JPH09295295A - 極座標型ロボット - Google Patents

極座標型ロボット

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JPH09295295A
JPH09295295A JP8135695A JP13569596A JPH09295295A JP H09295295 A JPH09295295 A JP H09295295A JP 8135695 A JP8135695 A JP 8135695A JP 13569596 A JP13569596 A JP 13569596A JP H09295295 A JPH09295295 A JP H09295295A
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JP
Japan
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vertical
main body
robot
motion
freedom
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Withdrawn
Application number
JP8135695A
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English (en)
Inventor
Teruki Ito
輝樹 伊東
Nobutaka Miyama
信孝 深山
Kiyoshi Kanitani
清 蟹谷
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Nachi Fujikoshi Corp
Original Assignee
Nachi Fujikoshi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮軸を有する極座標型ロボットにおいて、
旋回動作および上下動作を行うアクチュエータの小型化
を実現し、これにより軽量な極座標型ロボットの提供を
可能にする。 【解決手段】 ロボット基台1とは2自由度を有するジ
ョイントにて接続されるとともに、ロボット基台上に旋
回可能にされた旋回軸可動部3の上部に揺動可能に支持
された上下軸本体部4とは2または3自由度を有するジ
ョイントにて接続されるようにし、ロボット基台1と上
下軸本体部4とを伸縮可能に接続するようにされた2つ
の上下旋回用直動アクチュエータ14を設け、この2つの
上下旋回用直動アクチュエータ14の協調動作により上下
軸本体部4に対して旋回動作及び上下動作を行わせると
ともに、上下軸本体部4に伸縮可能に嵌挿された前後ス
ライドロッド8に対して前後動作を行わせ、これにより
前後スライドロッド8の先端の手首軸12に把持された工
具に対して旋回・上下・前後の3方向動作を行わせるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伸縮軸を有する極座
標型ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に極座標型ロボットとしては、日本
ロボット学会編「ロボット工学ハンドブック」(188
〜189頁、1990年10月20日、コロナ社発行)
に記載されている開ループ機構のものがよく知られてい
る。これに記載されている極座標型ロボットは、ロボッ
ト基台上の旋回軸の上に上下軸、上下軸の上に前後伸縮
軸を有する、直列構造の軸構成及び独立したアクチュエ
ータの構成となっている。このため、ロボット基台に対
して旋回動作を行う旋回軸可動部は、その上部に配置さ
れた他の軸すなわち上下軸及び前後伸縮軸の駆動部およ
び構造体を負荷とするため、負荷、慣性モーメントとも
に大きなものとなっていた。このため、旋回軸可動部に
は大きな駆動力とアクチュエータが必要となっていた。
また、上下軸を揺動させるための上下用アクチュエータ
についても、上下軸本体部の重力方向のモーメント荷重
を受けるため、旋回軸可動部と同様の問題が生じてい
た。そしてこの問題が、極座標型ロボットの小型化にと
って大きな障害となっていた。
【0003】一方、前述の開ループ機構に対し、閉ルー
プ機構を採用したものも従来技術として存在しており、
D.Steward 著「A PLATFORM WITH SIX DEGREES OF FREED
OM」[Proc Instn Mech Engrs, Vol.180 ,Pt 1 ,No.15
(1965-66), 371 頁〜386 頁のFig.17]に記載されてい
る空間6自由度のものや、R Clavel著「DELTA,a fastro
