JPH09300546A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
積層体およびその製造方法Info
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- JPH09300546A JPH09300546A JP12324696A JP12324696A JPH09300546A JP H09300546 A JPH09300546 A JP H09300546A JP 12324696 A JP12324696 A JP 12324696A JP 12324696 A JP12324696 A JP 12324696A JP H09300546 A JPH09300546 A JP H09300546A
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- Japan
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- thermoplastic
- porous layer
- laminate
- layer
- elastomer
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- Laminated Bodies (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐表面摩耗性、汚れ防止性、層間の剥離強力
などに優れた、高級感のある銀面層付きの皮革様の積層
体、および該積層体を高速で製造することができる方法
を提供すること。 【解決手段】 繊維質基体層(A)の表面に、熱可塑性ポ
リウレタン、熱可塑性ポリアミドエラストマーおよび熱
可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくと
も1種の熱可塑性エラストマー100重量部に対して、フ
ッ素系樹脂及び/又はシリコーン系樹脂0.1〜10重量部
を配合してなる、JIS-A硬度が75〜95の熱可塑性樹脂組
成物からなり、溶融製膜法により製造された無孔質層
(B)を有し、且つその表面に凹凸模様または銀面模様が
存在している積層体;繊維質基体層(A)と無孔質層(B)の
間に、さらにJIS-A硬度が85以下の熱可塑性エラストマ
ーからなり溶融製膜法により製造された気泡を含有する
多孔質層(C)を有する積層体;並びに該積層体の製造方
法。
などに優れた、高級感のある銀面層付きの皮革様の積層
体、および該積層体を高速で製造することができる方法
を提供すること。 【解決手段】 繊維質基体層(A)の表面に、熱可塑性ポ
リウレタン、熱可塑性ポリアミドエラストマーおよび熱
可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくと
も1種の熱可塑性エラストマー100重量部に対して、フ
ッ素系樹脂及び/又はシリコーン系樹脂0.1〜10重量部
を配合してなる、JIS-A硬度が75〜95の熱可塑性樹脂組
成物からなり、溶融製膜法により製造された無孔質層
(B)を有し、且つその表面に凹凸模様または銀面模様が
存在している積層体;繊維質基体層(A)と無孔質層(B)の
間に、さらにJIS-A硬度が85以下の熱可塑性エラストマ
ーからなり溶融製膜法により製造された気泡を含有する
多孔質層(C)を有する積層体;並びに該積層体の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維質基体層(A)
およびJIS−A硬度が75〜95の特定の熱可塑性樹
脂組成物からなる無孔質層(B)の2層から構成される
積層体;繊維質基体層(A)、JIS−A硬度が85以
下の熱可塑性エラストマーからなる多孔質層(C)およ
びJIS−A硬度が75〜95の特定の熱可塑性樹脂組
成物からなる無孔質層(B)の3層から構成される積層
体;並びにこれらの積層体の製造方法に関する。本発明
によれば、耐摩耗性、汚れ防止性および層間の剥離強力
などに優れており、高級感のある銀面層付きの皮革様の
積層体が提供される。
およびJIS−A硬度が75〜95の特定の熱可塑性樹
脂組成物からなる無孔質層(B)の2層から構成される
積層体;繊維質基体層(A)、JIS−A硬度が85以
下の熱可塑性エラストマーからなる多孔質層(C)およ
びJIS−A硬度が75〜95の特定の熱可塑性樹脂組
成物からなる無孔質層(B)の3層から構成される積層
体;並びにこれらの積層体の製造方法に関する。本発明
によれば、耐摩耗性、汚れ防止性および層間の剥離強力
などに優れており、高級感のある銀面層付きの皮革様の
積層体が提供される。
【0002】
【従来の技術】従来、銀面層付の皮革様の積層体の製造
方法としては、離型紙上にポリウレタン溶液を塗布し、
乾燥してフイルムを形成したあと、該フイルムを編織布
または不織布からなる基体の表面に接着剤で貼り合わ
せ、離型紙を剥離する方法、いわゆる乾式法が一般的に
用いられている。また基体の表面に、ポリウレタン溶液
を塗布し、湿式凝固法または乾式凝固法にて多孔質のポ
リウレタン層を形成し、その上に着色剤を含む樹脂溶液
を塗布・乾燥して着色層を形成した後、エンボスロール
で凹凸模様を形成する方法も一般に用いられている。
方法としては、離型紙上にポリウレタン溶液を塗布し、
乾燥してフイルムを形成したあと、該フイルムを編織布
または不織布からなる基体の表面に接着剤で貼り合わ
せ、離型紙を剥離する方法、いわゆる乾式法が一般的に
用いられている。また基体の表面に、ポリウレタン溶液
を塗布し、湿式凝固法または乾式凝固法にて多孔質のポ
リウレタン層を形成し、その上に着色剤を含む樹脂溶液
を塗布・乾燥して着色層を形成した後、エンボスロール
で凹凸模様を形成する方法も一般に用いられている。
【0003】特開昭53−62803号公報には、基体
上に設けられた合成樹脂層の表面上に、膜状に溶融押し
出しされた合成樹脂を積層すると共に、離型材を用いて
スキン層表面をエンボスすることを特徴とする合成皮革
のスキン層の形成方法が記載されている。特開昭62−
282078号公報には、金属蒸着層にT−ダイから押
し出されたポリウレタン溶融物を積層するシートの製造
方法が記載されている。また、特開平2−307986
号公報には、合成繊維布帛の表面にシランカップリング
剤をあらかじめ付与しておき、しかる後にその表面に熱
可塑性樹脂を溶融押し出しして布帛に圧着し、布帛と熱
可塑性樹脂層との接着強力を向上させる方法が記載され
ている。
上に設けられた合成樹脂層の表面上に、膜状に溶融押し
出しされた合成樹脂を積層すると共に、離型材を用いて
スキン層表面をエンボスすることを特徴とする合成皮革
のスキン層の形成方法が記載されている。特開昭62−
282078号公報には、金属蒸着層にT−ダイから押
し出されたポリウレタン溶融物を積層するシートの製造
方法が記載されている。また、特開平2−307986
号公報には、合成繊維布帛の表面にシランカップリング
剤をあらかじめ付与しておき、しかる後にその表面に熱
可塑性樹脂を溶融押し出しして布帛に圧着し、布帛と熱
可塑性樹脂層との接着強力を向上させる方法が記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公知の方法では、作業環境を悪化させる有機溶媒が用い
られていたり、引っ張ったり、折り曲げたりした際に表
面に安っぽい印象を与える凹凸模様が現れたり、基体層
と表面層との剥離が容易に生じたり、あるいは表面層の
凝固に長時間を要するため、製造速度を高めることがで
きず、結果的に製造コストが高くならざるを得ないとい
う種々の問題点を有している。
公知の方法では、作業環境を悪化させる有機溶媒が用い
られていたり、引っ張ったり、折り曲げたりした際に表
面に安っぽい印象を与える凹凸模様が現れたり、基体層
と表面層との剥離が容易に生じたり、あるいは表面層の
凝固に長時間を要するため、製造速度を高めることがで
きず、結果的に製造コストが高くならざるを得ないとい
う種々の問題点を有している。
【0005】本発明の目的は、耐摩耗性、汚れ防止性お
よび層間の剥離強力などに優れており、引っ張ったり、
折り曲げたりした際に安っぽい凹凸模様が表面に現れな
い、高級感のある銀面層付きの皮革様の積層体を提供す
ることにある。さらに、本発明の他の目的は、有機溶媒
を使用しない良好な作業環境下で、上記の特徴を有する
積層体を高速で製造することができる方法を提供するこ
とにある。
よび層間の剥離強力などに優れており、引っ張ったり、
折り曲げたりした際に安っぽい凹凸模様が表面に現れな
い、高級感のある銀面層付きの皮革様の積層体を提供す
ることにある。さらに、本発明の他の目的は、有機溶媒
を使用しない良好な作業環境下で、上記の特徴を有する
積層体を高速で製造することができる方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維質基体層
(A)の表面に、JIS−A硬度が75〜95の熱可塑
性樹脂組成物からなり溶融製膜法により製造された無孔
質層(B)を有し、且つ該無孔質層(B)の表面に凹凸
模様または鏡面模様が存在している積層体であって、前
記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタン、熱可
塑性ポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性
エラストマー100重量部に対して、フッ素系樹脂およ
び/またはシリコーン系樹脂を0.1〜10重量部配合
してなる熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする積
層体〔以下、積層体(I)と称することがある〕に関す
る。
(A)の表面に、JIS−A硬度が75〜95の熱可塑
性樹脂組成物からなり溶融製膜法により製造された無孔
質層(B)を有し、且つ該無孔質層(B)の表面に凹凸
模様または鏡面模様が存在している積層体であって、前
記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタン、熱可
塑性ポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性
エラストマー100重量部に対して、フッ素系樹脂およ
び/またはシリコーン系樹脂を0.1〜10重量部配合
してなる熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする積
層体〔以下、積層体(I)と称することがある〕に関す
る。
【0007】本発明は、繊維質基体層(A)の表面に、
JIS−A硬度が85以下の熱可塑性エラストマーから
なり溶融製膜法により製造された気泡を含有する多孔質
層(C)を有し、その上にJIS−A硬度が75〜95
の熱可塑性樹脂組成物からなり溶融製膜法により製造さ
れた無孔質層(B)を有し、且つ該無孔質層(B)の表
面に凹凸模様または鏡面模様が存在している積層体であ
って、前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタ
ン、熱可塑性ポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポ
リエステルエラストマーから選ばれる少なくとも1種の
熱可塑性エラストマー100重量部に対して、フッ素系
樹脂および/またはシリコーン系樹脂を0.1〜10重
量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であることを特徴
とする積層体〔以下、積層体(II)と称することがある〕
に関する。
JIS−A硬度が85以下の熱可塑性エラストマーから
なり溶融製膜法により製造された気泡を含有する多孔質
層(C)を有し、その上にJIS−A硬度が75〜95
の熱可塑性樹脂組成物からなり溶融製膜法により製造さ
れた無孔質層(B)を有し、且つ該無孔質層(B)の表
面に凹凸模様または鏡面模様が存在している積層体であ
って、前記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタ
ン、熱可塑性ポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポ
リエステルエラストマーから選ばれる少なくとも1種の
熱可塑性エラストマー100重量部に対して、フッ素系
樹脂および/またはシリコーン系樹脂を0.1〜10重
量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であることを特徴
とする積層体〔以下、積層体(II)と称することがある〕
に関する。
【0008】本発明は、(i)膜状に溶融押し出しされ
た、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエラス
トマーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーから選
ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー100重
量部に対して、フッ素系樹脂および/またはシリコーン
系樹脂を0.1〜10重量部配合してなるJIS−A硬
度が75〜95の熱可塑性樹脂組成物を、流動性を有し
ている内に繊維質基体層(A)の表面に押し付けて接着
させることにより、繊維質基体層(A)の表面に無孔質
層(B)を形成するとともに、(ii)該熱可塑性樹脂組
成物が流動性を有している内に、無孔質層(B)の表面
を型押しして凹凸模様または鏡面模様を形成することを
特徴とする積層体(I)の製造方法に関する。
た、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエラス
トマーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーから選
ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー100重
量部に対して、フッ素系樹脂および/またはシリコーン
系樹脂を0.1〜10重量部配合してなるJIS−A硬
度が75〜95の熱可塑性樹脂組成物を、流動性を有し
ている内に繊維質基体層(A)の表面に押し付けて接着
させることにより、繊維質基体層(A)の表面に無孔質
層(B)を形成するとともに、(ii)該熱可塑性樹脂組
成物が流動性を有している内に、無孔質層(B)の表面
を型押しして凹凸模様または鏡面模様を形成することを
特徴とする積層体(I)の製造方法に関する。
【0009】さらに本発明は、(i)膜状に溶融押し出
しされた気泡または気泡発生物質を含有するJIS−A
硬度が85以下の熱可塑性エラストマーを、流動性を有
している内に繊維質基体層(A)の表面に押し付けて接
着させることにより、繊維質基体層(A)の表面に多孔
質層(C)を形成し、(ii)次に、膜状に溶融押し出し
された、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエ
ラストマーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーか
ら選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー10
0重量部に対して、フッ素系樹脂および/またはシリコ
ーン系樹脂を0.1〜10重量部配合してなるJIS−
A硬度が75〜95の熱可塑性樹脂組成物を、流動性を
有している内に多孔質層(C)の表面に押し付けて接着
させることにより、多孔質層(C)の表面に無孔質層
(B)を形成するとともに、(iii)該熱可塑性樹脂組
成物が流動性を有している内に、無孔質層(B)の表面
を型押しして凹凸模様または鏡面模様を形成することを
特徴とする積層体(II)の製造方法に関する。
しされた気泡または気泡発生物質を含有するJIS−A
硬度が85以下の熱可塑性エラストマーを、流動性を有
している内に繊維質基体層(A)の表面に押し付けて接
着させることにより、繊維質基体層(A)の表面に多孔
質層(C)を形成し、(ii)次に、膜状に溶融押し出し
された、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエ
ラストマーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーか
ら選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー10
0重量部に対して、フッ素系樹脂および/またはシリコ
ーン系樹脂を0.1〜10重量部配合してなるJIS−
A硬度が75〜95の熱可塑性樹脂組成物を、流動性を
有している内に多孔質層(C)の表面に押し付けて接着
させることにより、多孔質層(C)の表面に無孔質層
(B)を形成するとともに、(iii)該熱可塑性樹脂組
成物が流動性を有している内に、無孔質層(B)の表面
を型押しして凹凸模様または鏡面模様を形成することを
特徴とする積層体(II)の製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる繊維質基体
は、適度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有
するシート状のものであればよく、従来より皮革様の積
層体の製造に使用されている各種の繊維質基体を使用す
ることができる。例えば、極細繊維又はその束状繊維、
特殊多孔質繊維、通常繊維、天然繊維などからなる絡合
不織シート、織編物シート、これらのシートの繊維間に
バインダーとしてポリウレタンなどの高分子弾性体が多
孔質状又は非多孔質状で含有されている繊維質シート、
これらの繊維質シートの表面にさらに高分子弾性体の多
孔質被覆層を有する繊維質シートなどが挙げられる。極
細繊維束を構成する繊維の細さとしては、好ましくは
0.5デニール以下、より好ましくは0.1デニール以
下であり、また極細繊維束のトータルデニールとして
は、0.5〜10デニールの範囲が好ましい。繊維の種
類としては、ナイロン系の繊維やポリエステル系の繊維
などを挙げることができる。
は、適度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有
するシート状のものであればよく、従来より皮革様の積
層体の製造に使用されている各種の繊維質基体を使用す
ることができる。例えば、極細繊維又はその束状繊維、
特殊多孔質繊維、通常繊維、天然繊維などからなる絡合
不織シート、織編物シート、これらのシートの繊維間に
バインダーとしてポリウレタンなどの高分子弾性体が多
孔質状又は非多孔質状で含有されている繊維質シート、
これらの繊維質シートの表面にさらに高分子弾性体の多
孔質被覆層を有する繊維質シートなどが挙げられる。極
細繊維束を構成する繊維の細さとしては、好ましくは
0.5デニール以下、より好ましくは0.1デニール以
下であり、また極細繊維束のトータルデニールとして
は、0.5〜10デニールの範囲が好ましい。繊維の種
類としては、ナイロン系の繊維やポリエステル系の繊維
などを挙げることができる。
【0011】これらのなかでも、極細繊維束からなる不
織布中に高分子弾性体を含有した繊維質シートを使用す
ると、天然皮革に近い風合いを有する積層体が得られる
ので好ましい。高分子弾性体としては、従来より皮革様
の積層体の製造に使用されている樹脂を用いることがで
きる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹
脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミノ酸系樹脂、シリ
コーン系樹脂やこれらの樹脂の混合物や共重合体などを
挙げることができる。これらのなかでも繊維質基体層
(A)の表面に積層される樹脂層〔すなわち、無孔質層
(B)または多孔質層(C)〕と同種の樹脂を用いる
と、繊維質基体層(A)とその表面に積層される樹脂層
との接着性が向上するため好ましい。繊維質基体を構成
する繊維と高分子弾性体との割合は、重量比で40/6
0〜90/10であるのが好ましい。また、繊維質基体
層(A)とその表面に積層される樹脂層との接着性を向
上するために、積層される樹脂と親和性の高い樹脂を含
有する表面処理剤を、繊維質基体層(A)の表面に塗布
することもできる。この場合には、塗布層の厚さは5μ
m程度を目安とする。塗布層の厚さが厚くなると、得ら
れる積層体の柔軟で一体感のある風合いが損なわれる傾
向がある。
織布中に高分子弾性体を含有した繊維質シートを使用す
ると、天然皮革に近い風合いを有する積層体が得られる
ので好ましい。高分子弾性体としては、従来より皮革様
の積層体の製造に使用されている樹脂を用いることがで
きる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹
脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミノ酸系樹脂、シリ
コーン系樹脂やこれらの樹脂の混合物や共重合体などを
挙げることができる。これらのなかでも繊維質基体層
(A)の表面に積層される樹脂層〔すなわち、無孔質層
(B)または多孔質層(C)〕と同種の樹脂を用いる
と、繊維質基体層(A)とその表面に積層される樹脂層
との接着性が向上するため好ましい。繊維質基体を構成
する繊維と高分子弾性体との割合は、重量比で40/6
0〜90/10であるのが好ましい。また、繊維質基体
層(A)とその表面に積層される樹脂層との接着性を向
上するために、積層される樹脂と親和性の高い樹脂を含
有する表面処理剤を、繊維質基体層(A)の表面に塗布
することもできる。この場合には、塗布層の厚さは5μ
m程度を目安とする。塗布層の厚さが厚くなると、得ら
れる積層体の柔軟で一体感のある風合いが損なわれる傾
向がある。
【0012】繊維質基体層(A)の厚みは、得られる積
層体の用途などによって任意に選択でき、特に限定され
るものではないが、表面に積層される無孔質層(B)ま
たは多孔質層(C)の厚みとのバランスの点から、0.
3〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜2.0
mmであることがより好ましい。
層体の用途などによって任意に選択でき、特に限定され
るものではないが、表面に積層される無孔質層(B)ま
たは多孔質層(C)の厚みとのバランスの点から、0.
3〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜2.0
mmであることがより好ましい。
【0013】繊維質基体層(A)の見掛け密度は、柔軟
な風合いを得るためには、0.25〜0.5g/cm3
であることが好ましく、0.3〜0.35g/cm3で
あるのがより好ましい。見掛け密度が大きくなると、得
られる積層体の腰がなくなったり、ゴムライクな風合い
となる傾向がある。一方、見掛け密度が小さくなると、
反発性と腰のない風合いとなり、皮革様の風合いが損な
われる傾向がある。
な風合いを得るためには、0.25〜0.5g/cm3
であることが好ましく、0.3〜0.35g/cm3で
あるのがより好ましい。見掛け密度が大きくなると、得
られる積層体の腰がなくなったり、ゴムライクな風合い
となる傾向がある。一方、見掛け密度が小さくなると、
反発性と腰のない風合いとなり、皮革様の風合いが損な
われる傾向がある。
【0014】本発明の積層体は、必要に応じて、繊維質
基体層(A)と無孔質層(B)との間に、JIS−A硬
度が85以下の熱可塑性エラストマーからなり気泡を含
有する多孔質層(C)を形成してもよい。繊維質基体層
(A)と無孔質層(B)との間に多孔質層(C)を形成
することにより、特に、引っ張ったり、折り曲げたりし
た際に、安っぽい凹凸模様が表面に現れず、従来方法で
は得られないような、より高級感のある銀面層付きの皮
革様の積層体が得られるので好ましい。
基体層(A)と無孔質層(B)との間に、JIS−A硬
度が85以下の熱可塑性エラストマーからなり気泡を含
有する多孔質層(C)を形成してもよい。繊維質基体層
(A)と無孔質層(B)との間に多孔質層(C)を形成
することにより、特に、引っ張ったり、折り曲げたりし
た際に、安っぽい凹凸模様が表面に現れず、従来方法で
は得られないような、より高級感のある銀面層付きの皮
革様の積層体が得られるので好ましい。
【0015】多孔質層(C)に用いられる熱可塑性エラ
ストマーとしては、例えば、無孔質層(B)の構成成分
として後述したポリウレタン;ポリアミドエラストマ
ー;ポリエステルエラストマー;さらには、ポリスチレ
ンなどをハードセグメントとし、ポリイソプレン、ポリ
ブタジエン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブ
タジエンなどをソフトセグメントとするスチレン系エラ
ストマー;シリコン系エラストマー;塩化ビニル系エラ
ストマー;オレフィン系エラストマー;フッ素系エラス
トマー;1,2−ポリブタジエン系エラストマー;ウレ
タン/塩ビ系エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム三元共重合体な
どのエチレン系共重合体;塩素化ポリエチレンなどを挙
げることができ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。これらの中でも、無孔質層(B)と
の接着性が優れることから、ポリウレタン、ポリアミド
エラストマー、ポリエステルエラストマーを用いるのが
好ましく、無孔質層(B)を構成する樹脂と同種の樹脂
を用いるのがより好ましい。
ストマーとしては、例えば、無孔質層(B)の構成成分
として後述したポリウレタン;ポリアミドエラストマ
ー;ポリエステルエラストマー;さらには、ポリスチレ
ンなどをハードセグメントとし、ポリイソプレン、ポリ
ブタジエン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブ
タジエンなどをソフトセグメントとするスチレン系エラ
ストマー;シリコン系エラストマー;塩化ビニル系エラ
ストマー;オレフィン系エラストマー;フッ素系エラス
トマー;1,2−ポリブタジエン系エラストマー;ウレ
タン/塩ビ系エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム三元共重合体な
どのエチレン系共重合体;塩素化ポリエチレンなどを挙
げることができ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。これらの中でも、無孔質層(B)と
の接着性が優れることから、ポリウレタン、ポリアミド
エラストマー、ポリエステルエラストマーを用いるのが
好ましく、無孔質層(B)を構成する樹脂と同種の樹脂
を用いるのがより好ましい。
【0016】多孔質層(C)を構成する熱可塑性エラス
トマーのJIS−A硬度は、85以下であり、70〜8
5であるのが好ましく、75〜85であるのがより好ま
しい。JIS−A硬度が85以下の熱可塑性エラストマ
ーを用いることにより、柔軟な感触があり、風合いが優
れた皮革様の積層体が得られる。特に、無孔質層(C)
を構成する熱可塑性樹脂組成物の硬度と同じか、あるい
はより低い硬度の熱可塑性エラストマーを用いると、さ
らに風合いが優れた皮革様の積層体が得られるので好ま
しい。
トマーのJIS−A硬度は、85以下であり、70〜8
5であるのが好ましく、75〜85であるのがより好ま
しい。JIS−A硬度が85以下の熱可塑性エラストマ
ーを用いることにより、柔軟な感触があり、風合いが優
れた皮革様の積層体が得られる。特に、無孔質層(C)
を構成する熱可塑性樹脂組成物の硬度と同じか、あるい
はより低い硬度の熱可塑性エラストマーを用いると、さ
らに風合いが優れた皮革様の積層体が得られるので好ま
しい。
【0017】多孔質層(C)の形成方法としては、例え
ば、上記した熱可塑性エラストマーに、気泡発生物質
や、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、安定剤、可塑
剤、滑剤、充填剤、帯電防止剤などの添加剤を配合した
ものを、押出機を用いて加温加圧下で溶融混練した後
に、T−ダイから溶融状態で膜状に押し出して、流動性
を有している内に繊維質基体層(A)の表面に押し付け
て接着させることにより、繊維質基体層(A)の表面に
多孔質層(C)を形成させる方法、いわゆる溶融製膜法
を用いる。
ば、上記した熱可塑性エラストマーに、気泡発生物質
や、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、安定剤、可塑
剤、滑剤、充填剤、帯電防止剤などの添加剤を配合した
ものを、押出機を用いて加温加圧下で溶融混練した後
に、T−ダイから溶融状態で膜状に押し出して、流動性
を有している内に繊維質基体層(A)の表面に押し付け
て接着させることにより、繊維質基体層(A)の表面に
多孔質層(C)を形成させる方法、いわゆる溶融製膜法
を用いる。
【0018】気泡発生物質としては、公知の種々の発泡
剤を用いることができ、特に限定されるものではない
が、例えば、アゾジカルボンアミド、4,4−オキシビ
ス(ベンゼンスルフォニルヒドラジン)、p−トルエン
スルフォニルヒドラジン、重炭酸ナトリウムなどのよう
にポリウレタンの分子量低下を引き起こす発泡剤(a)
や、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのように
ポリウレタンに架橋を促進する発泡剤(b)などを挙げ
ることができ、これらのうち1種または2種以上を用い
ることができる。多孔質層(C)を構成する熱可塑性エ
ラストマーとしてポリウレタンを用いる場合には、発泡
剤(a)と発泡剤(b)を併用すると、発泡に伴うポリ
ウレタンの見掛け粘度の低下を押さえるとともに、ポリ
ウレタンの架橋度を適宜調節できるため、機械的性能、
物理的性能、化学的性能に優れた、良好な発泡構造物を
得ることができるので好ましい。発泡剤の使用量として
は、熱可塑性エラストマーに対して0.3〜1.5重量
%であるのが好ましく、0.6〜1.0重量%であるの
がより好ましい。
剤を用いることができ、特に限定されるものではない
が、例えば、アゾジカルボンアミド、4,4−オキシビ
ス(ベンゼンスルフォニルヒドラジン)、p−トルエン
スルフォニルヒドラジン、重炭酸ナトリウムなどのよう
にポリウレタンの分子量低下を引き起こす発泡剤(a)
や、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのように
ポリウレタンに架橋を促進する発泡剤(b)などを挙げ
ることができ、これらのうち1種または2種以上を用い
ることができる。多孔質層(C)を構成する熱可塑性エ
ラストマーとしてポリウレタンを用いる場合には、発泡
剤(a)と発泡剤(b)を併用すると、発泡に伴うポリ
ウレタンの見掛け粘度の低下を押さえるとともに、ポリ
ウレタンの架橋度を適宜調節できるため、機械的性能、
物理的性能、化学的性能に優れた、良好な発泡構造物を
得ることができるので好ましい。発泡剤の使用量として
は、熱可塑性エラストマーに対して0.3〜1.5重量
%であるのが好ましく、0.6〜1.0重量%であるの
がより好ましい。
【0019】多孔質層(C)の厚みは、用途により適宜
選べばよいが、一般的には、10〜300μmであるの
が好ましく、50〜250μmであるのがより好まし
い。また、多孔質層(C)の発泡の程度としては、多孔
質層(C)の20〜80体積%が気泡であるのが好まし
く、30〜70体積%が気泡であるのがより好ましい。
多孔質層(C)の気泡の含有割合が上記の範囲の場合に
は、積層体の層間の剥離強力を低下させることなく、引
っ張った際に表面に安っぽい凹凸模様が生じない、高級
感ある銀面層付きの皮革様の積層体が得られるので好ま
しい。
選べばよいが、一般的には、10〜300μmであるの
が好ましく、50〜250μmであるのがより好まし
い。また、多孔質層(C)の発泡の程度としては、多孔
質層(C)の20〜80体積%が気泡であるのが好まし
く、30〜70体積%が気泡であるのがより好ましい。
多孔質層(C)の気泡の含有割合が上記の範囲の場合に
は、積層体の層間の剥離強力を低下させることなく、引
っ張った際に表面に安っぽい凹凸模様が生じない、高級
感ある銀面層付きの皮革様の積層体が得られるので好ま
しい。
【0020】多孔質層(C)に含まれる気泡は、好まし
