであるから、熱伝導率が悪く、絶縁性であるこ
とが要求される。また、発熱抵抗層に隣接して支持基板
への放熱を防ぐものであるから、通電時の発熱抵抗層の
温度である600℃以上の高温に耐えるものでなければ
ならない。更に、インク発泡を生じさせる熱作用部の表
面性に影響を与えるため表面性がよいことが要求され
る。
【0008】従って、上記要求を満たす蓄熱層材料とし
て、無機絶縁物が、CVD等の化学気相反応、PVD等
の真空成膜法等により基板表面に成膜されてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記C
VD、PVD等によって、1.0μm以上の蓄熱層を基
板上に成膜した場合、基板からの蓄熱層の剥離がしばし
ば発生していた。膜厚が1.0μmより薄い場合には蓄
熱層の剥離は発生しないが、前述のようにインクジェッ
ト記録ヘッドに用いる蓄熱層は蓄熱の目的のため1.0
μm以上の厚さが必要である。このため、比較的厚い膜
厚の蓄熱層に於て、剥離を生じない構成が求められてい
た。
【0010】鋭意研究の結果、蓄熱層成膜時の基板温度
が蓄熱層の剥離に影響することが判明した。即ち、CV
D、PVD等で無機絶縁物を金属基板状に成膜する場
合、成膜時の基板温度は200〜600℃程度の高温で
あり、この状態から室温まで降温する際に、金属基板と
無機絶縁物の蓄熱層との熱膨張率の差による応力が発生
する。この応力が支持基板と蓄熱層との密着力よりも大
きくなったとき、蓄熱層の剥離が発生する。特に蓄熱層
の膜厚が大きいほど、この応力も大きくなる。この現象
は殆ど全ての金属基板に於て発生する。
【0011】上記問題を解決する方法として、蓄熱層成
膜時の基板温度を低下させる方法が考えられるが、低温
で成膜した場合は絶縁耐圧が低下する等の膜質の低下が
起きるので好ましくない。
【0012】又、蓄熱層形成材料として、絶縁性、低熱
伝導性、耐熱性を満たし、かつ金属並の熱膨張率を持つ
ものは現在のところ見あたらない。
【0013】従って、本発明の目的は蓄熱層並びに他の
各層の形成時に基板温度を低下させることなく、蓄熱層
の剥離を防止して、良好な印字特性を有するインクジェ
ット記録ヘッドを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、インクに熱エネルギーを与えるエネルギー
発生素子と、該エネルギー発生素子によりインク中に気
泡を形成させる熱作用部と、該エネルギー発生素子に接
して熱エネルギーを蓄熱する絶縁性の蓄熱層と、該蓄熱
層を支持する支持基板とを有するインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法に於て、前記支持基板として金属を主成
とする基板を用い、前記蓄熱層として、前記基板の表
にアロジン法、MBV法、EW法のいずれかの化成処
して厚さ1μm以上の化成皮膜を形成する工程と、
前記蓄熱層上に発熱抵抗層、電極層とを順次形成する工
程と、所望の回路パターンをフォトリソグラフィーによ
り前記電極層に形成して熱作用部を形成する工程とを有
することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造
方法である。
【0015】また、本発明は、インクに熱エネルギーを
与えるエネルギー発生素子と、該エネルギー発生素子に
よりインク中に気泡を形成させる熱作用部と、該エネル
ギー発生素子に接して熱エネルギーを蓄熱する絶縁性の
蓄熱層と、該蓄熱層を支持する支持基板とを有するイン
クジェット記録ヘッドの製造方法に於て、前記支持基板
として金属を主成分とする基板を用い、前記蓄熱層を、
注入イオンが酸素イオン又は窒素イオンであるイオン注
入法で厚さ1μm以上に形成する工程と、前記蓄熱層上
に発熱抵抗層、電極層とを順次形成する工程と、所望の
回路パターンをフォトリソグラフィーにより前記電極層
に形成して熱作用部を形成する工程とを有することを特
徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
【0016】また、本発明はエネルギー発生素子が発
熱抵抗層で形成されている上記インクジェット記録ヘッ
の製造方法である。
【0017】また、本発明は記録媒体の記録領域全幅
にわたってインク吐出口が複数設けられているフルライ
ンタイプの上記インクジェット記録ヘッドの製造方法
ある。
【0018】
【0019】
【0020】更に、本発明は、上記の方法で記録媒体の
被記録面に対向してインク吐出口が設けられインクジ
ェット記録ヘッドを作製する工程と、該記録ヘッドを載
置するための部材少なくとも具備する工程とを有する
インクジェット記録装置の製造方法である。
【0021】以下、図面を参照しながら本発明を説明す
る。
【0022】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
のヒーターボード付近の1構成例を示す拡大平面図であ
る。図2はそのX−Y切断線に沿った切断断面図であ
る。図中101は支持基板、102は蓄熱層、103は
発熱抵抗層、104は電極層、105は第1の保護層、
106は第2の保護層、107は第3の保護層、201
は熱作用部である。
【0023】まず、第1の本発明記録ヘッドについて説
明する。
【0024】エネルギー発生素子としては通常のものが
使用でき、例えば発熱抵抗体等の電気熱変換体が好まし
い。
【0025】熱作用部の形状、大きさは従来のインクジ
ェット記録ヘッドと同様の構成でよい。
【0026】支持基板を構成する材料としては、インク
ジェット記録ヘッドに用いられる通常の金属基板が使用
できる。中でも、アルミニウムが熱伝導率が大きく、安
価で、特に好ましい。
【0027】蓄熱層は、前記基板を化成処理溶液中に浸
漬し、基板表面を酸化した化成皮膜よりなる。化成処理
溶液及び化成処理方法としては、クロム酸塩、燐酸塩及
び弗化物を含む酸性溶液を用いるアロジン法、あるいは
無水炭酸ソーダ及び無水クロム酸ソーダの水溶液を用い
