JPH09295678A - クリームハンダの保存方法 - Google Patents

クリームハンダの保存方法

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JPH09295678A
JPH09295678A JP3621697A JP3621697A JPH09295678A JP H09295678 A JPH09295678 A JP H09295678A JP 3621697 A JP3621697 A JP 3621697A JP 3621697 A JP3621697 A JP 3621697A JP H09295678 A JPH09295678 A JP H09295678A
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cream solder
absorbent
solder
gas barrier
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Hideaki Watanabe
英明 渡辺
Tetsushi Watanabe
哲志 渡辺
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリームハンダの保存における問題を解決
し、簡便に保存ができ、保存中にクリームハンダが劣化
して印刷性、ハンダリフロー性等の低下を来すことのな
いクリームハンダの保存方法を提供する。 【構成】 本発明の方法は、クリームハンダを酸素の吸
収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共に、好
ましくはさらに酸性ガス吸収剤と共に、ガスバリア性容
器内に収納し密閉することにより、酸素並びに水分を実
質的に除去した雰囲気下に保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリームハンダの保
存方法に関する。詳しくは、クリームハンダを酸素の吸
収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共に、ガ
スバリア性容器内に収納し密閉することを特徴とする保
存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の実装技術の進歩は目ざましく、プ
リント基板上へのファインピッチQFP(Quad Flat Pa
ckageの略)やチップ部品等を基板上の所定位置に取り
付ける表面実装が実施され、年々、表面実装の高密度化
が進んでいる。表面実装では、まずクリームハンダをプ
リント基板表面に所定パターンに印刷し、QFP等の電
子部品を装填し、熱線加熱等の非接触方式でハンダをリ
フローさせ、電子部品の端子をハンダ付けするクリーム
ハンダ印刷方法を用いた実装がある。今や電子機器の小
型化、軽量化、高機能化に伴い、プリント配線基板上に
実装されるLSIパッケージもより多ピンでリード端子
ピッチの狭い高密度実装化が指向され、電子機器分野で
は、このクリームハンダ印刷技術は不可欠な技術であ
る。現在のところリード端子ピッチも、一般的に用いら
れる0.5mmピッチから更に微細な0.3mmピッチ
以下の取り組みが行われており、より良好な印刷性やハ
ンダリフロー性が望まれている。
【0003】クリームハンダは、粉末ハンダ、フラック
スと溶剤等を予め混ぜたペーストであり、表面実装の品
質や信頼性に直接影響を与える最も重要な材料であり、
ハンダの金属組成、フラックス組成等で種類も非常に多
いが、一般にクリームハンダは保存安定性が悪い。この
ようなクリームハンダの保存方法として、密閉性の高い
容器に密閉し、冷蔵庫等の3℃〜10℃の冷暗所で保管
し、輸送時も低温輸送することが必要であり、しかも製
造から約3ヶ月以内の短期間で使用しなければならない
など、生産面や保存面並びに輸送面で非常に不便であっ
た。このようにクリームハンダが保存安定性が悪い様々
な原因について、本発明者らが鋭意研究したところ、ク
リームハンダが酸化や吸湿を受けやすいことに起因して
いることが分かった。つまり、酸化や吸湿、さらには溶
剤成分の揮発に生ずる粘度変化により微細な印刷性の不
良が起こったり、ハンダ粉の酸化による溶融不良や、吸
湿のためにリフロー時にハンダボール(溶けたハンダが
表面張力によりボール状になり周囲に飛散する現象)が
発生し、配線がショートする等のクリームハンダ自身の
劣化が様々な問題をひきおこすものである。しかも、吸
湿による悪影響が大きいことから、一度冷蔵保存したク
リームハンダを使用する場合、結露による吸湿を避ける
為、密閉したまま室温で1時間程度放置し、室温まで戻
す煩わしさがあった。このような観点からクリームハン
ダの室温保存が望ましい。しかしながら、このようなク