bot with parallel geometry 」[ Proc. Int. Symposi
um on Industrial Robots(April 1988), 91頁〜100
頁のFig.1]に記載されている空間4自由度のものがよ
く知られている。しかし、これらの従来技術では、旋
回、上下、前後の3方向動作を行うことに対しては冗長
な自由度を有することになり、無駄な自由度の分だけ駆
動機構が増加するため、構成が複雑になり、重量も重く
なるという問題を生じていた。
【0004】また、空間3自由度の機構を有するもの
は、特開昭61−260994号公報および特開平8−
11080号公報に開示されている。しかし、特開昭6
1−260994号においては、アクチュエータを持つ
3つの連結要素のみで機構を構成しているので、その出
力部材の自由度は6自由度となり、これを拘束するため
の機構を別に設けるようにしている。このため、前述の
3文献に記載されたものと同様に、構成が複雑となり、
重量も重くなるという問題があった。一方、特開平8−
11080号においては、連結要素の自由度数を減らす
ことによりリンク機構の自由度を3自由度に拘束するよ
うにしているが、その動作形態は、ロボット座標系のX
軸まわりおよびY軸まわりの各回転とZ方向の直進運動
となっており、すなわちこれをロボットの自由度構成で
表すと、直動、旋回、回転動作となり、極座標型ロボッ
トにこの動作形態を適用することはできないという問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上に述べ
た従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
る。すなわち、旋回軸の上に上下軸、上下軸の上に前後
伸縮軸を有する、直列構造の軸構成および独立したアク
チュエータの構成となっている従来の開ループ機構の極
座標型ロボットは、ロボット基台に対して旋回動作をす
る旋回軸可動部についてはその上部に配置された他の軸
すなわち上下軸及び前後伸縮軸の駆動部及び構造体を負
荷とするため、また上下軸を揺動させるための上下用ア
クチュエータについては上下軸本体部の重力方向のモー
メント荷重を受けるため、ともに大きな駆動力とアクチ
ュエータが必要となり、その結果軽量な極座標型ロボッ
トの実現が困難なものとなっていた。
【0006】よって本発明は、伸縮軸を有する極座標型
ロボットにおいて、旋回動作および上下動作を行うアク
チュエータの小型化を実現し、これにより軽量な極座標
型ロボットの提供を可能にすることを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では次の2つの発明を提供した。まず第1
の発明では、旋回及び上下の2方向動作を同時に行うこ
とが可能な上下旋回用の直動アクチュエータを2つ設け
ることにより、旋回及び上下の2方向動作を2つの直動
アクチュエータによって協調して行わせるようにした。
この構成における協調動作される2つの上下旋回用直動
アクチュエータの個々に必要な駆動力は、従来技術にお
ける個々に独立したアクチュエータすなわち旋回用アク
チュエータ及び上下用アクチュエータのそれぞれに必要
な駆動力よりも小さいものとなる。なお、本発明におい
て示されるアクチュエータの協調動作とは、旋回及び上
下の2方向動作、あるいはこれに前後動作を加えた3方
向動作に関して、これら複数方向の動作を同時に行う場
合に加え、各動作を単独に行う場合についても、複数の
アクチュエータのそれぞれに分散して駆動指令を与える
ことをいう。
【0008】すなわち第1の発明の極座標型ロボットで
は、ロボット基台上に設けられこのロボット基台の据え
付け面に対して垂直な旋回軸に関して旋回動作を行うよ
うにされた旋回軸可動部と、旋回軸可動部の上部に設け
られた上下軸揺動支点にて支持されるとともにこの上下
軸揺動支点を中心にして上下に揺動可能にされた上下軸
本体部と、上下軸本体部に伸縮可能に嵌挿され前後用直
動アクチュエータにより上下軸本体部に対して前後動作
するようにされた前後スライドロッドと、ロボット基台
とは2自由度を有する基台側ジョイントにて接続される
とともに上下軸本体部とは2または3自由度を有する上
腕側ジョイントにて接続されるようにしロボット基台と
上下軸本体部とを伸縮可能に接続するようにされた2つ
の上下旋回用直動アクチュエータと、を有し、2つの上
下旋回用直動アクチュエータの協調動作により上下軸本
体部に対して旋回動作及び上下動作を行わせるととも
に、前後用直動アクチュエータにより前後スライドロッ
ドに対して上下軸本体部に関して前後動作を行わせ、こ