くは上記した気体発生物質が気体を発生することにより
生じるものである。湿式凝固方法によりポリウレタンを
多孔質に凝固させて皮革様の積層体を製造する従来の方
法では、ポリウレタン溶液を基体に塗布した後、凝固浴
に投入し、ポリウレタンの溶媒と凝固液とを置換して多
孔質に凝固させ、さらに該溶媒をポリウレタンの多孔質
層から除去しなければならない。溶媒の除去が不十分な
場合には、気泡が潰れてしまうため、溶媒を完全に除去
するために多くの時間とユーティリティが必要であり、
したがって製造ラインの速度を高めることができず、製
造コストも高くならざるを得ない。一方、本発明の溶融
製膜法では、発泡樹脂層を単に冷却するだけで多孔質層
が得られるため、ラインスピードを格段に高めることが
でき、製造コストを下げることが可能である。
くは上記した気体発生物質が気体を発生することにより
生じるものである。湿式凝固方法によりポリウレタンを
多孔質に凝固させて皮革様の積層体を製造する従来の方
法では、ポリウレタン溶液を基体に塗布した後、凝固浴
に投入し、ポリウレタンの溶媒と凝固液とを置換して多
孔質に凝固させ、さらに該溶媒をポリウレタンの多孔質
層から除去しなければならない。溶媒の除去が不十分な
場合には、気泡が潰れてしまうため、溶媒を完全に除去
するために多くの時間とユーティリティが必要であり、
したがって製造ラインの速度を高めることができず、製
造コストも高くならざるを得ない。一方、本発明の溶融
製膜法では、発泡樹脂層を単に冷却するだけで多孔質層
が得られるため、ラインスピードを格段に高めることが
でき、製造コストを下げることが可能である。
【0021】無孔質層(B)に用いられる熱可塑性樹脂
組成物を構成する熱可塑性ポリウレタンとしては、ポリ
エステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステ
ルエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
エステルポリカーボネートジオールなどの数平均分子量
が500〜5000の高分子ジオールから選ばれる少な
くとも一種と、有機ジイソシアネートと、活性水素原子
を2個以上有する鎖伸長剤とを反応させて得られる熱可
塑性ポリウレタンを挙げることができる。
組成物を構成する熱可塑性ポリウレタンとしては、ポリ
エステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステ
ルエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
エステルポリカーボネートジオールなどの数平均分子量
が500〜5000の高分子ジオールから選ばれる少な
くとも一種と、有機ジイソシアネートと、活性水素原子
を2個以上有する鎖伸長剤とを反応させて得られる熱可
塑性ポリウレタンを挙げることができる。
【0022】上記したポリエステルジオールとしては、
ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体と低
分子ジオールとの反応により得られるポリエステルジオ
ール、あるいはラクトンの開環重合により得られるポリ
エステルジオールのいずれもが使用できる。
ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体と低
分子ジオールとの反応により得られるポリエステルジオ
ール、あるいはラクトンの開環重合により得られるポリ
エステルジオールのいずれもが使用できる。
【0023】ポリエステルジオールの製造原料として用
いられるジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導
体を挙げることができ、これらを1種または2種以上用
いることができる。これらのなかでもアジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用い
るのが好ましい。
いられるジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導
体を挙げることができ、これらを1種または2種以上用
いることができる。これらのなかでもアジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用い
るのが好ましい。
【0024】ポリエステルジオールの製造原料として用
いられる低分子ジオールとしては、例えば、エチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタン
ジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール;シク
ロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど
の脂環式ジオールを挙げることができ、これらを1種ま
たは2種以上用いることができる。これらのなかでも、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールな
どの脂肪族ジオールを用いるのが好ましい。
いられる低分子ジオールとしては、例えば、エチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタン
ジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール;シク
ロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど
の脂環式ジオールを挙げることができ、これらを1種ま
たは2種以上用いることができる。これらのなかでも、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールな
どの脂肪族ジオールを用いるのが好ましい。
【0025】ポリエステルジオールの製造原料として用
いられるラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクト
ン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどを挙げること
ができる。
いられるラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクト
ン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどを挙げること
ができる。
【0026】上記したポリエーテルジオールとしては、
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げるこ
とができ、これらを1種または2種以上用いることがで
きる。これらのなかでも、ポリテトラメチレングリコー
ルを用いるのが好ましい。
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げるこ
とができ、これらを1種または2種以上用いることがで
きる。これらのなかでも、ポリテトラメチレングリコー
ルを用いるのが好ましい。
【0027】上記したポリカーボネートジオールは、例
えば、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アル
キレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカ
ーボネート化合物との反応により得られる。ポリカーボ
ネートジオールの製造原料である低分子ジオールとして
は、ポリエステルジオールの製造原料として先に例示し
た低分子ジオールを用いることができる。また、ジアル
キルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートと
してはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボ
ネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げるこ
とができる。
えば、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アル
キレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカ
ーボネート化合物との反応により得られる。ポリカーボ
ネートジオールの製造原料である低分子ジオールとして
は、ポリエステルジオールの製造原料として先に例示し
た低分子ジオールを用いることができる。また、ジアル
キルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートと
してはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボ
ネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げるこ
とができる。
【0028】上記したポリエステルポリカーボネートジ
オールは、例えば、低分子ジオール、ジカルボン酸およ
びカーボネート化合物を同時に反応させることにより得
られる。あるいは、あらかじめ上記した方法によりポリ
エステルジオールおよびポリカーボネートジオールをそ
れぞれ合成し、次いでそれらをカーボネート化合物と反
応させるか、またはジオールおよびジカルボン酸と反応
させることによって得られる。
オールは、例えば、低分子ジオール、ジカルボン酸およ
びカーボネート化合物を同時に反応させることにより得
られる。あるいは、あらかじめ上記した方法によりポリ
エステルジオールおよびポリカーボネートジオールをそ
れぞれ合成し、次いでそれらをカーボネート化合物と反
応させるか、またはジオールおよびジカルボン酸と反応
させることによって得られる。
【0029】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
有機ジイソシアネートの種類は特に制限されず、通常の
熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている
有機ジイソシアネートのいずれもが使用できるが、分子
量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソ
シアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種また
は2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシアネー
トの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど挙
げることができ、これらを1種または2種以上用いるこ
とができる。これらのなかでも4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートを用いるのが好ましい。
有機ジイソシアネートの種類は特に制限されず、通常の
熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている
有機ジイソシアネートのいずれもが使用できるが、分子
量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソ
シアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種また
は2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシアネー
トの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど挙
げることができ、これらを1種または2種以上用いるこ
とができる。これらのなかでも4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートを用いるのが好ましい。
【0030】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
鎖伸長剤の種類は特に制限されず、通常の熱可塑性ポリ
ウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のい
ずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応し得る
活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以
下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テ
レフタレート、キシリレングリコールなどのジオール
類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラ
ジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレン
ジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミ
ノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどの
アミノアルコール類などが挙げられ、これらを1種また
は2種以上用いることができる。これらのなかでも、炭
素数2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好ましく、
1,4−ブタンジオールを用いるのがより好ましい。
鎖伸長剤の種類は特に制限されず、通常の熱可塑性ポリ
ウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のい
ずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応し得る
活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以
下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テ
レフタレート、キシリレングリコールなどのジオール
類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラ
ジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレン
ジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミ
ノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどの
アミノアルコール類などが挙げられ、これらを1種また
は2種以上用いることができる。これらのなかでも、炭
素数2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好ましく、
1,4−ブタンジオールを用いるのがより好ましい。
【0031】無孔質層(B)に用いられる熱可塑性樹脂
組成物を構成する熱可塑性ポリアミドエラストマーとし
ては、例えば、ポリアミドからなるハードセグメント
と、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルポリエ
ーテルなどからなるソフトセグメントとから構成される
共重合体などを挙げることができる。
組成物を構成する熱可塑性ポリアミドエラストマーとし
ては、例えば、ポリアミドからなるハードセグメント
と、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルポリエ
ーテルなどからなるソフトセグメントとから構成される
共重合体などを挙げることができる。
【0032】熱可塑性ポリアミドエラストマーを構成す
るポリアミドセグメントとしては、例えば、ω−アミノ
カプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリ
ル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸な
どの炭素数が6以上のアミノカルボン酸から誘導される