リームハンダ中の粉末ハンダの酸化や吸湿によるフラッ
クスの劣化や、溶剤成分の揮発を防ぐ簡便な保存方法は
ないというのが実情であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記課
題を解決して、上記クリームハンダを酸素と水分を実質
的に除去したガスバリア性容器内に収納し、保存中のク
リームハンダの劣化による印刷性やハンダリフロー性等
の低下を来すことのないクリームハンダの室温保存方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するには、クリームハンダの保存雰囲気中の酸素
と水分の両者を除く必要があり、前記目的を達成するた
めに、酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱
湿剤と共にガスバリア性容器内に収納し密閉することが
必要であることを見いだし、本発明を完成した。そして
驚くべきことに、上記雰囲気に保存していることで、ク
リームハンダの劣化が防止され、印刷時までの保管中に
粘度変化がほとんどなく、ハンダリフロー時のハンダボ
ールの発生を抑制し、結露に関係のない室温保存が可能
となると共に使用期限の延長が可能となった。更に結露
による吸湿を避けるため室温でのコンディショニングの
煩わしさが問題とならない場合、従来の3℃〜10℃の
低温保存との併用により、さらなる使用期限の延長も考
えられる。すなわち、本発明方法は、クリームハンダを
酸素並びに水分を実質的に除去したガスバリア性容器に
収納し密閉することを特徴とするクリームハンダの保存
方法である。また本発明の方法は、上記方法において、
クリームハンダを酸素の吸収に水分を必要としない酸素
吸収剤と脱湿剤と共に、ガスバリア性容器内に収納し密
閉することを特徴とする保存方法である。また本発明の
方法は、上記方法において、クリームハンダを酸素の吸
収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤並びに酸性
ガス吸収剤と共に、ガスバリア性容器内に収納し密閉す
ることを特徴とする保存方法である。また本発明の方法
は、上記方法において、酸素の吸収に水分を必要としな
い酸素吸収剤が不飽和脂肪酸化合物および/または不飽
和基を有する鎖状炭化水素重合物を主剤とし酸素吸収促
進物質を含むものであることを特徴とする保存方法であ
る。また本発明の方法は、上記方法において、好ましく
は酸素吸収剤、脱湿剤および酸性ガス吸収剤は通気性包
装材料に包装した包装体であり、より好ましくは該包装
体をさらに無塵包装材料に包装した二重包装体である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、クリー
ムハンダの保存雰囲気を、酸素並びに水分を実質的に除
去したガスバリア性容器内に収納し密閉する必要があ
る。ここで実質的に酸素を取り去った状態とは、酸素濃
度5%以下、好ましくは1%以下、さらに好ましくは
0.1%以下をいう。また、実質的に水分を取り去った
状態とは相対湿度10%以下、好ましくは5%以下、さ
らに好ましくは1%以下をいう。上記の範囲を超えて酸
素並びに水分濃度が高い場合、クリームハンダ中の粉末
ハンダの酸化、吸湿によるフラックスの劣化や溶剤成分
の揮発により、印刷時までの保管中に粘度変化が生じた
り、ハンダリフロー時にハンダボールが発生したりし
て、クリームハンダの印刷性、ハンダリフロー性が低下
し、使用に耐えなくなったりする。
【0007】本発明に用いられる酸素吸収剤は、酸素吸
収に水分を必要としないものであれば特に制限を受ける
ものではないが、不飽和脂肪酸化合物や不飽和基を有す
る鎖状炭化水素重合物の不飽和有機化合物、ポリアミド
やポリオレフィン等の熱可塑性重合物を主剤とし、遷移
金属塩等の酸素吸収促進物質を含む酸素吸収剤が例示さ
れるが、不飽和脂肪酸化合物および/または不飽和基を
有する鎖状炭化水素重合物を主剤とし、酸素吸収促進物
質を含む酸素吸収剤が好ましい。
【0008】酸素吸収剤に用いられる不飽和脂肪酸化合
物とは、炭素数が10以上で炭素間に2重結合を持った
不飽和脂肪酸、または該不飽和脂肪酸の塩もしくはエス
テルである。該不飽和脂肪酸およびその脂肪酸の塩もし
くはエステルには、置換基、例えば水酸基やホルミル基
等を有していても良い。また、不飽和脂肪酸化合物は必
ずしも単一物質である必要はなく、2種以上の混合物で
あっても良い。
【0009】不飽和脂肪酸化合物の例として、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、パリナリ
ン酸、ダイマー酸またはリシノール酸等の不飽和脂肪
酸、およびこれらのエステルを含有する油脂、エステル
