JP3127647B2 - 熱制御型インクジェット記録素子 - Google Patents

熱制御型インクジェット記録素子

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JP3127647B2
JP3127647B2 JP1689493A JP1689493A JP3127647B2 JP 3127647 B2 JP3127647 B2 JP 3127647B2 JP 1689493 A JP1689493 A JP 1689493A JP 1689493 A JP1689493 A JP 1689493A JP 3127647 B2 JP3127647 B2 JP 3127647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱抵抗体において発
生する熱により気泡を発生させインク滴を記録体に飛翔
せしめ、記録を行なう熱制御方式のインクジェット記録
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高速記録が
可能であり、記録の際に発生する騒音がほとんどなく、
普通紙に直接印字でき、定着処理等を必要としないた
め、装置の小型化が図れるという点で注目を集めてい
る。このインクジェット記録方法において、インクを噴
射させるための圧力を発生させる手段として、発熱抵抗
体を用いるサーマルインクジェット記録ヘッドが知られ
ている。このサーマルインクジェット記録ヘッドは、例
えば、特開昭54−51837号公報に記載されている
ように、インク滴を噴射するためのオリフィス内部に発
熱抵抗体を設け、水性インクに熱エネルギーを印加して
気泡を発生させ、その気泡の圧力によりインク滴を飛翔
させて、記録体に画像の形成を行なうものである。
【0003】このような発熱抵抗体を利用したインクジ
ェット記録方法においては、熱効率を向上させて低エネ
ルギー化を図り、かつ、発熱素子の寿命を向上させるこ
とが重要な課題となっている。例えば、特開平4−35
7038号公報に記載された記録素子は、発熱抵抗体上
に設けた抵抗体保護層が熱拡散性の高い素材からなり、
発熱領域に対して余分の広がりを設けることにより、低
エネルギー化と寿命の向上の両立を図ることを提案した
ものである。
【0004】図10は、このような従来の熱制御型イン
クジェット記録素子の発熱体近傍の説明図である。図1
0(A)は断面図、図10(B)は平面図である。図
中、1は基板、2は蓄熱層、3は抵抗体層、5は制御電
極層、6は共通電極層、7は電極保護層、8は抵抗体絶
縁保護層、9は抵抗体金属保護層、10はピット層であ
る。基板1上に蓄熱層2が積層され、その上に抵抗体層
3が積層される。さらにその上には、制御電極層5およ
び共通電極層6が積層され、パターニングされる。この
制御電極層5と共通電極層6から抵抗体層3に電流が印
加され、抵抗体層3が発熱する。発熱する領域、すなわ
ち、熱作用領域Hは、抵抗体層3のうち、制御電極層5
と共通電極層6により挟まれた領域である。抵抗体層3
の上には、抵抗体絶縁保護層8および抵抗体金属保護層
9の2層からなる抵抗体保護層が積層され、パターニン
グされて、各オリフィスに対応した熱作用領域Hを覆う
領域に積層される。この抵抗体保護層としては、インク
に対する耐侵食性が高くかつ浸透性の低い材料が用いら
れる。この抵抗体保護層により、インクによる侵食から
抵抗体層3を保護している。さらに、制御電極層5およ
び共通電極層6の上には、電極保護層7が積層され、パ
ターニングされる。そして、気泡の発生領域を規定する
凹部を形成するため、ピット層10が形成される。
【0005】抵抗体保護層は、抵抗体層3で発生させた
熱を上部のインクに伝達させるため、熱伝導率の高い材
料で構成される。この抵抗体保護層の被覆面積が大きい
と、抵抗体層3で発生した熱は、この抵抗体保護層を通
して逃げてしまい、熱効率は低下する。そのため、抵抗
体保護層は、各熱作用領域H程度の大きさとし、その周
囲に熱伝導率の低い電極保護層7を配すことにより熱の
拡散を遮断し、熱効率を向上させている。抵抗体保護層
の大きさは、抵抗体層3の熱作用領域Hをカバーする程
度に設定するのが最も熱効率はよくなる。しかし、熱の
拡散を生じない分、抵抗体保護層の温度が上昇し、熱歪
みによる亀裂が発生する場合がある。そのため、抵抗体
保護層の大きさをある程度の大きさにする必要がある。
