JPH09297377A - ハロゲン化銀写真感光材料用の処理組成物、現像液およびそれを用いる処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用の処理組成物、現像液およびそれを用いる処理方法

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JPH09297377A
JPH09297377A JP26507696A JP26507696A JPH09297377A JP H09297377 A JPH09297377 A JP H09297377A JP 26507696 A JP26507696 A JP 26507696A JP 26507696 A JP26507696 A JP 26507696A JP H09297377 A JPH09297377 A JP H09297377A
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耕三郎 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化銀写真感光材料の処理に用いる新規
な現像処理用組成物、現像液ならびにこれを用いる処理
方法を提供する。 【解決手段】N,N−ジ置換パラアミノフェノール類と
アスコルビン酸類を含有するハロゲン化銀写真感光材料
の処理組成物、これらを含有する現像液およびそれを用
いるハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法および現像液組成物に関するものであ
り、特に、ハロゲン化銀写真感光材料を実質的にジヒド
ロキシベンゼン系現像主薬を含まない現像液で画像形成
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は製版分野、
医療診断分野など広範な分野に利用されている。利用分
野が拡大、深化するにつれて、画像形成に必要な現像処
理工程に対する要求が高まり、特に、迅速でかつ安定な
現像処理が強く望まれている。
【0003】ハロゲン化銀写真感光材料は露光後、一般
に現像、定着、水洗という工程で処理される。中でも黒
白現像液は、ジヒドロキシベンゼン系化合物であるハイ
ドロキノンを現像主薬、アミノフェノール類または3−
ピラゾリドン類を補助現像主薬とし、亜硫酸塩を包含す
るアルカリ性溶液が一般的であるが、現像主薬としてジ
ヒドロキシベンゼン系化合物の他にアスコルビン酸など
のエンジオール類が機能することも公知であり、近年、
上記の生態学上あるいは毒物学上の問題のない現像主薬
として注目されている。例えば米国特許第2,688,
549号、同3,826,654号では、アスコルビン
酸を現像主薬とし、少なくともpH12以上の高いアル
カリ性の条件下で画像形成が可能であるとされている。
しかし、これらの画像形成方法では迅速性の点でも高コ
ントラストな画像を得る点においても満足できるもので
はない。
【0004】アスコルビン酸を用いた現像系でコントラ
ストを上昇させる試みがいくらか成されている。たとえ
ば、Zwickyは唯一の現像主薬としてアスコルビン酸を用
いた場合に、一種のリス効果が発現するとしているが
(J.Phot.Sc. 27 巻、185 頁(1979年))、ハイドロキノ
ン現像系の場合に比べるとかなりコントラストの低い系
であった。また、米国特許第3,022,168号では
アスコルビン酸の現像主薬、N−メチル−p−アミノフ
ェノールを補助現像主薬とし、pH8〜9の比較的低い
pHの条件下でコントラストの高い画像形成が可能であ
るとされている。しかし、これらの画像形成方法は迅速
性の点で満足できるものではなく、また現像液中に大量
のホウ酸を含有させる必要があり環境上においても好ま
しくない。さらに、特公昭49−46939号、米国特
許第5,474,879号にはビス四級アンモニウム塩
とアスコルビン酸を併用する系が開示されているが、現
像促進効果はあってもコントラスト上昇効果はほとんど
見られない。また、特開平4−32838号にも、アス
コルビン酸を現像主薬、p−アミノフェノール類あるい
はN−アルキル−p−アミノフェノール類を補助現像主
薬とした系で四級塩の併用効果が述べられているが得ら
れた画像のコントラストは十分でなく、現像進行の向上
については何ら言及されていない。さらに、特開平5−
88306号にアスコルビン酸を唯一の現像主薬とし
て、pHを12.0以上に保つことによって高いコント
ラストが得られるとしているが、このような現像液では
空気酸化劣化が著しく現像液の安定性には大きな問題が
ある。また、アスコルビン酸とヒドラジン誘導体を主成
分とする特殊な現像液を用いて、感度が高く、ステイ
ン、カブリの低い現像系が出来るという例(米国特許第
3,730,727号)もあるが、コントラストの向上
については何ら言及されていない。
【0005】ヒドラジンを含有する感材をアスコルビン
酸現像液で処理する事は公知であり、US523681
6号、WO93/11456などで開示されているが、
いずれもコントラスト、迅速性両方の点で充分でなく、
後者では、現像液中にアミンを含有させる事で硬調化さ
せているが、環境的にも好ましくない。毒物学上、好ま
しいアスコルビン酸を現像主薬として用いて、迅速かつ
高コントラストな画像を得る現像処理方法が望まれてい
るが、充分な硬調性を得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ジヒドロキシベンゼン系化合物を現像主薬として用
いない現像液で新規な画像形成方法を提供すること、特
に、ヒドラジン化合物を含有する写真感光材料を用いて
迅速かつ超硬調なネガ画像を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、ハロゲン
化銀写真感光材料を下記一般式(B)で表されるアスコ
ルビン酸類またはその誘導体を含む現像液を用いて現像
処理する方法において、該現像液が下記一般式(A)で
表されるp−アミノフェノール類を少なくとも一種含有
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法および組成物によって達成された。 一般式(A)
【0008】
【化4】
【0009】式中、R1 、R2 、R3 、R4 は同一でも
異なっていてもよく、各々水素原子または置換基を表わ
す。R5 、R6 は同一でも異なっていてもよく、各々ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル
基、アリール基、またはヘテロ環基を表わす。
【0010】一般式(A)で表されるp−アミノフェノ
ール類について詳細に説明する。式中、R1 、R2 、R
3 及びR4 は同一でも異なっていてもよく、各々水素原
子または置換基を表す。この置換基の例としては、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ア
ラルキル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ
基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル基、オキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィ
ニル基、スルファモイル基、カルボキシル基(塩を含
む)、スルホ基(塩を含む)を挙げることができる。こ
れらは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロ
キシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、アンモニオ基、カルボンアミド基、ス
ルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、ウレイド
基、チオウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル
基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含
む)またはその他酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしく
は炭素原子で形成される置換基で置換されていてもよ
い。更に詳しくR1 、R2 、R3 及びR4 で表される置
換基の例を示す。アルキル基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のア
ルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3
−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピ
ル、4−ヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチ
ル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−
アミノエチル、3−アミノプロピル、トリメチルアンモ
ニウムメチル、2−トリメチルアンモニウムエチル、3
−トリメチルアンモニウムプロピル、アセトアミドメチ
ル、2−アセトアミドエチル、3−アセトアミドプロピ
ル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カ
ルボキシプロピル、スルホメチル、2−スルホエチル、
3−スルホプロピル、ウレイドメチル、2−ウレイドエ
チル、3−ウレイドプロピル、カルバモイルメチル、2
−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピルなど
を挙げることができる。アルケニル基としては炭素数2
〜10、好ましくは炭素数2〜6の直鎖、分岐鎖または
環状のアルケニル基であり、例えば、エテニル、1−プ
ロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、1−ブテニ
ルなどを挙げることができる。アルキニル基として炭素
数2〜10、好ましくは炭素数2〜6の直鎖、分岐鎖ま
たは環状のアルキニル基であり、例えば、エチニル、2
−プロピニル、1−プロピニル、2−ブチニル、1−ブ
チニルなどを挙げることができる。
【0011】アラルキル基としては炭素数7〜10のア
ラルキル基で、例えば、ベンジルなどである。アリール
基としては炭素数6〜10のアリール基で、例えば、フ
ェニル、ナフチル、p−メトキシフェニルなどである。
ヘテロ環基としては炭素原子、窒素原子、酸素原子、あ
るいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または
不飽和のヘテロ環基で環を構成するヘテロ原子の数及び
元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、2
−フリル、ベンゾフリル基、2−ピロリル、2−イミダ
ゾリル、1−ピラゾリル、2−ベンゾトリアゾリル、2
−ピリジル、2−ピリミジル、2−チエニルなどであ
る。ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原
子である。アルコキシ基としては炭素数1〜10、好ま
しくは炭素数1〜6のアルコキシ基で例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエト
キシなどを挙げることができる。アリールオキシ基とし
ては炭素数6〜10のアリールオキシ基で例えば、フェ
ノキシ、p−メトキシフェノキシ、p−カルボキシフェ
ノキシ、o−スルホフェノキシなどを挙げることができ
る。アルキルチオ基としては炭素数1〜10、好ましく
は炭素数1〜6のアルキルチオ基で例えば、メチルチ
オ、エチルチオなどである。アリールチオ基としては炭
素数6〜10のアリールチオ基で例えば、フェニルチ
オ、4−メトキシフェニルチオなどを挙げることができ
る。アシルオキシ基としては炭素数1〜10、好ましく
は炭素数1〜6のアシルオキシ基で例えば、アセトキ
シ、プロパノイルオキシなどを挙げることができる。
【0012】アルキルアミノ基としては炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜6のアルキルアミノ基で例え
ば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
2−ヒドロキシエチルアミノなどである。カルボンアミ
ド基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6
のカルボンアミド基で例えば、アセトアミド、プロピオ
ンアミドである。スルホンアミド基としては炭素数1〜
10、好ましくは炭素数1〜6のスルホンアミド基で例
えば、メタンスルホンアミドである。スルファモイルア
ミノ基としては炭素数0〜10、好ましくは炭素数0〜
6のスルファモイルアミノ基で例えば、メチルスルファ
モイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、2−メ
トキシエチルスルファモイルアミノである。ウレイド基
としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のウ
レイド基で例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N
−ジメチルウレイド、N′−ヒドロキシウレイドであ
る。チオウレイド基としては炭素数1〜10、好ましく
は炭素数1〜6のチオウレイド基で例えば、チオウレイ
ド、メチルチオウレイド、N,N−ジメチルチオウレイ
ドなどである。アシル基としては炭素数1〜10、好ま
しくは炭素数1〜6のアシル基で例えばアセチル、ベン
ゾイルなどである。オキシカルボニル基としては炭素数
1〜10、好ましくは炭素数1〜6のオキシカルボニル
基で例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
である。カルバモイル基としては炭素数1〜10、好ま
しくは炭素数1〜6のカルバモイル基で例えば、カルバ
モイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−エチルカ
ルバモイルである。スルホニル基としては炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜6のスルホニル基で例えば、
メタンスルホニル、エタンスルホニル、2−クロロエタ
ンスルホニルである。スルフィニル基としては炭素数1
〜10、好ましくは炭素数1〜6のスルフィニル基で例
えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニルであ
る。スルファモイル基としては炭素数0〜10、好まし
くは炭素数0〜6のスルファモイル基で例えば、スルフ
ァモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモ
イルである。
【0013】R5 、R6 は同一でも異なっていてもよ
く、各々アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、アラルキル基、またはヘテロ環基を表す。そ
の詳細は、R1 、R2 、R3 及びR4 にて説明したもの
に同義である。但し、R5 、R6 がアルキル基である場
合連結して窒素原子と共同で5〜6員環を形成してもよ
く、この場合形成されるヘテロ環の例としては、ピロリ
ジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、1−チア
−4−アザシクロヘキサン環を挙げることが出来る。ま
た、R5 、R6 の少なくとも一方がアルキル基でかつR
3 、R4 の少なくとも一方がアルキル基またはアルコキ
シ基である場合、これらが連結して窒素原子及びベンゼ
ン環と共同で縮合複素環を形成してもよく、形成される
ベンゼン環と縮合した5〜6員環としては例えばインド
ール、インドリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキ
ノリン、ベンゾオキサジンを挙げることが出来る。一般
式(A)で表される化合物は、任意の炭素原子上で2種
が結合して、ビス型構造を形成してもよい。
【0014】一般式(A)で表される化合物の中でも、
以下の一般式(AA)で表される化合物が特に好まし
い。 一般式(AA)
【0015】
【化5】
【0016】式中、R11、R22は同一でも異なっていて
もよく、各々水素原子または置換基を表す。R55、R66
は同一でも異なっていてもよく、各々アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基またはヘテロ環基を表す。
【0017】一般式(AA)中のR11、R22及びR55
66について以下にその好ましい組み合わせについて述
べる。R11、R22は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カル
ボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミ
ノ基、ウレイド基、またはチオウレイド基であり、
55、R66はアルキル基である組み合わせが好ましい。
ここで、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基
は、他の置換基によって置換されたものも含む。この組
み合わせにおいて、R55、R66は無置換のアルキル基ま
たは水溶性基で置換されたアルキル基であることがより
好ましい。ここに水溶性基とは、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アンモニオ基、
カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイル
アミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含
む)等である。R55、R66は無置換のアルキル基または
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミ
ノ基、アンモニオ基、カルボンアミド基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基で置換されたアルキル基であることが
更に好ましい。
【0018】一般式(AA)で表される化合物の中で
も、以下の一般式(AAA)で表される化合物が最も好
ましい。 一般式(AAA)
【0019】
【化6】
【0020】式中、R111 はアルキル基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カル
ボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミ
ノ基、ウレイド基、またはチオウレイド基を表し、R
555 、R666 はアルキル基を表す。この組み合わせにお
いて、R555 、R666 はR55、R66と同義であり、その
好ましい範囲も同一である。
【0021】一般式(AAA)で表される化合物の特に
好ましい組み合わせとしては、R111 はアルキル基、ア
ルコキシ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ス
ルファモイルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基で
あり、R555 、R666 はアルキル基であり、更に好まし
い組み合わせとしては、R111 は炭素数1〜3のアルキ
ル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のカ
ルボンアミド基、炭素数1〜3のスルホンアミド基、炭
素数1〜3のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜3の
ウレイド基、または炭素数1〜3のチオウレイド基であ
り、R555 、R666 は炭素数1〜3のアルキル基であ
り、最も好ましい組み合わせとしては、R111 は炭素数
1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭
素数1〜3のカルボンアミド基、炭素数1〜3のスルホ
ンアミド基、炭素数1〜3のスルファモイルアミノ基、
炭素数1〜3のウレイド基、または炭素数1〜3のチオ
ウレイド基であり、R555 、R666 はメチル基、または
ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基で
ある。本発明の具体的化合物の例としては下記化合物が
挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。一般式(A)で示される化合物は、遊離アミンとし
て保存する場合には非常に不安定であるため、一般には
無機酸、有機酸の塩として製造、保存し、処理液に添加
するときに初めて遊離アミンとなるようにする場合が好
ましい。一般式(A)の化合物を造塩する無機、有機の
酸としては例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−
1,5−ジスルホン酸等が挙げられる。これらの中で硫
酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸の塩とすること
が好ましく、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸との塩
として造塩することが最も好ましい。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】一般式(A)で表される化合物は、例えば
Photographic Science and Engineering, 10, 306(196
6) などの一般的合成法に準じて容易に合成可能であ
る。また、下記合成例やそれに準じた方法を採ることも
できる。 合成例 下記式に従い、本発明の例示化合物(6)を合成した。
【0035】
【化7】
【0036】(6−a)の合成 2−アミノ−4−ニトロフェノール61.7gにジメチ
ルアセトアミド200mlを加え溶かし、この溶液にクロ
ルギ酸フェニル68.9gを滴下した。室温下3時間攪
拌した後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した白色結晶を
濾取し減圧下乾燥して(6−a)103.2gを得た。 (6−b)の合成 (6−a)54.8gにアセトニトリル200mlを加え
溶かし、この溶液に40%メチルアミン−メタノール溶
液34.4gを滴下した。室温下2時間攪拌した後、析
出した橙色結晶を濾取した。この橙色結晶をジメチルア
セトアミド400mlに溶解した後、1N塩酸1リットル
に注ぎ析出した白黄色結晶を濾取し減圧下乾燥して(6
−b)38.6gを得た。 (6−c)の合成 (6−b)38.6gにジメチルアセトアミド160m
l、炭酸カリウム25.2gを加え、この混合溶液にベ
ンジルブロミド34.4gを滴下した。室温下3時間攪
拌した後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した白色結晶を
濾取し減圧下乾燥して(6−c)54.0gを得た。 (6−d)の合成 還元鉄25.4g、塩化アンモニウム0.2gに水24
ml、イソプロパノール140ml、酢酸1mlを加え15分
間加熱還流した後、(6−c)54.0gを少しずつ添
加した。1時間加熱還流した後、セライト濾過によって
不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰色
粉末結晶を酢酸エチルに溶かし飽和食塩水にて洗浄、硫
酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(6−d)
20.9gを得た。 (6−e)の合成 (6−d)11.4g、炭酸水素ナトリウム16.8g
にジメチルアセトアミド100mlを加え80℃に加熱し
た。この混合溶液にヨードメタン6.3mlを滴下し、8
0℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却した後、酢酸
エチルにて抽出、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下溶媒留去し、得られた組成物をアセトニトリルで
再結晶することにより(6−e)の白色結晶5.1gを
得た。 例示化合物(6)の合成 (6−e)2.4gと10%パラジウム炭素0.5gを
メタノール100mlに加え、オートクレーブ中にて4時
間水素と接触させた。次いでセライトを濾過助材に用い
て触媒を濾別後、濾液を1.5−ナフタレンジスルホン
酸・4水塩1.4gのメタノール溶液に滴下した。溶媒
を留去した後、エタノールを加え沈殿した灰色結晶を濾
別することによって、目的の例示化合物(6)の1,5
−ナフタレンジスルホン酸塩を白色結晶として1.4g
を得た。融点201℃ 例示化合物(2)の合成 例示化合物(6)の合成において、(6−b)を用いる
かわりに、2−メトキシ−4−ニトロフェノールを用い
た以外は、ほぼ同様の方法で、例示化合物(2)を合成
することが出来た。(アモルファス) 例示化合物(4)の合成 例示化合物(6)の合成において、(6−b)を用いる
かわりに、2−アセトアミド−4−ニトロフェノールを
用いた以外は、ほぼ同様の方法で、例示化合物(4)を
合成することが出来た。(アモルファス) 例示化合物(35)の合成 例示化合物(6)の合成において、ヨードメタンを用い
るかわりに3−クロルプロパノールを用いて反応させ、
(35−e)を得た。その後は例示化合物(6)の合成手
順に従って、目的とする例示化合物(35)を得ることが
出来た。(アモルファス)
【0037】
【化8】
【0038】下記式に従い、本発明の例示化合物(10)
を合成した。
【0039】
【化9】
【0040】(10−a)の合成 2−メトキシ−5−ニトロアニリン33.6gをジメチ
ルアセトアミド200mlに溶かし、室温下メタンスルホ
ニルクロリド25.2g、次いでピリジン16.2mlを
滴下した。滴下後さらに4時間攪拌し、室温で一晩放置
した後、1N塩酸800mlに注ぎ析出した乳白色結晶を
濾取し減圧下乾燥して(10−a)32.4gを得た。 (10−b)の合成 還元鉄36.7g、塩化アンモニウム0.4gに水36
ml、イソプロパノール220ml、酢酸2mlを加え15分
間加熱還流した後、(10−a)32.4gを少しずつ添
加した。4時間加熱還流した後、セライト濾過によって
不溶分を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた灰色
粉末結晶を酢酸エチルに溶かし飽和食塩水にて洗浄、硫
酸ナトリウムで乾燥後濃縮することによって(10−b)
25.5gを得た。 (10−c)の合成 (10−b)の10.8g、炭酸水素ナトリウム20.2
gにジメチルアセトアミド120mlを加え80℃に加熱
した。この混合溶液にヨードメタン7.5mlを滴下し、
80℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却した後、酢
酸エチルにて抽出、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下溶媒留去し(10−c)の無色透明結晶12.
