JPH09298196A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JPH09298196A
JPH09298196A JP10996696A JP10996696A JPH09298196A JP H09298196 A JPH09298196 A JP H09298196A JP 10996696 A JP10996696 A JP 10996696A JP 10996696 A JP10996696 A JP 10996696A JP H09298196 A JPH09298196 A JP H09298196A
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insulating layer
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隆久 山葉
Seiji Hiraide
誠治 平出
Yushi Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間層としてSOG膜を含む層間絶縁層を有
する半導体チップにおいて、層間絶縁層中のクラック発
生を抑制できる半導体装置を提供することである。 【解決手段】 本発明の半導体装置は、頂点で交わる辺
によって画定される多角形状の表面を有する半導体チッ
プ基板と、前記半導体チップ基板の表面上に形成され、
前記辺よりも内側に外縁を有する第1の層間絶縁層と、
前記頂点の近傍領域を除く前記第1の層間絶縁層の外縁
を覆い導電性材料で形成された第1のシールリングと、
前記第1の層間絶縁層上に形成され、塗布絶縁膜とその
上下を覆い、互いに接する外周部を有する一対のCVD
絶縁膜とを有し、前記辺よりも内側に外縁を有する第2
の層間絶縁層と、前記第2の層間絶縁層の外縁、前記第
1のシールリングで覆われていない前記第1の層間絶縁
層の外縁を覆い、導電性材料で形成された第2のシール
リングとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置とその
製造方法に関し、特に半導体チップの周縁部にシールリ
ングを有する樹脂封止型の半導体装置とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、半導体基板上に画定され、ス
クライブ領域Sを挟んで隣接する2つの半導体チップ領
域の一部を示す概略平面図である。図に示すように、半
導体チップの内部領域Iには、集積回路等が形成される
素子形成領域aとこの素子形成領域aの周囲にあってボ
ンディングパッドが配置されるボンディングパッド形成
領域bが設けられている。さらに、この内部領域Iを取
り囲んで予備領域cが設けられている。
【0003】予備領域cは、ウェハをダイシングしてチ
ップに分離する際、スクライブ面より入るクラックが素
子形成領域aに届かないように配慮して設けられた20
μm〜100μmの幅の領域である。通常、予備領域c
に配線パターンは形成されない。
【0004】予備領域cの外周部であるチップ周縁部d
には、シールリングが形成されることが多い。一般にシ
ールリングとは、チップ周縁部dの層間絶縁膜等の積層
の端面を覆う帯状のダミー配線パターンをいい、チップ
側部からの水分、不純物(汚染物)の侵入を防ぐ役目を
果たす。なお、以下にシールリング構造という場合は、
シールリングを含むチップ周縁部の積層構造を指すこと
とする。
【0005】従来使用されている2種のシールリング構
造について図12(A)及び図12(B)を参照して説
明する。図12(A)は、2層の配線層のうち上層の配
線層のみによってシールリングを形成した半導体チップ
の、ボンディングパッド形成領域bからスクライブ領域
Sにかけての断面図である。
【0006】図12(A)に示すように、半導体基板1
の表面上に、下側よりチップ周縁部dに端部を有するフ
ィールド酸化膜2と第1層目の層間絶縁膜3が形成され
ている。層間絶縁膜3上のボンディングパッド形成領域
bには、ボンディングパッドとして、第1層目と第2層
目の配線層による配線パターン4aと8aが形成されて
いる。層間絶縁膜3上には、第2層目の層間絶縁層であ
るCVD(化学気相堆積法)絶縁膜5が形成されてい
る。
【0007】チップ周縁部dには、CVD絶縁膜5と層
間絶縁膜3の積層の端部の上面と側端面、およびこれに
連続する半導体基板1の一部表面を被覆するシールリン
グ8bが形成されている。さらに、CVD絶縁膜5の表
面およびシールリング8bを覆うパッシベーション膜9
が形成されている。なお、スクライブ領域Sには、半導
体基板1の表面が露出しているが、これは、スクライブ
をし易くする為である。
【0008】図12(B)は、第1層目および第2層目
の両方の配線層でシールリングを形成した半導体チップ
の、ボンディングパッド形成領域bからスクライブ領域
Sにかけての断面図である。
【0009】図12(B)に示すシールリング構造で
は、第1層目の配線層により層間絶縁膜3の端部の上面
と側端面、及びそれに連続する半導体基板1の一部表面
を被覆するシールリング4bが形成されている。シール
リング8bは、第2層目の層間絶縁層I2の端部の上面
と側端面およびこれに連続するようにシールリング4b
の上面と半導体基板1の一部表面を被覆している。
【0010】また、図12(B)に示す半導体チップで
は、第2層目の層間絶縁層I2が、一対のCVD絶縁膜
5、7でSOG(スピンオングラス)膜6を挟む積層膜
で形成されている。通常、多層配線層を形成する場合
は、配線層の成膜およびパターニングの際、基板表面に
凹凸があるため、配線の寸法精度が低下するという問題
がある。SOG膜6の形成は、基板表面の凹凸を平坦化
し、配線のパターニング精度を改善する効果を有する。
【0011】この第2層目の層間絶縁層I2を形成する
為には、プラズマCVD法によりCVD絶縁膜5を形成
し、さらにCVD絶縁膜5の上にSOG膜を塗布する。
その後CVD絶縁膜5の表面の凹部を除く平坦な面上に
形成されたSOG膜がほぼ消滅するまでエッチバックす
る。さらにエッチバックにより得られた平坦な絶縁膜表
面上にプラズマCVD法を用いて絶縁膜7を形成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図13は、図12
(A)に示すシールリング構造を形成する時の途中工程
におけるチップの部分断面図である。図に示すように層
間絶縁膜3が形成された半導体基板1の表面上に第1層
目の配線層4を形成し、この配線層4上にレジスト膜を
回転塗布し、露光現像工程を経て、ボンディングパッド
および配線用のレジストパターン10aを形成する。こ
の構造では、チップ周縁部dの第1層目の配線層4をエ
ッチング除去する。
【0013】しかし、チップ周縁部dには、フィールド
酸化膜2の端部と層間絶縁膜3の端部に起因する段差が
存在する。この段差が大きいと、図に示すように塗布さ
れたレジストが段差部分に厚く溜まり易い。ポジレジス
トの場合、厚く溜まったレジストは露光不十分となり、
現像後もレジスト残り10bが生じることがある。
【0014】レジスト残り10bは、配線層4をエッチ
ングする際、エッチングマスクとなり、レジスト残り1
0bの下の配線層4が部分的にエッチングされず残って
しまうことがある。基板上に部分的に残った配線層は、
ひげ状の幅の狭いものであることが多く、後続の工程中
で剥がれ易い。剥がれた配線層が、基板上の内部回路の
方へ浮遊し、再付着すると、ショート等を引き起こし、
チップの歩留りを下げることになる。
【0015】これに対し、図12(B)に示すシールリ
ング構造は、層間絶縁膜3の端部を覆う第1層目の配線
層からなるシールリング4bを有する。この為、先に指
摘したレジストが溜まり易い段差が存在するが、この段
差を覆って積極的にレジストパターンを形成する。従っ
て、部分的にレジストの現像残りが生じることはない。
また、このレジストパターンをエッチングマスクとし
て、第1層目の配線層をエッチングして得られるシール
リング4bは、十分な幅を有するので剥がれることはな
く、上述のような配線層の部分的残りによる問題は発生
しない。