抵抗体保護層の大きさによって規定される熱拡散領域D
は、熱作用領域Hに対し、抵抗体保護層の熱伝導率、比
熱、密度、駆動時間をそれぞれλ,c,ρ,τとすると
き、 (2λτ/cρ)1/2 <L を満たす余分の広がりLを有する大きさ、すなわち、D
=H+2Lとする。このような大きさとすることによ
り、熱効率を向上させ、低エネルギー化を図るととも
に、抵抗体保護層と電極保護層境界において熱歪みに起
因した亀裂の発生をなくしている。
【0006】このような構成の記録素子では、熱硬化性
樹脂からなるピット層が電極付近で隆起して、そこにイ
ンクが侵入し、さらに、電極保護層を侵食し、電極とイ
ンクの間で短絡が発生する。
【0007】また、別の従来のインクジェット記録ヘッ
ドとして、特開平3−9847号公報に記載されたもの
がある。図11は、別の従来の熱制御型インクジェット
記録素子の発熱抵抗体近傍の説明図である。図11
(A)は断面図であり、図11(B)は平面図である。
図中、図10と同様の部分には同じ符号を付して説明を
省略する。4は層間絶縁膜である。蓄熱層2上に積層さ
れる抵抗体層3は、各オリフィス毎にパターニングさ
れ、その周囲は、層間絶縁膜4が積層されている。層間
絶縁膜4には、抵抗体層3に電極を接続するための孔が
設けられており、その孔を介して、制御電極層5および
共通電極層6と抵抗体層3が電気的に接続される。図1
0と同様に、抵抗体層3の熱作用領域H上には、抵抗体
絶縁保護層8および抵抗体金属保護層9の2層からなる
抵抗体保護層が積層され、また、制御電極層5と共通電
極層6、および、抵抗体保護層の周辺部を覆うように、
電極保護層7が積層され、さらに、気泡の発生領域を規
定する凹部を形成するためのピット層10が形成され
る。電極保護層7は、電極の電気的絶縁を図るととも
に、低熱拡散物質を用いることにより不要な熱拡散を防
止するための働きを有する。
【0008】この従来の技術では、抵抗体絶縁保護層8
は高温雰囲気下で作製された窒化珪素を採用している。
このように、抵抗体絶縁保護層8の窒化珪素を高温雰囲
気下で作製することにより、水素含有量を極力少なく
し、抵抗体および金属保護層に対する窒化珪素内の水素
の悪影響を排除し、寿命の向上を達成しようとしてい
る。抵抗体絶縁保護層8を高温雰囲気下で作成するた
め、制御電極層5及び共通電極層6を形成するAl−S
iは、抵抗体保護層の作製後に設けられる。これは、A
l−Siは高温雰囲気下では耐えられないからである。
従って、図10の例のように、抵抗体保護層は熱作用領
域を完全に被覆することが構成上不可能である。そのた
め、このような熱制御型インクジェット記録素子におい
ては、電極保護層7と抵抗体保護層の境界において発生
する熱歪みに起因した亀裂や、インクの侵食作用による
電極保護層7の腐食等により、電極とインク間の短絡が
発生する。
【0009】このように、従来のインクジェット記録素
子では、インクにより電極保護層が侵食され、電極とイ
ンクの間で短絡が発生し、記録素子が使用不能となって
しまうという不具合があった。この現象は、主に、イン
クの腐蝕作用と気泡の膨張収縮によるキャビテーション
衝撃との協働現象により発生し、特に、熱作用領域周辺
の段差のある部分の劣化が著しい。そのため、例えば、
特開昭59−194866号公報の図3に記載されてい
るように、電極上の保護層(第2の上部保護層)の段差
部分を、耐腐蝕性と耐キャビテーション性に優れた抵抗
体金属保護層(第3の上部保護層)により保護すること
が考えられる。しかし、この文献に開示されているイン
クジェット記録素子では、熱作用領域上に設けられてい
る第1の上部保護層が電極上まで延在しており、発熱抵
抗層で発生した熱は、この第1の上部保護層から逃げて
しまい、上述の従来のインクジェット記録素子のよう
に、低エネルギー化を図ることはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、熱効率を向上させ、低エネ
ルギー化を図るとともに、素子の劣化を防止し、長寿命
でかつ低価格の熱制御型インクジェット記録素子を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、発熱抵抗体において発生する熱により気泡を発生さ
せインク滴を記録媒体に飛翔させて印字を行なう熱制御
型インクジェット記録素子において、前記発熱抵抗体に
