JPH09300010A - 圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置 - Google Patents

圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置

Info

Publication number
JPH09300010A
JPH09300010A JP8118858A JP11885896A JPH09300010A JP H09300010 A JPH09300010 A JP H09300010A JP 8118858 A JP8118858 A JP 8118858A JP 11885896 A JP11885896 A JP 11885896A JP H09300010 A JPH09300010 A JP H09300010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tension
rolling
influence coefficient
torque
influence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8118858A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Imanari
成 宏 幸 今
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP8118858A priority Critical patent/JPH09300010A/ja
Publication of JPH09300010A publication Critical patent/JPH09300010A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンデム圧延機の各スタンド間の圧延材張力
をルーパを使用せずに張力制御する場合、圧延材張力を
高精度にて推定することが可能な圧延材張力推定装置及
びこれを用いた圧延機のルーパレス制御装置を提供す
る。 【解決手段】 タンデム圧延機のスタンド間の圧延材張
力を推定するに当たり、前方張力及び後方張力の少なく
とも一方を推定対象とするスタンドの圧延荷重を検出す
る圧延荷重検出手段(4) と、スタンドの圧延トルクを検
出する圧延トルク検出手段(6) と、圧延材の張力推定に
必要な影響係数を設定する影響係数設定手段(15A) と、
検出された圧延荷重、圧延トルク及び設定された影響係
数に基いて、スタンドの前方張力及び後方張力の少なく
とも一方を推定する張力推定手段(16A) とを備える。こ
の場合、張力推定に必要な影響係数として、少なくとも
圧延荷重に対する前方張力の影響係数α、圧延荷重に対
する後方張力の影響係数βを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンデム圧延機の
スタンド間の圧延材張力を推定する圧延材張力推定装
置、及び、この圧延材張力推定装置を用いて圧延機を制
御するルーパレス制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延や冷間圧延における最終製品の
評価基準の一部に板厚及び板幅がある。このうち、板厚
に対して自動板厚制御(AGC)が行われ、板幅に対し
て自動板幅制御が行われる。一方、圧延中の材料にかか
る張力は板厚や板幅に影響するため、張力制御が行われ
る。特に、熱間圧延における圧延材料は加熱処理されて
高温となり圧延材料の変形抵抗が小さくなっており、張
力が大きいと材料の破断を起こしやすくなる。この破断
を防止するべく張力を小さく設定すると外乱や誤設定に
より無張力の状態となることがあり、その状態が長く続
くと圧延機スタンド間での大きなループの発生となって
事故を引き起こすことがある。そこで、熱間圧延機では
とくにルーパ装置が設けられ、このルーパ装置によって
張力制御が行われ、また、材料の通板性を良くする観点
からルーパの高さ制御が行われる。
【0003】ところで、大断面積の圧延材を支持するた
めには、大きな容量のルーパ駆動電動機が必要となる
が、ルーパを駆動する電動機が設置される圧延機スタン
ド間には、種々のセンサが設置されるなど、ルーパ駆動
電動機のスペースを十分にとることができない場合があ
る。このため、可能な限りルーパ電動機の容量を小さく
して(小容量では外形寸法も小さくなる)、小断面積の
圧延材にはルーパを使用した張力制御を、大断面積の圧
延材にはルーパを使用しない張力制御、いわゆる、ルー
パレス制御を行うことが多い。
【0004】ルーパを使用する張力制御では、ルーパに
取り付けられたロードセルが受ける荷重から張力を計算
したり、ルーパ駆動電動機の負荷トルクを用いて張力を
比較的正確に計算することができる。ルーパレス制御で
は、スタンド間で圧延材と接触するものがないため、圧
延材の張力の測定は、圧延スタンドの圧延荷重と圧延ト
ルクなどを用いて推定している。その推定方法を以下に
説明する。先ず、圧延荷重及び圧延トルクと材料張力と
の間に次式の関係がある。
【0005】 Pi =Pio−αtfi−βtbii =Gio−γtfi+δtbiio=Aioio …(1) ここで、Pは圧延荷重、Po は無張力時の圧延荷重、G
は圧延トルク、Go は無張力時の圧延トルク、tf は前
方張力、tb は後方張力、Aはトルクアーム係数、α
(>0),β(>0),γ(>0),δ(>0)は影響
係数、添字iは第iスタンドを示している。なお、影響
係数α,β,γ,δはそれぞれ次式によって定義される
ものである。
【0006】
【数3】 上述した(1)式の意味は、前方張力あるいは後方張力
が印加されれば圧延荷重は減少し、前方張力が印加され
れば圧延トルクは減少し、後方張力が印加されれば圧延
トルクは増加することを示している。無張力時の圧延荷
重及び圧延トルクは、張力が印加される前にロックオン
(記憶)し、張力が印加された後は、次の方法で圧延荷