1gを得た。 例示化合物(10)の合成 (10−c)の9.2gを塩化メチレン100mlに溶解し
−10℃に氷冷した後、塩化メチレン40mlで溶解した
三臭化ホウ素10.5mlを−5℃以下で滴下した。滴下
後室温下で3時間攪拌した後氷冷し水50mlをゆっくり
滴下し、析出した白色結晶を濾取した。得られた組成物
を水で再結晶することにより目的とする例示化合物(1
0)の臭化水素酸塩の白色結晶6.1gを得た。融点1
47℃ 一般式(B)
【0041】
【化10】
【0042】式中、R7 は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、またはヘテロ環基を表す。
【0043】一般式(B)で表されるアスコルビン酸類
またはその誘導体について詳細に説明する。式中、R7
で表されるアルキル基は直鎖、分岐鎖または環状のアル
キル基であり、アリール基は例えば、フェニル基、ナフ
チル基などであり、ヘテロ環基は炭素原子、窒素原子、
酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環
のヘテロ環基で、例えば、フリル基、ベンゾフリル基、
ピラニル基、ピロリル基,イミダゾリル基、ピラゾリル
基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリ
ダジル基、チエニル基、イソチアゾリル基などである。
これらの基は置換基を有してもよく、その置換基として
は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン
原子、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド
基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルフィニルオキシ基、カルボキシ基(塩を含む)、ス
ルホ基(塩を含む)ヒドロキシアミノ基、ヒドラジノ基
を挙げることができる。
【0044】更に詳しく置換基の例を示す。アルキル基
としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の直
鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、これらの基
はR7 の置換基として挙げた基で置換されていてもよ
く、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、ヒドロキシ
メチル等を挙げることができる。アルケニル基としては
炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6の直鎖または
分岐鎖のアルケニル基であり、これらの基はR7 の置換
基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、エ
チニル、プロペニル、3−ブテニル、4−ヒドロキシ−
3−ブテニルなどを挙げることができる。アリール基と
しては炭素数6〜10のアリール基で、これらの基はR
7 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例
えば、フェニル、ナフチル、p−メチルフェニルなどで
ある。アルコキシ基としては炭素数1〜10、好ましく
は炭素数1〜8のアルコキシ基で、これらの基はR7
置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペン
チルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、2−メ
トキシエトキシなどを挙げることができる。アリールオ
キシ基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基で、
これらの基はR7 の置換基として挙げた基で置換されて
いてもよく、例えば、フェノキシ、p−ヒドロキシフェ
ノキシ、3,4−ジヒドロキシフェノキシ、o−カルボ
キシフェノキシ、o−スルホフェノキシなどを挙げるこ
とができる。アルキルチオ基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基で、これらの
基はR7 の置換基として挙げた基で置換されていてもよ
く、例えば、メチルチオ、オクチルチオなどである。ア
リールチオ基としては炭素数6〜10のアリールチオ基
で、これらの基はR7 の置換基として挙げた基で置換さ
れていてもよく、例えば、フェニルチオ、4−ヒドロキ
シフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ、4−ブト
キシフェニルチオなどを挙げることができる。アシルオ
キシ基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜
8のアシルオキシ基で、これらの基はR7 の置換基とし
て挙げた基で置換されていてもよく、例えば、アセトキ
シ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、オクタノ
イルオキシ、カルボキシアセトキシ、3−スルホプロパ
ノイルオキシなどを挙げることができる。
【0045】アルキルアミノ基としては炭素数1〜6の
アルキルアミノ基で例えば、メチルアミノ、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノなどである。カルボンアミド基と
しては炭素数1〜6のカルボンアミド基で例えば、アセ
トアミド基、プロピオンアミド基である。スルホンアミ
ド基としては炭素数1〜6のスルホンアミド基で例え
ば、メタンスルホンアミド基である。ウレイド基として
は炭素数1〜6のウレイド基で例えば、ウレイド、メチ
ルウレイドである。アシル基としては炭素数1〜6のア
シル基で例えばアセチル、ベンゾイルなどである。オキ
シカルボニル基としては炭素数1〜8のオキシカルボニ
ル基で例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルである。カルバモイル基としては炭素数1〜6のカル
バモイル基で例えば、カルバモイル、N,N−ジメチル
カルバモイルである。スルフィニルオキシ基としては炭
素数1〜6のスルフィニルオキシ基で例えば、メタンス
ルフィニルオキシ基である。これらの置換基は、可能な
場合、更に置換されていてもよい。
【0046】前記一般式(B)のR7 にて表されるアル
キル基は、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基で、
7 の置換基として挙げた基によって置換されたものも
含み、より好ましくは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、オキシ
カルボニル基、カルボキシ基(塩を含む)、スルホ基
(塩を含む)で置換されたアルキル基であり、例えば、
メチル、エチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエ
チル、1,2−ジヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロ
キシプロピル、1,2,3−トリヒドロキシプロピル、
1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、1,2−ジ
メトキシエチル、1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシ
エチル、1,2−ジエトキシエチル、1,2−ジアセト
キシエチル、ヒドロキシカルボキシメチル、アセトキシ
カルボキシメチル、1−メチルチオ−2−ヒドロキシエ
チル、1−フェニルチオ−2−ヒドロキシメチル、1−
ヒドロキシ−2−オクチルチオエチル、1−ヒドロキシ
−2−フェニルチオエチル、1−ヒドロキシ−2−アミ
ノエチル、1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル、1-
ヒドロキシ−2−スルホエチルなどを挙げることができ
る。これらの置換基は、可能な場合、更に置換されてい
てもよい。
【0047】前記一般式(B)のR7 にて表されるアリ
ール基は、好ましくは、炭素数6〜10のアリール基
で、R7 の置換基として挙げた基によって置換されたも
のも含み、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ア
ニシル、p−カルボキシフェニル、p−スルホニルフェ
ニルなどである。前記一般式(B)のR7 にて表される
ヘテロ環基は、好ましくは、フリル基、ピリジル基、ト
リアゾリル基で、R7 の置換基として挙げた基によって
置換されたものも含み、例えば、フリル、5−メチルフ
リル、ベンゾフリル、ピリジル、5−クロロピリジル、
3−カルボキシピリジル、5−スルホピリジル、1−フ
ェニルトリアゾリルなどである。
【0048】前記一般式(B)のR7 は、特に好ましく
は、水素原子、メチル基、エチル基であり、これらの基
は他の置換基によって置換されたものも含み、その置換
基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキ
シ基、を挙げることができ、より好ましくは、ヒドロキ
シ基、炭素数1〜8のアルコキシ基である。これらの置
換基は、可能な場合、更に置換されていてもよく、その
置換基としては、アルケニル基、アリール基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、カルボキシ基(塩を含む)、スル
ホ基(塩を含む)、ヒドロキシアミノ基、ヒドラジノ基
などを挙げることができる。
【0049】前記一般式(B)で表される化合物の中で
も、以下の一般式(BB)で表される化合物が最も好ま
しい。 一般式(BB)
【0050】
【化11】
【0051】式中、R77は一般式(BBB)または(B
BBB)により表される基を表す。 一般式(BBB)
【0052】
【化12】
【0053】式中、nは1〜4の整数を表す。nは好ま
しくは2または3であり、最も好ましくは2である。 一般式(BBBB)
【0054】
【化13】
【0055】式中、R17、R18は同一でも異なっていて
もよく、各々水素原子、アルキル基、アリール基、アル
ケニル基を表し、R17、R18で表されるアルキル基は連
結して環構造を形成してもよい。ここで、アルキル基、
アリール基、アルケニル基は、他の置換基によって置換
されたものも含み、その置換基としては、アルキル基、
アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシ基
(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)、ヒドロキシアミ
ノ基を挙げることができる。
【0056】一般式(BBBB)にて表される化合物中
のR17、R18は好ましくは、水素原子、炭素数1〜7の
アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜
7のアルケニル基であり、特に好ましくは、水素原子、
炭素数1〜7のアルキル基、炭素数6〜10のアリール
基であり、最も好ましくは、水素原子または炭素数1〜
7のアルキル基であり、R17、R18で表されるアルキル
基は連結して環構造を形成してもよく、少なくとも一方
は水素原子ではないことがより好ましい。これらの基は
置換基を有してもよく、その置換基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル
基、クロロメチル基、メトキシメチル基、2−メトキシ
エチル基、1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシアミノ−エ
チル基、2−カルボキシエチル基が挙げられる。R17
18で表されるアルキル基が連結して形成する環として
はシクロペンチル環、シクロヘキシル環などを挙げるこ
とができ、これらの基は、可能な場合、更に置換されて
いてもよい。一般式(B)の化合物はいわゆるエノール
体で記述されているが、これが異性化したケト体も事実
上同じ化合物であり、本出願では水素原子が異性化した
化合物も請求の範囲である。
【0057】本発明の具体的化合物の例として下記化合
物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】
【化18】
【0063】
【化19】
【0064】一般式(B)で表される化合物は、E.S.H.
EL.Ashry, A.Moussad, and N.Rashed, Advances in Het
erocyclic Chemistry,vol. 53,233-302,特開昭57−1
88586号公報、特開昭64−45383号公報、特
開平2−288872号公報、特開平4−29985号
公報、特開平4−364182号公報、特開平5−11
2594号公報などの一般的合成法に準じて合成可能で
ある。
【0065】
【発明の実施の形態】本発明で現像主薬として用いられ
る一般式(B)にて表されるアスコルビン酸類またはそ
の誘導体としては、フリー体、アンモニウム塩、アルカ
リ金属塩でもよく、その現像液への添加量は通常0.0
1〜0.5モル/リットル、好ましくは0.05〜0.
3モル/リットル、特に好ましくは0.05〜0.2モ
ル/リットルである。
【0066】本発明で補助現像主薬として用いられる一
般式(A)にて表されるp−アミノフェノール類は単独
でまたは他の公知のp−アミノフェノール類あるいは3
−ピラゾリドン類と併用して使用することもできる。組
み合わせる化合物の代表例を以下に示すがこれらに限定
されるものではない。 AP−1 N−メチル−p−アミノフェノール AP−2 p−アミノフェノール AP−3 N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノ
フェノール AP−4 N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン AP−5 2−メチル−p−アミノフェノール AP−6 p−ベンジルアミノフェノール AP−7 2−メトキシ−p−アミノフェノール P−1 1−フェニル−3−ピラゾリドン P−2 1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラ
ゾリドン P−3 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ
メチル−3−ピラゾリドン P−4 1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドン P−5 1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリド
ン P−6 1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル
−3−ピラゾリドン P−7 1−p−トリル−4,4−ジメチル−3−ピ
ラゾリドン P−8 1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキ
シメチル−3−ピラゾリドン
【0067】組み合わせる化合物として上記p−アミノ
フェノール類のうち特に好ましくはAP−1、AP−3
あるいはAP−7であり、3−ピラゾリドン類のうち特
に好ましくはP−2、P−3あるいはP−8である。ま
た、これらのp−アミノフェノール類は硫酸塩、塩酸
塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硝酸塩、ナ
フタレン−1,5−ジスルホン酸塩などの塩で使用され
るのが一般的である。これらの化合物は目的に応じて2
種以上併用することもできる。補助現像主薬の使用量
は、通常0.0005〜0.2モル/リットル、好まし
くは0.001〜0.1モル/リットル、特に好ましく
は0.01〜0.1モル/リットルである。現像主薬と
補助現像主薬の組合せを用いる場合の使用量は、前者が
0.05〜0.5モル/リットルで後者が0.01〜
0.1モル/リットルの量で用いるのが最も好ましい。
本発明において、処理組成物とは、液体状であっても固
体状(例えば、粉末状、顆粒状)であってもよい。
【0068】本発明において、実質的にジヒドロキシベ
ンゼン類を含まないとは、ジヒドロキシベンゼン類の現
像液中での濃度が一般式(B)で表される現像主薬や一
般式(A)で表される補助現像主薬の量に比して取るに
足らないこと(例えば5×10-4モル/リットル以下で
あること)を意味する。本発明の現像液は、好ましくは
ジヒドロキシベンゼン類を全く含まないものである。
【0069】本発明で感光材料を現像処理する際の現像
液(以下、現像開始液および現像補充液の双方をまとめ
て現像液という。)に用いられる緩衝剤としては、炭酸
塩、特開昭62−186259号に記載のほう酸、特開
昭60−93433号に記載の糖類(例えばサッカロー
ス)、オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノー
ル類(例えば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩)などが用いられ、
好ましくは炭酸塩、ほう酸が用いられる。緩衝剤、特に
炭酸塩の使用量は、好ましくは0.3モル/リットル以
上、特に0.4モル/リットル以上である。上限は重要
ではないが1.5モル/リットル程度である。
【0070】本発明の現像液には、保恒剤として亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫
酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒ
ド重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩あるいはヒドロキシ
ルアミン硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩酸塩、モノメチ
ルヒドロキシルアミン塩酸塩、ジエチルヒドロキシルア
ミン等のヒドロキシルアミン類を添加してもよい。亜硫
酸塩あるいはヒドロキシルアミン類は0.01モル/リ
ットル以上で用いられる。亜硫酸塩は多量に用いるとハ
ロゲン化銀乳剤粒子を溶解して、銀汚れの原因となる。
また、COD(化学的酸素要求量)を高める原因ともな
るため、添加量は必要最小限にすべきであり、好ましく
は0.5モル/リットル以下、特に好ましくは0.2モ
ル/リットル以下、最も好ましくは0.1モル/リット
ル以下である。
【0071】上記の以外に用いられる添加剤としては、
臭化ナトリウム、臭化カリウムの如き現像抑制剤;エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドの如き有機溶剤;ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノ
ールアミン、イミダゾール又はその誘導体等の現像促進
剤;メルカプト系化合物、インダゾール系化合物、ベン
ゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物
をカブリ防止剤又は黒ポツ(black pepper) 防止剤とし
て含んでもよい。具体的には、5−ニトロインダゾー
ル、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾール、1
−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダ
ゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾール、5−ニ
トロベンズイミダゾール、2−イソプロピル−5−ニト
ロベンズイミダゾール、5−ニトロベンズトリアゾー
ル、4−〔(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル)チオ〕ブタンスルホン酸ナトリウム、
5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオー
ル、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリ
アゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾールなどを挙
げることができる。これらカブリ防止剤の量は、通常、
現像液1リットル当り0.01〜10mmolであり、より
好ましくは0.1〜2mmolである。
【0072】更に本発明の現像液中には各種の有機・無
機のキレート剤を併用することができる。無機キレート
剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタ
リン酸ナトリウム等を用いることができる。一方、有機
キレート剤としては、主に有機カルボン酸、アミノポリ
カルボン酸、有機ホスホン酸、アミノホスホン酸及び有
機ホスホノカルボン酸を用いることができる。有機カル
ボン酸としては、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アシエ
ライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジ
カルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イ
タコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げること
ができが、これらに限定されるものではない。
【0073】アミノポリカルボン酸としては、イミノ二
酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチ
レンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エチレンジ
アミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、1,2−ジ
アミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、
トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノ−2
−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四
酢酸、その他特開昭52−25632号、同55−67
747号、同57−102624号、及び特公昭53−
40900号明細書等に記載の化合物を挙げることがで
きる。
【0074】有機ホスホン酸としては、米国特許321
4454号、同3794591号、及び西独特許公開2
227639号等に記載のヒドロキシアルキリデン−ジ
ホスホン酸やリサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure) 第181巻、Item 18170(1979
年5月号)等に記載の化合物が挙げられる。アミノホス
ホン酸としては、アミノトリス(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ア
ミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他
上記リサーチ・ディスクロージャー18170号、特開
昭57−208554号、同54−61125号、同5
5−29883号及び同56−97347号等に記載の
化合物を挙げることができる。
【0075】有機ホスホノカルボン酸としては、特開昭
52−102726号、同53−42730号、同54
−121127号、同55−4024号、同55−40
25号、同55−126241号、同55−65955
号、同55−65956号、及び前述のリサーチ・ディ
スクロージャー18170号等に記載の化合物を挙げる
ことができる。これらのキレート剤はアルカリ金属塩や
アンモニウム塩の形で使用してもよい。これらキレート
剤の添加量としては、現像液1リットル当り好ましく
は、1×10-4〜1×10-1モル、より好ましくは1×
10-3〜1×10-2モルである。
【0076】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
下記一般式(C)で表される化合物を用いることが好ま
しい。 一般式(C)
【0077】
【化20】
【0078】式中、Z1 はNおよびCと共同で無置換ま
たは置換の5員もしくは6員の含窒素芳香族ヘテロ環を
形成するに必要な非金属原子団を表し、X1 は水素原子
またはカチオンを表す。また、Z1 より任意の水素原子
1個がとれたラジカル2種が結合して、ビス型構造を形
成してもよい。
【0079】次に一般式(C)を詳細に説明する。Z1
はNおよびCと共同で無置換または置換の5員もしくは
6員の含窒素芳香族ヘテロ環を形成するに必要な非金属
原子団を表す。Z1 、N、Cで形成される5員の含窒素
芳香族ヘテロ環としては窒素に加え、炭素、酸素、硫黄
から選ばれる元素の組み合わせで形成されるもので、さ
らに炭化水素環もくしはヘテロ環で縮合されていてもよ
く、例えばピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、
チアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジ
アゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンゾチアゾール、ピラゾロトリアゾー
ル、ピロロトリアゾール等が挙げられる。5員の含窒素
芳香族ヘテロ環として好ましくはトリアゾール、チアジ
アゾール、オキサジアゾール、ベンズイミダゾール、ベ
ンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピラゾロトリア
ゾール、ピロロトリアゾールであり、さらに好ましくは
トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ベ
ンズイミダゾールであり、最も好ましくはトリアゾール
である。Z1 、N、Cで形成される6員の含窒素芳香族
ヘテロ環としては単環あるいは炭素環もしくはヘテロ環
で縮合された環で、例えばピリジン、ピラジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリ
ン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリ
ン、フェナンスリジン、フェナンスロリン、ナフチリジ
ン、プテリジン、プリン、トリアゾロピリミジン、イミ
ダゾロピリジン、トリアゾロピリジン、イミダゾロトリ
アジン、トリアゾロトリアジンである。6員の含窒素芳
香族ヘテロ環として好ましくは、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジン、トリアジン、フタラジン、キノキサリ
ン、キナゾリン、ナフチリジン、プテリジン、プリン、
トリアゾロピリミジン、イミダゾロピリジン、トリアゾ
ロピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリア
ジンであり、さらに好ましくはピリミジン、ピリダジ
ン、トリアジン、プテリジン、プリン、トリアゾロピリ
ミジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン
であり、最も好ましくはピリミジン、トリアジン、プリ
ンである。
【0080】Z1 の置換基としては水素原子、ハロゲン
原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子
で環に結合する置換基を挙げることができる。炭素原子
で結合するものとしては、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、カルバモイル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
基、カルボキシル基、シアノ基、ヘテロ環基が、酸素原
子で結合するものとしてはヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基が、
窒素原子で結合するものとしてはアシルアミノ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環
アミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アル
コキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、スルホンアミド基、イミド基、ヘテロ環基
が、硫黄原子で結合するものとしてはアルキルチオ基、
アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、
アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル
基、スルホニル基、スルホ基、スルフィニル基、メルカ
プト基(塩を含む)が挙げられる。これらはZ1 の置換
基として述べた基でさらに置換されていても良い。これ
らは複数であっても良く、可能な場合2つが結合して環
を形成しても良い。
【0081】更に詳しくZ1 の置換基について説明す
る。ハロゲン原子としては例えば、弗素原子、塩素原
子、臭素原子である。アルキル基としては炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖または環状
のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、イソプロ
ピル、t−ブチル、ベンジル、シクロペンチルである。
アルケニル基としては炭素数2〜10のもので、例えば
ビニル、1−プロペニル、1−ヘキセニル、スチリルが
挙げられる。アルキニル基としては炭素数2〜10のも
ので、例えばエチニル、1−ブチニル、フェニルエチニ
ルが挙げられる。アリール基としては炭素数6〜10の
アリール基で例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキ
シフェニルである。
【0082】カルバモイル基としては炭素数1〜8のも
ので、例えばカルバモイル、N−エチルカルバモイル、
N−フェニルカルバモイルである。アルコキシカルボニ
ル基としては炭素数2〜8のもので、例えばメトキシカ
ルボニル、ベンジルオキシカルボニルである。アリール
オキシカルボニル基としては炭素数7〜12のもので、
例えばフェノキシカルボニルである。アシル基としては
炭素数1〜8のもので、例えばアセチル、ベンゾイルで
ある。環上の炭素原子で連結するヘテロ環基としては炭
素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を
1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘ
テロ環であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の
種類は1つでも複数であっても良く、例えば2−フリ
ル、2−チエニル、2−ピリジル、2−イミダゾリルで
ある。
【0083】アルコキシ基としては炭素数1〜10、好
ましくは炭素数1〜6のもので例えば、メトキシ、2−
メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシであ
る。アリールオキシ基としては炭素数6〜12のもので
例えば、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ、m−
(3−ヒドロキシプロピオンアミド)フェノキシであ
る。ヘテロ環オキシ基としては炭素数1〜5の酸素原
子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員ま
たは6員環の飽和または不飽和のヘテロ環オキシ基であ
って環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つ
でも複数であっても良く例えば、1−フェニルテトラゾ
リル−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、
2−ピリジルオキシである。アシルオキシ基としては炭
素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のもので例え
ば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ、4−ヒドロキシブ
タノイルオキシである。カルバモイルオキシ基としては
炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のもので例え
ば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチル
カルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ
である。スルホニルオキシ基としては炭素数1〜8のも
ので、例えばメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシである。
【0084】アシルアミノ基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜6のもので、例えばアセチルアミ
ノ、ベンゾイルアミノである。アルキルアミノ基として
は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のもので例
えば、N,N−ジメチルアミノ、N−(2−ヒドロキシ
エチル)アミノ、N−(3−ジメチルアミノプロピル)
アミノである。アリールアミノ基としては炭素数6〜1
0のもので例えば、アニリノ、N−メチルアニリノであ
る。ヘテロ環アミノ基としては炭素数1〜5の酸素原
子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員ま
たは6員環の飽和または不飽和のヘテロ環アミノ基であ
って環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つ
でも複数であっても良く、例えば2−オキサゾリルアミ
ノ、2−テトラヒドロピラニルアミノ、4−ピリジルア
ミノである。ウレイド基としては炭素数1〜10、好ま
しくは炭素数1〜6のもので、例えばウレイド、メチル
ウレイド、N,N−ジエチルウレイド、2−メタンスル
ホンアミドエチルウレイドである。
【0085】スルファモイルアミノ基としては炭素数0
〜10、好ましくは炭素数0〜5のもので、例えばメチ
ルスルファモイルアミノ、2−メトキシエチルスルファ
モイルアミノである。アルコキシカルボニルアミノ基と
しては炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6のもの
で、例えばメトキシカルボニルアミノである。アリール
オキシカルボニルアミノ基としては炭素数7〜12のも
ので、例えばフェノキシカルボニルアミノ、2,6−ジ
メトキシフェノキシカルボニルアミノである。スルホン
アミド基としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1
〜6のもので、例えばメタンスルホンアミド、p−トル
エンスルホンアミドである。イミド基としては炭素数4
〜10のもので、例えばN−スクシンイミド、N−フタ
ルイミドである。環の窒素原子で連結するヘテロ環基と
しては、炭素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくと
も1種と窒素原子からなる5〜6員のヘテロ環で、例え
ばピロリジノ、モルホリノ、イミダゾリノである。
【0086】アルキルチオ基としては炭素数1〜10、
好ましくは炭素数1〜5のもので、例えばメチルチオ、
2−カルボキシエチルチオである。アリールチオ基とし
ては炭素数6〜12のもので、例えばフェニルチオ、2
−カルボキシフェニルチオである。ヘテロ環チオ基とし
ては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄
原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽
和のヘテロ環チオ基であって環を構成するヘテロ原子の
数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く、例え
ば2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオであ
る。
【0087】スルファモイル基としては炭素数0〜1
0、好ましくは炭素数0〜6のもので、例えばスルファ
モイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイ
ルである。アルコキシスルホニル基としては炭素数1〜
10、好ましくは炭素数1〜6のもので、例えばメトキ
シスルホニルである。アリールオキシスルホニル基とし
ては炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10のもの
で、例えばフェノキシスルホニルである。スルホニル基
としては炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のも
ので、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニルで
ある。スルフィニル基としては炭素数1〜10、好まし
くは炭素数1〜6のもので、例えばメタンスルフィニ
ル、ベンゼンスルフィニルである。
【0088】Z1 の置換基として好ましくは、水素原
子、アルキル基、アリール基、カルバモイル基、アシル
基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、スルファモイル基、スルホニル基、メルカプト
基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、メルカプト基であ
り、特に好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基、アルキルチオ基、メルカプト基である。
1 としては1または2個のメルカプト基を有するもの
が最も好ましい。
【0089】X1 は水素原子またはカチオンである。カ
チオンとしては例えばナトリウム、カリウム、リチウ
ム、カルシウム、アンモニウム、テトラブチルアンモニ
ウム、トリエチルアンモニウムである。X1 として好ま
しくは水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
である。
【0090】一般式(C)より任意の水素原子1個がと
れたラジカル2種が結合してビス型構造を形成するもの
として、好ましくは下記一般式(L)で示すものであ
る。 一般式(L)
【0091】
【化21】
【0092】式中、Z21、Z22は式(C)のZ1 から水
素原子1個がとれた基を表し、X21、X22はX1 と同義
である。L2 は二価の連結基(アルキレン基、アルケニ
レン基、アルキニレン基、アリーレン基、二価のヘテロ
環基およびそれらを−O−、−S−、−NH−、−CO
−、−SO2 −等の単独または組み合わせからなる基で
連結したもの)である。これらの好ましいものも式
(C)と同じである。
【0093】L2 のアルキレン基としては、例えばエチ
レン、トリメチレン、ペンタメチレン、プロピレン、2
−ブテン−1,4−イル、2−ブチン−1,4−イル、
p−キシリレンである。アルケニレン基としては、例え
ばエテン−1,2−イルである。アルキニレン基として
はエチン−1,2−イルである。アリーレン基として
は、例えばフェニレンである。二価のヘテロ環基として
は、例えばフラン−1,4−ジイルである。L2 として
はアルキレン基、−NH(アルキレン)NH−基、−O
(アルキレン)O−基、−S(アルキレン)S−基、−
NH(アルキレン)CONH(アルキレン)NH−基、
−NH(アルキレン)O(アルキレン)NH−基が好ま
しく、−NH(アルキレン)NH−基、−O(アルキレ
ン)O−基がさらに好ましい。
【0094】一般式(C)で示される本発明の化合物の
うち好ましくは下記一般式(3)〜(10)で表されるも
のである。 一般式(3)
【0095】
【化22】
【0096】式中、R34およびX31はそれぞれ一般式
(C)のZ1 の置換基およびX1 と同義である。R34
して好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ
基、メルカプト基、アルキルチオ基であり、さらに好ま
しくは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基、置換され
ていてもよいアミノ基、メルカプト基であり、最も好ま
しくは水素原子、アルキル基、メルカプト基である。R
32は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、
ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基である。
32として好ましくは水素原子、アルキル基、ヒドロキ
シ基、置換されていてもよいアミノ基であり、さらに好
ましくは水素原子またはアルキル基である。 一般式(4)
【0097】
【化23】
【0098】式中、R41、R42およびX41はそれぞれ一
般式(3)のR34、R32およびX31と同義で好ましい範
囲も同様である。 一般式(5)
【0099】
【化24】
【0100】式中、R51およびX51はそれぞれ一般式
(3)のR34およびX31と同義である。R51として好ま
しくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、メ
ルカプト基、アルキルチオ基であり、さらに好ましくは
アルキル基、置換されていてもよいアミノ基、メルカプ
ト基、アルキルチオ基であり、最も好ましくはメルカプ
ト基、アルキルチオ基である。 一般式(6)
【0101】
【化25】
【0102】式中、R61、R62およびX61はそれぞれ一
般式(3)のR34、R32およびX31と同義である。R61
として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、置換されて
いてもよいアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基で
あり、さらに好ましくはヒドロキシ基、アルコキシ基、
置換されていてもよいアミノ基、メルカプト基、アルキ
ルチオ基であり、最も好ましくはヒドロキシ基、置換さ
れていてもよいアミノ基、メルカプト基である。R62
して好ましくはメルカプト基である。 一般式(7)
【0103】
【化26】
【0104】式中、R71、R72およびR73はそれぞれ一
般式(6)のR61、R62と同義であり、好ましい範囲も
同じである。ただしそれらのうち少なくとも一つはメル
カプト基である。R73がメルカプト基である場合がより
好ましい。 一般式(8)
【0105】
【化27】
【0106】式中、R81、R82、R83およびR84はそれ
ぞれ一般式(6)のR61、R62と同義であり、好ましい
範囲も同じである。ただしそれらのうち少なくとも一つ
はメルカプト基である。R83として最も好ましくは置換
されていてもよいアミノ基または水素原子である。R84
がメルカプト基である場合がより好ましい。 一般式(9)
【0107】
【化28】
【0108】式中、R91、R92およびR93はそれぞれ一
般式(6)のR61、R62と同義であり、好ましい範囲も
同じである。ただしそれらのうち少なくとも一つはメル
カプト基である。R92またはR93がメルカプト基である
場合がより好ましい。 一般式(10)
【0109】
【化29】
【0110】式中、R101 ないしR104 およびX101
それぞれ一般式(C)のZ1 の置換基およびX1 と同義
である。R101 ないしR104 として好ましくは水素原
子、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルフ
ァモイル基であり、水素原子およびスルホ基がさらに好
ましく、R103 がスルホ基である場合が最も好ましい。
【0111】一般式(3)〜(10)のうち一般式
(3)、(5)〜(9)がより好ましく、一般式
(3)、(6)および(8)が最も好ましい。次に本発
明に於ける一般式(C)で表される化合物の具体例を示
すがこれらに限定されるものではない。
【0112】
【化30】
【0113】
【化31】
【0114】
【化32】
【0115】
【化33】
【0116】
【化34】
【0117】
【化35】
【0118】
【化36】
【0119】
【化37】
【0120】
【化38】
【0121】
【化39】
【0122】
【化40】
【0123】
【化41】
【0124】
【化42】
【0125】
【化43】
【0126】
【化44】
【0127】本発明の一般式(C)で表される化合物は
以下に示される特許およびそれに引用された特許・文献
に記載されている。すなわち特開平4−301837
号、同5−61159号、同6−230525号、特開
昭58−169147号、同62−56959号、米国
特許3212892号、特開平3−53244号、同3
−282457号、同5−61159号、同5−303
179号、同4−362942号、特公昭46−116
30号、特開平6−175302号、同6−25878
3号および特開平8−6215号等である。
【0128】本発明の一般式(C)で表される化合物を
現像液に添加する場合は、現像液1リットル当たり0.
