JP2014166633A - 落とし込み治具の製造方法、機能材料の高精度塗布乾燥方法、真空蒸着方法、及び高機能化基板の製造方法 - Google Patents

落とし込み治具の製造方法、機能材料の高精度塗布乾燥方法、真空蒸着方法、及び高機能化基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空待機時間を短縮できる、スループットの高い機能材料の高精度塗布乾燥方法を提供する。
【解決手段】機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を、保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板と、落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層とが積層されてなり、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を有する落とし込み治具と、落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、落とし込み治具を載置固定するベース治具と、を有する治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、その後、落とし込み治具をベース治工具から離脱する工程、落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、及び粘着保持層から有機基板を離脱する工程、を含む機能材料の高精度塗布乾燥方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、システムと電気的接続をするセンサ基板、カード、チップなどをカードエッジ方式で挿入して使用する形態の高機能化基板の製造に用いられる治工具であって、プリンタブルエレクトロニクス分野におけるインクジェットやナノインプリントあるいはディスペンサ等の塗布印刷や乾燥、さらには、プラズマ処理や蒸着などの真空プロセスを適用するための治工具、該治工具を用いた機能材料の高精度塗布乾燥方法、真空蒸着方法及び高機能化基板の製造方法に関する。
半導体素子の高集積化や高速化のみならず、低消費電力化により、携帯電話をはじめとする、電子辞書、ディジタルビデオ・カメラ、LED等の小型高性能の情報通信機器は、ますます開発が加速されている。これらのモバイル機器には、情報を記憶するメモリデバイスを内蔵した各種メモリカードが、カードエッジ方式の挿抜可能な状態で利用されている(例えば、特許文献1参照。)。このような、カード状の基板は、量産・低価格のために、極力有機材料が用いられる。また、多層板を相互に接続するためにも、このような形態は、重要になりつつある(例えば、特許文献2参照。)。
また、用途はメモリや多層板を相互に接続するためだけでなく、センサといった用途へも展開が可能と思われる。
特開2005−32446号公報 特開2004−335547号公報
有機材料を用いる電気化学的測定基板、メモリカード、センサチップなどは、高集積化のために高配線密度化が重要となり、微細配線化が重要となっている。また、高集積化だけでなく高機能化のため、抵抗やキャパシタといった部品実装ではなく、相当する機能材料を直接、配線上に形成する必要も生じてきている。そこで、近年では、プリンタブルエレクトロニクスが台頭しつつある。プリンタブルエレクトロニクスとは、配線材料や機能材料をインク化し、このインクを、ナノインプリントといった転写技術、あるいは、微小なインク量を塗布できるインクジェット、あるいは微細化では前者のものに劣り、フォトリソとも同程度前後ではあるが、局所的に、任意の位置に機能材料を形成できるディスペンサ技術で、基板上に、塗布・乾燥する工程を基礎としている分野である。機能材料としては、導電体、抵抗体、絶縁体、透明導電材、各種有機膜がある。
しかし、これらを有機基板上に展開するとなると、塗布時には、有機基板に特有の寸法収縮による反りねじれによって、水平精度や位置精度が確保できず、膜厚精度が確保が困難となる。また、乾燥時における熱のばらつきにより、表面性状のばらつきだけでなく、クラック発生といった課題が惹起する。
また、場合によっては、これらの基板にプラズマ処理、蒸着、スパッタといった真空プロセスを施すことがある。このときに、所定の真空度を達成する必要があるが、有機基板からのアウトガスにより真空待機時間が長時間となる。これにより、処理時間の増大が惹起し、スループットの低下につながるといった課題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、有機基板の反りを吸収し、水平精度を確保しつつ、位置精度も確保し、所定の位置に機能材料を形成するために、塗布から乾燥まで共通して使用でき、さらには、プラズマ処理や蒸着、スパッタといった真空プロセスを施せるスループットの高い治工具を提供することを目的とする。
また、本発明は、真空待機時間を短縮できる、スループットの高い機能材料の高精度塗布乾燥方法、真空蒸着方法、及び高機能化基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、有機センサ基板の反りを吸収し、水平精度を確保しつつ、位置精度も確保し、所定の位置に機能材料を形成するために、塗布から乾燥まで共通して使用でき、さらには、プラズマ処理や蒸着、スパッタといった真空プロセスを施せるスループットの高い手段を鋭意検討の結果、これらのプロセスを適性化できる治工具を発明するに至った。