【0016】また、図12(B)に示すシールリング構
造では、層間絶縁層にSOG膜を含むので、基板表面が
平坦化され、配線層のパターニング精度が向上する。し
かし、SOG膜6の形成に関し、別の問題が発生する。
【0017】第2層目の層間絶縁層I2を形成するため
には、絶縁膜5上にSOG膜の液状原料を回転塗布す
る。この際、シールリング4bが堰となり、SOG原料
がシールリング4bの上流側に特に厚く溜まりやすい。
SOG膜の絶縁膜としての膜質はそれ程良くないので、
SOG膜の使用は必要最小限にすることが望まれる。そ
こで、エッチバックを行い平坦部上のSOG膜を除去
し、凹部を埋めたSOG膜のみを残留させる。
【0018】この時、予備領域cにSOG膜が残留しな
いようにエッチバックを行うことが好ましいが、シール
リング4bの内側の予備領域cに厚く溜まったSOG膜
は、エッチバック後も厚く残留することが多い。ボンデ
ィングパッド形成領域bより内側の素子形成領域内は、
密に配線パターン等が形成されているので、SOG膜が
残留する各凹部は小面積であるが、予備領域cには、広
域でしかも厚いSOG膜が残留し易い。
【0019】このように予備領域cにSOG膜が厚くし
かも広域に残った半導体チップをパッケージに樹脂封止
し、温度サイクル試験にかけると、残留したSOG膜に
クラックが生じることが多い。これらのクラックが、素
子形成領域に達する場合もある。クラックから水分の侵
入を招き、侵入した水分が素子形成領域に達すると、ト
ランジスタ等の機能素子の特性に悪影響を与えることも
ある。
【0020】たとえば、酸化膜近傍に水分が達すると、
トランジスタのしきい値を変動させたり、フィールド酸
化膜とシリコン基板との界面近傍のウェル領域に負の電
荷を誘発し、n型チャネルを形成してしまうことがあ
る。また、侵入した水分はAl等の配線材料を腐食して
しまうこともある。
【0021】本発明の目的は、SOG膜を中間層として
含む層間絶縁層中においてクラックの発生が少ない半導
体装置とその製造方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
頂点で交わる辺によって画定される多角形状の表面を有
する半導体チップ基板と、前記半導体チップ基板の表面
上に形成され、前記辺よりも内側に、外縁を有する第1
の層間絶縁層と、前記頂点の近傍領域を除く前記第1の
層間絶縁層の外縁を覆い、導電性材料で形成された第1
シールリングと、前記第1の層間絶縁層上に形成され、
前記辺よりも内側に外縁を有し、塗布絶縁膜とその上下
を覆い互いに接する外周部を有する一対のCVD絶縁膜
からなる第2の層間絶縁層と、前記第2の層間絶縁層の
外縁、前記第1シールリングで覆われていない前記第1
の層間絶縁層の外縁を覆い、導電性材料で形成された第
2シールリングとを有する。
【0023】塗布絶縁膜を形成する工程において、チッ
プ基板の各頂点近傍領域には、第1シールリングを形成
しないので、第1シールリングによる塗布液の流れの堰
がなく、頂点の近傍領域には塗布絶縁膜の広域残留がで
きない。よって、塗布絶縁膜の広域残留に起因するクラ
ックの発生を効果的に抑制することができる。
【0024】頂点の近傍領域を除く第1の層間絶縁層の
外縁には、第1シールリングが形成される。第1の層間
絶縁層の外縁を覆う導電性膜をエッチング除去しようと
する場合は、エッチング残りが生じ、このエッチング残
りが工程途中で剥離し易く、ショート等を引き起こすこ
とがある。しかし、外縁部にシールリングとして積極的
に導電性膜によるパターンを形成することにより、導電
性膜のエッチング残りが発生することを抑制できる。
【0025】また、本発明の別な半導体装置の製造方法
は、頂点で交わる辺によって画定される多角形状の表面
を有する半導体チップ基板上に、第1の層間絶縁層を形
成する工程と、前記第1の層間絶縁層の外周端部をエッ
チングし、前記辺よりも内側に、前記第1の層間絶縁層
の外縁を形成する工程と、前記第1の層間絶縁層を覆
い、基板表面全面に、第1の導電性膜を形成する工程
と、前記第1の導電性膜の少なくとも前記第1の層間絶
縁膜の外縁を覆う外周端部をエッチングする工程と、基
板上の最表面全面に、塗布絶縁膜とその上下を覆う一対
のCVD絶縁膜からなる第2の層間絶縁層を形成する工
程と、前記第2の層間絶縁層を覆い、基板表面全面に、
第2の導電性膜を形成する工程と、前記第2の導電性膜
を選択的にエッチングし、前記辺の内側に形成された前
記各層間絶縁層による積層の端部の上面と側端面を連続
的に覆うシールリングを形成する工程とを有し、前記第
2の層間絶縁層を形成する工程が、CVD法を用いて第
1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜上に第
1の塗布絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜と
前記第1の塗布絶縁膜の積層の表面からその厚さの一部
をエッチバックする工程と、前記エッチバックにより得
られた最表面上に、CVD法を用いて第2の絶縁膜を形
成する工程とを有する。
【0026】この方法によれば、チップ全周縁部に上層
配線層のみでシールリングが形成される。塗布絶縁膜を
形成する工程において、シールリングが形成されていな
いので、シールリングによる塗布液の流れの堰がなく、
チップ全周縁部近傍に塗布絶縁膜の広域残留ができな
い。よって、塗布絶縁膜の広域残留に起因するクラック
の発生をより効果的に抑制することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例について述
べる前に、本願の発明者等が行った試験について説明す
る。
【0028】第2層目の層間絶縁層がSOG膜を中間層
に有する2種の半導体チップを作製した。一方の半導体
チップは、図1(A)に示すように、図12(A)に示
した従来のシールリング構造において第2層目の層間絶
縁層5をSOG膜を含む層間絶縁層に置き換えたもので
ある。チップ周縁部dに第2層目の配線層のみでシール
リングが形成されている。
【0029】もう一方の半導体チップは、チップ周縁部
dに第1層目と第2層目の配線層でシールリングが形成
されたものであり、図12(B)に示した半導体チップ
と同等のものである。なお、図1(B)に示すシールリ
ング断面構造は、図12(B)に示すシールリング断面
構造とほぼ等しいので、以下図1(B)を参照する。
【0030】それぞれの半導体チップをQFP(Qua
d Inline Flat Package)タイプ
のパッケージに樹脂封止し、温度サイクル試験にかけ、
第2層目の層間絶縁層I2でのクラック発生状態を観察
した。なお、作製した半導体チップは、一辺8.5mm
の正方形状を有するものであった。
【0031】チップをまず−65℃の低温状態で30分
保持した後、5分間室温に戻し、次に150℃の高温状
態で30分保持し、再び5分間室温に戻す一連の過程を
1サイクルとして、温度サイクルを500回繰り返し
た。
【0032】図1(B)に示すように、第1層目の配線
層と第2層目の配線層でシールリングを形成した半導体
チップでは、49個中37個のチップで、第2層目の層
間絶縁層I2中にクラックの発生が確認された。これら
のクラックは、SOG膜6とプラズマCVDによるCV
D絶縁膜5又は7との界面から発生し、SOG膜6内に
クラックが伸びていた。両者の膜の密着性が悪いことに
起因していると思われる。
【0033】留意すべきことは、これらのクラックの起
点が、いずれもチップコーナから半径約2mmの円内の
チップコーナ近傍に集中していたことである。熱サイク
ル試験において、チップコーナ部に発生する応力が大き
い為と考えられる。
【0034】一方、図1(A)に示す上層配線層(第2
層目の配線層)のみでシールリングを形成した半導体チ
ップでは、49個のチップ中いずれにもクラックの発生
は発見されなかった。このチップでは、第1層目の配線
層でシールリングを形成しないので、チップ周縁部d
に、SOG原料を塗布する際の流れの堰となるものがな
く、予備領域c上にSOG膜が厚く溜まることがない。
よって、エッチバック工程後のチップ周縁部dから予備