重の補正値Po M 及び圧延トルクの補正値Go M を得る
のが一般的である。
【0007】 Xi =[Hi i piT …(2) (Tはベクトルの転置を表す) ΔXi =[Hi −Hioi −hiopi−Kpio T …(3) Yi =[ρi σi φi ] …(4) Zi =[τi υi χpi] …(5) として、 Poi M =Pio+Yi ΔXi …(6) Goi M =Gio+Zi ΔXi …(7) Aoi M =Goi M /Poi M …(8) ここで、Hはスタンド入側板厚、hはスタンド出側板
厚、Kp は圧延材変形抵抗、添字Oはロックオン値を示
す。また、添字Mは補正後の値であることを示す。ま
た、ρ,σ,τ,υ,φ,χはそれぞれ次式に示す影響
係数を表す。
【0008】
【数4】 ただし、圧延材変形抵抗Kp の変化は、不明であること
が多く、例えば次式を微分する等によって計算してい
る。
【0009】
【数5】 ただし、R′は偏平ロール半径、Qp は圧下力関数であ
る。(1)式を変形すると次の(10),(11)式が
得られる。
【0010】
【数6】 (10)式から圧延荷重、圧延トルク及び後方張力を用
いて前方張力が推定できる。これは後方張力を測定でき
る場合に使用することができる。同様に、(11)式か
ら圧延荷重、圧延トルク及び前方張力を用いて後方張力
が推定でき、これは前方張力を測定できる場合に使用す
ることができる。
【0011】図8は上述した推定張力に基いて圧延主電
動機の速度指令補正値を演算する従来のルーパレス制御
装置の構成を示すブロック図である。同図において、圧
延材1は第iスタンド圧延機2およぴ第i+1スタンド
圧延機3の順で圧延される。ここでタンデム圧延機の全
スタンド数をnとすると、n=5〜7が一般的である。
ルーパレス制御は各スタンド間で実施することができる
が、i〜i+1の2スタンド間の状態を考察すれば容易
に他のスタンドへも拡張できるので、ここでは2スタン
ド間のみを考える。なお、iは1≦i≦n−1の範囲で
ある。この第iスタンドには、圧延荷重検出器(ロード
セル)4が設置され、これによって圧延荷重を検出す
る。また、第iスタンド圧延主電動機(以下、圧延主電
動機を主機という)5の速度を制御するための主機速度
制御装置(ASR)8は、速度検出器7で検出した主機
速度と速度指令値との偏差を小さくするようなトルク指
令値を演算し、トルク指令値を主機トルク制御装置(A
TR)6に設定する。主機トルク制御装置6は、主機ト
ルクとトルク指令値との偏差を小さくするように主機の
電流を制御する。なお、圧延材張力の推定に使用する圧
延トルクは、主機が発生するトルクそのものではなく、
加減速トルクを除去し、かつ、回転速度に関係する損失
トルクを差し引いた負荷トルクを使用する。この負荷ト
ルクを検出する手段は、主機トルク制御装置6に包含さ
れるものとして省略している。
【0012】一方、一般に第iスタンド及び第i+1ス
タンド間にルーパ9が設けられ、ルーパアームの角度に
換算されるルーパの高さがルーパ角度検出装置11で検出
される。このルーパ9を駆動するルーパ電動機10には速
度検出器12が取り付けられ、ルーパ電動機回転速度とそ
の回転速度指令値との偏差を小さくするようにルーパ電
動機速度制御装置(ASR)13で制御される。ルーパ制
御手段14は、ルーパを用いた制御の場合は、圧延材の張
力とルーパ角度を制御するが、ルーパレス制御を行う場
合は、ルーパが圧延材に接触しないようにパスライン以
下に下げる制御のみを行っている。この制御は、ルーパ
角度検出装置11を用いて角度制御を行うか、角度を下げ
る方向のトルクをルーパ電動機10に与える、等である。
なお、ここでは、ルーパを電動機で駆動する場合を示し
たが、油圧、空気圧等で駆動する場合にも簡単にこの制
御を適用することができる。
【0013】ところで、ルーパレス制御に際して、影響
係数設定手段15は上記の影響係数γ,δ,ρ,σ,τ,
υ,φ,χを張力推定手段16に加える。張力推定手段16
は検出された無張力時の圧延荷重Po 及び圧延トルクG
o と、設定された影響係数ρ,σ,τ,υ,φ,χとを
用いて(2)〜(8)式に従って圧延荷重の補正値Po
M 及び圧延トルクの補正値Go M を求め、続いて、上記
(10)式又は(11)式に従って前方張力tf や後方
張力tb を推定して、推定張力を制御演算手段12に加え
る。そこで、速度検出器12は推定張力に基いて、主機速
度制御装置8に加えられる速度指令値(設定速度)に対
する補正値、すなわち、速度指令補正値を演算して主機
速度制御装置8に加える。なお、測定張力又は推定張力
に基いて速度指令補正値を演算するアルゴリズム等は公
知であるため、その詳細な説明を省略する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したルーパレス張
力推定方式では、圧延荷重と圧延トルクのほかに前方張
力あるいは後方張力が必要である。例えば、ルーパレス
制御を連続して行う場合、前方張力あるいは後方張力は
推定値であり、この推定に基いてさらに張力を推定する
ことは、精度が悪化する原因となる。
【0015】また、無張力時の圧延荷重、圧延トルクを
計算する(6),(7)式では、圧延荷重と圧延トルク
の補正を入側板厚H、出側板厚h及び変形抵抗Kp のみ
で行っている。一般に通常の圧延では、製品板厚精度を
確保するために、AGCを行うため、入側板厚Hと出側
板厚hはほぼ一定になる。このため変形抵抗Kp の変化
が大きく反映されることになる。圧延荷重と圧延トルク
の変化は、変形抵抗の変化のみならず、摩擦係数の変
化、圧延速度の変化、先進率の変化等に起因するもので
あり、これらの諸原因を変形抵抗の変化に負わせること
は、無張力時の圧延荷重、圧延トルクの推定精度に悪影
響を及ぼす。特に、近年熱間圧延でも製品表面の滑らか
さの向上と圧延動力の低減を目的として、潤滑油を使用
する場合が多くなってきているが、これは摩擦係数を変
化させ、圧延荷重の急激な変動を招くことがあり、その
影響を低減することが必要である。
【0016】さらに、上述した式の中に多くの影響係数