セグメント;カプロラクタム、ラウリロラクタムなどの
ラクタムから誘導されるセグメント;エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレン
ジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタン
ジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、
1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミ
ン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,8−
オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10
−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、
1,12−ドデカンジアミン、シクロヘキサンジアミン
などのジアミン成分と、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸成分とから誘導されるセグメン
トを挙げることができる。
るポリアミドセグメントとしては、例えば、ω−アミノ
カプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリ
ル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸な
どの炭素数が6以上のアミノカルボン酸から誘導される
セグメント;カプロラクタム、ラウリロラクタムなどの
ラクタムから誘導されるセグメント;エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレン
ジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタン
ジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、
1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミ
ン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,8−
オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10
−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、
1,12−ドデカンジアミン、シクロヘキサンジアミン
などのジアミン成分と、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸成分とから誘導されるセグメン
トを挙げることができる。
【0033】熱可塑性ポリアミドエラストマーを構成す
るポリエステルセグメントとしては、例えば、ω−オキ
シカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸から誘導され
るセグメント;ε−カプロラクトンなどのラクトンから
誘導されるセグメント;グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、シクロヘキサンジオールなどのジオール
成分とから誘導されるセグメントを挙げることができ
る。
るポリエステルセグメントとしては、例えば、ω−オキ
シカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸から誘導され
るセグメント;ε−カプロラクトンなどのラクトンから
誘導されるセグメント;グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、シクロヘキサンジオールなどのジオール
成分とから誘導されるセグメントを挙げることができ
る。
【0034】熱可塑性ポリアミドエラストマーを構成す
るポリエーテルセグメントとしては、例えば、ポリメチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
ヘキサメチレングリコールなどのセグメントを挙げるこ
とができる。
るポリエーテルセグメントとしては、例えば、ポリメチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
ヘキサメチレングリコールなどのセグメントを挙げるこ
とができる。
【0035】熱可塑性ポリアミドエラストマーを構成す
るポリエステルポリエーテルセグメントとしては、例え
ば、上記したポリエステルセグメントのジカルボン酸成
分と、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリヘキサメチレングリコールなどのジオー
ル成分とから誘導されるセグメントを挙げることができ
る。
るポリエステルポリエーテルセグメントとしては、例え
ば、上記したポリエステルセグメントのジカルボン酸成
分と、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリヘキサメチレングリコールなどのジオー
ル成分とから誘導されるセグメントを挙げることができ
る。
【0036】無孔質層(B)に用いられる熱可塑性樹脂
組成物を構成する熱可塑性ポリエステルエラストマーと
しては、例えば、結晶性芳香族ポリエステルからなるハ
ードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエ
ステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステル
ポリカーボネートなどからなるソフトセグメントとから
構成される共重合体などを挙げることができる。
組成物を構成する熱可塑性ポリエステルエラストマーと
しては、例えば、結晶性芳香族ポリエステルからなるハ
ードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエ
ステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステル
ポリカーボネートなどからなるソフトセグメントとから
構成される共重合体などを挙げることができる。
【0037】ポリエステルエラストマーを構成する結晶
性の芳香族ポリエステルセグメントとしては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのセグメント
を挙げることができ、これらのなかでもポリブチレンテ
レフタレートのセグメントが好ましい。
性の芳香族ポリエステルセグメントとしては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのセグメント
を挙げることができ、これらのなかでもポリブチレンテ
レフタレートのセグメントが好ましい。
【0038】ポリエステルエラストマーを構成する脂肪
族ポリエーテルセグメントとしては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどのセグメントを挙げることが
でき、これらのなかでもポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールのセグメントが好ましい。
族ポリエーテルセグメントとしては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどのセグメントを挙げることが
でき、これらのなかでもポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールのセグメントが好ましい。
【0039】ポリエステルエラストマーを構成する脂肪
族ポリエステルセグメントとしては、例えば、ε−カプ
ロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどのラ
クトンから誘導されるセグメント;グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルトフタル酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,
8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,
10−デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
シクロヘキサンジオールなどのジオール成分とから誘導
されるセグメントを挙げることができる。これらのなか
でも、ジカルボン酸成分としてアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸を用いるのが好ましく、ジオール成分と
して1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオールを用いるのが好ましい。
さらに必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸
などの3官能以上の多塩基酸や、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6
−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの多
価アルコールを少量併用してもよい。
族ポリエステルセグメントとしては、例えば、ε−カプ
ロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどのラ
クトンから誘導されるセグメント;グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルトフタル酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,
8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,
10−デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
シクロヘキサンジオールなどのジオール成分とから誘導
されるセグメントを挙げることができる。これらのなか
でも、ジカルボン酸成分としてアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸を用いるのが好ましく、ジオール成分と
して1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオールを用いるのが好ましい。
さらに必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸
などの3官能以上の多塩基酸や、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6
−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの多
価アルコールを少量併用してもよい。
【0040】ポリエステルエラストマーを構成する脂肪
族ポリカーボネートセグメントとしては、例えば、上記
の脂肪族ポリエステルセグメントの構成単位として記載
したジオール成分と、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネートなどのジアルキルカーボネート、エチレン
カーボネートなどのアルキレンカーボネート、ジフェニ
ルカーボネートなどのジアリールカーボネート等のカー
ボネート化合物とから誘導されるセグメントを挙げるこ
とができる。
族ポリカーボネートセグメントとしては、例えば、上記
の脂肪族ポリエステルセグメントの構成単位として記載
したジオール成分と、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネートなどのジアルキルカーボネート、エチレン
カーボネートなどのアルキレンカーボネート、ジフェニ
ルカーボネートなどのジアリールカーボネート等のカー
ボネート化合物とから誘導されるセグメントを挙げるこ
とができる。
【0041】ポリエステルエラストマーを構成する脂肪
族ポリエステルポリカーボネートセグメントとしては、
例えば、上記のジオール成分、ジカルボン酸成分および
カーボネート化合物を同時に反応させることにより得ら
れるセグメント;上記の方法で予め製造された脂肪族ポ
リエステルおよび脂肪族ポリカーボネートを、上記のカ
ーボネート化合物と反応させることにより得られるセグ
メント;上記の方法で予め製造された脂肪族ポリエステ
ルおよび脂肪族ポリカーボネートを、上記のジオール成
分およびジカルボン酸成分と反応させることにより得ら
れるセグメントを挙げることができる。
族ポリエステルポリカーボネートセグメントとしては、
例えば、上記のジオール成分、ジカルボン酸成分および
カーボネート化合物を同時に反応させることにより得ら
れるセグメント;上記の方法で予め製造された脂肪族ポ
リエステルおよび脂肪族ポリカーボネートを、上記のカ
ーボネート化合物と反応させることにより得られるセグ
メント;上記の方法で予め製造された脂肪族ポリエステ
ルおよび脂肪族ポリカーボネートを、上記のジオール成
分およびジカルボン酸成分と反応させることにより得ら
れるセグメントを挙げることができる。
【0042】無孔質層(B)に用いられる熱可塑性樹脂
組成物を構成するフッ素系樹脂としては、分子内にフッ
素原子を含む樹脂であればいずれもが使用でき、例え
ば、フッ素系離型剤、フッ素系表面改質剤などとして一
般に用いられているような公知のものを用いることがで
きる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
ヘキサフロオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、オクタフルオロ−2−メチルプロピレンなどの
フッ化ビニル系樹脂;エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重
合体、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)共重合体などのフルオロエ
ラストマー;ポリ[(m−トリフルオロメトキシ)フェ
ニル]メチルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルメ
チルシロキサンなどのポリフルオロシロキサン樹脂;ポ
リフルオロアルキルエステル;ポリフルオロアルキルエ
ーテルなどを挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を用いることができる。
組成物を構成するフッ素系樹脂としては、分子内にフッ
素原子を含む樹脂であればいずれもが使用でき、例え
ば、フッ素系離型剤、フッ素系表面改質剤などとして一
般に用いられているような公知のものを用いることがで
きる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
ヘキサフロオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、オクタフルオロ−2−メチルプロピレンなどの
フッ化ビニル系樹脂;エチレン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重
合体、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)共重合体などのフルオロエ
ラストマー;ポリ[(m−トリフルオロメトキシ)フェ
ニル]メチルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルメ
チルシロキサンなどのポリフルオロシロキサン樹脂;ポ
リフルオロアルキルエステル;ポリフルオロアルキルエ
ーテルなどを挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を用いることができる。
【0043】無孔質層(B)に用いられる熱可塑性樹脂