れにより前後スライドロッドの先端の手首軸に把持され
た工具に対して旋回・上下・前後の3方向動作を行わせ
るようにした(請求項1)。
【0009】上記の構成としたことにより、極座標型ロ
ボットの前後伸縮軸を有する上下軸本体部の動作、すな
わちロボット基台上に設けられこのロボット基台の据え
付け面に対して垂直な旋回軸に関して旋回動作を行うよ
うにされた旋回軸可動部の上部に設けられた上下軸揺動
支点にて支持されるとともに、この上下軸揺動支点を中
心にして上下に揺動可能にされた上下軸本体部における
旋回及び上下の2つの動作は、上下旋回用の2つの直動
アクチュエータにより協調して行われるようになるの
で、個々の直動アクチュエータのそれぞれには大きな駆
動力はかからないようになる。
【0010】なお、ロボット基台と上下軸本体部とを伸
縮可能に接続するようにされた2つの上下旋回用直動ア
クチュエータは、上下軸揺動支点からみて上下軸本体部
の前方側すなわち手首軸側に接続されるようにしてもよ
いし(請求項2)、上下軸揺動支点からみて上下軸本体
部の後方側すなわち反手首軸側に接続されるようにして
もよい(請求項3)。ただし、ロボット基台の前方側す
なわち手首側の近辺に障害物が存在するような場所にお
いて使用する場合は、2つの上下旋回用直動アクチュエ
ータは、上下軸揺動支点からみて上下軸本体部の後方側
すなわち反手首軸側に接続されるようにしたほうがよ
い。
【0011】また第2の発明では、旋回及び上下の2方
向動作を同時に行うことが可能な上下旋回用の直動アク
チュエータを2つ設けることにより、旋回及び上下の2
方向動作を2つの直動アクチュエータによって協調して
行わせるようにするとともに、前後動作を行うことが可
能な前後用直動アクチュエータについても2つの上下旋
回用直動アクチュエータと協調動作を行わせるようにす
ることにより、旋回、上下、及び前後の3向動作をこれ
ら3つの直動アクチュエータによって協調して行わせる
ようにした。この構成における協調動作される2つの上
下旋回用直動アクチュエータ及び前後用直動アクチュエ
ータの個々に必要な駆動力は、従来技術における個々に
独立したアクチュエータすなわち旋回用アクチュエー
タ、上下用アクチュエータ、及び前後用アクチュエータ
のそれぞれに必要な駆動力よりも小さいものとなる。
【0012】すなわち第1の発明の極座標型ロボットで
は、ロボット基台上に設けられこのロボット基台の据え
付け面に対して垂直な旋回軸に関して旋回動作を行うよ
うにされた旋回軸可動部と、旋回軸可動部の上部に設け
られた上下軸揺動支点にて支持されるとともにこの上下
軸揺動支点を中心にして上下に揺動可能にされた上下軸
本体部と、上下軸本体部に伸縮可能に嵌挿され前後用直
動アクチュエータにより上下軸本体部に対して前後動作
するようにされた前後スライドロッドと、ロボット基台
とは2自由度を有する基台側ジョイントにて接続される
とともに前後スライドロッドとは2または3自由度を有
する上腕側ジョイントにて接続されるようにしロボット
基台と前後スライドロッドとを伸縮可能に接続するよう
にされた2つの上下旋回用直動アクチュエータと、を有
し、2つの上下旋回用直動アクチュエータ及び前後用直
動アクチュエータの協調動作により前後スライドロッド
に対して旋回動作、上下動作、及び前後動作を行わせ、
これにより前後スライドロッドの先端の手首軸に把持さ
れた工具に対して旋回・上下・前後の3方向動作を行わ
せるようにした(請求項4)。
【0013】上記の構成としたことにより、極座標型ロ
ボットの上下軸本体部に対して伸縮可能に嵌挿された前
後スライドロッドの動作、すなわちロボット基台上に設
けられこのロボット基台の据え付け面に対して垂直な旋
回軸に関して旋回動作を行うようにされた旋回軸可動部
の上部に設けられた上下軸揺動支点にて支持されるとと
もに、この上下軸揺動支点を中心にして上下に揺動可能
にされた上下軸本体部に対して伸縮可能に嵌挿された前
後スライドロッドにおける旋回、上下、及び前後の3つ
の動作は、上下旋回用の2つの直動アクチュエータ及び
前後用直動アクチュエータすなわち3つのアクチュエー
タにより協調して行われるようになる。したがって、個
々の直動アクチュエータのそれぞれにかかる駆動力は、
第1の発明のものよりさらに小さくなる。
【0014】なお、ロボット基台と前後スライドロッド
とを伸縮可能に接続するようにされた2つの上下旋回用
直動アクチュエータは、上下軸揺動支点からみて前後ス
ライドロッドの前方側すなわち手首軸側に接続されるよ
うにしてもよいし(請求項5)、上下軸揺動支点からみ
て前後スライドロッドの後方側すなわち反手首軸側に接
続されるようにしてもよい(請求項6)。ただし、ロボ