が含まれている。このうち、γとδは、簡単な数式展開
によって次式で表現される。 γ=Ai i …(12) δ=Ai-1 i …(13) これ以外の影響係数は、仮定に基いていたり、一定の条
件下で計算したものであり、計算の前提とする条件が実
際の圧延状態と合わなければ、精度が劣化する。
【0017】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、タンデム圧延機の各スタンド間の圧延材張
力をルーパを使用せずに制御する場合、圧延材張力を高
精度にて推定することが可能な圧延材張力推定装置及び
これを用いた圧延機のルーパレス制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1の
圧延材張力推定装置は、前方張力及び後方張力の少なく
とも一方を推定対象とするスタンドの圧延荷重を圧延荷
重検出手段によって検出する一方、圧延トルク検出手段
によってそのスタンドの圧延トルクを検出し、これらの
検出値と、影響係数設定手段によって予め設定された張
力推定に必要な影響係数とに基いて、前方張力及び後方
張力の少なくとも一方を推定する構成としたもので、こ
れによって、後方張力の推定値の精度の低さに起因して
前方張力の推定精度が低下したり、あるいは、前方張力
の推定値の精度の低さに起因して後方張力の推定精度が
低下するというような事態を回避することができる。
【0019】本発明に係る請求項2の圧延材張力推定装
置は、張力推定に必要な影響係数として、圧延荷重に対
する前方張力の影響係数α、圧延荷重に対する後方張力
の影響係数β、圧延トルクに対する前方張力の影響係数
γ、圧延トルクに対する後方張力の影響係数δ、圧延荷
重に対する入側板厚の影響係数ρ、圧延荷重に対する出
側板厚の影響係数σ、圧延トルクに対する入側板厚の影
響係数τ、圧延トルクに対する出側板厚の影響係数υ、
圧延荷重に対する圧延材変形抵抗の影響係数φ、圧延ト
ルクに対する圧延材変形抵抗の影響係数χを設定し、張
力推定手段は影響係数ρ,σ,τ、υ、φ、χに基いて
張力印加後に推定する無張力圧延荷重を演算すると共
に、トルクアーム係数を演算し、これらの演算結果及び
影響係数α、β、γ、δを用いて圧延材張力を推定する
ようにしている。
【0020】本発明に係る請求項3の圧延材張力推定装
置は、iスタンドの前方張力をtfi、後方張力をtbi
無張力時の圧延荷重をPio、トルクアーム係数をAio
張力推定時の圧延荷重をPi 、圧延トルクをGi とする
とき、影響係数設定手段は影響係数α,β,γ,δ,
ρ,σ,τ,υ,φ,χを出力し、張力推定手段はこの
うちの影響係数ρ,σ,τ、υ、φ、χに基いて張力印
加後に推定する無張力圧延荷重Pio M 及び圧延トルクG
io M を演算すると共に、トルクアーム係数Ai0 Mを演算
し、さらに、前方張力tfiを次式
【0021】
【数7】 によって推定し、後方張力tbiを次式
【0022】
【数8】 によって推定するものである。
【0023】ところで、AGCを実施していなく、ルー
パ制御を実施して圧延材張力を検出できる場合に、張力
が印加されている期間の圧延荷重と、印加されていない
期間の圧延荷重との差を印加された張力で除算すること
により、影響係数を計算することができる。AGCを実
施している場合は、圧延荷重の変化はロールギャップの
変化により吸収されるため、AGCによるロールギャッ
プの変化から、ゲージメータ式を用いて圧延荷重の変化
を予測して、影響係数を演算することができる。
【0024】本発明に係る請求項4の圧延材張力推定装
置はこの原理に従って、圧延材の後方張力を測定しつ
つ、自動板厚制御を実施する場合には、ロールギャップ
の変化分と張力変化分とに基いて影響係数α,βを演算
し、自動板厚制御を実施しない場合には、圧延荷重の変
化分と張力変化分とに基いて影響係数α,βを演算する
影響係数同定手段を備え、同定された影響係数α,βを
影響係数設定手段の出力とするものである。
【0025】本発明に係る請求項5の圧延材張力推定装
置は、iスタンドが油圧延を実施した場合の圧延荷重
と、油圧延を実施しない場合の圧延荷重の変化分に基い
てロールと材料との摩擦係数の変化分を演算し、この摩
擦係数の変化分に基いて影響係数設定手段から出力され
る、圧延荷重に対する圧延材変形抵抗の影響係数φ、及
び圧延トルクに対する圧延材変形抵抗の影響係数χを補
正する影響係数補正手段を備えたものである。
【0026】本発明に係る請求項6の圧延材張力推定装
置は、iスタンドが油圧延を実施した場合の圧延荷重
と、油圧延を実施しない場合の圧延荷重の変化分に基い
てロールと材料との摩擦係数の変化分を演算し、この摩
擦係数の変化分に基いて無張力時の圧延荷重Pio及び圧
延トルクGioを演算する無張力荷重・トルク同定手段を
備え、影響係数設定手段は、圧延荷重に対する圧延材変
形抵抗の影響係数φ、及び圧延トルクに対する圧延材変
形抵抗の影響係数χの代わりに圧延荷重に対する摩擦係
数の影響係数ψ及び圧延トルクに対する摩擦係数の影響
係数ωを出力し、張力推定手段は演算された無張力時の
圧延荷重Pio及び圧延トルクGioと影響係数設定手段か
ら出力された各影響係数とを用いて張力印加後に推定す
る無張力圧延荷重Pio M 、圧延トルクGio M を演算する
ようにしたものである。
【0027】本発明に係る請求項7の圧延材張力推定手
段は、iスタンドが油圧延を実施した場合のロール速度
と、油圧延を実施しない場合のロール速度の変化分に基
いて無張力時の圧延荷重Pio及び圧延トルクGioを演算
する無張力荷重・トルク同定手段を備え、影響係数設定
手段は、圧延荷重に対する圧延材変形抵抗の影響係数
φ、及び圧延トルクに対する圧延材変形抵抗の影響係数
χの代わりに圧延荷重に対する摩擦係数の影響係数ψ及
び圧延トルクに対する摩擦係数の影響係数ωと、圧延荷
重に対するロール速度の影響係数κ及び圧延トルクに対
するロール速度の影響係数λとを出力し、張力推定手段
は演算された無張力時の圧延荷重Pio及び圧延トルクG