すなわち、前記課題を解決する手段は以下の通りである。
(1)機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を、所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板と、前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層とが積層されてなることを特徴とする落とし込み治具。
(2)前記粘着保持層の両面ともに粘着性を有し、該両面の各面において粘着力が異なることを特徴とする前記(1)に記載の落とし込み治具。
(3)前記粘着保持層の落とし込み基板側の面の粘着力が、他方の面よりも大きいことを特徴とする前記(2)に記載の落とし込み治具。
(4)前記有機基板の厚さと等しくなるように落とし込み基板の厚さが設定されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の落とし込み治具。
(5)さらに、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の落とし込み治具。
(6)前記(5)に記載の落とし込み治具と、
該落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具と、
を有することを特徴とする治工具。
(7)前記ベース治具の前記凸部を有する面とは反対側の面に、本治工具が固定される装置に設けられた凸部と嵌合してベース治具を載置固定する凹部を有することを特徴とする前記(6)に記載の治工具。
(8)有機基板を落とし込み治具に落とし込んだ後の落とし込み基板上に設けられる、真空蒸着で蒸着金属を選択的に所定の位置に付与するための開口部が形成されたマスク治具をさらに有することを特徴とする前記(6)又は(7)に記載の治工具。
(9)前記(6)〜(8)のいずれかに記載の治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、
前記有機基板に機能材料を塗布乾燥後、前記落とし込み治具を前記ベース治工具から離脱する工程、
前記ベース治具から離脱した落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、及び
前記粘着保持層から有機基板を離脱する工程、
を含むことを特徴とする機能材料の高精度塗布乾燥方法。
(10)前記落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付した後、有機基板に機能材料を塗布する前に、プラズマ処理を施すことを特徴とする前記(9)に記載の機能材料の高精度塗布乾燥方法。
(11)前記(6)又は(7)に記載の治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付する工程、
前記有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、及び
前記有機基板に対して真空プロセスを施す工程、
を含む高機能化基板の製造方法であって、
前記有機基板に対して真空プロセスを施すに際し、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴とする高機能化基板の製造方法。
(12)前記(6)又は(7)に記載の治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、
前記有機基板に機能材料を塗布乾燥後の有機基板に、真空蒸着で蒸着金属を選択的に所定の位置に付与するための開口部が設けられたマスク治具を搭載し、プラズマ処理を施す工程、
前記プラズマ処理後、所定金属を蒸着する工程、
前記蒸着後、前記マスク治具を離脱するとともに、落とし込み治具をベース治工具から離脱する工程、
前記ベース治具から離脱した落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、
前記粘着保持層から有機基板を離脱する工程、
を含むことを特徴とする高機能化基板の製造方法。
(13)前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を、機能材料の塗布乾燥、真空蒸着、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つの処理の前において予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴とする前記(12)に記載の高機能化基板の製造方法。
(14)前記(6)〜(8)のいずれかに記載の治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に所定金属を真空蒸着する真空蒸着方法であって、
前記有機基板に対して真空蒸着を施すに際し、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴とする真空蒸着方法。
(15)前記(2)〜(4)のいずれかに記載の落とし込み治具の製造方法であって、
遮光基材の両面に形成した光硬化性樹脂層に対し、照射する光の光量を両面のそれぞれにおいて異ならせて前記粘着保持層を形成する工程を含むことを特徴とする落とし込み治具の製造方法。