領域cにかけての第2層目の層間絶縁層I2の中にクラ
ック発生の要因となるSOG膜の残留が殆どないためと
考えられる。
【0035】ただし、図1(A)に示すように、このシ
ールリングを有するチップにおいても、ウェハ上でのチ
ップの位置によっては、SOG膜原料を塗布する際の液
流れがチップ端部からチップの内側に向けられることが
ある。この場合は、第1層目の配線層で形成するボンデ
ィングパッド用の配線パターン4aが流れの堰となり、
その上流側に厚いSOG膜を形成してしまい、エッチバ
ック後も予備領域c上の第2層目の層間絶縁層I2中に
SOG膜が残留してしまうことがある。しかし、このよ
うなSOG膜の残留がチップコーナ近傍にあっても、図
1(A)に示すチップでは、上述したように、クラック
の発生は起こっていなかった。
【0036】これは、ボンディングパッドは離散的なパ
ターンであるため広域にSOG膜が残留せず、ボンディ
ングパッド用の配線パターン4aに隣接する部分のみに
SOG膜が残留する為であろう。又、同じ予備領域cで
も、よりチップの内側にあり、SOG膜にかかる応力が
幾分小さい為であろう。さらに、ボンディングパッド形
成領域bが隣接する素子形成領域には、複数の配線パタ
ーンが密に形成されており、この配線パターン等による
凹凸の存在により、SOG膜とプラズマCVD法によっ
て形成した絶縁膜の実質的な接触面積が増し、剥離しに
くい状態にある為と考えられる。
【0037】なお、定量的な把握は行っていないが、従
来から指摘されているように、第2層目の配線層のみで
シールリングを形成した図1(A)に示すシールリング
構造を有する半導体チップでは、製造工程中に第1層目
の配線層の剥離が発生することもあったが、第1層目の
配線層、第2層目の配線層の両方でシールリングを形成
した図1(B)に示すシールリング構造の半導体チップ
ではこの剥離は発生しなかった。
【0038】これらの試験結果から、チップコーナ近傍
において、予備領域cに広域にSOG膜が残留してお
り、しかもチップ周縁部dに近い側に特に厚くSOGが
残る場合には、高い頻度でクラックが発生すると推察で
きる。
【0039】以上の試験結果を鑑みて提案された本発明
の第1の実施例について図1(A)〜図5(E2)を参
照して以下に説明する。図1(C)に示すように、第1
の実施例で用いる半導体チップは、四角形の平面形状を
有し、そのチップ表面は、機能素子やボンディングパッ
ド等が形成される内部領域I、内部領域Iの周囲に帯状
に設けられ何の配線パターンも形成されない予備領域
c、さらに予備領域cを囲むチップ周縁部d、およびチ
ップ周縁部dの外周のスクライブ領域Sに分けられる。
【0040】以下、第1の実施例では、4つのそれぞれ
のチップコーナ(四角形の各頂点)を中心とした半径r
の1/4円内のチップ周縁部dをチップ端角領域Ccと
呼び、それ以外のチップ周縁部dをチップ端辺央領域E
cと呼ぶ。
【0041】第1の実施例の半導体チップは、従来のよ
うにチップ周縁部dの全域に単一のシールリング構造を
有するものではなく、チップ端角領域Ccには、図1
(A)に示すシールリング構造を有し、チップ端辺央領
域Ecには、図1(B)に示すシールリング構造を有す
る。
【0042】チップ表面上のシールリングの平面パター
ンを図2に示す。なお理解の便宜の為、チップ周縁部d
をやや大きめに図示している。図に示すように、上層配
線層(第2層目の配線層)によるシールリング8bは、
予備領域cを囲む全周囲のチップ周縁部dに環(ルー
プ)状に形成するが、下層配線層(第1層目の配線層)
によるシールリング4bは、図1(C)におけるチップ
端角領域Ccに相当するチップコーナ領域を除くチップ
周縁部dのみに形成する。
【0043】第1の実施例において、図1(A)は、図
1(C)に示す一点鎖線A−A’におけるチップの断面
図に相当する。即ち、チップ端角領域Ccを含むチップ
の、ボンディングパッド形成領域bからスクライブ領域
Sにかけての部分断面図である。また、図1(B)は、
図1(C)に示す一点鎖線B−B’におけるチップの断
面に相当する。即ち、チップ端辺央領域Ecを含むチッ
プの、ボンディングパッド形成領域bからスクライブ領
域Sにかけての部分断面図である。
【0044】チップ端角領域Ccには、図1(A)に示
すように、2層の配線層のうち上層の配線層のみでシー
ルリング8bを形成することにより、チップ端角領域C
cの予備領域cにSOG膜が広く残留することを防止し
ている。この為、クラック発生を効果的に抑制できる。
【0045】一方、図1(B)に示すように、チップ端
辺央領域Ecには、下層配線層でもシールリング4bを
形成することにより、下層配線層が層間絶縁層の外縁の
段差部に部分的に残留して工程途中で剥離するという問
題を避けることができる。なお、チップ端辺央領域Ec
から予備領域cにかけて広域にSOG膜6が残留し得る
が、上述の試験結果から推察されるように、チップ端辺
央領域Ecでは、チップコーナ近傍ほど発生する応力が
大きくない為、SOG膜6にクラックが発生する心配は
少ない。さらに、シールリング4bは、コーナ部分で切
り欠かれており、閉じたループ状のシールリングと較べ
れば、SOGを堰止める作用が少ないであろう。
【0046】以下に、第1の実施例の半導体装置の製造
方法について図3(A)〜図5(E2)を参照しながら
説明する。図3(A)、図3(B)を用いて、第1層目
の配線層を半導体基板表面に形成するまでの工程につい
て説明する。
【0047】チップの内側の素子形成領域には、トラン
ジスタ等の機能デバイスを形成する。形成するデバイス
の種類は特に限定されない。シールリング構造の作製
は、素子形成領域上へのデバイス作製と同時に進行す
る。例えば素子形成領域にトランジスタを形成する場合
を例にとって説明する。
【0048】チップ内側の素子形成領域の半導体基板表
面に活性領域を画定する為にSiN x 膜のマスクを用い
た基板表面の熱酸化により、フィールド酸化膜を形成す
る。同時に、図3(A)に示すように、ボンディングパ
ッド形成領域bからチップ周縁部dに至る領域にも、半
導体基板1の表面層にフィールド酸化膜2の層を形成す
る。なお、スクライブ領域Sでは半導体基板1の表面を
露出させる為、フィールド酸化膜2を形成する領域は、
チップ周縁部dの途中までとする。
【0049】チップ内側の素子形成領域に、通常用いら
れている方法に従いトランジスタのゲート電極、ソース
/ドレイン領域等を形成する。続いてこれらのトランジ
スタ等を覆うように基板全面に第1層目の層間絶縁膜3
を形成する。同時に図3(A)に示すように、ボンディ
ングパッド形成領域bからスクライブ領域Sに至る領域
にも、第1層目の層間絶縁膜3が形成される。この層間
絶縁膜3は、例えば減圧CVDで膜厚約700nmのB
PSG(ボロンフォスフォシリケートガラス)膜を形成
し、この後約1000℃でBPSG膜をリフローするこ
とで得られる。
【0050】素子形成領域では、ソース/ドレイン領域
からの引出し線を形成する為、層間絶縁膜3にビアホー
ルを開ける。これと同時に、図3(B)に示すようにフ
ィールド酸化膜2の端面より少し外側に層間絶縁膜3の
端面が形成されるように、チップ周縁部dからスクライ
ブ領域Sに至る層間絶縁膜3をエッチング除去する。
【0051】なお、これらのエッチングは、レジストパ
ターンをエッチングマスクにして行う。エッチング後、
残ったレジストパターンを除去する。図3(B)に示す
ように、基板表面上に第1層目の配線層4を形成する。
チップのボンディングパッド形成領域bからスクライブ
領域Sに至る領域にも層間絶縁膜3を覆う配線層4が形
成される。この配線層4としては、例えばスパッタリン
グ法を用いて、下層より、Ti、TiON、Al−Si
−Cu合金およびTiNの膜をこの順に積層する。各層
の膜厚は、例えば下層のTi膜から順番に20nm、1
00nm、400nm、40nmとする。
【0052】以後の工程は、図4(C1)〜図5(E
2)を参照しながら説明する。なお、図4(C1)、図
4(D1)、図5(E1)が図1(C)に示す切断線B
−B’での断面、即ちチップ端辺央領域Ecを含むチッ
プの部分断面図に相当する。図4(C2)、図4(D