ioと影響係数設定手段から出力された各影響係数とを用
いて張力印加後に推定する無張力圧延荷重Pio M 、圧延
トルクGio M を演算するようにしたものである。
【0028】本発明に係る請求項8の圧延材張力推定装
置は、iスタンドの上流のスタンド間張力が測定されて
いる場合、この測定された張力と張力推定手段で推定さ
れた張力に基いて影響係数設定手段から出力される圧延
荷重に対する前方張力の影響係数α、圧延荷重に対する
後方張力の影響係数βを補正する影響係数補正手段を備
えたものである。
【0029】本発明に係る請求項9の圧延材張力推定装
置は、iスタンドの下流のスタンド間張力が測定されて
いる場合、この測定された張力と張力推定手段で推定さ
れた張力に基いて影響係数設定手段から出力される圧延
荷重に対する前方張力の影響係数α、圧延荷重に対する
後方張力の影響係数βを補正する影響係数補正手段を備
えたものである。
【0030】本発明に係る請求項10の圧延機のルーパ
レス制御装置は、上記の請求項1乃至9のいずれかに記
載の圧延材張力推定装置と、推定された圧延材張力を張
力指令値に追従させるようにiスタンドの圧延主電動機
の速度指令補正値を演算する制御演算手段とを備えたも
のである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施形態に
基いて詳細に説明する。図1は本発明に係る圧延材張力
推定装置の第1の実施形態の構成を圧延機制御系と併せ
て示したブロック図である。図中、従来装置を示す図8
と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略す
る。この実施形態は従来装置の影響係数設定手段15の代
わりに影響係数設定手段15A を用い、かつ、従来装置の
張力推定手段16の代わりに張力推定手段16A を用いた点
が図8と構成を異にしている。
【0032】ここで、従来の影響係数設定手段15は、前
述したとおり、影響係数γ,δ,ρ,σ,τ,υ,φ,
χを出力するものであったが、図1に示す影響係数設定
手段15A は、さらに、上述の影響係数α,βをも出力す
るものである。また、従来の張力推定手段16は、影響係
数γ,δ,ρ,σ,τ,υ,φ,χと、圧延荷重P及び
圧延トルクGと、推定された後方張力または前方張力と
に基いて、(10)式又は(11)式を用いて、前方張
力tf 又は後方張力tb を演算したのに対して、図1に
示す実施形態の張力推定手段16A は、影響係数α,β,
γ,δ,ρ,σ,τ,υ,φ,χと、圧延荷重P及び圧
延トルクGとに基いて、(14)式又は(15)式を用
いて、前方張力tf 又は後方張力tb を演算するもので
ある。
【0033】一般に、ルーパレス制御は連続したスタン
ド間で使用されることがある。この場合、前方張力ある
いは後方張力を使用する従来の方式を用いると、当該ス
タンド間の前後で行っているルーパレス制御による推定
張力の値に十分な精度が無いと当該スタンド間の推定張
力の精度は悪くなる。図1に示した実施形態によれば、
予め推定した張力値の誤差がそのまま推定張力の精度に
影響するという問題点を解消することができる。
【0034】図2は本発明に係る圧延材張力推定装置の
第2の実施形態の構成を圧延機制御系と併せて示したブ
ロック図である。図中、図1と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施形態は図1に
示す実施形態に対して、さらに、圧延荷重と張力の影響
係数同定手段18を新たに設けた構成になっている。な
お、図1中に示した張力推定手段16A 及び制御演算手段
17は、図面の簡単化のために省略している。
【0035】ルーパを備える圧延機でルーパ制御を行っ
ている場合、圧延材の張力は張力検出器24で検出され
る。圧延荷重と張力の影響係数同定手段18においては、
下記の処理を実行する。
【0036】ルーパ制御を実施しており、かつ、AGC
を実施していない場合に、i+1スタンドに圧延材の先
端が噛込まれる前までの圧延荷重の数点の平均値をP1
とし、i+1スタンドに圧延材が噛込まれた後の圧延荷
重の数点の平均値をP2 とし、iスタンドとi+1スタ
ンド間の圧延材張力の数点の平均値をtf1として、影響
係数αを次式で計算する。
【0037】
【数9】 同様に、ルーパ制御を実施している場合に、i−1スタ
ンドを圧延材の尾端が通過する前までの圧延荷重の数点
の平均値をP3 とし、その後iスタンドを圧延材の尾端
が通過するまでの圧延荷重の数点の平均値をP4 とし、
i−1スタンドとiスタンド間の圧延材張力の数点の平
均値をtb1として、影響係数βを次式で計算する。
【0038】
【数10】 ここでは、数点の圧延荷重及び張力を平均して、異常値
の影響を軽減しているが、この代わりにフィルタ処理を
実行するようにしても良い。また、一般に、圧延荷重に
対する前方張力の影響(αに相当)は、圧延荷重に対す
る後方張力の影響(βに相当)より小さく、その比は
1:2程度と言われており、例えば、次式の関係があ
る。
【0039】
【数11】 そこで、影響係数αのみを求め、(18)式の関係を用
いて影響係数βを求めても良く、反対に、影響係数βの
みを求め、(18)式の関係を用いて影響係数αを求め
るようにしても良い。
【0040】一方、ルーパ制御を実施しており、かつ、
AGCを実施している場合には、圧延荷重の変化は現れ
難いため、ロールギャップの変化から圧延荷重の変化を
計算する。一般に圧延荷重とロールギャップとの関係
は、次のゲージメータ式で表される。 h=S+P/M …(19) ただし、Sはロールギャップ、Mはミル定数である。A
GCにより出側板厚hの変化は無いものとして、(1
9)式を変形して、圧延荷重の変化ΔPは、ロールギャ
ップの変化ΔSを用いて次式で表すことができる。 ΔP=−ΔS/M …(20) なお、(16)式と(17)式から、ΔPと張力tf1
b1の関係により、AGCを実施していても影響係数を
求めることができる。
【0041】また、上述のように演算した影響係数α,
βの平均値及び標準偏差を計算し、平均値からの標準偏