本発明によれば、センサ基板などの多様な有機基板の反りを吸収し、水平精度を確保しつつ、位置精度も確保し、所定の位置に機能材料を形成するために、塗布から乾燥まで共通して使用でき、さらには、プラズマ処理や蒸着、スパッタといった真空プロセスを施すことが可能なスループットの高い治工具を提供することができる。
また、本発明によれば、真空待機時間を短縮できる、スループットの高い機能材料の高精度塗布乾燥方法、真空蒸着方法、高機能化基板の製造方法を提供することができる。
本発明の治工具を用いて作製されるセンサ基板の一例を示す上面図である。 本発明のベース治工具の(A)上面図、(B)(A)のA−A線に沿った断面図である。 本発明の落とし込み治具の(A)上面図、(B)(A)のB−B線に沿った断面図である。 本発明の治工具の要部を分解して示す分解斜視図である。 本発明に係るマスク治具を示す上面図である。 本発明の治工具におけるマスク治具を有する態様の要部を分解して示す分解斜視図である。 各種有機基板について測定した真空待機時間をグラフで示す図である。 本発明の高機能化基板の製造方法の各工程について説明する概念図である。
<落とし込み治具>
本発明の落とし込み治具は、機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を、所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板と、前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層とが積層されてなることを特徴としている。
さらに、本発明の治工具は、本発明の落とし込み治具と、該落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具と、を有することを特徴としている。
以下にまず、本発明の落とし込み治具及び治工具に搭載され、その後のプロセスに供される有機基板について説明する。
[有機基板]
図1に、本発明の治工具(落とし込み基板)に搭載した有機基板を用い、所定のプロセスを経て作製されるセンサ基板の一例を示す。図1(A)は、センサ基板の配線パターンを示し、図1(B)は、この配線パターンから電極部を開口させるクリアランスパターン20をセンサ基板10に載せた状態を示し、このクリアランスパターン20の各開口は、それぞれ、図1(A)に示す各電極を開口させる開口部に対応する。また、図1(C)は、センサ基板の層構成の断面を示す。同図(C)に示すように、センサ基板10は、配線層22を有するベース基板(有機基板)23の配線層22側に、接着剤層21を介してカバーレイ層20が積層され、配線層22とは反対側に、接着剤層24を介し補強板25が積層されてなる。
図1に示すセンサ基板10は、基本的には使い捨てで使用する基板の配線パターン図である。図中に示す記号C、R、Wは、それぞれ、対極電極、参照電極、作用電極を示している。この記号の添え字1〜5はCRWの組番号であり、電流電圧特性、あるいは電圧測定で使用する電極の構成例であり、これらが1組の電極群をなす。図1では、電極群は5組が配置されており、各電極は、円形状であっても、矩形であっても任意である。
センサ基板10の引き回し配線(配線用部材)14は、各電極から、基板の端部のコネクタと嵌合して接続される測定用端子(接続端子)16まで引き回されるが、電極との接続には、テーパー形状をつけ応力緩和して断線を防止することが通常行われる。また、この引き回し配線14は、電極間を通り抜けるので、一定の基板の大きさでは、電極数が多くなったり、電極ピッチが狭くなったりすると、電極間を通り抜ける配線数を増やす必要から配線幅および配線の間隙を狭くする必要が生じる。従って、引き回し配線間の絶縁性確保が極めて重要になってくる。配線形成は、例えば、銅エッチングの後、ダイレクト金めっき層を形成して行うことができる。
以上のセンサ基板を作製するための元材料となる有機基板としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂などの基材の両面に銅などの金属層が設けられたものを用いることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。また、シリカなどのフィラーを混合したり、樹脂をガラス織布、不織布に含浸させたりしたものでもよい、具体的には、日立化成工業(株)製LX-67、E-679FG、BE-67G、E-67 、AS-3000E、E679、AS-5000I、KS7003が使用可能である。
前記光硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その光開始剤、硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを露光あるいは加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾエート樹脂、液晶ポリマなどのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。これらの絶縁樹脂は、異種の樹脂の混合体からなる絶縁樹脂組成物であってもよく、さらに、絶縁樹脂組成物は充填剤としてシリカや金属酸化物などの無機フィラーを含むものでもよい。無機フィラーはニッケル、金、銀などの導電粒子、あるいはこれらの金属をめっきした樹脂粒子であってもよい。
なお、熱可塑性液晶ポリマとしては、ジャパンゴアテックス社製、BIAC−Cが好適に用いることができる。