接続される電極を保護する電極保護層と、前記発熱抵抗
体の発熱領域上に抵抗体金属保護層と抵抗体絶縁保護層
からなる少なくとも2層の抵抗体保護層を有し、前記電
極保護層は、前記発熱抵抗体側の端部が前記電極の端部
よりも前記発熱抵抗体の発熱領域から離れる方向に後退
しており、前記2層の抵抗体保護層は、少なくとも前記
抵抗体絶縁保護層が各発熱領域毎に個別に設けられ、少
なくとも前記抵抗体金属保護層が発熱領域周囲の段差を
覆うように前記電極保護層の上方まで設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱制御型インクジェット記録素子において、前記抵抗
体金属保護層がTaで構成され、前記発熱抵抗体が多結
晶シリコン抵抗体から構成されることを特徴とするもの
であり、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に
記載の熱制御型インクジェット記録素子において、前記
抵抗体絶縁保護層及び前抵抗体金属保護層の大きさは、
層の熱伝導率、比熱、密度、駆動時間をそれぞれλ、
c、ρ、τとするとき、 (2λτ/cρ)1/2 <L を満たす広がりLを有することを特徴とするものであ
る。
【0013】
【作用】本発明によれば、抵抗体金属保護層と抵抗体絶
縁保護層からなる少なくとも2層の抵抗体保護層を有
し、少なくとも抵抗体絶縁保護層が発熱抵抗体の発熱領
域上に個別に設けられているので、熱効率を向上させ、
低エネルギー化を図ることができるとともに、少なくと
も抵抗体金属層が発熱領域周囲の段差を覆うように設け
られていることにより、発熱領域周囲の段差部に、イン
クの腐蝕作用と気泡の膨張収縮によるキャビテーション
衝撃との協働現象から、段差を有する、例えば、電極保
護層などを保護することができる。このため、電極とイ
ンクの間で発生する短絡を防止することができる。これ
により、熱制御型インクジェット記録素子の長寿命化を
図ることができる。
【0014】また、抵抗体金属保護層をTaで構成する
ことにより、インクの腐蝕作用と気泡の膨張収縮による
キャビテーション衝撃との協働現象に対して、良好な保
護を図ることができる。さらに、発熱抵抗体を多結晶シ
リコン抵抗体で構成することにより、駆動回路と一体の
熱制御型インクジェット記録素子を得ることができる。
【0015】抵抗体絶縁保護層及び抵抗体金属保護層の
大きさとして、各層が発熱領域を越えた広がりLを有
し、その広がりLが、層の熱伝導率、比熱、密度、駆動
時間をそれぞれλ,c,ρ,τとするとき、 (2λτ/cρ)1/2 <L を満たすようにすることにより、印字パルスが印加され
た駆動時間内には熱源の十分な拡散が行なわれず、か
つ、抵抗体保護層の境界における熱歪みが抑えられ、低
エネルギー化を図るとともに、電極保護層の亀裂の発生
をなくすことができる。
【0016】さらに、発熱抵抗体に接続される電極を保
護する電極保護層の端部を電極の端部よりも発熱抵抗体
から離れる方向に後退させることにより、発熱領域の周
囲に存在する段差をなめらかにして、段差にかかる力を
小さくするとともに、抵抗体金属保護層を電極保護層の
上方まで設けることにより、インクの電極保護層への侵
食を防ぐことができる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の熱制御型インクジェット記
録素子の第1の実施例の説明図である。図中、図10と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。図1
(A)は断面図、図1(B)は平面図である。基板1上
に蓄熱層2が積層され、その上に抵抗体層3が積層され
る。さらにその上には、制御電極層5および共通電極層
6が積層され、パターニングされる。この制御電極層5
と共通電極層6から抵抗体層3に電流が印加され、抵抗
体層3が発熱する。発熱する領域、すなわち、熱作用領
域Hは、抵抗体層3のうち、制御電極層5と共通電極層
6により挟まれた領域である。
【0018】その後、電極保護層7が積層され、パター
ニングされる。図1では、電極保護層7の端部を、制御
電極層5、共通電極層6の端部よりも発熱抵抗体から離
れる方向に後退させ、制御電極層5、共通電極層6の端
部が露出するように構成している。これに限らず、電極
保護層7の端部を電極の端部と揃えたり、電極を完全に
被覆するように構成することもできる。図1のような構