類や金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪酸として植
物油、動物油から得られる脂肪酸、すなわち、アマニ油
脂肪酸、大豆油脂肪酸、桐油脂肪酸、糠油脂肪酸、胡麻
油脂肪酸、綿実油脂肪酸、菜種油脂肪酸やトール油脂肪
酸等も用いられる。
【0010】また、不飽和基を有する鎖状炭化水素重合
物とは、炭素数10以上で炭素原子間に2重結合を1つ
以上を有した重合物およびその誘導体である。該誘導体
は、置換基として、例えば水酸基、アミノ基、ホルミル
基やカルボキシル基等が存在しても良い。不飽和基を有
する鎖状炭化水素重合物を例示すれば、ブタジエン、イ
ソプレンや1,3−ペンタジエンなどのオリゴマーや重
合体が挙げられ、これらは必ずしも単一物質である必要
はなく、共重合体や2種以上の混合物であっても良い。
不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物は、必ずしも純物
質である必要はなく、その製造時に混入してくる溶媒等
の少量の不純物は、常識的な範囲で許容される。
【0011】酸素吸収促進物質としては、有機化合物の
酸化を促進する金属塩やラジカル開始剤を例示すること
ができる。金属塩としては、Cu、Fe、Co、Ni、
CrやMn等の遷移金属塩が好ましく、遷移金属塩とし
て、例えば不飽和脂肪酸遷移金属塩が好適に用いられ
る。
【0012】主剤等が液状物質である場合、担体物質に
吸着性物質を用いることが好ましい。酸素吸収剤に用い
られる担体物質としては、天然パルプ、合成パルプから
なる紙や合成紙、シリカゲル、アルミナ、活性炭、ゼオ
ライト(天然ゼオライト、合成ゼオライト)、パーライ
トや活性白土等が例示される。また、担体物質として、
脱湿剤や酸性ガス吸収剤に選定されるものを選び、担体
に脱湿能や酸性ガス吸収能を持たせることも実質的な使
用方法である。
【0013】酸素吸収剤における各成分の割合は、主剤
100重量部に対し、酸化促進物質は0.01〜40重
量部の範囲であり、担体物質は1〜1000重量部の範
囲である。
【0014】本発明に用いられる脱湿剤としては、天然
パルプ、合成パルプからなる紙や合成紙、シリカゲル、
アルミナ、活性炭、ゼオライト(天然ゼオライト、合成
ゼオライト)、パーライト、活性白土、生石灰、酸化バ
リウム、塩化カルシウム、臭化バリウム、水素化カルシ
ウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化亜鉛等
が例示される。これら脱湿剤は単独で用いてもよいし、
2種類以上を混合して用いても良い。また上記の担体物
質又は、酸性ガス吸収剤に脱湿機能をもつものを選んだ
場合は、改めて脱湿剤を加えなくても良い。
【0015】本発明に用いられる酸性ガス吸収剤として
は、密閉雰囲気に存在する酸性物質を吸収又は吸着でき
る物質であればよく、例えば、紙や合成紙、合成樹脂
類、ゼオライト(天然ゼオライト、合成ゼオライト)や
活性炭に例示される多孔性物質類ならびにアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、
有機酸塩や有機アミン類が用いられる。これら酸性ガス
吸収剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して
用いても良い。また、上記の担体物質又は、脱湿剤に酸
性ガス吸収機能をもつものを選んだ場合は、改めて酸性
ガス吸収剤を加えなくても良い。
【0016】本発明の酸素吸収剤および脱湿剤の使用量
としては、酸素吸収剤は、少なくともガスバリア性の密
閉容器内の空間容積の酸素を吸収することができる量で
あり、好ましくはその量の1.1〜10倍の範囲であ
り、また脱湿剤は、少なくともガスバリア性の密閉容器
内の空間容積の水分を吸収することができる量であり、
好ましくはその量の1.1〜500倍の範囲であり、ガ
スバリア性の密閉容器のバリア性能に応じ適宜選ばれ
る。
【0017】本発明の酸素吸収剤、脱湿剤、さらには酸
性ガス吸収剤は、各成分を混合して用いることも可能で
ある。これらの単一剤あるいは混合物は適宜、粉体、顆
粒、錠剤やシート状等にして用いられる。酸素吸収剤、
脱湿剤、さらには酸性ガス吸収剤は、被保存物品に直接
触れることは好ましくなく、通常は、例えば紙又は不織
布を基材とする公知の通気性包材に包装して包装体とし
て使用される。またこれら酸素吸収剤は、その一部ある
いは全部を、脱湿剤さらには酸性ガス吸収剤と一緒の包
装体としても、また各々別の包装体としても良い。包装
体の形態は必ずしも限定されず、目的に応じて、例え
ば、小袋、シート、ブリスター包装体等が挙げられる。
包装体の包装材料および構成は特に限定されない。また
防塵対策として、上記包装体を酸素、水分及び酸性ガス
の透過性に支障を来さず、かつ包装体から発生するダス
