JPH0929865A - 段ボール紙、及びこれを用いた収納箱、段ボール紙の切断治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用上の機能を向上した段ボール紙、及び収
納箱を得ること。 【解決手段】 紙厚寸法よりも小さい紙厚寸法である縁
部５ａ，５ｂを有し、該縁部５ａ，５ｂの両外面が縁端
に向かって先細となる潰し面６ａ，６ｂを有している。
また、前記縁部５ａ，５ｂの一外面が縁端に向かって傾
斜している潰し面６ａを有している。さらに、収納箱１
は、開口に前記縁部５ａ，５ｂを有している。段ボール
紙１０を切断する切断治具７は、前記段ボール紙１０上
で上下に可動に可動部８と、該可動部８の一面から垂直
方向にのびている切断刃９と、前記一面に設けた潰し部
材１１とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、収納箱を製作する
ために用いる段ボール紙、段ボール紙を用いて作られた
収納箱、及び段ボール紙を所定の展開形状に切断するた
めの段ボール紙の切断治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の段ボール紙によって作られている
収納箱は、図４に示すように、一枚の段ボール紙を切断
刃を用いて、箱体を構成する展開形状体に切断した後、
この展開形状体を折り曲げて必要カ所を接着することに
よって一側が開口した箱形状の収納箱３０が作られてい
る。

【０００３】図４に示す段ボール紙によって作られた収
納箱３０は、底部３１と、この底部３１に連接されてい
る４つの側面部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄと、こ
れらのうち長手方向の２つの側面部３２ｃ，３２ｄの両
側に連接されている各一対の耳部３３ａ，３３ｂとを有
している。耳部３３ａ，３３ｂは、短手方向の側面部３
２ａ，３２ｂの内面に対向させて、これらを相互に接着
剤を用いて接着している。

【０００４】段ボール紙は、図５に示すように、互いに
平行な一対の平板状のライナー４１ａ，４１ｂと，これ
らの間に設けられている波形の中芯４２とを相互に接着
によって結合することによって作られている。また、段
ボール紙は、段の種類が違えば、段ボールの物性も違っ
たものになる。

【０００５】従来、使用されている段ボール紙は、周知
なものとしてＡ，Ｂ，Ｃ、Ｅの各段の種類がある。段ボ
ール紙の用途としては、外装用としては、Ａ，Ｂ，Ｃ
段、内装用としてはＢ，Ｃ、Ｅ段、個装用としてはＥ段
が適している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、段ボー
ル紙は、展開形状体を作るときに、切断面がライナー４
１ａ，４１ｂの面に対して直角に切断され、切断された
段ボール紙の紙厚寸法が一定の寸法に作られているた
め、展開形状の段ボール紙を折り曲げて収納箱を作った
場合、開口側の縁部の紙厚寸法が大きくなってしまう。

【０００７】また、段ボール紙の紙厚寸法が小さいほど
強度が弱いため、用途に応じて紙厚寸法の大きい段ボー
ル紙を使用しなければならなが、紙厚寸法が大きいと、
側面部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄと耳部３３ａ，
３３ｂとの合計の紙厚寸法Ａが、収納箱３０の開口縁の
寸法と同一寸法になってしまう。

【０００８】したがって、一側が開口している収納箱３
０に組み合わせて、開口を塞ぐような相手収納箱を用い
て個装用の組み合わせ収納箱を構成すると、これらを嵌
め合わせる際の位置合わせ時における引っ掛かり等の不
具合が生じてしまい包装機能が劣り作業も困難になって
しまうという問題がある。

【０００９】また、縁厚寸法が大きくなってしまうた
め、分厚い端面が露出してしまい使用者に不快感を与え
るという問題がある。

【００１０】それ故に、本発明の課題は、収納箱として
使用される段ボール紙を組み立て前の段階で、使用上の
機能に適した展開形状で供給できるようにした段ボール
紙を提供することにある。

【００１１】また、本発明の他の課題は、相手収納箱と
の組み合わせが円滑にできる収納箱を提供することにあ
る。

【００１２】さらに、本発明の他の課題は、段ボールを
切断する際に、段ボール紙の縁部を、段ボール紙の紙厚
寸法よりも小さい寸法に形成することができる段ボール
紙の切断治具を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、所定の
紙厚寸法に形成した段ボール紙において、前記紙厚寸法
よりも小さい紙厚寸法である縁部を有していることを特
徴ととする段ボール紙が得られる。