2)、図5(E2)が、図1(C)に示す切断線A−
A’での断面、即ちチップコーナにおけるチップ端角領
域Ccを含むチップの部分断面図に相当する。
【0053】図4(C1)に示すように、フォトリソグ
ラフィ工程を用い、配線層4のエッチングを行う。な
お、配線層4のエッチングは、ハロゲン系ガスを用いた
ドライエッチングにより行う。
【0054】素子形成領域には、必要な配線パターンが
形成され、図4(C1)に示すように、ボンディングパ
ッド形成領域bにはボンディングパッド用配線パターン
4a、チップ端辺央領域Ecには、シールリング4bが
形成される。シールリング4bは、第1層目の層間絶縁
膜3の外縁部分、即ち層間絶縁膜3の端部の上面と側端
面および側端面に連続する半導体基板1の一部表面を被
覆する。
【0055】図1(A)に示すシールリング構造のよう
に、この第1層間絶縁膜3の端面にシールリングを形成
しない場合は、この端部の段差に、配線層の部分的なエ
ッチング残りが生じ、工程途中でこのエッチング残りが
剥離し、素子形成領域に浮遊し、ショートを発生させる
ことがある。しかし、図4(C1)に示すように、段差
部分に積極的に形成したシールリング4bは、ある程度
の幅を有するダミー配線パターンであり、部分的なエッ
チング残りとは異なり工程途中に剥離することはない。
【0056】一方、チップコーナにおけるチップ端角領
域Ccには、図4(C2)に示すように、ボンディング
パッド用配線パターン4aは形成するが、シールリング
は形成しない。よって、この領域では、配線層の部分的
なエッチング残りが発生する場合もある。しかし、チッ
プ基板上の全チップ周縁部dからみれば一部の領域に過
ぎず、チップ全体としては、配線層のエッチング残りの
発生が抑制される。
【0057】図4(D1)および図4(D2)に示すよ
うに、基板全面に例えばプラズマCVD法を用いて、膜
厚約500nmのSiO2 膜(絶縁膜)5を形成する。
さらに、SiO2 膜5上にSOG膜6を形成する。SO
G膜6は、液原料を基板上にスピン塗布し、この後約4
00℃の温度でキュアして形成する。この時、SiO 2
膜5表面の凹部を除く平坦な面上に約500nmのSO
G膜が形成できるようにする。
【0058】SOG膜6は、配線パターンによって基板
表面にできた凹凸を平坦化する。回転塗布されたSOG
原料は、基板上の凹部を埋める。チップ端辺央領域Ec
周辺では、予備領域cがボンディングパッド用配線パタ
ーン4aとシールリング4bの電極に挟まれた凹部とな
るので、この予備領域cにSOG原料が溜まる。SOG
原料を塗布する際の液流れ方向がチップの内部から外部
方向に向いている場合は、図4(D1)に示すように、
チップ端辺央領域Ec内のシールリング4bによりでき
た基板上の凸部がSOG原料の流れの堰となる為、シー
ルリング4bの内側にSOG原料が特に溜まり易い。
【0059】一方、チップコーナにおけるチップ端角領
域Ccにも、図4(D2)に示すように、SiO2 膜5
上にSOG膜6が形成される。チップ端角領域Ccには
シールリングが形成されていないので、同様なSOG膜
の塗布条件において、SOG原料の流れを堰止めるもの
はなく、比較的均一な膜厚のSOG膜6の層が予備領域
c上に形成される。
【0060】図5(E1)、図5(E2)を参照して、
後続の工程について説明する。CF 4 とCHF3 の混合
ガスを主体としたエッチングガスを用い、SOG膜6と
SiO2 膜5の積層を双方の膜のエッチング速度がほぼ
同一になる条件で表面より約500nmの深さエッチバ
ックする。エッチバックにより、SiO2 膜5の表面の
うち凹部でない平坦な部分が露出する。
【0061】エッチバック後も、素子形成領域内の配線
パターンによりできた凹部には、SOG膜が残留する。
図5(E1)に示すように、チップ端辺央領域Ec近傍
の予備領域cは、配線パターン4aとシールリング4b
に両側を挟まれているため、凹部領域となっており、エ
ッチバック後も予備領域cにはSOG膜が残留する。
【0062】一方、図5(E2)に示すように、チップ
端角領域Cc近傍では、チップ端角領域Ccにシールリ
ング4bが形成されていないので、予備領域c上のSO
G膜の膜厚はチップ端辺央領域Ec近傍の予備領域上の
SOG膜ほど厚くない。配線パターン4aによる段差部
分、及び第1層目の層間絶縁層3の端部の段差部分以外
では、予備領域c上のSOG膜がほぼ除去される。
【0063】エッチバックにより得られた基板表面上に
プラズマCVD法を用いてSiO2膜7を膜厚約500
nm形成する。こうしてSiO2 膜5、中間層として部
分的に残るSOG膜6およびSiO2 膜7の積層膜より
なる第2層目の層間絶縁層I2が得られる。
【0064】素子形成領域の第2層目の層間絶縁層I2
に、ビアホールを形成するのと同時に層間絶縁膜3の端
面より内側に第2層目の層間絶縁層I2の端面ができる
ように、チップ周縁部d内の外周側の領域およびスクラ
イブ領域Sの第2層目の層間絶縁層I2をエッチング除
去する。
【0065】この後の工程は、図1(A)、および図1
(B)に示したチップの断面図を参照しながら説明す
る。基板全面に、例えば、スパッタリング法を用いて、
下層よりTi膜を膜厚約10nm、Al−Si−Cu合
金を膜厚約1000nm、TiN膜を膜厚約40nmの
順に連続的に積層して第2層目の配線層を形成する。
【0066】フォトリソグラフィを用いて、第2層目の
配線層を選択的にエッチングし素子形成領域に必要な配
線パターンを残すと同時に、ボンディングパッド形成領
域bに配線パターン8aを形成する。チップ端角領域C
cおよびチップ端辺央領域Ecを含むチップ周縁部d全
周にわたってシールリング8bを残す。
【0067】チップ端角領域Ccでは、図1(A)に示
すように、第2層目の層間絶縁層I2の上面の端部近傍
領域から層間絶縁膜3の側端面に連続する半導体基板1
の一部表面までを覆うシールリング8bが形成される。
【0068】チップ端辺央領域Ecでは、図1(B)に
示すように、第2層目の層間絶縁層I2の上面の端面近
傍領域からシールリング4bの端面に連続する半導体基
板1の一部表面までを覆うシールリング8bが形成され
る。
【0069】さらに、図1(A)および図1(B)に示
すように、基板全面にプラズマCVD法による厚さ約1
50nmのSiOx 膜と厚さ約1000nmのSiNx
膜からなるパッシベーション膜9を形成する。スクライ
ブ領域Sの基板表面1を露出させる為、スクライブ領域
Sのパッシベーション膜9をエッチングする。
【0070】以上の工程の後、半導体基板をダイシング
ソーを用いてスクライブし、個々のチップに分離する。
各半導体チップを、リードフレームにダイ・ボンディン
グした後、ボンディングパッドとリードフレームのリー
ド端子を接続するワイヤボンディングを行う。この後、
樹脂封止を行う。成形、捺印の工程を経て、樹脂封止型
の半導体装置を完成する。
【0071】第1の実施例では、熱サイクル試験等で応
力が発生し易いチップ端角領域Ccには、第1層目の配
線層によるシールリングをなくし、チップ端角領域Cc
から予備領域cにかけてSOG膜の残留がほとんどない
シールリング構造を形成し、SOG膜に起因するクラッ
クの発生を効果的に抑制する。
【0072】又、チップ端辺央領域Ecには、第1層目
の配線層によるシールリング4bを形成し、これで第1
層目の層間絶縁膜3の端部の段差を覆う。このシールリ
ング4bは、図1(A)に示すシールリング構造を形成
する際に問題となる段差部での幅の細い配線層のエッチ
ング残りよりも広い面積を有するので、製造工程途中で
の剥がれの問題が発生しない。
【0073】上述の第1の実施例では、2層の配線層を
有する半導体装置について説明したが、さらに、配線層
の数が増えた場合でも同様な方法を用いることにより、
同様な効果を得ることができる。
【0074】さらに多層の配線層を有する半導体チップ
についての第2の実施例について図6(A)、図6
(B)を用いて説明する。図6(A)は、チップ端角領
域Ccを含むチップの部分断面図、図6(B)は、チッ
プ端辺央領域Ecを含むチップの部分断面図である。
【0075】図6(A)、図6(B)に示すように、こ
の第2の実施例の半導体装置は、先の第1の実施例の半