01ミリモルから10ミリモルの範囲が好ましく、0.
1ミリモルから5ミリモルの範囲が特に好ましい。また
ハロゲン化銀感光材料に添加する場合は、バック層また
は最上の保護層等非感光性層に添加することが好まし
い。本発明の化合物の添加量は感光材料1m2当たり1×
10-6モルから5×10-3モルの範囲が好ましく、1×
10-5モルから1×10-3モルの範囲が特に好ましい。
【0129】また、現像ムラ防止剤として特開昭62−
212651号記載の化合物、溶解助剤として特開昭6
1−267759号記載の化合物を用いることができ
る。さらに必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、
硬膜剤等を含んでもよい。
【0130】現像処理温度及び時間は相互に関係し、全
処理時間との関係において決定されるが、一般に現像温
度は約20℃〜約50℃、好ましくは25〜45℃で、
現像時間は5秒〜2分、好ましくは7秒〜1分30秒で
ある。
【0131】本発明においては、現像開始液及び現像補
充液の双方が、「該液1リットルに0.1モルの水酸化
ナトリウムを加えたときのpH上昇が0.25以下」の
性質を有することが好ましい。使用する現像開始液ない
し現像補充液がこの性質を有することを確かめる方法と
しては、試験する現像開始液ないし現像補充液のpHを
10.0に合わせ、ついでこの液1リットルに水酸化ナ
トリウムを0.1モル添加し、この時の液のpH値を測
定し、pH値の上昇が0.25以下であれば上記に規定
した性質を有すると判定する。本発明では特に、上記試
験を行った時のpH値の上昇が0.2以下である現像開
始液及び現像補充液を用いることが好ましい。
【0132】現像開始液及び現像補充液に上記の性質を
与える方法としては、緩衝剤を使用するのが好ましい。
緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186259号
に記載のホウ酸、特開昭60−93433号に記載の糖
類(例えばサッカロース)、オキシム類(例えばアセト
オキシム)、フェノール類(例えば5−スルホサリチル
酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩)などが用いられ、好ましくは炭酸塩、ホウ酸が用い
られる。緩衝剤、特に炭酸塩の使用量は、好ましくは、
0.3モル/リットル以上、特に0.4モル/リットル
以上である。
【0133】pHの設定のために用いるアルカリ剤には
通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム)を用いることができる。
【0134】本発明においては、現像開始液のpHが
8.5〜12.0であり、特には8.5〜11.0、更
には9.0〜10.5、最も好ましくは9.5〜10.
0の範囲である。現像補充液のpHおよび連続処理時の
現像タンク内の現像液のpHもこの範囲である。pHの
設定のために用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機ア
ルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を用いることがで
きる。
【0135】ハロゲン化銀写真感光材料1平方メートル
を処理する際に、現像液の補充液量は350ミリリット
ル以下、好ましくは180〜30ミリリットル、特に1
00〜50ミリリットルである。現像補充液は、現像開
始液と同一の組成を有していてもよいし、現像で消費さ
れる成分について開始液よりも高い濃度を有していても
よい。本発明においては、現像液pHは感材を処理する
に伴い低下していくため、現像補充液のpHを現像開始
液のpHより高い値に設定することが好ましい。具体的
には、現像補充液のpHを現像開始液のpHより0.0
5〜1.0、好ましくは0.3〜0.7程度高く設定す
ることが好ましい。
【0136】処理液の搬送コスト、包装材料コスト、省
スペース等の目的で、処理液を濃縮化し、使用時に希釈
して用いるようにすることは好ましいことである。現像
液の濃縮化のためには、現像液に含まれる塩成分をカリ
ウム塩化することが有効である。
【0137】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜かえることができるが、一般には約0.7〜
約3.0モル/リットルである。
【0138】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
も良く、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それにはた
とえば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明
礬、硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウ
ム、乳酸アルミニウムなどがある。これらは使用液にお
けるアルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.1
5モル/リットルで含まれることが好ましい。なお、定
着液を濃縮液または固形剤として保存する場合、硬膜剤
などを別パートとした複数のパーツで構成しても良い
し、すべての成分を含む一剤型の構成としても良い。
【0139】定着処理剤には所望により保恒剤(たとえ
ば亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.0
15モル/リットル以上、好ましくは0.02モル/リ
ットル〜0.3モル/リットル)、pH緩衝剤(たとえ
ば酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、リン酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1
モル/リットル〜1モル/リットル、好ましくは0.2
モル/リットル〜0.7モル/リットル)、アルミニウ
ム安定化能や硬水軟化能のある化合物(たとえばグルコ
ン酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘ
プタン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マ
レイン酸、グリコール酸、安息香酸、サリチル酸、タイ
ロン、アスコルビン酸、グルタル酸、アスパラギン酸、
グリシン、システイン、エチレンジアミン四酢酸、ニト
リロ三酢酸やこれらの誘導体およびこれらの塩、糖類、
ほう酸などを0.001モル/リットル〜0.5モル/
リットル、好ましくは0.005モル/リットル〜0.
3モル/リットル)を含むことができる。
【0140】このほか、特開昭62−78551に記載
の化合物、pH調整剤(たとえば水酸化ナトリウム、ア
ンモニア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定着促進
剤等も含むことができる。界面活性剤としては、たとえ
ば硫酸化物スルフォン酸化物などのアニオン界面活性
剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6840
記載の両性界面活性剤が挙げられ、公知の消泡剤を使用
することもできる。湿潤剤としては、アルカノールアミ
ン、アルキレングリコール等がある。定着促進剤として
は、特開平6−308681に記載のアルキルおよびア
リル置換されたチオスルホン酸およびその塩や、特公昭
45−35754、同58−122535、同58−1
22536記載のチオ尿素誘導体、分子内に3重結合を
有するアルコール、米国特許4126459記載のチオ
エーテル化合物、特開昭64−4739、特開平1−4
739、同1−159645および同3−101728
に記載のメルカプト化合物、同4−170539に記載
のメソイオン化合物、チオシアン酸塩を含むことができ
る。
【0141】本発明における定着液のpHは、4.0以
上、好ましくは4.5〜6.0を有する。定着液は処理
により現像液が混入してpHが上昇するが、この場合、
硬膜定着液では6.0以下好ましくは5.7以下であ
り、無硬膜定着液においては7.0以下好ましくは6.
7以下である。
【0142】定着液の補充量は、感光材料1m2につき4
00ミリリットル以下であり、320ミリリットル以下
が好ましく、200〜50ミリリットルがより好まし
い。補充液は、開始液と同一の組成および/または濃度
を有していても良いし、開始液と異なる組成および/ま
たは濃度を有していても良い。
【0143】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、たとえば富士写真フイルム社製FS8000など
がある。また、活性炭などの吸着フィルターを使用し
て、色素などを除去することも好ましい。
【0144】定着温度は、約20℃〜約50℃、好まし
くは25〜45℃で、定着時間は5秒〜1分、好ましく
は7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の
処理量に対して500ml/m2以下であり、特に200ml
/m2以下が好ましい。
【0145】現像、定着処理が済んだ感光材料は、つい
で水洗または安定化処理される。水洗または安定化浴に
使用される水は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水で
もよい。これらの補充量は水道水圧により異なり、一般
的には感光材料1m2あたり約17リットル〜約8リット
ルであるが、それ以下の補充量で行うこともできる。特
に3リットル以下の補充量(0も含む。すなわち、ため
水水洗)では、節水処理が可能となるのみならず、自動
現像機設置の配管を不要とすることもできる。水洗を少
量の水で行う場合は、特開昭63−18350号、同6
2−287252号等に記載のスクイズローラー、クロ
スオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好まし
い。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減のため
に、種々の酸化剤(例えばオゾン、過酸化水素、次亜塩
素酸ナトリウム、活性ハロゲン、二酸化塩素、炭酸ナト
リウム過酸化水素塩など)添加やフィルター濾過を組み
合わせても良い。
【0146】水洗水の補充量を少なくする方法として、
古くより多段向流方式(例えば2段、3段等)が知られ
ており、水洗補充量は感光材料1m2あたり200〜50
ミリリットルが好ましい。この多段向流方式を本発明に適用す
れば、定着後の感光材料は徐々に正常な方向、つまり定
着液で汚染されていない処理液の方に順次接触して処理
されていくので、さらに効率の良い水洗がなされる。こ
の効果は、独立多段方式(向流にせず、多段の水洗槽ま
たは安定浴に新液を補充する方法)でも同様に得られ
る。
【0147】さらに、本発明の方法で水洗または安定化
浴に水垢防止手段を施しても良い。水垢防止手段として
は公知のものを使用することができ、特に限定はしない
が、水洗水または安定化液に防ばい剤(いわゆる水垢防
止剤)を添加する方法、水洗水または安定化液に通電す
る方法、紫外線または赤外線や遠赤外線を照射する方
法、磁場をかける方法、超音波処理する方法、熱をかけ
る方法、未使用時にタンクを空にする方法などがある。
これらの水垢防止手段は、感光材料の処理に応じてなさ
れても良いし、使用状況に関係なく一定間隔で行われて
も良いし、夜間など処理の行われない期間のみ施しても
良い。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止手段を
行うことも、耐性菌の発生を抑える上では好ましい。防
ばい剤としては特に限定はなく公知のものが使用でき
る。たとえばグルタルアルデヒド、アミノポリカルボン
酸等のキレート剤、カチオン性界面活性剤、酸化剤(例
えばオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、活性
ハロゲン、二酸化塩素、炭酸ナトリウム過酸化水素塩な
ど)、メルカプトピリジンオキサイド(例えば2−メル
カプトピリジン−N−オキシドなど)などがあり、単独
で使用しても良いし、複数のものを併用しても良い。防
ばい剤は処理に応じて水洗または安定化浴に添加しても
良いし、あらかじめ水洗水または安定化液に添加してお
いてこれを補充しても良い。防ばい剤の補充は感光材料
の処理に応じてなされても良いし、使用状況に関係なく
一定間隔で行われても良いし、夜間など処理の行われな
い期間のみ施しても良い。さらには、一定期間ごとに異
なる防ばい剤を使用することも、耐性菌の発生を抑える
上では好ましい。通電する方法としては、特開平3−2
24685号、同3−224687号、同4−1628
0号、同4−18980号などに記載の方法が使用でき
る。
【0148】少量水洗時に発生しやすい水泡ムラ防止お
よび/またはスクイズローラーに付着する処理剤成分が
処理されたフィルムに転写することを防止するために、
公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても良い。ま
た、感光材料から溶出した染料による汚染防止に、特開
昭63−163456号に記載の色素吸着剤を水洗槽に
設置しても良い。
【0149】水洗または安定化浴からのオーバーフロー
液の一部または全部は、特開昭60−235133号に
記載されているように、定着能を有する処理液に混合利
用することもできる。また微生物処理(例えば硫黄酸化
菌、活性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多
孔質担体に担持させたフィルターによる処理等)や、通
電や酸化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求
量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費
量等を低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリ
マーを用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等
の難溶性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降さ
せてフィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を低下
させることも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0150】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号、同
2−132435号、同1−102553号、特開昭4
6−44446号に記載の化合物を含有した浴を感光材
料の最終浴として使用しても良い。この安定浴にも必要
に応じてアンモニウム化合物、Bi、Al等の金属化合
物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜
剤、殺菌剤、防ばい剤、アルカノールアミンや界面活性
剤を加えることもできる。
【0151】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0152】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は燃焼処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液は例えば特公平7−83867号、U
S5439560号等に記載されているような濃縮装置
で濃縮液化または固化させてから処分することも可能で
ある。
【0153】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。ローラー搬送
型の自動現像機については米国特許第3025779
号、同3545971号などに記載されており、本明細
書においては単にローラー搬送型プロセッサーとして言
及する。ローラー搬送型プロセッサーは現像、定着、水
洗および乾燥の四工程からなっており、本発明の方法
も、他の工程(例えば停止工程)を除外しないが、この
四工程を踏襲するのが最も好ましい。水洗工程のかわり
に安定化工程による四工程でもかまわない。
【0154】本発明の現像処理では、 Dry to Dry で2
5〜160秒が好ましく、現像および定着時間が40秒
以下、好ましくは6〜35秒、各液の温度は25〜50
℃が好ましく、30〜40℃が好ましい。水洗または安
定浴の温度および時間は0〜50℃で40秒以下が好ま
しい。本発明の方法によれば、現像、定着および水洗
(または安定化)された感光材料は水洗水を絞りきる、
すなわちスクイズローラーを経て乾燥しても良い。乾燥
は約40〜約100℃で行われ、乾燥時間は周囲の状態
によって適宜かえられる。乾燥方法は公知のいずれの方
法を用いることができ特に限定はないが、温風乾燥や、
例えば特開平4−15534号、同5−2256号、同
5−289294号に開示されているようなヒートロー
ラーによる乾燥、遠赤外線による乾燥などがあり、複数
の方法を併用してもよい。
【0155】本発明における現像および定着処理剤が液
剤の場合、たとえば特開昭61−73147に記載され
たような、酸素透過性の低い包材で保管する事が好まし
い。さらにこれらの液が濃縮液の場合、所定の濃度にな
るように、濃縮液1部に対して水0.2〜3部の割合で
希釈して使用される。
【0156】本発明における現像処理剤及び定着処理剤
は固形にしても液剤同様の結果が得られるが、以下に固
形処理剤に関する記述を行う。本発明における固形剤
は、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コ
ンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状な
ど)が使用できる。これらの固形剤は、接触して互いに
反応する成分を分離するために、水溶性のコーティング
剤やフィルムで被覆しても良いし、複数の層構成にして
互いに反応する成分を分離しても良く、これらを併用し
ても良い。
【0157】被覆剤、造粒助剤には公知のものが使用で
きるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物が好まし
い。この他、特開平5−45805カラム2の48行〜
カラム3の13行目が参考にできる。
【0158】複数の層構成にする場合は、接触しても反
応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成
にして錠剤やブリケット等に加工しても良いし、公知の
形態の成分を同様の層構成にして包装しても良い。これ
らの方法は、たとえば特開昭61−259921、特開
平4−16841、同4−78848、同5−9399
1等に示されている。
【0159】固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g
/cm3 が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/cm3
が好ましく、顆粒は0.5〜1.5g/cm3 が好まし
い。
【0160】本発明における固形処理剤の製法は、公知
のいずれの方法を用いることができる。たとえば、特開
昭61−259921、特開平4−15641、特開平
4−16841、同4−32837、同4−7884
8、同5−93991、特開平4−85533、同4−
85534、同4−85535、同5−134362、
同5−197070、同5−204098、同5−22
4361、同6−138604、同6−138605、
特願平7−89123等を参考にすることができる。
【0161】より具体的には転動造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、解砕造粒法、攪拌造粒法、スプレード
ライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコ
ンパクティング法等を用いることができる。
【0162】本発明における固形剤は、表面状態(平
滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のド
ーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。
さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶
解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形
状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の
異なる多層の造粒物でも良い。
【0163】固形剤の包材は、酸素および水分透過性の
低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状な
どの公知のものが使用できる。また、特開平6−242
585〜同6−242588、同6−247432、同
6−247448、特願平5−30664、特開平7−
5664、同7−5666〜同7−5669に開示され
ているような折り畳み可能な形状にすることも、廃包材
の保管スペース削減のためには好ましい。これらの包材
は、処理剤の取り出し口にスクリューキャップや、プル
トップ、アルミシールをつけたり、包材をヒートシール
してもよいが、このほかの公知のものを使用しても良
く、特に限定はしない。さらに環境保全上、廃包材をリ
サイクルまたはリユースすることが好ましい。
【0164】本発明の固形処理剤の溶解および補充の方
法としては特に限定はなく、公知の方法を使用すること
ができる。これらの方法としてはたとえば、攪拌機能を
有する溶解装置で一定量を溶解し補充する方法、特願平
7−235499に記載されているような溶解部分と完
成液をストックする部分とを有する溶解装置で溶解し、
ストック部から補充する方法、特開平5−11945
4、同6−19102、同7−261357に記載され
ているような自動現像機の循環系に処理剤を投入して溶
解・補充する方法、溶解槽を内蔵する自動現像機で感光
材料の処理に応じて処理剤を投入し溶解する方法などが
あるが、このほかの公知のいずれの方法を用いることも
できる。また処理剤の投入は、人手で行っても良いし、
特願平7−235498に記載されているような開封機
構を有する溶解装置や自動現像機で自動開封、自動投入
してもよく、作業環境の点からは後者が好ましい。具体
的には取り出し口を突き破る方法、はがす方法、切り取
る方法、押し切る方法や、特開平6−19102、同6
−95331に記載の方法などがある。
【0165】感光材料の現像処理方法が適用される写真
感光材料には特別な制限はなく、一般の黒白感光材料に
加えて反転処理されるカラー感光材料(例えばカラー反
転フィルムまたはペーパー)も用いることができる。特
に医療画像のレーザープリンター用写真感光材料や印刷
用感材並びに、医療用直接撮影X−レイ感材医療用間接
撮影X−レイ感材、ヒドラジン造核系硬調フィルム、C
RT画像記録用感材、マイクロ用感材、一般黒白ネガフ
ィルム、黒白印画紙などに用いることが好ましい。
【0166】ハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成は特に制
限はなく、塩化銀、沃化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀のようなハロゲン化銀を親水性コロイド
に分散したものである。ハロゲン化銀乳剤は、通常当業
界でよく知られた方法(例えば、シングルジェット法、
ダブルジェット法、コントロールドジェット法など)に
よって水溶性銀塩(例えば、硝酸銀)と水溶性ハロゲン
塩とを水および親水性コロイドの存在下で混合し、物理
熟成および金増感および/または硫黄増感などの化学熟
成を経て製造される。本発明で用いられるハロゲン化銀
の粒子形状には特別な制限はなく、立方体、8面体、球
状の他、Research Disclosure 22534(January 1
983)に記載された高アスペクト比の平板状のハロゲ
ン化銀粒子などのいずれも用いることができる。
【0167】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤のハロゲン組成に特別な制限はないが、本発明の目的
をより効果的に達成するうえで、塩化銀含有率50モル
%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀が好ましい。沃
化銀の含有率は5モル%を下回ること、特に2モル%よ
り少ないことが好ましい。
【0168】本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafki
des 著 Chimie et Physique Photographique(Paul Mont
el社刊、1967年) 、G.F.Dufin 著 Photographic Emulsi
on Chemistry(The Focal Press刊、1966年) 、V.L.Zeli
kman et al著 Making and Coating Photographic Emuls
ion(The Focal Press 刊、1964年)などに記載された方
法を用いて調製することができる。
【0169】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させ
る方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組
み合わせなどのいずれを用いても良い。粒子を銀イオン
過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)
を用いることもできる。同時混合法の一つの形式として
ハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ
方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェ
ット法を用いることもできる。またアンモニア、チオエ
ーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤
を使用して粒子形成させることが好ましい。より好まし
くは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−824
08号、同55−77737号に記載されている。好ま
しいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジンチオンである。コントロ
ールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使
用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ
分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本
発明に用いられるハロゲン化銀乳剤を作るのに有用な手
段である。また、粒子サイズを均一にするためには、英
国特許第1,535,016号、特公昭48−3689
0号、同52−16364号に記載されているように、
硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度
に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,4
45号、特開昭55−158124号に記載されている
ように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽
和度を越えない範囲において早く成長させることが好ま
しい。本発明の乳剤は単分散乳剤が好ましく変動係数が
20%以下、特に好ましくは15%以下である。単分散
ハロゲン化銀乳剤中の粒子の平均粒子サイズは0.5μ
m 以下であり、特に好ましくは0.1μm 〜0.4μm
である。
【0170】X−レイ感材の場合には、写真感光材料の
銀量は、支持体の両側の合計として8.0g/m2以下よ
り好ましくは4.0g/m2以下であることが望ましい。
感材には、必要に応じてハロゲン化銀乳剤層以外に親水
性コロイド層を有することができ、公知の方法に準じて
表面保護層を設けることが好ましい。乳剤層を含む親水
性コロイド層を有する側のゼラチン量は2.0g/m2
上5.0g/m2未満の範囲にあることが好ましく、特に
2.5g/m2以上4.0g/m2未満の範囲に設定されて
いることが好ましい。感材のメルティング・タイムは2
0分以上100分以下に設定されていることが好まし
い。このメルティング・タイムの測定方法は特開昭63
−221341号に記載の方法に従う。
【0171】ハロゲン界面活性剤写真感光材料は支持体