るMBV法、あるいは炭酸ソーダ、クロム酸ソーダ及び
珪酸ソーダの水溶液を用いるEW法等が使用できる。
【0028】発熱抵抗層、電極層及び上部保護層はイン
クジェット記録ヘッドに採用される通常のものを用い
る。
【0029】上記の如き構成を採用する本発明のインク
ジェット記録ヘッドは、蓄熱層が支持基板の1部を酸化
させたものであるので、支持基板と蓄熱層との熱膨張率
の差による応力が発生しても、構造的に剥離が生じない
ものである。
【0030】次に、第2の本発明記録ヘッドについて説
明する。
【0031】第2の本発明記録ヘッドは第1の本発明記
録ヘッドに準じるが、その蓄熱層はイオン注入法によっ
て支持基板上に形成する。具体的には酸素イオン
(O+)又は窒素イオン(N+)をイオン注入装置を用い
て、注入エネルギー20keV〜400keV、イオン
注入量1×1016〜1×1019ions/cm2で基板上に
注入する。欠陥等の回復のために、注入後に熱処理を行
ってもよい。
【0032】上記のように蓄熱層を形成することによ
り、第1の本発明ヘッドと同様、蓄熱層は支持基板の1
部が酸化又は窒化されて形成されたものなので、支持基
板と蓄熱層との熱膨張率の違いによる応力が発生しても
剥離を生じない。
【0033】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0034】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。
【0035】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0036】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0037】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0038】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0039】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0040】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
【0041】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0042】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0043】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0044】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0045】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0046】図6は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0047】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0048】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行い、インクを吐出口より強制的に排出させることに
よりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理
を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJCが保護される。
【0049】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード31はブレード保持部材31
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード31をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
【0050】
【実施例】以下、実施例に従って、本発明をより具体的
に説明する。
【0051】実施例1 図1及び図2に示される構成のインクジェット記録ヘッ
ドを以下のように作成した。
【0052】支持基板101として表1に示す材料から
なる基板を用意した。この基板上に、蓄熱層を表2に示
す条件でアロジン法により3.0μm形成した。次に発
熱抵抗層103として、HfB2をスパッタ法で0.1
μm成膜した。この時のシート抵抗値は18Ω/□であ
った。次に、電極層104としてAlを蒸着法によって
成膜した。次いで、フォトリソ技術により図1に示す構
成の回路パターンを形成し、30μm×150μmの熱
作用部201を形成した。更に、第1の保護層105と
して、SiO2を基板温度350℃でスパッタ法により
1.0μm成膜し、第2の保護層106としてTaを基
板温度100℃でスパッタ法により0.5μm成膜し
た。更に、第3の保護層107として感光性ポリイミド
(フォトニース、東レ製)を塗布し、パターンニングし
た後、300℃でポストベークした。 上記の如く作成
したヒーターボードを用いて通常の方法で液路及びイン
ク吐出口等を形成し、図3に示すような幅200mmの
インクジェット記録ヘッドを完成した。図3において、
301はインク吐出口、302はインク供給口である。
【0053】比較例1〜2 蓄熱層をスパッタ法で3.0μm成膜した以外は実施例
1〜2と同様にインクジェット記録ヘッドを作成した。
図4は比較例にて作成したインクジェット記録ヘッドの
ヒーターボード付近の拡大平面図であり、図5はそのX
−Y切断線に沿った切断断面図である。
【0054】実施例2 蓄熱層を表2に示す条件でMBV法により形成した以外
は実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドを作成し