トを外部に放出させない無塵包材で更に覆い、二重包装
体とすることも可能である。しかし包装体自体に防塵対
策が施されている場合には、改めて無塵包材で覆う必要
はない。
【0018】本発明のガスバリア性の密閉容器は、保存
期間を充分に長く取る場合は、保存中に酸素、水蒸気の
透過があり、ガスバリア性の密閉容器内の酸素、水分濃
度の上昇につながりかねないので、例えば、プラスチッ
クス容器、フィルム袋、金属容器、ガラス容器等で、ガ
スバリア性の高い容器が望ましい。例えばフィルム袋を
例にとると、保存期間が短期間であれば、ガスバリア性
の低いポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン系等の
使用が可能である。また長期間保存するような場合は、
アルミニウム箔、酸化珪素蒸着系等のガスバリア性の高
い材質の使用が必要である。ガスバリア性密閉容器のガ
スバリア性としては、25℃、60%RH(相対湿度)
における酸素透気度が10ml/m2 ・Day ・atm 以下で
あり、かつ、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度
が1g /m2 ・Day 以下であることが好ましい。一方、
容器にクリームハンダを密閉保存するに際し、窒素、ア
ルゴン等の乾燥不活性ガスで容器内を置換してもよく、
ガス置換は、酸素吸収剤、脱湿剤、特に酸素吸収剤の使
用量の低減につながる。
【0019】保存環境の温度は、0℃〜50℃、好まし
くは10℃〜40℃、さらに好ましくは20℃〜30℃
であり、前記範囲内でクリームハンダ印刷する作業環境
の温度であれば、結露の心配もなく好ましい。結露によ
る吸湿を避けるための室温でのコンディショニングの煩
わしさが問題とならない場合は、従来の3℃〜10℃程
度の低温保存との併用により、さらなる使用期限の延長
も考えられる。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1: ガス吸収剤包装体の製造 下記処方の酸素吸収剤5gと脱湿剤並びに酸性ガス吸収
剤として生石灰2.5gを混合し、内面に開孔したポリ
エチレンフィルムをラミネートした紙の小袋(内寸サイ
ズ、5cm×7.5cm)に充填し、酸素、水分の透過
性に支障をきたさない無塵包材で被覆し、ガス吸収剤包
装体(以下、単にガス吸収剤という)を製造した。ここ
で酸素吸収剤は、主剤の不飽和有機化合物に大豆油を、
また酸素吸収促進物質にナフテン酸コバルト(Co含有
量8重量%品)を選び、大豆油100重量部とナフテン
酸コバルト2重量部の混合物に天然ゼオライト(モルデ
ナイト)350重量部を加え、ブレンダーで混合した
後、25℃で10分間静置して流動性のある粉粒体とし
た。
【0021】クリームハンダの保存:クリームハンダと
してMICROSOLDER(ハリマ化成(株)製 P
S10BR−450A−F60 プラスチック容器入り
500g)1瓶と上記に製造したガス吸収剤1包とを、
アルミニウム箔積層材(延伸ポリプロピレン/アルミニ
ウム箔/ポリエチレン)からなる包装袋(サイズ;220m
m ×300mm 、以下「アルミ袋」という。)に空気500
ml(25℃、75%RH)と共に入れ、袋の開口部をヒ
ートシールして密閉した。このアルミ袋を25℃、60
%RHの雰囲気下で5ヶ月間放置した。5ヶ月間保存し
た上記アルミ袋内の酸素濃度並びに水分濃度をガスクロ
マトグラフを用い測定したところ、保存系内は実質的に
酸素並びに水分のない状態に維持されていたことが確認
された。
【0022】クリームハンダの評価:上記保存のクリー
ムハンダを、アルミ袋を開封して取り出し、そのクリー
ムハンダのハンダボール発生状況及び粘度を評価した。
ハンダボール試験方法は、JIS Z 3284に準拠
し、アルミナ基板(25×50×0.8mm)にメタル
マスク(25×50×0.2mm、中央に6.5mmの
孔あり)を載せ、ヘラにてクリームハンダを印刷し、マ
スクを剥がしたアルミナ基板を235℃のソルダバスの
液面に水平にのせ、印刷クリームハンダが溶融して5秒
後に基板を水平のまま取り出し、ハンダが凝固するまで
放冷し、ハンダボールの発生度合いを評価した。本評価
は周囲にハンダボールがなく良好な「1」から、周囲に
多数のハンダボールが発生し不良である「5」までの5
段階で評価される。また粘度測定は回転式粘度計
〔(株)トキメック製 B型粘度計〕を使用し、25℃
における粘度を測定した。また初期状態の確認として保
存前のクリームハンダも、実施例1におけると同様のク
リームハンダの評価テストを実施した。結果を表1に示
す。実施例1のハンダボールの発生度合いの評価として
は、保存前の初期状態と同様に、ハンダは一つの大きな
球となり、周囲にハンダボールは確認されず、はんだ凝
集度合は「1」と判定された。また粘度変化も初期状態