導体装置と異なり、配線層と層間絶縁層をそれぞれ4層
ずつ有している。第2層目と第3層目の層間絶縁層I
2、I3は、先の第1の実施例に示した第2層目の層間
絶縁層I2と同様に、中間層としてSOG膜を有するも
のであり、第1層目と第4層目の層間絶縁層3、25は
中間層としてSOG膜を有さない単一層である。
【0076】フィールド酸化膜2、第1層目の層間絶縁
膜3、第1層目の配線層によるシールリング4b及び第
2層目の層間絶縁層I2の作製条件と作製パターンは、
先の第1の実施例と同様である。第1層目の層間絶縁膜
3および第2層目の層間絶縁層I2は、チップ周縁部d
に外縁を有するように形成する。第1層目の配線層によ
るシールリング4bは、チップ端角領域Ccを除くチッ
プ端辺央領域Ecのみに形成する。
【0077】第2層目の配線層も、先の第1の実施例の
第2層目の配線層の作製条件と同様な条件で基板上に形
成するが、先の第1の実施例のシールリング8bとは異
なり、チップ端角領域Ccを除くチップ端辺央領域Ec
のみにシールリング8bを形成する。
【0078】シールリング8bが形成された基板表面
に、先の第1の実施例の第2層目の層間絶縁層I2と同
様な作製条件で、CVD絶縁層22とSOG膜23を形
成し、さらにエッチバックを行う。エッチバックされた
表面全面にCVD絶縁膜24を形成する。
【0079】図6(A)に示すように、チップ端角領域
Ccには、SOG膜の原料を塗布する際、液流れの堰と
なるシールリングが存在しないので、SOG液が厚く溜
まらない。よって、エッチバック工程により、予備領域
c上のSOG膜23は、ほぼエッチング除去でき、予備
領域c上の第3層目の層間絶縁層I3中に、ほとんどS
OG膜23の残留がない。
【0080】一方、図6(B)に示すように、チップ端
辺央領域Ec近傍では、シールリング8bの存在に起因
して、SOG膜が予備領域cに広域に厚く形成される
為、第3層目の層間絶縁層I3には、中間層としてSO
G膜23が残留する。
【0081】第3層目の層間絶縁層I3の外周端部をエ
ッチングし、外縁をチップ周縁部d上に形成する。第3
層目の層間絶縁層I3の上面を含む基板全面に、第2層
目の配線層の作製条件と同様な条件を用いて、第3層目
の配線層を形成する。その後第3層目の配線層で、シー
ルリング20を形成する。シールリング20は、チップ
端角領域Ccおよびチップ端辺央領域Ecの両方、即ち
チップ表面の予備領域cを囲む全周囲のチップ周縁部d
に環状に形成する。
【0082】さらに、基板全面にプラズマCVD法によ
り約500nmのSiO2 膜による第4層目の層間絶縁
膜25を形成する。膜の外周端部をエッチングし、チッ
プ周縁部d上に外縁を形成する。第4層目の層間絶縁膜
25は単一層であり、中間層としてSOG膜を含んでい
ないので、シールリング20に起因するSOG膜の残留
の問題は発生しない。
【0083】第4層目の配線層を先の第1の実施例の第
2層目の配線層と同様な作製条件で基板表面上に形成
し、これをエッチングして、シールリング21を形成す
る。シールリング21は、シールリング20と同様に、
チップ端角領域Ccおよびチップ端辺央領域Ecの両
方、即ちチップ表面の予備領域cを囲む全周囲のチップ
周縁部dに環状に形成する。
【0084】先の第1の実施例と同様な条件で基板表面
を覆うパッシベーション膜9を形成する。その後の工程
は、先の第1の実施例と同様な条件で行う。チップ端角
領域Cc近傍の予備領域cには、第2層目、第3層目の
層間絶縁層I2、I3にSOG膜の広域の残留がほとん
どないので、クラックの発生が抑制される。チップ端辺
央領域Ecには、各層間絶縁層の端部の段差を被覆する
シールリングパターンを形成することにより、段差部で
の配線層のエッチング残りの発生を抑制できる。
【0085】このように、中間層としてSOG膜を含む
層間絶縁層を複数形成する場合、チップ端角領域Ccに
おいては、SOG膜の原料塗布時に原料液の流れに対し
堰を作らぬ為に、これらの層間絶縁層より下層配線層で
シールリングを形成しないことが好ましい。即ちチップ
端角領域Ccにおいては、中間層にSOG膜を含む最も
上層の層間絶縁層より下層にある配線層ではシールリン
グを形成しないことが好ましい。
【0086】一方、チップ端辺央領域Ecでは、端部の
段差を覆うシールリングを第1層目から第4層目の各配
線層で形成し、段差に配線層のエッチング残りを発生さ
せないようにするのが好ましい。
【0087】第1の実施例の半導体チップは、1つのチ
ップ上に2種のシールリング構造を形成しているが、こ
の構造はチップ周縁部dの配線層のマスクパターンを部
分的に変更するだけでよく、製造工程に負担をかけるこ
ともなく容易に形成できる。
【0088】なお、第1の実施例において、チップコー
ナを中心とした半径rの円内の領域とは、先に説明した
発明者の行った熱サイクル試験において、図1(B)に
示すシールリング構造を有する従来のチップで発生した
クラックの起点が観察された領域とすることが好ましい
だろう。
【0089】例えば、四角形のチップの一辺の長さが6
〜12mmの場合、チップコーナから半径約2mmの円
内のチップ端角領域Ccに、図1(A)に示すシールリ
ング構造を形成することが好ましい。
【0090】次に、第3の実施例について説明する。図
1(A)や図6(A)に示すように、上層配線層のみで
シールリングを形成する場合、チップ周縁部dの段差に
下層配線層のエッチング残りが生じる場合があることに
ついては既に指摘した通りである。
【0091】しかし、チップ周縁部dでの層間絶縁層の
段差がそれ程高くない場合や、下層配線のエッチング時
間を長くできる場合は、下層配線層のエッチング残りが
ほとんど生じない。このようなときは、下層配線層のエ
ッチング残りの発生を抑制するために、第1および第2
の実施例に示したように、チップ端辺央領域Ecに、図
1(B)や図6(B)に示すシールリング構造を形成す
る必要は必ずしもない。全チップ周縁部dに、予備領域
cでSOGの残留が起こりにくい図1(A)や図6
(A)に示すシールリング構造を形成すればよい。
【0092】また、予備領域cにSOG膜の残留がほと
んどなく、層間絶縁層中のクラック発生を抑制できるシ
ールリング構造は、図1(A)や図6(A)に示す構造
に限られるものではない。以下に、全チップ周縁部dに
第1の実施例のシールリング構造とは異なるシールリン
グ構造を形成する実施例について説明する。
【0093】第3の実施例の半導体チップの製造方法に
ついて図7(A)〜図8(G)を参照して説明する。図
面には、ボンディングパッド形成領域bからスクライブ
領域Sにかけての半導体チップの部分断面図を示す。第
1の実施例の場合と同様に、ボンディングパッド形成領
域bより内側の素子形成領域には、MOSトランジスタ
等の機能素子、および抵抗等が同時に形成されるものと
する。なお、ここでは素子形成領域内のトランジスタ等
の工程の説明は省略する。
【0094】図7(A)に示すように、既に説明した第
1の実施例と同様な方法に従って、半導体基板1表面層
にフィールド酸化膜2と第1層目の層間絶縁膜3を形成
する。この第1層目の層間絶縁膜3は、例えば減圧CV
D法を用いて、膜厚約700nmのBPSG膜を形成
し、1000℃でリフローすることにより得られる。ス
クライブ領域Sの基板表面を露出させるため、フィール
ド酸化膜2はチップ周縁部dに端面を形成する。層間絶
縁膜3はフィールド酸化膜2の端面よりやや外側に端面
を形成する。
【0095】第1層目の層間絶縁膜3を覆うように、基
板全面に第1層目の配線層を形成する。例えば、この配
線層としては、スパッタリング法を用いて、下層より膜
厚約20nmのTi、膜厚約100nmのTiON、膜
厚約400nmのAl−Si−Cu合金、および膜厚約
40nmのTiNをこの順に形成する。
【0096】第1層目の配線層を選択的にエッチング
し、素子形成領域に必要な配線パターンを形成する。ボ
ンディングパッド形成領域bには、ボンディングパッド
用の配線パターン4aを形成する。なお、第1層目の配
線層では、シールリングを形成しない。
【0097】図7(B)に示すように、基板上にプラズ
マCVD法を用いて膜厚約500nmのSiO2 からな