た。
【0055】実施例3 蓄熱層を表2に示す条件でEW法により形成した以外は
実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドを作成し
た。
【0056】比較例3 支持基板として表1に示すように99.9%シリコン基
板を用いた以外は比較例1と同様にインクジェット記録
ヘッドを形成した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】 実施例4〜5 蓄熱層102を表3に示す条件でイオン注入法により形
成した以外は実施例1〜2と同様にインクジェット記録
ヘッドを作成した。
【0059】
【表3】 各実施例及び比較例に於て作成したインクジェット記録
ヘッドの支持基板と蓄熱層との剥離の有無を表1に示し
た。表1から判るように、実施例及び従来のシリコン基
板を用いた比較例3においては剥離はみられなかった
が、比較例1〜2においては蓄熱層の剥離が確認され
た。
【0060】尚、本実施例においては、基板材料として
アルミニウム又は銅を用いたが、表面性の良い材料であ
ればこれに限定しない。
【0061】又、本実施例においては、酸素イオンによ
るイオン注入の例を示したが、同様の条件で窒素イオン
によるイオン注入も可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のイン
クジェット記録ヘッドは蓄熱層が支持基板の1部を表面
酸化又は窒化して形成されるので、支持基板と蓄熱層と
の熱膨張率の違いに起因する蓄熱層の剥離を生じない。
【0063】又、本発明の製造方法によれば、アルミニ
ウム等の安価な金属基板を使用できるので、歩留まりが
良く、印字特性の良好なインクジェット記録ヘッドを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッドのヒー
ターボード付近の1構成例を示す拡大平面図である。
【図2】図1のX−Y切断線に沿った切断断面図であ
る。
【図3】本発明に係るインクジェット記録ヘッドの吐出
口付近の1構成例を示す斜視図である。
【図4】従来のインクジェット記録ヘッドのヒーターボ
ード付近の1構成例を示す拡大平面図である。
【図5】図4のX−Y切断線に沿った切断断面図であ
る。
【図6】本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備え
た記録装置の1例を示す斜視図である。
【符号の説明】
16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝動機構 24 プラテン 26 ヘッド回復装置 26A キャップ部 30 ブレード 30A ブレード保持部材 101 支持基板 102 蓄熱層 103 発熱抵抗層 104 電極層 105 第1の保護層 106 第2の保護層 107 第3の保護層 201 熱作用部 301 インク吐出口 302 インク供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B41J 2/05

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに熱エネルギーを与えるエネルギ
    ー発生素子と、該エネルギー発生素子によりインク中に
    気泡を形成させる熱作用部と、該エネルギー発生素子
    接して熱エネルギーを蓄熱する絶縁性の蓄熱層と、該蓄
    熱層を支持する支持基板とを有するインクジェット記録
    ヘッドの製造方法に於て、前記支持基板として金属を主
    成分とする基板を用い、前記蓄熱層として、前記基板の
    表面にアロジン法、MBV法、EW法のいずれかの化成
    処理して厚さ1μm以上の化成皮膜を形成する工程
    と、前記蓄熱層上に発熱抵抗層、電極層とを順次形成す
    る工程と、所望の回路パターンをフォトリソグラフィー
    により前記電極層に形成して熱作用部を形成する工程と
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド
    製造方法
  2. 【請求項2】 インクに熱エネルギーを与えるエネルギ
    ー発生素子と、該エネルギー発生素子によりインク中に
    気泡を形成させる熱作用部と、該エネルギー発生素子に
    接して熱エネルギーを蓄熱する絶縁性の蓄熱層と、該蓄
    熱層を支持する支持基板とを有するインクジェット記録
    ヘッドの製造方法に於て、前記支持基板として金属を主
    成分とする基板を用い、前記蓄熱層を、注入イオンが酸
    素イオン又は窒素イオンであるイオン注入法で厚さ1μ
    以上に形成する工程と、前記蓄熱層上に発熱抵抗層、
    電極層とを順次形成する工程と、所望の回路パターンを
    フォトリソグラフィーにより前記電極層に形成して熱作
    用部を形成する工程とを有することを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー発生素子が発熱抵抗層
    形成されている請求項1又は2記載のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法
  4. 【請求項4】 前記インクジェット記録ヘッドが、記録
    媒体の記録領域全幅にわたってインク吐出口が複数設け
    られているフルラインタイプのものである請求項1又は
    2記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の方法で記録媒体の
    被記録面に対向してインク吐出口が設けられインクジ
    ェット記録ヘッドを作製する工程と、該記録ヘッドを載
    置するための部材少なくとも具備する工程とを有する
    インクジェット記録装置の製造方法
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