本発明では、例えば、ポリイミド基板を用いて設計し、図1に示すセンサ基板を作製することができる。また、この設計に基づき、基材を日立化成工業(株)製の各種基板材料から選択し、作製も可能である。なお、本発明者は、実際にこれらを主たるベースとする有機基板を用い、後述する真空プロセスに供試した。
また、基材の両面に設けられる金属層に使用する金属としては、銅の他、アルミニウム、鉄、ニッケルその他金属、これらの合金が使用可能であるが、好適には、開口窓側と端子とケーブル配線側をスルーホールめっきで電気的に接続して使用する場合もあるので、電解銅や圧延銅のいずれかの銅箔がよい。
当該金属層の厚さとしては、9〜25μmとすることができる。
以上の有機基板の厚さとしては、必要に応じて適宜設定できるが、コネクタに嵌合する部分は、例えば250〜350μmとすることができる。
[落とし込み治具]
次いで、本発明の落とし込み治具について説明する。
図2は、本発明を適用した落とし込み治具30を示し、(A)は上面図であり、(B)は(A)のA−A線に沿った断面図である。この落とし込み治具30は、落とし込み基板31と、粘着保持層34とが積層されてなり、落とし込み基板31には、例えば、図1で示したセンサ基板を作製するため、その元材料となる有機基板を一度に10枚搭載できるように、落とし込み部32が10箇所に配されている。落とし込み基板の材質としては、 ガラスエポキシ板、SUS、アルミニウム、銅等の金属板等が挙げられ、中でも、ガラスエポキシ板が好ましい。特に、ガラスエポキシ板を使用すれば、落とし込み部32の形成のために打ち抜く際に生じる打ち抜き片を、既述の有機基板として使用でき、しかも落とし込み部に容易に嵌め戻すことができるため、製造効率の観点から好ましい。
落とし込み基板31の厚さは、例えばディスペンサ工程でのシリンジ針と衝突しないようにしたり、メタルマスクを載置したときに、余分な出っ張りにより、マスク変形を防ぐ配慮をしたりする観点から、搭載する有機基板の最大厚さと同一となるように設定されることが好ましい。
粘着保持層34は、落とし込んだ有機基板をその粘着力で吸着し、落とし込み基板31の落とし込み部32において有機基板を保持する役割を果たす。図2においては、粘着保持層34はシート状に形成され、落とし込み基板31の下部に脱着可能に貼付されており、落とし込み部32において粘着保持層34の一部が外部に露出している。従って、落とし込み部32に落とし込まれた有機基板は、その位置にて粘着保持層34に吸着される。この粘着保持層34の存在により、有機基板の反りやねじれなどを防止することができる。
粘着保持層は、両面ともに粘着性を有し、両面の各面において粘着力が異なることが好ましい。より具体的には、落とし込み治具30のベース治具側(後述)を弱くし、その反対側を強くすることが好ましい。このように表裏で粘着力が異なる部材としては、紫外線が遮光されるコアフィルム(遮光基材)の両面にレジストをラミネートし、表裏で露光量を変えて、粘着力を調整したものを使用することができる。これにより、基板の反りやねじれを吸収し、落とし込み治具に基板を嵌めこんだ際に、水平精度が高くなり、その平面は、落とし込み治具の表面と同じ高さとなる。更には、基板外形がこの落とし込み治具の刳りぬいた部分の周辺のいずれかの角で突き当てるようにして搭載することにより、位置精度良く搭載できるよう、少し裕度をもって刳り抜いてある。または、表裏で粘着力が異なる粘着シートとして、大昌電子製マジックレジンシートK200S&T200Mを使用することが出来る。
落とし込み治具に、さらに、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を設けることで、後述する、凸部を有するベース治具に容易に搭載することができる。図2においては、凹部は符号36で示している。
<治工具>
本発明の治工具は、既述の落とし込み治具と、該落とし込み治具に設けられた凹部に嵌合する凸部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具とを有してなる。落とし込み治具については既に説明したので、以下にベース治具について説明する。
図3(A)は、ベース治具40の上面図を示し、図3(B)は同図(A)のB−B線に沿った断面図を示す。図3(A)に示す通り、ベース治具40は、落とし込み治具を搭載するため、落とし込み治具の凹部36が嵌合する凸状に立設したピン(凸部)42を有しており、また、本治工具が固定される装置として、例えば塗布装置に離脱可能に搭載できるように、装置のステージ設けられた台形上のピンに挿入して位置が精度良く嵌合するための凹部44を有する。ベース治具の材質としては、SUS、ガラスエポキシ板、銅張り積層板、銅板、アルミ金属板、その他樹脂や金属板等が挙げられ、中でも、SUSが望ましい。中でも、SUS304は、ベース治具、落とし込み治具に有利である。SUS403は、熱変形につよく、浮き防止ができるため、マスクに有利である。
図4は、本発明の治工具を分解した状態を示す分解斜視図である。図4に示すように、本発明の治工具は、ベース治具40から順に、粘着保持層34、落とし込み基板31が積層されてなる。
本発明の治工具によると、落とし込み治具の落とし込み部において有機基板が粘着保持層に着接し、該有機基板の水平度が保持された状態で塗布乾燥やその他の処理が施されるので、有機基板の反りやねじれなどの不具合が低減し、それらの不具合に起因する問題点を解消することができる。