差が大きく離れている異常値を除外して最終的な影響係
数とし、影響係数設定手段15B に加える。この影響係数
設定手段15B はこの演算によって得られた影響係数α,
βを設定値として図2では省略している、例えば、図1
の張力推定手段16A に加える。この張力推定手段16A に
おいては、これらの影響係数α,βを最終的なものとし
て上記(14),(15)式により前方張力tf1及び後
方張力tb1を求める。この結果、ルーパ制御を実施して
得られた高精度の影響係数α,βを用いた張力の推定が
可能となる。
【0042】図3は本発明に係る圧延材張力推定装置の
第3の実施形態の構成を圧延機制御系と併せて示したブ
ロック図である。図中、図1と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施形態は図1に
示す実施形態に対して、さらに、圧延荷重・トルクと変
形抵抗の影響係数補正手段19を新たに設けた構成になっ
ている。この実施形態は、圧延荷重・トルクと変形抵抗
の影響係数補正手段19の中で、油圧延時の圧延荷重と圧
延トルクが変化することを考慮して、無張力時の圧延荷
重と圧延トルクを精度良く計算するため、以下の処理を
行う。
【0043】油圧延を行うときは、潤滑油をロールに噴
射せず潤滑の効果が無い期間は、油圧延を行わない場合
と同様に変形抵抗の変化を考慮して、無張力時の圧延荷
重と圧延トルクを計算するが、潤滑油をロールに噴射し
て潤滑の効果がある期間は、摩擦係数の変化により、圧
延荷重に対する変形抵抗の影響係数φ及び圧延トルクに
対する変形抵抗の影響係数χを補正する。
【0044】このうち、摩擦係数の変化により影響係数
φ,χを補正する場合には、潤滑油をロールに噴射して
潤滑の効果が現れる時に、圧延荷重をロックオンして、
そのロックオン荷重PLOから変化した荷重ΔP(=P−
LO)が潤滑油による摩擦係数μの変化によって変化し
たものとし、無張力時の圧延荷重を計算すると共に、摩
擦係数の変化分Δμを次式で計算する。
【0045】
【数12】 このΔμを用いて、圧延荷重に対する変形抵抗の影響係
数φ及び圧延トルクに対する変形抵抗の影響係数χを次
式によって補正する。
【0046】
【数13】 なお、潤滑油の効果は、潤滑油を噴射してあるむだ時間
後に現れるものであり、上記の圧延荷重のロックオンタ
イミングは、このむだ時間を考慮して決定される。
【0047】かくして、第3の実施形態によれば、油圧
延時に圧延荷重と圧延トルクが変化することに着目し
て、圧延荷重に対する変形抵抗の影響係数φ及び圧延ト
ルクに対する変形抵抗の影響係数χを補正することによ
り、無張力時の圧延荷重と圧延トルクを精度良く計算す
ることができる。
【0048】図4は本発明に係る圧延材張力推定装置の
第4の実施形態の構成を圧延機制御系と併せて示したブ
ロック図である。図中、図1と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施形態は図1に
示す実施形態に対して、さらに、圧延荷重に基いて無張
力荷重及び無張力圧延トルクを同定する無張力荷重・ト
ルク同定手段A20を新たに設け、張力推定手段16B が、
この同定された無張力荷重及び無張力圧延トルクをも加
味して張力を推定する点が図1と構成を異にしている。
この実施形態においては、無張力荷重・トルク同定手段
A20の中で、摩擦係数の変化を考慮して、無張力時の圧
延荷重と、無張力時の圧延トルクを同定する。無張力時
の圧延荷重と圧延トルクを計算するための(2)〜
(7)式において、潤滑油をロールにかけない場合、あ
るいは、潤滑油をロールに噴射してから潤滑の効果が現
れるまでの期間は(9)式により変形抵抗を計算して、
(2)〜(7)式から無張力時の圧延荷重及び圧延トル
クを計算する。潤滑油をロールに噴射して潤滑の効果が
ある期間は、変形抵抗の変化を考慮することに代えて、
摩擦係数の変化により、無張力時の圧延荷重と圧延トル
クを計算する。この場合、摩擦係数の変化分Δμは第3
の実施形態と同様にして求める。この場合、
【0049】
【数14】 として、無張力時の圧延荷重Pio M 、圧延トルクPio M
を次式で求める。
【0050】 Pio M =Pio+YiA・ΔXiA (27) Gio M =Gio+ZiA・ΔXiA (28) かくして、第4の実施形態によれば、摩擦係数の変化を
考慮した精度の高い無張力時の圧延荷重Pio M 、圧延ト
ルクPio M が求められ、これを用いての張力推定が行わ
れる。
【0051】図5は本発明に係る圧延材張力推定装置の
第5の実施形態の構成を圧延機制御系と併せて示したブ
ロック図である。図中、図4と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施形態は図4に
示す無張力荷重・トルク同定手段A20の代わりに、無張
力荷重・トルク同定手段B21を設けた点が異なってい
る。この実施形態においては、無張力荷重・トルク同定
手段B21の中で、圧延速度の変化を考慮して、無張力荷
重及び無張力圧延トルクを同定するものである。ここで
は、上記(2)〜(7)式の代わりに次式の演算を行
う。
【0052】
【数15】 として、無張力時の圧延荷重Pio M 、圧延トルクPio M
を次式で求める。 Pio M =Pio+YiB・ΔXiB …(33) Gio M =Gio+ZiB・ΔXiB …(34) ただし、Vioは基準速度である。
【0053】かくして、第5の実施形態によれば、圧延
速度の変化を考慮した精度の高い無張力時の圧延荷重P
io M 、圧延トルクPio M が求められ、これを用いての張
力推定が行われる。
【0054】図6は本発明に係る圧延材張力推定装置の
第6の実施形態の構成を圧延機制御系と併せて示したブ
ロック図である。図中、図2と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施形態は図2に
示す圧延荷重と張力の影響係数同定手段18の代わりに、
圧延荷重と張力の影響係数補正手段A22を設けた点が異