ット基台の前方側すなわち手首側の近辺に障害物が存在
するような場所において使用する場合は、2つの上下旋
回用直動アクチュエータは、上下軸揺動支点からみて前
後スライドロッドの後方側すなわち反手首軸側に接続さ
れるようにしたほうがよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1は本発明の極座標型
ロボットの第1の実施形態における全体構成を示す側断
面図、図2はこの第1の実施形態における上下軸揺動支
点13、及び前後用直動アクチュエータ6と前後スライ
ドロッド8とを含む前後伸縮軸の構成を示す水平断面
図、図3は上下旋回用直動アクチュエータ14の構成を
示す手首側から見た断面図を示したものである。また、
図4乃至図6は、後述する本発明の第2及び第3の実施
形態も含めた本発明の各実施形態共通の図であり、図4
は上下軸本体部4と上下旋回用直動アクチュエータ可動
部14との接続部の具体的な構成を示す断面図、図5は
ロボット基台1と上下旋回用直動アクチュエータ14と
の接続部の具体的な構成を示す断面図、図6は上下旋回
用直動アクチュエータ14の構成及び各ジョイントの自
由度を示す斜視図をそれぞれ示している。
【0016】ロボット基台1の上にこのロボット基台の
据え付け面1aに対して垂直な旋回軸に関して旋回動作
(A)が可能にされた旋回軸可動部3を支持軸受2によ
り支持し、この旋回軸可動部3の上部には上下軸揺動支
点13を中心に上下動作(B)が可能にされたに上下軸
本体部4が設けられている。この上下軸本体部4の上下
軸揺動支点13からみて前方側すなわち手首軸12側に
は、この上下軸本体部4とロボット基台1とを伸縮可能
に接続する2つの上下旋回用直動アクチュエータ14が
設けられている。この2つの上下旋回用直動アクチュエ
ータ14は、図3に示すように、極座標型ロボットの正
面側からみてそれぞれ左右対称に配置されている。そし
て2つの上下旋回用直動アクチュエータ14を協調動作
させることにより、ロボット基台1に対する上下軸本体
部4の旋回及び上下の動作を可能にさせている。
【0017】また、上下軸本体部4には、上下軸揺動支
点13の中心軸線に対し直角方向前方に、この上下軸本
体部4に対して前後用直動アクチュエータ6により伸縮
可能に嵌挿された前後スライドロッド8が設けられてい
る。図2に示すように、前後用直動アクチュエータ6
は、上下軸本体部4に支持された前後用直動アクチュエ
ータ本体6aと、接続部材9により前後スライドロッド
8と接続された前後用直動アクチュエータ可動部6bか
らなり、前後用直動アクチュエータ可動部6bが前後用
直動アクチュエータ本体6aに対して伸縮可能に接続さ
れることにより、前後スライドロッド8は上下軸本体部
4に対して相対的に可動可能になる。なお、図2に示す
ように、前後用直動アクチュエータ6の前後スライドロ
ッド8に関する対称位置では、前記の接続部材9に接続
されたガイドバー11が上下軸本体部4に支持されたガ
イドスライドケース7に対して摺接可能に支持されてい
る。さらに、前後スライドロッド8の先端にはこの極座
標型ロボットにて所定の作業を行わせるための図示しな
い工具を取り付け可能にされた手首軸12が設けられて
いる。なお、上下旋回用直動アクチュエータ14及び前
後用直動アクチュエータ6は、空圧または油圧シリンダ
で構成するようにしている。また、図3に示す17は上
下軸本体部4を覆うようにされた保護カバーである。
【0018】ここで上下旋回用直動アクチュエータ14
について詳述すると、上下旋回用直動アクチュエータ1
4は、互いに伸縮可能に接続された上下旋回用直動アク
チュエータ本体14aと上下旋回用直動アクチュエータ
可動部14bからなり、上下旋回用直動アクチュエータ
本体14aは基台側ジョイントを介してロボット基台1
と接続され、また上下旋回用直動アクチュエータ可動部
14bは上腕側ジョイントを介して上下軸本体部4と接
続されている。上腕側ジョイントは、図4に示すよう
に、上下旋回用直動アクチュエータ可動部14bと上下
軸本体部4のそれぞれに取り付けられた金具22、24
が、軸受内輪23を介して接続するようにされた3自由
度のボールジョイントとなっている。一方、基台側ジョ
イントは、図5に示すように、支持軸受20、21、及
び中間部材19を用いて接続するようにされた2自由度
のユニバーサルジョイントとなっている。これらのジョ
イント機構により、上下軸本体部4はロボット基台1に
対して旋回動作及び上下動作が可能にされている。図6
は、この上下旋回動作用直動アクチュエータ部の構成、
及び各ジョイントの自由度を示す斜視図を示したもので
あり、23は上下旋回用直動アクチュエータ可動部14
bと上下軸本体部4とを接続する軸受内輪である。