[マスク治具]
本発明の治工具は、有機基板を落とし込んだ後の落とし込み基板上に設けられる、真空蒸着で蒸着金属を選択的に所定の位置に付与するための開口部が形成されたマスク治具をさらに設けることができる。図5は、そのようなマスク治具の一例を示す上面図であり、 図6は、本発明の治工具において、当該マスク治具を有する態様を分解した状態を示す分解斜視図である。図5、図6に示すマスク治具50は、蒸着金属を真空蒸着しようとする有機基板を落とし込んだ落とし込み基板30上に設けられるものであって、有機基板10枚に対応する開口部(図5における円形部及び矩形部)が形成されている。図5において破線で示した領域が有機基板1枚に対応する。なお、マスク治具50には、有機基板1枚に対応する領域に9個の開口部を有するが、必要に応じてポリイミドテープ等で開口部を塞ぐことで、所望の開口部に対応する領域のみに蒸着することができる。
<落とし込み治具の製造方法>
本発明の落とし込み治具の製造方法は、既述の本発明の落とし込み治具を製造し得る製造方法であって、遮光基材の両面に形成した光硬化性樹脂層に対し、照射する光の光量を両面のそれぞれにおいて異ならせて前記粘着保持層を形成する工程を含むことを特徴とする落とし込み治具の製造方法。ことを特徴としている。
既述のように、粘着保持層は、両面ともに粘着性を有し、両面の各面において粘着力が異なることが好ましいが、そのような両面で粘着力が異なる粘着保持層を有する落とし込み治具を本発明の製造方法により容易に製造することができる。
なお、このような製造方法は、落とし込み治具の粘着保持層において既に説明したのでここでは省略する。
<機能材料の高精度塗布乾燥方法>
次いで、本発明の機能材料の高精度塗布乾燥方法について説明する。本発明の機能材料の高精度塗布乾燥方法は、既述の本発明の治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、前記有機基板に機能材料を塗布乾燥後、前記落とし込み治具を前記ベース治工具から離脱する工程、前記ベース治具から離脱した落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、前記粘着保持層から有機基板を離脱する工程、を含むことを特徴としている。
本発明の機能材料の高精度塗布乾燥方法によると、本発明の治工具に有機基板を搭載した状態で機能材料の塗布乾燥をするため、有機基板の水平度を保持した状態で機能材料を塗布することができることから、水平精度や位置精度を確保でき、ひいては十分な膜厚精度が得られる。
本発明の機能材料の高精度塗布方法において、落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付した後、有機基板に機能材料を塗布する前に、プラズマ処理による表面処理を施すことが好ましい。
<高機能化基板の製造方法>
次いで、本発明の高機能化基板の製造方法について説明する。
本発明の高機能化基板の製造方法は、既述の本発明の治工具における治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付する工程、前記有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、及び前記有機基板に対して真空プロセスを施す工程、を含む高機能化基板の製造方法であって、前記有機基板に対して真空プロセスを施すに際し、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴としている。
有機基板を真空蒸着する際には、高真空に保たれている蒸着チャンバーに挿入する前に、直前に設けられた前室(チャンバー)で蒸着チャンバーの真空度と同程度か、あるいは1桁真空度が低いところまで、排気をして待機するが、粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことで、この待機時間(以下、「真空待機時間」と称する。)を短くすることができる。ひいては、真空プロセスにおいて到達すべき真空度により早く到達することができ、高機能基板の製造においてスループットを向上させることができる。
真空待機時間が長くなる原因として、有機材料からのアウトガスの発生が考えられる。本発明者は、この余分なアウトガスは、残溶剤成分ではなく、水分であることを突き止め、真空待機時間の短縮方法を検討した。そして、製作した基板は、エッチング工程やめっき工程で充分に吸水するが、100℃以上たとえば130℃、2時間の乾燥工程を経ても、窒素パージされているデシケータに保管しても、この真空待機時間は短縮できないことが判明した。そこで、さらに鋭意検討の末、真空待機時間を短縮する最も有効な方法は、有機基板などを真空デシケータに保存することであることを突き止めた。その具体的実施例として、最も吸水率が高い基材の一つであるポリイミドの基板を、大気圧から0.08MPa分減圧した環境下で24時間保管したところ、真空待機時間が半分まで改善できることを見出した。また、同様に、粘着保持層やその他基材についてもその詳細なデータを検討し、真空待機時間を短縮できることを確認した。
図7は、真空チャンバーと同程度の5×10−5Paに到達するまで時間、つまり真空待機時間を有機基板ごとに測定して得られた結果をグラフで示す図である。図7中、有機基板の材料として、Aは日立化成工業(株)製LX-67、E-679FG、BE-67G、E-67 、AS-3000E、E679、AS-5000I、KS7003を用いた場合を示し、Bはデュポン、新日鐵化学他製のポリイミドを用いた場合を示し、Cはジャパンゴアテックス社製の液晶ポリマを用いた場合を示し、Dは有機基板を用いず治工具のみで測定した場合である。図7による、液晶ポリマは特に真空待機時間が短いことが分かる。