なっている。この実施形態においては、圧延荷重と張力
の影響係数補正手段A22の中で、影響係数α,βの補正
値を演算し、その値を影響係数設定手段15に設定する構
成としたものである。
【0055】ルーパレス制御を実施しているスタンド間
の上流に位置するスタンド間の張力が測定されている場
合、その測定値tb A と、張力推定手段16にて(15)
式を用いて推定した後方張力tb とを比較し、その差が
影響係数α,βの誤差に起因するものと仮定して、影響
係数α,βを以下のようにして補正する。この場合、
α,βは(18)式の関係があるのとする。そして、
(15)式により推定した後方張力tbiと測定値tb A
とがtbi=tb A の関係にあるものとして補正影響係数
αA を次式によって演算する。
【0056】
【数16】 ルーパレス制御の実施中に後方張力tb A を測定し、
(35)式により影響係数αを計算する。ただし、(3
5)式をそのまま使用るすると、ノイズ等の影響が大き
いため、次式に示すフィルタ処理を実行する。 α(n)=(1−α)α(n−1)+aαA …(36) ただし、α(n)は第n番目に計算される影響係数α、
aは定数(0<a<1)である。なお、α(0)はこの
方法による補正前の値を使用する。
【0057】かくして、第6の実施形態によれば、推定
張力と測定張力との偏差分を影響係数α,βの誤差に起
因するものとして、この誤差を補正し、影響係数設定手
段15B はその補正値を張力推定手段16に提供することが
できる。
【0058】図7は本発明に係る圧延材張力推定装置の
第7の実施形態の構成を圧延機制御系と併せて示したブ
ロック図である。図中、図6と同一の要素には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施形態は図6中
の圧延荷重と張力の影響係数補正手段A22の代わりに、
圧延荷重と張力の影響係数補正手段B23を設けた点が異
なっている。この実施形態においては、圧延荷重と張力
の影響係数補正手段B23の中で、影響係数α,βの補正
値を演算し、その値を影響係数設定手段15に設定する構
成としたものである。
【0059】ルーパレス制御を実施しているスタンド間
の下流に位置するスタンド間の張力が測定されている場
合、その測定値tf A と、張力推定手段16にて(14)
式を用いて推定した前方張力tf とを比較し、その差が
影響係数α,βの誤差に起因するものと仮定して、影響
係数α,βを以下のようにして補正する。この場合、
α,βは(18)式の関係があるのとする。そして、
(14)式により推定した後方張力tfiと測定値tfi A
とがtfi=tfi A の関係にあるものとして補正影響係数
αB を次式によって演算する。
【0060】
【数17】 ルーパレス制御の実施中に後方張力tb A を測定し、
(37)式により影響係数αを計算する。ただし、(3
7)式をそのまま使用すると、ノイズ等の影響がかくし
て、第7の実施形態によれば、推定張力と測定張力との
偏差分を影響係数α,βの誤差に起因するものとして、
この誤差を補正し、影響係数設定手段15B はその補正値
を張力推定手段16に提供することができる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明によって明らかな如く、本発
明に係る請求項1乃至3に記載の張力推定装置によれ
ば、ルーパレス制御を行う場合、圧延荷重と圧延トルク
の他に従来装置で必要とした前方張力、あるいは、後方
張力が不要となり、これら前方張力や後方張力が含む誤
差の影響を受けることがなくなり、張力推定精度が向上
する。
【0062】また、本発明に係る請求項4に記載の張力
推定装置によれば、前方張力や後方張力が含む誤差の影
響を受けることがなくなると同時に、ルーパ制御を実施
して得られた高精度の影響係数α,βを用いた張力の推
定が可能となる。
【0063】さらに、本発明に係る請求項5に記載の張
力推定装置によれば、前方張力や後方張力が含む誤差の
影響を受けることがなくなると同時に、油圧延時に圧延
荷重と圧延トルクが変化することに着目して、圧延荷重
に対する変形抵抗の影響係数φ及び圧延トルクに対する
変形抵抗の影響係数χを補正することにより、無張力時
の圧延荷重と圧延トルクを精度良く計算することができ
る。
【0064】さらにまた、本発明に係る請求項6,7に
記載の張力推定装置によれば、前方張力や後方張力が含
む誤差の影響を受けることがなくなると同時に、入側板
厚、出側板厚、変形抵抗のみならず、摩擦係数の変化や
圧延速度の変化を考慮して、無張力時の圧延荷重、圧延
トルクの推定精度を高めることができる。
【0065】また、本発明に係る請求項8,9に記載の
張力推定装置によれば、前方張力、あるいは、後方張力
が測定できる場合、ルーパレス制御を実施しつつ、影響
係数を補正することが可能となり、張力推定精度を向上
させることができる。
【0066】さらに、本発明に係る請求項10に記載の
ルーパレス制御装置によれば、高精度で推定された張力
に基いて圧延機のルーパレス制御が行われるため、高精
度の板厚制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧延材張力推定装置の第1の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図2】本発明に係る圧延材張力推定装置の第2の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図3】本発明に係る圧延材張力推定装置の第3の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図4】本発明に係る圧延材張力推定装置の第4の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図5】本発明に係る圧延材張力推定装置の第5の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図6】本発明に係る圧延材張力推定装置の第6の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図7】本発明に係る圧延材張力推定装置の第7の実施