成とすると、熱作用領域Hの周囲の段差がなだらかにな
り、この段差部分に働く力を弱めることができる。
【0019】電極保護層7の積層後、抵抗体絶縁保護層
8および抵抗体金属保護層9の2層からなる抵抗体保護
層を積層し、パターニングする。このとき、抵抗体保護
層の大きさDは、熱作用領域Hよりも周囲に余分の広が
りLだけ大きく形成される。この余分の広がりLは、層
の熱伝導率、比熱、密度、駆動時間をそれぞれλ,c,
ρ,τとするとき、 (2λτ/cρ)1/2 <L の関係を満たす大きさとする。図1では、抵抗体絶縁保
護層8と抵抗体金属保護層9の大きさを合わせるように
構成している。もちろん、各抵抗体保護層をそれぞれの
大きさに構成することも可能である。抵抗体保護層は、
電極保護層7の上まで設けられ、電極保護層7の端部の
段差を覆うように構成されている。これにより、インク
の腐蝕作用と気泡の発生、消滅時のキャビテーション衝
撃との協働現象から段差部を保護し、電極保護層7の侵
食、および、侵食が進んで発生する電極とインクの間の
短絡を防止することができる。また、ここまでの製造工
程で用いる技術も従来と同様であり、特別なプロセスを
用いることなく、インクジェット記録素子を製造するこ
とができる。
【0020】抵抗体保護層の余分の広がりLの寸法は、
これを大きくすれば、作製過程の簡易化を図ることが可
能である。しかし、この広がりLが大きいと、熱が拡散
し、熱効率が低下するので、熱効率と作成の容易性によ
り広がりLの値を設定すればよい。また、設定した余分
の広がりLの寸法によっては、隣接した抵抗体に跨る場
合も考えられるが、このような場合には、抵抗体の並び
方向に広がる帯状パターンとすることもできる。
【0021】抵抗体保護層の厚みは、それぞれ5000
0Å以下、好ましくは20000Å以下500Å以上が
望ましい。PSGで構成される電極保護層7の厚みは、
電極の厚みに依存するが、被覆性を考慮し、電極の厚み
が10000Åの場合に、約1000Å〜20000Å
程度とすることが望ましい。
【0022】また、電極保護層7は、その熱伝導率、比
熱、密度をそれぞれ、λ0 ,c0 ,ρ0 とし、選択され
た抵抗体保護層の熱伝導率、比熱、密度をそれぞれ、
λ,c,ρとするとき、 λc0 ρ0 >λ0 cρ を満たすことが望ましい。
【0023】抵抗体絶縁保護層8の素材としては、窒化
珪素の他、酸窒化珪素、炭化珪素、サイアロン、アルミ
ナ、窒化アルミ、窒化硼素等が挙げられるが、これに限
るものではなく、所望の素材を用いることができる。た
だし、抵抗体絶縁保護層8の固有抵抗値は、抵抗体の固
有抵抗値以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは
1000倍以上であることが望ましい。また、抵抗体で
発生する熱を伝達することから、熱伝導性のよい材料を
用いることが望ましい。このとき、上述の不等式を満た
す広がりLを有するように構成すればよい。
【0024】また、抵抗体金属保護層9の素材として
は、Taの他に、W,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,
Vの単体金属、Ta−Mo,Ta−Ti,Ti−W,T
a−V,Nb−V,Nb−Ta,Ni−Crなどの合金
や、Ta,W,Hf,Zr,Ti,Mo,Vの珪化物、
Ta,Ti,Mo,Nb,Zrの窒化物等を用いること
ができる。これらの素材は、耐熱温度が高く、また、ア
ルカリ性インクに浸水させても、せいぜい表面に薄い酸
化層を形成するだけであり、アルカリイオンの浸透を阻
止することができるので、抵抗体の熱を伝達し、また、
常にアルカリ性インクに接する抵抗体金属保護層9とし
ては好適である。
【0025】図2は、各物質のアルカリ性インクに対す
る劣化状態の説明図である。図2では、PSG5000
Åを堆積したSi基板上に、上述の抵抗体金属保護層9
に好適な素材及びCu,Alを5000Å積層し、pH
8.4、Naイオン濃度60ppmの黒インクに浸し
て、1000時間、85℃の雰囲気に放置したときの劣
化状態を示している。その結果、図2のように、上述の
抵抗体金属保護層9に好適な素材では、無変化または表
面に酸化層が形成されただけで、下地のPSGは無変化
であった。しかし、Cu,Alでは、これらの金属層お
よび下地のPSGとも、溶解してしまった。これらのこ
とから、上述の素材は、抵抗体金属保護層9に好適であ
ることがわかる。