上に少なくとも1層のハロゲン界面活性剤乳剤層を有す
るものであるが、直医X−レイ感材の場合は特開昭58
−127921号、同59−90841号、同58−1
11934号、同61−201235号等に記載されて
いる如く、支持体の両方の側にそれぞれ少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤層を有するものが好ましい。写真材
料は、その他、必要に応じて、中間層、フィルター層、
ハレーション防止層などを有することができる。感光材
料の銀量としては、好ましくは0.5g/m2〜5g/m2
(片面で)、より好ましくは1g/m2〜3g/m2(片面
で)である。迅速処理適性としては5g/m2をこえない
ことが好ましい。また一定の画像濃度、コントラストを
得るためには0.5g/m2以上が好ましい。
【0172】X−レイ感材で用いる乳剤粒子は、乳剤中
のハロゲン化銀粒子は立方体、八面体のような規則的な
結晶形を有するものでよく、球状、板状、じゃがいも状
のような不規則な結晶形を有するものでもよく、種々の
結晶形の粒子の混合からなりたってのよい。ハロゲン化
銀粒子の組成としては、沃臭化銀、臭化銀、沃塩臭化
銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化銀のいずれであってもよ
いが、高感度で迅速処理性に優れるという観点から沃化
銀含量が0.6モル%以下の沃臭化銀、塩化銀含量が2
0モル%以上100モル%未満、特に50モル%以上9
9モル%未満の沃塩臭化銀、塩臭化銀であることが望ま
しい。
【0173】平板状粒子の利用は好ましい態様である。
平板状粒子に関しては RESEARCH DISCLOSURE 225巻
Item 22534、20〜58、1月号(1983)お
よび特開昭58−127921号、特開昭58−113
926号、特開昭58−113927号、特開昭58−
113928号、米国特許第4,439,520号を参
照することができる。
【0174】本発明で用いられるX−レイ感材の場合に
は、少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロゲ
ン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積
の50%以上、好ましくは60%〜100%、より好ま
しくは70〜100%が主平面が(100)又は(11
1)面であるアスペクト比2以上の平板状粒子である。
ここに、平板状粒子とはアスペクト比(直径/厚さ)が
1より大きい粒子である。主平面は平板状粒子の最大外
表面を指す。該平板状粒子の厚さは0.35μm 以下で
あり0.05〜0.3μm がより好ましく、0.05〜
0.25μm が更に好ましい。好ましいアスペクト比は
2以上、好ましくは3〜30、より好ましくは5〜20
である。ここで直径とは、該平板状粒子の投影面積と等
しい面積を有する円の直径を指し、厚さは2つの主平面
間の距離を指す。Cl- 含率20モル%以上、好ましく
は30モル%〜100%、より好ましくは40〜100
モル%、更に好ましくは50〜100モル%が好まし
い。
【0175】X−レイ感材に用いられるハロゲン化銀乳
剤として、環境対応システムとして好ましいのは塩臭化
銀および/または塩化銀平板状乳剤である。塩臭化銀お
よび/または塩化銀平板状乳剤には、晶癖として主に
(111)面を有する乳剤と、主に(100)面を有す
る乳剤とが知られている。(111)塩臭化銀平板状乳
剤としては、特公昭64−8325号、同64−832
6号、特開昭62−111936号、特開昭62−16
3046号などが公知である。一方、(100)塩臭化
銀平板状乳剤としては、特開昭51−88017号、特
公昭64−8323号、欧州特許0,534,395A
1などに記載されている。しかし、粒子サイズ分布が狭
く高感度であるという理由で特願平5−287226お
よび特願平5−271057に記載の技術が特に望まし
く、特願平5−316677にあるような(100)塩
化銀平板状粒子とアスコルビン酸現像処理の組合せも好
ましい態様である。平板状ハロゲン化銀乳剤を使用する
ことによって、本発明によるランニング処理の際の写真
性の安定性をさらに上げることができる。また、塗布銀
量を少なくすることができるために、特に定着工程と乾
燥工程の負荷が軽減され、この点からも迅速処理が可能
になる。
【0176】平板状ハロゲン化銀乳剤は、クナック(Cu
gnac)およびシャトー(Chateau)「物理的熟成時の臭化
銀結晶の形態学の進展(イボルーション・オブ・ザ・モ
ルフォルジー・オブ・シルバー・プロマイド・クリスタ
ルズ・デュアリング・フィジカル・ライプニング)」サ
イエンス・エ・インダストリエ・フォトグラフィー、3
3巻、 No.2(1962)、pp.121−125、ダ
フィン(Duffin) 著「フォトグラフィク・エマルジョン
・ケミストリー(Photographic emulsion chemistry
)」フォーカル・プレス(Focal Press)、ニューヨー
ク、1966年、p.66〜p.72、A.P.H.トリベリ
(Tribvlli) 、W.F.スミス(Smith)フォトグラフィック
・ジャーナル(Photographic Journal) 、80巻、28
5頁(1940年)等に記載されているが特開昭58−
127,921、特開昭58−113,927、特開昭
58−113,928に記載された方法等を参照すれば
容易に調製できる。
【0177】印刷用感光材料の場合、単分散乳剤が好ま
しく、{(粒径の標準偏差)/(平均粒径)}×100
で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15
%以下である。ハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒子サイズ
は0.5μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μ
m〜0.4μmである。
【0178】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
VIII族に属する金属を含有してもよい。特にスキャナー
露光の様な高照度露光に適した感光材料及び線画撮影用
感光材料は、高コントラスト及び低カブリを達成するた
めに、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム
化合物などを含有することが好ましい。また、高感度化
のためには鉄化合物を含有することが好ましい。本発明
に用いられるロジウム化合物として、水溶性ロジウム化
合物を用いることができる。たとえば、ハロゲン化ロジ
ウム(III) 化合物、またはロジウム錯塩で配位子として
ハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つもの、たとえ
ば、ヘキサクロロロジウム(III) 錯塩、ヘキサブロモロ
ジウム(III) 錯塩、ヘキサアミンロジウム(III) 錯塩、
トリザラトロジウム(III) 錯塩等が挙げられる。これら
のロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して
用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるた
めに一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水
素水溶液(たとえば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいは
ハロゲン化アルカリ(たとえばKCl、NaCl、KB
r、NaBr等)を添加する方法を用いることができ
る。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製
時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲ
ン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。本
発明に用いられるイリジウム化合物としては、ヘキサク
ロロイリジウム、ヘキサブロモイリジウム、ヘキサアン
ミンイリジウムが挙げられる。本発明に用いられるルテ
ニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペン
タクロロニトロシルルテニウムが挙げられる。本発明に
用いられる鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸
カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
【0179】これらの化合物の添加量は、ハロゲン化銀
乳剤の銀1モル当たり1×10-8〜5×10-6モル、好
ましくは5×10-8〜1×10-6モルである。これらの
化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時及び乳
剤を塗布する前の各段階において適宜行うことができる
が、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組
み込まれることが好ましい。
【0180】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感され
ることが好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの
知られている方法を用いることができ、単独または組み
合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合には、
例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増
感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法
などが好ましい。本発明に用いられる硫黄増感は、通
常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を
一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤とし
ては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラ
チン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合
物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ロ
ーダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合
物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤
の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒
子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-7〜10-2モルであり、より好ま
しくは10-5〜10-3モルである。
【0181】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号、同43−13489号、
特願平2−13097号、同2−229300号、同3
−121798号等に記載の化合物を用いることができ
る。特に特願平3−121798号中の一般式(VIII)
および(IX) で示される化合物を用いることが好まし
い。
【0182】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特願平4−
146739号に記載の方法で試験することができる。
具体的には米国特許第1,623,499号、同第3,
320,069号、同第3,772,031号、英国特
許第235,211号、同第1,121,496号、同
第1,295,462号、同第1,396,696号、
カナダ特許第800,958号、特願平2−33381
9号、同3−53693号、同3−131598号、同
4−129787号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソ
サイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Che
m.Soc.Chem.Commun.) 635(1980),ibid 1102(1979), ibi
d 645(1979) 、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイア
ティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Per
kin.Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai) 編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and Tellunium Compounds), Vol 1(19
86) 、同Vol 2(1987) に記載の化合物を用いることがで
きる。特に特願平4−146739号中の一般式(II)
(III)(IV)で示される化合物が好ましい。
【0183】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。本発
明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラ
ジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好
ましい。本発明に用いられる金増感剤としては具体的に
は、塩化金酸、カリウムクロレート、カリウムオーリチ
オシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン化銀1
モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができ
る。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀
粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム
塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよ
い。本発明においては、還元増感を用いることができ
る。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルム
アミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いること
ができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許
(EP)−293,917号に示される方法により、チ
オスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用いら
れる感光材料中のハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよ
いし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるも
の、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化
学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。
【0184】本発明において、返し用感光材料として特
に適したハロゲン化銀乳剤は90モク%以上、より好ま
しくは95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀で
あり、臭化銀を0〜10モル%含む塩臭化銀もしくは塩
沃臭化銀である。臭化銀あるいは沃化銀の比率が増加す
ると明室下でのセーフライト安全性の悪化、あるいはγ
が低下して好ましくない。
【0185】また、本発明の返し用感光材料に用いるハ
ロゲン化銀乳剤は、遷移金属錯体を含むことが望まし
い。遷移金属としては、Rh、Ru、Re、Os、I
r、Cr、などが挙げられる。配位子としては、ニトロ
シル及びチオニトロシル架橋配位子、ハロゲン化物配位
子(フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物)、シアン
化物配位子、シアネート配位子、チオシアネート配位
子、セレノシアネート配位子、テルロシアネート配位
子、アシド配位子及びアコ配位子が挙げられる。アコ配
位子が存在する場合には、配位子の1つ又は2つを占め
ることが好ましい。これらの水溶性金属塩の添加量はハ
ロゲン化銀1モル当り1.0×10-6モル〜1.0×1
-3モルの範囲で用いられる。好ましくは1.0×10
-5モル〜1.0×10-3モル、特に好ましくは5.0×
10-5〜5.0×10-4モルである。
【0186】具体的には、ロジウム塩としては、一塩化
ロジウム、二塩化ロジウム、三塩化ロジウム、ヘキサク
ロロロジウム酸アンモニウム等が挙げられるが、好まし
く水溶性の三価のロジウムのハロゲン錯化合物、例えば
ヘキサクロロロジウム(III)酸もくしはその塩(アンモ
ニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)である。
【0187】又、以下の遷移金属錯体も好ましい。 1 〔Ru(NO)Cl5 -2 2 〔Ru(NO)2 Cl4 -1 3 〔Ru(NO)(H2 O)Cl4 -1 4 〔Rh(NO)Cl5 -2 5 〔Re(NO)CN5 -2 6 〔Re(NO)ClCN4 -2 7 〔Rh(NO)2 Cl4 -1 8 〔Rh(NO)(H2 O)Cl4 -1 9 〔Ru(NO)CN5 -2 10 〔Ru(NO)Br5 -2 11 〔Rh(NS)Cl5 -2 12 〔Os(NO)Cl5 -2 13 〔Cr(NO)Cl5 -3 14 〔Re(NO)2 Cl5 -1 15 〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕-2 16 〔Ru(NS)I5 -2 17 〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕-2 18 〔Os(NS)Cl(SCN)4 -2 19 〔Ir(NO)Cl5 -2
【0188】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよい。増感色素の添加量
は、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズ等により異なる
が、ハロゲン化銀1モル当り4×10-6〜8×10-3
ルの範囲で用いられる。例えば、ハロゲン化銀粒子サイ
ズが0.2〜1.3μm の場合には、ハロゲン化銀粒子
の表面積1m2当り、2×10-7〜3.5×10-6モルの
添加量範囲が好ましく、特に6.5×10-7〜2.0×
10-6モルの添加量範囲が好ましい。増感色素として
は、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックス
シアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロ
ホーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色
素、オキソール色素、ヘミオキソノール色素を等を用い
ることができる。本発明に使用される有用な増感色素は
例えばRESEARCH DISCLOSURE Item 17643IV-A項(1978年
12月, p.23) 、同 Item 1831 X項(1978年8月, p.437)
に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に
各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有す
る増感色素を有利に選択することができる。例えば A)アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭60−1
62247号、特開平2−48653号、米国特許第
2,161,331号、西独特許第936,071号、
特願平3−189532号記載のシンプルメロシアニン
類、B)ヘリウム−ネオンレーザー光源に対しては、特
開昭50−62425号、同54−18726号、同5
9−102229号に示された三核シアニン色素類、特
願平6−103272号に示されたメロシアニン色素
類、C)LEC光源及び赤色半導体レーザーに対しては
特公昭48−42172号、同51−9609号、同5
5−39818号、特開昭62−284343号、特開
平2−105135号に記載されたチアカルボンシアニ
ン類、D)赤外半導体レーザー光源に対しては特開昭5
9−191032号、特開昭60−80841号に記載
されたトリカルボンシアニン類、特開昭59−1922
42号、特開平3−67242号の一般式(IIIa)、一
般式(IIIb)に記載された4−キノリン核を含有するジ
カルボシアニン類なとが有利に選択される。これらの増
感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用い
てもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的で
しばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光
増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収
しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含
んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組
合せ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロー
ジャー(Research Disclosure) 176巻17643(1
978年12月発行)第23頁IVのJ項に記載されてい
る。
【0189】アルゴンレーザー光源に対しては、具体的
には特願平7−104647号に記載のS1−1〜S1
−13の色素が特に好ましく用いられる。
【0190】ヘリウム−ネオン光源に対しては、前記の
他に特願平4−228745号の8頁の下から1行目か
ら13頁の上から4行目に記載の一般式(I)で表わさ
れる増感色素が好ましい。また、特願平4−22874
5号の一般式(I)記載のものも好ましく用いられる。
具体的には特願平7−104647号に記載のS2−1
〜S2−10の色素が好ましく用いられる。特に好まし
くは特願平6−103272号の一般式(I)で示され
る具体的化合物I−1〜I−34である。
【0191】LED光源及び赤外半導体レーザーに対し
ては、具体的には特願平7−104647号に記載S3
−1〜S3−8の色素が特に好ましく用いられる。赤外
半導体レーザー光源に対しては、具体的には特願平7−
104647号に記載S4−1〜S4−9の色素が特に
好ましく用いられる。
【0192】カメラ撮影などの白色光源に対しては、特
願平5−201254号に記載の一般式(IV)の増感色
素(20頁14行目から22頁23行目)が好ましく用
いられる。具体的には特願平7−104647号に記載
S5−1〜S5−20の色素が特に好ましく用いられ
る。
【0193】本発明の処理に用いられるグラフィックア
ーツ用の超硬調感光材料は、ヒドラジン造核剤を含有す
ることが好ましく、更にはこれに加えて造核促進剤を含
有していることが好ましい。
【0194】ヒドラジン造核剤としては、下記一般式
(D)で表される化合物が好ましく用いられる。 一般式(D)
【0195】
【化45】
【0196】式中、R9 は脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表し、R12は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アミノ基またはヒドラジノ基を表し、G1 は−CO
−基、SO2 −基、−SO−基、
【0197】
【化46】
【0198】−CO−CO−基、チオカルボニル基、ま
たはイミノメチレン基を表し、A1 、A2 はともに水素
原子、あるいは一方が水素原子で他方が置換もしくは無
置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置
換のアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換
のアシル基を表す。R13はR12に定義した基と同じ範囲
内より選ばれ、R12と異なってもよい。
【0199】一般式(D)において、R9 で表わされる
脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無
置換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基である。一般式(D)において、R
9 で表わされる芳香族基は単環もくしは2環のアリール
基で、例えばベンゼン環、ナフタレン環である。R9
表わされるヘテロ環基としては、単環または2環の、芳
香族または非芳香族のヘテロ環、アリール基と縮環して
ヘテロアリール基を形成してもよい。例えばピリジン
環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、キ
ノリン環、イソキノリン環、ベンズイミダゾール環、チ
アゾール環、ベンゾチアゾール環等が挙げられる。R9
として好ましいものはアリール基である。R9 は置換さ
れていてもよく、代表的な置換基としては例えばアルキ
ル基(活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、複素環を含む基、4級化された窒素
原子を含むヘテロ環(例えばピリジニオ基)を含む基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしく
はプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、
アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カル
バモイル基、ウレタン基、カルボキシル基、イミド基、
アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレ
イド基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、セ
ミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基
を含む基、4級のアンモニオ基を含む基、(アルキル、
アリール、またはヘテロ環)チオ基、メルカプト基、
(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキル
またはアリール)スルフィニル基、スルホ基、スルファ
モイル基、アシルスルファモイル基、(アルキルもしく
はアリール)スルホニルウレイド基、(アルキルもしく
はアリール)スルホニルカルバモイル基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、リン酸アミド、燐酸エステル
構造を含む基、アシルウレア構造を持つ基、セレン原子
またはテルル原子を含む基、3級スルホニウム構造また
は4級スルホニウム構造を持つ基などが挙げられる。好
ましい置換基としては直鎖、分岐または環状のアルキル
基(好ましくは炭素数1〜20のもの)、アラルキル基
(好ましくは炭素数が1〜20のもの)、アルコキシ基
(好ましくは炭素数1〜20のもの)、置換アミノ基
(好ましくは炭素数1〜20の置換アミノ基)、アシル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜30を持つもの)、ス
ルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜30を持つも
の)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30を持つも
の)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30のも
の)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30のも
の)などである。
【0200】一般式(D)において、R12で表わされる
アルキル基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキ
ル基であり、アリール基としては単環または2環のアリ
ール基が好ましく、例えばベンゼン環を含むものであ
る。ヘテロ環基としては少なくとも1つの窒素、酸素、
および硫黄原子を含む5〜6員環の化合物で、例えばイ
ミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラ
ゾリル基、ピリジル基、ピリジニオ基、キノリニオ基、
キノリニル基などがある。ピリジル基またはピリジニル
基が特に好ましい。アルコキシ基としては炭素数1〜8
のアルコキシ基のものが好ましく、アリーるオキシ基と
しては単環のものが好ましく、アミノ基としては無置換
アミノ基、及び炭素数1〜10のアルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、ヘテロ環アミノ基が好ましい。R12
置換されていても良く、好ましい置換基としてはR9
置換基として例示したものがあてはまる。R12で表わさ
れる基のうち好ましいものは、G1 が−CO−基の場合
には、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、トリ
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−カルボキ
シテトラフルオロエチル基、ピリジニオメチル基、3−
ヒドロキシプロピル基、3−メタンスルホンアミドプロ
ピル基、フェニルスルホニルメチル基など)、アラルキ
ル基(例えば、o−ヒドロキシベンジル基など)、アリ
ール基(例えば、フェニル基、3,5−ジクロロフェニ
ル基、o−メタンスルホンアミドフェニル基、o−カル
バモイルフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ヒド
ロキシメチルフェニル基など)などであり、特に水素原
子、アルキル基が好ましい。また、G1 が−SO2 −基
の場合には、R12はアルキル基(例えば、メチル基な
ど)、アラルキル基(例えば、o−ヒドロキシベンジル
基など)、アリール基(例えば、フェニル基など)また
は置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基など)など
が好ましい。G1 が−COCO−基の場合にはアルコキ
シ基、アリールオキシ基、アミノ基が好ましく、特に置
換アミノ基(例えば、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−4−イルアミノ基、プロピルアミノ基、アニ
リノ基、o−ヒドロキシアニリノ基、5−ベンゾトリア
ゾリルアミノ基、N−ベンジル−3−ピリジニオアミノ
基等)が好ましい。又、R12はG1 −R12の部分を残余
分子から分裂させ、−G1 −R12部分の原子を含む環式
構造を生成させる環化反応を生起するようなものであっ
てもよく、その例としては、例えば特開昭63−297
51号などに記載のものが挙げられる。
【0201】A1 、A2 は水素原子、炭素数20以下の
アルキルまたはアリールスルホニル基(好ましくはフェ
ニルスルホニル基、又はハメットの置換基定数の和が−
0.5以上となるように置換されたフェニルスルホニル
基)、炭素数20以下のアシル基(好ましくはベンゾイ
ル基、又はハメットの置換基定数の和が−0.5以上と
なるように置換されたベンゾイル基、あるいは直鎖又は
分岐状、又は環状の無置換及び置換脂肪族アシル基(置
換基としては、例えばハロゲン原子、エーテル基、スル
ホンアミド基、カルボンアミド基、水酸基、カルボキシ
基、スルホン酸基が挙げられる))である。A1 、A2
としては水素原子が最も好ましい。
【0202】一般式(D)のR9 、R12の置換基はさら
に置換されていても良く、好ましい例としてはR9 の置
換基として例示したものが挙げられる。さらにその置換
基、その置換基の置換基、置換基の置換基の置換基・・
・、というように多重に置換されていても良く、好まし
い例はやはりR9 の置換基として例示したものがあては
まる。
【0203】一般式(D)のR9 またはR12はその中に
カプラー等の不動性写真用添加剤において常用されてい
るバラスト基またはポリマーが組み込まれているもので
もよい。バラスト基は8以上の炭素数を有する、写真性
に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、
アラルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アルキルフ
ェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などの
中から選ぶことができる。またポリマーとしては、例え
ば特開平1−100530号に記載のものが挙げられ
る。
【0204】一般式(D)のR9 またはR12はその中に
ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれ
ているものでもよい。かかる吸着基としては、アルキル
チオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、
メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号、同4,459,347号、特開
昭59−195233号、同59−200231号、同
59−201045号、同59−201046号、同5
9−201047号、同59−201048号、同59
−201049号、特開昭61−170733号、同6
1−270744号、同62−948号、同63−23
4244号、同63−234245号、同63−234
246号に記載された基が挙げられる。またこれらハロ
ゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよ
い。その様なプレカーサーとしては、特開平2−285
344号に記載された基が挙げられる。
【0205】一般式(D)のR9 またはR12は、置換基
としてヒドラジノ基を複数個含んでいてもよく、この時
一般式(D)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関し
ての多量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86
134号、特開平4−16938号、特開平5−197
091号に記載された化合物が挙げられる。
【0206】次に本発明において、特に好ましいヒドラ
ジン誘導体について述べる。R9 は置換フェニル基が特
に好ましく、スルホンアミド基、アシルアミノ基、ウレ
イド基、またはカルバモイル基を介してバラスト基、ハ
ロゲン化銀への吸着基、4級アンモニオ基を含む基、エ
チレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、アルキル、ア
リール、またはヘテロ環チオ基、アルカリ性の現像処理
液中で解離しうる基(カルボキシル基、スルホ基、アシ
ルスルファモイル基等)、または多量体を形成しうるヒ
ドラジノ基が置換されていることが好ましい。R9 は最
も好ましくはベンゼンスルホンアミド基で置換されたフ
ェニル基で、そのベンゼンスルホンアミド基の置換基と
しては、同じく前述の何れかの基を有することが好まし
い。G1 は−CO−基または−COCO−基が好まし
く、特に−CO−基が好ましい。R12は、G1 が−CO
−基の時、水素原子、置換アルキル基または置換アリー
ル基(置換基としては電子吸引性基またはo−ヒドロキ
シメチル基が好ましい)で、またG1 が−COCO−基
の時は置換アミノ基が特に好ましい。
【0207】一般式(D)で示される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は以下の化合物に限定され
るものではない。
【0208】
【表13】
【0209】
【表14】
【0210】
【表15】
【0211】
【表16】
【0212】
【表17】
【0213】
【表18】
【0214】
【表19】
【0215】
【表20】
【0216】
【表21】
【0217】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては、上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好
ましく用いられる。本発明に用いられるヒドラジン誘導
体はまた、下記の特許に記載された種々の方法により、
合成することができる。特公平6−77138号に記載
の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3
頁、4頁に記載の化合物。特公平6−93082号に記
載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公
報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−
230497号に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表わされる化合物で、具体的には同
公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−
10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−4
2、および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合
物6−7。特開平6−289520号に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7) および2−1)。特開平6−313936号に記載
の(化2)および(化3)で表される化合物で、具体的
には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6−3
13951号に記載の(化1)で表される化合物で、具
体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特開平7−
5610号に記載の一般式(I)で表される化合物で、
具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜
I−38。特開平7−77783号に記載の一般式(I
I)で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜2
7頁に記載の化合物II−1〜II−102。特開平7−1
04426号に記載の一般式(H)および一般式(H
a)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15
頁に記載の化合物H−1〜H−44。特願平7−191
007号に記載の、ヒドラジン基の近傍にアニオン性基
またはヒドラジンの水素原子と分子内水素結合を形成す
るメニオン性基を有することを特徴とする化合物で、特
に一般式(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式
(D)、一般式(E)、一般式(F)で表される化合物
で、具体的には同公報に記載の化合物N−1〜N−3
0。特願平7−191007号に記載の一般式(1)で
表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物D
−1〜D−55。
【0218】本発明のヒドラジン系造核剤は、適当な水
混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エ
タノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブな
どに溶解して用いることができる。また、既によく知ら
れている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、ト
リクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート
あるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチル
やシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機
械的に乳化分散物を作製して用いることができる。ある
いは固体分散法として知られている方法によって、ヒド
ラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、コロイドミ
ル、あるいは超音波によって分散し用いることができ
る。
【0219】本発明のヒドラジン造核剤は、支持体に対
してハロゲン化銀乳剤層側の該ハロゲン化銀乳剤層ある
いは他の親水性コロイド層のどの層に添加してもよい
が、該ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水
性コロイド層に添加することが好ましい。本発明の造核
剤添加量はハロゲン化銀1モルに対し1×10-6〜1×
10-2モルが好ましく、1×10-5〜5×10-3モルが
より好ましく、2×10-5〜5×10-3モルが最も好ま
しい。
【0220】ハロゲン化銀写真感光材料には、ハロゲン
化銀乳剤層またはその他のの親水性コロイド層中に、下
記一般式(E)、(F)、(G)、(H)で表されるオ
ニウム塩化合物、またはアミノ化合物の少なくとも一種
を造核促進剤として含有することが好ましい。 一般式(E)
【0221】
【化47】
【0222】式中、R10、R20、R30はアルキル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基
を表し、Qは窒素原子またはリン原子を表す。LはQ+
とその炭素原子で結合するm価の有機基を表し、ここに
mは1から4の整数を表す。X3 p-はp価の対アニオン
を表し、ここにpは1から3の整数を表す。但しR10
20、R30またはLが、その置換基にアニオン基を有
し、Q+ と分子内塩を形成する場合、X3 p-は必要な
い。 一般式(F)
【0223】
【化48】
【0224】一般式(G)
【0225】
【化49】
【0226】式中、A3 、A4 、A5 、A6 は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表す。B、Cはそれ
ぞれ、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキ
ニレン、−SO2 −、−SO−、−O−、−S−、−N
(RN)−、−C=O−、−P=O−を単独または組み
合わせて構成される2価の連結基を表す。ただし、RN
は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基を
表わす。R14、R15は各々アルキル基、アラルキル基を
表す。X3 p-はp価の対アニオンを表し、ここにpは1
から3の整数を表す。但し分子内塩を形成しうる場合、
3 p-は必要ない。 一般式(H)
【0227】
【化50】
【0228】式中Z2 は、4級化された窒素原子を含
む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテロ環を完成させる
ための有機残基を表す。R16はアルキル基、アラルキル
基を表す。X3 p-はp価の対アニオンを表し、ここにp
は1から3の整数を表す。但し分子内塩を形成しうる場
合、X3 p-は必要ない。
【0229】本発明に用いられる一般式(E)、
(F)、(G)および(H)で表されるオニウム塩化合
物について、以下詳細に説明する。まず一般式(E)に
ついて、詳細に説明する。
【0230】
【化51】
【0231】式中R10、R20、R30はアルキル基、シク
ロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル
基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基を
表わし、これらはさらに置換基を有していてもよい。Q
はリン原子または窒素原子を表す。LはQ+ とその炭素
原子で結合するm価の有機基を表わし、ここにmは1か
ら4の整数を表す。X3 p-はp価の対アニオンを表わ
し、pは1から3の整数を表す。但しR10、R20、R30
またはLが、その置換基にアニオン基を有し、Q+ と分
子内塩を形成する場合、X3 p-は必要ない。R10
20、R30で表わされる基の例としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基などの直鎖又は分枝状のアルキル
基;置換もしくは無置換のベンジル基などのアラルキル
基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基などのシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル
基、フェナントリル基などのアリール基;アリル基、ビ
ニル基、5−ヘキセニル基、などのアルケニル基;シク
ロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのシクロアル
ケニル基;フェニルエチニル基等のアルキニル基;ピリ
ジル基、キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チア
ゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、
ベンゾチアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピ
ロリジル基などのヘテロ環基が挙げられる。これらの基
上に置換した置換基の例としては、R10、R20、R30
表わされる基の他に、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、(アル
キルもしくはアリール)アミノ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、(アルキルまたはアリール)チオ基、カ
ルボンアミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、
スルファモイル基、ヒドロキシル基、スルホキシ基、ス
ルホニル基、カルボキシル基(カルボキシラートを含
む)、スルホン酸基(スルホナトートを含む)、シアノ
基、オキシカルボニル基、アシル基等が挙げられる。L
で表わされる基の例としては、mが1を表す時、R10
20、R30と同義の基が挙げられるが、この他にmが2
以上の整数を表す時、トリメチレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基、ペンタメチレン基、オクタメチ
レン基、ドデカメチレン基などのポリメチレン基、フェ
ニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基などのアリー
レン基、トリメチレンメチル基、テトラメチレンメチル
基などの多価アルキレン基、フェニレン−1,3,5−
トルイル基、フェニレン−1,2,4,5−テトライル
基などの多価アリーレン基などが挙げられる。X3 p-
表わされる対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテー
トイオン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベ
ンゾエートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−
トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンス
ルホネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネート
イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝
酸イオン等が挙げられる。一般式(E)において、
10、R20、R30は好ましくは炭素数20以下の基であ
り、Qがリン原子を表す時、炭素数15以下のアリール
基が特に好ましく、Qが窒素原子を表す時、炭素数15
以下のアルキル基、アラルキル基、アリール基が特に好
ましい。mは1または2が好ましく、mが1を表わす
時、Lは好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素
数15以下のアルキル基、アラルキル基、またはアリー
ル基が特に好ましい。mが2を表わす時、Lで表わされ
る2価の有機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレ
ン基、アラルキレン基、さらにこれらの基と−CO−
基、−O−基、−N(RN′)−基(RN′は水素原子
またはR10、R20、R30と同義の基を表わし、分子内に
複数のRN′が存在する時、これらは同じであっても異
なっていても良く、さらには互いに結合していても良
い)、−S−基、−SO−基、−SO2 −基を組み合わ
せて形成される2価の基である。mが2を表わす時、L
はその炭素原子でQ+ と結合する総炭素数20以下の2
価の基であることが好ましい。mが2以上の整数を表わ
す時、分子内にR10、R20、R30はそれぞれ複数存在す
るが、その複数のR10、R20、R30はそれぞれ同じであ
っても異なっていても良い。X3 p-で表わされる対アニ
オンとしては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオ
ン、スルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、pは
1または2が好ましい。本発明の一般式(E)で表わさ
れる化合物の多くのものは公知であり、試薬として市販
のものである。一般的合成法としては、Qがリン原子の
時、ホスフィン酸類をハロゲン化アルキル類、スルホン
酸エステルなどのアルキル化剤と反応させる方法:ある
いはホスホニウム塩類の対陰イオンを常法により交換す
る方法がある。またQが窒素原子の時、1級、2級、も
しくは3級のアミノ化合物をハロゲン化アルキル類、ス
ルホン酸エステル等のアルキル化剤と反応させる方法が
ある。一般式(E)で表わされる化合物の具体例を以下
に示す。但し、本発明は以下の化合物に限定されるもの
でなはい。
【0232】
【化52】
【0233】
【化53】
【0234】
【化54】
【0235】
【化55】
【0236】
【化56】
【0237】
【化57】
【0238】
【化58】
【0239】次に一般式(F)および一般式(G)につ
いて更に詳細に説明する。
【0240】
【化59】
【0241】式中、A3 、A4 、A5 、A6 は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表わし、炭素原子、
水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよ
く、更にベンゼン環が縮環してもかまわない。A3 、A
4 、A5 、A6 が形成する不飽和ヘテロ環の例として
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダ
ゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾト
リアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリミジン環、ピ
ラゾール環などを挙げることができる。特に好ましく
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環である。
B、Cで表わされる2価の基は、アルキレン、アリーレ
ン、アルケニレン、アルキニレン、−SO2 −、−SO
−、−O−、−S−、−N(RN)−、−C=O−、−
P=O−を単独または組合せて構成されるものが好まし
い。ただし、RNはアルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、水素原子を表わす。特に好ましい例として、B、
Cはアルキレン、アリーレン、−C=O−、−O−、−
S−、−N(RN)−を単独または組合せて構成される
ものを挙げることができる。R14、R15は炭素数1〜2
0のアルキル基が好ましく、各々同じでも異なっていて
もよい。アルキル基に置換基が置換してもよく、置換基
としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、置換あるいは無置換のアルキル基(例えば、メチ
ル基、ヒドロキシエチル基など)、置換あるいは無置換
のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、p−ク
ロロフェニル基など)、置換あるいは無置換のアシル基
(例えば、ベンゾイル基、p−ブロモベンゾイル基、ア
セチル基など)、(アルキルもしくはアリール)オキシ
カルボニル基、スルホ基(スルホナートを含む)、カル
ボキシ基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ基、
アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基な
ど)、アリールオキシ基、カルボンアミド基、スルホン
アミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイ
ド基、チオウレイド基(アルキルもくしはアリール)ア
ミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基等が挙げられる。特に好ましくは、R14、R15
は各々炭素数1〜10のアルキル基である。好ましい置
換基の例として、カルバモイル基、オキシカルボニル
基、アシル基、アリール基、スルホ基(スルホナートを
含む)、カルボキシ基(カルボキシラートを含む)、ヒ
ドロキシ基を挙げることができる。A3 、A4 、A5
6 は4級化された窒素原子と共に形成する不飽和ヘテ
ロ環は、置換基を有していてもよい。この場合の置換基
の例としては、上記にR14、R15のアルキル基の置換基
として挙げた置換基から選ばれる。置換基として好まし
くは、炭素数0〜10のアリール基、アルキル基、カル
バモイル基、(アルキルもしくはアリール)アミノ基、
オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒドロキシ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルホ基
(スルホナートを含む)、カルボキシ基(カルボキシラ
ートを含む)等が挙げられる。X3 p-で表わされる対ア
ニオンについては、一般式(E)と同じものであり、そ
の好ましい範囲もまた同じである。
【0242】本発明の化合物は、一般によく知られた方
法により容易に合成することができるが、以下の文献が
参考になる。(参照、Quart.Rev., 16, 163(1962).) 一般式(F)及び一般式(G)の具体的化合物を以下に
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0243】
【化60】
【0244】
【化61】
【0245】
【化62】
【0246】
【化63】
【0247】次に一般式(H)について更に詳細に説明
する。
【0248】
【化64】
【0249】Z2 を含む含窒素不飽和ヘテロ環は、窒素
原子の他に炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子を
含んでいてもよく、さらにベンゼン環が縮環していても
よく、また置換基を有していてもよい。形成されるヘテ
ロ環の例としては、一般式(F)および一般式(G)の
3 、A4 、A5 、A6 が形成する含窒素不飽和ヘテロ
環の例と同じものが挙げられる。好ましい範囲もまた同
じであり、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環が
好ましい。Z2 を含む含窒素不飽和ヘテロ環が置換基を
有する時、その置換の例は一般式(F)および一般式
(G)のA3 、A4 、A5 、A6 が形成する含窒素不飽
和ヘテロ環が有していてもよい置換基の例と同じものが
挙げられ、好ましい範囲もまた同じである。R16はアル
キル基またはアラルキル基を表すが、これらは炭素数1
〜20で、置換もしくは無置換で、さらに直鎖もしくは
分枝、或いは環状であってもよい。その置換基として
は、一般式(F)のR14、R15で表されるアルキル基が
有していてもよい置換基の例と同じものが挙げられ、好
ましい範囲もまた同じである。X3 p-で表われる対アニ
オンについては、一般式(E)と同じものであり、その
好ましい範囲もまた同じである。
【0250】本発明の一般式(H)で表される化合物
は、一般によく知られた方法により容易に合成すること
ができるが、以下の文献が参考になる。(参照、Quart.