形態を、圧延機制御系と併せて示したブロック図。
【図8】圧延材張力推定装置を含む従来の圧延機制御装
置の構成を示したブロック図。
【符号の説明】
2 第iスタンド圧延機 3 第i+1スタンド圧延機 4 圧延荷重検出器 5 第iスタンド圧延主電動機 6 圧延主電動機トルク制御装置 8 圧延主電動機速度制御装置 9 ルーパ 10 ルーパ電動機 13 ルーパ電動機速度制御装置 14 ルーパ制御手段 15,15A,15B,15C 影響係数設定手段 16,16A,16B 張力推定手段 17 制御演算手段 18 圧延荷重と張力の影響係数同定手段 19 圧延荷重・トルクと変形抵抗の影響係数補正手段 20 無張力荷重・トルク同定手段A 21 無張力荷重・トルク同定手段B 22 圧延荷重と張力の影響係数補正手段A 22 圧延荷重と張力の影響係数補正手段B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンデム圧延機のスタンド間の圧延材張力
    を推定する装置であって、前方張力及び後方張力の少な
    くとも一方を推定対象とするスタンドの圧延荷重を検出
    する圧延荷重検出手段と、前記スタンドの圧延トルクを
    検出する圧延トルク検出手段と、圧延材の張力推定に必
    要な影響係数を設定する影響係数設定手段と、検出され
    た圧延荷重、圧延トルク及び設定された影響係数に基い
    て、前記スタンドの前方張力及び後方張力の少なくとも
    一方を推定する張力推定手段とを備えた圧延材張力推定
    装置。
  2. 【請求項2】前記影響係数設定手段は、圧延荷重に対す
    る前方張力の影響係数α、圧延荷重に対する後方張力の
    影響係数β、圧延トルクに対する前方張力の影響係数
    γ、圧延トルクに対する後方張力の影響係数δ、圧延荷
    重に対する入側板厚の影響係数ρ、圧延荷重に対する出
    側板厚の影響係数σ、圧延トルクに対する入側板厚の影
    響係数τ、圧延トルクに対する出側板厚の影響係数υ、
    圧延荷重に対する圧延材変形抵抗の影響係数φ、圧延ト
    ルクに対する圧延材変形抵抗の影響係数χを出力し、前
    記張力推定手段は前記影響係数ρ,σ,τ、υ、φ、χ
    に基いて張力印加後に推定する無張力圧延荷重を演算す
    ると共に、トルクアーム係数を演算し、これらの演算結
    果及び前記影響係数α、β、γ、δを用いて前方及び後
    方の少なくとも一方の圧延材張力を推定する請求項1に
    記載の圧延材張力制御装置。
  3. 【請求項3】前方及び後方の少なくとも一方の圧延材張
    力を推定対象とするiスタンドの前方張力をtfi、後方
    張力をtbi、無張力時の圧延荷重をPio、トルクアーム
    係数をAio、張力推定時の圧延荷重をPi 、圧延トルク
    をGi とするとき、前記張力推定手段は前記影響係数
    ρ,σ,τ、υ、φ、χに基いて張力印加後に推定する
    無張力圧延荷重Pio M 及び圧延トルクGio M を演算する
    と共に、トルクアーム係数Ai0 M を演算し、さらに、前
    方張力tfiを次式 【数1】 によって推定し、後方張力tbiを次式 【数2】 によって推定する請求項2に記載の圧延材張力推定装
    置。
  4. 【請求項4】前記圧延材の後方張力を測定しつつ、自動
    板厚制御を実施する場合には、ロールギャップの変化分
    と測定した張力変化分とに基いて影響係数α,βを演算
    し、自動板厚制御を実施しない場合には、圧延荷重の変
    化分と測定した張力変化分とに基いて影響係数α,βを
    演算する影響係数同定手段を備え、この影響係数同定手
    段によって同定された影響係数α,βを前記影響係数設
    定手段の設定値とする請求項2又は3に記載の圧延材張
    力推定装置。
  5. 【請求項5】前記iスタンドが油圧延を実施した場合の
    圧延荷重と、油圧延を実施しない場合の圧延荷重の変化
    分に基いてロールと材料との摩擦係数の変化分を演算
    し、この摩擦係数の変化分に基いて前記影響係数設定手
    段から出力される、圧延荷重に対する圧延材変形抵抗の
    影響係数φ、及び圧延トルクに対する圧延材変形抵抗の
    影響係数χを補正する影響係数補正手段を備えた請求項
    2又は3に記載の圧延材張力推定装置。
  6. 【請求項6】前記iスタンドが油圧延を実施した場合の
    圧延荷重と、油圧延を実施しない場合の圧延荷重の変化
    分に基いてロールと材料との摩擦係数の変化分を演算
    し、この摩擦係数の変化分に基いて前記無張力時の圧延
    荷重Pio及び圧延トルクGioを演算する無張力荷重・ト
    ルク同定手段を備え、前記影響係数設定手段は、圧延荷
    重に対する圧延材変形抵抗の影響係数φ、及び圧延トル
    クに対する圧延材変形抵抗の影響係数χの代わりに圧延
    荷重に対する摩擦係数の影響係数ψ及び圧延トルクに対
    する摩擦係数の影響係数ωを出力し、前記張力推定手段
    は演算された前記無張力時の圧延荷重Pio及び圧延トル
    クGioと前記影響係数設定手段から出力された各影響係
    数とを用いて前記張力印加後に推定する無張力圧延荷重
    io M 、圧延トルクGio M を演算する請求項2又は3に
    記載の圧延材張力推定装置。
  7. 【請求項7】前記iスタンドが油圧延を実施した場合の
    ロール速度と、油圧延を実施しない場合のロール速度の
    変化分に基いて前記無張力時の圧延荷重Pio及び圧延ト
    ルクGioを演算する無張力荷重・トルク同定手段を備
    え、前記影響係数設定手段は、圧延荷重に対する圧延材
    変形抵抗の影響係数φ、及び圧延トルクに対する圧延材