【0026】Ta等の抵抗体金属保護層9は、内部スト
レスが激しく、数100mm角程度の大面積にパターニ
ングした場合には、しばしば剥離が発生する。そのた
め、抵抗体金属保護層9を帯状パターンとした場合に
は、このような剥離の発生をなくすことができる。この
ときの抵抗体並び方向に広がる帯状パターンの幅は、抵
抗体長さに依存するが、最大500μm以内であること
が望ましく、広がりLは100μm以内であることが望
ましい。これ以上の余分の広がりを設けても寿命の飛躍
的向上を図ることはできず、逆に抵抗体金属保護層の剥
離が発生する。
【0027】第1の実施例の具体例について述べる。基
板1は単結晶Siであり、その上に熱酸化膜を約200
00Å成長させて、蓄熱層2を形成した。その上に抵抗
体層3として、Ta2 Nを700Å、制御電極層5、共
通電極層6として、Al−Cu−Siを10000Å順
次堆積し、積層順序と逆にパターニングする。熱作用領
域Hの面積は35×110μm2 であり、抵抗体の1素
子当たりの抵抗値は約100Ωである。このような大き
さの発熱抵抗体は、例えば、1インチ当たり400個の
密度で256個設けることができる。両者ともにマグネ
トロンスパッタリングにより成膜を行なうことができ
る。電極保護層7としてPSG(Phospho−Si
licate Glass)5000ÅをCVD法によ
り堆積し、エッチングした。
【0028】次に、抵抗体絶縁保護層8,抵抗体金属保
護層9として、窒化珪素5000Å,Ta5000Åを
順次堆積し、熱作用領域Hよりも余分の広がりL=12
μmをもたせて、プラズマエッチングした。このとき、
余分の広がりLは、層の熱伝導率、比熱、密度、駆動時
間をそれぞれλ,c,ρ,τとするとき、 (2λτ/cρ)1/2 <L の関係を満たすように構成する。Ta層では、λ/cρ
=2.0×10-52 /s、窒化珪素層では、λ/cρ
=1.4×10-52 /sである。これらの値より、窒
化珪素,Taの広がりの最小値は、それぞれ約9μm,
10μmであるが、作製過程の簡易化を図るため、図1
では、Taの広がりに窒化珪素の広がりを合わせるよう
に構成している。
【0029】抵抗体保護層8,9の大きさを上述の寸法
とすることにより、電極保護層7の電極上の段差部分
は、この抵抗体保護層8,9に被覆された構造となる。
この構成により、熱作用領域Hの周囲に存在する電極
5,6および電極保護層7によって形成されている段差
部を、キャビテーション衝撃の協働現象から保護するこ
とができる。このため、電極保護層7の侵食、および、
電極とインクの間で発生する短絡を防止することができ
る。
【0030】図3は、本発明の熱制御型インクジェット
記録素子の第2の実施例の説明図である。図中、図1と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。上述
の第1の実施例と比べ、電極保護層7と抵抗体絶縁保護
層8の堆積およびパターニングの順序が異なる。すなわ
ち、第2の実施例では、例えばPSGで構成される電極
保護層7の堆積およびパターニングを行なう前に、例え
ば窒化珪素で構成される抵抗体絶縁保護層8の積層およ
びパターニングを行なっている。しかし、電極保護層7
の端部において、例えばTaで構成される抵抗体金属保
護層9により被覆されているのは、第1の実施例と同様
である。また、第2の実施例では、第1の実施例と同じ
く、抵抗体金属保護層9は、余分の広がりL=12μm
を有し、抵抗体ごとに区切られた個別パターンとした
が、抵抗体絶縁保護層8は抵抗体金属保護層に比べ広げ
た構成とした。これは、抵抗体絶縁保護層8のパターン
の端部によって電極保護層7に生じる段差と、抵抗体金
属保護層9のパターンの端部が重ならないようにするた
めである。
【0031】上述の第1、第2の実施例のようにして作
製したインクジェット記録素子の寿命試験を実施した。
比較例として、図10に示したような従来のインクジェ
ット記録素子も同様の寿命試験を行なった。試験に用い
た従来のインクジェット記録素子は、電極までの積層お
よびパターニングを終えた後、抵抗体絶縁保護層8とし
て窒化珪素5000Å、抵抗体金属保護層9としてTa
5000Åを積層・パターニングしてから、電極保護層
PSGの積層・パターニングを行なったものを用いた。
また、インク滴の飛翔に必要なエネルギーの閾値は、す
べての発熱素子において約17μJであるが、この1.