から僅かな粘度上昇であった。
【0023】比較例1、2:比較例1は、実施例1に用
いたものと同様のクリームハンダを用い、ガスバリア性
容器に収納密閉することなく、現状の推奨保存温度であ
る10℃の暗所雰囲気下で5ヶ月間放置し、実施例1に
おけると同様の評価テストを実施した。比較例2は、実
施例1に用いたものと同様のクリームハンダを用い、ガ
スバリア性容器に収納密閉することなく、25℃、60
%RHの暗所雰囲気下で5ヶ月間放置し、実施例1にお
けると同様の評価テストを実施した。結果を表1に示
す。比較例1、2とも初期状態とは異なり、ハンダボー
ルの発生が確認され、比較例1ではハンダボールが3個
以上確認され、凝集度合は「3」と判定された。また比
較例2ではハンダボールがさらに増加し、半連続の環状
におよび、凝集度合は「4」と判定され、劣化が確認さ
れた。また粘度変化は、両比較例とも初期状態に比べ粘
度上昇が確認された。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2〜4:実施例1のガス吸収剤にお
ける酸素吸収剤の主剤と酸素吸収促進物質の組み合わせ
を、それぞれ次のように変え、実施例1と同様にして、
ガス吸収剤を製造した。 酸素吸収主剤(100 重量部) 酸素吸収促進物質(2重量部) ─────────────────────────────────── 実施例1 大豆油 ナフテン酸コバルト 実施例2 トール油脂肪酸 トール油脂肪酸コバルト 2) 実施例3 大豆油 トール油脂肪酸コバルト 実施例4 大豆油+液状ホ゜リイソフ゜レン 1) ナフテン酸コバルト 注1)大豆油:液状ポリイソプレン(日本合成ゴム(株)製、ダイナクリンR113 )=6:4(重量比)の混合物。 注2)トール油脂肪酸コバルト=Co含有量6重量%品 酸素吸収剤の主剤と酸素吸収促進物質の組み合わせの異
なる上記のガス吸収剤を用い、それぞれ実施例1におけ
ると同様に、クリームハンダの保存及び評価テストを実
施した。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】比較例3,4:クリームハンダの保存に、
実施例1で用いたガス吸収剤の代わりに、比較例3で
は、乾燥剤〔シリカゲルA型 5g、富士デヴィソン化
学(株)製〕を用い、比較例4では、脱酸素剤〔水分保
有型鉄粉系脱酸素剤、エージレスZ−100PT、三菱
瓦斯化学(株)製〕を用いて、実施例1と全く同様に評
価した。
【0028】
【表3】
【0029】実施例5:保管環境を40℃乾燥機にし
て、2週間、4週間放置した以外は実施例1と同様に行
い、評価した。 比較例5:実施例5でガス吸収剤を用いないで保管した
以外は全く実施例5と同様に行った。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、クリームハンダ
を酸素並びに水分を実質的に取り去った雰囲気に保持す
ることにより、印刷性やハンダリフロー性に影響を与え
る粘度変化やハンダボールの発生等のクリームハンダの
劣化を防止し、室温での保存や使用期限の延長が可能と
なった。しかも本発明によれば、クリームハンダを酸素
の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共
に、好ましくはさらに酸性ガス吸収剤と共に、ガスバリ
ア性容器内に収納し密閉するだけで、きわめて簡便な方
法でクリームハンダを良好に保存することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリームハンダを酸素並びに水分を実質
    的に除去したガスバリア性容器内に収納し密閉すること
    を特徴とするクリームハンダの保存方法。
  2. 【請求項2】 クリームハンダを酸素の吸収に水分を必
    要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共に、ガスバリア性容
    器内に収納し密閉する請求項1に記載のクリームハンダ
    の保存方法。
  3. 【請求項3】 クリームハンダを酸素の吸収に水分を必
    要としない酸素吸収剤と脱湿剤並びに酸性ガス吸収剤と
    共に、ガスバリア性容器内に収納し密閉する請求項1に
    記載のクリームハンダの保存方法。
  4. 【請求項4】 酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸
    収剤が不飽和脂肪酸化合物および/または不飽和基を有
    する鎖状炭化水素重合物を主剤とし酸素吸収促進物質を
    含むものである請求項2〜3に記載のクリームハンダの
    保存方法。
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