前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱しておく工程における加熱の度合いとしては、100℃以上とすることが好ましく、105℃から160℃とすることがより好ましく、当該加熱状態を、1時間以上持続させることが好ましい。また、この後、減圧乾燥しておく工程までの待機する時間は1分以内が好ましく。周囲の相対湿度は、50%以下であることが好ましく、さらには30%以下であることが更に好ましい。
なお、有機基板に対する加工プロセスにおいて加熱工程がある場合には、その加熱工程の後、直ちに(例えば3分以内に)減圧保管すれば、別途予め加熱しておく工程を設けなくてもよい。
前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め減圧乾燥しておく工程における減圧の度合いとしては、大気圧より0.08MPa低い圧力とすることが好ましく、大気圧より0.08MPa低い圧力以下とすることがより好ましく、当該減圧状態を1.5時間以上持続させることが好ましい。さらに、減圧下から有機基板を取り出してから、可及的速やかに、できれば10分以内に真空蒸着機に搭載できるよう、有機基板は該治工具に搭載したまま保管することが好ましい。
本発明においては、予め加熱及び減圧乾燥の双方ともにすることが、粘着保持層及び/又は有機基板の水分を迅速にかつ十分に除去できる点で好ましい。従って、有機基板に対する加工プロセスにおいて加熱工程がない場合には、上述のように、別途105〜160℃の温度で1〜1.5時間保持する加熱する工程を設け、加熱後3分間除冷した後に減圧乾燥することが好ましい。
また、本発明の高機能化基板の製造方法は、具体的態様によると、既述の本発明の治工具における落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、前記有機基板に機能材料を塗布乾燥後の有機基板に、真空蒸着で蒸着金属を選択的に所定の位置に付与するための開口部が設けられたマスク治具を搭載し、プラズマ処理を施す工程、前記プラズマ処理後、所定金属を蒸着する工程、前記蒸着後、前記マスク治具を離脱するとともに、落とし込み治具をベース治工具から離脱する工程、前記ベース治具から離脱した落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、前記粘着保持層から有機基板を離脱する工程、を含むことを特徴としている。
本態様においても、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を、機能材料の塗布乾燥、真空蒸着、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つの処理の前において予め減圧乾燥しておくことが、真空待機時間を短くできる点で好ましい。
以下に、本発明を適用した高機能化基板の製造方法の一例を図8を参照して説明する。図8に示す高機能化基板はセンサ基板であって、図1に示したセンサ基板に対応している。
図8(A)に示す有機基板製造プロセスでは、片面配線形成プロセスを用いている。本発明の治工具に搭載された、金属層が形成された有機基板に対し、フォトレジストの塗布、配線パターン露光、現像、エッチング、金めっき、引き出し配線を保護するためのカバーレイの形成、裏打ちプレス、金型打ち抜き、検査の工程を経て製造される。この製造プロセスのうち、フォトレジスト塗布〜金めっきまでの工程は周知であるので、カバーレイの形成について説明する。
カバーレイは、図1においては符号20で示すものであるが、単一材料から構成する態様と、カバーレイフィルムと接着剤層とから構成する態様とが挙げられ、単一材料から構成する態様における材料としては、液晶ポリマが好適に使用される。
カバーレイフィルムと接着剤層とから構成する態様において、カバーレイフィルムとしては、ポリイミドフィルム、液晶ポリマ単体等を使用することができ、より具体的には、ニッカン工業製CISV2535、ジャパンゴアテックス社製STABIAX、又はBAIC−C等を使用することができる。
接着剤層に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂系接着剤あるいはエポキシ樹脂系接着剤、液晶ポリマ単体等が挙げられ、液晶ポリマ単体が好適に使用される。
カバーレイの厚さとしては、コネクタの厚さと整合させることが好ましく、例えば、コネクタに嵌合させる基材厚さが300μm±50μmの場合、真空待機時間を少しでも短くするため、含有水分の体積を少しでも減らす観点から、カバーレイの厚さ100μm以下であることが好ましい。
裏打ちプレスは、接着材を介して両面にポリイミドが積層されている層構成のニッカン工業社製のSNR353(厚さ:180μm)を用いて行うことができる。この積層体を京セラケミカル製の接着材TFA880−CA(50μm)を介して、ベース基板にプレスをして、コネクタと嵌合する厚さを調整することができる。
