JPH09298130A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液Info
- Publication number
- JPH09298130A JPH09298130A JP11471796A JP11471796A JPH09298130A JP H09298130 A JPH09298130 A JP H09298130A JP 11471796 A JP11471796 A JP 11471796A JP 11471796 A JP11471796 A JP 11471796A JP H09298130 A JPH09298130 A JP H09298130A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyvinyl alcohol
- mannitol
- polymerization
- electrolytic solution
- electrolytic
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電解コンデンサの耐電圧を改善することがで
きる電解コンデンサ用電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコールを主成分とする溶媒
に高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、及びホウ酸
またはそのアンモニウム塩を溶解し、マンニトールを
1.0〜10.0重量%、平均重合度が50〜100の
ポリビニルアルコールオリゴマーを1.0〜10.0重
量%溶解することを特徴としている。
きる電解コンデンサ用電解液を提供する。 【解決手段】 エチレングリコールを主成分とする溶媒
に高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、及びホウ酸
またはそのアンモニウム塩を溶解し、マンニトールを
1.0〜10.0重量%、平均重合度が50〜100の
ポリビニルアルコールオリゴマーを1.0〜10.0重
量%溶解することを特徴としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサの
駆動用電解液(以下、単に電解液と称す)の改良に関す
るものであり、特に耐電圧を改善した電解液に関するも
のである。
駆動用電解液(以下、単に電解液と称す)の改良に関す
るものであり、特に耐電圧を改善した電解液に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレングリコールを主成分とす
る溶媒に高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、及び
ホウ酸またはホウ酸アンモニウムを溶解した電解コンデ
ンサ用電解液はホウ酸がアルミニウム酸化皮膜に対して
弱酸であるため耐電圧を維持できる。また、マンニトー
ル、ソルビトール等の炭素数6程度の多価アルコール類
を添加すると、ホウ酸とエステル化合物を形成し耐電圧
が向上する。さらに合成高分子である平均重合度500
以上のポリビニルアルコールを添加すると、電解液の耐
電圧を一層向上させることができるとされている。
る溶媒に高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、及び
ホウ酸またはホウ酸アンモニウムを溶解した電解コンデ
ンサ用電解液はホウ酸がアルミニウム酸化皮膜に対して
弱酸であるため耐電圧を維持できる。また、マンニトー
ル、ソルビトール等の炭素数6程度の多価アルコール類
を添加すると、ホウ酸とエステル化合物を形成し耐電圧
が向上する。さらに合成高分子である平均重合度500
以上のポリビニルアルコールを添加すると、電解液の耐
電圧を一層向上させることができるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭素数が6程度のマン
ニトール、ソルビトール等は添加量を増加させても電解
液の耐電圧の向上が緩慢であり、耐電圧を大幅に向上さ
せるには著しい比抵抗の上昇を伴う。平均重合度500
以上の高分子であるポリビニルアルコールは少量の添加
で電解液の耐電圧向上が図れるが、エチレングリコール
を主成分とする溶媒に対して溶解性が著しく低いため、
その添加量が制約され、電解液の他の成分の量にも制約
が課せられることになる。本発明は上記の欠点を改善
し、電解液の比抵抗の上昇を抑えつつ耐電圧の上昇を図
ることができ、かつ、溶解性の向上も可能な電解コンデ
ンサ用電解液を提供するものである。
ニトール、ソルビトール等は添加量を増加させても電解
液の耐電圧の向上が緩慢であり、耐電圧を大幅に向上さ
せるには著しい比抵抗の上昇を伴う。平均重合度500
以上の高分子であるポリビニルアルコールは少量の添加
で電解液の耐電圧向上が図れるが、エチレングリコール
を主成分とする溶媒に対して溶解性が著しく低いため、
その添加量が制約され、電解液の他の成分の量にも制約
が課せられることになる。本発明は上記の欠点を改善
し、電解液の比抵抗の上昇を抑えつつ耐電圧の上昇を図
ることができ、かつ、溶解性の向上も可能な電解コンデ
ンサ用電解液を提供するものである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明は上記の課題を解決する