Rev.,16, 163(1962).) 次に本発明の一般式(H)で表される化合物の具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0251】
【化65】
【0252】
【化66】
【0253】造核促進剤として、本発明に好ましく用い
られるアミノ化合物としては、以下に示す化合物が用い
られる。
【0254】特開平7−84331号に記載の(化2
1)、(化22)および(化23)で表される化合物
で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物。特開
平7−104426号に記載の一般式〔Na〕で表され
る化合物で、具体的には同公報16頁〜20頁に記載の
Na−1〜Na−22の化合物。特願平7−37817
号に記載の一般式(1)、一般式(2)、一般式
(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)お
よび一般式(7)で表される化合物で、具体的には同明
細書に記載の1−1〜1−19の化合物、2−1〜2−
22の化合物、3−1〜3−36の化合物、4−1〜4
−5の化合物、5−1〜5−41の化合物、6−1〜6
−58の化合物および7−1〜7−38の化合物。
【0255】更に超硬調システムにおいては、現像抑制
剤を放出するレドックス化合物を併用することができ
る。このレドックス化合物としては特開平2−293,
736号、同2−308,239号、特開平1−154
060号、同1−205885号等に記載の化合物を用
いることができる。その使用量はハロゲン化銀1モル当
り1×10-6〜5×10-2モル、特に1×10-5モル〜
1×10-2モルの範囲で用いるのが好ましい。
【0256】感光材料の写真乳剤層または他の親水性コ
ロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化
分散、接着防止及び写真特性改良(例えば、現像促進、
硬調化、増感)等種々の目的で、種々の界面活性剤を含
んでもよい。例えばサポニン(ステロイド系)、アルキ
レンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類
又はポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル
類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレン
グリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリ
コールアルキルアミン又はアミド類、シリコーンのポリ
エチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体
(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキル
フェノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸
エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性
界面活性剤;アルキルカルボン酸塩、アルキルスルフォ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナ
フタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、ア
ルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタ
ウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキル
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのよう
な、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル
基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミ
ノアルキル硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイ
ン類、アミノオキシド類などの両性界面活性剤;アルキ
ルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウ
ム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第
4級アンモニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホ
スホニウム又はスルホニウム塩類などのカチオン界面活
性剤を用いることができる。
【0257】写真乳剤の結合剤または保護コロイドとし
ては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の
親水性コロイドも用いることができる。たとえばゼラチ
ン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質ヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース
硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸
ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N
−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラ
チンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチン
を用いてもよく、ゼラチン加水分解物、ゼラチン酵素分
解物も用いることができる。
【0258】乳剤層中又はその他へ親水性コロイド層中
に現像処理工程に於て流出するような有機物質を含有せ
しめることが特にX−レイ感材においては好ましい。流
失する物質がゼラチンの場合は硬膜剤によるゼラチンの
架橋反応にかかわらないゼラチン種が好ましく、たとえ
ばアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチンなどがこれに
該当し、分子量は小さいものが好ましい。一方、ゼラチ
ン以外の高分子物質としては米国特許第3,271,1
58号に記載されているようなポリアクリルアミド、あ
るいはまたポリビニールアルコール、ポリビニルピロリ
ドンなどの親水性ポリマーが有効に用いることができ、
デキストランやサッカロース、プルラン、などの糖類も
有効である。中でもポリアクリルアミドやデキストラン
が好ましく、ポリアクリルアミドは特に好ましい物質で
ある。これらの物質の平均分子量は好ましくは2万以
下、より好ましくは1万以下が良い。処理での流出量
は、ハロゲン化銀粒子以外の塗布された有機物質の総重
量の10%以上、50%以下が有効で、好ましくは15
%以上、30%以下消失することが好ましい。処理で流
出する有機物質を含有する層は乳剤層でも表面保護層で
もよいが、該有機物質の塗布総量が同一の場合は乳剤層
だけに含有させたものよりも、表面保護層と乳剤層に含
有させたほうが好ましく、さらに表面保護層のみに含有
させたほうが、より好ましい。乳剤層が多層構成の感材
では、該、有機物質の塗布総量が同一の場合、より表面
保護層に近い乳剤層に多く含有させたほうが好ましい。
【0259】帯電防止剤としては、特に特開昭62−1
09044号、同62−215272号に記載の含フッ
素界面活性剤あるいは重合体、特開昭60−76742
号、同60−80846号、同60−80848号、6
0−80839号、同60−76741号、同58−2
08743号、同62−172343号、同62−17
3459号、同62−215272号などに記載されて
いるノニオン系界面活性剤、あるいは又、特開昭57−
204540号、同62−215272号に記載されて
いる導電性ポリマー又はラテックス(ノニオン性、アニ
オン性、カチオン性、両性)を好ましく用いうる。又無
機系帯電防止剤としては、特開昭57−118242号
などに記載の導電性酸化スズ、酸化亜鉛又はこれらの金
属酸化物にアンチモン等をドープした複合酸化物を好ま
しく用いることができる。
【0260】マット剤として米国特許第2992101
号、同2701245号、同4142894号、同43
96706号に記載の如きポリメチルメタクリレートの
ホモポリマー又はメチルメタクリレートとメタクリル酸
とのコポリマー、デンプンなどの有機化合物、シリカ、
二酸化チタン、硫酸、ストロンチウムバリウム等の無機
化合物の微粒子を用いることができる。粒子サイズとし
ては1.0〜10μm、特に2〜5μmであることが好
ましい。
【0261】ハロゲン化銀写真感光材料は、特定の波長
域の光を吸収させる目的、すなわちハレーションやイラ
ジエーションをしたり、フィルター層を設け写真乳剤層
に入射すべき光の分光組成を制御したりする目的で、写
真乳剤層またはその他の層に染料またはコロイド銀を添
加してもよい。直接医療用レントゲンフィルムのような
両面フィルムにおいては、クロスオーバーカットを目的
とする層を乳剤層の下に設けてもよい。この様な染料に
は、ピラゾロン核やバルビツール酸核を有するオキソノ
ール染料、アゾ染料、アゾメチン染料、アントラキノン
染料、アリーリデン染料、スチリル染料、トリアリール
メタン染料、メロシアニン染料、シアニン染料などが挙
げられる。染料について、さらに詳しく説明する。
【0262】この様な染料には、例えば英国特許第50
6,385号、同1,177,429号、同1,13
1,884号、同1,338,799号、同1,38
5,371号、同1,467,214号、同1,43
8,102号、同1,553,516号、特開昭48−
85130号、同49−114420号、同52−11
7123号、同55−161233号、同59−111
640号、特公昭39−22069号、同43−131
68号、同62−273527号、米国特許第3,24
7,127号、同3,469,985号、同4,07
8,933号等に記載されたピラゾロン核やバルビツー
ル核やバルビツール酸核を有するオキソノール染料、米
国特許第2,533,472号、同3,379,533
号、英国特許第1,278,621号、特開平1−13
4447号、同1−183652号等記載されたその他
のオキソノール染料、英国特許第575,691号、同
680,631号、同599,623号、同786,9
07号、同907,125号、同1,045,609
号、米国特許第4,255,326号、特開昭59−2
11043号等に記載されたアゾ染料、特開昭50−1
00116号、同54−118247号、英国特許第
2,014,598号、同750,031号等に記載さ
れたアゾメチン染料、米国特許第2,865,752号
に記載されたアントラキノン染料、米国特許第2,53
8,009号、同2,688,541号、同2,53
8,008号、英国特許第584,609号、同1,2
10,252号、特開昭50−40625号、同51−
3623号、同51−10927号、同54−1182
47号、特公昭48−3286号、同59−37303
号、欧州特許第280252号等に記載されたアリーリ
デン染料、特公昭28−3082号、同44−1659
4号、同59−28898号等に記載されたスチリル染
料、英国特許第446,538号、同1,335,42
2号、特開昭59−228250号等に記載されたトリ
アリールメタン染料、英国特許第1,075,653
号、同1,153,341号、同1,284,730
号、同1,475,228号、同1,542,807号
等に記載されたメロシアニン色素、米国特許第2,84
3,486号、同3,294,539号、特開昭62−
123454号、特開平1−291247号等に記載さ
れたシアニン染料などが挙げられる。
【0263】これらの染料の拡散を防ぐために、以下の
方法が挙げられる。例えば、染料にバラスト基を入れて
耐拡散性にする。また、例えば解離したアニオン染料と
反対の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤として層に共
存させ、染料分子との相互作用によって染料を特定層中
に局在化させる方法が、米国特許2,548,564
号、同4,124,386号、同3,625,694号
等に開示されている。このような親水性ポリマーとして
はアニオン変換ポリマーが好ましい。アニオン変換ポリ
マーとしては既知の各種の四級アンモニウム塩(又はホ
スホニウム塩)ポリマーが使える。四級アンモニウム塩
(又はホスホニウム塩)ポリマーは、媒染剤ポリマーや
帯電防止剤ポリマーとして広く次にあげる刊行物などで
知られている。特開昭59−166940、米国特許第
3,958,995、特開昭55−142339、特開
昭54−126027、特開昭54−155835、特
開昭53−30328、特開昭54−92274に記載
されている水分散ラテックス;米国特許第2,548,
564、同3,148,061、同3,756,814
に記載のポリビニルピリジニウム塩;米国特許第3,7
09,690に記載の水溶性四級アンモニウム塩ポリマ
ー;米国特許第3,898,088に記載の水不溶性四
級アンモニウム塩ポリマーなどがあげられる。さらに所
望の層から他の層にまたは処理液中に移動し、写真的に
好ましからざる影響を及ぼさないため、エチレン性不飽
和基を少くとも2以上(好ましくは2〜4)有するモノ
マーを共重合させ、架橋された水性ポリマーラテックス
にして用いることが特に好ましい。
【0264】さらに、水に不溶性の染料固体を用いて特
定層を染色する方法が、特開昭56−12639号、同
55−155350号、同55−155351号、同6
3−27838号、同63−197943号、特開平2
−297543号、同3−167546号、同4−12
7143号、欧州特許第15,601号、国際特許WO
88/04794号等に開示されている。また、染料が
吸着した金属塩微粒子を用いて特定層を染色する方法が
米国特許第2,719,088号、同2,496,84
1号、同2,496,843号、特開昭60−4523
7号等に開示されている。
【0265】感光材料には、感光材料の製造工程、保存
中あるいは写真処理中のカブリを防止しあるいは写真性
能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させるこ
とができる。すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾ
リウム塩、ニトロインダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトテ
トラゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンゾチアゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミ
ノトリアゾール類、ベンゾチアゾール類、ニトロベンゾ
トリアゾール類、など;メルカプトピリミジン類;メル
カプトトリアジン類;たとえばオキサゾリンチオンのよ
うなチオケト化合物;アザインデン類、たとえばトリア
ザインデン類、テトラアザイデン類(特に4−ヒドロキ
シ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、
ペンタアザインデン類など;ベンゼンチオスルフォン
酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミ
ド等のようなカブリ防止剤または安定剤として知られた
多くの化合物を加えることができる。これらのものの中
で、好ましくはベンゾトリアゾール(例えば、5−メチ
ル−ベンゾトリアゾール)及びニトロインダゾール類
(例えば5−ニトロインダゾール)である。また、これ
らの化合物を処理液に含有させてもよい。さらに特開昭
62−30243に記載の現像中に抑制剤を放出するよ
うな化合物を、安定剤あるいは黒ポツ防止の目的で含有
させることができる。
【0266】写真感光材料には安定剤、促進剤等種々の
目的でハイドロキノン誘導体、フェニドン誘導体などの
現像主薬を含有することができる。写真感光材料には、
写真乳剤層その他の親水性コロイド層に無機または有機
の硬膜剤を含有してよい。例えばクロム塩(クロムミヨ
ウバン、酢酸クロムなど)、アルデヒド類、(ホルムア
ルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロー
ル化合物(ジメチロール尿素など)、ジオキサン誘導
体、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル
−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3−ビニルスル
ホニル−2−プロパノールなど)、活性ハロゲン化合物
(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
など)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、など
を単独または組み合わせて用いることができる。
【0267】写真感光材料には、写真乳剤層その他の親
水性コロイド層に現像時画像の濃度に対応して、現像抑
制剤を放出するハイドロキノン誘導体(いわゆる、DI
R−ハイドロキノン)を含有してもよい。それらの具体
例は米国特許第3,379,529号、米国特許第3,
620,746号、米国特許第4,377,634号、
米国特許第4,332,878号、特開昭49−12
9,536号、特開昭54−67,419号、特開昭5
6−153,336号、特開昭56−153,342
号、特開昭59−278,853号、同59−9043
5号、同59−90436号、同59−138808号
などに記載の化合物を挙げることができる。
【0268】感光材料には寸度安定性の目的で水不溶ま
たは難溶性合成ポリマーの分散物を含むことができる。
たとえばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシア
クリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、などの単独もしくは組合わせ、またはこれら
とアクリル酸、メタアクリル酸、などの組合せを単量体
成分とするポリマーを用いることができる。
【0269】写真感光材料のハロゲン化銀乳剤層及びそ
の他の層には酸基を有する化合物を含有することが好ま
しい。酸基を有する化合物としてはサリチル酸、酢酸、
アスコルビン酸等の有機酸及びアクリル酸、マレイン
酸、フタル酸の如き酸モノマーをくり返し単位として有
するポリマー又はコポリマーを挙げることができる。こ
れらの化合物に関しては特開昭61−223834号、
同61−228437号、同62−25745号、及び
同62−55642号明細書の記録を参考にすることが
できる。これらの化合物の中でも特に好ましいのは、低
分子化合物としてはアスルコルビン酸であり、高分子化
合物としてはアクリル酸の如き酸モノマーとジビニルベ
ンゼンの如き2個以上の不飽和基を有する架橋性モノマ
ーからなるコポリマーの水分散性ラテックスである。
【0270】この様にして製造されたハロゲン化銀乳剤
はセルロースアセテートフィルム、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどの支持体にディップ法、エアーナ
イフ法、ビード法、エクストルージョンドクター法、両
面塗布法などによって塗布乾燥される。
【0271】感光材料に用いられる支持体には、α−オ
レフィンポリマ−(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン/ブテン共重合体)等をラミネ−トした
紙、合成紙の可撓性支持体、金属などが含まれる。中で
も、ポリエチレンテレフタレ−トが特に好ましい。本発
明に用いることので切る下引き層としては特開昭9−3
972号記載のポリヒドロキシベンゼン類和含む有機溶
剤系での下引き加工層、特開昭49−11118号、同
52−10491号等に記載の水系ラテックス下引き加
工層が挙げられる。又、該下引き層は通常、表面を科学
的ないし物理的に処理することができる。該処理として
は薬品処理、機械委処理、コロナ放電処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。
【0272】本発明はまたカラー感光材料にも利用でき
る。この場合には種々のカラーカプラーを使用すること
ができる。ここでカラーカプラーとは、芳香族第一級ア
ミン現像薬の酸化体とカップリング反応して色素を生成
しうる化合物をいう。有用なカラーカプラーの典型例に
は、ナフトールもしくはフェノール系化合物、ピラゾロ
ンもしくはピラゾロアゾール系化合物および開鎖もしく
は複素環のケトメチレン化合物がある。本発明で使用し
うるこれらのシアン、マゼンタおよびイエローカプラー
の具体例はリサーチ・ディスクロージャー(RD)17
643(1978年12月)VII −D項および同187
17(1979年11月)に引用された特許に記載され
ている。
【0273】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
に関しては、特に制限はなく、例えば下記箇所に記載さ
れたものを好ましく用いることができる。
【0274】特開平3−39948号公報第10頁右下
11行目から同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒ
ドロキシベンゼン化合物。具体的には、同公報に記載の
化合物(III) −1〜25の化合物。
【0275】特開平1−118832号公報に記載の一
般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極大を持
たない化合物。具体的には、同公報に記載の化合物I−
1〜I−26の化合物。
【0276】特開平2−103536号公報第17頁右
下19行目から同公報18頁右上4行目に記載のかぶり
防止剤。
【0277】特開平2−103536号公報第18頁左
下12行目から同頁左下20行目に記載のポリマーラテ
ックス。
【0278】特開平2−103536号公報第19頁左
上15行目から同公報19頁右上15行目に記載のマッ
ト剤、滑り剤、可塑剤。
【0279】特開平2−103536号公報第18頁右
上5行目から同頁右上17行目に記載の硬膜剤。
【0280】特開平2−103536号公報第18頁右
下6行目から同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有
する化合物。
【0281】特開平2−18542号公報第2頁左下1
3行目から同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物
質。具体的には、同公報第2頁右下2行目から同頁右下
10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化
合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物。
【0282】特開平2−103536号公報第17頁右
下1行目から同頁右上18行目に記載の水溶性染料。
【0283】特開平2−294638号公報及び特願平
3−185773号に記載の固体分散染料。
【0284】特開平2−12236号公報第9頁右上7
行目から同頁右下3行目に記載の界面活性剤。特開平2
−103536号公報第18頁左下4行目から同頁左下
7行目に記載のPEG系界面活性剤。特開平3−399
48号公報第12頁左下6行目から同公報第13頁右下
5行目に記載の含弗素界面活性剤。具体的には、同公報
に記載の化合物VI−1〜VI−15の化合物。特開平5−
274816号公報に記載の酸化されることにより現像
抑制剤を放出しうるレドックス化合物。好ましくは同公
報に記載の一般式(R−1)、一般式(R−2)、一般
式(R−3)で表されるレドックス化合物。具体的に
は、同公報に記載の化合物R−1〜R−68の化合物。
【0285】特開平2−18542号公報第3頁右下1
行目から20行目に記載のバインダー。
【0286】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフィルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。
【0287】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0288】グラフィックアーツ用感材での実施例を以
下に示す。 性能評価用ハロゲン化銀感光材料の作製 感光材料−1(Arレーザー露光用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 〔乳剤A〕硝酸銀水溶液と、臭化カリウムと塩化ナトリ
ウムと銀1モル当たり3.5×10-7モルに相当する K
3IrCl6と2.0×10-7モルに相当する K2Rh(H2O)Cl5
を含むハロゲン塩水溶液、塩化ナトリウムと1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジンチオンを含有するゼラチン
水溶液に、攪拌しながらダブルジェット法により添加
し、平均粒子サイズ0.25μm、塩化銀含有率70モ
ル%の塩臭化銀粒子を調製した。
【0289】その後、常法に従って、フロキュレーショ
ン法により水洗し、銀1モル当たりゼラチン40gを加
え、更に銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム7mgとベンゼンスルフィン酸2mgを加えた後、pH
6.0、pAg7.5に調整し、銀1モル当たりセレン
増感剤(Se−1)1mg、チオ硫酸ナトリウム1mg、及
び、塩化金酸4mgを加えて60℃で最適感度になるよう
に化学増感した。その後、安定剤として4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン
150mgを加え、更に、防腐剤としてプロキセル100
mgを加えた。得られた粒子は、平均粒子サイズ0.25
μm、塩化銀含有率70モル%の塩臭化銀立方体粒子で
あった。(変動係数10%)
【0290】
【化67】
【0291】<塗布試料の作製>塩化ビニリデン共重合
体からなる下塗層(0.5μm)を有するポリエチレン
テレフタレートフィルム(150μm)支持体上に、支
持体側から、UL、EM、ML、PCの層構成になる様
に、塗布し試料を作成した。以下に各層の調製方法及び
塗布量を示す。各塗布液は、ポリスチレンスルホン酸ナ
トリウムにより、適度な粘度に調整して塗布した。
【0292】(UL)ゼラチンに水を加え40℃で溶解
した後に、化合物(W)を15mg/m2となる様に添加
し、更にゼラチンに対して70wt%のラテックスコポリ
マー(ブチルアクリレート;アクリル酸;2−アセトア
セトキシエチルメタクリレート=80:4:16wt
比)、ゼラチンに対して3.0wt%の化合物(B)を添
加して、ゼラチン0.3g/m2になるように塗布した。
【0293】(EM)前記乳剤−Aを40℃で溶解した
後に、増感色素(S−1) を4.5×10-4モル/モル
Ag、増感色素(S−2)1.5×10-4モル/モルA
g、KBr4.5×10-3モル/モルAg、化合物
(A)9.0×10-4モル/モルAg、化合物(C)
3.2×10-4モル/モルAg、化合物(D)7.0×
10-4モル/モルAg、酢酸7.0×10-3モル/モル
Ag、ハイドロキノン9.7×10-3モル/モルAg、
化合物を1.4×10-4モル/モルAg、前記造核促
進剤E−12 2.6×10-4モル/モルAg、更に、
ゼラチンに対して15wt%のポリエチルアクリレートラ
テックス、ゼラチンに対して15wt%のラテックスコポ
リマー(ブチルアクリレート;アクリル酸;2−アセト
アセトキシエチルメタクリレート=80:4:16)、ゼラ
チンに対して4wt%の化合物(B)を添加してAg3.
2g/m2となる様に塗布した。
【0294】(ML)ゼラチン溶液に、化合物(E)7
mg/m2、ゼラチンに対して15wt%のポリエチルアク
リレート、ゼラチンに対して3.5wt%の化合物
(B)を添加して、ゼラチンが0.5g/m2となる様に
して塗布した。
【0295】(PC)ゼラチン溶液に、平均粒子サイズ
3.5μmの不定形なSiO2 マット剤40mg/m2、シ
リコーンオイル20mg/m2および塗布助剤として化合物
(F)5mg/m2、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム25mg/m2及び化合物(G)20mg/m2を添加して塗
布した。ゼラチンは、0.3g/m2であった。
【0296】
【化68】
【0297】
【化69】
【0298】またバック層およびバック保護層は次に示
す処方にて塗布した。 〔バック層処方〕 ゼラチン 3 g/m2 ラテックス ポリエチルアクリレート 2 g/m2 界面活性剤 P-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 40mg/m2 化合物〔B〕 110mg/m2 SnO2/Sb(重量比90/10、平均粒径0.20μm) 200mg/m2 染料 染料〔a〕、染料〔b〕、染料〔c〕の混合物 染料〔a〕 70mg/m2 染料〔b〕 100mg/m2 染料〔c〕 50mg/m2
【0299】
【化70】
【0300】 〔バック保護層〕 ゼラチン 0.8mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5 μm) 30mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 15mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15mg/m2 酢酸ナトリウム 40mg/m2
【0301】<写真性能評価用露光試料の作成>488
nmピークをもつ干渉フィルター及びステップウェッジを
介して、発光時間10-6 secのキセノンフラッシュ光で
露光を行った。 <写真性能評価> 1.S1.5 (感度) −log(O、D1.5 を与えるに必要な露光量の逆数)
の相対値で示した。数値が大きいほど感度が高いことを
意味する。 2.γ(階調) γ=光学濃度(3.0−0.3)÷△log E 式中△log Eは、O、D3.0を与えるのに必要な露光
量(log E3.0)とO、D0.3を与えるのに必要な
露光量(log E0.3)の差を意味する。 3.D0510(Dm) 濃度0.5を与える露光量からlogEで1.0露光量を増
やしたところの濃度の値で示した。 感光材料−2(He/Ne、LDレーザー露光用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 〔乳剤B〕38℃、pH4.5に保たれた下記の1液に
2液と3液を攪拌しながら、同時に24分間にわたって
加え、0.18μmの粒子を形成した。続いて下記の4
液、5液を8分間にわたって加え、ヨウ化カリウム0.
15gを加えて粒子形成を終了した。その後、常法に従
って、フロキュレーション法により水洗し、銀1モル当
たりゼラチンを加えた後、pH5.2、pAg7.5に
調整し、銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム4mgとN,
N−ジメチルセレノ尿素2mgと塩化金酸10mg、及び、
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム4mgとベンゼンスル
フィン酸1mgを添加し、55℃にて最適感度となる様に
化学増感した。更に、安定剤として4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン50
mg、防腐剤としてフェノキシエタノールを100ppm
になるように添加し、最終的に塩化銀含有率70モル
%、平均粒子サイズ0.20μmの沃塩臭化銀立方体粒
子を得た。(変動係数9%)
【0302】 <1液> 水 1.0 リットル ゼラチン 20 g 塩化ナトリウム 2 g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20 mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 3 mg <2液> 水 600 ml 硝酸銀 150 g <3液> 水 600 ml 塩化ナトリウム 45 g 臭化カリウム 21 g K3 IrCl6 (0.001%水溶液) 15 ml (NH4)3 RhBr6 (0.001%水溶液) 1.5 ml <4液> 水 200 ml 硝酸銀 50 g <5液> 水 200 ml 塩化ナトリウム 15 g 臭化カリウム 7 g K4 Fe(CN)6 30 mg
【0303】<塗布試料の作製>Arレーザー露光用試
料のEM層を下記の様に変更した他は、Arレーザー用
試料と同様にして作製した。 (EM)前記乳剤−Bをゼラチンと共に40℃で溶解し
た後に、KBr3.6×10-3モル/モルAg、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザ
インデン7.6×10-4モル/モルAg、増感色素(S
−3)2.5×10-4モル/モルAg、又は増感色素
(S−4)3.3×10-5モル/モルAg、化合物を
2.0×10-4モル/モルAg、前記造核促進剤E−1
2 5.7×10-4モル/モルAg、化合物(H)2.
5×10-4モル/モルAg、化合物(C)5.0×10
-4モル/モルAg、化合物(D)1.6×10-3モル/
モルAg、ゼラチンに対して15wt%のコロイダルシ
リカ、更にゼラチンに対して15wt%のポリエチルア
クリレートラテックス、ゼラチンに対して20wt%の
ラテックスコポリマー(ブチルアクリレート;アクリル
酸;2−アセトアセトキシエチルメタクリレート=8
0:4:16)、及びゼラチンに対して4wt%の化合
物(B)を添加して、Ag3.5g/m2となる様にして
塗布した。化合物(B)、(C)、(D)は、感光材料
−1と同じ物である。
【0304】
【化71】
【0305】<写真性能評価用露光試料の作成>633
nm又は670nmにピークをもつ干渉フィルター及びステ
ップウェッジを介して、発光時間10-6 secのキセノン
フラッシュ光で露光を行なった。 <写真性能評価>Arレーザー用感材と同様にγ、D05
10で評価した。
【0306】感光材料−3(カメラ撮影用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 〔乳剤C〕硝酸銀64gを溶解した硝酸銀水溶液250
mlと、完成乳剤の銀1モル当たり2.0×10-7モルに
相当する K3IrCl6と1.0×10-7モルに相当する K2R
h(H2O)Cl5 を含む臭化カリウム20gと塩化ナトリウム
14gを溶解したハロゲン塩水溶液250mlを、塩化ナ
トリウム(0.3%)と1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジンチオン(0.002%)とクエン酸(0.05
%)を含有する2%ゼラチン水溶液に、攪拌しながら3
8℃で12分間ダブルジェット法により添加し、平均粒
子サイズ0.16μm、塩化銀含有率55モル%の塩臭
化銀粒子を得ることにより核形成を行った。続いて、硝
酸銀106gを溶解した硝酸銀水溶液300mlと臭化カ
リウム28gと塩化ナトリウム26gを溶解したハロゲ
ン塩水溶液300mlをダブルジェット法により12分間
かけて添加し粒子形成を行った。
【0307】その後、銀1モル当たり1.0×10-3
ルのKIを加えてコンバージョンを行い、常法に従って
フロキュレーション法により水洗した。そして、銀1モ
ル当たりゼラチン40gを加え、pH6.0、pAg
7.5に調整した後、銀1モル当たりベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム3mg、ベンゼンスルフィン酸1mg、チ
オ硫酸ナトリウム2mg、セレン増感剤(Se−2)2m
g、及び、塩化金酸8mgを加えて60℃で70分間加熱
し化学増感した。その後、安定剤として4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン
150mg及び防腐剤としてプロキセル100mgを加えた
後、増感色素(S−5)400mgを添加し、10分後降
温した。得られた粒子は、平均粒子サイズ0.22μ
m、塩化銀含有率60モル%の沃塩臭化銀立方体粒子で
あった。(変動係数10%)
【0308】
【化72】
【0309】<塗布試料の作製>両面が塩化ビニリデン
を含む防湿下塗りからなるポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、該支持体側から、Em(銀量2.7g/
m2、ゼラチン1.3g/m2)、PCU(ゼラチン0.5
g/m2)、PCO(ゼラチン0.4g/m2)となる様に
塗布した。得られた試料の乳剤面の膜面pHは5.8で
あった。
【0310】(EM)前記乳剤−Cを溶解した後に、銀
1モル当たり、2×10-4モルの短波シアニン色素
(a)、5×10-3モルの臭化カリウム、2×10-4
ルの1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2×
10-4モルの化合物(C)、3×10-4モルの化合物
(D)、3×10-4モルの化合物、4.4×10-4
ルの前記化合物例E−12で表わされる造核促進剤を添
加し、さらに、ハイドロキノン100mg/m2、p−ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム10mg/m2、コロイ
ダルシリカ(日産化学製スノーテックスC)150mg/
m2、ポリエチルアクリレートの分散物500mg/m2
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
80mg/m2塗布されるように加え乳剤層塗布液を調製し
た。塗布液のpHは5.6に調整した。
【0311】(PCU)防腐剤としてプロキセルを含む
ゼラチン溶液に化合物(E)を10mg/m2、下記化合物
(e)100mg/m2、ポリエチルアクリレートの分散物
を300mg/m2塗布されるように添加し、調製した。
【0312】(PCO)防腐剤としてプロキセルを含む
ゼラチン溶液に化合物(E)を10mg/m2、化合物
(e)を100mg/m2、ポリエチルアクリレートの分散
物を300mg/m2塗布されるように添加し、さらに、防
腐剤としてプロキセルを含むゼラチン溶液に、平均粒子
サイズ約3.5μの不定形なSiO2 マット剤50mg/
m2、コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスC)
100mg/m2、流動パラフィン30mg/m2、塗布助剤と
して化合物(F)5mg/m2とp−ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム塩30mg/m2塗布されるように添加し
調製した。
【0313】
【化73】
【0314】またバック層は、次に示す処方にて塗布し
た。 (BC層) ゼラチン 1.5 g/m2 界面活性剤 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 30 mg/m2 ゼラチン硬化剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト アミド)エタン 100 mg/m2 染料 下記染料〔a〕、〔h〕、〔b〕、〔c〕の混合物 染料〔a〕 50 mg/m2 染料〔h〕 100 mg/m2 染料〔b〕 30 mg/m2 染料〔c〕 50 mg/m2 プロキセル 1 mg/m2
【0315】
【化74】
【0316】 (OC層) ゼラチン 1.5 g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.5μ) 20 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 15 mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 15 mg/m2 酢酸ナトリウム 50 mg/m2 プロキセル 1 mg/m2
【0317】<写真性能評価用露光試料の作成>タング
ステン感光計を用い色温度3200°Kのフィルター及
びステップウェッジを介して露光を行なった。 <写真性能評価>Arレーザー用感材と同様にγ、D05
10で評価した。
【0318】感光材料−4(返し用) <ハロゲン化銀乳剤の調製> 乳剤−D 30℃に保った塩化ナトリウム及び銀1モル当たり3×
10-5モルのベンゼンチオスルホン酸ナトリウム、5×
10-3モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラアザインデンを含むpH2.0の1.5
%ゼラチン水溶液中に、硝酸銀水溶液と銀1モル当たり
4.0×10-5モルの K2Ru(NO)Cl5を含む塩化ナトリウ
ム水溶液をダブルジェット法により電位95mvにおい
て3分30秒間で最終粒子の銀量の半分を同時添加し、
芯部の粒子0.10μmを調整した。その後、硝酸銀水
溶液と銀1モル当たり4.0×10-5モルの K2Ru(NO)C
l5を含む塩化ナトリウム水溶液を前述と同様に7分間で
添加し、平均粒子サイズ0.13μmの塩化銀粒子を調
製した。(変動係数13%)
【0319】その後、当業界でよく知られたフロキュレ
ーション法により水洗し、可溶性塩を除去した後ゼラチ
ンを加え、防腐剤としてプロキセルを銀1モル当たり6
0mg加えた後、pH5.7、pAg7.5に調整し、更
に銀1モル当たり2×10-5モルのチオ硫酸ナトリウ
ム、1×10-5モルのセレン増感剤(Se−2)、及
び、4×10-5モルの塩化金酸を加えて65℃で60分
間加熱し化学増感した。その後、安定剤として4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザイ
ンデンを銀1モル当たり1×10-3モル添加した。最終
粒子として、pH5.7、pAg7.5、Ru4×10
-5モル/Agモルとなった。
【0320】<塗布試料の作製> (支持体・下塗層)二軸延伸したポリエチレンテレフタ
レート支持体(厚味100μm)の両面の下記組成の下
塗層第1層及び第2層を塗布した。 <下塗層1層> コアーシェル型塩化ビニリデン共重合体 15 g 2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25 g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μ) 0.05 g 化合物(O) 0.20 g コロイダルシリカ(スノーテックスZL:粒径70〜 100μm日産化学(株)製) 0.12 g 水を加えて 100g さらに、10重量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃2分間で、乾燥膜厚が0.