2倍の印加エネルギーを与えて寿命試験を行なった。
【0032】実験の結果、図4に示すように、図10に
示した従来のインクジェット記録素子に比べ、上述の第
1及び第2の実施例におけるインクジェット記録素子の
寿命は、約5倍近く向上していることが分かった。ま
た、寿命試験を行なった後の発熱素子の観察から、故障
原因を調べると、第1、第2の実施例におけるインクジ
ェット記録素子では発熱領域の中央部において、Taで
構成された抵抗体金属保護層9の表面に摩耗破壊が発生
したのに対して、図10に示した従来のインクジェット
記録素子では、発熱領域の境界付近の電極保護層が侵食
され、電極とインクの間の短絡によって破壊が発生して
いることが分かった。第1、第2の実施例におけるイン
クジェット記録素子の破壊が、発生した気泡が崩壊する
瞬時の圧力衝撃により、抵抗体金属保護層が摩耗して発
生したものと考えられる。これに対し、図10に示した
従来のインクジェット記録素子の破壊は、印字パターン
に同期した電場によって、インク中のアルカリイオンが
断続的に電極保護層を侵食することにより発生したもの
と考えられる。このように、上述の第1、第2の実施例
では、抵抗体金属保護層により、アルカリイオンの浸透
を阻止することによって、インクジェット記録素子が破
壊されることはなかった。
【0033】図5は、本発明の熱制御型インクジェット
記録素子の第1及び第2の実施例の変形例の説明図であ
る。図5(A)は、第1の実施例の変形例、図5(B)
は、第2の実施例の変形例である。図中、図1、図3と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。10
はピット層である。図5は、図1および図3で示したイ
ンクジェット記録素子の上に、さらに、気泡の発生領域
を規定するためのピット層10を設けた例を示してい
る。このピット層10は、熱硬化性樹脂等により形成す
ることができる。
【0034】ピット層10も、気泡の発生、消滅により
侵食される。そのため、図10で示したような従来のイ
ンクジェット記録素子では、ピット層10の侵食が電極
保護層の段差部まで達し、電極保護層の侵食につなが
る。しかし、図5に示したような構造とすれば、ピット
層10が侵食されても、抵抗体金属保護層により電極保
護層の段差部が保護され、露出しないので、電極保護層
の侵食を起こりにくくすることができる。
【0035】もちろん、ピット層10も、抵抗体金属保
護層で覆うように構成することができる。このように構
成することにより、ピット層10の侵食を防ぐことも可
能である。
【0036】図6は、本発明の熱制御型インクジェット
記録素子の第3の実施例の説明図である。図6(A)は
断面図、図6(B)は平面図である。図中、図11と同
様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。基板1
上に蓄熱層2が積層され、その上に抵抗体層3が積層さ
れる。蓄熱層2上に積層される抵抗体層3は、各オリフ
ィス毎にパターニングされる。その後、層間絶縁膜4が
積層およびパターニングされる。層間絶縁膜4の上に、
制御電極層5及び共通電極層6が積層される。層間絶縁
膜4には、抵抗体層3に電極を接続するための孔が設け
られており、その孔を介して、制御電極層5および共通
電極層6と抵抗体層3が電気的に接続される。次に、制
御電極層5と共通電極層6を覆うように、電極保護層7
が積層される。
【0037】そして、抵抗体層3の熱作用領域H上に、
抵抗体絶縁保護層8および抵抗体金属保護層9の2層か
らなる抵抗体保護層が積層され、パターニングされる。
積層される抵抗体保護層の大きさ、厚み、素材等は、第
1の実施例と同様に構成することができる。このとき、
抵抗体保護層の大きさDは、熱作用領域Hよりも周囲に
余分の広がりLだけ大きく形成される。この余分の広が
りLは、層の熱伝導率、比熱、密度、駆動時間をそれぞ
れλ,c,ρ,τとするとき、 (2λτ/cρ)1/2 <L の関係を満たす大きさとする。図6では、抵抗体絶縁保
護層8と抵抗体金属保護層9の大きさを合わせるように
構成している。もちろん、各抵抗体保護層をそれぞれの
大きさに構成することも可能である。抵抗体保護層は、
電極保護層7の平坦部まで設けられ、電極保護層7の端
部の段差を覆うように構成されている。これにより、イ
ンクの腐蝕作用と気泡の発生、消滅時のキャビテーショ
ン衝撃との協働現象から段差部を保護し、電極保護層7
の侵食、および、侵食が進んで発生する電極とインクの
間の短絡を防止することができる。
【0038】第3の実施例の具体例について述べる。基
板1は単結晶Siであり、その上に熱酸化膜を約120
00Å成長させて蓄熱層2を形成した。その上に抵抗体
層3として、多結晶シリコンを4500Å堆積した後、
イオン注入とアニーリング処理およびパターニングを行
った。
【0039】層間絶縁層4は、抵抗体層3と、制御電極
層5、共通電極層6との電気的接触および絶縁を図るた
めに形成される。この層間絶縁層4は、CVD法により
シリコン酸化膜3000Å,BPSG(Boron P
hospho−Silicate Glass)を50
00Å堆積し、約1000℃の高温雰囲気下においてリ
フロー処理して形成した。この処理により、堆積膜表面
の平坦化および緻密化を図っている。次に、抵抗体層3
と、電極の電気的接触領域を形成するため、反応性イオ
ンエッチングして開口を設け、この領域の多結晶シリコ
ン上にPtSi2 を形成した。この後、発熱領域のシリ