組成物を構成するシリコーン系樹脂とは、シロキサン結
合の繰り返し単位〔-(Si-O)n-〕を有している樹脂であ
ればいずれもが使用でき、例えば、シリコーン系離型
剤、シリコーン系表面改質剤などとして一般に用いられ
ているような公知のものを用いることができる。具体的
には、ジメチルポリシロキサン、メチルクロロポリシロ
キサン、メチルヒドロキシジエンポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサンな
どのシリコーンオイル;アミノ基、エポキシ基、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基、メタクリル基、フェノール
基、アルコキシ基、ポリエーテル基、ポリエステル基、
フッ素原子などを前記ポリシロキサンの側鎖に導入した
変性シリコーンオイル;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体などのオレフィン系重合体セグメントと、
ビニルメチル−ジメチルポリシロキサン、ビニルメチル
−フェニルメチルジメチルポリシロキサンなどのポリシ
ロキサンセグメントとからなるシリコーンエラストマー
などを挙げることができ、これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。
組成物を構成するシリコーン系樹脂とは、シロキサン結
合の繰り返し単位〔-(Si-O)n-〕を有している樹脂であ
ればいずれもが使用でき、例えば、シリコーン系離型
剤、シリコーン系表面改質剤などとして一般に用いられ
ているような公知のものを用いることができる。具体的
には、ジメチルポリシロキサン、メチルクロロポリシロ
キサン、メチルヒドロキシジエンポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサンな
どのシリコーンオイル;アミノ基、エポキシ基、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基、メタクリル基、フェノール
基、アルコキシ基、ポリエーテル基、ポリエステル基、
フッ素原子などを前記ポリシロキサンの側鎖に導入した
変性シリコーンオイル;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体などのオレフィン系重合体セグメントと、
ビニルメチル−ジメチルポリシロキサン、ビニルメチル
−フェニルメチルジメチルポリシロキサンなどのポリシ
ロキサンセグメントとからなるシリコーンエラストマー
などを挙げることができ、これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。
【0044】無孔質層(B)を構成する熱可塑性樹脂組
成物は、上記した熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリ
アミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー
100重量部に対して、上記のフッ素系樹脂および/ま
たはシリコーン系樹脂を0.1〜10重量部含有してお
り、0.3〜5重量部含有しているのが好ましい。フッ
素系樹脂および/またはシリコーン系樹脂の含有量が
0.1重量部未満の場合には、積層体の無孔質層(B)
とエンボスロールとの粘着性が十分に低下しないため、
無孔質層(B)の表面を高速で型押しすることができ
ず、且つ凸部の角が流れるいわゆるシボ流れが起こりや
すい。さらに、無孔質層(B)の表面の汚れ防止性が劣
ったものになる。一方、含有量が10重量部を越える場
合には、層間の剥離強力が低下し、無孔質層(B)の表
面がドライタッチで風合いの劣ったものとなる。
成物は、上記した熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリ
アミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー
100重量部に対して、上記のフッ素系樹脂および/ま
たはシリコーン系樹脂を0.1〜10重量部含有してお
り、0.3〜5重量部含有しているのが好ましい。フッ
素系樹脂および/またはシリコーン系樹脂の含有量が
0.1重量部未満の場合には、積層体の無孔質層(B)
とエンボスロールとの粘着性が十分に低下しないため、
無孔質層(B)の表面を高速で型押しすることができ
ず、且つ凸部の角が流れるいわゆるシボ流れが起こりや
すい。さらに、無孔質層(B)の表面の汚れ防止性が劣
ったものになる。一方、含有量が10重量部を越える場
合には、層間の剥離強力が低下し、無孔質層(B)の表
面がドライタッチで風合いの劣ったものとなる。
【0045】無孔質層(B)を構成する熱可塑性樹脂組
成物のJIS−A硬度は、75〜95であり、80〜9
5であるのが好ましい。JIS−A硬度が75未満の場
合には、賦型ロールからの剥離性が劣るため、無孔質層
(C)の表面を高速で型押しすることができず、かつ型
押し後、凸部の角が流れるいわゆるシボ流れが起こり易
い。一方、JIS−A硬度が95を越える場合には、無
孔質層(B)が堅くなり、得られる積層体の柔軟な風合
いが損なわれる。
成物のJIS−A硬度は、75〜95であり、80〜9
5であるのが好ましい。JIS−A硬度が75未満の場
合には、賦型ロールからの剥離性が劣るため、無孔質層
(C)の表面を高速で型押しすることができず、かつ型
押し後、凸部の角が流れるいわゆるシボ流れが起こり易
い。一方、JIS−A硬度が95を越える場合には、無
孔質層(B)が堅くなり、得られる積層体の柔軟な風合
いが損なわれる。
【0046】無孔質層(B)の形成方法としては、例え
ば、上記した熱可塑性樹脂組成物に、必要に応じて、着
色剤、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、充填剤、帯
電防止剤、顔料などの添加剤を配合し、押出機にて加温
加圧下で溶融混練した後に、T−ダイから溶融状態で膜
状に押し出して、流動性を有している内に繊維質基体層
(A)の表面〔または多孔質層(C)の表面〕に無孔質
層(B)を形成させる方法、いわゆる溶融製膜法を用い
る。無孔質層(B)の厚みは、使用する樹脂の種類や性
能などによっても異なるが、一般には皮革様の風合いを
有し、且つ表面強度、接着強力および屈曲性などの物性
が優れている点で、5〜400μmであるのが好まし
く、10〜200μmであるのがより好ましい。無孔質
層(B)の厚みが薄すぎると、得られる積層体の耐表面
摩耗性などの表面物性が低下する傾向がある。また、無
孔質層(B)の厚みが厚すぎると、得られる積層体の屈
曲性が悪くなったり、ゴムライクな風合いとなり、皮革
様の風合いが損なわれる傾向がある。無孔質層(B)
は、気泡を含有していないことが必要である。気泡を含
有している場合には、表面の耐摩耗性、強度、平滑性、
色斑などが劣り、本発明の目的とするものが得られな
い。
ば、上記した熱可塑性樹脂組成物に、必要に応じて、着
色剤、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、充填剤、帯
電防止剤、顔料などの添加剤を配合し、押出機にて加温
加圧下で溶融混練した後に、T−ダイから溶融状態で膜
状に押し出して、流動性を有している内に繊維質基体層
(A)の表面〔または多孔質層(C)の表面〕に無孔質
層(B)を形成させる方法、いわゆる溶融製膜法を用い
る。無孔質層(B)の厚みは、使用する樹脂の種類や性
能などによっても異なるが、一般には皮革様の風合いを
有し、且つ表面強度、接着強力および屈曲性などの物性
が優れている点で、5〜400μmであるのが好まし
く、10〜200μmであるのがより好ましい。無孔質
層(B)の厚みが薄すぎると、得られる積層体の耐表面
摩耗性などの表面物性が低下する傾向がある。また、無
孔質層(B)の厚みが厚すぎると、得られる積層体の屈
曲性が悪くなったり、ゴムライクな風合いとなり、皮革
様の風合いが損なわれる傾向がある。無孔質層(B)
は、気泡を含有していないことが必要である。気泡を含
有している場合には、表面の耐摩耗性、強度、平滑性、
色斑などが劣り、本発明の目的とするものが得られな
い。
【0047】膜状に溶融押し出しされた熱可塑性樹脂組
成物を、繊維質基体層(A)の表面〔または多孔質層
(C)の表面〕に押し付けて接着させる方法としては、
例えば、あらかじめ熱可塑性樹脂組成物を、繊維質基
体層(A)の表面〔または多孔質層(C)の表面〕上に
溶融押し出しした後、ロールと該ロールに対向するバッ
クロールとの間を通して押圧する方法、熱可塑性樹脂
組成物をロール上に溶融押し出しした後、該ロールと対
向するバックロールとの間に、繊維質基体〔または繊維
質基体層(A)と多孔質層(C)からなる積層体〕を供
給して押圧する方法、繊維質基体層(A)〔または多
孔質層(C)〕とロールとの間に、熱可塑性樹脂組成物
を直接溶融押し出しして、対向するバックロールで押圧
する方法などを挙げることができるが、押圧時に熱可塑
性樹脂組成物が流動性を有していれば、いずれの方法で
あっても特に大きな差はない。
成物を、繊維質基体層(A)の表面〔または多孔質層
(C)の表面〕に押し付けて接着させる方法としては、
例えば、あらかじめ熱可塑性樹脂組成物を、繊維質基
体層(A)の表面〔または多孔質層(C)の表面〕上に
溶融押し出しした後、ロールと該ロールに対向するバッ
クロールとの間を通して押圧する方法、熱可塑性樹脂
組成物をロール上に溶融押し出しした後、該ロールと対
向するバックロールとの間に、繊維質基体〔または繊維
質基体層(A)と多孔質層(C)からなる積層体〕を供
給して押圧する方法、繊維質基体層(A)〔または多
孔質層(C)〕とロールとの間に、熱可塑性樹脂組成物
を直接溶融押し出しして、対向するバックロールで押圧
する方法などを挙げることができるが、押圧時に熱可塑
性樹脂組成物が流動性を有していれば、いずれの方法で
あっても特に大きな差はない。
【0048】無孔質層(B)の表面に凹凸模様または鏡
面模様を形成する方法としては、例えば、膜状に溶融
押し出しされた熱可塑性樹脂組成物を、流動性を有して
いる内に、繊維質基体層(A)の表面〔または多孔質層
(C)の表面〕に賦型ロールで押圧することにより、繊
維質基体層(A)の表面〔または多孔質層(C)の表
面〕に無孔質層(B)を接着させると同時に、無孔質層
(B)の表面に凹凸模様または鏡面模様を形成する方
法、膜状に溶融押し出しされた熱可塑性樹脂組成物
を、流動性を有している内に、繊維質基体層(A)の表
面〔または多孔質層(C)の表面〕に押圧ロールで押圧
することにより、繊維質基体層(A)の表面〔または多
孔質層(C)の表面〕に無孔質層(B)を接着させた
後、さらに、該熱可塑性樹脂組成物が流動性を有してい
る内に、賦型ロールで無孔質層(B)の表面に凹凸模様
または鏡面模様を形成する方法などを挙げることができ
るが、特に限定されるものでない。生産速度を高める上
からは、賦型ロールを用いて接着と賦型を同時に行う
の方法が好ましい。
面模様を形成する方法としては、例えば、膜状に溶融
押し出しされた熱可塑性樹脂組成物を、流動性を有して
いる内に、繊維質基体層(A)の表面〔または多孔質層
(C)の表面〕に賦型ロールで押圧することにより、繊
維質基体層(A)の表面〔または多孔質層(C)の表
面〕に無孔質層(B)を接着させると同時に、無孔質層
(B)の表面に凹凸模様または鏡面模様を形成する方
法、膜状に溶融押し出しされた熱可塑性樹脂組成物
を、流動性を有している内に、繊維質基体層(A)の表
面〔または多孔質層(C)の表面〕に押圧ロールで押圧
することにより、繊維質基体層(A)の表面〔または多
孔質層(C)の表面〕に無孔質層(B)を接着させた
後、さらに、該熱可塑性樹脂組成物が流動性を有してい
る内に、賦型ロールで無孔質層(B)の表面に凹凸模様
または鏡面模様を形成する方法などを挙げることができ
るが、特に限定されるものでない。生産速度を高める上
からは、賦型ロールを用いて接着と賦型を同時に行う
の方法が好ましい。
【0049】膜状に溶融押し出しされた熱可塑性樹脂組
成物を押圧する際の最適圧力は、一般には、ゲージ圧が
5〜15kg/cm2の範囲を目安に、表面の賦型性と
層間の接着強力を満足する条件で行えばよい。
成物を押圧する際の最適圧力は、一般には、ゲージ圧が
5〜15kg/cm2の範囲を目安に、表面の賦型性と
層間の接着強力を満足する条件で行えばよい。
【0050】無孔質層(B)の表面に賦型する際には、
実質的に無孔質層(B)の温度が低下し、流動性がなく
なってから積層体を賦型ロールから剥離するのが好まし
い。無孔質層(B)がまだ流動性を有している内に積層
体を賦型ロールから剥離すると、凹凸模様あるいは鏡面
模様が崩れ、いわゆるシボ流れを起こし、シャープな凹
凸模様あるいは極めて平滑な鏡面模様が得られにくい。
このため、賦型ロール内部に冷却液を循環したり、冷風
を強制的に送風したりすることにより、賦型ロールの剥
離点付近を冷却することが望ましい。
実質的に無孔質層(B)の温度が低下し、流動性がなく
なってから積層体を賦型ロールから剥離するのが好まし
い。無孔質層(B)がまだ流動性を有している内に積層
体を賦型ロールから剥離すると、凹凸模様あるいは鏡面
模様が崩れ、いわゆるシボ流れを起こし、シャープな凹
凸模様あるいは極めて平滑な鏡面模様が得られにくい。
このため、賦型ロール内部に冷却液を循環したり、冷風
を強制的に送風したりすることにより、賦型ロールの剥
離点付近を冷却することが望ましい。
【0051】上記した賦型ロールとは、ロール表面に鏡
面または凹凸模様のエンボス模様を有するエンボスロー
ルであり、また離型性のエンボスシートと通常のロール
を組み合わせたものであってもよい。エンボスロールを
用いる場合には、容易に所望の深い凹凸感を付与するこ
とができる点で好ましく、エンボスシートを用いる場合
には、エンボスシートの取り替えのみで簡単に任意のエ
ンボスパターンが選べる点で好ましい。鏡面模様の賦型
ロールを用いた場合には、エナメル調の合成皮革が得ら
れるが、場合によってはエナメル調の表面に、さらに凹
凸模様のエンボスを付与してもよい。
面または凹凸模様のエンボス模様を有するエンボスロー
ルであり、また離型性のエンボスシートと通常のロール
を組み合わせたものであってもよい。エンボスロールを
用いる場合には、容易に所望の深い凹凸感を付与するこ
とができる点で好ましく、エンボスシートを用いる場合
には、エンボスシートの取り替えのみで簡単に任意のエ
ンボスパターンが選べる点で好ましい。鏡面模様の賦型
ロールを用いた場合には、エナメル調の合成皮革が得ら
れるが、場合によってはエナメル調の表面に、さらに凹
凸模様のエンボスを付与してもよい。
【0052】ロールの材質としては、エンボスロールの
場合は、通常、金属ロールが用いられる。バックロール
としては金属ロール、弾性体ロールのいずれでもよい
が、押圧の安定性の点からは弾性体ロールを用いること
が好ましい。
場合は、通常、金属ロールが用いられる。バックロール
としては金属ロール、弾性体ロールのいずれでもよい
が、押圧の安定性の点からは弾性体ロールを用いること
が好ましい。
【0053】本発明の積層体は、必要に応じて、積層体
表面の耐摩耗性、汚れ防止性などをさらに向上させるた
め、あるいはより深みのある色調を付与するために、表
面仕上げ剤、着色剤などを無孔質層(B)の表面に塗布
してもよい。
表面の耐摩耗性、汚れ防止性などをさらに向上させるた
め、あるいはより深みのある色調を付与するために、表
面仕上げ剤、着色剤などを無孔質層(B)の表面に塗布
してもよい。
【0054】本発明の積層体は、表面層〔無孔質層
(B)〕に特定の硬度で特定の組成の熱可塑性樹脂組成
物を用いているため、表面層に天然皮革の毛穴シボ品な
みの深いシボを有し、耐摩耗性、汚れ防止性に優れる積
層体を高速に製造することができ、従来の製造方法と比
べて格段に製造コストの低い皮革様の積層体を製造する
ことが可能である。さらに、本発明の積層体(II)は、
繊維質基体層(A)と無孔質層(B)との間に、多孔質
層(C)が存在しているので、特に、引っ張ったり、折
り曲げたりした際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じ