金型打ち抜きは、例えば、簡易金型と呼ばれるものを用いることが安価であり、好ましい。これは、木型面上に、打ち抜くための外形に合わせて刃を立設させたものであり、刃部以外にはクッションが設けられた構造が基本となっている。この上に基板をおいて、別の木型で押したときに刃物が押した木型に設けられた刃物を納める箇所に移動すると共に基板が切断される。
図8(B−1〜B−4)は、同図(A)のプロセスで得た基板に対して施す高機能化プロセス(図8においては電気化学的センサとするためのプロセス)を示す。
当該プロセスは、カーボンペースト60を所定の電極(作用電極、対極)の上に塗布乾燥して(図8(B−1))、その上に金蒸着62をすることにより、下地銅の金表面への拡散を防御する(図8(B−2))。その後、参照電極に、カーボンペースト64を塗布する工程(図8(B−3))、さらには、各種有機膜66を作用電極上に塗布する工程(図8(B−4))を有する。有機膜としては、金属イオンや、その他有機物イオン、核酸、糖、遺伝子、有機・無機物を問わず、センシング対象として、それらと結合して、電極表面の電気二重層を変化させるものが選択される。
以上の工程では、本発明の治工具を用いるため、落とし込み治具の落とし込み部において有機基板が粘着保持層に着接し、該有機基板の水平度が保持された状態で塗布乾燥やその他の処理が施されるので、有機基板の反りやねじれなどの不具合が低減し、表面性状のばらつきが少なくなるとともに、クラックの発生を抑えることができる。
また、以上の工程において、真空蒸着などの真空プロセスの前に有機基板などを予め減圧乾燥しておくことで、真空待機時間が短縮され、スループットを向上させることができる。
<真空蒸着方法>
本発明の真空蒸着方法は、既述の本発明の治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に所定金属を真空蒸着する真空蒸着方法であって、前記有機基板に対して真空蒸着を施すに際し、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴としている。
本発明の真空蒸着方法は、真空蒸着を施すに際し、粘着保持層及び/又は有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくため、真空待機時間が短縮され、真空蒸着全体に要する時間を短縮することができる。
さらに、本発明の真空蒸着方法は、本発明の治工具を用いるため、既述のように、有機基板の反りやねじれなどの不具合が低減し、表面性状のばらつきが少なくなるとともに、クラックの発生を抑えつつ真空蒸着することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、電気化学的測定基板、メモリカード、センサチップなどの電子デバイスを有機基板を用いて作製する場合、特に高集積化や高機能化のためにプリンタブルエレクトロニクスや真空プロセスを適用する際に生じる、塗布乾燥プロセスでの膜厚さばらつき、表面性状ばらつき、クラック発生といった課題を解消し、さらに真空待機によるスループロセスの劣化を解消することが可能である。
10 センサ基板
14 引き出し配線
16 接続端子
30 落とし込み治具
31 落とし込み基板
32 落とし込み部
34 粘着保持層
36 凹部
40 ベース治具
42 凸部
44 凹部
50 マスク治具

Claims (12)

  1. 機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板、及び前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層が積層されてなり、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を有する落とし込み治具と、
    前記落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具と、
    を有する治工具を用いる高精度塗布乾燥方法であって、
    前記治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、
    前記有機基板に機能材料を塗布乾燥後、前記落とし込み治具を前記ベース治工具から離脱する工程、
    前記ベース治具から離脱した落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、及び
    前記粘着保持層から有機基板を離脱する工程、
    を含むことを特徴とする機能材料の高精度塗布乾燥方法。
  2. 前記落とし込み治具の粘着保持層が両面ともに粘着性を有し、該両面の各面において粘着力が異なることを特徴とする請求項1に記載の高精度塗布乾燥方法。
  3. 前記粘着保持層の落とし込み基板側の面の粘着力が、他方の面よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の高精度塗布乾燥方法。
  4. 前記有機基板の厚さと等しくなるように落とし込み基板の厚さが設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高精度塗布乾燥方法。
  5. 前記ベース治具の前記凸部を有する面とは反対側の面に、前記治工具が固定される装置に設けられた凸部と嵌合してベース治具を載置固定する凹部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高精度塗布乾燥方法。