【0019】ここで、この第1の実施形態における上下
軸本体部4が2自由度であることを示すとともに、2つ
の直動アクチュエータに対して冗長な自由度を有してい
ないことを説明する。空間リンク機構の自由度をF、空
間での出力部材の自由度をd、空間リンクにおけるリン
クの総数をE、自由度Fのジョイントの総数をPf とす
ると、空間リンク機構の自由度Fは、式(1)により求
められることが一般に知られている。
【0020】
【数1】
【0021】前後伸縮軸である前後スライドロッド8を
有する上下軸本体部4、上下旋回用直動アクチュエータ
14、及び第1の実施形態における極座標型ロボットの
機構を示す斜視図である図7より、式(1)から空間リ
ンク機構の自由度Fを算出するために必要な、空間での
出力部材の自由度d、リンクの空間リンクにおけるリン
クの総数E、自由度Fのジョイントの総数Pf をそれぞ
れ求める。第1の実施形態における出力部材は上下軸本
体部4であり、この上下軸本体部4は従来の極座標型ロ
ボットと同様にこれ自身の軸方向回りの回転要素を持た
ないため、空間での出力部材の自由度dは5となる。ま
た、ロボット基台1を含め、空間リンクにおけるリンク
総数Eは7、1自由度のジョイント総数P1 は4、2自
由度のジョイント総数P2 は2、3自由度のジョイント
総数P3 は2となる。これらの値より、式(1)から算
出される第1の実施形態における空間リンク機構の自由
度Fは4と算出される。
【0022】次に、出力部材である上下軸本体部4の自
由度を求める。式(1)の値はリンク機構の自由度であ
り、連結要素に出力部材の位置や姿勢に影響しない無駄
な自由度も含んでいるので、出力部材の自由度を求める
ためには、この無駄な自由度をリンク機構の自由度から
除かなくてはならない。この無駄な自由度は、内山他著
「A new Design ofa 6-DOF Parallel Robot」[J. of R
obotics and Mechatronics Vol.2,No.4, PP.308〜315
(1990)]によれば、内部自由度と呼ばれており、この内
部自由度をFi とすると、出力部材の自由度Fe は、式
(2)により求められるとしている。
【0023】
【数2】
【0024】第1の実施形態のリンク機構においては、
出力部材である上下軸本体部4の空間の自由度は5であ
るため、6自由度以上を有する連結要素は内部自由度を
持つことになる。第1の実施形態では6自由度の連結要
素を2つ用いていることから内部自由度Fi は2であ
り、また式(1)より空間リンク機構の自由度Fは4と
算出されているから、式(2)により出力部材の自由度
e は2と求められる。したがって、出力部材である上
下軸本体部4は、2つの自由度を有しているとともに、
2つの直動アクチュエータに対して冗長な自由度を有し
ていないことになる。
【0025】なお、第1の実施形態においては、簡素化
のため、上下旋回用直動アクチュエータ可動部15と上
下軸本体部4とを3自由度のボールジョイントにより接
続しているが、これを2自由度のユニバーサルジョイン
トにより接続しても、連結要素は5自由度となるため問
題はない。また、図7は、この上下軸本体部4が2つの
上下旋回用直動アクチュエータ14にて上下動作および
旋回動作し、上下軸本体部4の上下軸揺動支点の中心線
に対して直角方向前方に伸縮動作する極座標型ロボット
であることを示す斜視図でもある。
【0026】図8は本発明の極座標型ロボットの第2の
実施形態における全体構成を示す側断面図であり、上下
旋回用直動アクチュエータ可動部15の接続位置が第1
の実施形態とは相違している。すなわち、上下旋回用直
動アクチュエータ可動部15は、第1の実施形態では上
下軸本体部4に接続されていたが、この第2の実施形態
では上下軸本体部4に対して伸縮可能に嵌挿された前後
スライドロッド8に接続されている。これにより第2の
実施形態では前後スライドロッド8がリンク機構の出力
部材となっている。また、2つの上下旋回用直動アクチ
ュエータ15は前後スライドロッド8を伸縮動作させる
前後用直動アクチュエータ6と協調して動作するように
されている。なお、第1の実施形態の全体構成を示す図
1と共通する構成については説明を省略する。
【0027】ここで、第2の実施形態の極座標型ロボッ
トの機構を示す斜視図である図9を参照しながら、この
第2の実施形態におけるリンク機構の自由度を算出す
る。図9より、ロボット基台1を含め、空間リンクにお
けるリンク総数Eは8、1自由度のジョイントの総数P
1 は5、2自由度のジョイントの総数P2 は2、3自由
度のジョイントの総数P3 は2となる。これらの値よ