    変形抵抗の影響係数χの代わりに圧延荷重に対する摩擦
    係数の影響係数ψ及び圧延トルクに対する摩擦係数の影
    響係数ωと、圧延荷重に対するロール速度の影響係数κ
    及び圧延トルクに対するロール速度の影響係数λとを出
    力し、前記張力推定手段は演算された前記無張力時の圧
    延荷重Pio及び圧延トルクGioと前記影響係数設定手段
    から出力された各影響係数とを用いて前記張力印加後に
    推定する無張力圧延荷重Pio M 、圧延トルクGio M を演
    算する請求項2又は3に記載の圧延材張力推定装置。
  8. 【請求項8】前記iスタンドの上流のスタンド間張力が
    測定されている場合、この測定された張力と前記張力推
    定手段で推定された張力に基いて前記影響係数設定手段
    から出力される圧延荷重に対する前方張力の影響係数
    α、圧延荷重に対する後方張力の影響係数βを補正する
    影響係数補正手段を備えた請求項2又は3に記載の圧延
    材張力推定装置。
  9. 【請求項9】前記iスタンドの下流のスタンド間張力が
    測定されている場合、この測定された張力と前記張力推
    定手段で推定された張力に基いてに基いて前記影響係数
    設定手段から出力される圧延荷重に対する前方張力の影
    響係数α、圧延荷重に対する後方張力の影響係数βを補
    正する影響係数補正手段を備えた請求項2又は3に記載
    の圧延材張力推定装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載の圧延
    材張力推定装置と、推定された圧延材張力を張力指令値
    に追従させるように前記iスタンドの圧延主電動機の速
    度指令補正値を演算する制御演算手段とを備えた圧延機
    のルーパレス制御装置。
JP8118858A 1996-05-14 1996-05-14 圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置 Pending JPH09300010A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8118858A JPH09300010A (ja) 1996-05-14 1996-05-14 圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8118858A JPH09300010A (ja) 1996-05-14 1996-05-14 圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09300010A true JPH09300010A (ja) 1997-11-25

Family

ID=14746886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8118858A Pending JPH09300010A (ja) 1996-05-14 1996-05-14 圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09300010A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100805897B1 (ko) * 2001-12-26 2008-02-21 주식회사 포스코 열간 사상압연 통판성 향상 장치 및 그 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100805897B1 (ko) * 2001-12-26 2008-02-21 주식회사 포스코 열간 사상압연 통판성 향상 장치 및 그 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2004082861A1 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
CN110052498B (zh) 一种判断平整机张力辊打滑位置和时间的方法及装置
JPH09300010A (ja) 圧延材張力推定装置及び圧延機のルーパレス制御装置
JP4210481B2 (ja) タンデム圧延機の張力制御装置
KR100780423B1 (ko) 열간 사상압연기의 장력연산 제어장치 및 그 제어방법
JP3281682B2 (ja) レーザー速度計を用いた熱間粗圧延におけるスリップ予測制御装置
JP4319431B2 (ja) タンデム圧延機の板厚制御方法および制御装置
JP4232230B2 (ja) 熱間仕上圧延機のレベリング制御方法及び装置
JP4306273B2 (ja) タンデム圧延機におけるストリップの蛇行制御装置及び蛇行制御方法
JP3062017B2 (ja) 熱間圧延における板厚制御方法
JP3062018B2 (ja) 熱間圧延における板厚制御方法
JPH07214131A (ja) 圧延制御装置
JPS5916528B2 (ja) 圧延機の蛇行修正装置
JP2001105016A (ja) 圧延材の温度制御装置
JP3490305B2 (ja) 圧延機の板厚制御装置
JP2968647B2 (ja) 熱間圧延における板幅制御法
JPS5868414A (ja) 入側厚み計を用いた板厚制御方法
JPH1133615A (ja) タンデム圧延機における蛇行制御方法及び装置
KR100780422B1 (ko) 열간 사상압연기의 장력제어장치 및 그 제어방법
JP2763490B2 (ja) 圧延機のスタンド間張力制御方法
JPH08197125A (ja) 蛇行制御方法およびタンデム板圧延機設備列
KR20020050848A (ko) 루퍼각도를 이용한 압연속도 제어장치 및 그 제어방법
JP3073637B2 (ja) 圧延設備のスリップ検出方法及び圧延機の自動板厚制御方法
JPH05111711A (ja) 圧延機における通板制御方法
JPH08132114A (ja) 圧延制御方法