るCVD絶縁膜5を形成する。CVD絶縁膜5上に、S
OG膜6を形成する。SOG膜6は、基板表面上の凹部
を埋め、基板表面を平坦化する。SOG膜6は、液原料
をスピン塗布し、この後400℃の温度でキュアして形
成される。この時、CVD絶縁膜5表面の凹部を除く平
坦な面上に約500nmのSOG膜6が形成できるよう
にする。
【0098】SOG原料をスピン塗布する際、原料の液
流れを堰とめるシールリングがチップ周縁部dには存在
しない為、比較的均一な膜厚のSOG膜6の層が予備領
域c上に形成される。なお、ボンディングパッド用の配
線パターン4aの段差部、および第1層目の層間絶縁膜
3の端部の段差にやや厚めのSOG膜が形成される。
【0099】図7(C)に示すように、第1の実施例と
同様なエッチング条件を用いて、SOG膜6とCVD絶
縁膜5の積層を双方の膜のエッチング速度がほぼ同一に
なる条件で表面より約500nmの深さエッチバックす
る。エッチバックにより得られた基板表面上にプラズマ
CVD法を用いてSiO2 膜よりなるCVD絶縁膜7を
膜厚約500nm形成する。
【0100】エッチバック後の基板には、配線パターン
4aによりできた段差部、および第1層目の層間絶縁膜
3の端部によりできた段差にSOG膜6が残留するもの
の、予備領域c上のSOG膜6はほぼエッチング除去さ
れる。こうしてSiO2 膜5、中間層として部分的に残
るSOG膜6およびCVD絶縁膜7の積層よりなる第2
層目の層間絶縁層I2が得られる。
【0101】図7(D)に示すように、第2層目の層間
絶縁層I2を選択的にエッチングし、素子形成領域上の
必要な領域、およびボンディングパッド形成領域bの配
線パターン4a上にビアホールを形成する。同時にチッ
プ周縁部dに第2層目の層間絶縁層I2の端部を形成す
る。
【0102】図8(E)に示すように、基板上に第2層
目の配線層を形成する。第2層目の配線層としては、例
えば、スパッタリング法を用いて下層より膜厚約20n
mのTi、膜厚約450nmのAl−Si−Cu合金、
および膜厚約40nmのTiNをこの順に形成する。そ
の後これを選択的にエッチングし、配線パターン4a上
にボンディングパッド用の配線パターン8aを形成す
る。チップ周縁部dにシールリングは形成しない。
【0103】上述の第2層目の層間絶縁層I2と同様な
条件を用いて、基板上にCVD絶縁膜22、SOG膜2
3およびCVD絶縁膜24よりなる第3層目の層間絶縁
層I3を形成する。図に示すように、配線パターン8a
の端部、およびチップ周縁部dの第2層目の層間絶縁層
I2の端部によりできた段差部にSOG膜23が残留す
る。
【0104】図8(F)に示すように、第3層目の層間
絶縁層I3を選択的にエッチングし、素子形成領域と配
線パターン8a上にビアホールを形成する。同時に、チ
ップ周縁部dに第3層目の層間絶縁層I3の端部を形成
する。第2層目の層間絶縁層I2の端部が層間絶縁層I
3で被覆されるようにする。
【0105】スパッタリング法を用いて、基板上に第3
層目の配線層を形成する。第3層目の配線層として、例
えば、下層より膜厚約20nmのTi、膜厚約1000
nmのAl−Si−Cu合金、さらに膜厚約40nmの
TiNをこの順に形成する。第3層目の配線層を選択的
にエッチングし、配線パターン8a上にボンディングパ
ッド用の配線パターン20aを形成する。同時にチップ
周縁部dに、第3層目の配線層でシールリング20bを
形成する。シールリング20bは、第3層目の層間絶縁
層I3の端部の上面と側端面、及びこれに連続する基板
表面の一部を覆う。なお、シールリング20bは、図中
チップ周縁部dのSOG膜残留領域の上部を覆うように
形成されることが好ましい。
【0106】図8(G)に示すように、基板全面にパッ
シベーション膜9を形成する。このパッシベーション膜
9は、例えばプラズマCVD法による厚さ約150nm
のSiOx 膜とその上の厚さ約1000nmのSiNx
膜からなる。パッシベーション膜9を選択的にエッチン
グし、スクライブ領域Sの半導体基板1表面を露出させ
るとともにボンディングパッド用の窓開けを行う。
【0107】上述した方法を用いて作製した半導体チッ
プをQFPタイプのパッケージに樹脂封止し、温度サイ
クル試験にかけ、第2層目、第3層目の層間絶縁層I
2、I3でのクラック発生状態を観察した。なお、作製
工程中、チップ周縁部dで配線層のエッチング残りは発
生していない。
【0108】作製した半導体チップは、一辺8.5mm
の正方形、および縦10.4mm×横12.4mmの矩
形の2種であり、サンプル個数は、それぞれ49個、4
4個であった。半導体チップをまず−65℃の低温状態
で30分保持した後、5分間室温に戻し、次に150℃
の高温状態で30分保持し、再び5分間室温に戻す一連
の過程を1サイクルとして、温度サイクルを500回繰
り返した。
【0109】全てのサンプルにおいて、第2層目、第3
層目いずれの層間絶縁層中にもクラックは全く発生して
いなかった。第3の実施例においては、チップ端角領域
Ccとチップ端辺央領域Ecの区別なく半導体チップの
全周縁部dに、最上層配線層である第3層目の配線層の
みでシールリングを形成している。第2層目、第3層目
の層間絶縁層を形成する際にチップ周縁部dにシールリ
ングが形成されていないので、予備領域c上にSOG膜
の液原料が厚く溜まることがなく、エッチバック後もS
OG膜の広域の残留がない。このように、予備領域c上
にSOG膜の広域の残留が存在しないことがクラックを
発生を抑制できた要因と考えられる。
【0110】第1、第2の実施例と異なり、SOG膜が
残留している層間絶縁層の外周端部を全部エッチング除
去しない為、SOG膜が端部に残留している。しかし、
上述の温度サイクル試験結果が示すように、チップ周縁
部dに残ったSOG膜がクラックを発生させることもな
かった。SOG膜が残留している第2層目と第3層目の
層間絶縁層I2、I3の端部の段差を覆うように形成さ
れたシールリング20bが、SOG膜とそれを挟む上下
のCVD絶縁膜との間の応力を緩和する為と考えられ
る。
【0111】第3の実施例では、3層の配線層と3層の
層間絶縁層を有し、第2層目と第3層目の層間絶縁層が
SOG膜を中間層として有する場合を説明したが、第1
の実施例のように、2層の配線層と2層の層間絶縁層を
有し、第2層目の層間絶縁層のみがSOG膜を有する場
合は、第2層目の配線層のみでチップの全周縁部にシー
ルリングを形成すれば、同様な効果を得ることができ
る。
【0112】また、配線層の数がさらに増える場合は、
最も上層のSOG膜を有する層間絶縁層より上にある配
線層のみでシールリングを形成すればよい。なお、層間
絶縁層の端部のSOG膜が残留している領域上を覆うよ
うにシールリングを形成することが好ましい。
【0113】第1の実施例、第2の実施例においても共
通することであるが、第3の実施例の半導体チップの製
造方法においては、第2層目、第3層目の層間絶縁層I
2、I3のそれぞれにビアホールを形成する際、同時に
SOG膜が残留する層間絶縁層の外周縁をエッチング除
去している。このような外周縁のエッチングは、チップ
周縁部dにおけるSOG膜の残留領域の幅を狭める効果
がある。また、シールリング形成領域の幅を狭くでき、
チップサイズを小さくすることもできる。
【0114】第4の実施例について説明する。チップの
全周縁部dに上層の配線層のみでシールリングを形成す
る構成は、第3の実施例の半導体チップの構成と共通す
るが、チップ周縁部dにおける層間絶縁層の端面形状が
第3の実施例の場合と異なる。以下、この半導体チップ
の製造方法について図9(A)〜図10(E)を参照し
て説明する。図面には、ボンディングパッド形成領域b
からスクライブ領域Sにかけての半導体チップの部分断
面図を示す。第3の実施例の製造工程と共通する部分に
ついては、説明を簡略化する。
【0115】図9(A)に示すように、半導体基板1表
面にフィールド酸化膜2、その上に第1層目の層間絶縁
膜3、さらに第1層目の層間絶縁膜3上にボンディング
パッド用配線パターン4a、さらにこれらの基板表面上
にCVD絶縁膜5、SOG膜6、およびCVD絶縁膜7