ず、従来方法では得られないような高級感を有してい
る。
(B)〕に特定の硬度で特定の組成の熱可塑性樹脂組成
物を用いているため、表面層に天然皮革の毛穴シボ品な
みの深いシボを有し、耐摩耗性、汚れ防止性に優れる積
層体を高速に製造することができ、従来の製造方法と比
べて格段に製造コストの低い皮革様の積層体を製造する
ことが可能である。さらに、本発明の積層体(II)は、
繊維質基体層(A)と無孔質層(B)との間に、多孔質
層(C)が存在しているので、特に、引っ張ったり、折
り曲げたりした際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じ
ず、従来方法では得られないような高級感を有してい
る。
【0055】本発明の積層体は、例えば、靴、ブーツ、
ベルト、コート、ブレザー、スカート、バッグ、カメラ
ケース、財布等の天然皮革製品の代替素材として有用に
用いることができる。
ベルト、コート、ブレザー、スカート、バッグ、カメラ
ケース、財布等の天然皮革製品の代替素材として有用に
用いることができる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定され
るものではない。なお、実施例において、耐表面摩耗
性、剥離強力、汚れ防止性は以下の方法により評価し
た。
るが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定され
るものではない。なお、実施例において、耐表面摩耗
性、剥離強力、汚れ防止性は以下の方法により評価し
た。
【0057】〔耐表面摩耗性〕テーバー式ロータリーア
ブレッサー(吸塵ユニット付き)装置を用い、JIS L109
6 6.17.3に準拠して、無孔質層(B)表面の摩耗減少量
を測定した。
ブレッサー(吸塵ユニット付き)装置を用い、JIS L109
6 6.17.3に準拠して、無孔質層(B)表面の摩耗減少量
を測定した。
【0058】〔剥離強力〕積層体の無孔質層(B)を支
持体に接着し、24時間標準状態に放置後、180度剥
離する方法で測定した。
持体に接着し、24時間標準状態に放置後、180度剥
離する方法で測定した。
【0059】〔汚れ防止性〕積層体の無孔質層(B)表
面に、ミシン油1mlを滴下して30分間放置した後、
ミシン油の拭き取り易さ、表面の染みの有無を評価し
た。
面に、ミシン油1mlを滴下して30分間放置した後、
ミシン油の拭き取り易さ、表面の染みの有無を評価し
た。
【0060】以下の実施例および比較例では、それぞれ
の化合物を下記の表1に示す略号で標記する。
の化合物を下記の表1に示す略号で標記する。
【0061】
【表1】
【0062】実施例1 細さ2.5デニールのポリエステル繊維からなる絡合不
織布にバインダーとしてポリウレタン弾性体を含浸し
た、厚さが1.3mm、目付が455g/m2、繊維と
ポリウレタンとの重量比が8:2の繊維質基体を準備し
た。TPU(1)100重量部にジメチルポリシロキサ
ン〔信越化学工業(株)製「KF−96」〕5重量部お
よび黒顔料ペレット5重量部を配合したJIS−A硬度
が84の樹脂組成物を、25mmφの押出機およびT−
ダイ(リップ幅0.5mm、ダイ幅300mm)を用い
て、溶融帯温度210℃、ダイス導入部温度220℃の
条件で膜状に溶融押し出しした。上記の繊維質基体を、
表面に毛穴シボの凹凸模様を有する金属製エンボスロー
ルと弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と
エンボスロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出
し物を供給して、ゲージ圧10kg/cm2でコールド
プレスすることにより、表面に毛穴シボを有する皮革様
の積層体をラインスピード30m/分で安定に製造する
ことができた。(このラインスピードを通常の湿式凝固
法で達成するためには、極めて長い凝固浴を必要とす
る。)この積層体の無孔質層の厚さは100μmであっ
た。得られた積層体は、引っ張ったり、折り曲げたりし
た際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じず、天然皮革の
毛穴シボ品なみに深いシボ感を有し、感性の良好なもの
であった。得られた積層体の剥離強力は12.4kg/
25mmと高く、摩擦減少量は3mgであった。汚れ防
止性については、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き取
ることができた。
織布にバインダーとしてポリウレタン弾性体を含浸し
た、厚さが1.3mm、目付が455g/m2、繊維と
ポリウレタンとの重量比が8:2の繊維質基体を準備し
た。TPU(1)100重量部にジメチルポリシロキサ
ン〔信越化学工業(株)製「KF−96」〕5重量部お
よび黒顔料ペレット5重量部を配合したJIS−A硬度
が84の樹脂組成物を、25mmφの押出機およびT−
ダイ(リップ幅0.5mm、ダイ幅300mm)を用い
て、溶融帯温度210℃、ダイス導入部温度220℃の
条件で膜状に溶融押し出しした。上記の繊維質基体を、
表面に毛穴シボの凹凸模様を有する金属製エンボスロー
ルと弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と
エンボスロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出
し物を供給して、ゲージ圧10kg/cm2でコールド
プレスすることにより、表面に毛穴シボを有する皮革様
の積層体をラインスピード30m/分で安定に製造する
ことができた。(このラインスピードを通常の湿式凝固
法で達成するためには、極めて長い凝固浴を必要とす
る。)この積層体の無孔質層の厚さは100μmであっ
た。得られた積層体は、引っ張ったり、折り曲げたりし
た際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じず、天然皮革の
毛穴シボ品なみに深いシボ感を有し、感性の良好なもの
であった。得られた積層体の剥離強力は12.4kg/
25mmと高く、摩擦減少量は3mgであった。汚れ防
止性については、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き取
ることができた。
【0063】実施例2 細さ0.007デニールの極細繊維が約300本集束し
たナイロンの極細繊維束の絡合不織布に、バインダーと
してポリウレタン弾性体を含浸した、厚さが1.3m
m、目付が452g/m2、繊維とポリウレタンとの重
量比が6:4の繊維質基体を準備した。TPU(2)1
00重量部に黒顔料ペレット5重量部、アゾジカルボン
アミド系発泡剤〔三協化成(株)製「セルマイクー2
2」〕0.3重量部およびジニトロソペンタメチレンテ
トラミン系発泡剤〔三協化成(株)製「マルクA」〕
0.6重量部を配合した組成物を、25mmφの押出機
に仕込み、溶融帯温度180℃、ダイス導入部温度19
0℃、リップ幅0.5mm、ダイ幅300mmの条件で
膜状に溶融押し出しした。繊維質基体を、金属製ロール
と弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と金
属製ロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出し物
を供給してプレスすることにより、繊維質基体層の表面
に発泡した厚さ100μmの多孔質層が形成された積層
体を得た。多孔質層の気泡含有量は60体積%であっ
た。次に、TPU(3)100重量部にポリフルオロア
ルキルエステル〔大日本インキ化学工業(株)製「MEGA
FAC-F-178RM」〕3重量部および黒顔料ペレット5重量
部を配合したJIS−A硬度が80の樹脂組成物を、上
記と同様の押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5m
m、ダイ幅300mm)を用いて、溶融帯温度210
℃、ダイス導入部温度220℃の条件で膜状に溶融押し
出しした。上記の方法で得られた繊維質基体層と多孔質
層とからなる積層体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有
する金属製エンボスロールと弾性体バックロールとの間
に通し、該積層体とエンボスロールとの間に、流動性を
有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧10kg
/cm2でコールドプレスすることにより、繊維質基体
層の表面に厚さ100μmの多孔質層を有し、さらに多
孔質層表面に厚さ100μmの無孔質層を有する3層か
らなる積層体を得た。この積層体は、ラインスピード3
0m/分で安定して製造することができた。得られた積
層体の表面強力は強く、外観も天然皮革の毛穴シボ品な
みに深いシボ感を有しており、引っ張ったり、折り曲げ
たりした際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じず、感性
の極めて良好な、高級感を有するものであった。特に、
多孔質層を有しているので、エンボス賦型性と柔軟性に
優れていた。得られた積層体の剥離強力は13.8kg
/25mmと高く、摩擦減少量は3mgであった。汚れ
防止性については、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き
取ることができた。
たナイロンの極細繊維束の絡合不織布に、バインダーと
してポリウレタン弾性体を含浸した、厚さが1.3m
m、目付が452g/m2、繊維とポリウレタンとの重
量比が6:4の繊維質基体を準備した。TPU(2)1
00重量部に黒顔料ペレット5重量部、アゾジカルボン
アミド系発泡剤〔三協化成(株)製「セルマイクー2
2」〕0.3重量部およびジニトロソペンタメチレンテ
トラミン系発泡剤〔三協化成(株)製「マルクA」〕
0.6重量部を配合した組成物を、25mmφの押出機
に仕込み、溶融帯温度180℃、ダイス導入部温度19
0℃、リップ幅0.5mm、ダイ幅300mmの条件で
膜状に溶融押し出しした。繊維質基体を、金属製ロール
と弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と金
属製ロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出し物
を供給してプレスすることにより、繊維質基体層の表面
に発泡した厚さ100μmの多孔質層が形成された積層
体を得た。多孔質層の気泡含有量は60体積%であっ
た。次に、TPU(3)100重量部にポリフルオロア
ルキルエステル〔大日本インキ化学工業(株)製「MEGA
FAC-F-178RM」〕3重量部および黒顔料ペレット5重量
部を配合したJIS−A硬度が80の樹脂組成物を、上
記と同様の押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5m
m、ダイ幅300mm)を用いて、溶融帯温度210
℃、ダイス導入部温度220℃の条件で膜状に溶融押し
出しした。上記の方法で得られた繊維質基体層と多孔質
層とからなる積層体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有
する金属製エンボスロールと弾性体バックロールとの間
に通し、該積層体とエンボスロールとの間に、流動性を
有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧10kg
/cm2でコールドプレスすることにより、繊維質基体
層の表面に厚さ100μmの多孔質層を有し、さらに多
孔質層表面に厚さ100μmの無孔質層を有する3層か
らなる積層体を得た。この積層体は、ラインスピード3
0m/分で安定して製造することができた。得られた積
層体の表面強力は強く、外観も天然皮革の毛穴シボ品な
みに深いシボ感を有しており、引っ張ったり、折り曲げ
たりした際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じず、感性
の極めて良好な、高級感を有するものであった。特に、
多孔質層を有しているので、エンボス賦型性と柔軟性に
優れていた。得られた積層体の剥離強力は13.8kg
/25mmと高く、摩擦減少量は3mgであった。汚れ
防止性については、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き
取ることができた。
【0064】実施例3 細さ2.5デニールのポリエステル繊維からなる絡合不
織布にバインダーとしてポリウレタン弾性体を含浸し
た、厚さが1.3mm、目付が455g/m2、繊維と
ポリウレタンとの重量比が8:2の繊維質基体を準備し
た。TPU(3)100重量部に低密度ポリオレフィン
変性シリコンエラストマー〔日本ユニカー社製「シルグ
ラフト210」〕3重量部、ポリフルオロアルキルエス
テル〔大日本インキ化学工業(株)製「MEGAFAC-F-178R
M」〕3重量部および黒顔料ペレット5重量部を配合し
たJIS−A硬度が78の樹脂組成物を、25mmφの
押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5mm、ダイ幅3
00mm)を用いて、溶融帯温度210℃、ダイス導入
部温度220℃の条件で膜状に溶融押し出しした。上記
の繊維質基体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有する金
属製エンボスロールと弾性体バックロールとの間に通
し、該繊維質基体とエンボスロールとの間に、流動性を
有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧10kg
/cm2でコールドプレスすることにより、表面に毛穴
シボを有する皮革様の積層体をラインスピード30m/
分で安定に製造することができた。この積層体の無孔質
層の厚さは100μmであった。得られた積層体は、引
っ張ったり、折り曲げたりした際に、表面に安っぽい凹
凸模様が生じず、天然皮革の毛穴シボ品なみに深いシボ
感を有し、感性の良好なものであった。また、剥離強力
は12.5kg/25mmと高く、摩耗減少量は2mg
であった。汚れ防止性については、ミシン油の染みが残
らず、軽く拭き取ることができた。
織布にバインダーとしてポリウレタン弾性体を含浸し
た、厚さが1.3mm、目付が455g/m2、繊維と
ポリウレタンとの重量比が8:2の繊維質基体を準備し
た。TPU(3)100重量部に低密度ポリオレフィン
変性シリコンエラストマー〔日本ユニカー社製「シルグ
ラフト210」〕3重量部、ポリフルオロアルキルエス
テル〔大日本インキ化学工業(株)製「MEGAFAC-F-178R
M」〕3重量部および黒顔料ペレット5重量部を配合し
たJIS−A硬度が78の樹脂組成物を、25mmφの
押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5mm、ダイ幅3
00mm)を用いて、溶融帯温度210℃、ダイス導入
部温度220℃の条件で膜状に溶融押し出しした。上記
の繊維質基体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有する金
属製エンボスロールと弾性体バックロールとの間に通
し、該繊維質基体とエンボスロールとの間に、流動性を
有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧10kg
/cm2でコールドプレスすることにより、表面に毛穴
シボを有する皮革様の積層体をラインスピード30m/
分で安定に製造することができた。この積層体の無孔質
層の厚さは100μmであった。得られた積層体は、引
っ張ったり、折り曲げたりした際に、表面に安っぽい凹
凸模様が生じず、天然皮革の毛穴シボ品なみに深いシボ
感を有し、感性の良好なものであった。また、剥離強力
は12.5kg/25mmと高く、摩耗減少量は2mg
であった。汚れ防止性については、ミシン油の染みが残
らず、軽く拭き取ることができた。
【0065】実施例4 細さ2.5デニールのポリエステル繊維からなる絡合不
織布にバインダーとしてポリウレタン弾性体を含浸し