  6. 前記治工具が、前記有機基板を落とし込み治具に落とし込んだ後の落とし込み基板上に設けられる、真空蒸着で蒸着金属を選択的に所定の位置に付与するための開口部が形成されたマスク治具をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高精度塗布乾燥方法。
  7. 前記落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付した後、有機基板に機能材料を塗布する前に、プラズマ処理を施すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能材料の高精度塗布乾燥方法。
  8. 機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板、及び前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層が積層されてなり、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を有する落とし込み治具と、
    前記落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具と、
    を有する治工具を用いる高機能化基板の製造方法であって、
    前記治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付する工程、
    前記有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、及び
    前記有機基板に対して真空プロセスを施す工程、
    を含む高機能化基板の製造方法であって、
    前記有機基板に対して真空プロセスを施すに際し、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴とする高機能化基板の製造方法。
  9. 機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板、及び前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層が積層されてなり、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を有する落とし込み治具と、
    前記落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具と、
    を有する治工具を用いる高機能化基板の製造方法であって、
    前記治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に機能材料を塗布乾燥する工程、
    前記有機基板に機能材料を塗布乾燥後の有機基板に、真空蒸着で蒸着金属を選択的に所定の位置に付与するための開口部が設けられたマスク治具を搭載し、プラズマ処理を施す工程、
    前記プラズマ処理後、所定金属を蒸着する工程、
    前記蒸着後、前記マスク治具を離脱するとともに、落とし込み治具をベース治工具から離脱する工程、
    前記ベース治具から離脱した落とし込み治具の粘着保持層を剥離する工程、
    前記粘着保持層から有機基板を離脱する工程、
    を含むことを特徴とする高機能化基板の製造方法。
  10. 前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を、機能材料の塗布乾燥、真空蒸着、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つの処理の前において予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴とする請求項9に記載の高機能化基板の製造方法。
  11. 機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板、及び前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層が積層されてなり、凸状部が嵌合する凹部又は貫通穴を有する落とし込み治具と、
    前記落とし込み治具に設けられた凹部又は貫通穴に嵌合する凸状部を有し、前記落とし込み治具を載置固定するベース治具と、
    を有する治工具を用い、
    前記治工具の落とし込み治具の落とし込み部に有機基板を落とし込み、該落とし込み部に位置する粘着保持層に有機基板を貼付し、該有機基板に所定金属を真空蒸着する真空蒸着方法であって、
    前記有機基板に対して真空蒸着を施すに際し、前記粘着保持層及び/又は前記有機基板を予め加熱及び/又は減圧乾燥し、減圧下にて保管しておくことを特徴とする真空蒸着方法。
  12. 機能材料を塗布乾燥しようとする有機基板を所定の保持位置へと案内して落とし込む落とし込み部を有する落とし込み基板と、及び前記落とし込み部に落とし込んだ有機基板の水平度を保持する粘着保持層とが積層されてなり、前記粘着保持層の両面ともに粘着性を有し、該両面の各面において粘着力が異なる落とし込み治具の製造方法であって、
    遮光基材の両面に形成した光硬化性樹脂層に対し、照射する光の光量を両面のそれぞれにおいて異ならせて前記粘着保持層を形成する工程を含むことを特徴とする落とし込み治具の製造方法。
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