【００１４】また、本発明によれば、前記縁部の両外面
が縁端に向かって先細となる潰し面を有していることを
特徴とする段ボール紙が得られる。

【００１５】また、本発明によれば、前記縁部の一つの
外面が縁端に向かって傾斜している潰し面を有している
ことを特徴とする段ボール紙が得られる。

【００１６】また、本発明によれば、前記段ボール紙を
用いて作られた収納箱において、一側に開口を有し、少
なくとも前記開口の一部に前記縁部を有していることを
特徴ととする収納箱が得られる。

【００１７】さらに、本発明によれば、所定形状の展開
形状に段ボール紙を切断する切断治具において、前記段
ボール上で上下に可動する可動部と、該可動部の一面か
ら垂直方向にのびている切断刃と、前記段ボール紙の縁
部厚寸法を小さくするために前記切断刃の少なくとも一
側に沿って、該切断刃の先端側から前記一面に設けた潰
し部材とを有していることを特徴とする段ボール紙の切
断治具が得られる。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の段ボール紙によ
って作られている収納箱の形態を示している。収納箱を
製作するには、まず一枚の段ボール紙をトムソン刃など
の切断刃を用いて、収納箱の展開形状体を切断により得
る。この展開形状体を折り曲げて必要カ所を接着するこ
とによって、図１に示すような、一側が開口した箱形状
の収納箱１を作る。

【００１９】段ボール紙を用いた収納箱１は、底部２
と、この底部２に連接されている４つの側面部３ａ，３
ｂ、３ｃ，３ｄと、これらのうち長手方向の側面部３
ｃ，３ｄの両側のそれぞれに連接されている耳部４ａ，
４ｂを有している。耳部４ａ，４ｂは短手方向の側面部
３ａ，３ｂの内面に接着剤を用いて接着されている。

【００２０】この収納箱１は、一側に開口を有し、所定
の紙厚寸法に形成した段ボール紙によって作られてい
る。

【００２１】収納箱１は、図２にも示すように、段ボー
ル紙の縁部５ａ，５ｂの紙厚寸法が、所定の紙厚寸法に
形成した段ボール紙の紙厚寸法よりも小さい紙厚寸法に
なっている。縁部５ａ，５ｂは、段ボール紙の両外面が
縁端に向かって先細となる潰し面６ａ，６ｂを有してい
る。縁部５ａ，５ｂの寸法Ｃは縁端から段ボール紙の外
面方向への寸法を１０ｍｍ以内とすることが望ましい。

【００２２】また、縁部５ａ，５ｂは、一つの外面が反
対の外面に対して、かつ縁端に向かって傾斜している潰
し面を有するようにしてもよい。なお、図１に示した収
納箱１では、耳部４ａ，４ｂの縁部５ａ，５ｂに潰し面
６ａを形成した例を示している。

【００２３】収納箱１は、切断された段ボール紙の縁部
５ａ，５ｂの紙厚寸法が小さい寸法に作られているた
め、展開形状の段ボール紙を折り曲げて収納箱１を作っ
た場合、開口側の縁部の紙厚寸法が小さい寸法になる。

【００２４】また、段ボール紙の紙厚寸法は、従来と変
わらなく、紙厚寸法の大きいにもかかわらずらず、短手
方向の側面部３ａ，３ｂの縁端と耳部４ａ，４ｂの縁端
との紙厚寸法との合計の紙厚寸法が小さい紙厚寸法Ｂに
なる。

【００２５】したがって、一側が開口している収納箱１
に組み合わせて、開口を塞ぐような相手収納箱の位置合
わせ時においても、潰し面６ａによって相手収納箱の縁
部が円滑に滑り込み嵌め込まれ組み合わせができる。

【００２６】さらに、段ボール紙は、図３（ａ）に示す
ように、切断治具７を用いて、所定形状の展開形状体に
段ボール紙１０が切断される。切断治具７は、段ボール
紙１０上で上下に可動な可動部８と、可動部８の一面か
ら垂直方向にのびている切断刃９と、切断刃９の中間部
分から切断刃９の一側に沿って、かつ可動部８の一面に
設けたゴム、樹脂などで形成されている潰し部材１１と
を有している。潰し部材１１は、切断された段ボール紙
１０の縁部の厚寸法を小さくするために可動部８の下降
によって段ボール紙１０を潰すための外面が半円弧形
面、傾斜面などに形状になっている。