た、厚さが1.3mm、目付が455g/m2、繊維と
ポリウレタンとの重量比が8:2の繊維質基体を準備し
た。PAE(1)100重量部に、ポリフルオロアルキ
ルエステル〔大日本インキ化学工業(株)製「MEGAFAC-
F-178RM」〕3重量部および白顔料ペレット5重量部を
配合したJIS−A硬度が80の樹脂組成物を、25m
mφの押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5mm、ダ
イ幅300mm)を用いて、溶融帯温度210℃、ダイ
ス導入部温度220℃の条件で膜状に溶融押し出しし
た。上記の繊維質基体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を
有する金属製エンボスロールと弾性体バックロールとの
間に通し、該繊維質基体とエンボスロールとの間に、流
動性を有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧1
0kg/cm2でコールドプレスすることにより、表面
に毛穴シボを有する皮革様の積層体をラインスピード3
0m/分で安定に製造することができた。この積層体の
無孔質層の厚さは100μmであった。得られた積層体
は、引っ張ったり、折り曲げたりした際に、表面に安っ
ぽい凹凸模様が生じず、天然皮革の毛穴シボ品なみに深
いシボ感を有し、感性の良好なものであった。また、剥
離強力は14.2kg/25mmと高く、摩耗減少量は
3mgであった。汚れ防止性については、ミシン油の染
みが残らず、軽く拭き取ることができた。
織布にバインダーとしてポリウレタン弾性体を含浸し
た、厚さが1.3mm、目付が455g/m2、繊維と
ポリウレタンとの重量比が8:2の繊維質基体を準備し
た。PAE(1)100重量部に、ポリフルオロアルキ
ルエステル〔大日本インキ化学工業(株)製「MEGAFAC-
F-178RM」〕3重量部および白顔料ペレット5重量部を
配合したJIS−A硬度が80の樹脂組成物を、25m
mφの押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5mm、ダ
イ幅300mm)を用いて、溶融帯温度210℃、ダイ
ス導入部温度220℃の条件で膜状に溶融押し出しし
た。上記の繊維質基体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を
有する金属製エンボスロールと弾性体バックロールとの
間に通し、該繊維質基体とエンボスロールとの間に、流
動性を有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧1
0kg/cm2でコールドプレスすることにより、表面
に毛穴シボを有する皮革様の積層体をラインスピード3
0m/分で安定に製造することができた。この積層体の
無孔質層の厚さは100μmであった。得られた積層体
は、引っ張ったり、折り曲げたりした際に、表面に安っ
ぽい凹凸模様が生じず、天然皮革の毛穴シボ品なみに深
いシボ感を有し、感性の良好なものであった。また、剥
離強力は14.2kg/25mmと高く、摩耗減少量は
3mgであった。汚れ防止性については、ミシン油の染
みが残らず、軽く拭き取ることができた。
【0066】実施例5 細さ0.007デニールの極細繊維が約300本集束し
たナイロンの極細繊維束の絡合不織布に、バインダーと
してポリウレタン弾性体を含浸した、厚さが1.3m
m、目付が452g/m2、繊維とポリウレタンとの重
量比が6:4の繊維質基体を準備した。PAE(1)1
00重量部に白顔料ペレット5重量部、アゾジカルボン
アミド系発泡剤〔三協化成(株)製「セルマイクー2
2」〕0.3重量部およびジニトロソペンタメチレンテ
トラミン系発泡剤〔三協化成(株)製「マルクA」〕
0.6重量部を配合した組成物を、25mmφの押出機
に仕込み、溶融帯温度180℃、ダイス導入部温度19
0℃、リップ幅0.5mm、ダイ幅300mmの条件で
膜状に溶融押し出しした。繊維質基体を、金属製ロール
と弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と金
属製ロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出し物
を供給してプレスすることにより、繊維質基体層の表面
に発泡した厚さ100μmの多孔質層が形成された積層
体を得た。多孔質層の気泡含有量は65体積%であっ
た。次に、PAE(2)100重量部に、ポリフルオロ
アルキルエステル〔大日本インキ化学工業(株)製「ME
GAFAC-F-178RM」〕3重量部および白顔料ペレット5重
量部を配合したJIS−A硬度が94の樹脂組成物を、
上記と同様の押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5m
m、ダイ幅300mm)を用いて、溶融帯温度230
℃、ダイス導入部温度240℃の条件で膜状に溶融押し
出しした。上記の方法で得られた繊維質基体層と多孔質
層とからなる積層体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有
する金属製エンボスロールと弾性体バックロールとの間
に通し、該積層体とエンボスロールとの間に、流動性を
有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧10kg
/cm2でコールドプレスすることにより、繊維質基体
層の表面に厚さ100μmの多孔質層を有し、さらに多
孔質層表面に厚さ100μmの無孔質層を有する3層か
らなる積層体を得た。この積層体は、ラインスピード3
0m/分で安定して製造することができた。得られた積
層体の表面強力は強く、外観も天然皮革の毛穴シボ品な
みに深いシボ感を有しており、引っ張ったり、折り曲げ
たりした際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じず、感性
の極めて良好な、高級感を有するものであった。特に、
多孔質層を有しているので、エンボス賦型性と柔軟性に
優れていた。得られた積層体の剥離強力は15.6kg
/25mmと高く、摩擦減少量は3mgであった。汚れ
防止性については、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き
取ることができた。
たナイロンの極細繊維束の絡合不織布に、バインダーと
してポリウレタン弾性体を含浸した、厚さが1.3m
m、目付が452g/m2、繊維とポリウレタンとの重
量比が6:4の繊維質基体を準備した。PAE(1)1
00重量部に白顔料ペレット5重量部、アゾジカルボン
アミド系発泡剤〔三協化成(株)製「セルマイクー2
2」〕0.3重量部およびジニトロソペンタメチレンテ
トラミン系発泡剤〔三協化成(株)製「マルクA」〕
0.6重量部を配合した組成物を、25mmφの押出機
に仕込み、溶融帯温度180℃、ダイス導入部温度19
0℃、リップ幅0.5mm、ダイ幅300mmの条件で
膜状に溶融押し出しした。繊維質基体を、金属製ロール
と弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と金
属製ロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出し物
を供給してプレスすることにより、繊維質基体層の表面
に発泡した厚さ100μmの多孔質層が形成された積層
体を得た。多孔質層の気泡含有量は65体積%であっ
た。次に、PAE(2)100重量部に、ポリフルオロ
アルキルエステル〔大日本インキ化学工業(株)製「ME
GAFAC-F-178RM」〕3重量部および白顔料ペレット5重
量部を配合したJIS−A硬度が94の樹脂組成物を、
上記と同様の押出機およびT−ダイ(リップ幅0.5m
m、ダイ幅300mm)を用いて、溶融帯温度230
℃、ダイス導入部温度240℃の条件で膜状に溶融押し
出しした。上記の方法で得られた繊維質基体層と多孔質
層とからなる積層体を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有
する金属製エンボスロールと弾性体バックロールとの間
に通し、該積層体とエンボスロールとの間に、流動性を
有する該溶融押し出し物を供給して、ゲージ圧10kg
/cm2でコールドプレスすることにより、繊維質基体
層の表面に厚さ100μmの多孔質層を有し、さらに多
孔質層表面に厚さ100μmの無孔質層を有する3層か
らなる積層体を得た。この積層体は、ラインスピード3
0m/分で安定して製造することができた。得られた積
層体の表面強力は強く、外観も天然皮革の毛穴シボ品な
みに深いシボ感を有しており、引っ張ったり、折り曲げ
たりした際に、表面に安っぽい凹凸模様が生じず、感性
の極めて良好な、高級感を有するものであった。特に、
多孔質層を有しているので、エンボス賦型性と柔軟性に
優れていた。得られた積層体の剥離強力は15.6kg
/25mmと高く、摩擦減少量は3mgであった。汚れ
防止性については、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き
取ることができた。
【0067】実施例6 細さ0.007デニールの極細繊維が約300本集束し
たナイロンの極細繊維束の絡合不織布に、バインダーと
してポリウレタン弾性体を含浸した、厚さが1.3m
m、目付が452g/m2、繊維とポリウレタンとの重
量比が6:4の繊維質基体を準備した。TPU(2)1
00重量部に黒顔料ペレット5重量部、アゾジカルボン
アミド系発泡剤〔三協化成(株)製「セルマイクー2
2」〕0.3重量部およびジニトロソペンタメチレンテ
トラミン系発泡剤〔三協化成(株)製「マルクA」〕
0.6重量部を配合した組成物を、25mmφの押出機
に仕込み、溶融帯温度180℃、ダイス導入部温度19
0℃、リップ幅0.5mm、ダイ幅300mmの条件で
膜状に溶融押し出しした。繊維質基体を、金属製ロール
と弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と金
属製ロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出し物
を供給してプレスすることにより、繊維質基体層の表面
に発泡した厚さ100μmの多孔質層が形成された積層
体を得た。多孔質層の気泡含有量は65体積%であっ
た。次に、PEE(1)100重量部に、ジメチルポリ
シロキサン〔信越化学工業(株)製「KF−96」〕2
重量部および黒顔料ペレット5重量部を配合したJIS
−A硬度が89の樹脂組成物を、上記と同様の押出機お
よびT−ダイ(リップ幅0.5mm、ダイ幅300m
m)を用いて、溶融帯温度210℃、ダイス導入部温度
220℃の条件で膜状に溶融押し出しした。上記の方法
で得られた繊維質基体層と多孔質層とからなる積層体
を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有する金属製エンボス
ロールと弾性体バックロールとの間に通し、該積層体と
エンボスロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出
し物を供給して、ゲージ圧10kg/cm2でコールド
プレスすることにより、繊維質基体層の表面に厚さ10
0μmの多孔質層を有し、さらに多孔質層表面に厚さ1
00μmの無孔質層を有する3層からなる積層体を得
た。この積層体は、ラインスピード30m/分で安定し
て製造することができた。得られた積層体の表面強力は
強く、外観も天然皮革の毛穴シボ品なみに深いシボ感を
有しており、引っ張ったり、折り曲げたりした際に、表
面に安っぽい凹凸模様が生じず、感性の極めて良好な、
高級感を有するものであった。特に、多孔質層を有して
いるので、エンボス賦型性と柔軟性に優れていた。得ら
れた積層体の剥離強力は14.8kg/25mmと高
く、摩擦減少量は4mgであった。汚れ防止性について
は、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き取ることができ
た。
たナイロンの極細繊維束の絡合不織布に、バインダーと
してポリウレタン弾性体を含浸した、厚さが1.3m
m、目付が452g/m2、繊維とポリウレタンとの重
量比が6:4の繊維質基体を準備した。TPU(2)1
00重量部に黒顔料ペレット5重量部、アゾジカルボン
アミド系発泡剤〔三協化成(株)製「セルマイクー2
2」〕0.3重量部およびジニトロソペンタメチレンテ
トラミン系発泡剤〔三協化成(株)製「マルクA」〕
0.6重量部を配合した組成物を、25mmφの押出機
に仕込み、溶融帯温度180℃、ダイス導入部温度19
0℃、リップ幅0.5mm、ダイ幅300mmの条件で
膜状に溶融押し出しした。繊維質基体を、金属製ロール
と弾性体バックロールとの間に通し、該繊維質基体と金
属製ロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出し物
を供給してプレスすることにより、繊維質基体層の表面
に発泡した厚さ100μmの多孔質層が形成された積層
体を得た。多孔質層の気泡含有量は65体積%であっ
た。次に、PEE(1)100重量部に、ジメチルポリ
シロキサン〔信越化学工業(株)製「KF−96」〕2
重量部および黒顔料ペレット5重量部を配合したJIS
−A硬度が89の樹脂組成物を、上記と同様の押出機お
よびT−ダイ(リップ幅0.5mm、ダイ幅300m
m)を用いて、溶融帯温度210℃、ダイス導入部温度
220℃の条件で膜状に溶融押し出しした。上記の方法
で得られた繊維質基体層と多孔質層とからなる積層体
を、表面に毛穴シボの凹凸模様を有する金属製エンボス
ロールと弾性体バックロールとの間に通し、該積層体と
エンボスロールとの間に、流動性を有する該溶融押し出
し物を供給して、ゲージ圧10kg/cm2でコールド
プレスすることにより、繊維質基体層の表面に厚さ10
0μmの多孔質層を有し、さらに多孔質層表面に厚さ1
00μmの無孔質層を有する3層からなる積層体を得
た。この積層体は、ラインスピード30m/分で安定し
て製造することができた。得られた積層体の表面強力は
強く、外観も天然皮革の毛穴シボ品なみに深いシボ感を
有しており、引っ張ったり、折り曲げたりした際に、表
面に安っぽい凹凸模様が生じず、感性の極めて良好な、
高級感を有するものであった。特に、多孔質層を有して
いるので、エンボス賦型性と柔軟性に優れていた。得ら
れた積層体の剥離強力は14.8kg/25mmと高
く、摩擦減少量は4mgであった。汚れ防止性について
は、ミシン油の染みが残らず、軽く拭き取ることができ
た。
【0068】比較例1 ジメチルポリシロキサン〔信越化学工業(株)製「KF
−96」〕を使用しないこと以外は、実施例1と同様に
して積層体をラインスピード30m/分で製造した。得
られた積層体の無孔質層の厚みは100μmであった。
製造速度が速すぎて、無孔質層の表面に凹凸模様が十分
に賦型されず、凸部の角が流れるシボ流れが起きた。得
られた積層体の剥離強力は3.2kg/25mm、摩耗
減少量は19mgであった。汚れ防止性については、目
立つ染みが残った。
−96」〕を使用しないこと以外は、実施例1と同様に
して積層体をラインスピード30m/分で製造した。得
られた積層体の無孔質層の厚みは100μmであった。
製造速度が速すぎて、無孔質層の表面に凹凸模様が十分
に賦型されず、凸部の角が流れるシボ流れが起きた。得
られた積層体の剥離強力は3.2kg/25mm、摩耗
減少量は19mgであった。汚れ防止性については、目
立つ染みが残った。
【0069】比較例2 ポリフルオロアルキルエステル〔大日本インキ化学工業
(株)製「MEGAFAC-F-178RM」〕を使用しないこと以外
は、実施例2と同様にして積層体をラインスピード30
m/分で製造した。得られた積層体の多孔質層の厚みは
100μm、気泡含有率は62%であり、無孔質層の厚
みは100μmであった。製造速度が速すぎて、無孔質
層の表面に凹凸模様が十分に賦型されず、凸部の角が流
れるシボ流れが起きた。得られた積層体の剥離強力は
3.3kg/25mm、摩耗減少量は17mgであっ
た。汚れ防止性については、目立つ染みが残った。