ために各種検討した結果見い出されたものである。本発
明者は平均重合度50〜100のポリビニルアルコール
オリゴマーが電解液中のイオンの移動を妨げず、かつ溶
解性が高いことに着目し、その特性を電解液に適用する
ことにより課題の解決を図った。すなわち、本発明は、
エチレングリコールを主成分とする溶媒に高級二塩基酸
またはそのアンモニウム塩、及びホウ酸またはそのアン
モニウム塩を溶解した電解コンデンサ用電解液に、マン
ニトールを1.0〜10.0重量%、平均重合度が50
〜100のポリビニルアルコールオリゴマーを1.0〜
10.0重量%溶解することで、溶解性の向上ができ、
比抵抗の顕著な上昇を伴わずに耐電圧の向上をもたらす
電解コンデンサの駆動用電解液を提供するものである。
ために各種検討した結果見い出されたものである。本発
明者は平均重合度50〜100のポリビニルアルコール
オリゴマーが電解液中のイオンの移動を妨げず、かつ溶
解性が高いことに着目し、その特性を電解液に適用する
ことにより課題の解決を図った。すなわち、本発明は、
エチレングリコールを主成分とする溶媒に高級二塩基酸
またはそのアンモニウム塩、及びホウ酸またはそのアン
モニウム塩を溶解した電解コンデンサ用電解液に、マン
ニトールを1.0〜10.0重量%、平均重合度が50
〜100のポリビニルアルコールオリゴマーを1.0〜
10.0重量%溶解することで、溶解性の向上ができ、
比抵抗の顕著な上昇を伴わずに耐電圧の向上をもたらす
電解コンデンサの駆動用電解液を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】マンニトールが電解液中でホウ
酸、リン酸と反応して形成される錯体はイオンの移動を
妨げ、電解液の比抵抗上昇を招く。平均重合度500以
上のポリビニルアルコールがホウ酸、あるいはリン酸と
エステル化反応によって得られる生成物は3次元網目構
造を形成しているためイオンの移動を妨げず、電解液の
比抵抗を維持できる特性を持つが、エチレングリコール
を主成分とする溶媒に対する溶解性が著しく低いため、
ごく少量しか添加できず、少量でも完全に溶解するには
高温で長時間の攪拌が必要であり、かつ比抵抗低減に寄
与しない。ところが、平均重合度50〜100のポリビ
ニルアルコールオリゴマーは、平均重合度500以上の
ポリビニルアルコールに比べ分子量が1/10以下であ
るため、溶解性が高く電解液の比抵抗を抑えることがで
きる。従って、ポリビニルアルコールオリゴマーをマン
ニトールと組合わせて用いると、電解液の比抵抗を上昇
させずに、電解液の耐圧性改善を図ることができる。
酸、リン酸と反応して形成される錯体はイオンの移動を
妨げ、電解液の比抵抗上昇を招く。平均重合度500以
上のポリビニルアルコールがホウ酸、あるいはリン酸と
エステル化反応によって得られる生成物は3次元網目構
造を形成しているためイオンの移動を妨げず、電解液の
比抵抗を維持できる特性を持つが、エチレングリコール
を主成分とする溶媒に対する溶解性が著しく低いため、
ごく少量しか添加できず、少量でも完全に溶解するには
高温で長時間の攪拌が必要であり、かつ比抵抗低減に寄
与しない。ところが、平均重合度50〜100のポリビ
ニルアルコールオリゴマーは、平均重合度500以上の
ポリビニルアルコールに比べ分子量が1/10以下であ
るため、溶解性が高く電解液の比抵抗を抑えることがで
きる。従って、ポリビニルアルコールオリゴマーをマン
ニトールと組合わせて用いると、電解液の比抵抗を上昇
させずに、電解液の耐圧性改善を図ることができる。
【0006】
【実施例】以下、実施例の具体的内容について説明す
る。溶媒にはエチレングリコールを、溶質には 7−ビ
ニル−9−ヘキサデセン−1,16ジカルボン酸または
そのアンモニウム塩を用い、添加剤としてはマンニトー
ル、平均重合度500のポリビニルアルコール、平均重
合度50のポリビニルアルコールオリゴマーを、pH調
整剤としてはアンモニア水を用いた。表1に実施例、比
較例、従来例の組成および測定結果を示す。但し、比抵
抗は30℃、火花発生電圧は85℃において測定した。
従来例の電解液に対して、マンニトールの増量、ポリビ
ニルアルコール(平均重合度:500) 及びポリビニ
ルアルコールオリゴマー(平均重合度: 50)の添加
を行い、火花発生電圧の上昇が可能か検討した。まず、
マンニトール量について、比較例1、従来例、比較例
8、12の4者で比較すると、マンニトール量が多いほ
ど、火花発生電圧が上昇し、マンニトール量10.0重
量%では425Vまで達するが、同時に比抵抗も上昇
し、850Ω・cmにまで達する。次に、ポリビニルア
ルコール1.0〜5.0重量%添加について検討する
と、5.0重量%では比較例4,7,11,15の通
り、完全に溶解しなかった。また、添加量1.0重量%
および3.0重量%のもので比較すると、火花発生電圧
を440Vまで上昇させるためには、比抵抗の著しい上
昇を招き、実施例13に示すように860Ω・cmにま
で達している。そこで、ポリビニルアルコールの代わり
に、ポリビニルアルコールオリゴマーを用いると、添加
量10重量%でも完全に溶解させることができ、比抵抗
も730〜745Ω・cmに抑えられ、また、マンニト
ール量3.0〜10.0重量%とすれば、火花発生電圧
を465〜475Vまで上昇させることができた。尚、
このとき添加するマンニトールの量は、1.0重量%未