【００２７】なお、切断刃９の先端から可動部８への垂
直向への寸法において段ボール紙１０の厚み寸法の１／
２以下の寸法の位置から可動部８の一面に潰し部材１１
を形成することが望ましい。

【００２８】この切断治具７を用いて段ボール紙１０の
展開形状体を製作するには、図３（ａ）のように、切断
治具７の切断刃９の先端を段ボール紙１０上に垂直にセ
ットする。次に、可動部８を下方に可動して、図３
（ｂ）に示すように、所定の展開形状体を得る。

【００２９】この際、潰し部材１１は可動部８の下方へ
の可動によって、基台１２上に置かれている段ボール紙
１０の上面に当たり、紙厚方向に段ボール紙１０を潰し
潰し面６ａが形成される。これと同時に、切断刃９によ
って段ボール紙１０が切断される。

【００３０】なお、潰し部材１１は、切断刃９の両側に
設けてもよい。即ち、潰し部材１１を切断刃９の両側に
設けると、段ボール紙１０の切断された縁部の両方に潰
し面６ａを形成することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上、実施例により説明したように、本
発明の段ボール紙は、縁部で切断され、切断された段ボ
ール紙の縁部の紙厚寸法が小さい寸法に作られているた
め、収納箱の製作に適した機能を有する段ボール紙を提
供することができる。

【００３２】また、段ボール紙の紙厚寸法は、従来の強
度を保つよう紙厚寸法の大きいにもかかわらずらず、縁
部の厚み寸法と耳部の厚み寸法との合計の紙厚寸法が小
さい開口縁部の寸法になるため、一側が開口している収
納箱に組み合わせて、開口を塞ぐような相手収納箱の位
置合わせ時において、潰し面に沿って相手収納箱を円滑
に滑り込ませ組み合わせることがあできる。

【００３３】また、収納箱の一側開口の縁部の縁厚寸法
が従来品よりも小さくなるため、使用者の不快感を解消
することができる。

【００３４】さらに、切断治具の潰し部材を用いて段ボ
ール紙を切断すると同時に、縁部を潰すことができるた
め、簡単な治具によって、潰し面を形成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の収納箱の一実施例を示す斜視図であ
る。

【図２】図１の収納箱の縁部の一部を拡大した斜視図で
ある。

【図３】（ａ）は図１の収納箱を製作する段ボール紙の
切断治具及び段ボール紙を示す側面図、（ｂ）切断され
た段ボール紙の状態を示す側面図である。

【図４】従来の収納箱を示す斜視図である。

【図５】図４の段ボールの一部を示す側面図である。

【符号の説明】

１，３０ 収納箱 ２，３１ 底部 ３ａ，３ｂ、３ｃ，３ｄ，３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３
２ｄ 側面部 ４ａ，４ｂ，３３ａ，３３ｂ 耳部 ５ａ，５ｂ 縁部 ６ａ，６ｂ 潰し面 ７ 切断治具 ８ 可動部 ９ 切断刃 １０ 段ボール紙 １１ 潰し部材 ４１ａ，４１ｂ ライナー ４２ 中芯

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の紙厚寸法に形成した段ボール紙に
   おいて、前記紙厚寸法よりも小さい紙厚寸法に形成され
   ている縁部を有していることを特徴とする段ボール紙。
2. 【請求項２】 請求項１記載の段ボール紙において、前
   記縁部の両外面が縁端に向かって先細となる潰し面を有
   していることを特徴とする段ボール紙。
3. 【請求項３】 請求項１記載の段ボール紙において、前
   記縁部の一外面が縁端に向かって傾斜している潰し面を
   有していることを特徴とする段ボール紙。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３記載の段ボール紙を用い
   て作られた収納箱において、一側に開口を有し、少なく
   とも前記開口の一部に前記縁部を有していることを特徴
   ととする収納箱。
5. 【請求項５】 所定形状の展開形状に段ボール紙を切断
   する切断治具において、前記段ボール上で上下に可動す
   る可動部と、該可動部の一面から垂直方向にのびている
   切断刃と、前記段ボール紙の縁部厚寸法を小さくするた
   めに前記切断刃の少なくとも一側に沿って該切断刃の先
   端側から前記一面に設けた潰し部材とを有していること
   を特徴とする段ボール紙の切断治具。