(株)製「MEGAFAC-F-178RM」〕を使用しないこと以外
は、実施例2と同様にして積層体をラインスピード30
m/分で製造した。得られた積層体の多孔質層の厚みは
100μm、気泡含有率は62%であり、無孔質層の厚
みは100μmであった。製造速度が速すぎて、無孔質
層の表面に凹凸模様が十分に賦型されず、凸部の角が流
れるシボ流れが起きた。得られた積層体の剥離強力は
3.3kg/25mm、摩耗減少量は17mgであっ
た。汚れ防止性については、目立つ染みが残った。
【0070】比較例3 ジメチルポリシロキサン〔信越化学工業(株)製「KF
−96」〕を、TPU(1)100重量部に対して15
重量部使用する以外は、実施例1と同様にして積層体を
ラインスピード30m/分で製造した。得られた積層体
の無孔質層の厚みは100μmであった。積層体の表面
がドライタッチで、風合いが劣るものとなった。得られ
た積層体の剥離強力は9.2kg/25mm、摩耗減少
量は3mgであった。汚れ防止性については、ミシン油
の染みが残らず、軽く拭き取ることができた。
−96」〕を、TPU(1)100重量部に対して15
重量部使用する以外は、実施例1と同様にして積層体を
ラインスピード30m/分で製造した。得られた積層体
の無孔質層の厚みは100μmであった。積層体の表面
がドライタッチで、風合いが劣るものとなった。得られ
た積層体の剥離強力は9.2kg/25mm、摩耗減少
量は3mgであった。汚れ防止性については、ミシン油
の染みが残らず、軽く拭き取ることができた。
【0071】比較例4 ポリフルオロアルキルエステル〔大日本インキ化学工業
(株)製「MEGAFAC-F-178RM」〕を使用しないこと以外
は、実施例5と同様にして積層体をラインスピード30
m/分で製造した。得られた積層体の多孔質層の厚みは
100μm、気泡含有率は65%であり、無孔質層の厚
みは100μmであった。積層体の一体感が乏しく、硬
い風合いとなった。さらに、無孔質層の表面に凹凸模様
が十分に賦型されず、エンボス模様の約10%程度にシ
ボ流れが起きた。得られた積層体の剥離強力は13.8
kg/25mm、摩耗減少量は6mgであった。汚れ防
止性については、目立つ染みが残った。
(株)製「MEGAFAC-F-178RM」〕を使用しないこと以外
は、実施例5と同様にして積層体をラインスピード30
m/分で製造した。得られた積層体の多孔質層の厚みは
100μm、気泡含有率は65%であり、無孔質層の厚
みは100μmであった。積層体の一体感が乏しく、硬
い風合いとなった。さらに、無孔質層の表面に凹凸模様
が十分に賦型されず、エンボス模様の約10%程度にシ
ボ流れが起きた。得られた積層体の剥離強力は13.8
kg/25mm、摩耗減少量は6mgであった。汚れ防
止性については、目立つ染みが残った。
【0072】比較例5 ポリフルオロアルキルエステル〔大日本インキ化学工業
(株)製「MEGAFAC-F-178RM」〕をPAE(2)100
重量部に対して12重量部使用する以外は、実施例5と
同様にして積層体をラインスピード30m/分で製造し
た。得られた積層体の無孔質層の厚みは100μmであ
った。積層体の表面がドライタッチで、風合いが劣るも
のとなった。得られた積層体の剥離強力は8.2kg/
25mm、摩耗減少量は3mgであった。汚れ防止性に
ついては、目立つ染みが残った。
(株)製「MEGAFAC-F-178RM」〕をPAE(2)100
重量部に対して12重量部使用する以外は、実施例5と
同様にして積層体をラインスピード30m/分で製造し
た。得られた積層体の無孔質層の厚みは100μmであ
った。積層体の表面がドライタッチで、風合いが劣るも
のとなった。得られた積層体の剥離強力は8.2kg/
25mm、摩耗減少量は3mgであった。汚れ防止性に
ついては、目立つ染みが残った。
【0073】比較例6 ジメチルポリシロキサン〔信越化学工業(株)製「KF
−96」〕を使用しないこと以外は、実施例6と同様に
して積層体をラインスピード30m/分で製造した。得
られた積層体の多孔質層の厚みは100μm、気泡含有
率は60%であり、無孔質層の厚みは100μmであっ
た。積層体の一体感が乏しく、硬い風合いとなった。さ
らに、無孔質層の表面に凹凸模様が十分に賦型されず、
エンボス模様の約10%程度にシボ流れが起きた。得ら
れた積層体の剥離強力は14.8kg/25mm、摩耗
減少量は7mgであった。汚れ防止性については、僅か
に染みが残った。
−96」〕を使用しないこと以外は、実施例6と同様に
して積層体をラインスピード30m/分で製造した。得
られた積層体の多孔質層の厚みは100μm、気泡含有
率は60%であり、無孔質層の厚みは100μmであっ
た。積層体の一体感が乏しく、硬い風合いとなった。さ
らに、無孔質層の表面に凹凸模様が十分に賦型されず、
エンボス模様の約10%程度にシボ流れが起きた。得ら
れた積層体の剥離強力は14.8kg/25mm、摩耗
減少量は7mgであった。汚れ防止性については、僅か
に染みが残った。
【0074】比較例7 無孔質層を構成する熱可塑性エラストマーとしてPAE
(3)を使用する以外は、実施例1と同様にして積層体
をラインスピード30m/分で製造した。得られた積層
体の無孔質層の厚みは100μmであった。硬度の低い
ポリアミドエラストマーを用いたため、エンボスロール
との剥離性が悪く、エンボス模様が崩れ、エンボス模様
の約20%程度にシボ流れが起きた。得られた積層体の
剥離強力は5.2kg/25mm、摩耗減少量は6mg
であった。汚れ防止性については、ミシン油の染みが残
らず、軽く拭き取ることができた。
(3)を使用する以外は、実施例1と同様にして積層体
をラインスピード30m/分で製造した。得られた積層
体の無孔質層の厚みは100μmであった。硬度の低い
ポリアミドエラストマーを用いたため、エンボスロール
との剥離性が悪く、エンボス模様が崩れ、エンボス模様
の約20%程度にシボ流れが起きた。得られた積層体の
剥離強力は5.2kg/25mm、摩耗減少量は6mg
であった。汚れ防止性については、ミシン油の染みが残
らず、軽く拭き取ることができた。
【0075】比較例8 無孔質層を構成する熱可塑性エラストマーとしてPAE
(4)を使用する以外は、実施例1と同様にして積層体
をラインスピード30m/分で製造した。得られた積層
体の無孔質層の厚みは100μmであった。積層体の表
面がドライタッチで、風合いが劣るものとなった。得ら
れた積層体の剥離強力は14.3kg/25mm、摩耗
減少量は3mgであった。汚れ防止性については、ミシ
ン油の染みが残らず、軽く拭き取ることができた。
(4)を使用する以外は、実施例1と同様にして積層体
をラインスピード30m/分で製造した。得られた積層
体の無孔質層の厚みは100μmであった。積層体の表
面がドライタッチで、風合いが劣るものとなった。得ら
れた積層体の剥離強力は14.3kg/25mm、摩耗
減少量は3mgであった。汚れ防止性については、ミシ
ン油の染みが残らず、軽く拭き取ることができた。
【0076】
【発明の効果】本発明の積層体は、耐表面摩耗性、汚れ
防止性、層間の剥離強力などに優れており、さらに引っ
張ったり、折り曲げたりした際に、安っぽい凹凸模様が
表面に現れない、高級感のある銀面層付きの皮革様の積
層体である。また、本発明の製造方法によれば、従来技
術のように有機溶媒を使用する必要がなく、良好な作業
環境下で、上記の特徴を有する積層体を高速で製造する
ことが可能である。
防止性、層間の剥離強力などに優れており、さらに引っ
張ったり、折り曲げたりした際に、安っぽい凹凸模様が
表面に現れない、高級感のある銀面層付きの皮革様の積
層体である。また、本発明の製造方法によれば、従来技
術のように有機溶媒を使用する必要がなく、良好な作業
環境下で、上記の特徴を有する積層体を高速で製造する
ことが可能である。
【図1】本発明の積層体(II)を製造することができる
代表的な行程図である。
代表的な行程図である。
1 繊維質基体層(A) 2 多孔質層(C)用の溶融熱可塑性エラストマー 3 多孔質層(C) 4 無孔質層(B)用の溶融熱可塑性樹脂組成物 5 無孔質層(B) 6 賦形ロール 7 バックロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/12 LGE C08L 27/12 LGE 75/04 NGL 75/04 NGL 77/00 LQT 77/00 LQT 83/00 LRM 83/00 LRM // D06N 3/18 D06N 3/18
Claims (4)
- 【請求項1】 繊維質基体層(A)の表面に、JIS−
A硬度が75〜95の熱可塑性樹脂組成物からなり溶融
製膜法により製造された無孔質層(B)を有し、且つ該
無孔質層(B)の表面に凹凸模様または鏡面模様が存在
している積層体であって、前記熱可塑性樹脂組成物が、
熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエラストマ
ーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれ
る少なくとも1種の熱可塑性エラストマー100重量部
に対して、フッ素系樹脂および/またはシリコーン系樹
脂を0.1〜10重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成
物であることを特徴とする積層体。 - 【請求項2】 繊維質基体層(A)の表面に、JIS−
A硬度が85以下の熱可塑性エラストマーからなり溶融
製膜法により製造された気泡を含有する多孔質層(C)
を有し、その上にJIS−A硬度が75〜95の熱可塑
性樹脂組成物からなり溶融製膜法により製造された無孔
質層(B)を有し、且つ該無孔質層(B)の表面に凹凸
模様または鏡面模様が存在している積層体であって、前
記熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタン、熱可
塑性ポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性
エラストマー100重量部に対して、フッ素系樹脂およ
び/またはシリコーン系樹脂を0.1〜10重量部配合
してなる熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする積
層体。 - 【請求項3】 (i)膜状に溶融押し出しされた、熱可
塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエラストマーお
よび熱可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれる少
なくとも1種の熱可塑性エラストマー100重量部に対
して、フッ素系樹脂および/またはシリコーン系樹脂を
0.1〜10重量部配合してなるJIS−A硬度が75
〜95の熱可塑性樹脂組成物を、流動性を有している内
に繊維質基体層(A)の表面に押し付けて接着させるこ
とにより、繊維質基体層(A)の表面に無孔質層(B)
を形成するとともに、(ii)該熱可塑性樹脂組成物が流
動性を有している内に、無孔質層(B)の表面を型押し
して凹凸模様または鏡面模様を形成することを特徴とす
る請求項1記載の積層体の製造方法。 - 【請求項4】 (i)膜状に溶融押し出しされた気泡ま
たは気泡発生物質を含有するJIS−A硬度が85以下
の熱可塑性エラストマーを、流動性を有している内に繊
維質基体層(A)の表面に押し付けて接着させることに
より、繊維質基体層(A)の表面に多孔質層(C)を形
成し、(ii)次に、膜状に溶融押し出しされた、熱可塑
性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミドエラストマーおよ
び熱可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれる少な
くとも1種の熱可塑性エラストマー100重量部に対し
て、フッ素系樹脂および/またはシリコーン系樹脂を
0.1〜10重量部配合してなるJIS−A硬度が75
〜95の熱可塑性樹脂組成物を、流動性を有している内
に多孔質層(C)の表面に押し付けて接着させることに
より、多孔質層(C)の表面に無孔質層(B)を形成す
るとともに、(iii)該熱可塑性樹脂組成物が流動性を
有している内に、無孔質層(B)の表面を型押しして凹
凸模様または鏡面模様を形成することを特徴とする請求
項2記載の積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12324696A JPH09300546A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 積層体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12324696A JPH09300546A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 積層体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09300546A true JPH09300546A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14855832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12324696A Pending JPH09300546A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 積層体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09300546A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1108753A3 (en) * | 1999-12-14 | 2002-05-02 | Bostik Inc. | Thermoplastic embossing materials and methods |
EP1167015A3 (en) * | 2000-06-27 | 2004-06-16 | Sankuria Co. Ltd. | Composite fabric with surface and back layers and process for producing the same |
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JP2015214773A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | セーレン株式会社 | 防汚性合成皮革 |
WO2017038195A1 (ja) * | 2015-09-02 | 2017-03-09 | Dic株式会社 | 湿気硬化型ホットメルトウレタン組成物、その発泡硬化物の製造方法、合成皮革、及び、その製造方法 |
CN109457491A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-03-12 | 福建东诚超纤有限公司 | 一种镜面高光的水性合成革及其制备方法 |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP12324696A patent/JPH09300546A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP6135966B1 (ja) * | 2015-09-02 | 2017-05-31 | Dic株式会社 | 湿気硬化型ホットメルトウレタン組成物、その発泡硬化物の製造方法、合成皮革、及び、その製造方法 |
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CN109457491B (zh) * | 2018-10-22 | 2021-03-30 | 福建东诚超纤有限公司 | 一种镜面高光的水性合成革及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040106 |