9μになる様に塗布した。
【0321】 <下塗層第2層> ゼラチン 1 g メチルセルロース 0.05 g 化合物(P) 0.02 g C12H25O(CH2CH2O)10H 0.03 g 化合物(Q) 3.5×10-3g 酢酸 0.2 g 水を加えて 100 g この塗布液を乾燥温度170℃2分間で、乾燥膜厚が
0.1μになる様に塗布し、下塗層を含む支持体を作製
した。
【0322】
【化75】
【0323】上記支持体上に支持体側からEM、PC、
OCの順になる様に同時重層塗布した。以下に各層の調
製、方法とその塗布量を示す。
【0324】(EM)乳剤−Dに下記化合物を添加し、
下塗層を含む下記支持体上にゼラチン塗布量が0.9g
/m2、塗布銀量が2.7g/m2となるようにハロゲン化
銀乳剤層を塗布した。 1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール 1 mg/m2 N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム塩 10 mg/m2 化合物(R) 10 mg/m2 化合物(C) 8 mg/m2 化合物(S) 15 mg/m2 n−ブチルアクリレート/2−アセトアセトキシエチル メタクリレート/アクリル酸共重合体(89/8 /3) 760 mg/m2 化合物(T)(硬膜剤) 105 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 57 mg/m2 化合物−HZ 3×10-5mol /m2 前記の造核促進剤F−14 3×10-5mol /m2
【0325】(PC)ゼラチン水溶液に下記化合物を添
加し、ゼラチン塗布量が0.6g/m2となるように塗布
した。 ゼラチン(Ca++含有量 2700ppm) 0.6 g/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 6 mg/m2 化合物(Q) 1 mg/m2 化合物(E) 14 mg/m2 n−ブチルアクリレート/2−アセトアセトキシエチル メタクリレート/アクリル酸共重合体(89/8 /3) 250 mg/m2
【0326】(OC)ゼラチン水溶液に下記化合物を添
加し、ゼラチン塗布量が0.45g/m2となるように塗
布した。 ゼラチン(Ca++含有量 2700ppm) 0.45 g/m2 不定形シリカマット剤 40 mg/m2 (平均粒径3.5μ、細孔直径25Å、表面積700m2/g) 不定形シリカマット剤 10 mg/m2 (平均粒径2.5μ、細孔直径170Å、表面積300m2/g) N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリ シンポタジウム 5 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 30 mg/m2 化合物(Q) 1 mg/m2 流動パラフィン 40 mg/m2 固体分散染料−G1 30 mg/m2 固体分散染料−G2 150 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 4 mg/m2
【0327】
【化76】
【0328】ついで、支持体の反対側の面に、下記に示
す導電層及びバック層(BC)を同時塗布した。 (導電層)ゼラチン水溶液に下記化合物を添加し、ゼラ
チン塗布量が0.06g/m2となるように塗布した。 SnO2/Sb(9/1 重量比、平均粒径0.25μ) 186 mg/m2 ゼラチン(Ca++含有量3000ppm) 60 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 13 mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 12 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10 mg/m2 化合物(Q) 1 mg/m2
【0329】(BC)ゼラチン水溶液に下記化合物を添
加し、ゼラチン塗布量が1.94g/m2となるように塗
布した。 ゼラチン(Ca++含有量30ppm) 1.94 g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μ) 15 mg/m2 化合物(e) 140 mg/m2 染料〔a〕 140 mg/m2 染料〔c〕 30 mg/m2 染料〔b〕 40 mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 7 mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 29 mg/m2 化合物(U) 5 mg/m2 N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピル グリシンポタジウム 5 mg/m2 硫酸ナトリウム 150 mg/m2 酢酸ナトリウム 40 mg/m2 化合物−E(硬膜剤) 105 mg/m2
【0330】
【化77】
【0331】<写真性能評価用露光試料の作成>得られ
た試料を大日本スクリーン(株)社製、明室プリンター
P−627FMを用い、ステップウェッジを介して露光
した。 <写真性能評価>Arレーザー用感材の評価と同様に
γ、D0510で評価した。
【0332】本発明に用いた現像液及び定着液処方を下
記に示す。 現像液1 水 700 ml 水酸化ナトリウム 2.5g ジエチレントリアミン−5酢酸 4.0g 炭酸ナトリウム・一水塩 51.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g エリソルビン酸ナトリウム 40.0g * モノール 7.5g 臭化カリウム 2.0g 化合物(X) 0.075g ジエチレングリコール 25.0g 化合物(Y) 0.72 g 酢酸(90%) 10 ml pH(NaOH又は酢酸で調整) 9.7 up−to(H2 O) 1リットル * モノール;N−メチル−p−アミノフェノール・1/2 硫酸塩
【0333】
【化78】
【0334】 <定着液処方> 定着液A チオ硫酸アンモニウム 359.1 g エチレンジアミン4酢酸・2Na,2水塩 0.09 g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 32.8 g 亜硫酸ナトリウム 75.0 g 水酸化ナトリウム 37.2 g 氷酢酸 87.3 g 酒石酸 8.76 g グルコン酸ナトリウム 6.6 g 硫酸アルミニウム 25.3 g pH(硫酸又は水酸化ナトリウムで調整) 5.05 up−to(水) 1 リットル 上記の液1リットルに対して水を2リットル加えて使用した。
【0335】<定着液B>下記の固形剤と液剤を水を加
えて10リットルとする様にして使用液とした。定着液
は、下記処方を固形剤部分と液剤部分共に高密度ポリエ
チレン製(肉厚平均=500μm 、巾としては200〜
1000μm )の容器に充填したものを用いた。溶解後
の液量が10リットルとし、pH=4.85であった。
【0336】 <固形剤パート> チオ硫酸アンモニウム 1200 g チオ硫酸ナトリウム 150 g 酢酸ナトリウム 400 g メタ重亜硫酸ナトリウム 200 g <液剤パート> 硫酸アルミニウム(27%) 300 g 硫酸(75%) 30 g グルコン酸ナトリウム 20 g EDTA 0.3 g クエン酸 40 g 固形剤パートは混合して充填されている。
【0337】実施例−1 前記現像液−1のモノールを本発明の一般式(A)の化
合物と等モル入替えた他は、現像液−1と全く同様にし
て、現像液2〜23を調製した。前記の感光材料−1及
び感光材料−3をこれらの現像液で現像処理を行なっ
た。現像処理は、FG−710S自動現像機(富士写真
フイルム(株)製)を用いて行ない、現像35℃11秒
又は、35℃30秒で処理し、次いで定着、水洗、乾燥
を連続して行なった。定着液は、前記定着液Aを用いて
行なった。結果を表22に示す。
【0338】
【表22】
【0339】表22の結果から、本発明の処理では、い
ずれも初期現像が速く、かつ、比較の処理No. 101と
同様に十分な超硬調な性能が得られる。
【0340】実施例−2 前記感光材料−2を実施例−1の処理液を用いて、同様
に現像処理を行なった結果、実施例−1と同様に、本発
明では初期現像が速く、かつ、超硬調な性能が得られ
た。
【0341】実施例−3 前記感光材料−4を実施例−1の処理液を用いて、実施
例−1と同じ自動現像機を用いて、38℃11秒及び3
8℃20秒の現像時間で処理し、次いで連続して定着、
水洗、乾燥を行なった。定着液は定着液Aを用いた。結
果を表23に示す。
【0342】
【表23】
【0343】表23の結果から、返し感材の処理におい
ても、本発明の現像液処理では、初期現像が速く、か
つ、超硬調な性能が得られる。
【0344】実施例−4 処理液−1のエリソルビン酸ナトリウムを本発明の化合
物B−6、B−7、B−19、B−23、B−37及び
B−43に等モルで入れ替え、又、モノールを本発明の
一般式(A)に入れ替えた処理液を調製し、感光材料−
1〜感光材料−4を現像処理した結果、前記実施例−1
〜3と同様の結果が得られた。
【0345】実施例−5 実施例−1の定着液Aを定着液Bに替えて処理したとこ
ろ、実施例−1と同様の結果が得られた。
【0346】次にX−レイ感材での実施例を以下に示
す。 {100}AgCl平板乳剤Aの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582μm (ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl10gを含む)を13ml入れ、温度を40
℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO3
20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(酸化処理ゼラチン11.3g、NaCl 1.3
g、pHを5.5に調整するためにNaOH1N液を含
む)を加え、pClを1.8とした後、温度を75℃に
昇温し、pClを1.8とした後10分間熟成した。そ
の後、ジスルフィド化合物Aをハロゲン化銀1モルあた
り1×10-4モル添加し、さらにAgCl微粒子乳剤
(平均粒子直径0.1μm )を2.68×10-2モル/
分のAgClの添加速度で20分添加した。添加後10
分間熟成した後、沈降剤を加え、温度を35℃に下げ、
沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、60℃でpH
6.0に調節した。
【0347】
【化79】
【0348】該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真
像(以下TEMと記す)を観察した。得られた乳剤は、
銀を基準としてAgBrを0.44モル%含む高塩化銀
{100}平板粒子であった。該粒子の形状特性値は下
記のようであった。 (アスペクト比1より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.67μm (平均厚さ)=a4 =0.18μm
【0349】(111)AgCl平板乳剤Bの調製 塩化銀平板粒子を以下のように調製した。
【0350】
【化80】
【0351】
【0352】35℃に保った溶液(1)に、攪拌しなが
ら溶液(2)と溶液(3)を1分間かけて一定添加速度
で同時に加え、溶液の温度を15分間かけて70℃に上
昇させた。この時点で全銀量の約5.7%に相当する粒
子が形成された。次に、溶液(4)と溶液(5)を24
分間かけて一定添加速度同時に加え、さらに溶液(6)
と溶液(7)を40分間かけてpCl=1.0になるよ
うに硝酸銀溶液の添加速度を一定にし、コントロールダ
ブルジェット法にて成長を行ない、塩化銀平板乳剤が得
られた 乳剤を沈降法により水洗・脱塩した後ゼラチン30gと
2 Oを加え、さらにフェノキシエタノール2.0g及
び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.
8gを添加し、苛性ソーダでpH6.0になるように再
分散した。こうして得られた乳剤は、a1 =90%、a
3 =1.55μm 、a4 =0.18μm 、a2 =8.
6、円相当投影面積径の変動係数19%の(111)面
を主平面とした塩化銀平板乳剤である。
【0353】{111}AgBr平板状乳剤Cの調製 水1リットル中に臭化カリウム6.0g、平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン7.0gを添加し55℃に保
った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀
4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38
ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎ
にゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して硝
酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.80g)を22分間かけ
て添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを添
加、そのままの温度で10分間物理熟成したのち100
%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀15
3gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に
保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけ
て添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液15
ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成したの
ち35℃に温度を下げた。a1 =95%、平均投影面積
直径a3 =1.50μm 、厚みa4 =0.185μm 、
平均アスペクト比a2 =8.1、直径の変動係数は1
8.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、
沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温
してゼラチン30gとフェノキシエタノール2.35g
および増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム
0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.
90、pAg8.00に調整した。
【0354】{111}AgBrCl平板乳剤Dの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582μm (ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl10gを含む)を13ml入れ、温度を40
℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO3
20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液(1
00ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(100
ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で2
8.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag−
1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時
混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液20
3ml(ゼラチン−113g、NaCl 1.3g、pH
を5.5に調整するためにNaOH1N液を含む)を加
え、pClを1.8とした後、温度を75℃に昇温し、
pClを1.8とした後10分間熟成した。この後、A
g−3液(100ml中に100%AgNO3 50mlを含
む)とX−3液(100ml中にNaCl 23.5g、
KBr 71.4gを含む)を用意し、硝酸銀の添加速
度を2.68×10-2モル/分に設定して、コントロー
ルダブルジェット法によりpCl=1.8で20分間成
長させた。添加後10分間熟成した後、沈降剤を加え、
温度を35℃に下げ、沈降水洗した。ゼラチン水溶液を
加え、60℃でpH6.0に調節した。該粒子のレプリ
カの透過型電子顕微鏡写真像(以下TEMと記す)を観
察した。得られた乳剤は、銀を基準としてAgBrをお
よそ53モル%含む高塩化銀{100}平板粒子であっ
た。該粒子の形状特性値は下記のようであった。 (アスペクト比1より大の平板状粒子の全投影面積/全
AgX粒子の投影面積和)×100=a1 =90% (平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚
さ))=a2 =9.3 (平板状粒子の平均直径)=a3 =1.67μm (平均厚さ)=a4 =0.18μm
【0355】(111)AgCl平板乳剤E、Fの調製 塩化銀平板粒子を以下のように調製した。
【0356】
【化81】
【0357】
【0358】35℃に保った溶液(1)に、攪拌しなが
ら溶液(2)と溶液(3)を1分間かけて一定添加速度
で同時に加え、溶液の温度を15分間かけて70℃に上
昇させた。この時点で全銀量の約5.7%に相当する粒
子が形成された。ここで、ジスルフィド化合物−Bをハ
ロゲン化銀1モルに対し1×10-4モルを添加し、次に
溶液(4)と溶液(5)を24分間かけて一定添加速度
同時に加え、さらに溶液(6)と溶液(7)を40分間
かけてpCl=1.8になるように硝酸銀溶液の添加速
度を一定にし、コントロールダブルジェット法にて成長
を行ない、塩化銀平板乳剤が得られた 乳剤を沈降法により水洗・脱塩した後ゼラチン30gと
2 Oを加え、さらにフェノキシエタノール2.0g及
び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.
8gを添加し、苛性ソーダでpH6.0になるように再
分散した。こうして得られた乳剤は、Brを約50%含
み、a1 =90%、a3 =1.55μm 、a4 =0.1
8μm 、a2 =8.6、円相当投影面積径の変動係数1
9%の(111)面を主平面とした塩化銀平板乳剤であ
る。
【0359】
【化82】
【0360】上記平板状粒子の調整において、アスペク
ト比、粒子サイズ等の粒子形状が元の平板状粒子とほぼ
同じになる様な成長条件を選択し(7)液中のKBr含
量を調整する事で塩化銀含率が17%と24%になる
(111)面を主平面とする塩臭化銀平板乳剤を調製し
た。
【0361】単分散立方体ハロゲン化銀乳剤Gの調製 水1リットルにゼラチン32gを溶解し、53℃に加温
された容器に臭化カリウム0.3g、塩化ナトリウム5
gおよび化合物〔I〕
【0362】
【化83】
【0363】46mgを入れた後、80gの硝酸銀を含む
水溶液444mlと臭化カリウム45g及び塩化ナトリウ
ム5.5gを含む水溶液452mlをダブルジェット法に
より約20分間かけて添加し、その後80gの硝酸銀を
含む水溶液400mlと臭化カリウム46.4g、塩化ナ
トリウム5.7g及びヘキサクロロイリジウム(III) 酸
カリウム(10-7モル/モル銀)を含む水溶液415ml
とをダブルジェット法により約25分間かけて添加し
て、平均粒子サイズ(投影面積直径)0.34μmの立
方体単分散塩臭化銀粒子(投影面積直径の変動係数10
%)を作製した。この乳剤を凝集法により脱塩処理後、
ゼラチン62g、フェノキシエタノール1.75gを加
え、pH6.5、pAg8.5に合わせた。
【0364】化学増感 以上の如く調製した粒子を攪拌しながら60℃に保った
状態で化学増感を施した。まず、チオスルホン酸化合物
−Iをハロゲン化銀1モルあたり10-4モル添加し、つ
ぎに直径0.10μm のAgBr微粒子を全銀量に対し
て1.0モル%添加し、5分後1%のKI溶液をハロゲ
ン化銀1モルあたり10-3モル添加しさらに3分後、二
酸化チオ尿素を1×10-6モル/モルAg添加し、22
分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザ
インデンを3×10-4モル/モルAgと増感色素(S−
5)、(S−6)をそれぞれ添加した。さらに塩化カル
シウムを添加した。さらに塩化金酸1×10-5モル/モ
ルAgおよびチオシアン酸カリウム3.0×10-3モル
/モルAgを添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム(6
×10-6モル/モルAg)及びセレン化合物−I(4×
10-6モル/モルAg)を添加した。さらに3分後に核
酸(0.5g/モルAg)を添加した。40分後に水溶
性メルカプト化合物−1を添加し35℃に冷却した。こ
うして乳剤の調製(化学熟成)を終了した。
【0365】
【化84】
【0366】(乳剤塗布層の調製)化学増感を施した乳
剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品を添加
して乳剤塗布液とした。 ・ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 111g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 21.5g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2g ・沃化カリウム 78mg ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値となるように添加量を調整 ・化合物(C) 42.1mg ・化合物−1 10.3g ・化合物(D) 0.11g ・化合物−2 8.5mg ・化合物−3 0.43g (NaOHでpH6.1に調整)
【0367】
【化85】
【0368】上記塗布液に対し、染料−Iが片面当たり
10mg/m2となるように染料乳化物aを添加した。
【0369】
【化86】
【0370】(染料乳化物aの調製)上記化合物を60
gおよび2,4−ジアミルフェノールを62.8g、ジ
シクロヘキシルフタレートを62.8g及び酢酸エチル
333gを60℃で溶解した。つぎにドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムの5%水溶液65ccとゼラチン9
4g、水581ccを添加し、ディゾルバーにて60℃、
30分間乳化分散した。つぎにp−ヒドロキシ安息香酸
メチルを2gおよび水6リットルを加え、40℃に降温
した。つぎに旭化成製限外濾過ラボモジュールACP1
050を用いて、全量が2kgとなるまで濃縮し、p−ヒ
ドロキシ安息香酸メチルを1g加えて染料乳化物aとし
た。 (表面保護層塗布液の調製)表面保護層塗布液を、各成
分が下記の塗布量となるように調製した。 ・ゼラチン 0.780g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.025 ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万)0.0012 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm ) 0.072 ・化合物−4 0.018 ・化合物−5 0.037 ・化合物−6 0.0068 ・化合物−7 0.0032 ・化合物−8 0.0012 ・化合物−9 0.0022 ・化合物−10 0.030 ・プロキセル 0.0010 (NaOHでpH6.8に調整)
【0371】
【化87】
【0372】(支持体の調製) 比較用支持体の調整 (1)下塗層用染料分散物Bの調製 下記の染料−IIを特開昭63−197943号に記載の
方法でボールミル処理した。
【0373】
【化88】
【0374】水434ccおよび Triton X200(登録
商標)界面活性剤(TX−200(登録商標))の6.