り、式(1)から算出された空間リンク機構の自由度F
は5、内部自由度は2となる。式(2)より、第2の実
施形態におけるリンク機構の自由度は3であり、旋回、
上下、前後の3動作に対して過不足のないことがわか
る。なお、第2の本実施形態においても前述の第1の実
施形態と同様に、3自由度のボールジョイントを2自由
度のユニバーサルジョイントに変更しても問題はない。
【0028】図10は本発明の極座標型ロボットの第3
の実施形態における全体構成を示す側断面図であり、上
下旋回用直動アクチュエータ可動部15の接続位置が第
1の実施形態とは相違している。すなわち、上下旋回用
直動アクチュエータ可動部15は、第1の実施形態では
上下軸本体部4の上下軸揺動支点13からみて前方側す
なわち手首軸側に接続されていたが、この第3の実施形
態では上下軸本体部4の上下軸揺動支点13からみて後
方側すなわち反手首側に接続されている。第1の実施形
態と同様に、2つの上下旋回用直動アクチュエータ14
は協調して上下軸本体部4を旋回及び上下動作するよう
にされている。なお、第3の実施形態においても、図9
に示した第2の実施形態と同様に、2つの上下旋回用直
動アクチュエータ14を反手首側に伸びる前後スライド
ロッド8と接続することにより、手首軸12を旋回、上
下、前後動作させるようにすることも可能である。な
お、第1の実施形態の全体構成を示す図1と共通する構
成については説明を省略する。
【0029】以上、本発明の極座標型ロボットにおいて
適用される3つの実施形態について説明した。これら第
1乃至第3の実施形態では、上下旋回用直動アクチュエ
ータ14及び前後用直動アクチュエータ6は、空圧また
は油圧制御のシリンダで構成するようにしたが、直動す
るアクチュエータであれば、サーボモータ等の電動モー
タとボールネジとの組合せとした構成や、電動モータと
ラック&ピニオンとの組合せとした構成としてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術の機構では旋
回・上下動作に大きな駆動力が必要なためアクチュエー
タを小型化できなかった極座標型ロボットの前後伸縮軸
を有す上下軸本体部を、上下旋回用の2つの直動アクチ
ュエータにより旋回及び上下の2つの動作を協調して行
わせるか、あるいはこの2つの直動アクチュエータに前
後用の直動アクチュエータを加えた3つのアクチュエー
タにより旋回、上下、及び前後の3つの動作を協調して
行わせるようにしたので、個々のアクチュエータのそれ
ぞれには大きな駆動力が必要ではなくなり、これにより
アクチュエータの小型化を実現した軽量な極座標型ロボ
ットを提供することが可能となった。
【0031】また、本発明の極座標型ロボットをバリ取
り加工のような切削加工にて適用した場合、手首軸に取
りつけられた切削工具が被加工物から受ける切削反力
は、協調動作される2つないしは3つの直動アクチュエ
ータに分散されることになるので、個々のアクチュエー
タの剛性についても従来より小さなもので済むようにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おける全体構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おける上下軸揺動支点13、及び前後用直動アクチュエ
ータ6と前後スライドロッド8とを含む前後伸縮軸の構
成を示す水平断面図である。
【図3】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おける上下旋回用直動アクチュエータ14の構成を示す
手首側から見た断面図である。
【図4】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おける上下軸本体部4と上下旋回用直動アクチュエータ
可動部15との接続部の具体的な構成を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おけるロボット基台1と上下旋回用直動アクチュエータ
14との接続部の具体的な構成を示す断面図である。
【図6】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おける上下旋回用直動アクチュエータ14の構成及び各
ジョイントの自由度を示す斜視図である。
【図7】本発明の極座標型ロボットの第1の実施形態に
おいて、上下軸本体部4が上下旋回用の2つの直動アク
チュエータ14の協調動作にて上下動作および旋回動作
することを示す斜視図である。
【図8】本発明の極座標型ロボットの第2の実施形態に
おける全体構成を示す側断面図である。
【図9】本発明の極座標型ロボットの第2の実施形態に