コン酸化膜とBPSGを除去した。制御電極層4および
共通電極層5として、Al−Siを12000Åマグネ
トロンスパッタリング法により堆積し、パターニングし
た。熱作用領域Hの面積は、45×140μm2 であ
り、抵抗体1素子当たりの抵抗値は約100Ωである。
このような大きさの発熱抵抗体を、例えば、1インチ当
たり300個の密度で128個設けることができる。電
極保護層7として、PSG10000ÅをCVD法によ
り堆積し、熱作用領域Hの部分をエッチングした。
【0040】次に、抵抗体絶縁保護層8および抵抗体金
属保護層9として、窒化珪素1500Å,Ta5000
Åを順次堆積し、熱作用領域Hよりも余分の広がりL=
17μmをもたせてエッチングした。窒化珪素による抵
抗体絶縁保護層8の積層は、プラズマCVD法により比
較的低温の350℃雰囲気下で堆積した。Taによる抵
抗体金属保護層9の積層は、マグネトロンスパッタリン
グ法により堆積した。これらの窒化珪素1500Å,T
a5000Åの層を、同一マスクによってプラズマエッ
チングし、Taの層の広がりに窒化珪素の層の広がりを
合わせた。このとき、PSGで形成した電極保護層7
は、その端部における段差部が、2層の抵抗体保護層に
より被覆される構造となる。抵抗体保護層の厚みは、そ
れぞれ50000Å以下、好ましくは20000Å以下
500Å以上が望ましい。抵抗体絶縁保護層8および抵
抗体金属保護層9の素材は、第1の実施例と同様の素材
を選択して用いることができる。また、抵抗体層3とし
て、多結晶シリコンを用いることにより、駆動素子と一
体の記録ヘッドを形成することができる。
【0041】図7は、本発明の熱制御型インクジェット
記録素子の第4の実施例の説明図である。図7(A)は
断面図、図7(B)は平面図である。図中、図6、図1
1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0042】この第4の実施例では、上述の第3の実施
例と比べ、電極保護層7と抵抗体絶縁保護層8の堆積お
よびパターニングの順序が異なる。すなわち、第4の実
施例では、電極保護層7の堆積およびパターニングを行
なう前に、抵抗体絶縁保護層8の積層およびパターニン
グを行なっている。しかし、電極保護層7が、その端部
において、抵抗体金属保護層9により被覆されているの
は第3の実施例と同様である。電極保護層7としてはP
SGを、抵抗体絶縁保護層8としては窒化珪素を、抵抗
体金属保護層9としてはTaを用いることができる。も
ちろん、他の材料でもよい。また、この第4の実施例で
は、第3の実施例と同じく、抵抗体金属保護層9は、余
分の広がりL=17μmを有しているが、抵抗体絶縁保
護層8は、余分の広がりLを抵抗体金属保護層9よりも
広げた。これは、抵抗体絶縁保護層8のパターンによっ
て生じた段差上に、抵抗体絶縁保護層9のパターンの端
部が重ならないようにするためである。
【0043】第3、第4の実施例のようにして作製した
インクジェット記録素子の寿命試験を実施した。比較例
として、図11に示したような従来のインクジェット記
録素子を用いて実験した。試験で用いる従来のインクジ
ェット記録素子としては、層間絶縁層4の堆積及びパタ
ーニングまでの過程を終えた後、抵抗体絶縁保護層8と
して窒化珪素1500Å、抵抗体金属保護層9としてT
a5000Åを順次積層及びパターニングし、PSGに
よる電極保護層7の積層及びパターニングを行なって作
成したものを用いた。抵抗体絶縁保護層8を構成する窒
化珪素1500Åは、約800℃の高温雰囲気下におい
て、熱CVD法により堆積した。また、インク滴の飛翔
に必要なエネルギー閾値は、すべての発熱素子において
約21μJであるが、この1.2倍の印加エネルギーで
寿命試験を行なった。
【0044】試験の結果、図8に示すように、図11に
示したような従来のインクジェット記録素子に比べ、第
3、第4の実施例の寿命は、約4倍以上向上しているこ
とが分かった。また、寿命試験を行なった後の発熱素子
の観察から故障原因を調べると、第3、第4の実施例で
は、発熱領域の中央部において、抵抗体金属保護層9の
表面に摩耗破壊が発生していた。これに対して、図11
に示したような従来のインクジェット記録素子では、発
熱領域の境界付近において電極保護層7の段差部分が侵
食され、電極とインクの間の短絡によって破壊が発生し
ていることが分かった。第3、第4の実施例によるイン
クジェット記録素子の破壊は、気泡が崩壊する瞬時の圧
力衝撃によって、抵抗体金属保護層9が摩耗したものと
考えられる。これに対し、図11に示したような従来の
インクジェット記録素子の破壊は、抵抗体金属保護層9
と電極保護層7の境界における熱歪みや、印字パルスに
同期した電場によってインク中のアルカリイオンが断続
的に電極保護層を侵食することにより引き起こされたも
のと考えられる。このように、第3、第4の実施例で
は、抵抗体金属保護層9が、インク中のアルカリイオン
の浸透を阻止することにより、電極保護層7が侵食さ
れ、破壊されることはない。
【0045】また、第3、第4の実施例では、抵抗体絶
縁保護層8として窒化珪素をプラズマCVD法により堆
積したが、窒化珪素に多量に含まれる水素に起因した多
結晶シリコン抵抗体の抵抗値の上昇や、Taで構成され
た抵抗体金属保護層9の脆弱化による亀裂の発生などは
観察されなかった。
【0046】図9は、本発明の熱制御型インクジェット
記録素子の第3及び第4の実施例の変形例の説明図であ
る。図9(A)は、第3の実施例の変形例、図9(B)