よりなる第2層目の層間絶縁層I2を形成する。ここま
では、先の第3の実施例の方法と同様な条件を用いて形
成すればよい。
【0116】第3の実施例の場合と同様に、チップ周縁
部dにシールリングが形成されていない。SOG膜の原
料を回転塗布する際に、液流れの堰となるシールリング
がチップ周縁部dに形成されていないので、エッチバッ
ク工程後の予備領域c上にはSOG膜の広域残留がな
い。
【0117】図9(B)に示すように、第2層目の層間
絶縁層I2を選択的にエッチングし、素子形成領域上、
およびボンディングパッド用配線パターン4a上に必要
なビアホールを形成する。同時に、第1層目の層間絶縁
膜3上に第2層目の層間絶縁層I2の端部を形成する。
この時、ビアホールが開口できた時点、即ちビアホール
の底面に第1層目の配線層が露出した時点で、第2層目
の層間絶縁層I2のエッチングを終了する。図に示すよ
うに、第1層目の層間絶縁膜3の端部によりできた段差
部には第2層目の層間絶縁層I2が厚く形成されるた
め、エッチング後、その一部であるSOG膜6aとCV
D絶縁膜5aがエッチングされずに残る。
【0118】図9(C)に示すように、第3の実施例と
同様な条件で、基板上に第2層目の配線層を形成する。
第2層目の配線層を選択的にエッチングし、配線パター
ン4a上にボンディングパッド用配線パターン8aを形
成する。第2層目の配線層によっては、シールリングを
形成しない。さらに、CVD絶縁膜22、SOG膜2
3、およびCVD絶縁膜24からなる第3層目の層間絶
縁層I3を形成する。第2層目の層間絶縁層I2の端部
の段差には、SOG膜23が厚く残留するが、予備領域
cには、SOG膜の残留がほとんどない。
【0119】図10(D)に示すように、第3層目の層
間絶縁層I3を選択的にエッチングし、配線パターン8
a上にビアホールを形成する。素子領域内にも必要なビ
アホールを形成する。同時に第2層目の層間絶縁層I2
上に第3層目の層間絶縁層I3の端面を形成する。先と
同様に、ビアホールが開口できた時点で第3層目の層間
絶縁層I3のエッチングを終了する。第2層目の層間絶
縁層I2の端部にできた段差にSOG膜23aとCVD
絶縁膜22aが残留する。
【0120】図10(E)に示すように、第3の実施例
と同様な条件で、最上層の配線層である第3層目の配線
層を形成する。第3層目の配線層を選択的にエッチング
し、必要な配線パターンを形成する。ボンディングパッ
ド形成領域bには、ボンディングパッド用配線パターン
20aを形成する。同時に、チップ周縁部dにシールリ
ング20bを形成する。シールリング20bは、チップ
周縁部dにできた第1層目から第3層目の層間絶縁層に
よりできた積層の端面を連続的に覆うように形成する。
なお、第3の実施例と同様に、シールリング20bは、
チップ周縁部dにおけるSOG膜の残留領域の上部を覆
うように形成することが好ましい。
【0121】基板全面にパッシベーション膜9が形成さ
れる。パッシベーション膜9を選択的にエッチングし、
スクライブ領域Sの半導体基板1の表面を露出させる。
また、ボンディングパッドの窓開けを行う。この後の工
程は、第1の実施例の場合と同様に行えばよい。
【0122】第4の実施例の場合も、予備領域c上に広
域のSOG膜が残留しないので層間絶縁層中でのクラッ
ク発生が抑制される。また、第3の実施例と同様に、シ
ールリング20bはチップ周縁部dの積層の端部の段差
を連続的に覆うとともに、SOG膜残留領域の上部を覆
うように形成されており、SOG膜とCVD絶縁膜との
間の応力を緩和する効果が期待できる。
【0123】第1〜第4の実施例に説明したように、チ
ップ周縁部dに上層配線層のみでシールリングを形成す
れば、予備領域c上における層間絶縁層中のSOG膜残
留を少なくすることができ、ここでのクラック発生を抑
制できる。
【0124】なお、第3、第4の実施例に示したよう
に、チップ全周縁部dに、このシールリング構造を形成
すれば、より確実にクラック発生を抑制できる。また、
第3、第4の実施例に説明したように、チップ周縁部d
の層間絶縁層にSOG膜が一部残留していても、層間絶
縁層にビアホールを形成する際、同時にチップ周縁部d
の層間絶縁層の外縁を一部エッチング除去し、残留SO
G膜の量を減らすとともに、SOG膜が残留する領域の
上部、および層間絶縁層の端部の側端面を被覆するよう
にシールリングを形成すれば、チップ周縁部dに残留す
るSOG膜に起因するクラックの発生も抑制できる。
【0125】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱ストレスによる層間絶縁層中のクラックの発生を抑制
することができる。また、工程の大幅な修正を伴わない
簡易な方法で、製造工程中に発生する配線層の残留片の
はがれを少なくし、半導体チップの歩留りを上げること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の半導体装置のシールリング構造
を説明する為のボンディングパッド形成領域からスクラ
イブ領域に至るチップの断面図およびチップ端角領域C
cとチップ端辺央領域Ecを説明する為の図である。
【図2】第1の実施例のシールリングパターンを説明す
る為のチップの平面図である。
【図3】第1の実施例の半導体装置の作製工程を説明す
る為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域か
らスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図4】第1の実施例の半導体装置の作製工程を説明す
る為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域か
らスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図5】第1の実施例の半導体装置の作製工程を説明す
る為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域か
らスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図6】第2の実施例を説明するチップの断面図であ
る。
【図7】第3の実施例の半導体装置の作製工程を説明す
る為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域か
らスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図8】第3の実施例の半導体装置の作製工程を説明す
る為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域か
らスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図9】第4の実施例の半導体装置の作製工程を説明す
る為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域か
らスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図10】第4の実施例の半導体装置の作製工程を説明
する為の作製過程におけるボンディングパッド形成領域
からスクライブ領域に至るチップの断面図である。
【図11】チップ上の各領域を説明する為の図である。
【図12】従来の半導体チップのボンディングパッド形
成領域からスクライブ領域に至る断面図である。
【図13】従来のシールリング作製工程の問題を説明す
る為の作製過程のボンディングパッド形成領域からスク
ライブ領域に至るチップの断面図である。
【符号の説明】
1・・・半導体基板、2・・・フィールド酸化膜、3、
25・・・層間絶縁膜、4・・・配線層、5、7、2
2、24・・・CVD絶縁膜、6、23・・・SOG
膜、4a、8a、20a・・・配線パターン、4b、8
b、20b、・・・シールリング、9・・・パッシベー
ション膜。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂点で交わる辺によって画定される多角