満では、電解液の耐圧性改善の効果がなく、10.0重
量%を超えると析出するおそれがある。また、ポリビニ
ルアルコールオリゴマーの添加量は、1.0重量%未満
では電解液の比抵抗を抑える効果がなく、10.0重量
%を超えると溶解性が低下するため不適である。
る。溶媒にはエチレングリコールを、溶質には 7−ビ
ニル−9−ヘキサデセン−1,16ジカルボン酸または
そのアンモニウム塩を用い、添加剤としてはマンニトー
ル、平均重合度500のポリビニルアルコール、平均重
合度50のポリビニルアルコールオリゴマーを、pH調
整剤としてはアンモニア水を用いた。表1に実施例、比
較例、従来例の組成および測定結果を示す。但し、比抵
抗は30℃、火花発生電圧は85℃において測定した。
従来例の電解液に対して、マンニトールの増量、ポリビ
ニルアルコール(平均重合度:500) 及びポリビニ
ルアルコールオリゴマー(平均重合度: 50)の添加
を行い、火花発生電圧の上昇が可能か検討した。まず、
マンニトール量について、比較例1、従来例、比較例
8、12の4者で比較すると、マンニトール量が多いほ
ど、火花発生電圧が上昇し、マンニトール量10.0重
量%では425Vまで達するが、同時に比抵抗も上昇
し、850Ω・cmにまで達する。次に、ポリビニルア
ルコール1.0〜5.0重量%添加について検討する
と、5.0重量%では比較例4,7,11,15の通
り、完全に溶解しなかった。また、添加量1.0重量%
および3.0重量%のもので比較すると、火花発生電圧
を440Vまで上昇させるためには、比抵抗の著しい上
昇を招き、実施例13に示すように860Ω・cmにま
で達している。そこで、ポリビニルアルコールの代わり
に、ポリビニルアルコールオリゴマーを用いると、添加
量10重量%でも完全に溶解させることができ、比抵抗
も730〜745Ω・cmに抑えられ、また、マンニト
ール量3.0〜10.0重量%とすれば、火花発生電圧
を465〜475Vまで上昇させることができた。尚、
このとき添加するマンニトールの量は、1.0重量%未
満では、電解液の耐圧性改善の効果がなく、10.0重
量%を超えると析出するおそれがある。また、ポリビニ
ルアルコールオリゴマーの添加量は、1.0重量%未満
では電解液の比抵抗を抑える効果がなく、10.0重量
%を超えると溶解性が低下するため不適である。
【0007】
【表1】
【0008】
【発明の効果】上述した通り、平均重合度50〜100
のポリビニルアルコールオリゴマーをマンニトールと組
合わせて用いることでマンニトールの溶解性が高めら
れ、電解液の比抵抗を上昇させずに耐圧性の改善を図る
ことができる。
のポリビニルアルコールオリゴマーをマンニトールと組
合わせて用いることでマンニトールの溶解性が高めら
れ、電解液の比抵抗を上昇させずに耐圧性の改善を図る
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 エチレングリコールを主成分とする溶媒
に高級二塩基酸またはそのアンモニウム塩、及びホウ酸
またはそのアンモニウム塩を溶解し、マンニトールを
1.0〜10.0重量%、平均重合度が 50〜100
のポリビニルアルコールオリゴマーを1.0〜10.0
重量%溶解することを特徴とする電解コンデンサ駆動用
電解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11471796A JPH09298130A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11471796A JPH09298130A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09298130A true JPH09298130A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=14644864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11471796A Pending JPH09298130A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09298130A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006332496A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
-
1996
- 1996-05-09 JP JP11471796A patent/JPH09298130A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006332496A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
JP4520363B2 (ja) * | 2005-05-30 | 2010-08-04 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050422 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050725 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051128 |