は、第4の実施例の変形例である。図中の符号は、図
6、図7、および、図5と同様である。図5と同様に、
図9では、図6および図7で示したインクジェット記録
素子の上に、さらに、気泡の発生領域を規定するための
ピット層10を設けた例を示している。このピット層1
0は、熱硬化性樹脂等により形成することができる。
【0047】ピット層10も、気泡の発生、消滅により
侵食される。そのため、図11で示したような従来のイ
ンクジェット記録素子では、ピット層10の侵食が電極
保護層の段差部まで達し、電極保護層の侵食につなが
る。しかし、図9に示したような構造とすれば、ピット
層10が侵食されても、抵抗体金属保護層により電極保
護層の段差部が保護され、露出しないので、電極保護層
の侵食を起こりにくくすることができる。
【0048】もちろん、ピット層10も、抵抗体金属保
護層で覆うように構成することができる。このように構
成することにより、ピット層10の侵食を防ぐことも可
能である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、熱効率を向上させ、低エネルギー化を図ると
ともに、例えば、インクが電極保護層を侵食して電極と
インクの間が短絡することにより、記録素子の劣化およ
び破壊を防止し、熱制御型インクジェット記録素子の寿
命の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱制御型インクジェット記録素子の
第1の実施例の説明図である。
【図2】 各物質のアルカリ性インクに対する劣化状態
の説明図である。
【図3】 本発明の熱制御型インクジェット記録素子の
第2の実施例の説明図である。
【図4】 第1、第2の実施例のインクジェット記録素
子の寿命試験を実施した実験結果の説明図である。
【図5】 本発明の熱制御型インクジェット記録素子の
第1及び第2の実施例の変形例の説明図である。
【図6】 本発明の熱制御型インクジェット記録素子の
第3の実施例の説明図である。
【図7】 本発明の熱制御型インクジェット記録素子の
第4の実施例の説明図である。
【図8】 第3、第4の実施例のインクジェット記録素
子の寿命試験を実施した実験の結果の説明図である。
【図9】 本発明の熱制御型インクジェット記録素子の
第3及び第4の実施例の変形例の説明図である。
【図10】 従来の熱制御型インクジェット記録素子の
発熱体近傍の説明図である。
【図11】 別の従来の熱制御型インクジェット記録素
子の発熱抵抗体近傍の説明図である。
【符号の説明】
1 基板、2 蓄熱層、3 抵抗体層、4 層間絶縁
膜、5 制御電極層、6共通電極層、7 電極保護層、
8 抵抗体絶縁保護層、9 抵抗体金属保護層、10
ピット層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 徹 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 細貝 耕三 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−169660(JP,A) 特開 平4−259561(JP,A) 特開 平4−357038(JP,A) 特開 平4−276456(JP,A) 特開 平2−162051(JP,A) 特開 平1−202457(JP,A) 特開 昭60−206663(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B41J 2/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱抵抗体において発生する熱により気
    泡を発生させインク滴を記録媒体に飛翔させて印字を行
    なう熱制御型インクジェット記録素子において、前記発
    熱抵抗体に接続される電極を保護する電極保護層と、前
    記発熱抵抗体の発熱領域上に抵抗体金属保護層と抵抗体
    絶縁保護層からなる少なくとも2層の抵抗体保護層を有
    し、前記電極保護層は、前記発熱抵抗体側の端部が前記
    電極の端部よりも前記発熱抵抗体の発熱領域から離れる
    方向に後退しており、前記2層の抵抗体保護層は、少な
    くとも前記抵抗体絶縁保護層が各発熱領域毎に個別に設
    けられ、少なくとも前記抵抗体金属保護層が発熱領域周
    囲の段差を覆うように前記電極保護層の上方まで設けら
    れていることを特徴とする熱制御型インクジェット記録
    素子。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体金属保護層がTaで構成さ
    れ、前記発熱抵抗体が多結晶シリコン抵抗体から構成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の熱制御型インク
    ジェット記録素子。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体絶縁保護層及び前抵抗体金属
    保護層の大きさは、層の熱伝導率、比熱、密度、駆動時
    間をそれぞれλ、c、ρ、τとするとき、 (2λτ/cρ)1/2 <L を満たす広がりLを有することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の熱制御型インクジェット記録素子。
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