7%水溶液791ccとを2リットルのボールミルに入れ
た。染料−IIの20gをこの溶液に添加した。酸化ジル
コニウム(ZrO2)のビーズ400ml(2mm径)を添加
し、内容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラ
チン160gを添加した。脱泡した後、濾過によりZr
2 ビーズを除去した。得られた染料分散物を観察した
ところ、粉砕された染料の粒径は0.05〜1.15μ
m にかけての広い分布を有していて、平均粒径は0.3
7μm であった。さらに、遠心分離操作を行うことで
0.9μm 以上の大きさの染料粒子を除去した。こうし
て染料分散物dを得た。
【0375】(2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μm のポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より
成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2と成るようにワ
イヤーコンバーターにより塗布し、185℃にて1分間
乾燥した。つぎに反対面にも同様にして第1下塗層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには染料−
I、−III 、−IVを各々0.04wt%含有されているも
のを用いた。 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 4%溶液 41cc ・蒸留水 801cc * ラテックス溶液中には、乳化分散剤として化合物−11をラテックス固形 分に対し0.4wt%含有
【0376】
【化89】
【0377】(3)下塗層の塗布 上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の
下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ず
つ、両面にワイヤー・バーコーダー方式により155℃
で塗布、乾燥した。 ・ゼラチン 80mg/m2 ・染料−II(染料固形分として) 8 ・化合物−12 1.8 ・化合物−10 0.27 ・マット剤 平均粒径2.5μm のポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0378】
【化90】
【0379】(写真材料の調製)前述のごとく準備した
支持体上に先の乳剤層と表面保護層とを組み合わせ同時
押し出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量
は1.4g/m2とした。こうして塗布試料1〜7を作成
した。得られた写真材料の膨潤率を、特開昭58−11
1933号記載の方法で測定すると180%であった。
【0380】(写真性能の評価)写真材料を富士写真フ
イルム(株)製の富士グレネックススクリーン HR−
4及びHG−Mスクリーン並びにデュポン社製UVスー
パーラピッドスクリーンを使用して両側から0.05秒
の露光を与えた。露光後、富士写真フイルム(株)製C
EPROS−30にて下記の現像液、定着液を用いてT
P処理し感度の評価を行った。感度は試料1を基準と
し、カブリに加えて1.0の濃度を与える露光量の比の
逆数で示した。
【0381】濃縮現像液の調製 下記処方のエリソルビン酸ナトリウムを現像主薬とする
濃縮現像液Aを調整した。 ジエチレントリアミン五酢酸 8.0g 亜硫酸ナトリウム 20.0g 炭酸ナトリウム・1水塩 52.0g 炭酸カリウム 55.0g エリソルビン酸ナトリウム 60.0g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 13.2g 3,3′−ジフェニル−3,3′−ジチオプロピオン酸 1.44g ジエチレングリコール 50.0g 化合物−13 10g 水を加えて1リットルとする。 水酸化ナトリウムでpH10.1に調整する。
【0382】
【化91】
【0383】現像補充液の調製 上記濃縮現像液を2倍希釈し、現像補充液として使用し
た。
【0384】現像母液の調製 上記濃縮現像液2リットルを水で希釈し4リットルと
し、下記組成のスタータ液を希釈した現像液1リットル
あたり55ml添加、pH9.5の現像液を現像母液とし
た。 スタータ液 臭化カリウム 11.1g 酢酸 10.8g 水を加えて55mlとする。
【0385】濃縮定着液の調製 以下の処方の濃縮定着液を調製した。 水 0.5リットル エチレンジアミンテトラ酢酸・2水塩 0.05g チオ硫酸ナトリウム 200g 重亜硫酸ナトリウム 98.0g 水酸化ナトリウム 2.9g NaOHでpH5.2に調整し、水を加えて1リットルとする。
【0386】定着補充液の調製 上記濃縮定着液を2倍希釈し、定着補充液として使用し
た。
【0387】定着母液の調製 上記濃縮定着液2リットルを水で希釈し4リットルとし
た。pHは5.4であった。
【0388】写真材料の処理工程 上記現像母液および定着母液を用いて、現像補充液およ
び定着補充液を感光材料1m2当り65ml補充しながら処
理した。 工 程 温 度 処理時間 現 像 35℃ 8秒 定 着 35℃ 8秒 水 洗 25℃ 7秒 乾 燥 55℃ 6秒
【0389】実施例−6 前記現像濃縮液の4−ヒドロキシメチル−4−メチル−
1−フェニル−3−ピラゾリドンを本発明の一般式
(A)の化合物と等モル入れ替えた他は、前記現像濃縮
液と全く同様にして、現像液2〜23を調製した。前記
の塗布試料−1をこれらの現像液で現像処理を行なっ
た。現像処理はCEPROS 30自動現像機(富士写
真フイルム(株)製)を用いて行ない、現像35℃8秒
で処理、次いで定着、水洗、乾燥を連続して行なった。
定着液は、前記定着液を用いて行なった。結果を表24
に示す。
【0390】
【表24】
【0391】表24の結果から、本発明の処理では、迅
速処理において、優れた写真性能が得られる。
【0392】実施例−7 前記塗布試料2〜7を実施例−6の処理液を用いて、同
様に現像処理を行なった結果、実施例−6と同様に、本
発明では迅速処理において高感でかぶりの低い優れた写
真性能が得られた。
【0393】実施例−8 実施例−6の処理液のエリソルビン酸ナトリウムを本発
明の化合物B−6、B−7、B−19、B−23、B−
37及びB−43に等モルで入れ替え、又、モノールを
本発明の一般式(A)に入れ替えた処理液を調製し、塗
布試料2〜7を現像処理した結果、前記実施例−6〜7
と同様の結果が得られた。
【0394】実施例−9 乳剤Eの調製 (1液) 水 1リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg (2液) 水 0.4リットル 硝酸銀 100g (3液) 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21.0g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸アンモニウム (0.001%水溶液) 20ml ヘキサクロロジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 6ml
【0395】42℃、pH4.5に保たれた1液に2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。 (4液) 水 0.4リットル 硝酸銀 100g (5液) 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21.0g ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(0.1%水溶液) 10ml
【0396】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗し、ゼラチン40gを加えた。pH
5.7、pAgを7.5に調整し、チオ硫酸ナトリウム
1.0mgと塩化金酸4.0mg、トリフェニルホスフィン
セレニド1.5mg、ベンゼンチオスルフォン酸ソーダ8
mg、ベンゼンチオスルフィン酸ソーダ2mgを加え、55
℃で最適感度になるように化学増感した。さらに安定剤
として、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン100mg、防腐剤として、フェノ
キシエタノールを加え、最終的に塩化銀を70モル%含
む、平均粒子径0.25μmの塩沃臭化銀立方体乳剤E
を得た。 塗布試料の作成 乳剤Eに増感色素(S−3)3.8×10-4モル/モル
Agを加えて分光増感を施した。さらにKBr3.4×
10-4モル/モルAg、化合物(C)3.2×10-4
ル/モルAg、化合物(D)8.0×10-4モル/モル
Ag、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、
クエン酸3.0×10-3モル/モルAg、化合物(造
核剤)を1.0×10-4モル/モルAg、前記造核促進
剤E−12を6.0×10-4モル/モルAg、さらにゼ
ラチンに対して35wt%のポリエチルアクリレートラ
テックス、ゼラチンに対して20wt%の粒径10mμ
のコロイダルシリカ、ゼラチンに対して4wt%の化合
物(B)を添加して、ポリエステル支持体上にAg3.
7g/m2、ゼラチン1.6g/m2になるように塗布し
た。この上に下記組成の保護層上層および保護層下層、
この下に下記組成のUL層を塗布した。 (保護層上層) ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmのシリカマット剤 25mg/m2 化合物−14(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20μmのコロイダルシリカ 30mg/m2 化合物(F) 5mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(G) 20mg/m2 (保護層下層) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(H) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 (UL層) ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(B) 40mg/m2 化合物−15 10mg/m2
【0397】なお、本発明で使用したサンプルの支持体
は下記組成のバック層および導電層を有する。 (バック層) ゼラチン 3.3g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 染料〔a〕 40mg/m2 染料〔b〕 20mg/m2 染料〔c〕 90mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.5μm) 30mg/m2 化合物(B) 120mg/m2 (導電層) ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2 /Sb(9/1重量比、平均粒子径0.25μ) 200mg/m2
【0398】
【化92】
【0399】
【化93】
【0400】<現像液組成>
【0401】
【表25】
【0402】<定着液>以下に定着液濃縮液1リットル
あたりの処方を示す。 チオ硫酸アンモニウム 360g エチレンジアミン・四酢酸・2Na・2水塩 0.09g チオ硫酸ナトリウム・5水塩 33.0g メタ亜硫酸ナトリウム 57.0g 水酸化ナトリウム 37.2g 酢酸(100%) 90.0g 酒石酸 8.7g グルコン酸ナトリウム 5.1g 硫酸アルミニウム 25.2g pH 4.85 使用にあたっては、上記濃縮液1部に対して水2部の割
合で希釈する。使用液のpHは4.8である。
【0403】評価は以下の方法で行った。現像液のサー
モでの容器着色は、調整した現像液を100mlサイズの
ポリ瓶(材質はポリエチレン)に密栓で空気が入らない
ようにし60℃で1週間保存後、ポリ瓶への容器着色を
調べ、官能評価で1〜5点で評価した。点数が高いほど
着色が少なく、4点以上が実用的に許容レベルである。
結果は表25に示した。
【0404】写真性の評価は、作成した試料を光学クサ
ビを用い、633nmにピークをもつ干渉フィルターを
介して、発光時間10-5sec のキセノンフラッシュ光で
露光した。現像時間、温度は35℃20秒で処理した。
感度は、表19の No.1で処理したときに濃度1.5を
得るのに必要な露光量の逆数を100として相対値で示
した。数値が大きい方が高感度である。階調(ガンマ)
は次式で表した。この値が大きいほど写真特性が硬調で
ある。 *ガンマ=(3.0 − 0.3)/〔log(濃度 3.0を与える露
光量)−log(濃度 0.3を与える露光量)〕
【0405】評価結果を表26に示した。
【0406】
【表26】
【0407】本発明の化合物を用いた組み合わせでは、
感度も良好で、超硬調な画像が容器の着色無しに得られ
ることがわかる。N−メチル−p−アミノフェノールを
用いた場合には、超硬調な画像と容器着色を両立するこ
とができない。
【0408】実施例−10 実施例9で用いた、感材、現像液と定着液を用い、富士
写真フイルム社製FG−520AGを用いてランニング
テストを行った。ランニング条件は、1日にハーフ露光
した大全紙サイズ(50.8×61.0cm)の試料を1
6枚処理し、6日稼働して1日休むというランニングを
1ラウンドとして、6ラウンド行った。写真性評価のサ
ンプルは実施例9と同じように露光した。ランニング時
の定着液の補充量は、現像液の補充量に対して1.5倍
補充して行った。
【0409】処理条件は、現像時間=20秒、現像温度
=35℃、定着温度=34℃で行い、母液は、実施例1
の現像液をそのまま用い、補充液のpHは表27に記載
のように調整して行った。ランニング疲労液での感度と
しては95〜105に入っていることが実用上必要であ
る。ランニング後の点質は、大日本スクリーン(株)製
のヘリウム光源カラースキャナーSG−608を使用し
て100線にて50%の平網を塗布感材に出力し、前記
の処理条件で現像処理を行い、200倍のルーペで網点
のキレを目視評価した。評価結果を、(良)5〜1
(悪)の5点法で表に示した。実用的には3点以上が必
要である。評価結果を表27に示した。
【0410】
【表27】
【0411】本発明の化合物を用いた組み合わせでは、
ランニングでも写真性の変化が少なく、点質も良いこと
がわかる。特に低補充にした場合は、補充液のpHを上
げることによって安定な処理性を得ることができる。
【0412】実施例−11 造核剤としてヒドラジド化合物の固体分散を以下のよう
に調整して使用した。デモールSNB(花王(株))の
25%水溶液を調整した。次にヒドラジン化合物1gに
対し、デモールSNB水溶液1.2gと水59gを加え
て混合し、スラリーとした。このスラリーを分散機(1
/16ガロン、サンドグラインダーミル(アイメックス
(株)製)に入れ、メディアとして直径0.8〜1.2
mmのガラスビーズ200gを用い、10時間分散した。
次にヒドラジン化合物濃度1%、ゼラチン濃度5%にな
るようにゼラチン水溶液を加えて混合し、防腐剤として
プロキセルをゼラチンに対して2000ppm添加し
た。最後にアスコルビン酸を加えpHを5.0に調整し
た。
【0413】ヒドラジド化合物の固体分散を用いた感材
を実施例10と同様の実験を行い、同様の効果が得られ
た。
【0414】実施例−12 乳剤Fの調製 (1液) 水 1リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 2.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg (2液) 水 0.4リットル 硝酸銀 100g (3液) 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21.0g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸アンモニウム 20ml (0.001%水溶液) ヘキサクロロジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 7ml
【0415】40℃、pH4.5に保たれた1液に2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。 (4液) 水 0.4リットル 硝酸銀 100g (5液) 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21.0g
【0416】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗し、ゼラチン40gを加えた。pH
5.7、pAgを7.5に調整し、チオ硫酸ナトリウム
1.0mgと塩化金酸4.0mg、トリフェニルホスフィン
セレニド1.5mg、ベンゼンチオスルフォン酸ソーダ8
mg、ベンゼンチオスルフィン酸ソーダ2mgを加え、55
℃で最適感度になるように化学増感した。さらに安定剤
として、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン100mg、防腐剤として、フェノ
キシエタノールを加え、最終的に塩化銀を70モル%含
む、平均粒子径0.23μmの塩沃臭化銀立方体乳剤F
を得た。 塗布試料の作成 乳剤Fに増感色素(S−2)2.0×10-4モル/モル
Ag、増感色素(S−1)7.0×10-4モル/モルA
gを加えて分光増感を施した。さらにKBr3.4×1
-4モル/モルAg、化合物(C)5.0×10-4モル
/モルAg、化合物(D)8.0×10-4モル/モルA
g、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、化
合物(造核剤)を1.8×10-4モル/モルAg、前
記造核促進剤E−12を3.5×10-4モル/モルA
g、さらにゼラチンに対して30wt%のポリエチルア
クリレートラテックス、ゼラチンに対して15wt%の
粒径10mμのコロイダルシリカ、ゼラチンに対して4
wt%の化合物(B)を添加して、ポリエステル支持体
上にAg3.4g/m2、ゼラチン1.5g/m2になるよ
うに塗布した。この上に下記組成の保護層上層および保
護層下層、この下に下記組成のUL層を塗布した。 (保護層上層) ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmのシリカマット剤 25mg/m2 化合物−14(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20μmのコロイダルシリカ 30mg/m2 化合物(F) 5mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(G) 20mg/m2 (保護層下層) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(H) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 250mg/m2 (UL層) ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(B) 40mg/m2
【0417】なお、本発明で使用したサンプルの支持体
は下記組成のバック層および導電層を有する。 (バック層) ゼラチン 3.3g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 染料〔a〕 90mg/m2 染料〔b〕 20mg/m2 染料〔c〕 40mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.5μm) 20mg/m2 化合物(B) 120mg/m2 (導電層) ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2 /Sb(9/1重量比、平均粒子径0.25μ) 200mg/m2
【0418】実施例9で用いた、現像液と定着液を用
い、富士写真フイルム社製FG−520AGを用いてラ
ンニングテストを行った。ランニング条件は、1日にハ
ーフ露光した大全紙サイズ(50.8×61.0cm)の
試料を16枚処理し、6日稼働して1日休むというラン
ニングを1ラウンドとして、6ラウンド行った。写真性
評価のサンプルは実施例9と同じように露光したが、6
33nmにピークをもつ干渉フィルターに変わりに48
8nmにピークをもつ干渉フィルターを用いて露光し
た。ランニング時の定着液の補充量は、現像液の補充量
に対して1.5倍補充して行った。
【0419】処理条件は、現像時間=20秒、現像温度
=35℃、定着温度=34℃で行い、母液は、実施例1
の現像液をそのまま用い、補充液のpHは表28に記載
のように調整して行った。ランニング疲労液での感度と
しては95〜105に入っていることが実用上必要であ
る。ランニング後の点質は、クロスフィールド(株)製
のアルゴン光源カラースキャナーM−656を使用して
100線にて50%の平網を塗布感材に出力し、前記の
処理条件で現像処理を行い、200倍のルーペで網点の
キレを目視評価した。評価結果を、(良)5〜1(悪)
の5点法で表に示した。実用的には3点以上が必要であ
る。評価結果を表28に示した。
【0420】
【表28】
【0421】結果は、実施例11と同様の効果が得られ
た。
【0422】実施例−13 乳剤Gの調製 (1液) 水 1リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 2.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム 8mg (2液) 水 0.4リットル 硝酸銀 100g (3液) 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 21.9g 臭化カリウム 31.5g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸アンモニウム(0.001%水溶液) 10ml ヘキサクロロジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 5ml
【0423】42℃、pH4.5に保たれた1液に2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。 (4液) 水 0.4リットル 硝酸銀 100g (5液) 水 0.4リットル 塩化ナトリウム 25.4g 臭化カリウム 24.5g
【0424】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗し、ゼラチン62gを加えた。pH
5.9、pAgを7.5に調整し、チオ硫酸ナトリウム
2.0mgと塩化金酸8.0mg、トリフェニルホスフィン
セレニド2.0mg、ベンゼンチオスルフォン酸ソーダ4
mg、ベンゼンチオスルフィン酸ソーダ1mgを加え、60
℃で最適感度になるように化学増感した。さらに安定剤
として、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン150mg、防腐剤として、フェノ
キシエタノールを加え、最終的に塩化銀を60モル%含
む、平均粒子径0.24μmの塩沃臭化銀立方体乳剤G
を得た。 塗布試料の作成 乳剤Gに増感色素(S−5)7.0×10-4モル/モル
Ag、を加えて分光増感を施した。さらにKbr4.0
×10-3モル/モルAg、化合物(C)2.5×10-4
モル/モルAg、化合物(D)8.0×10-4モル/モ
ルAg、ハイドロキノン1.5×10-2モル/モルA
g、化合物(造核剤)を2.0×10-4モル/モルA
g、造核促進剤E−12を5.0×10-4モル/モルA
g、さらにゼラチンに対して40wt%のポリエチルア
クリレートラテックス、ゼラチンに対して25wt%の
粒径10mμのコロイダルシリカ、ゼラチンに対して4
wt%の化合物を添加して、ポリエステル支持体上に
Ag3.2g/m2、ゼラチン1.8g/m2になるように
塗布した。この上に下記組成の保護層上層および保護層
下層を塗布した。 (保護層上層) ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmのシリカマット剤 35mg/m2 化合物−14(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒径10〜20μmのコロイダルシリカ 30mg/m2 化合物(F) 5mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(G) 20mg/m2 (保護層下層) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(H) 10mg/m2 化合物(e) 50mg/m2 化合物−16 20mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 250mg/m2
【0425】なお、本発明で使用したサンプルの支持体
は下記組成のバック層およびバック保護層を有する。 (バック層) ゼラチン 2.5g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 30mg/m2 染料〔a〕 50mg/m2 染料〔b〕 30mg/m2 染料〔c〕 30mg/m2 染料〔h〕 90mg/m2 化合物(B) 140mg/m2 (バック保護層) ゼラチン 1.0g/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 20mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.5μm) 10mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2
【0426】
【化94】
【0427】実施例1て用いた、現像液と定着液を用
い、富士写真フイルム社製FG−520AGを用いてラ
ンニングテストを行った。ランニング条件は、1日にハ
ーフ露光した大全紙サイズ(50.8×61.0cm)の
試料を16枚処理し、6日稼働して1日休むというラン
ニングを1ラウンドとして、6ラウンド行った。写真性
評価のサンプルの露光は、ステップウェッジを通して3
200°Kのタングステン光で露光した。ランニング時
の定着液の補充量は、現像液の補充量に対して1.5倍
補充して行った。
【0428】処理条件は、現像時間=20秒、現像温度
=35℃、定着温度=34℃で行い、母液は、実施例9
の現像液をそのまま用い、補充液のpHは表29に記載
のように調整して行った。ランニング疲労液での感度と
しては95〜105に入っていることが実用上必要であ
る。評価結果を表29に示した。
【0429】
【表29】
【0430】結果は、実施例11と同様の効果が得られ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/305 G03C 5/305 (72)発明者 酒井 稔 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)で表わされる化合物の
    少なくとも一種と下記一般式(B)で表わされる化合物
    の少なくとも一種を含有することを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料用の処理組成物。 一般式(A) 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 、R4 は同一でも異なっていて
    もよく、各々水素原子または置換基を表わす。R5 、R
    6 は同一でも異なっていてもよく、各々アルキル基、ア
    ルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール
    基、またはヘテロ環基を表わす。 一般式(B) 【化2】 式中、R7 は水素原子、アルキル基、アリール基または
    ヘテロ環基を表わす。
  2. 【請求項2】 実質的にジヒドロキシベンゼン系現像主
    薬を含有しないことを特徴とする請求項1記載の処理組
    成物。
  3. 【請求項3】 更に下記一般式(C)で表わされる化合
    物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項
    1または2記載の処理組成物。 一般式(C) 【化3】 式中、Z1 はNおよびCと共同で無置換または置換の5
    員もしくは6員の含窒素芳香族ヘテロ環を形成するに必
    要な非金属原子団を表わし、X1 は水素原子またはカチ
    オンを表わす。また、Z1 より任意の水素原子一個がと
    れたラジカル2種が結合して、ビス型構造を形成しても
    よい。
  4. 【請求項4】 上記一般式(A)で表わされる化合物の
    少なくとも一種と上記一般式(B)で表わされる化合物
    の少なくとも一種を含有することを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料用の現像液。
  5. 【請求項5】 実質的にジヒドロキシベンゼン系現像主
    薬を含有しないことを特徴とする請求項4記載の現像
    液。
  6. 【請求項6】 上記一般式(C)で表わされる化合物の
    少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項4ま
    たは5記載の現像液。
  7. 【請求項7】 露光されたハロゲン化銀写真感光材料を
    請求項4ないし6に記載のいずれかの現像液で現像処理
    することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。
  8. 【請求項8】 現像液のpHが9.0〜10.5である
    ことを特徴とする請求項7記載の処理方法。
  9. 【請求項9】 現像液中の炭酸塩濃度が0.3モル/リ
    ットル以上であることを特徴とする請求項7または8記
    載の処理方法。
  10. 【請求項10】 現像液中の亜硫酸塩濃度が0.1モル
    /リットル以下であることを特徴とする請求項7〜9の
    いずれかに記載の処理方法。
  11. 【請求項11】 現像液の補充量が180ml/m2以下で
    あることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載
    の処理方法。
  12. 【請求項12】 現像補充液のpHが現像母液のpHよ
    り0.3以上高いことを特徴とする請求項7〜11のい
    ずれかに記載の処理方法。
  13. 【請求項13】 ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン
    化銀乳剤層またはその他の親水性コロイド層の少なくと
    も1層にヒドラジン造核剤を含有することを特徴とする
    請求項7〜12のいずれかに記載の処理方法。
  14. 【請求項14】 ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン
    化銀乳剤層またはその他の親水性コロイド層の少なくと
    も1層に造核促進剤を含有することを特徴とする請求項
    13記載の処理方法。
  15. 【請求項15】 ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン
    化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の全投影面積の
    50%以上100%以下がアスペクト比3〜30の平板
    状粒子であることを特徴とする請求項7〜12のいずれ
    かに記載の処理方法。
  16. 【請求項16】 ハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン
    化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の少なくとも5
    0モル%が塩化銀であることを特徴とする請求項15記
    載の処理方法。
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