    形状の表面を有する半導体チップ基板と、 前記半導体チップ基板の表面上に形成され、前記辺より
    も内側に外縁を有する第1の層間絶縁層と、 前記頂点の近傍領域を除く前記第1の層間絶縁層の外縁
    を覆い導電性材料で形成された第1のシールリングと、 前記第1の層間絶縁層上に形成され、塗布絶縁膜とその
    上下を覆い、互いに接する外周部を有する一対のCVD
    絶縁膜とを有し、前記辺よりも内側に外縁を有する第2
    の層間絶縁層と、 前記第2の層間絶縁層の外縁、前記第1のシールリング
    で覆われていない前記第1の層間絶縁層の外縁を覆い、
    導電性材料で形成された第2のシールリングとを有する
    半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体チップの形状が、一辺の長さ
    が6mm〜12mmの矩形であり、 前記頂点の近傍領域が、前記頂点を中心として、半径2
    mm以下の円内の領域である請求項1に記載の半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の層間絶縁層と前記第2の層間
    絶縁層との間に配置された第3の層間絶縁層と第3のシ
    ールリングとを含む層構造であって、前記第3の層間絶
    縁層が、塗布絶縁膜とその上下を覆い互いに接する外周
    部を有する一対のCVD絶縁膜とを有し、前記辺よりも
    内側に外縁を有する層間絶縁層であり、前記第3のシー
    ルリングが、前記各頂点の近傍領域を除く前記第3の層
    間絶縁層の外縁を覆い、導電性材料で形成されたシール
    リングである前記層構造を少なくとも1層有する請求項
    1もしくは2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 頂点で交わる辺によって画定される多角
    形状の表面を有する半導体チップ基板上に、第1の層間
    絶縁層を形成する工程と、 前記第1の層間絶縁層の外周端部をエッチングし、前記
    辺よりも内側に、前記第1の層間絶縁層の外縁を形成す
    る工程と、 前記第1の層間絶縁層を覆い、基板表面全面に第1の導
    電性膜を形成する工程と、 前記第1の導電性膜を選択的にエッチングし、各頂点の
    近傍領域を除く前記第1の層間絶縁層の外縁を前記第1
    の導電性膜で覆う第1のシールリングを形成する工程
    と、 基板上の最表面全面に、第2の層間絶縁層を形成する工
    程と、 前記第2の層間絶縁層の外周端部をエッチングし、前記
    辺よりも内側に、前記第2の層間絶縁層の外縁を形成す
    る工程と、 前記第2の層間絶縁層を覆い、基板表面全面に、第2の
    導電性膜を形成する工程と、 前記第2の導電性膜を選択的にエッチングし、前記第2
    の層間絶縁層の外縁、 、前記第1のシールリングで覆われていない前記第1の
    層間絶縁層の外縁を、前記第2の導電性膜で覆う第2の
    シールリングを形成する工程とを有し、 前記第2の層間絶縁層を形成する工程が、 CVD法を用いて第1の絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜上に塗布絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜と前記塗布絶縁膜の積層の表面からそ
    の厚さの一部をエッチバックする工程と、 前記エッチバックにより得られた基板表面上に、CVD
    法を用いて第2の絶縁膜を形成する工程とを有する半導
    体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1のシールリングを形成する工程
    と、前記第2の層間絶縁層を形成する工程との間に、 基板上の最表面に第3の層間絶縁層と第3のシールリン
    グとを含む層構造を形成する工程であって、 基板上の最表面上に、CVD法を用いて第3の絶縁膜を
    形成する工程と、 前記第3の絶縁膜上に塗布絶縁膜を形成する工程と、 前記第3の絶縁膜と該塗布絶縁膜の積層の表面からその
    厚さの一部をエッチバックする工程と、 前記エッチバックにより得られた基板上の表面に、CV
    D法を用いて第4の絶縁膜を形成する工程と、 前記第3と第4の絶縁膜及びその層間に残る前記塗布絶
    縁膜からなる第3の層間絶縁層の外周端部をエッチング
    し、前記半導体チップ基板の端部よりも内側に、前記第
    3の層間絶縁層の外縁を形成する工程と、 基板上の最表面上に、第3の導電性膜を形成する工程
    と、 前記第3の導電性膜を選択的にエッチングし、前記各頂
    点の近傍領域を除く前記第3の層間絶縁層の外縁を前記
    第3の導電性膜で覆う第3のシールリングを形成する工
    程とを有する工程を少なくとも1回以上有する請求項4
    記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 頂点で交わる辺によって画定される多角
    形状の表面を有する半導体チップ基板上に、第1の層間
    絶縁層を形成する工程と、 前記第1の層間絶縁層の外周端部をエッチングし、前記
    辺よりも内側に、前記第1の層間絶縁層の外縁を形成す
    る工程と、 前記第1の層間絶縁層を覆い、基板表面全面に、第1の
    導電性膜を形成する工程と、 前記第1の導電性膜の少なくとも前記第1の層間絶縁層
    の外縁を覆う外周端部をエッチングする第1の導電性膜
    エッチング工程と、 基板上の最表面全面に、第2の層間絶縁層を形成する工
    程と、 前記第2の層間絶縁層を覆い、基板表面全面に、第2の
    導電性膜を形成する工程と、 前記第2の導電性膜を選択的にエッチングし、前記辺の
    内側に形成された前記各層間絶縁層による積層の端部の
    上面と側端面を連続的に覆うシールリングを形成する、
    第2の導電性膜エッチング工程とを有し、 前記第2の層間絶縁層を形成する工程が、 CVD法を用いて第1の絶縁膜を形成する工程と、 前記第1の絶縁膜上に第1の塗布絶縁膜を形成する工程
    と、 前記第1の絶縁膜と前記第1の塗布絶縁膜の積層の表面
    からその厚さの一部をエッチバックする工程と、 前記エッチバックにより得られた最表面上に、CVD法
    を用いて第2の絶縁膜を形成する工程とを有する半導体
    装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の導電性膜エッチング工程と前
    記第2の層間絶縁層を形成する工程との間に、 基板上の最表面に第3の層間絶縁層と第3の導電性膜と
    を含む層構造を形成する工程であって、 基板上の最表面上に、CVD法を用いて第3の絶縁膜を
    形成する工程と、 前記第3の絶縁膜上に第2の塗布絶縁膜を形成する工程
    と、 前記第3の絶縁膜と前記第2の塗布絶縁膜の積層の表面
    からその厚さの一部をエッチバックする工程と、 前記エッチバックにより得られた基板上の表面に、CV
    D法を用いて第4の絶縁膜を形成する工程と、 前記第3と第4の絶縁膜及びこれらの絶縁膜間に残る前
    記第2の塗布絶縁膜からなる第3の層間絶縁層の外周端
    部をエッチングし、前記辺よりも内側に前記第3の層間
    絶縁層の外縁を形成する工程と、 基板上の最表面上に、第3の導電性膜を形成する工程
    と、 前記第3の導電性膜の少なくとも前記第3の層間絶縁層
    の外縁を覆う外周端部をエッチングする第3の導電性膜
    エッチング工程とを有する工程を少なくとも1回以上有
    する請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の導電性膜エッチング工程にお
    いて、前記シールリングが、各層間絶縁層の外縁近傍の
    SOG膜が残留する領域の上部を覆うようにする請求項
    6、もしくは7に記載の半導体装置の製造方法。
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