おいて、前後スライドロッド8の先端部すなわち手首軸
12が、上下軸本体部4を上下及び旋回動作させるため
の2つの直動アクチュエータ14と、前後スライドロッ
ド8を伸縮動作させるための直動アクチュエータ6とに
よって、上下動作、旋回動作および前後動作することを
示す斜視図である。
【図10】本発明の極座標型ロボットの第3の実施形態
における全体構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 ロボット基台 3 旋回軸可動部 4 上下軸本体部 6 前後用直動アクチュエータ 8 前後スライドロッド 12 手首軸 13 上下軸揺動支点 14 上下旋回用直動アクチュエータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボット基台上に設けられ該ロボット基台
    の据え付け面に対して垂直な旋回軸に関して旋回動作を
    行うようにされた旋回軸可動部と、該旋回軸可動部の上
    部に設けられた上下軸揺動支点にて支持されるとともに
    該上下軸揺動支点を中心にして上下に揺動可能にされた
    上下軸本体部と、該上下軸本体部に伸縮可能に嵌挿され
    前後用直動アクチュエータにより上下軸本体部に対して
    前後動作するようにされた前後スライドロッドと、前記
    ロボット基台とは2自由度を有する基台側ジョイントに
    て接続されるとともに前記上下軸本体部とは2または3
    自由度を有する上腕側ジョイントにて接続されるように
    しロボット基台と上下軸本体部とを伸縮可能に接続する
    ようにされた2つの上下旋回用直動アクチュエータと、
    を有し、前記2つの上下旋回用直動アクチュエータの協
    調動作により前記上下軸本体部に対して旋回動作及び上
    下動作を行わせるとともに、前記前後用直動アクチュエ
    ータにより前記前後スライドロッドに対して上下軸本体
    部に関して前後動作を行わせ、これにより前後スライド
    ロッドの先端の手首軸に把持された工具に対して旋回・
    上下・前後の3方向動作を行わせるようにしたことを特
    徴とする極座標型ロボット。
  2. 【請求項2】請求項1記載の2つの上下旋回用直動アク
    チュエータは、前記上下軸揺動支点からみて上下軸本体
    部の前方側すなわち手首軸側に接続されるようにしたこ
    とを特徴とする極座標型ロボット。
  3. 【請求項3】請求項1記載の2つの上下旋回用直動アク
    チュエータは、前記上下軸揺動支点からみて上下軸本体
    部の後方側すなわち反手首軸側に接続されるようにした
    ことを特徴とする極座標型ロボット。
  4. 【請求項4】ロボット基台上に設けられ該ロボット基台
    の据え付け面に対して垂直な旋回軸に関して旋回動作を
    行うようにされた旋回軸可動部と、該旋回軸可動部の上
    部に設けられた上下軸揺動支点にて支持されるとともに
    該上下軸揺動支点を中心にして上下に揺動可能にされた
    上下軸本体部と、該上下軸本体部に伸縮可能に嵌挿され
    前後用直動アクチュエータにより上下軸本体部に対して
    前後動作するようにされた前後スライドロッドと、前記
    ロボット基台とは2自由度を有する基台側ジョイントに
    て接続されるとともに前記前後スライドロッドとは2ま
    たは3自由度を有する上腕側ジョイントにて接続される
    ようにしロボット基台と前後スライドロッドとを伸縮可
    能に接続するようにされた2つの上下旋回用直動アクチ
    ュエータと、を有し、前記2つの上下旋回用直動アクチ
    ュエータ及び前後用直動アクチュエータの協調動作によ
    り前記前後スライドロッドに対して旋回動作、上下動
    作、及び前後動作を行わせ、これにより前後スライドロ
    ッドの先端の手首軸に把持された工具に対して旋回・上
    下・前後の3方向動作を行わせるようにしたことを特徴
    とする極座標型ロボット。
  5. 【請求項5】請求項4記載の2つの上下旋回用直動アク
    チュエータは、前記上下軸揺動支点からみて前後スライ
    ドロッドの前方側すなわち手首軸側に接続されるように
    したことを特徴とする極座標型ロボット。
  6. 【請求項6】請求項4記載の2つの上下旋回用直動アク
    チュエータは、前記上下軸揺動支点からみて前後スライ
    ドロッドの後方側すなわち反手首軸側に接続されるよう
    にしたことを特徴とする極座標型ロボット。
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